JP7002325B2 - 引戸 - Google Patents

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Description

本発明は、引戸に関する。
従来、建物の開口部に設けられている引戸を対象として、地震後の使用性を維持するための技術の一つとして、開口部に設けられた枠体を構成する戸先側の枠材に対してばねを介して錠受け部(いわゆるストライク)を取り付けると共に、引戸を構成する引戸部材(具体的には、引戸部材の戸先側の部分)に対して錠受け部に係合可能な鎌錠を取り付けた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような技術により、鎌錠が錠受け部に係合されている状態において地震による枠体の層間変形に伴って引戸部材が移動した際に、錠受け部がばねの付勢力に抗して戸尻側へ移動することができ、鎌錠と錠受け部と係合部分に加わる力が過大になることで解錠できなくなることを回避できる。
特開2016-17359号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、引戸部材の戸先側の部分に鎌錠を取り付けるので、例えば、鎌錠のサムターンを引戸部材の戸先側の部分に取り付けられる把持部とは重ならない位置に配置しなければならないため、鎌錠の取付位置が把持部によって制約を受けることから、鎌錠の如き施錠装置の取付性を向上させる観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、施錠装置の取付性を向上させることが可能となる、引戸を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の引戸は、建物の開口部に設けられた枠体と、前記枠体内を移動して前記開口部の開閉を行う開閉体と、前記開閉体を施錠するための施錠装置とを備えた引戸であって、前記施錠装置は、前記枠体のうち戸先側に位置する戸先側枠材に設けられた錠本体と、前記開閉体に設けられた錠受け部であって、前記錠本体を構成する係合部に係合される被係合部を有する錠受け部と、を備え、前記引戸が前記施錠装置によって施錠されている状態において前記枠体が層間変形した際に、前記開閉体と前記被係合部との相互間の距離を変位させるための距離変位手段を備え、前記距離変位手段による前記相互間の距離の変位量を、前記戸先側枠材に対する前記開閉体の飲み込み量よりも小さくし、前記戸先側枠材に対する前記開閉体の飲み込み量を、前記枠体の層間変形時における前記戸先側枠材と前記開閉体との最大離間量よりも大きくし、前記最大離間量を、下記式に基づいて算出した。
δ=r×h
(ここで、δ:前記最大離間量、r:前記枠体が地震によって脱落又は崩壊するのを防ぐために規定される層間変形角、h:前記戸先側枠材の長手方向の長さ)
請求項2に記載の引戸は、請求項1に記載の引戸において、前記錠受け部は、前記錠本体側の側面が開放された第1収容部と、前記第1収容部に収容される第2収容部であり、前記被係合部を収容するための第2収容部と、を備え、前記距離変位手段は、前記錠本体側に向けて伸長可能な弾性部材であり、当該弾性部材の伸縮によって前記第2収容部を移動させるための弾性部材を備え、前記相互間の距離の変位量に関わらず、前記弾性部材全体が前記第1収容部内に収まるように、前記距離変位手段を構成した。
請求項3に記載の引戸は、請求項1又は2一項に記載の引戸において、前記被係合部を、前記戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置した。
請求項1に記載の引戸によれば、施錠装置は、枠体のうち戸先側に位置する戸先側枠材に設けられた錠本体と、開閉体に設けられた錠受け部であって、錠本体を構成する係合部に係合される被係合部を有する錠受け部と、を備えたので、錠受け部の見込方向の長さが開閉体の厚さよりも短く、且つ錠受け部が開閉体から見込方向に向けて突出するように配置されるものではないため、例えば錠受け部と開閉体の把持部とを重ねて配置することができる。よって、錠受け部の取付位置が把持部によって制約をほとんど受けないことから、従来技術(引戸部材に鎌錠を設け、戸先側の枠材に錠受け部を設ける技術)に比べて施錠装置の取付の自由度を高めることができ、施錠装置の取付性を向上することが可能となる。また、引戸が施錠装置によって施錠されている状態において枠体が層間変形した際に、開閉体と被係合部との相互間の距離を変位させるための距離変位手段を備えたので、上記枠体の層間変形が生じた際に、上記相互間の距離を変位させることができる。よって、距離変位手段を設けない場合に比べて、係合部と被係合部との係合部分に過大な力が加わることを回避でき、従来技術と同様に、施錠装置の機能を維持することが可能となる。
