JP2000169562A - 共重合ポリエステルとその製造法 - Google Patents

共重合ポリエステルとその製造法

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JP2000169562A
JP2000169562A JP34691898A JP34691898A JP2000169562A JP 2000169562 A JP2000169562 A JP 2000169562A JP 34691898 A JP34691898 A JP 34691898A JP 34691898 A JP34691898 A JP 34691898A JP 2000169562 A JP2000169562 A JP 2000169562A
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peit
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mol
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JP34691898A
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Takao Okochi
隆雄 大河内
Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤ性容器用等に適する、耐熱性、耐
衝撃性、透明性に優れ、環状オリゴマーの発生量の少な
い、高分子量ポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)系共重合ポリエステルを提供する。 【解決手段】 酸成分がイソフタル酸とテレフタル酸、
ジオール成分がエチレングリコールとシクロヘキサンジ
メタノールであり、溶液ヘーズが15%以下、ガラス転移
点が60℃以上である共重合ポリエステルである。この共
重合ポリエステルは、イソフタル酸とテレフタル酸との
モル比が100 /0〜15/85、エチレングリコールとシク
ロヘキサンジメタノールとのモル比が95/5〜30/70で
あり、リン化合物成分が酸成分1モルに対して1×10-4
〜 200×10-4モル共重合されており、数平均分子量が 1
0000以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤ性、耐
熱性、耐衝撃性、透明性等に優れ、環状オリゴマーの発
生量の少ない高分子量ポリ(エチレンイソフタレート/
エチレンテレフタレート)系共重合ポリエステル及び、
これを安価に、安定して製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れてお
り、また軽量、安価であるために、各種の容器、フィル
ム、シート等の包装材料として広く用いられている。
【0003】しかしPETは、ポリオレフィン等の他の
熱可塑性樹脂に比べればガスバリヤ性が優れているもの
の、用途によってはガスバリヤ性が不十分であった。例
えば、炭酸飲料、ワイン等の飲料用容器あるいは医療品
用容器等においては、内容物を保存するという観点から
特に厳しいガスバリヤ性が要求されるが、PETからな
る容器ではこの要求を十分満足させることができなかっ
た。
【0004】ガスバリヤ性の改善されたポリエステル容
器として、特開昭59-64624号公報には、ポリエチレンイ
ソフタレート又はポリ(エチレンイソフタレート/エチ
レンテレフタレート)系共重合ポリエステル(PEI
T)からなるものが開示されている。しかし、PEIT
において、イソフタル酸の量が多くなると、大量のエチ
レンイソフタレート環状オリゴマーが形成され、これら
が重合中に昇華して重合缶内と溜出系内に付着し、真空
経路、溜出経路を閉塞してしまうという問題があった。
また、これらが成形品に異物として混入するという問題
もあった。
【0005】また、特開昭59-64625号公報には環状オリ
ゴマーの発生量を抑制する方法として、プロトン酸触媒
を用いる方法が開示されているが、プロトン酸を用いる
と、PEIT中のジエチレングリコールが増加し、PE
ITのガラス転移点(Tg)が低くなってしまう。そのた
め、溶融成形時の分子量低下を少なくするために必要な
乾燥を、経済的に行うことが難しくなる。また、成形品
にした際に十分な耐熱性が得られないという問題があっ
た。
【0006】また、PEITのガスバリヤ性を保持した
まま、昇華物を低減させる方法として、ジヒドロキシ化
合物としてエチレングリコールと共に1,3−ビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを共重合したPEIT
(特公昭63−40444 号公報)や、これらのPEITとP
ET等をブレンドする方法(特開平1−49384 号公報)
が提案されている。しかし、このようなPEITを用い
た場合、昇華物の発生は抑制されるが、成型品にした際
に十分な耐衝撃性が得られないという問題があった。ま
た、重縮合触媒としてアンチモン化合物を用いた場合、
