JPH09208678A - ポリエステル樹脂成形体 - Google Patents

ポリエステル樹脂成形体

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JPH09208678A
JPH09208678A JP4056896A JP4056896A JPH09208678A JP H09208678 A JPH09208678 A JP H09208678A JP 4056896 A JP4056896 A JP 4056896A JP 4056896 A JP4056896 A JP 4056896A JP H09208678 A JPH09208678 A JP H09208678A
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JP
Japan
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resin
polyester
polyester resin
copolyester
molded product
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Application number
JP4056896A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Harada
光弘 原田
Yoshinao Matsui
義直 松井
Masami Okamoto
正巳 岡本
Seiji Endo
誠司 遠藤
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PEN樹脂/PET樹脂ブレンド物からなる
成形体の有する問題点(特に相容性、白化)を解決し、
透明性、ガスバリアー性、耐熱性に優れたポリエステル
成形体を提供する。 【解決手段】 主としてエチレンナフタレート単位及び
エチレンテレフタレート単位を繰り返し単位とするポリ
エステル樹脂からなる成形体において、該成形体のラン
ダム度(R)が0.40〜1.00、霞度(ヘイズ)が
8%以下としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、ガスバリ
アー性、耐熱性に優れたポリエステル樹脂成形体、特に
ポリエステル樹脂からなる中空容器、シート、トレイお
よびフィルムなどの成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレート樹脂
(以下PET樹脂と略称する)は、機械的強度、耐熱
性、耐薬品性、透明性等を評価して繊維、フィルム、中
空容器、シート、トレイ等として広範囲に成形体とされ
ている。
【0003】しかし、PET樹脂からなる成形体は、そ
の耐熱性の点においてPET樹脂の二次転移点(Tg)
が低く高温充填時に変形が起こり、また結晶化しやすい
ため高温充填時に白化し、透明性が損なわれるという問
題点を有している。また、ガスバリアー性の点では、P
ET樹脂からなる成形体はガスバリアー性が小さく、特
に炭酸飲料、ビール等の長期保存性が悪い。ガスバリア
ー性の向上のため、中空容器、フィルム、シート、トレ
イ等の肉厚を大きくすると、使用樹脂量の増加によるコ
ストアップ、重量増加等の問題点が生ずる。
【0004】一方、ポリエチレンナフタレート樹脂(以
下PEN樹脂と略称する)は、PEN樹脂が高いTgを
有するためPET樹脂より耐熱性に優れ、また、ガスバ
リアー性が優れること等を評価して、ボトル等の中空容
器、フィルム等の成形体とされている。
【0005】しかし、PEN樹脂からなる成形体は、ポ
リマー鎖にナフタレン骨核を有するため剛直構造となり
延伸性が悪いこと、樹脂のTgがPET樹脂と比べて高
く成形性が悪いこと、製造原料である2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体は、PE
T樹脂の原料であるテレフタル酸及びそのエステル形成
性誘導体と比べて高価、つまり、樹脂価格が高いこと等
の問題点を有している。
【0006】さらに、PEN樹脂/PET樹脂ブレンド
物からなる成形体は、(1)PET樹脂では性能不足で
あったガスバリアー性、耐熱性等の性質がPEN樹脂を
ブレンドすることによって向上する、(2)PEN樹脂
では成形性、延伸性が劣るが、PET樹脂をブレンドす
ることにより両性能の改善が図れる、(3)PEN樹脂
にPET樹脂をブレンドすることにより、高価な樹脂で
あるPEN樹脂の使用量を減少することができ、コスト
ダウンになる、等の観点から、PEN樹脂が有するガス
バリアー性、高耐熱性を活かしたボトル等の中空容器、
フィルム、シート、トレイ等の成形体とされている。
【0007】PEN樹脂/PET樹脂ブレンド物からな
る成形体は、PET樹脂にPEN樹脂をブレンドするこ
とによって、PET樹脂では得られなかったガスバリア
ー性や耐熱性等の優れた性能が付与されているが、PE
T樹脂とPEN樹脂とは相容性が悪いことから、単に溶
