JP2003252969A - 共重合ポリエステル及び成形品 - Google Patents

共重合ポリエステル及び成形品

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JP2003252969A
JP2003252969A JP2002058888A JP2002058888A JP2003252969A JP 2003252969 A JP2003252969 A JP 2003252969A JP 2002058888 A JP2002058888 A JP 2002058888A JP 2002058888 A JP2002058888 A JP 2002058888A JP 2003252969 A JP2003252969 A JP 2003252969A
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mol
copolyester
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color tone
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JP2002058888A
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Yuji Taneda
祐路 種田
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚肉成形品用又はダイレクトブロー成形用と
して好適な色調、透明性、耐衝撃性、経時安定性に優れ
た共重合ポリエステル及び成形品を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、
ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4-シクロ
ヘキサンジメタノールを主成分とするポリエステルにお
いて、1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量が全
ジオール成分の10〜90モル%であり、極限粘度と、
ハンターのLab表色法による色調におけるb値が、特
定の式を満足し、ゲルマニウム元素、アンチモン元素及
び酸化防止剤を特定量含有することを特徴とする共重合
ポリエステル及びそれよりなる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調、透明性、耐
衝撃性、経時安定性が良好で、厚肉成形品やダイレクト
ブロー成形品に好適な共重合ポリエステル及びそれを用
いてなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れ、か
つ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等とし
て幅広く用いられており、特に炭酸飲料、果汁飲料、液
体調味料、食用油、酒、ワイン用等の中空容器(ボト
ル)用途の伸びが著しい。一般に、PET製ボトルは、
PETチップを射出成形又は押出成形によりプリフォー
ムに成形し、続いてこのプリフォームを金型内で延伸ブ
ロー成形する方法で製造されている。近年では、リサイ
クル可能という観点から、ポリエステルが広範囲に使わ
れるようになってきており、化粧品や医薬品等の容器や
文房具等にも用いられるようになっている。しかし、こ
れらは上記のようなボトルとは異なり、厚肉であるた
め、PETでは成形時に白化が起こりやすく、透明な成
形品が得られにくい。また、ポリ塩化ビニル製ボトルの
代替の目的で、ダイレクトブロー成形によるPET製ボ
トルが注目されている。しかし、通常のPETは、ダイ
レクトブロー成形するには、溶融粘度が低く、成形時に
ドローダウンを起こしやすく、また、結晶性が高いた
め、成形時に白化し、透明性が悪くなるという問題があ
った。
【0003】そこで、これらの成形用ポリエステルに
は、種々の共重合成分を共重合したポリエステルを用い
ることが試みられている。中でも、1,4-シクロヘキサン
ジメタノールを共重合したポリエステルは、耐熱性や耐
衝撃性が良好であることから、成形用途においては非常
に望ましい樹脂である。しかし、1,4-シクロヘキサンジ
メタノールは、共重合量が多くなると、重合性が著しく
低下するため、重合時間が長くなり、色調や透明性が悪
いポリエステルしか得られない、十分な重合度のポリエ
ステルが得られない、また、経時安定性が悪く、長期間
保存すると極限粘度の低下や色調の悪化が進行するとい
う問題がある。例えば、WO94/25502号公報に
は、特定の触媒を用いて、1,4-シクロヘキサンジメタノ
ール共重合ポリエステルを製造する方法が提案されてい
るが、得られたポリエステルの色調や透明性、経時安定
性は十分なものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、色調、透明性、耐衝撃性、経時安定性が良好
で、厚肉成形品用やダイレクトブロー成形用に好適な共
重合ポリエステル及びそれよりなる成形品を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の組成の
触媒を用いて得られた1,4-シクロヘキサンジメタノール
共重合ポリエステルが、透明性、耐熱性、耐衝撃性、経
時安定性が良好で、ダイレクトブロー成形や厚肉成形に
好適であることを見いだした。すなわち、本発明の要旨
は次のとおりである。 (1)ジカルボン酸成分が主としてテレフタル酸であ
り、ジオール成分がエチレングリコール10〜90モル