また、距離変位手段による相互間の距離の変位量を、戸先側枠材に対する開閉体の飲み込み量よりも小さくしたので、上記枠体の層間変形が生じた場合、又は上記施錠された状態で開閉体が人によって開放操作された場合に、係合部又は被係合部が外部に露出することを回避でき、防犯性を向上させることが可能となる。
また、戸先側枠材に対する開閉体の飲み込み量を、枠体の層間変形時における戸先側枠材と開閉体との最大離間量よりも大きくしたので、上記最大離間量に達した場合に開閉体が戸先側枠材に飲み込まれた状態を維持でき、防犯性を一層向上させることが可能となる。
請求項3に記載の引戸によれば、被係合部を、戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置したので、被係合部を戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応しない位置に配置した場合に比べて、上記枠体の層間変形時における開閉体と被係合部との相互間の距離を小さくすることができる。よって、上記相互間の距離を確保するためのスペースをコンパクトにでき、施錠装置の取付性を一層向上できる。
本発明の実施の形態に係る引き戸を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。 図1(a)の施錠装置の周辺領域の拡大図であり(一部図示省略)、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A矢視断面図である。 層間変形時の引き戸を示す正面図であり、(a)は枠体の上側部分が戸尻側に向けて変形するように枠体が層間変形した状態を示す図、(b)は枠体の上側部分が戸先側に向けて変形するように枠体が層間変形した状態を示す図である。 図3(a)及び図3(b)の施錠装置の周辺領域の拡大図であり(一部図示省略)、(a)は正面図、(b)は(a)のB-B矢視断面図である。 層間変形時における戸先縦枠に対する開閉体の飲み込み状態を示す図であり、(a)は図3(a)のC-C矢視断面図、(b)は図3(a)のD-D矢視断面図である。 距離変位部による相互間距離の変位量が最も大きくなった状態を示す図であって、図4(b)に対応する領域を示す図である。 引戸の変形例を示す正面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る引戸の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部に設けられた枠体と、枠体内を移動して開口部の開閉を行う開閉体と、開閉体を施錠するための施錠装置とを備えた引戸に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、「引戸」とは、開口部に設置される構造体であって、開口部の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味し、例えば、片開式の引戸等を含む概念である。この引戸の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また「開閉体の状態」とは、例えば、開閉体によって開口部を全閉した「全閉状態」と、開閉体によって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。なお、実施の形態では、全閉状態における開閉体の位置を「全閉位置」と称し、全開状態における開閉体の位置を「全開位置」と称する。以下、実施の形態では、引戸が、ビルの如き建物の通路に面する位置に配置された片開式の引戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る引戸の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を引戸の左右方向(-X方向を引戸の左方向、+X方向を引戸の右方向)、図2のY方向を引戸の前後方向(+Y方向を引戸の前方向(部屋の室内側の方向)、-Y方向を引戸の後方向(部屋の室外側の方向))、図1のZ方向を引戸の上下方向(+Z方向を引戸の上方向、-Z方向を引戸の下方向)と称する。図1に示すように、この引戸1は、概略的に、枠体10、開閉体20、及び施錠装置50を備えており、枠体10の内部において開閉体20を左右方向(水平方向)にスライド移動させることで、開閉体20によって部屋(建物)の壁の開口部3を開閉することができる。ただし、引戸1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、引戸1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
