JPH11255880A - 共重合ポリエステルの製造法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造法

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JPH11255880A
JPH11255880A JP6083098A JP6083098A JPH11255880A JP H11255880 A JPH11255880 A JP H11255880A JP 6083098 A JP6083098 A JP 6083098A JP 6083098 A JP6083098 A JP 6083098A JP H11255880 A JPH11255880 A JP H11255880A
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JP
Japan
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molecular weight
compound
mol
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average molecular
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JP6083098A
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English (en)
Inventor
Takao Okochi
隆雄 大河内
Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性容器用等に適する、高分子量
で、色調、耐熱性及び耐衝撃性に優れ、かつ良好な透明
性を有するポリ(エチレンイソフタレート/エチレンテ
レフタレート)系共重合ポリエステルを製造する方法を
提供する。 【解決手段】 エチレンイソフタレート単位とエチレン
テレフタレート単位とのモル比が95/5〜15/85
のランダム共重合ポリエステルを製造するに際し、数平
均分子量が2000以下のオリゴマーに、リン酸又はそ
のエステルを酸成分1モルに対して1×10-4〜200
×10-4モルとなる量で添加して0.5時間以上エステ
ル化反応を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合
物、コバルト化合物及びゲルマニウム化合物を特定量添
加し、数平均分子量が10000以上となるまで重縮合
反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性、
色調、耐熱性、耐衝撃性に優れ、かつ良好な透明性を有
する高分子量ポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)系共重合ポリエステルを製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れてお
り、また軽量で安価であるために、各種のフィルム、シ
ート及び容器等の包装材料として広く用いられている。
【0003】しかしながら、PETは、ポリオレフィン
等の他の熱可塑性樹脂に比べればガスバリヤー性に優れ
ているものの、用途によってはガスバリヤー性が不十分
であった。例えば、炭酸飲料、ワイン等の飲料用容器あ
るいは医療用容器等においては、内容物を保存するとい
う観点から特に厳しいガスバリヤー性が要求されるが、
PETからなる容器ではこの要求を十分満足させること
ができなかった。
【0004】ガスバリヤー性の改善されたポリエステル
容器として、特開昭59-64624号公報には、ポリエチレン
イソフタレートもしくはポリ(エチレンイソフタレート
/エチレンテレフタレート)のような共重合ポリエステ
ルからなるものが開示されている。これらのうちポリエ
チレンイソフタレートは、高融点の環状オリゴマーを含
んでいるため、これが成形品に異物として混入するとい
う問題があり、容器用としては共重合ポリエステルの方
が好ましい。
【0005】ポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)系共重合ポリエステル(以下「PEI
T」という。)は、古くから知られている(例えば、特
公昭34-3238 号公報) が、PEITはPETに比べて重
縮合反応が進みにくく、反応速度が遅いため、重縮合時
間を長くすることが必要となり、熱分解反応が進行して
高分子量のものが得られず、色調や透明性が悪化すると
いう問題があった。
【0006】一方、上記した問題点を解消するものとし
て、特公昭63-40444号公報には、グリコール成分として
特定量の1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを
共重合したPEI系共重合ポリエステルが提案されてい
る。しかし、これらのPEI系共重合ポリエステルは、
高価なため幅広く使用するには限界があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスバリヤ
ー性容器用等に適する、高分子量で、色調、耐熱性及び
耐衝撃性に優れ、かつ良好な透明性を有するPEITを
製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、次の通りである。 (1) 数平均分子量が2000以下のポリエチレンテレフタレ
ートオリゴマーに、イソフタル酸とエチレングリコール
とをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が
95/5〜15/85となる量、及びリン酸又はそのエステル
を酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モルとな