%と1,4-シクロヘキサンジメタノール10〜90モル%
からなるポリエステルにおいて、極限粘度[η]、ハンタ
ーのLab表色法におけるb値が下記式(1)〜(4)
を満足することを特徴とする共重合ポリエステル。 [η]1>0.60 (1) [η]2/[η]1>0.90 (2) b1<2 (3) b2−b1<4 (4) ただし、[η]1はポリエステルの極限粘度、b1はポリ
エステルを押出温度260℃、金型温度20℃、冷却時
間30秒の条件で射出成形して得られた厚さ5mm×長
さ10cm×幅6cmのプレートの厚さ方向のb値を表
す。[η]2は130℃の常圧空気雰囲気下で120時間
の熱処理を行った後のポリエステルの極限粘度であり、
b2は熱処理後のポリエステルを前記条件で射出成形し
て得られたプレートの厚さ方向のb値を表す。 (2)ゲルマニウム元素(Ge)、アンチモン元素(S
b)をポリエステルの酸成分1モルに対して下記式
(5)〜(7)を満たす割合で含有し、さらにヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤を0.2〜1.0質量%含有
することを特徴とする上記(1)記載の共重合ポリエス
テル。 5×10−5モル≦Ge≦4×10−4モル (5) 2×10−4モル≦Sb≦8×10−4モル (6) 1≦Sb/Ge≦8 (7) (3)上記(1)または(2)記載の共重合ポリエステルを用い
てなる成形品。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における共重合ポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分が主としてテレフタル酸であり、ジオール成分
がエチレングリコール10〜90モル%と1,4-シクロヘ
キサンジメタノール10〜90モル%からなる。1,4-シ
クロヘキサンジメタノールの共重合量が10モル%より
少ないと、共重合ポリエステルの結晶化速度が速くなる
ため成形時に白化して透明性が悪くなり、また、十分な
耐熱性や衝撃強度を持つポリエステルが得られないため
好ましくない。また、1,4-シクロヘキサンジメタノール
の共重合量が90モル%を超えても、結晶化して、成形
時に白化して透明性が悪くなるため好ましくない。
【0007】共重合ポリエステルには、その特性を損な
わない範囲で、他の共重合成分を含有させることができ
る。共重合成分の具体例としては、イソフタル酸、フタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、2,6-ナフ
タレンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ネオ
ペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタ
メチレンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール、ジエ
チレングリコール、ダイマージオール、ビスフェノール
A又はビスフェノールSのエチレンオキシド付加体、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセ
リン等が挙げられる。
【0008】本発明の共重合ポリエステルは、極限粘度
[η]と、ハンターのLab表色法による色調におけるb
値が、下記式(1)〜(4)を満足することが必要であ
る。 [η]1>0.60 (1) [η]2/[η]1>0.90 (2) b1<2 (3) b2−b1<4 (4)
【0009】極限粘度[η]1が0.60以下のもので
は、実用に供することのできる強度の中空容器とするこ
とができない、あるいはダイレクトブロー成形を行う際
にドローダウン等の問題が起こり、成形そのものができ
ないため、好ましくない。極限粘度の上限は特にない
が、好ましくは1.4以下であり、それを超えると重合
に長時間を要するので、生産サイクルやコストの点で好
ましくない。また、式(2)の[η]2/[η]1が0.9
0以下では、経時安定性が悪く、6ヶ月以上経過すると
ポリエステルの極限粘度の低下が起こるため好ましくな
い。また、b1が2以上では、成形品の色調が悪く好ま
しくない。さらに、b2−b1が4以上になると、ポリエ
ステルの経時安定性が悪く、6ヶ月以上経過するとポリ
エステル及び成形品の色調が悪化するため好ましくな
い。
【0010】本発明の特性を有するポリエステルを製造
するためには、触媒として、特定量のゲルマニウム元素
およびアンチモン元素を添加することが必要である。す
なわち、ゲルマニウム元素とアンチモン元素のポリエス
テルの酸成分1モルに対する含有量を、式(5)〜
(7)を満足する割合で添加することが必要である。 5×10−5モル≦Ge≦4×10−4モル (5) 2×10−4モル≦Sb≦8×10−4モル (6) 1≦Sb/Ge≦8 (7)
【0011】ゲルマニウム元素の含有量は、式(5)を
満たすことが必要である。ゲルマニウム元素の含有量が
この範囲よりも少ないと、ポリエステルの色調と透明性
が悪くなるため好ましくない、一方、ゲルマニウム元素
の含有量がこの範囲を超えると、コストが高くなるばか
りで、重合活性は飽和する。アンチモン元素の含有量
は、式(6)を満たすことが必要である。アンチモン元
素の含有量がこの範囲よりも少ないと、重合時間が長く
なり、得られたポリエステルの色調が悪くなったり、極
限粘度の低いポリエステルとなるため好ましくない、一
方、アンチモン元素の含有量がこの範囲を超えると、ポ
リエステルに不溶の金属アンチモンが生成しやすくな
り、ポリエステルの色調と透明性が悪化するため好まし
