JP7075314B2 - ホタテ貝の食感低下抑制剤、活ホタテ貝の保持用水溶液、及び、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法 - Google Patents

ホタテ貝の食感低下抑制剤、活ホタテ貝の保持用水溶液、及び、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホタテ貝の食感低下抑制剤、活ホタテ貝の保持用水溶液、及び、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法に関する。
ホタテ貝は、その旨みと栄養価から「貝の王様」と称されており、生食時も加熱調理後も甘みや旨みがありつつもあっさりとしてクセの少ない食味や、独特の繊維感が強く歯切れのよい食感から人気の高い食材である。しかしながら、水揚げ後の生ホタテ貝を冷蔵してから輸送または保存すると、その輸送または保存中にホタテ貝の食感が徐々に低下するという問題があり、食感を保持したまま輸送できる地域が限られていた。また、水槽に海水を入れて酸素を供給しながら魚介類を生きたまま定温輸送する方法もあるが、この方法では温度管理や酸素管理に大型の装置を必要とし、経済効率の点で望ましいものではなかった。さらに、水揚げ直後の生ホタテ貝を冷凍してから輸送または保存する方法も一般的であるが、この方法によると、冷凍中の水分昇華や、解凍時のドリップなどによりホタテ貝の食感が著しく損なわれる、いわゆる冷凍障害が発生するという問題があった。
特許文献1では、ボイルホタテを含む予め加熱処理(一次加熱)した畜水産加工品に、水溶性たん白質及び/又はアルカリ塩を含むピックル組成物を加えて、二次加熱することによる畜水産加工品の食感改良方法が記載されている。当該食感改良方法は、加熱処理によって水分が流出して硬く締まった畜水産加工品について、保水性を高め、軟らかな食感を付与することを目的としたものであり、生ホタテ貝の輸送または保存中における食感低下を抑制しようとするものではない。また、特許文献2では、貝類を短時間で軟化させて食感および食味を改善するために、アルカリ性物質と、乳酸ナトリウムまたは乳酸カリウムとを含む品質改良剤を貝類に接触させる方法が開示されている。しかし、当該方法は、貝類を軟化させることを目的としたものであり、ホタテ貝の水揚げ後に進行し得る、ホタテ貝の繊維感が強く歯切れの良い食感の低下を抑制しようとするものではない。
特開2007-061091号公報 特開2010-154799号公報
本発明の目的は、ホタテ貝の水揚げ後に進行し得るホタテ貝の食感の低下を抑制し、生食時及び加熱調理後において、本来の繊維感が強く歯切れの良い食感が感じられるホタテ貝を提供するために使用される、ホタテ貝の食感の低下抑制剤、活ホタテ貝の保持用水溶液、及び、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の抽出物を特定量含有した特定の塩化ナトリウム濃度の水溶液に、活ホタテ貝を特定時間保持することで、その後の輸送または保存時に生じ得るホタテ貝の食感低下を抑制し、生食時及び加熱調理後において、本来の繊維感が強く歯切れの良い食感が感じられるホタテ貝を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を含む、ホタテ貝の食感低下抑制剤に関する。当該ホタテ貝の食感低下抑制剤は、前記抽出物を、前記ホタテ貝の食感低下抑制剤の乾燥重量全体中、乾燥重量で50~100重量%含むことが好ましい。
本発明の第二は、エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を0.1~800ppm(固形分)含有し、塩化ナトリウム濃度が2~3.5重量%である、活ホタテ貝の保持用水溶液に関する。当該活ホタテ貝の保持用水溶液は、前記ホタテ貝の食感低下抑制剤を用いたものであってもよい。
本発明の第三は、温度が1~25℃の範囲にある前記水溶液中に、酸素が供給された状態で10~15000分間保持された活ホタテ貝に関する。
本発明の第四は、前記活ホタテ貝が冷蔵または冷凍された生ホタテ貝に関する。
本発明の第五は、前記生ホタテ貝が加熱調理されたホタテ貝に関する。
本発明の第六は、エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を0.1~800ppm(固形分)含有し、塩化ナトリウム濃度が2~3.5重量%、温度が1~25℃の範囲にある水溶液中に、酸素が供給された状態で活ホタテ貝を10~15000分間保持することを特徴とする、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法に関する。