(構成-引戸-枠体)
まず、枠体10の構成について説明する。この枠体10は、開口部3の周縁に設けられるものであり、図1に示すように、戸先縦枠11、戸尻縦枠12、上横枠13、室内側方立14、室外側方立15、室内側戸袋ボード16、及び室外側戸袋ボード17を備えている。
(構成-引戸-枠体-戸先縦枠)
戸先縦枠11は、枠体10を構成する枠材のうち、戸先側に設けられる戸先側枠材である。この戸先縦枠11は、例えば公知の引戸用の枠材(一例として、鋼製の長尺な枠材)を用いて構成されており、図1に示すように、戸先縦枠11の長手方向が上下方向に沿って配置され、建物の躯体2(例えば壁又は柱等)に対して固定具等によって固定されている。
また、図2(b)に示すように、戸先縦枠11の開閉体20側の側部に、縦枠側凹部18が設けられている。この縦枠側凹部18は、全閉状態において開閉体20の一部(具体的には、開閉体20の戸先側端部及びその近傍部分)を収容する(いわゆる飲み込む)ための凹部である。この縦枠側凹部18は、戸先縦枠11を曲げ成形することにより形成されており、図2(b)に示すように、戸先縦枠11の開閉体20側の側部のうち開閉体20に対向する部分に設けられている。
(構成-引戸-枠体-戸尻縦枠)
図1に戻り、戸尻縦枠12は、枠体10を構成する枠材のうち、戸尻側に設けられる枠材である。この戸尻縦枠12は、例えば公知の引戸用の枠材(一例として、鋼製の長尺な枠材)を用いて構成されており、図1に示すように、戸尻縦枠12の長手方向が上下方向に沿って配置され、建物の躯体2(例えば壁又は柱等)に対して固定具等によって固定されている。
(構成-引戸-枠体-上横枠)
上横枠13は、枠体10を構成する枠材のうち、上側に設けられる枠材である。この上横枠13は、例えば公知の引戸用の枠材(一例として、鋼製の長尺な枠材)を用いて構成されており、図1に示すように、戸先縦枠11と戸尻縦枠12との相互間において上横枠13の長手方向が左右方向に沿って配置され、建物の躯体2(例えば壁又は天井)に対して固定具等によって固定されている。
また、この上横枠13には、図示しないレール部が設けられている。レール部は、開閉体20の上面に取付けられた後述する戸車を左右方向に沿って走行可能とするための誘導路である。このレール部は、例えば公知の引戸用のレール(一例として、鋼製のレール)等を用いて構成され、当該レール部の左右方向の長さが後述する戸車の走行範囲の長さと略同一になるように形成されており、戸尻側から戸先側に至るに連れて下方に至るように上横枠13に対して傾斜状に設置されている。このような傾斜状のレール部に対して後述する戸車を介して開閉体20が吊り持ち状に支持されることにより、開閉体20が自重によって戸先側に向けて常時付勢されることから、例えば、開閉体20の状態が半開状態において開閉体20にユーザが手を触れていない場合には、開閉体20が戸先側に自然に移動して全閉状態となる。
(構成-引戸-枠体-室内側方立、室外側方立)
室内側方立14は、枠体10を構成する枠材のうち、戸先縦枠11と戸尻縦枠12との間に設けられる枠材である。この室内側方立14は、例えば公知の引戸用の枠材(一例として、鋼製の長尺な枠材)を用いて構成され、図1(a)に示すように、全閉状態における開閉体20の戸尻側端部よりも部屋の室内側に位置するように配置され、且つ上横枠13から床面Fとの相互間において当該室内側方立14の長手方向が上下方向に沿うように配置されており、上横枠13及び床面Fの各々に対して固定具等によって固定されている。また、室外側方立15は、枠体10を構成する枠材のうち、戸先縦枠11と戸尻縦枠12との間に設けられる枠材である。この室外側方立15は、例えば公知の引戸用の枠材(一例として、鋼製の長尺な枠材)を用いて構成され、図1(b)に示すように、全閉状態における開閉体20の戸尻側端部よりも部屋の室外側に位置するように配置し、且つ上横枠13から床面Fとの相互間において当該室外側方立15の長手方向が上下方向に沿うように配置されており、上横枠13及び床面Fの各々に対して固定具等によって固定されている。