くない。また、アンチモン元素とゲルマニウム元素の比
率は、式(7)を満たすことが必要である。Sb/Ge
が1よりも小さいと、重合時間が長くなり、得られたポ
リエステルの色調が悪くなったり、極限粘度の低いポリ
エステルとなるため好ましくない。一方、Sb/Geが
8よりも大きいと、ポリエステルに不溶のアンチモン金
属が析出しやすくなるため、ポリエステルの色調と透明
性が悪化するため好ましくない。
【0012】アンチモン元素を含有する化合物として
は、三酸化アンチモン、塩化アンチモン、酢酸アンチモ
ン等が用いられ、ゲルマニウム元素を含有する化合物と
しては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲ
ルマニウムテトラエトキシド等が用いられるが、重合触
媒活性、得られるポリエステルの物性及びコストの点か
ら、それぞれ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム
が好ましい。
【0013】アンチモン元素を含有する化合物は十分な
重合触媒活性を示すが、金属アンチモンが生成してポリ
エステルの透明性を悪化させるという欠点がある。一
方、ゲルマニウム元素を含有する化合物を用いた場合
は、得られるポリエステルの色調や透明性は良好である
が、重合活性の点で十分でない。しかし、アンチモン元
素を含有する化合物とゲルマニウム元素を含有する化合
物を併用すると、金属アンチモンの析出が抑えられ、色
調及び透明性が良好なポリエステルを得ることが可能と
なる。そこで、アンチモン元素の含有量としては、十分
な重合反応速度が発揮される最小限の範囲内とし、ゲル
マニウム元素を併用すればよい。なお、本発明の共重合
ポリエステルには、色調良化の目的でコバルト化合物や
リン化合物を含有させることが好ましい。コストや得ら
れるポリエステルの色調の点から、コバルト化合物とし
ては酢酸コバルトが好ましく、リン化合物としては、リ
ン酸が好ましい。
【0014】本発明の共重合ポリエステルには、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤を0.2〜1.0質量%含
有させることが必要である。酸化防止剤の含有量が0.
2質量%未満では、重縮合反応中の熱分解が起こり、重
合が進みにくくなり、式(1)を満たさなくなり、ま
た、経時での分解反応が進みやすくなり、式(2)及び
式(4)を満たさなくなるため好ましくない。一方、含
有量が1.0質量%を超えると、コストが高くなるだけ
でなく、得られたポリエステルの色調が悪化し、式
(3)を満たさなくなるため好ましくない。
【0015】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデ
シル-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、
トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、4,4'-ブチリデンビス-(3-メチル-6-t-ブチ
ルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t
-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネー
ト〕、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-
メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1'-ジメチル
エチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデ
カン等が上げられるが、効果とコストの点で、テトラキ
ス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタンが好ましい。
【0016】本発明の共重合ポリエステルは、常法によ
って製造することができる。たとえば、テレフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体、エチレングリコール及
び1,4-シクロヘキサンジメタノールを所定の割合でエス
テル化反応器に仕込み、加圧下、160〜280℃の温
度でエステル化反応またはエステル交換反応を行った
後、得られたポリエステルオリゴマーを重合反応器に移
し、重合触媒、酸化防止剤を添加し、通常1hPa以下の
減圧下で240〜290℃、好ましくは250〜280
℃の温度で溶融重合反応を行う。あるいは、まず、テレ
フタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレン
グリコールとをエステル化反応またはエステル交換反応
させ、得られたポリエステルオリゴマーを重合反応器に
移し、所定量の1,4-シクロヘキサンジメタノール、重合
触媒及び酸化防止剤を添加後、上記と同じ方法で溶融重
合反応を行う。
【0017】上記の方法で得られたポリエステルは、各
種の成形品として使用されるが、エチレングリコール成
分以外の共重合ジオール成分が共重合されているため結
晶性が抑制されており、厚肉成形品にしても白化し難い
ので、中空容器用として好適である。厚肉成形品を製造
する場合は、射出成形あるいは押出成形により一段で製
品を成形する。ダイレクトブロー成形は、ポリエチレン
やポリプロピレンのボトル成形に採用されている方法と
同様にして行うことができる。すなわち、押出によって
溶融パリソンを造り、次いで、ブロー金型内で吹き込み
成形をすればよい。これらの成形時の成形温度、具体的