融混合しただけでは白化したブレンド物しか得られな
い。かかるブレンド物は延伸成形性が悪く、得られた成
形体は肉厚のむらや物性むらを有し、しかも透明性が極
端に悪いといった欠点を有する。これら欠点は、高度に
透明性が要求され、しかも優れた機械的性質が要求され
るフィルム、中空容器、シート、トレイ等の成形体にと
っては致命的である。
【0008】PEN樹脂/PET樹脂のブレンド物の白
化を減少させるため、275〜330℃の温度範囲で1
〜30分間溶融混合することが特公昭49−22957
号公報に開示されているが、透明性は良好となるもの
の、ポリマーの熱劣化を誘引し得られる成形体の物性低
下をきたし、さらに溶融混合時にオリゴマー再生量が増
加し成形体の表面汚れ、ひいては金型汚れ等の悪影響を
もたらす。さらには同時に生成するアセトアルデヒドの
量が増加して成形体の内容物である食品や飲料物の風味
を損なう等の問題を有する。
【0009】上記の問題点を解決するには、低温でしか
も短時間溶融混合することが望ましいのであるが、一般
に溶融混合を低温で行う場合、溶融混合時間は高温時と
比べてはるかに長くなる。溶融混合時間の長短は、フィ
ルム、シート、トレイ、中空成形容器等の成形体の生産
性を大きく支配し、成形サイクルタイムの時間延長は生
産性の低下を来たし、その結果、製品のコストアップを
招くことになる。特にボトル等中空成形容器の生産には
製造サイクルタイムがたかだか1分程度と非常に生産性
の高い製造方法が採用されていることから問題は大き
い。
【0010】さらに、PEN樹脂/PET樹脂ブレンド
物の白化抑制、あるいは透明性の向上を目的として、特
公平1−010926号公報にはPET樹脂とPEN樹
脂とを溶融混合した混合体から成型する方法、また特開
平2−274757号公報には、PET樹脂、PEN樹
脂およびPET樹脂とPEN樹脂との予備混練物からな
る樹脂組成物から成形する方法が、それぞれ開示されて
いる。かかる製造方法で得られた成形体は、透明性の向
上がある程度見込めるとしても、PEN樹脂/PET樹
脂のブレンド物を直接溶融混合して得た成形体と比べて
工程が複雑化してコストアップとなることは避けられな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、PEN樹脂/
PET樹脂ブレンド物からなる優れた物性を有する成形
体は、如何にこれらの樹脂の相容性を改善し、熱分解生
成物が少なく、かつ均一な溶融混合物からなる成形体を
提供できるかにかかっている。本発明は、PEN樹脂/
PET樹脂ブレンド物からなる成形体の有する問題点
(特に相容性、白化)を解決し、透明性、ガスバリアー
性、耐熱性に優れたポリエステル成形体を得ることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステル樹脂成形体は、主としてエチ
レンナフタレート単位及びエチレンテレフタレート単位
を繰り返し単位とするポリエステル樹脂からなる成形体
において、該成形体のランダム度(R)が 0.40≦R≦1.00 であり、かつ霞度(ヘイズ)が ヘイズ≦8% であることを特徴とする。ここで、エチレンナフタレフ
タレート単位とは、
【化1】 をいう。また、エチレンテレフタレート単位とは、
【化2】 をいう。で示される。そして、「主としてエチレンナフ
タレート単位及びエチレンテレフタレート単位を繰り返
し単位とする」とは、「エチレンナフタレート単位が9
8〜2モル%、エチレンテレフタレート単位が2〜98
モル%の割合で繰り返し単位とする」ことをいう。
【0013】ランダム度(R)はNMR法で求めた値で
ある。ランダム度の好ましい範囲は0.45〜1.0
0、更に好ましい範囲は0.50〜1.00である。ま
た、霞度(ヘイズ)の好ましい範囲は6%以下、さらに
好ましい範囲は5%以下である。
【0014】上記の構成からなる本発明のポリエステル
樹脂成形体は、優れた透明性、ガスバリアー性、耐熱性
を有する。ランダム度(R)が0.4未満では、数字が
小さくなるほど相容化度が小さく、透明性が悪い。成形
体は白濁したり、パール様光沢を示したりして商品価値
が無くなる。ランダム度(R)が1.0を越えると、交
互共重合体に近づくことを意味するが重縮合反応では反
応の性質上、交互共重合体は生成しないと考えるのが普
通である。霞度(ヘイズ)が8%より大きくなると成形
体は白濁したパール様光沢を呈したりして、商品価値は
少ない。
【0015】また、本発明のポリエステル樹脂成形体
は、ポリエステル樹脂の透明度(Qmax)、透明化時間
(Qmax(t))がそれぞれ Qmax≦30000 Qmax(t)≦120秒 であることを特徴とする。ここで、透明度(Qmax)、
透明化時間(Qmax(t))はそれぞれ光散乱法で求め
た値である。Qmaxの好ましい範囲は 0≦Qmax≦25,000 さらに好ましい範囲は 0≦Qmax≦20,000 である。Qmax(t)の好ましい範囲は 0≦Qmax(t)≦100秒 ii)さらに好ましい範囲は 0≦Qmax(t)≦90秒 である。