本発明に従えば、ホタテ貝の水揚げ後に進行し得るホタテ貝の食感の低下を抑制して、本来の繊維感が強く歯切れの良い食感が感じられるホタテ貝を提供するために使用される、ホタテ貝の食感低下抑制剤、活ホタテ貝の保持用水溶液、及び、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法を提供することができる。本発明によると、生ホタテ貝を冷蔵または冷凍した場合においてホタテ貝の食感の低下を抑制することができ、また、冷凍した場合であっても、冷凍障害を抑制することもできる。また、食感低下抑制剤に由来する風味や色が生ホタテ貝に付着することも回避できる。本発明によると、ホタテ貝の食感の低下が抑制されるので、本来の繊維感が強く歯切れの良い食感を保持した生ホタテ貝の輸送可能なエリアを拡大することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の食感低下抑制剤は、ホタテ貝の水揚げ後、特に生ホタテ貝の冷蔵または冷凍中に生じ得るホタテ貝の繊維感が強く歯切れの良い食感の低下を抑制するためのもので、特定の抽出物を含有する。本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤は、塩水に配合して使用されるもので、生ホタテ貝を冷蔵または冷凍する前に、本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤を含む塩水で活ホタテ貝を処理することで本発明の目的を達成することができる。
本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤で使用する抽出物は、エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物である。
前記エノキタケ抽出物としては特に限定されないが、例えば、エノキタケの子実体を熱水及び/又はアルコール等の抽出溶媒で抽出した抽出物、酵素やアルカリ性の溶媒でエノキタケの子実体を分解してから熱水やアルコール等の抽出溶媒で抽出した抽出物、更にはこれら抽出物を濃縮した濃縮液、前記抽出物または前記濃縮液を乾燥して得られた粉末等が挙げられる。これら抽出物は、消費者の安心安全志向から、水や天然由来エタノール以外の溶媒を用いない抽出物が好ましい。但し、コスト面を考えると、水がより好ましい。
抽出時の抽出溶媒の温度は、抽出溶媒の種類によって好適な温度幅が変動し得るが、一般に、抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)-20℃~抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)が好ましい。抽出時の抽出溶媒の温度が、該抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)-20℃より低いと、ホタテ貝の食感低下抑制効果が弱くなる場合があり、大気圧下での沸点(℃)より高くなると、特殊な加圧設備が必要となるため、抽出方法が複雑になる場合がある。
前記エノキタケは、タマバリタケ科のキノコの一種であるFlammulina velutipes種のことをいう。特に限定されないが、人工的に栽培した白色かつもやし状の市販エノキタケを使用することができる。かかる市販エノキタケは、一般に食用とされており、容易に入手可能である。
前記酵母抽出物としては特に限定されないが、例えば、酵母を熱水やアルコール等の抽出溶媒で抽出した抽出物、酵素やアルカリ性の溶媒で酵母を分解してから熱水やアルコール等の抽出溶媒で抽出した抽出物、更にはこれら抽出物を濃縮した濃縮液、前記抽出物または前記濃縮液を乾燥して得られた粉末等が挙げられる。これら抽出物は、消費者の安心安全志向から、水や天然由来エタノール以外の溶媒を用いない抽出物が好ましい。但し、コスト面を考えると、水がより好ましい。
抽出時の抽出溶媒の温度は、抽出溶媒の種類によって好適な温度幅が変動し得るが、一般に、抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)-20℃~抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)が好ましい。抽出時の抽出溶媒の温度が、該抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)-20℃より低いと、ホタテ貝の食感低下抑制効果が弱くなる場合があり、大気圧下での沸点(℃)より高くなると、特殊な加圧設備が必要となるため、抽出方法が複雑になる場合がある。
前記酵母は、嫌気環境下で発酵する際に、糖を資化してアルコールを生成する微生物のことをいう。具体例として、サッカロミセス(Saccharomyces)属に属する酵母や、キャンディダ(Candida)属に属する酵母等が挙げられるが、特に限定されない。食経験が豊富である観点から、前記酵母は、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)であってもよく、研究等で知見が多い観点から、前記酵母は、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis)であってもよい。