には、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度は、通
常、240〜290℃の範囲とするのが適当である。
【0018】
【作用】本発明の共重合ポリエステルが、優れた色調と
透明性を示す理由は、1,4-シクロヘキサンジメタノール
を共重合させることで、結晶化が起こり難くなり、成形
時の白化が抑えられることと、特定の触媒組成からなる
触媒を用いることで、色調や透明性が悪化することな
く、高重合度のポリエステルが得られるためと考えられ
る。優れた耐熱性及び耐衝撃性を示す理由は、直鎖脂肪
族のエチレングリコールの一部を剛直な脂環型のジオー
ル成分に置き換えたことによると考える。また、優れた
経時安定性を示す理由は、酸化防止剤を含有すること
で、得られたポリエステルの保存時において、1,4-シク
ロヘキサンジメタノールの分解を抑制しているためと考
える。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、ポリエステルの特性値は次のようにして測定
した。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b)1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量 ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノー
ルと重水素化クロロホルムとの容量比が1/20の混合
溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて
1-NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分
のプロトンのピークの積分強度から、共重合量を求め
た。 (c)ポリエステル中のゲルマニウム元素、アンチモン元
素及びコバルト元素の含有量は、リガク社製蛍光エック
ス線分析装置3270を用いて測定した。 (d)プレートの色調 乾燥したポリエステルを押出温度260℃、金型温度2
0℃、冷却時間30秒の条件で、厚さ5mm×長さ10
cm×幅6cmのプレートに射出成形し、日本電色工業
社製の色差計ND-Σ80型を用いて、プレートの厚さ方
向の色調を測定した。色調の判定は、ハンターのLab
表色計で行った。L値は明度(値が大きい程明るい)、
a値は赤−緑系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は
黄−青系(+は黄味、−は青味)を表す。プレートの色
調としてはL値が大きいほど、a値が0に近いほど、ま
た極端に小さくならない限りb値が小さいほど良好であ
る。ここでは、b値が2.0以下を色調良好で合格とし
た。 (e)プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを押出温度260℃、金型温度2
0℃、冷却時間30秒の条件で、厚さ5mm×長さ10
cm×幅6cmのプレートに射出成形し、透明度を日本
電色工業社製の濁度計 MODEL 1001DPで評価した(空気:
ヘーズ0%)。この値が小さいほど透明性が良好であり、
5%未満であれば合格である。 (f)中空容器の透明性 乾燥したポリエステルを、シリンダー温度260℃の押
出機からパリソンを押し出し、成形温度260℃、ブロ
ー金型冷却温度15℃の条件でボトル形状にダイレクト
ブロー成形した。その外観を目視で観察し、次の3段階
で評価した。 ○:良好(白化が認められない) △:普通(一部白化が認められる) ×:不良(全面に白化が認められる) ここでは、○を透明性良好で合格とした。 (g)中空容器の耐衝撃性 得られた中空容器にイオン交換水1000mlを入れて、
23℃、65%RHの条件で一日放置し、その後1mの
高さからコンクリート面に落下させ、何回目で割れたか
で示した。最高5回まで落下させた。 ○:5回落下させても破壊しない。 △:2〜5回落下で破壊した。 ×:1回落下で破壊した。 ここでは、○を耐衝撃性良好で合格とした。 (h)熱処理 経時促進試験として、ポリエステルを乾燥機内にて13
0℃の常圧空気雰囲気下で120時間静置させ、処理前
後の極限粘度とb値を比較した。
【0020】実施例 1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応器に、テレ
フタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のス
ラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を連続的に
供給し、温度250℃、圧力50hPaGの条件で反応さ
せ、滞留時間8時間としてエステル化反応率95%のポ
リエステルオリゴマーを連続的に得た。このポリエステ
ルオリゴマー60kgと、1,4-シクロヘキサンジメタノー
ルを共重合量が30モル%となるように重合反応器に仕
込み、続いて、触媒として二酸化ゲルマニウムを酸成分
1モルに対してゲルマニウム元素の含有量が1.5×1
0−4モルとなるように、三酸化アンチモンを酸成分1
モルに対してアンチモン元素の含有量が5.0×10−
4モルとなるように、酢酸コバルトを酸成分1モルに対
してコバルト元素の含有量が1.0×10−5モルとな
るように、ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、
テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリ
ティーズ社製イルガノックス1010)を含有量が0.