【0016】上記の構成からなる本発明のポリエステル
樹脂成形体は、優れた透明性、ガスバリアー性、耐熱性
を有し、かつ、熱劣化による成形体の着色や機械的性質
の低下がない。Qmaxが30,000を越えると白化の
程度が大きく、相容化(透明化)の促進を行うためには
溶融混合時の温度を高く、時間も長くする必要があり、
より厳しい成形条件が必要となるため、熱劣化による成
形体の着色や機械的性質の低下原因となる。また、生産
性の低下によるコストアップ要因となる。Qmax(t)
が120秒を越えると、透明な成形体を得るためには、
溶融混合の温度の上昇、長時間化等のシビアーな成形条
件が必要となる。その結果、熱劣化による成形体の着色
や機械的性質の低下、再生DLG量の増加による金型汚
れや成形体の表面特性の悪化、生成アセトアルデヒドに
よる内容物の風味の変化の原因となる。また、生産性低
下によるコストアップ要因となる。特に高効率の生産方
式が採用されている中空容器の製造においては、致命的
な欠点となりかねない。
【0017】また、本発明のポリエステル樹脂成形体
は、ポリエステル樹脂が、エチレンナフタレート成分が
98〜80モル%である共重合ポリエステル(A)99
〜1重量%及びエチレンテレフタレート成分が98〜8
0モル%である共重合ポリエステル(B)1〜99重量
%を溶融混して得られた樹脂であることを特徴とする。
【0018】上記の構成からなる本発明のポリエステル
樹脂成形体は、共重合ポリエステルを溶融混合する時間
が短くて、透明、均一な成形体が得られ、熱劣化による
成形体の物性の低下等の問題を起こすことがない。
【0019】また、本発明のポリエステル樹脂成形体
は、ポリエステル樹脂が、エチレンナフタレート成分が
98〜80モル%である共重合ポリエステル(A)99
〜1重量%及びエチレンテレフタレート成分が98〜8
0モル%である共重合ポリエステル(B)1〜99重量
%を合計100重量部並びにエチレンナフタレート成分
が75〜50モル%である共重合ポリエステル(C)及
び/又はエチレンテレタレート成分が75〜50モル%
である共重合ポリエステル(D)を合計1〜30重量部
を溶融混合して得られた樹脂であることを特徴とする。
【0020】上記の構成からなる本発明のポリエステル
樹脂成形体は、溶融混合する共重合ポリエステルの相容
化が特に容易で透明、均一な成形体が得られ、熱劣化に
よる成形体の物性の低下等の問題を起こすことがない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステル樹脂
成形体の実施の形態を詳細に説明する。本発明におい
て、「主としてエチレンナフタレート単位及びエチレン
テレフタレート単位を繰り返し単位とするポリエステル
樹脂」とは、エチレンナフタレート単位が98〜2モル
%、エチレンテレフタレート単位が2〜98モル%の割
合で繰り返し単位を構成しているポリエステル樹脂のこ
とをいい、特にその製造方法を特定するものではなく、
エチレンナフタレート単位とエチレンテレフタレート単
位を有する共重合体であっても、これら構成単位のモル
比が異なる2種又はそれ以上の種類の共重合体の溶融混
合体であってもよい。
【0022】典型的には、エチレンナフタレート単位が
98〜80モル%である共重合ポリエステル(A)(共
重合ポリエステル(A)と略称する)と、エチレンテレ
フタレート単位が98〜80モル%である共重合ポリエ
ステル(B)(共重合ポリエステル(B)と略称する)
とを溶融混合して得られた樹脂である。好ましくは、エ
チレンナフタレート単位を97〜83モル%とエチレン
テレフタレート単位を3〜17モル%、さらに好ましく
はエチレンナフタレート単位を95〜85モル%とエチ
レンテレフタレート単位を5〜15モル%有する共重合
ポリエステル(a)と、エチレンテレフタレート単位を
97〜83モル%とエチレンナフタレート単位を3〜1
7モル%、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単
位を95〜85モル%とエチレンナフタレート単位を5
〜15モル%有する共重合ポリエステル(b)とを溶融
混合して得られた樹脂である。
【0023】エチレンナフタレート単位が98モル%を
超える共重合ポリエステル、またはエチレンテレフタレ
ート単位が98モル%を超える共重合ポリエステルを用
いた場合には、単純に溶融混合するだけでは白化し、透
明、均一な混合体とするのに長時間を要し、樹脂の劣
化、ひいては成形体の物性を低下させ、オリゴマー量も
増加することになる。このような場合、ランダム度
(R)または霞度(ヘイズ)が到底本発明で規定する範
囲に収まらない。
【0024】また、エチレンナフタレート単位が80モ
ル%未満、エチレンテレフタレート単位が20モル%を
超える共重合ポリエステルまたはエチレンテレフタレー
ト単位が80モル%未満、エチレンナフタレート単位が
20モル%を超える共重合ポリエステルを主成分として
用いた場合には、溶融混合すると短時間で、透明・均一