る量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った
後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合
物及びゲルマニウム化合物を下記式〜を満足する量
で添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮合
反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造
法。 2×10-4≦〔Sb〕≦12×10-4 1×10-4≦〔Co〕≦4×10-4 0.5×10-4≦〔Ge〕≦8×10-4 〔P〕/〔Sb〕≧0.5 〔P〕/〔Co〕≧1 〔Sb〕/〔Ge〕≦6 ここで、〔Sb〕、〔Co〕、〔Ge〕及び〔P〕は、
それぞれアンチモン化合物、コバルト化合物、ゲルマニ
ウム化合物及びリン酸又はそのエステルの添加量を表
し、単位は「×10-4モル/酸成分モル」である。 (2) 数平均分子量が2000以下で、イソフタル酸成分とテ
レフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85であるポリ
(エチレンイソフタレート/エチレンテレフタレート)
系共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエステルを酸成
分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モルとなる量で
添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った後、重縮
合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化合物及びゲ
ルマニウム化合物を前記式〜を満足する量で添加
し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮合反応を
行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明における共重合ポリエステル(PE
IT)は、エチレンイソフタレート単位とエチレンテレ
フタレート単位とのモル比が95/5〜15/85のランダム
共重合ポリエステルである。エチレンイソフタレート単
位の割合が多すぎると、重縮合反応時に環状オリゴマー
が多量に発生し、操業性が悪化したり、成形物中の異物
量が多くなったりするとともに、PETとブレンドして
成形物とする場合、PETとの相溶性が悪くなる。一
方、エチレンイソフタレート単位の割合が少なすぎる
と、ガスバリヤー性が低下する。
【0011】なお、PEITには、その特性を損なわな
い範囲で、他の共重合成分を含有させることができる。
共重合成分の具体例としては、フタル酸、2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,
4'- ビフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
1,5-ペンタメチレングリコール、1,6-ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノー
ルAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が
挙げられる。
【0012】次に、本発明のPEITの製造法について
説明する。第一の方法においては、まず初めに、テレフ
タル酸とエチレングリコールとを常法によってエステル
化して数平均分子量が2000以下のポリエチレンテレフタ
レートオリゴマー(以下「PETオリゴマー」とい
う。)を得る。次いで、このPETオリゴマーに、イソ
フタル酸とエチレングリコールとをイソフタル酸成分と
テレフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85 となる量、
及びリン酸又はそのエステルを酸成分1モルに対して1
×10-4〜200 ×10-4モルとなる量で添加し、常圧〜微加
圧下、温度 200〜250 ℃で副生する水を系外に除去しつ
つ、0.5 時間以上エステル化反応を行う。PETオリゴ
マーに添加するイソフタル酸とエチレングリコールとの
割合は、モル比で 1/1.2〜1/3.5 程度とするのが適当で
ある。そしてこれらは別々に添加してもよいが、両者の
スラリー又は両者が一部反応した溶液の形で添加するの
が、操作上望ましい。
【0013】第二の方法においては、まず初めに、イソ
フタル酸、テレフタル酸及びエチレングリコールを常法
によってエステル化して数平均分子量が2000以下で、イ
ソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5
〜15/85であるポリ(エチレンイソフタレート/エチレ
ンテレフタレート)オリゴマー(以下「PEITオリゴ
マー」という。)を得る。次いで、このPEITオリゴ
マーに、リン酸又はそのエステルを酸成分1モルに対し
て1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量で添加し、第一の
方法と同様な条件で、0.5 時間以上エステル化反応を行
う。
【0014】本発明におけるリン酸又はそのエステルと
しては、リン酸や、リン酸(モノ、、ジ、トリ)アルキ
ルエステル、リン酸(モノ、ジ、トリ)アルキルエステ
ルアリールエステル、リン酸(モノ、ジ、トリ)ヒドロ
キシアルキルエステルが用いられ、具体的には、リン酸
トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、