6質量%となるように、それぞれ加え、反応器を減圧に
して最終圧力0.9hPa、温度280℃で4時間重合反
応を行い、極限粘度([η]1)が0.74の共重合ポリエ
ステルを得た。このポリエステルを用い、射出成形によ
りプレート、ダイレクトブロー成形により中空容器を得
た。プレートのb値(b1)は1.0、プレートヘーズは
2.9%、また、中空容器は、白化することなく透明性
は良好、耐衝撃性も良好であった。また、このポリエス
テルを、130℃空気雰囲気下での120時間の熱処理
を行ったところ、熱処理後の極限粘度([η]2)は0.7
0、プレートのb値(b2)は3.4となり、熱処理前後
の極限粘度の比率[η]2/[η]1は0.95、熱処理前
後のプレートのb値の差(b2−b1)は2.4であっ
た。
【0021】実施例2〜10、比較例1〜8 1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量、ゲルマニ
ウム元素、アンチモン元素の含有量、酸化防止剤の含有
量、極限粘度を表1のようにした以外は、実施例1と同
様にしてポリエステルを製造し、それを用いて熱処理を
行い、また、プレート及び中空容器を作製した。得られ
たポリエステルと中空容器の評価結果を併せて表1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、実施例1〜9の
共重合ポリエステルは色調、透明性、経時安定性が良好
で、さらに、透明性、耐衝撃性が良好な中空容器が得ら
れた。これに対して、比較例1〜8では、次のような問
題があった。比較例1では、1,4-シクロヘキサンジメタ
ノールの共重合量が5.0モル%と少なかったため、結
晶化が速く、中空容器には白化が認められ、透明性が劣
り、耐衝撃性も悪かった。比較例2では、1,4-シクロヘ
キサンジメタノールの共重合量が95モル%と多かった
ため、結晶化が速く、中空容器には白化が認められ、透
明性が悪かった。比較例3では、極限粘度が低かったた
め、ダイレクトブロー成形ができなかった。比較例4で
は、ゲルマニウム元素の含有量が3.0×10−5モル
と少なかったため、色調と透明性が悪かった。比較例5
では、アンチモン元素の含有量が1.0×10−4モル
と少なかったため、重合反応が遅く、重合時間が長くな
り、色調が悪く、また、目標とする極限粘度のポリエス
テルが得られず、ダイレクトブロー成形ができなかっ
た。比較例6では、アンチモン元素の含有量が1.0×
10−3モルと多かったため、色調と透明性が悪かっ
た。比較例7では、酸化防止剤の含有量が0.1質量%
と少なかったため、重合反応が遅く、目標とする極限粘
度のポリエステルが得られず、ダイレクトブロー成形が
できなかった。また、得られたポリエステルの経時安定
性が悪く、熱処理後の極限粘度とb値の低下が大きかっ
た。比較例8では、酸化防止剤の含有量が1.2質量%
と多かったため、色調が悪かった。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、厚肉成形品用又はダイ
レクトブロー成形用として好適な透明性、耐衝撃性、経
時安定性に優れた共重合ポリエステルとその共重合ポリ
エステルよりなる成形品が提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AA80 AA88 AC11 AE05 AF23 AF30 AF34 AF57 AH05 BA01 BB09 BC04 4J029 AA03 AB01 AC02 AD01 AD10 AE01 BA03 BD07A CB06A HA01 HB01 JA011 JB193 JF361 JF471 KB02 KB04 KB05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分が主としてテレフタル
    酸であり、ジオール成分がエチレングリコール10〜9
    0モル%と1,4-シクロヘキサンジメタノール10〜90
    モル%からなるポリエステルにおいて、極限粘度[η]、
    ハンターのLab表色法におけるb値が下記式(1)〜
    (4)を満足することを特徴とする共重合ポリエステ
    ル。 [η]1>0.60 (1) [η]2/[η]1>0.90 (2) b1<2 (3) b2−b1<4 (4) ただし、[η]1はポリエステルの極限粘度、b1はポリ
    エステルを押出温度260℃、金型温度20℃、冷却時
    間30秒の条件で射出成形して得られた厚さ5mm×長
    さ10cm×幅6cmのプレートの厚さ方向のb値を表
    す。[η]2は130℃の常圧空気雰囲気下で120時間
    の熱処理を行った後のポリエステルの極限粘度であり、
    b2は熱処理後のポリエステルを前記条件で射出成形し
    て得られたプレートの厚さ方向のb値を表す。
  2. 【請求項2】 ゲルマニウム元素(Ge)、アンチモン
    元素(Sb)をポリエステルの酸成分1モルに対して下
    記式(5)〜(7)を満たす割合で含有し、さらにヒン
    ダードフェノール系酸化防止剤を0.2〜1.0質量%
    含有することを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエ
    ステル。 5×10−5モル≦Ge≦4×10−4モル (5) 2×10−4モル≦Sb≦8×10−4モル (6) 1≦Sb/Ge≦8 (7)
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の共重合ポリエス
    テルを用いてなる成形品。
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