な混合体とすることができるが、溶融混合するのに先立
つ乾燥あるいは固相重合時に融着あるいはブロッキング
を引き起こすうえにランダム度(R)または霞度(ヘイ
ズ)が本発明で規定する範囲外となる。
【0025】なお、共重合ポリエステル中のエチレンナ
フタレート単位あるいはエチレンテレフタレート単位以
外の単位を形成する共重合成分としては、酸成分として
はテレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジ
カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、P
−オキシ安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸、またはこれらのエステル形成性誘導体等が例示で
き、好ましいジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、またはヘキサヒドロテレフタル酸等を挙げ
ることができる。また、上記共重合ポリエステル中の共
重合成分としてのグリコール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ペンタチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が
例示でき、好ましいグリコールとしては、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,3−プロピレングリコー
ルまたはテトラメチレングリコールを挙げることができ
る。さらに、前記共重合ポリエステル中の多官能化合物
からなるその他の共重合成分としては、酸成分として、
トリメリット酸、ピロメリット酸を挙げることができ、
グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトー
ルを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量
は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度で
あればよい。共重合ポリエステルの固有粘度は通常IV
=0.5〜1.5、好ましくは0.6〜1.2である。
そして、共重合ポリエステル(A)と共重合ポリエステ
ル(B)との混合割合(重量比)は、99:1〜1:9
9の範囲で設定することができる。
【0026】さらにまた好ましいポリエステル樹脂とし
ては、前記共重合ポリエステル(A)99〜1重量%及
び共重合ポリエステル(B)1〜99重量%、合計10
0重量部とエチレンナフタレート単位が75〜50モル
%である共重合ポリエステル(C)(共重合ポリエステ
ル(C)と略称する)および/またはエチレンテレフタ
レート単位が75〜50モル%である共重合ポリエステ
ル(D)(共重合ポリエステル(D)と略称する)とを
合計1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さら
に好ましくは1〜20重量部とを溶融混合して得られた
樹脂である。なお、共重合ポリエステル(C)及び共重
合ポリエステル(D)の他の共重合成分としては、前記
の酸成分、グリコール成分あるいは多官能化合物からな
るその他の共重合体成分をそのまま例示することができ
る。これらの混合樹脂である場合は、特に短時間で均一
に溶融混合することができ、より透明、均一性に優れた
成形体とすることができる。
【0027】本発明において用いる共重合ポリエステル
(A)、共重合ポリエステル(B)、共重合ポリエステ
ル(C)、および共重合ポリエステル(D)をそれぞれ
ジカルボン酸とグリコールから重縮合して得る際には、
重合触媒をコントロールすることが望ましく、ポリエス
テル樹脂中で触媒金属原子の合計グラム原子数とリン原
子のグラム原子数との原子比が、0.9以下好ましくは
0.8以下、特に0.7以下で用いるのが好ましい。 原子比=リン原子のグラム原子数/触媒金属原子の合計
グラム原子数 これは、 K=Aexp(−Ea/R・T) の活性化エネルギー項Eaを触媒によって小さくし、エ
ステル交換速度Kを大きくすることを意図した考えであ
る。ポリエステルの重合触媒としては、Sb、Ge,T
i,Sn,Zn,Mn、Co,Ca,Mg等が代表例と
して挙げられる。リン化合物は、上記範囲で触媒による
エステル交換反応速度を大きくし、相容化(透明化)に
要する溶融混合時間の短縮を意図するものである。従っ
て、リン化合物による触媒の安定化は触媒活性の消失を
意味する。
【0028】本発明で用いる共重合ポリエステルを得る
ために用いるリン化合物としては、リン酸系化合物とし
てトリメチルホスフェート、エチルホスフェート、トリ
プロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート等、亜リン酸系化合物としてトリ
メチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプ
ロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト等、次亜リン酸系化合物としてジメ
チル亜リン酸、ジエチル亜リン酸、ジプロピル亜リン
酸、ジブチル亜リン酸、ジフェニル亜リン酸等、有機リ
ン化合物として
【化3】 等を示すことができる。
【0029】前記原子比が0.9を越えると、即ち、触
媒に対するリン化合物の量が多くなると、それだけ触媒
活性の低下が大きくなる。その結果、エステル交換速度
が遅くなり、相容化(透明化)に要する溶融混合時間が
長くなる。具体的には、 1)相容化不十分による延伸成形時の延伸ムラが発生
し、成形体の厚みムラや機械的性質の低下が起こる。ま
た成形体の透明性も悪い。 2)溶融混合時間の延長により、ポリエステル樹脂の熱
劣化が生じ、成形体の機械的性質の低下や着色の原因と
なる。 3)溶融混合時間遅延により、生産性が低下しコストア
ップとなる。特に高効率の生産方式が採用されている中
空容器の製造においては、致命的な欠点となりかねな
い。等の問題点が生ずる。
【0030】以下、本発明で用いる共重合ポリエステル
の重合方法を示す。重合方法は、基本的には公知のポリ
エチレンテレフタレートの重合に準ずる。そして、現
在、2,6−ナフタレンジカルボン酸は、そのエステル
形成性誘導体として、ジメチルエステルの形で原料供給
されている。従って、エステル交換法による重合が望ま
しい。触媒は、重合に使用される触媒としては、Sb,
Ge,Ti,Sn,Zn,Mn,Co,Ca,Mg等の
酸化物、水酸化物、低級脂肪族カルボン酸塩等が挙げら
れる。望ましい触媒系としては、原料酸成分の一つに、
2,6−ナフタレンジカルボン酸のジメチルエステルを
使用することから、エステル交換反応用の触媒が必須で
ある。好ましい触媒の組み合わせとしては、エステル交
換触媒をZn,Mn,Co,CaまたはMgの化合物を
用い、重縮合触媒として、SbまたはGeの化合物を用
いることができる。触媒量は、限定するものではない
が、酸成分合計1モルに対して、10-5〜10-2グラム
原子、好ましくは5×10-5〜5×10-3グラム原子で
あるのが通常である。リン化合物は前記の範囲で使用す
るのが通常である。
【0031】つぎに、本発明で用いる樹脂組成物の調整
法を示す。 1.混合法 装置としては、ダブルコーンブレンダー、ヘンシェルミ
キサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラ
ーブレンダー等を用い、共重合ポリエステルの乾燥、結
晶化、固相重合時等任意の段階で混合する。 2.溶融混練法 、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキ
サー等を用い、溶融混練後、造粒あるいは粉砕する。重
合終了直後の溶融レジンの混練は次のようにして行うの
が通常である。 1)共重合ポリエステル(A)と共重合ポリエステル
(B)とを、それぞれ個別の反応缶で重合後、一方の反
応缶へ他方の反応缶で重合した共重合ポリエステルを前
記の配合割合で溶融混練する方法。この時、共重合ポリ
エステルを同時に添加することも可能である。 2)共重合ポリエステル(A)または共重合ポリエステ
ル(B)のどちらか一方を重合した反応缶へ、予め重合
して造粒、粉砕した他方のポリエステルを所定の配合割
合となるように供給して溶融混練する方法。 3)それぞれ個別に重合した共重合ポリエステル(A)
と共重合ポリエステル(B)を反応缶から一軸押出機あ
るいは二軸押出機へ所定の配合割合となるように連続供
給して溶融混練後、造粒もしくは粉砕する方法。なお、
さらに共重合ポリエステル(C)と共重合ポリエステル
(D)とを併用する場合も同様の操作による。望ましい
樹脂組成物の調整法は、上述のブレンダー等による混合
法であり、溶融混練法は次のような理由により不利であ
る。 1)溶融混練工程を経ることから、熱劣化を受け、成形
体の機械的性質の低下や着色の原因となる。 2)溶融混練工程が必要で、つまり混合法と比べて1工
程プラスされることから、製造コストが高くつく。溶融
混練法は上記のような不利な点を有するが、溶融混練工
程を経ることでエステル交換反応が進行し、成形工程で
相容化(透明化)に要する溶融混合時間の短縮化には有
利である。
【0032】つぎに、ポリエステル樹脂成形体の製造法
を示す。成形体の製造には、従来公知の未延伸あるいは
延伸成形方法が利用できる。成形時の共重合ポリエステ
ルの溶融混合温度は通常270〜320℃の温度が適用
される。成形性や得られたポリエステル樹脂成形体の特
性を考慮すれば、275〜315℃が好ましく、さらに
好ましくは280〜310℃である。一般に320℃以
上の温度では、相容化(透明化)に要する溶融混合時間
は短縮されるが、熱劣化によるポリエステル樹脂成形体
の着色や機械的性質の低下、再生DLG量、アセトアル
デヒド量の増加等の悪影響が大きい。逆に、270℃以
下の温度では、透明なポリエステル樹脂成形体を得るた