ゲルマニウム化合物と比べ、PEITの色調が悪化して
しまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、ガスバリヤ性容器用等に適する、高分子量
で、透明性、特に耐熱性、耐衝撃性に優れ、環状オリゴ
マーの発生量の少ないPEITと、このPEITを安価
に、安定して製造する方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は次の通りである。 (1)酸成分がイソフタル酸とテレフタル酸、ジオール
成分がエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノー
ルであり、溶液ヘーズが15%以下、ガラス転移点が60℃
以上であることを特徴とする共重合ポリエステル。 (2)イソフタル酸とテレフタル酸とのモル比が 100/
0〜15/85である酸成分と、エチレングリコールとシク
ロヘキサンジメタノールのモル比が95/5〜30/70であ
るジオール成分からなり、リン化合物成分が酸成分1モ
ルに対して1×10 -4〜 200×10-4モル共重合されてお
り、数平均分子量が 10000以上であることを特徴とする
共重合ポリエステル。 (3)ポリエチレンテレフタレートオリゴマーに、イソ
フタル酸、エチレングリコール及びシクロヘキサンジメ
タノールを、イソフタル酸とテレフタル酸とのモル比が
100/0〜15/85、エチレングリコールとシクロ
ヘキサンジメタノールとのモル比が95/5〜30/7
0、及びリン化合物が酸成分1モルに対し1×10-4
200×10-4モルとなるように添加し、エステル化反
応を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合物及び
コバルト化合物を下記式(a)〜(d)を満足するように
添加し、数平均分子量が 10000以上となるまで重縮合反
応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造
法。
【0009】(a)2×10-4≦〔Sb〕≦12×10-4 (b)1×10-4≦〔Co〕≦4×10-4 (c)〔P〕/〔Sb〕≧0.5 (d)〔P〕/〔Co〕≧1 ただし、〔Sb〕、〔Co〕及び〔P〕は、それぞれア
ンチモン化合物、コバルト化合物及びリン化合物の酸成
分1モルに対する添加量を表す。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の共重合ポリエステルは、酸成分としてイ
ソフタル酸(IPA)とテレフタル酸(TPA)、ジオ
ール成分としてエチレングリコール(EG)とシクロヘ
キサンジメタノール(CHDM)を用いたものであり、
溶液ヘーズが15%以下、ガラス転移点が60℃以上であ
る。溶液ヘーズが15%を超えると、成形品にした際、透
明性が劣ったものとなり、外観を損ねる。ガラス転移点
が60℃未満であると、溶融成形時の分子量低下を少なく
するために必要な乾燥を、経済的に行うことが難しくな
ったり、特に夏の暑い時期には、チップの輸送中や貯蔵
する際、ブロッキングを起こしてしまう。
【0011】また、本発明の共重合ポリエステルは、I
PAとTPAとのモル比が 100/0〜15/85であり、E
GとCHDMとのモル比が95/5〜30/70である。IP
Aの割合が少なすぎると、ガスバリヤ性が不十分とな
る。また、CHDMの割合が多すぎると、得られたPE
ITの熱安定性が悪くなり、結果的にPEITの色調が
悪化する。一方、CHDMの割合が少なすぎると、環状
オリゴマーの発生を抑制する効果が少ないばかりでな
く、耐衝撃性、耐熱性の改良効果も少ない。
【0012】さらに、本発明のPEITは、リン化合物
成分が酸成分1モルに対して1×10 -4〜 200×10-4モル
共重合されていることが必要である。リン化合物の共重
合量がこれよりも少ないと、環状オリゴマー量が多くな
るばかりでなく、色調及び透明性が劣ったものとなる。
一方、リン化合物の共重合量が多すぎると、PEITが
ゲル化して成形に供することができなくなる。共重合に
用いるリン化合物は、リン酸又はそのエステルから誘導
されたリン酸又はそのエステル(モノ−、ジ−及びトリ
−エステル)が望ましい。具体的には、リン酸トリメチ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル及びリン酸
トリス−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0013】また、本発明のPEITは、数平均分子量
が 10000以上であることが必要であり、好ましくは 120
00以上、より好ましくは 14000以上であることが望まし
い。数平均分子量が小さいと、成形品として十分な強度
が得られず、耐衝撃性が低下する。
【0014】次に、本発明のPEITの製造法について
説明する。TPAとEGとを常法によってエステル化し
てPETオリゴマーを得る。次いで、このオリゴマーに
IPA、EG、CHDM及びリン化合物を所定の共重合
組成となるように添加し、常圧あるいは微加圧下、温度