リン酸トリス−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0015】リン酸又はそのエステルを添加する際のP
ETオリゴマーもしくはPEITオリゴマーは、数平均
分子量が2000以下のものであることが必要である。これ
よりも高分子量のオリゴマーを用いると、末端カルボキ
シル基量が少なく、リン酸又はそのエステルとの反応が
十分進行しないため、リン酸又はそのエステルが系外に
飛散してしまい、好ましくない。
【0016】また、添加後のエステル化反応時間は 0.5
時間以上とすることが必要である。この反応時間が 0.5
時間未満であると、PETオリゴマーもしくはPEIT
オリゴマーと、リン酸又はそのエステルとの反応が不十
分となる。しかし、この時間をあまり長くすると、反応
物の色調が悪化するため、好ましくなく、9時間以下と
するのが望ましい。
【0017】リン酸又はそのエステルの添加量は、酸成
分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モル、好ましく
は5×10-4〜 100×10-4モルとすることが必要である。
この添加量が1×10-4モル未満では、透明性及び色調が
劣ったものとなり、逆に 200×10-4モルを超えると、P
EITがゲル化して成形に供することができなくなる。
【0018】上記エステル化反応後、重縮合触媒として
アンチモン化合物、コバルト化合物及びゲルマニウム化
合物を前記式〜を満足する量で添加し、数平均分子
量が10000以上となるまで重縮合反応を行う。
【0019】アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン等、コバルト化
合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸
コバルト等、ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲル
マニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエ
トキシド等が用いられるが、重縮合触媒活性、得られる
PEITの物性及びコストの点から、三酸化アンチモ
ン、酢酸コバルト、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0020】アンチモン化合物の添加量は、式を満足
する量とすることが必要である。この添加量が少ない
と、重縮合触媒活性が不十分で、高分子量のPEITを
得ることが困難である。一方、この量が多すぎると、重
縮合触媒活性が飽和するばかりか、色調が悪化する。
【0021】アンチモン化合物は、重縮合触媒活性が高
く、高分子量のPEITとすることができるが、色調及
び透明性を悪化させるという問題がある。
【0022】そこで、コバルト化合物を添加すること
で、アンチモン化合物の重縮合触媒活性を増強するとと
もに、色調改良効果を発現させる。しかし、コバルト化
合物には、重縮合反応後期で熱分解を促進する作用もあ
るので、あまり多量に添加すると高分子量のPEITが
得られなくなる。これらの観点から、コバルト化合物の
添加量は式の範囲とすることが必要である。
【0023】コバルト化合物を添加することで色調は良
好となるが、透明性は改善されない。そこで、ゲルマニ
ウム化合物をさらに添加することで、透明性が良好とな
る。ゲルマニウム化合物を多量に添加すると、重縮合反
応速度は大きくなるが、同時に熱分解も促進されるた
め、高分子量のPEITが得られにくくなる。これらの
観点から、ゲルマニウム化合物の添加量は式の範囲と
することが必要である。
【0024】しかし、アンチモン化合物、コバルト化合
物、及びゲルマニウム化合物の添加量が式、及び
を満足するだけでは、透明性や色調が良好な高分子量の
PEITを得るには不十分であり、式、及びを併
せて満足させることが必要である。すなわち、リン酸又
はそのエステルは、アンチモン化合物によるPEITの
透明性や色調の悪化を抑制し、コバルト化合物によるP
EITの熱分解作用を抑制する効果を奏するものであ
り、この作用を十分発揮させるためには、式及びを
満足させることが必要である。また、ゲルマニウム化合
物は、アンチモン化合物による透明性の悪化を向上させ
る効果を奏するものであり、この作用を十分発揮させる
ためには、式を満足させることが必要である。
【0025】重縮合反応は、通常、1hPa 程度の圧力下
で、温度 250〜300 ℃で行うことが好ましく、温度 260
〜290 ℃で行うことがより好ましい。重縮合温度が低い
と重縮合反応に長時間を要し、一方、重縮合温度が高す
ぎると、熱分解反応が起こり、色調及び透明性が悪化す
る。
【0026】また、重縮合反応は、数平均分子量 10000
以上、好ましくは 12000以上、より好ましくは14000 以
上のPEITが得られるまで行うことが必要である。数
平均分子量が小さいと、成形品として十分な強度が得ら
れず、耐衝撃性等の機械的強度が低下する。
【0027】なお、PEITには、必要に応じて、滑
剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0028】本発明の方法により得られたPEITは、
種々の成形方法により各種成形体にすることができ、単
独で用いることもできるし、PET等と混合して用いる
こともできる。
【0029】
【作用】本発明の方法により、透明性及び色調の良好な
PEITが得られるのは、重縮合触媒活性が高く、高分
子量のPEITとすることができるというアンチモン化
合物の特性が活かされ、透明性及び色調が悪化しやすい
という欠点が、リン酸又はそのエステル、コバルト化合
物及びゲルマニウム化合物の併用によって補われるため
と推定される。すなわち、アンチモン化合物、コバルト
化合物及びゲルマニウム化合物を併用することにより、