めに要する溶融混合時間が長くなり、生産性が低下しコ
ストアップ要因となる。成形時の溶融混合時間は、目的
とするポリエステル樹脂成形体の構造や特性によって異
なり、生産性や製品性能のバランスの上で決まるが、通
常30分以内である。生産性や製品性能を考慮すれば、
25分以内が好ましく、さらに好ましくは20分以内で
ある。ポリエステル樹脂成形体が中空容器の場合には、
成形サイクルが1分程度、つまり溶融混合時間が数十秒
と、極めて効率のよい生産方式が採用されている。な
お、溶融混合時間が30分以上の場合は、ポリエステル
樹脂成形体の透明化には有利であるが、時間延長による
生産性の低下、コストアップ要因となる。また、熱劣化
によるポリエステル樹脂成形体の着色、機械的性質の低
下、再生DLG量、アセトアルデヒド量の増加等のデメ
リット要因となる。
【0033】以下に、本明細書中に用いる特性値を説明
する。 (1)ランダム度 NMR法による 1)測定装置 バーリアン社製 unity−500 2)測定方法 Mark E. Stewart,A. James Cox,D.Mark Naylor(Polym
er 34.(1993)p.4060)記載の方法に準じて、エチレング
リコール鎖のエチレンプロトンを測定し、計算により求
めた。 3)ランダム度(R)の計算 ブロック性(ランダム度)は、次式によって示される。 0≦(1/Lm(PEN)+(1/Ln(PET)≦2 Lm(PEN):主としてエチレンナフタレート単位を
繰り返し単位とする樹脂の平均連鎖長(m) Ln(PET):主としてエチレンテレフタレート単位
を繰り返し単位とする樹脂の平均連鎖長(n) 本式から以下のことがわかる。 ランダム度0:完全ブロック共重合体 ランダム度1:完全ランダム共重合体 ランダム度2:完全交互共重合体 主としてエチレンナフタレート単位を繰り返し単位とす
る樹脂と主としてエチレンテレフタレート単位を繰り返
し単位とする樹脂とをブレンドする場合、溶融混合によ
るエステル交換反応の程度によって完全ブロック共重合
体から完全ランダム共重合体まで、つまり上記式で0〜
1の範囲となる。数字が大きいことは、それだけエステ
ル交換反応が進んだことを意味し、各々の樹脂の相容性
で考えてみると、相容化が進み透明性が向上することに
なる。
【0034】(2)霞度(ヘイズ) 測定方法 ポリエステル樹脂成形体から試料片を切り取り、東洋精
機製作所製ヘイズメーターでヘイズ(%)を測定した。
【0035】(3)透明度(Qmax)、透明化時間(Qm
ax(t)) 光散乱法による 1)測定装置、測定方法、計算方法は、下記文献に準じ
て行った。 M.Okamoto,T.Inoue:Polymer 35.(1994)p257 2)Qmax及びQmax(t)測定試料の作成 樹脂組成物を池貝(株)製二軸押し出し機PCM−30
で、温度280℃、90秒間溶融混合して20℃の冷水
中へストランド状で押し出した。このストランドから小
片を切り取り、その小片を2枚のカバーグラスの間に挟
み、300℃で1分間溶融させて、30μm程度のフィ
ルム状測定試料に急冷して作成した。 3)光散乱の測定 前記文献第1図に示す光散乱測定装置に準じた装置を用
い、300℃に温度設定したホットステージ上に測定試
料を置き、He−Neレーザ光を照射し、散乱角に対す
る散乱光の時間に対する強度変化を測定した。 4)Qmax、Qmax(t)の定義 光散乱測定結果を図1に示す。散乱角に対する散乱光の
強度は、時間と共に大きくなり、ある時間(t)で最大
となる。この時のInvariantQをQmax、Qmax
に到達するのに要した時間(t)をQmax(t)と定義
する。この結果を主としてエチレンナフタレート単位を
繰り返し単位とする樹脂と主としてエチレンテレフタレ
ート単位を繰り返し単位とする樹脂の溶融混合でイメー
ジすると、時間の経過と共に相分離による白化が進行
し、ある時間で白化(相分離)が最大となる。従って、
Qmaxは白化の最大点Qmax(t)はそれに要した時間と
いえる。さらに時間が経過すると共に、急速に相容化が
進行して白化が減少し、終わりには透明となる。 5)Qmaxの意味 透明性を表す指標で、数字の小さい方が透明性の良好な
ことを意味する。 6)Qmax(t)の意味 相容化(透明化)に要する時間の指標で、その値が小さ
ければ小さいほどそれだけ速く透明体となる。
【0036】
【実施例】以下の実施例、比較例において使用するポリ
エステルの重縮合をしめす。2,6−ジメチルナフタレ
ート943.0部、ジメチルテレフタレート65.1
部、エチレングリコール573.0部、酢酸マンガン4
水和物0.31部、酢酸コバルト4水和物0.085
部、三酸化アンチモン0.245部からなる混合物を、
180度から245℃で約140分間エステル交換反応
させてメタノールを留去した後、燐酸0.185部を添
加した。徐々に285℃に昇温し、0.5mmHg以下
の減圧度で、15分間重縮合を行った。その後、窒素ガ
スで系を常圧に戻し、さらに加圧下にポリマーをストラ
ンド状で冷水中に取り出し、カッターにてチップ状のレ