200〜250 ℃で、副生する水を系外に除去しつつ、エス
テル化反応を行う。
【0015】ここで、リン化合物添加後のエステル化反
応時間は、特に限定されないが、短かすぎると、オリゴ
マーとリン化合物との反応が不十分となり、PEIT中
にリン化合物が共重合されない。リン化合物がリン酸エ
ステルの場合、PEIT中に共重合されないと、重合中
に系外へ飛散してしまい、PEIT中のリン化合物の残
存量が7割未満となり、熱安定性等の効果が効率的に発
揮されない。また、リン化合物がリン酸の場合、PEI
T中に共重合されないと、重縮合触媒であるアンチモン
化合物とリン酸が反応して、PEITが透明性の劣った
ものとなるばかりでなく、重縮合速度が遅くなる。その
ため、リン化合物添加後のエステル化反応時間は、 0.5
時間以上とするのが望ましい。しかし、反応時間が長す
ぎると、反応物の色調が悪化するため好ましくなく、9
時間以下とするのが望ましい。
【0016】上記エステル化反応後、重縮合触媒として
アンチモン化合物及びコバルト化合物を前記式 (a)〜
(d)を満足する量で添加し、数平均分子量が 10000以
上となるまで重縮合反応を行う。
【0017】アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン、コバルト化合
物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸コ
バルト等が用いられるが、重縮合触媒活性、得られるP
EITの物性及びコストの点から、三酸化アンチモン及
び酢酸コバルトが好ましい。
【0018】アンチモン化合物は十分な重縮合触媒活性
を示すが、PEITの色調を悪化させるという欠点があ
る。また、CHDMは、その共重合量が多くなると、P
EITが黄色味を帯びる。そこで、コバルト化合物を併
用することにより、重縮合触媒活性が増強されると共
に、色調が良好となる。
【0019】そのため、アンチモン化合物の添加量は、
十分な重縮合反応速度が発揮される範囲で少なくし、コ
バルト化合物を色調改良効果が発現する量で併用する。
しかし、コバルト化合物には、重縮合反応後期で熱分解
を促進する作用もあるので、あまり多量に添加すると高
分子量のPEITが得られなくなる。これらの観点か
ら、アンチモン化合物及びコバルト化合物の添加量は、
それぞれ式(a)及び式(b)の範囲とすることが必要で
ある。
【0020】しかし、アンチモン化合物及びコバルト化
合物の添加量が式(a) 及び(b) を満足するだけでは、
色調及び透明性が良好な高分子量のPEITを得るには
不十分であり、式(c) 及び(d) を満足させることが必
要である。リン化合物は、アンチモン化合物によるPE
ITの色調及び透明性の悪化を抑制し、コバルト化合物
によるPEITの熱分解作用を抑制する効果を奏するも
のであるため、この作用を十分発揮させるためには、式
(c) 及び(d) を満足させることが必要である。
【0021】重縮合反応は、通常、0.9hPaの減圧下で、
温度 250〜300 ℃、好ましくは 260〜290 ℃で行われ
る。
【0022】なお、PEITには、必要に応じて、滑
剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0023】本発明のPEITは、種々の成形方法によ
り各種成形体にすることができ、単体あるいはPETと
混合して用いることもできる。
【0024】
【作用】本発明の方法によると、PEITオリゴマーに
リン化合物及びCHDMがランダムに共重合され、重縮
合反応後期にエチレンイソフタレート単位が環状化する
のが抑制される。また、重縮合触媒として、アンチモン
化合物とコバルト化合物とを併用することにより、重縮
合反応速度が速くなるとともに、アンチモン化合物及び
CHDMの共重合割合を多くしたことによるPEITの
色調の悪化が、コバルト化合物の色調改良効果で補われ
る。さらに、リン化合物は、アンチモン化合物及びコバ
ルト化合物を安定化する作用を有し、金属アンチモンの
析出による色調や透明性の悪化及びコバルト化合物の熱
分解促進作用を抑制する。
【0025】したがって、本発明の方法によれば、エチ
レンイソフタレート環状オリゴマーの発生量が極めて少
なく、かつ、優れた透明性及び耐衝撃性、耐熱性を有す
る高分子量のPEITが、比較的短い重縮合反応時間で
得られるものと認められる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における特性値等の測定、評価方法
は、次の通りである。 (A) 数平均分子量 Waters社製ゲル浸透クロマトグラフにより、ヘキサフル
オロイソプロパノールとクロロホルムとの重量比が5/
95の混合物を溶媒として、分子量分布曲線を求め、数平
均分子量を算出した。 (B) 共重合割合 PEITを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと
重水素化クロロホルムとの容量比が1/20の混合溶媒に
溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1HN
MRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロ
トンのピークの積分強度から、共重合割合を求めた。 (C) 色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。
L値は明度(値が大きいほど明るい)、a値は赤−緑系
の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系の色相
(+は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色調と
してはL値が大きいほど、a値が0に近いほど、またb
値は極端に小さくならない限り小さいほど良好である。
ここでは、L値が30.0以上、b値が 3.0未満を合格とし
た。 (D)PEITのヘーズ 乾燥したPEIT2gを溶媒20mlに溶解し、透明度を濁
度計(日本電色工業社製、MODEL1001DP )で評価した。
なお、溶媒はIPAの共重合量が多いもの(IPA共重
合量40〜95mol%)は、クロロホルムを用いた。それ以外
のものは、フェノール/テトラクロロエタン=6/4
(容量比)の溶液を用いた。両者とも、溶媒のヘーズ値
を0%とした。ヘーズ値が小さいほど透明性が良好であ
り、15%以下のものを合格とした。 (E) 酸素透過係数(ガスバリヤ性) PEITを 100μm の厚さのフィルムに成形し、その切
片について、MOCON 社製OX-TRAN 100Aを用いて、酸素の
透過した体積から求めた。 (単位は「ml/(m2・24h
)」) この値が小さいほどガスバリヤ性が良好であり、22以下
を合格とした。 (F) PEITのTg パーキンエルマー社製DSC7示差走査型熱量計を用い、昇
温速度20℃/分、測定範囲を0〜280 ℃とし、2回目の
スキャンでTgを測定した。 (G) 環状オリゴマーの昇華物量 重縮合反応終了後、重縮合反応缶内に50kgのEGを仕込
み200 ℃に昇温し、重縮合反応缶−セパレータ−コンデ
ンサ間の循環洗浄を行った。その後EGを抜き取り、全
量について減圧濾過を行い、環状オリゴマーを採取し
た。この循環洗浄操作を2回行い、採取した環状オリゴ
マーを最終的にメタノールで洗浄し、乾燥後、環状オリ
ゴマーの昇華物量を測定した。 (H) ボトルの耐熱性 延伸ブロー成形により得たボトルに、100 ℃のシリコン
オイルを満たし、30分間放置後の体積変化の有無を目視
で調べた。 ○:体積変化なし(合格)。 ×:体積変化あり(不合格)。 (I) ボトルの耐衝撃性 ボトル底部を下にして、5℃にて高さ5mからコンクリ
ート板に落下させて、ボトルに亀裂、へこみが入らない
ものを合格とした。 ○:亀裂、へこみなし(合格)。 ×:亀裂、へこみあり(不合格)。 実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶に、TP
AとEGとのモル比1/1.6 のスラリーを連続的に供給
し、温度 250℃、圧力 50hPaG の条件で反応させ、滞留
時間を8時間として、エステル化反応率95%、数平均分
子量1400のPETオリゴマー〔A〕を連続的に得た。
【0027】別のエステル化反応缶に、PETオリゴマ
ー〔A〕5.2kg 及び、IPAが38.8kg、CHDMが3.7k
g 、EGが20.7kgからなるスラリーを仕込み、リン酸ト
リエチルを全酸成分1モルに対して20×10-4モルとなる
ように添加した後、常圧下 200℃で3時間エステル化反
応を行った。得られたエステル化反応物を重縮合反応缶
に投入し、全酸成分1モルに対し、三酸化アンチモンを
5×10-4モル、酢酸コバルトを3×10-4モル加え、減圧
にして、最終的に1.0hPa、280 ℃で重縮合反応を行い、
PEIT〔B〕を得た。
【0028】得られたPEIT〔B〕の数平均分子量は
14500 であり、IPAの共重合割合は89.7モル%であ
り、CHDMの共重合割合は9.9 モル%であった。ま
た、得られたPEITの溶液ヘーズを測定したところ、
4.8 %であった。
【0029】また、PETオリゴマー〔A〕60kgに、全
酸成分1モルに対し二酸化ゲルマニウムを2.5 ×10-4
ル加え、重縮合反応缶中で減圧にして、最終的に1.0hP
a、280 ℃で2時間重縮合反応を行い、数平均分子量165
00 のポリマーを得た。このポリマーを、回転式固相重
合装置に仕込み、70℃で2時間予備乾燥し、続いて130
℃で4時間乾燥させたのち、220 ℃で減圧度1.0hPaで10
時間固相重合を行い、数平均分子量21000 のPET
〔C〕を得た。
【0030】PEIT〔B〕15kg(30wt%)とPET
〔C〕35kg(70wt%)を、溶融押し出し機を用いて温度
280 ℃で溶融押し出しし、次いで、急冷固化して、平均
厚さ100 μm のフィルムを得た。
【0031】また、フィルムと同じ組成物を用い、シリ
ンダー各部及びノズルの温度 280℃、スクリュー回転数
100rpm、射出時間8秒、冷却時間10秒、金型温度20℃に