(構成-引戸-枠体-室内側戸袋ボード、室外側戸袋ボード)
室内側戸袋ボード16は、後述する戸袋19を構成するボードのうち、部屋の室内側に設けられるボードである。この室内側戸袋ボード16は、例えば公知の戸袋用のボード(一例として、矩形状の石膏ボード等)を用いて構成され、図1(a)に示すように、戸尻縦枠12、上横枠13、及び室内側方立14によって囲繞される領域に配置され、戸尻縦枠12、上横枠13、及び室内側方立14に対して図示しない下地材を介して固定具等によって固定されている。また、室外側戸袋ボード17は、後述する戸袋19を構成するボードのうち、部屋の室外側に設けられるボードである。この室外側戸袋ボード17は、例えば公知の戸袋用のボード(一例として、矩形状の石膏ボード等)を用いて構成され、図1(b)に示すように、戸尻縦枠12、上横枠13、及び室外側方立15によって囲繞される領域に配置され、戸尻縦枠12、上横枠13、及び室外側方立15に対して図示しない下地材を介して固定具等によって固定されている。
このように構成された枠体10の各部のうち、戸尻縦枠12、上横枠13、床面F、室内側方立14、室外側方立15、室内側戸袋ボード16、及び室外側戸袋ボード17によって囲繞される空間部として図1の戸袋19が構成されている。この戸袋19により、戸袋19の内部に開閉体20を出し入れ自在に収容することができるので、例えば戸袋19の内部に開閉体20のうち後述の把持部35よりも戸尻側の部分を略完全に収容した状態では、開閉体20を全開位置に位置させた状態(すなわち、全開状態)にすることができる。
(構成-開閉体)
次に、開閉体20の構成について説明する。開閉体20は、開口部3を開閉するためのものであり、図1、図2に示すように、開閉体本体30、戸先カバー40、及び戸車(図示省略)を備えている。
(構成-開閉体-開閉体本体)
開閉体本体30は、開閉体20の基本構造体であり、図1、図2に示すように、開閉体枠31、室内側表面材32、室外側表面材33、芯材34、及び把持部35を備えている。
このうち、開閉体枠31は、開閉体本体30の剛性を主として担うものである。この開閉体枠31は、複数の鋼製の枠材(一例として、断面形状がコ字状である長尺な鋼製の枠材)を組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されており、具体的には、左右一対の縦枠材31a、及び上下一対の横枠材(図示省略)から構成されている。このうち、左右一対の縦枠材31aは、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の横枠材は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。以下では、必要に応じて、縦枠材31aのうち、戸先側の縦枠材31aを「戸先側縦枠材31a」と称し、戸尻側の縦枠材(図示省略)を「戸尻側縦枠材」と称する。
また、室内側表面材32及び室外側表面材33は、開閉体枠31及び芯材34を覆うためのものである。これら室内側表面材32及び室外側表面材33は、例えば公知の表面材(一例として、鋼製の化粧板)等を用いて構成され、開閉体枠31及び芯材34を覆うように設けられており、具体的には、図1、図2に示すように、開閉体枠31及び芯材34を部屋の室内側及び部屋の室外側から挟むように配置され、開閉体枠31及び芯材34に対して接着剤等によって固定されている。また、芯材34は、開閉体本体30の内部に充填されるものであり、例えば公知の芯材等を用いて構成され、図2(b)に示すように、開閉体枠31、室内側表面材32、及び室外側表面材33にて囲繞された空間内に充填されている。また、把持部35は、ユーザが開閉体20の開閉操作を行うためのものであり、例えば公知の引戸用の把持部を用いて構成され、図1に示すように、開閉体本体30の側面のうち部屋の室内側の側面及び部屋の室外側の側面における相互に対応する位置(具体的には、これら側面の各々の戸先側部分であって上下方向の略中央部及びその近傍)にそれぞれ配置されており、開閉体本体30に対して固定具等によって固定されている。
(構成-開閉体-戸先カバー)
戸先カバー40は、開閉体本体30の戸先側に設けられるカバー材であり、例えば公知の引戸用のカバー材(一例として、断面形状がコ字状である鋼製のカバー材)を用いて構成され、図2(b)に示すように、開閉体本体30の側面のうち戸先側の側面全体を略覆うように設けられ、開閉体本体30に対して固定具等によって固定されている。