ジンを得た。上記例は、ポリマーNo.3の重合につい
て述べたが、他のポリエステルも酸成分、触媒、リン添
加量を変更しただけで、同様にエステル交換、重縮合を
行った。表1に実施例で用いたポリエステルを示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1〜5 (実施例1)共重合ポリエステル(A)(ポリマーN
o.3)40重量部、共重合ポリエステル(B)ポリマ
ーNo.7のレジン60重量部の混合物を、ダブルコー
ン型のブレンダーで0.1mmHgの減圧下、130℃
で12時間減圧乾燥した。この樹脂組成物のリンと触媒
金属の原子比は、0.42、Qmaxは22,000、Qm
ax(t)は17秒であった。名機製作所製成形機M−1
00−DMを使用して成形温度290℃、成形サイクル
55秒の条件で段付プレートを成形した。得られた段付
プレートの透明性は良好であった。この段付プレートの
5mm厚みの部分から試料片を採取し、NMR測定とヘ
イズ測定用試料とした。NMRから求めたランダム度は
0.58、ヘイズは3.4%であった。 (実施例2〜5)使用したポリエステル、触媒、原子
比、成形条件を表2に示した通りとしたほかは実施例1
と同様にしてポリエステル樹脂成形体を得た。得られた
ポリエステル樹脂成形体の特性値を併せて表2に示す。
【0039】比較例1〜3 (比較例1)ポリエステル(ポリマーNo.1)40重
量部、ポリエステル(ポリマーNo.5)60重量部の
樹脂組成物を使用し、成形温度を300℃とした以外は
実施例1と同様にして段付プレートを作製した。得られ
た段付プレートは、完全に白濁していた。 (比較例2〜3)使用したポリエステル、触媒、原子
比、成形条件を表2に示した通りとしたほかは実施例1
と同様にしてポリエステル樹脂成形体を得た。得られた
ポリエステル樹脂成形体の特性値を併せて表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】以上の例から、短時間の溶融混合で透明な
成形体を得るには、共重合ポリエステル(A)、(B)
の使用が不可欠の要件であることがわかる。
【0042】実施例6〜8 以下に示す例は、共重合ポリエステル(C)、(D)
が、共重合ポリエステル(A)と、共重合ポリエステル
(B)の相容化剤(透明化剤)として働いたことを示
す。 (実施例6)共重合ポリエステル(A)(ポリマーNo.
3)30重量部、共重合ポリエステル(B)ポリマーN
o.7のレジン70重量部および共重合ポリエステル
(C)(ポリマーNo.10)5部の混合物を実施例1
と同様に乾燥し、ポリエステル樹脂組成物を得た。この
樹脂組成物のリンと触媒金属の原子比は、0.42、ま
たQmaxは12,400、Qmax(t)は16秒であっ
た。この樹脂組成物を成形温度290℃、成形サイクル
60秒で実施例1と同様に成形して段付プレートを得
た。段付プレートの透明性は良好で、NMRで測定した
ランダム度は0.64、ヘイズは1.2%であった。 (実施例7,8)使用した共重合ポリエステル、触媒、
原子比、成形条件を表2に示した通りとしたほかは実施
例6と同様にしてポリエステル樹脂成形体を得た。得ら
れたポリエステル樹脂成形体の特性値を併せて表2に示
す。
【0043】比較例4 ポリエステル(ポリマーNo.1)40重量部、ポリエ
ステル(ポリマーNo.5)60重量部、ポリエステル
(ポリマーNo.10)10重量部の混合物を、実施例
1と同様に乾燥した。得られた樹脂組成物のリンと触媒
金属の原子比は、0.49で、Qmaxは33,700、
Qmax(t)は176秒であった。この樹脂組成物を、
成形温度295℃、成形サイクル55秒としたほかは実
施例1と同様に成形して段付プレートを作製した。段付
プレートは白濁していた。得られたポリエステル樹脂成
形体の特性値を表2に示す。
【0044】比較例5 ポリエステル(ポリマーNo.2)70重量部、ポリエ
ステル(ポリマーNo.7)30重量部、ポリエステル
(ポリマーNo.10)30重量部、ポリエステル(ポ
リマーNo.9)5重量部の混合物を、実施例1と同様
にして乾燥したところ、ポリマー同士がブロッキングを
起こし成形に使用できるような状態ではなかった。
【0045】実施例9〜11 以下に示す例は、リンと触媒金属の原子比が相容化(透
明化)に及ぼす効果を示す。
【0046】(実施例9)共重合ポリエステル(ポリマ
ーNo.12)85重量部、共重合ポリエステル(ポリ
マーNo.6)15重量部の混合物を、実施例1と同様
にして乾燥した。この樹脂組成物のリンと触媒金属の原
子比は、0.12で、Qmaxは10,200、Qmax
(t)は11秒であった。この樹脂組成物を成形温度3
00℃、成形サイクル50秒としたほかは実施例1と同
様にして成形し、段付プレートを作製した。得られた段
付プレートの透明性は良好で、NMRで測定したランダ
ム度は0.62、ヘイズは1.5%であった。 (実施例10〜11)使用した共重合ポリエステル、触
媒、原子比、成形条件を表2に示した通りとしたほかは