重縮合反応速度が大きくなるとともに、アンチモン化合
物によるPEITの透明性及び色調の悪化が、コバルト
化合物による色調改良効果と、ゲルマニウム化合物によ
る透明性改良効果で補われる。さらに、リン酸又はその
エステルは、アンチモン化合物、コバルト化合物及びゲ
ルマニウムを安定化する作用を有し、金属アンチモンの
析出やコバルト化合物の熱分解促進作用を抑制するもの
と推定される。
【0030】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値等の測定及び評価方法は、次の通り
である。 (a) 数平均分子量 Waters社製ゲル浸透クロマトグラフにより、ヘキサフル
オロイソプロパノールとクロロホルムとの重量比5/95
の混合物を溶媒として分子量分布曲線を求め、数平均分
子量を算出した。 (b) 共重合割合 PEITを、重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール
と重水素化クロロホルムとの容量比1/25の混合溶媒に
溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1HN
MRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロ
トンピークの積分強度から、共重合割合を求めた。 (c) 色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。
L値は明度(値が大きいほど明るい)、a値は赤−緑系
の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系の色相
(+は黄味、−は青味)を表す。色調としてはL値が大
きいほど、a値が0に近いほど、またb値は極端に小さ
くならない限り小さいほど良好である(L値35以上、b
値2以下が合格)。 (d)溶液ヘーズ(透明性) PEIT 2gをクロロホルム20mlに溶解し、得られた溶
液のヘーズを日本電子工業社製濁度計 MODEL 1001DP で
測定した(クロロホルムのヘーズ:0%)。ヘーズ値が
小さいほど透明性が良好である(10%以下が合格)。 (e) 酸素透過量(ガスバリヤー性) 100 μm の厚さに成形したフィルムの切片について、MO
CON 社製OX-TRAN 100Aを用いて、23℃、60%RH、1気
圧条件下における酸素の透過した体積から求めた。(単
位は、「ml/m2・24hrs ・atm 」) この値が小さいほどガスバリヤー性が良好である(22以
下が合格)。 (f) ボトルの耐熱性 延伸ブロー成形により得たボトルに、70℃の熱水を満た
し、30分間放置後の体積変化の有無を目視で調べた。 ○:体積変化なし(合格)。 ×:体積変化あり(不合格)。 (g) ボトルの強度(耐衝撃性) 延伸ブロー成形により得たボトルを、底部を下にして、
温度5℃で、高さ3mの位置からコンクリート板に落下
させて、亀裂、へこみの発生の有無を調べた。 ○:亀裂、へこみの発生なし(合格)。 ×:亀裂、へこみの発生あり(不合格)。
【0031】実施例1 〔PEITの製造〕ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応
缶に、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比 1
/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力50
hPaGの条件で反応させ、滞留時間8時間としてエステル
化反応率95%、数平均分子量1400のPETオリゴマー
(A) を連続的に得た。別のエステル化反応缶に、PET
オリゴマー(A) 5.2kg と、イソフタル酸38.8kgとエチレ
ングリコール23kgとからなるスラリー(イソフタル酸/
エチレングリコールのモル比 1/1.6)を仕込み、濃度3
重量%のリン酸トリエチルのエチレングリコール溶液
を、酸成分1モルに対してリン酸トリエチルが10×10-4
モルとなる量で添加した後、常圧下、温度 200℃で3時
間エステル化反応を行った。得られたエステル化反応物
を重縮合反応缶に投入し、酸成分1モルに対して、三酸
化アンチモン5×10-4モル、酢酸コバルト3×10-4モル
及び二酸化ゲルマニウム2×10-4モルを加え、徐々に減
圧にして、最終的に0.9hPa、温度 280℃で3時間重縮合
反応を行った。得られたPEITは、イソフタル酸(I
PA)の共重合割合89.7モル%、数平均分子量 14800で
あった。 〔PETの製造〕PETオリゴマー(A) 60Kgと、酸成分
1モルに対し二酸化ゲルマニウム 2.5×10-4モルとを加
え、重縮合反応缶中で減圧にして、最終的に圧力0.9hP
a、温度 280℃で重縮合反応を行い、数平均分子量 1650
0のPETプレポリマーを得た。このPETプレポリマ
ーを、回転式固相重合装置に仕込み、70℃で2時間予備
乾燥し、続いて 130℃で4時間乾燥した後、温度 220
℃、圧力0.9hPaで、10時間固相重合を行い、数平均分子
量 21000のPETを得た。 〔フィルムの作製〕上記のPEIT30重量部とPET70
重量部とからなる組成物を、溶融押し出し機を用いて、
温度 285℃でTダイから溶融押し出しし、急冷固化し
て、平均厚さ100μm のフィルムを作製した。 〔ボトルの作製〕フィルムと同じ組成物を用い、シリン
ダー各部及びノズルの温度 280℃、スクリュー回転数10
0rpm、射出時間8秒、冷却時間10秒、金型温度20℃に設
定した射出成形機(日精エーエスビー社製、ASB-50HT
型)でプレフォームを成形した。次いで、このプレフォ
ームを 110℃の雰囲気下、ブロー圧力2MPa で延伸ブロ
ー成形し、胴部平均肉圧 250μm 、内容積1Lのボトル
とし、引き続いて 160℃に設定した金型内で圧縮緊張