(構成-開閉体-戸車)
戸車は、開閉体本体30を走行可能(スライド移動可能)とするための走行手段である。この戸車は、例えば公知の引戸用の戸車等を用いて構成され、上横枠13と開閉体20とによって囲繞された空間内に複数設けられており、開閉体本体30の上面に対して固定具等によって固定されている。
(構成-施錠装置)
図1に戻り、次に、施錠装置50の構成について説明する。この施錠装置50は、開閉体20を施錠するための装置であり、例えば公知の引戸用の施錠装置(一例として、手動式の鎌錠)を用いて構成され、開口部3の戸先側に設けられている。また、図1、図2に示すように、この施錠装置50は、錠本体60及び錠受け部70を備えている。
(構成-施錠装置-錠本体)
錠本体60は、施錠装置50の施錠操作を行うためのものであり、図1、図2に示すように、収容部61、室内側操作軸62、室外側操作軸63、室内側カバー部64、室外側カバー部65、及び係合部66を備えている。
このうち、収容部61は、係合部66等の施錠装置50の各種の部品を収容するための収容手段であり、例えば鋼製の中空状体にて形成されている。
また、室内側操作軸62は、部屋の室内側から施錠装置50を操作するための操作軸である。この室内側操作軸62は、長尺な鋼製の略筒状体(例えば、円筒状体)にて形成され、図2に示すように、室内側操作軸62の一部が収容部61に挿入された状態で、当該室内側操作軸62が部屋の室内側に向けて張り出すように設けられている。また、この室内側操作軸62の先端部には、ユーザの指でつまむことが可能なつまみ部62a(いわゆるサムターン)が取り付けられている。
また、室外側操作軸63は、部屋の室外側から施錠装置50を操作するための操作軸である。この室外側操作軸63は、長尺な鋼製の略筒状体(例えば、円筒状体)にて形成され、図2(b)に示すように、室外側操作軸63の一部が収容部61に挿入された状態で、当該室外側操作軸63が部屋の室外側に向けて張り出すように設けられている。また、この室外側操作軸63の先端部には、キー(図示省略)を挿入するためのキー挿入孔(図示省略)が形成されている。
また、室内側カバー部64は、後述する室内側貫通孔を外側から覆うためのカバー部であり、頂部を切り取った中空の略円錐状体にて形成されており、図2に示すように、室内側操作軸62の先端部に設けられており、室内側操作軸62に対して公知の施錠装置用カバー部を固定するための固定構造等によって固定されている。
また、室外側カバー部65は、後述する室外側貫通孔を外側から覆うためのカバー部であり、頂部を切り取った中空の略円錐状体にて形成されており、図2(b)に示すように、室外側操作軸63の先端部に設けられており、室外側操作軸63に対して公知の施錠装置用カバー部を固定するための固定構造等によって固定されている。
また、係合部66は、後述する錠受け部70の被係合部72に係合するためのものである。この係合部66は、例えば公知の施錠装置の係合部材(一例として、鎌錠の係合部等)を用いて構成され、収容部61の内部において当該収容部61から出し入れ自在に収容されている。
(構成-施錠装置-錠受け部)
錠受け部70は、錠本体60にて行われた施錠操作に応じて施錠又は解錠するためのものであり、図2に示すように、第1収容部71a、第2収容部71b、被係合部72、及びフロント部73を備えている。
このうち、第1収容部71aは、第2収容部71bを収容するための収容手段であり、例えば錠本体60側の側面が開放された鋼製の中空状体にて形成されている。
また、第2収容部71bは、被係合部72を収容するための収容手段(より具体的には、後述する施錠状態において被係合部72及び係合部66を収容する収容手段)であり、例えば錠本体60側の側面が開放された鋼製の中空状体にて形成されており、第1収容部71aの内部に設けられている。
また、被係合部72は、係合部66によって係合されるものである。この被係合部72は、例えば公知の施錠装置の被係合部材(一例として、鎌錠の被係合部等)等を用いて構成され、図2に示すように、第2収容部71bの内部に設けられている。
また、フロント部73は、被係合部72を支持するためのものであり、例えば鋼製の板状体にて形成され、図2(b)に示すように、第2収容部71bの開放側において、当該第2収容部71bの開放端を外側から覆うように配置されており、第2収容部71bに対して一体形成されている。
(構成-施錠装置の取付構造)