前記大麦抽出物としては特に限定されないが、例えば、大麦を熱水やアルコール等の抽出溶媒で抽出した抽出物、酵素やアルカリ性の溶媒で大麦を分解してから熱水やアルコール等の抽出溶媒で抽出した抽出物、更にはこれら抽出物を濃縮した濃縮液、前記抽出物または前記濃縮液を乾燥して得られた粉末等が挙げられる。これら抽出物は、消費者の安心安全志向から、水や天然由来エタノール以外の溶媒を用いない抽出物が好ましい。但し、コスト面を考えると、水がより好ましい。
抽出時の抽出溶媒の温度は、抽出溶媒の種類によって好適な温度幅が変動し得るが、一般に、抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)-20℃~抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)が好ましい。抽出時の抽出溶媒の温度が、該抽出溶媒の大気圧下での沸点(℃)-20℃より低いと、ホタテ貝の食感低下抑制効果が弱くなる場合があり、大気圧下での沸点(℃)より高くなると、特殊な加圧設備が必要となるため、抽出方法が複雑になる場合がある。
前記大麦は、中央アジア原産のイネ科の植物で、学名をHordeum vulgareといい、二条大麦と六条大麦、皮麦とはだか麦、うるち種ともち種に分類されるものをいう。
本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤は、エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を、該食感低下抑制剤の乾燥重量全体に対し乾燥重量で50~100重量%含有することが好ましい。より好ましくは70~100重量%であり、さらに好ましくは90~100重量%である。50重量%よりも少ないとホタテ貝の食感低下抑制効果を発揮できない場合がある。本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤に含まれ得る前記抽出物以外の固形分としては特に限定されず、天然由来の固形分であれば何を含有しても良い。
本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤の形状は特に限定されず、水溶液等の液体の形状であってもよいし、粉末状、顆粒状、ブロック状等の固形の形状であってもよい。
本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤は、これを真水、海水、または塩水に添加することで、次に説明する本発明の活ホタテ貝の保持用水溶液を調製するために使用することができる。また、収穫した活ホタテ貝を一時的に飼育している生け簀に、本発明のホタテ貝の食感低下抑制剤を投入することで、ホタテ貝の食感低下抑制効果を得ることもできる。
本発明の活ホタテ貝の保持用水溶液は、前記抽出物を含有するものである。該水溶液に活ホタテ貝を浸漬することで使用され、これによって、この使用後に活ホタテ貝を冷蔵保存または冷凍保存する際にホタテ貝本来の繊維感が強く歯切れの良い食感が低下するのを抑制することができる。
本発明の活ホタテ貝の保持用水溶液は、前記抽出物を固形分で0.1~800ppm含有することが好ましい。当該含有量は、0.1~240ppmがより好ましく、0.2~240ppmが更に好ましく、0.2~60ppmが特に好ましい。0.1ppmより少ないとホタテ貝の食感低下抑制効果を発揮できない場合がある。800ppmを越えると前記抽出物に由来する色素成分がホタテ貝に付着したり、ホタテ貝の食感及び風味が損なわれる場合がある。
本発明の活ホタテ貝の保持用水溶液の塩化ナトリウム濃度は、2~3.5重量%が好ましく、2.3~3.5重量%がより好ましく、2.3~3.2重量%が更に好ましく、2.5~3重量%が特に好ましい。塩化ナトリウム濃度が2重量%未満、又は3.5重量%を越えると、本発明の保持用水溶液中でホタテ貝が生育できず、却ってホタテ貝の食感が損なわれる場合がある。
本発明の活ホタテ貝の保持用水溶液は、上記塩化ナトリウム濃度を満足する限り、塩化ナトリウム以外の塩類を含有していてもよい。しかし、塩化ナトリウム以外の塩類の含有量は、塩化ナトリウム重量に対して1/3の重量までに制限することが好ましい。塩化ナトリウム以外の塩類の種類としては食品添加物として使用し得る塩類であれば特に限定されない。
前記保持用水溶液は、上記塩化ナトリウム濃度を満足する限り、真水に食塩を添加して製造されたものであってもよいし、海水を利用して、又は、海水の塩化ナトリウム濃度を調整したものを利用して製造されたものであってもよい。
前記保持用水溶液を用いて、特に生ホタテ貝を冷蔵または冷凍する前に、活ホタテ貝を処理することで、生食時及び加熱調理時に食感低下が抑制されたホタテ貝を製造することができる。当該処理の具体的態様の一例は以下のとおりである。前記水溶液の温度を、好適には1~25℃の範囲とし、該水溶液に酸素を供給しつつ活ホタテ貝を浸漬して、好適には10~15000分間保持する。その後、該水溶液から活ホタテ貝を取り出すことで、食感低下が抑制されたホタテ貝を得ることができる。水溶液は予め殺菌してから使用してもよく、その場合、殺菌方法については特に限定されず、例えば、紫外線照射による殺菌、オゾン殺菌、塩素殺菌などを行なえばよい。