実施例1と同様にしてポリエステル樹脂成形体を得た。
得られたポリエステル樹脂成形体の特性値を併せて表2
に示す。
【0047】比較例6 ポリエステル(ポリマーNo.16)60重量部、ポリ
エステル(ポリマーNo.17)40重量部からなる混
合物を、実施例1と同様に乾燥した。この樹脂組成物の
リンと触媒金属の原子比は、1.17で、Qmaxは3
2,900、Qmax(t)は134秒であった。成形温
度295℃、成形サイクル60秒の条件で実施例1と同
様にして段付プレートを作製した。得られた段付プレー
トは白化していた。得られた樹脂成形体の特性値を表2
に示す。
【0048】比較例7 使用したポリエステル、触媒、原子比、成形条件を表2
に示した通りとしたほかは実施例1と同様にしてポリエ
ステル樹脂成形体を得た。得られたポリエステル樹脂成
形体の特性値を併せて表2に示す。は、表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】実施例12,13、比較例8
【0051】(実施例12)実施例1に示した、乾燥し
た樹脂組成物から、日精エーエスビー(株)製二軸延伸
ブロー成形機ASB−50THを使用してホットパリソ
ン法により容量500cm3のボトルを作製した。得ら
れたボトルの透明性は良好であった。このボトルの胴部
より試料片を採取し、特性値を測定した。結果を表3に
示す。 (実施例13、比較例8)使用したポリエステル、成形
条件を表2に示した通りとしたほかは実施例12と同様
にしてポリエステル樹脂成形体を得た。得られたポリエ
ステル樹脂成形体の特性値を併せて表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載したポリエステ
ル樹脂成形体は、透明性、ガスバリアー性、耐熱性に優
れている。
【0054】また、本発明の請求項2に記載したポリエ
ステル樹脂成形体は、成形体の白化が少なく、また透明
な成形体となるまでの時間が短いため、熱劣化したポリ
エステル樹脂の含有量が少なく、着色や機械的性質の低
下が抑えられている。
【0055】また、本発明の請求項3に記載したポリエ
ステル樹脂成形体は、透明な成形体となるまでの時間が
短く、また結晶性も良好である。
【0056】また、本発明の請求項4に記載したポリエ
ステル樹脂成形体は、特に透明な成形体を得るまでの時
間が短く、また結晶性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明度(Qmax)と透明化時間(Qmax(t))
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 誠司 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社つるが工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてエチレンナフタレート単位及び
    エチレンテレフタレート単位を繰り返し単位とするポリ
    エステル樹脂からなる成形体において、該成形体のラン
    ダム度(R)が 0.40≦R≦1.00 であり、 かつ霞度(ヘイズ)が ヘイズ≦8% であることを特徴とするポリエステル樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂の透明度(Qmax)、
    透明化時間(Qmax(t))がそれぞれ Qmax≦30000 Qmax(t)≦120秒 であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹
    脂成形体。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂が、エチレンナフタレ
    ート単位が98〜80モル%である共重合ポリエステル
    (A)99〜1重量%及びエチレンテレフタレート単位
    が98〜80モル%である共重合ポリエステル(B)1
    〜99重量%を溶融混合して得られた樹脂であることを
    特徴とする請求項1又は2記載のポリエステル樹脂成形
    体。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂が、エチレンナフタレ
    ート単位が98〜80モル%である共重合ポリエステル
    (A)99〜1重量%及びエチレンテレフタレート単位
    が98〜80モル%である共重合ポリエステル(B)1
    〜99重量%合計100重量部とエチレンナフタレート
    単位が75〜50モル%である共重合ポリエステル
    (C)及び/又はエチレンテレフタレート単位が75〜
    50モル%である共重合ポリエステル(D)を1〜30
    重量部とを溶融混合して得られた樹脂であることを特徴
    とする請求項1、2又は3記載のポリエステル樹脂成形
    体。
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