図1に戻り、次に、施錠装置50の取付構造について説明する。施錠装置50を戸先縦枠11及び開閉体20に対して取り付けるための取付構造の特徴については、実施の形態では、以下に示す通りとなる。
(構成-施錠装置の取付構造-第1の特徴)
まず、取付構造の第1の特徴については、図1、図2に示すように、錠本体60が戸先縦枠11に設けられていると共に、錠受け部70が開閉体20に設けられている。
ここで、錠本体60の設置方法については任意であるが、実施の形態では、図2に示すように、収容部61を、戸先縦枠11の内部において縦枠側凹部18の底部分18aに配置し、戸先縦枠11に取り付けられた固定部材61aに対して固定具等によって固定している。また、図2に示すように、室内側操作軸62を、戸先縦枠11における部屋の室内側の側部に形成された室内側貫通孔(図示省略)を介して挿通することにより、当該室内側操作軸62の先端部が戸先縦枠11よりも部屋の室内側に位置するように設けている。また、図2(b)に示すように、室外側操作軸63を、戸先縦枠11における部屋の室外側の側部に形成された室外側貫通孔(図示省略)を介して挿通することにより、当該室外側操作軸63の先端部が戸先縦枠11よりも部屋の室外側に位置するように設けている。また、図2に示すように、室内側カバー部64を、上述したように、室内側操作軸62の先端部に取り付けることにより、戸先縦枠11よりも部屋の室内側に位置するように設けている。また、図2(b)に示すように、室外側カバー部65を、上述したように、室外側操作軸63の先端部に取り付けることにより、戸先縦枠11よりも部屋の室外側に位置するように設けている。また、図2に示すように、係合部66を、室内側操作軸62又は室外側操作軸63を介して鍵操作を行うことにより、収容部61、戸先縦枠11の開閉体20側の側部、及びフロント部73の各々に形成された挿通孔(図示省略)を介して戸先縦枠11から出し入れ可能となるように設けている。
また、錠受け部70の設置方法については任意であるが、実施の形態では、図2(a)に示すように、第1収容部71aを、開閉体20の戸先側縦枠材31aと錠ライナ36とによって囲繞された空間内に収容しており、開閉体20に取り付けられた固定部材71cに対して固定具等によって固定している。ここで、錠ライナ36は、第2収容部71b等の各種の部品を収容する空間を形成するためのライナである。この錠ライナ36は、例えば公知の引戸用のライナ(一例として、断面形状がコ字状である長尺な鋼製のライナ)を用いて構成されており、図2(a)に示すように、錠受け部70及びその周辺部分に対応する部分に設けられており、開閉体20に対して溶接等によって固定されている。また、図2(a)に示すように、第2収容部71bを、第1収容部71aの開放側から出し入れ可能となるように設けている。また、図2に示すように、被係合部72を、室内側操作軸62又は室外側操作軸63を介して鍵操作を行うことにより、第2収容部71bの内部における係合部66に係合可能となるように設けている。また、図2(a)に示すように、フロント部73を、上述したように、第2収容部71bの開放側の部分に取り付けることにより、戸先縦枠11と開閉体20との相互間に位置するように配置している。
このような第1の特徴により、錠受け部70の見込方向(前後方向)の長さが開閉体20(具体的には、閉体本体30)の厚さよりも短く、且つ錠受け部70が開閉体20(具体的には、閉体本体30)から見込方向に向けて突出するように配置されるものではないため、錠受け部70と開閉体本体30の把持部35とを重ねて配置することができる。よって、錠受け部70の取付位置が把持部35によって制約をほとんど受けないことから、従来技術(引戸部材に鎌錠を設け、戸先側の枠材に錠受け部を設ける技術)に比べて施錠装置50の取付の自由度を高めることができ、施錠装置50の取付性を向上することが可能となる。
(構成-施錠装置の取付構造-第2の特徴)
次に、取付構造の第2の特徴については、図2(a)に示すように、距離変位部80が開閉体20に設けられている。距離変位部80は、引戸1が施錠装置50によって施錠されている状態(以下、「施錠状態」と称する)において枠体10が層間変形した際に、開閉体20(具体的には、開閉体20における第1収容部71aの右側部に対応する部分)と被係合部72との相互間の距離D(以下、「相互間距離D」と称する)を変位させるための距離変位手段である。ここで、「層間変形」とは、枠体10に地震力等の外力が加わった場合に枠体10が変形することにより、枠体10の上側部分の変形量と枠体10の下側部分の変形量とにズレが生じる変形を意味する。この距離変位部80は、例えば公知の耐震ストライク機構等を用いて構成されており、具体的には、図2(a)に示すように、弾性部材81及び移動制限部82を備えている。