前記水溶液の温度は1~25℃の範囲でコントロールすることが好ましく、1~17℃がより好ましく、3~17℃が更に好ましい。該温度が1℃より低い又は25℃より高いと、前記水溶液中で活ホタテ貝の活動が低下してホタテ貝の食感低下抑制効果を発揮できない場合がある。
前記水溶液への酸素の供給方法としては、ホタテ貝の生育に必要な溶存酸素濃度を確保できれば、どのような方法であってもよい。
活ホタテ貝を前記水溶液中で保持する時間は、10~15000分間が好ましく、10~9000分間がより好ましく、10~7200分間が更に好ましく、10~6000分間が特に好ましく、150~6000分間が極めて好ましい。保持時間が10分間より短いと食感低下抑制剤の活ホタテ貝に対する保持時間が足りず、ホタテ貝の食感低下抑制効果を発揮できない場合がある。また、15000分間より長いとホタテ貝の食感及び風味が損なわれる場合がある。
以上で説明した本発明の活ホタテ貝の保持用水溶液を用いた活ホタテ貝の処理は、静置した水槽で行なってもよいし、水槽ごと輸送しつつ行なってもよい。輸送しながら該処理をする場合であっても、本発明の方法によると、水溶液の温度が前述した範囲内にあれば厳格な温度管理を行なう必要がないので、従来の魚介類を生きたまま輸送する方法と比較して輸送コストを抑制することができる。
本発明のホタテ貝の製造方法に従って得られたホタテ貝は、前述のように前記水溶液に特定時間保持した後、水揚げしてから殻むき、または、殻付きのまま冷蔵で1~5日間保存しても、生食時も加熱調理時にもホタテ貝本来の繊維感が強く歯切れの良い食感を維持している。また、本発明のホタテ貝の製造方法に従って得られたホタテ貝は、前述のように前記水溶液に特定時間保持した後、水揚げしてから、1ヶ月以上冷凍保存しても、生食時も加熱調理時にもホタテ貝本来の繊維感が強く歯切れの良い食感を維持している。
なお、本発明における加熱調理とは、食材に熱を加えて調理する方法全般をいい、具体的には、揚げる、焼く、炒める、茹でる、煮る、蒸す、燻製などの処理を施すことをいう。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
(製造例1) エノキタケ抽出物の作製
市販のエノキタケ(子実体)100gに100℃に加熱した熱水200mlを加え、2時間保持した。その後固形分を濾別して、固形分量が0.6重量%のエノキタケ抽出物を得た。得られたエノキタケ抽出物の0.5重量%(W/W)固形分濃度の水溶液の粘度は17mPa・sであった。
(製造例2) 酵母抽出物の作製
パン酵母(株式会社カネカ製「カネカイーストGA」)100gに100℃に加熱した熱水200mlを加え、2時間保持した。その後固形分を濾別して、固形分量が1.0重量%の酵母抽出物を得た。得られた酵母抽出物の0.5重量%(W/W)固形分濃度の水溶液の粘度は8mPa・sであった。
(製造例3) 大麦抽出物の作製
大麦粉(石橋工業株式会社製「大麦粉」)100gに100℃に加熱した熱水200mlを加え、2時間保持した。その後固形分を濾別して、固形分量が0.5重量%の大麦抽出物を得た。得られた大麦抽出物の0.5重量%(W/W)固形分濃度の水溶液の粘度は5mPa・sであった。
(製造例4) 昆布抽出物の作製
真昆布(株式会社くらこん製「真昆布」)100gに100℃に加熱した熱水200mlを加え、2時間保持した。その後固形分を濾別して、固形分量が2.0重量%のコンブ抽出物を得た。得られたコンブ抽出物の0.5重量%(W/W)固形分濃度の水溶液の粘度は120mPa・sであった。
<ホタテ貝柱の繊維感の強さの評価>
実施例および比較例において得たホタテ貝柱の繊維感の強さは、訓練された10名(男性5人、女性5人)のパネラーにより、以下の基準に基づき評価し、その平均値を評価値とした。
5点:実施例9のホタテ貝柱よりも非常に良く、繊維感を非常に強く感じる
4点:実施例9のホタテ貝柱よりも良く、繊維感を強く感じる
3点:実施例9のホタテ貝柱と同等で、繊維感が感じられる
2点:実施例9のホタテ貝柱よりも悪く、繊維感が感じられ難い
1点:実施例9のホタテ貝柱よりも非常に悪く、繊維感が感じられない。
<ホタテ貝柱の歯切れの良さの評価>
実施例および比較例において得たホタテ貝柱の歯切れの良さは、訓練された10名(男性5人、女性5人)のパネラーにより、以下の基準に基づき評価し、その平均値を評価値とした。
5点:実施例9のホタテ貝柱よりも非常に良く、弾力及び歯切れの良さを非常に強く感じる
4点:実施例9のホタテ貝柱よりも良く、弾力及び歯切れの良さを強く感じる
3点:実施例9のホタテ貝柱と同等で、弾力及び歯切れの良さが感じられる
2点:実施例9のホタテ貝柱よりも悪く、弾力及び歯切れの良さが感じられ難い