化、10秒間ヒートセットしてボトルを作製した。
【0032】実施例2〜5及び比較例1〜6 PEITの製造条件等を表1のように変更し、実施例1
と同様に実施した。ただし、比較例6では、リン酸トリ
エチルの代わりにリン酸を用い、リン酸添加後のエステ
ル化反応時間を 0.3時間とした。
【0033】実施例6 イソフタル酸、テレフタル酸及びエチレングリコール
(仕込みモル比:20/80/160 )のエステル化反応で得
られた数平均分子量が1500のPEITオリゴマー40.2kg
をエステル化反応缶に仕込み、濃度3重量%のリン酸ト
リエチルのエチレングリコール溶液を、酸成分1モルに
対してリン酸トリエチルが10×10-4モルとなる量で添加
した後、常圧下、温度 200℃で3時間エステル化反応を
行った。得られたエステル化反応物を重縮合反応缶に投
入し、酸成分1モルに対して、三酸化アンチモンを4×
10-4モル、酢酸コバルトを3×10-4モル及び二酸化ゲル
マニウム3×10-4モルを加え、徐々に減圧にして、最終
的に0.9hPa、温度 280℃で3時間重縮合反応を行った。
得られたPEITは、イソフタル酸(IPA)の共重合
割合89.5モル%、数平均分子量 14800であった。上記の
PEITと実施例1のPETとを用い、実施例1と同様
にしてフィルム及びボトルを作製し、その特性を評価し
た。
【0034】実施例1〜6及び比較例1〜6における製
造条件、PEITの特性値、フィルムの酸素透過量、及
びボトルの評価結果を表1にまとめて示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜6で得られたPEITは、いず
れも良好な特性を示したが、比較例では、次のような問
題があった。
【0037】比較例1では、IPA成分の共重合割合が
10.9モル%と少なかったため、ガスバリヤー性が劣って
いた。比較例2では、〔P〕/〔Sb〕及び〔P〕/〔C
o〕の値が小さかったため、色調のb値が悪化し、溶液
ヘーズ(透明性)も不良であった。比較例3では、数平
均分子量が 10000より小さかっため、ボトルの耐熱性と
強度が十分でなかった。比較例4では、アンチモン化合
物の添加量が多すぎたため、色調が悪化し、溶液ヘーズ
(透明性)も著しく悪かった。比較例5では、二酸化ゲ
ルマニウムの添加量が少なかったため、色調が悪化し、
溶液ヘーズ(透明性)も著しく悪かった。比較例6で
は、エステル化反応時間が短かかったため、溶液ヘーズ
(透明性)が著しく悪かった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤー性容器用
等に適する、高分子量で、色調、耐熱性及び耐衝撃性に
優れ、かつ良好な透明性を有するPEITを製造するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が2000以下のポリエチレン
    テレフタレートオリゴマーに、イソフタル酸とエチレン
    グリコールとをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分と
    のモル比が95/5〜15/85となる量、及びリン酸又はそ
    のエステルを酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10
    -4モルとなる量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応
    を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバ
    ルト化合物及びゲルマニウム化合物を下記式〜を満
    足する量で添加し、数平均分子量が 10000以上となるま
    で重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステ
    ルの製造法。 2×10-4≦〔Sb〕≦12×10-4 1×10-4≦〔Co〕≦4×10-4 0.5×10-4≦〔Ge〕≦8×10-4 〔P〕/〔Sb〕≧0.5 〔P〕/〔Co〕≧1 〔Sb〕/〔Ge〕≦6 ここで、〔Sb〕、〔Co〕、〔Ge〕及び〔P〕は、
    それぞれアンチモン化合物、コバルト化合物、ゲルマニ
    ウム化合物及びリン酸又はそのエステルの添加量を表
    し、単位は「×10-4モル/酸成分モル」である。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が2000以下で、イソフタル
    酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜15/85
    であるポリ(エチレンイソフタレート/エチレンテレフ
    タレート)系共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエス
    テルを酸成分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モル
    となる量で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行っ
    た後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、コバルト化
    合物及びゲルマニウム化合物を前記式〜を満足する
    量で添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮
    合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製
    造法。
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