設定した射出成形機(日精エーエスビー社製ASB-50HT
型)でプレフォームを成形した。次いで、このプレフォ
ームを 110℃の雰囲気下、ブロー圧力2 MPaで延伸ブロ
ー成形し、胴部平均肉厚 250μm 、内容積1Lのボトル
とし、引き続いて 160℃に設定した金型内で圧縮緊張
下、10秒間ヒートセットしてボトルを得た。 実施例2〜5及び比較例1〜4 PEIT〔B〕の製造条件を表1のように変更した以外
は、実施例1と同様に実施した。 比較例5 IPAとEGのエステル化反応で得られたポリエチレン
イソフタレートオリゴマーをエステル化反応缶に仕込
み、3wt%のリン酸トリエチルのエチレングリコール溶
液を、酸成分1モルに対してリン酸トリエチルが10×10
-4モルとなるように添加した後、常圧下 200℃で3時間
エステル化反応を行った。
【0032】得られたエステル化反応物を重縮合反応缶
に投入し、全酸成分1モルに対し、三酸化アンチモン5
×10-4モル、酢酸コバルト3×10-4モルを加え、減圧に
して、最終的に圧力0.9hPa、温度 280℃で重縮合反応を
行った。得られたポリエチレンイソフタレートと実施例
1のPETとを用い、実施例1と同様に実施して、フィ
ルムとボトルを製造した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた
PEITの特性値等及び、フィルムの酸素透過係数とボ
トルの評価結果を表2にまとめて示す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例1〜5で得られたPEITとフィル
ム、ボトルは、良好な特性を示した。
【0037】一方、比較例1は、アンチモン化合物の添
加量が多すぎたため、PEITの色調、溶液ヘーズが著
しく悪かった。
【0038】比較例2は、リン酸トリエチルの添加量が
少なく、またCHDMを共重合しなかったため、PEI
Tの色調が悪く、環状オリゴマーの昇華物量が多かっ
た。また、ボトルの耐熱性、耐衝撃性も悪かった。
【0039】比較例3は、CHDMの共重合割合が少な
かったため、環状オリゴマーの昇華物が多く、Tgも低か
った。また、ボトルの耐熱性、耐衝撃性も悪かった。
【0040】比較例4は、IPAの共重合割合が少なか
ったため、フィルムの酸素透過係数が大きかった。
【0041】比較例5は、CHDMを共重合しなかった
ため、PEITのTgが低く、環状オリゴマーの昇華物量
が多かった。また、ボトルの耐熱性、耐衝撃性も悪かっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤ性容器用等
に適する、高分子量で、耐熱性、透明性の良好な、環状
オリゴマーの発生量が少ないPEITと、このPEIT
を安価に、安定して製造する方法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分がイソフタル酸とテレフタル酸、
    ジオール成分がエチレングリコールとシクロヘキサンジ
    メタノールであり、溶液ヘーズが15%以下、ガラス転
    移点が60℃以上であることを特徴とする共重合ポリエ
    ステル。
  2. 【請求項2】 イソフタル酸とテレフタル酸とのモル比
    が100/0〜15/85である酸成分と、エチレング
    リコールとシクロヘキサンジメタノールのモル比が95
    /5〜30/70であるジオール成分からなり、リン化
    合物成分が酸成分1モルに対して1×10-4〜200×
    10-4モル共重合されており、数平均分子量が1000
    0以上であることを特徴とする請求項1記載の共重合ポ
    リエステル。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレートオリゴマー
    に、イソフタル酸、エチレングリコール及びシクロヘキ
    サンジメタノールを、イソフタル酸とテレフタル酸との
    モル比が100/0〜15/85、エチレングリコール
    とシクロヘキサンジメタノールとのモル比が95/5〜
    30/70、及びリン化合物が酸成分1モルに対し1×
    10-4〜200×10-4モルとなるように添加し、エス
    テル化反応を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化
    合物及びコバルト化合物を下記式 (a)〜(d)を満足す
    るように添加し、数平均分子量が10000以上となる
    まで重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエス
    テルの製造法。 (a)2×10-4≦〔Sb〕≦12×10-4 (b)1×10-4≦〔Co〕≦4×10-4 (c)〔P〕/〔Sb〕≧0.5 (d)〔P〕/〔Co〕≧1 ただし、〔Sb〕、〔Co〕及び〔P〕は、それぞれア
    ンチモン化合物、コバルト化合物及びリン化合物の酸成
    分1モルに対する添加量を表す。
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