1点:実施例9のホタテ貝柱よりも非常に悪く、弾力及び歯切れの良さが感じられない。
<ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さの評価>
実施例および比較例において得たホタテ貝の生殖巣の加熱調理後の歯切れの良さは、訓練された10名(男性5人、女性5人)のパネラーにより、以下の基準に基づき評価し、その平均値を評価値とした。
5点:実施例9のホタテ貝の生殖巣よりも非常に良く、弾力及び歯切れの良さを非常に強く感じる
4点:実施例9のホタテ貝の生殖巣よりも良く、弾力及び歯切れの良さを強く感じる
3点:実施例9のホタテ貝の生殖巣と同等で、弾力及び歯切れの良さが感じられる
2点:実施例9のホタテ貝の生殖巣よりも悪く、弾力及び歯切れの良さが感じられ難い
1点:実施例9のホタテ貝の生殖巣よりも非常に悪く、弾力及び歯切れの良さが感じられない。
<総合評価>
ホタテ貝柱の繊維感の強さ、ホタテ貝柱の歯切れの良さ、及び、ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さの各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:ホタテ貝柱の繊維感の強さ、ホタテ貝柱の歯切れの良さ、及び、ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さが全て4.5点以上5.0点以下を満たすもの。
B:ホタテ貝柱の繊維感の強さ、ホタテ貝柱の歯切れの良さ、及び、ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さが全て4.0点以上5.0点以下であって、且つ4.0以上4.5未満が少なくとも一つあるもの。
C:ホタテ貝柱の繊維感の強さ、ホタテ貝柱の歯切れの良さ、及び、ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さが全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上4.0未満が少なくとも一つあるもの。
D:ホタテ貝柱の繊維感の強さ、ホタテ貝柱の歯切れの良さ、及び、ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さが全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの。
E:ホタテ貝柱の繊維感の強さ、ホタテ貝柱の歯切れの良さ、及び、ホタテ貝の生殖巣の歯切れの良さの評価において、2.0未満が少なくとも一つあるもの。
(実施例1)
表1の配合に従い、製造例1で得られたエノキタケ抽出物1重量%と、食塩3重量%を配合した水溶液100リットルを水槽に満たし、水温を15℃にコントロールした。該水槽に、活ホタテ貝20体を浸漬し、酸素を供給しながら、180分間保持した後、ホタテ貝を水揚げした。水揚げ後、速やかにホタテ貝の殻をむいて貝柱及び生殖巣を取り出した。得られたホタテ貝柱は水気を切ってから真空包装し、4℃の冷蔵庫で24時間保存した後、繊維感の強さ及び歯切れの良さについて官能評価を行った。得られたホタテ貝の生殖巣は、水気を切ってから真空包装し、4℃の冷蔵庫で24時間保存した後、100℃の熱水で15分間ボイル調理して、歯切れの良さについて評価し、それらの結果を表1に示した。
Figure 0007075314000001
(実施例2)
表1の配合に従い、前記エノキタケ抽出物の代わりに、製造例2で得られた酵母抽出物を配合した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表1に示した。
(実施例3)
表1の配合に従い、前記エノキタケ抽出物の代わりに、製造例3で得られた大麦抽出物を配合した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表1に示した。
(比較例1)
表1の配合に従い、前記エノキタケ抽出物の代わりに、製造例4で得られた昆布抽出物を配合した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表1に示した。
表1から明らかなように、抽出物の0.5%(W/W)固形分濃度の水溶液の粘度が3~50mPa・sの範囲にあるエノキタケ抽出物(製造例1)、酵母抽出物(製造例2)、又は、大麦抽出物(製造例3)を含む食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1~3)は、いずれも繊維感と歯切れの良い食感が強く感じられ、特にエノキタケ抽出物を含む食塩水で処理して得られたもの(実施例1)の食感が極めて良好であった。一方、抽出物の0.5%(W/W)固形分濃度の水溶液の粘度が120mPa・sの昆布抽出物(製造例4)を含む食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(比較例1)は、貝柱の繊維感は感じられたが、歯切れの良い食感が弱く感じられた。
(実施例4及び5、比較例2)
表2の配合に従い、エノキタケ抽出物の配合量を1.0重量%から、0.1重量%(実施例4)、10.0重量%(実施例5)、又は、15.0重量%(比較例2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表2に示した。
Figure 0007075314000002
(比較例3)
表2の配合に従い、エノキタケ抽出物を配合せずに調製した水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表2に示した。
表2から明らかなように、水溶液中のエノキタケ抽出物の固形分量が0.1~800ppmの範囲にある食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1、4、及び5)は、いずれも繊維感と歯切れの良い食感が感じられ、特に前記固形分量が60ppmの食塩水で処理して得られたもの(実施例1)の食感は極めて良好であった。一方、エノキタケ抽出物の固形分量が900ppmの食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(比較例2)は、生殖巣には歯切れの良い食感は感じられたものの、貝柱には繊維感と歯切れの良い食感が共に弱く感じられた。また、エノキタケ抽出物を含有しない食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(比較例3)は、繊維感と歯切れの良い食感が共に弱く感じられた。
(実施例6)
表3の条件に従い、塩を含む水溶液の種類を食塩水から海水へ変更した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表3に示した。
Figure 0007075314000003
(比較例4)
この比較例は、特許文献2(特開2010-154799号公報)の実施例1-1に記載された貝類の品質改良剤に準拠したものである。表3の配合に従い、水溶液の塩の種類を食塩から乳酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムへ変えた以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。
表3から明らかなように、エノキタケ抽出物を含み塩化ナトリウムの含有量が2~3.5重量%の範囲にある水溶液で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1及び6)は、いずれも繊維感と歯切れの良い食感が感じられた。一方、エノキタケ抽出物を含有するが塩化ナトリウムの代わりに乳酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの含有量を3.5重量%とした水溶液に浸漬した活ホタテ貝(比較例4)は、180分間の浸漬によって死滅してしまった。
(実施例7、8)
表4の条件に従い、水溶液の水温を15℃から、10℃(実施例7)、又は、20℃(実施例8)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表4に示した。
Figure 0007075314000004
表4から明らかなように、エノキタケ抽出物を含み水温が1~25℃の食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1、7、及び8)は、いずれも繊維感と歯切れの良い食感が感じられ、特にエノキタケ抽出物を含み水温が15℃の食塩水で処理して得られたもの(実施例1)の食感は極めて良好であった。
(実施例9及び10、比較例5及び6)
表5の条件に従い、水溶液中での活ホタテ貝の保持時間を180分間から、15分間(実施例9)、14400分間(実施例10)、5分間(比較例5)、又は、17280分間(比較例6)に変更した以外は、実施例1と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表5に示した。
Figure 0007075314000005
表5から明らかなように、エノキタケ抽出物を含む食塩水に10~15000分間保持して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1、9、及び10)は、いずれも繊維感と歯切れの良い食感が感じられ、特に保持時間を180分間としたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1)の食感は極めて良好であった。一方、保持時間が5分間のホタテ貝の貝柱及び生殖巣(比較例5)は、繊維感と歯切れの良い食感が共に弱く感じられた。また、保持時間が17280分間のホタテ貝の貝柱及び生殖巣(比較例6)は、歯切れの良い食感は感じられたものの、繊維感が弱く感じられた。
(実施例11、12)
表6の条件に従い、冷蔵庫での貝柱及び生殖巣の保存期間を24時間から、96時間(実施例11)、又は、120時間(実施例12)に変更した以外は実施例1と同様にして、ホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表6に示した。
Figure 0007075314000006
(実施例13)
表6の条件に従い、実施例1と同様に活ホタテ貝を水槽中に保持した後、むき身にせず、殻付きのまま冷蔵庫で96時間保存した以外は実施例11と同様にして、殻付きホタテ貝を得た。その後ホタテ貝の殻をむいて貝柱及び生殖巣を取り出して、貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表6に示した。
(実施例14)
表6の条件に従い、実施例1と同様にしてホタテ貝の殻をむいて貝柱及び生殖巣を取り出した後、それぞれを、水気を切ってから真空包装し、-20℃の冷凍庫で1ヶ月保存し、その後4℃の冷蔵庫で24時間保存して解凍し、ホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表6に示した。
(実施例15)
表6の条件に従い、冷蔵庫での貝柱及び生殖巣の保存期間を24時間から、0時間に変更した(すなわち冷蔵保存を行なわなかった)以外は実施例1と同様にして、ホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表6に示した。
(比較例7)
表6の条件に従い、エノキタケ抽出物を配合せずに調製した水溶液を使用した以外は実施例12と同様にしてホタテ貝の貝柱及び生殖巣を得た。得られた貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表6に示した。
(参考例)
水溶液中での活ホタテ貝の保持を行なうことなく、活ホタテ貝の殻をむいて貝柱及び生殖巣を取り出した後、冷蔵保存も行なわずに、貝柱の繊維感の強さ及び歯切れの良さと、生殖巣の歯切れの良さを評価し、それらの結果を表6に示した。
表6から明らかなように、エノキタケ抽出物を含む食塩水で処理した後、むき身で又は殻付きのまま0時間~120時間冷蔵保存して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1、11、12、13、及び15)はいずれも繊維感と歯切れの良い食感が感じられた。エノキタケ抽出物を含む食塩水で処理した後1ヶ月間冷凍保存して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例14)も繊維感と歯切れの良い食感が感じられた。特に、水溶液から水揚げ後即座に殻むきして冷蔵保存せずに得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例15)、及び、水溶液から水揚げ後殻むきし24時間冷蔵保存して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣(実施例1)の食感は、水溶液での保持も冷蔵保存も行なっていないホタテ貝の貝柱及び生殖巣(参考例)と同レベルで、極めて良好であった。一方、エノキタケ抽出物を含有しない食塩水で処理して得られたホタテ貝の貝柱及び生殖巣を120時間冷蔵保存したホタテ貝の貝柱及び生殖巣(比較例7)は、24時間冷蔵保存したもの(比較例3)と同様、繊維感と歯切れの良い食感が共に弱く感じられた。

Claims (8)

  1. エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を含む、ホタテ貝の食感低下抑制剤。
  2. 前記抽出物を、前記ホタテ貝の食感低下抑制剤の乾燥重量全体中、乾燥重量で50~100重量%含む、請求項1に記載のホタテ貝の食感低下抑制剤。
  3. エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を0.1~800ppm(固形分)含有し、塩化ナトリウム濃度が2~3.5重量%である、活ホタテ貝の保持用水溶液。
  4. 請求項1又は2に記載のホタテ貝の食感低下抑制剤を用いた請求項3に記載の水溶液。
  5. 温度が1~25℃の範囲にある請求項3又は4に記載の水溶液中に、酸素が供給された状態で10~15000分間保持された活ホタテ貝。
  6. 請求項5に記載の活ホタテ貝が冷蔵または冷凍された生ホタテ貝。
  7. 請求項6に記載の生ホタテ貝が加熱調理されたホタテ貝。
  8. エノキタケ抽出物、酵母抽出物及び大麦抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を0.1~800ppm(固形分)含有し、塩化ナトリウム濃度が2~3.5重量%、温度が1~25℃の範囲にある水溶液中に、酸素が供給された状態で活ホタテ貝を10~15000分間保持することを特徴とする、食感低下が抑制されたホタテ貝の製造方法。
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