弾性部材81は、当該弾性部材81の伸縮によって錠受け部70を移動させるためのものである。この弾性部材81は、例えば公知の弾性部材(一例として、スプリング、板バネ等)を用いて構成され、図2(a)に示すように、第1収容部71aの右側部と第2収容部71bの右側部との相互間において当該弾性部材81の伸縮方向が左右方向に沿うように設けられ、且つ上下方向に沿って複数並設されており、第2収容部71b及び開閉体20に対して固定具等によって固定されている。これにより、例えば、図4(a)に示すように、弾性部材81が左右方向の外側に向けて引張られた場合には、弾性部材81に左右方向の内側に向かう復元力を生じさせることができる。
移動制限部82は、錠受け部70の移動を制限するための移動制限手段であり、図2(a)に示すように、突起部82a及び当接部82bを備えている。このうち、突起部82aは、第2収容部71bから外側に向けて突出する部材であり、第2収容部71bの外縁部分に対して一体形成されている。また、当接部82bは、突起部82aと当接する部材であり、図2(a)に示すように、施錠状態において枠体10が層間変形した際に第2収容部71bの開放側において突起部82aと当接可能な位置(例えば、突起部82aと当接部82bとの相互間の距離が後述する飲み込み量Sよりも短い距離となる位置)に設けられており、第1収容部71aに対して一体形成されている。
このような第2の特徴により、例えば、図3(a)、図3(b)に示す枠体10の層間変形が生じた際には、図4に示すように相互間距離Dを変位させることができる(具体的には、図4に示すように、弾性部材81が伸長することによって相互間距離Dが当該層間変形前よりも大きくなるように、相互間距離Dを変位させることができる)。よって、距離変位部80を設けない場合に比べて、係合部66と被係合部72との係合部分74に過大な力が加わることを回避でき、従来技術と同様に、施錠装置50の機能を維持することが可能となる。
(構成-施錠装置の取付構造-第3の特徴)
図1に戻り、次いで、取付構造の第3の特徴については、図1に示すように、被係合部72が戸先縦枠11の長手方向(上下方向)の中央部又はその近傍に対応する位置に配置されるように、錠受け部70は配置されている。この場合には、例えば、図1に示すように、係合部66が戸先縦枠11の長手方向(上下方向)の中央部又はその近傍に対応する位置に配置されるように、錠本体60は配置される。
このような第3の特徴によれば、以下の効果が得られる。すなわち、例えば、図3(a)に示すように、枠体10の上側部分が戸尻側に向けて変形するように枠体10が層間変形した場合に戸先縦枠11と開閉体20との離間量が開口部3の下端側で最大量になり、図3(b)に示すように、枠体10の上側部分が戸先側に向けて変形するように枠体10が層間変形した場合に戸先縦枠11と開閉体20との離間量が開口部3の上端側で最大量になる。一方、開口部3における戸先縦枠11の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置では、図3(a)、図3(b)の層間変形時における戸先縦枠11と開閉体20との離間量が上記最大量の半分程度になるので、開口部3の他の位置に比べて当該離間量を小さくできる。このことからすると、第3の特徴を有することにより、被係合部72を戸先縦枠11の長手方向の中央部又はその近傍に対応しない位置に配置した場合に比べて、枠体10の層間変形時における相互間距離Dを小さくすることができる。よって、上記相互間距離Dを確保するためのスペースをコンパクトにでき、施錠装置50の取付性を一層向上できる。
(構成-施錠装置の取付構造-第4の特徴)
続いて、取付構造の第4の特徴については、図4(b)、図6に示すように、距離変位部80による相互間距離Dの変位量DMが、戸先縦枠11(具体的には、縦枠側凹部18)に対する開閉体20の飲み込み量S(具体的には、全閉状態において開閉体20が戸先縦枠11に飲み込まれる量)よりも小さく設定されている。ここで、上記飲み込み量Sは、実施の形態では、図5に示すように、図3(a)に示す枠体10の層間変形時における戸先縦枠11と開閉体20との最大離間量δよりも大きく設定されている(なお、図3(b)に示す枠体10の層間変形時の上記最大離間量δについても同様とする)。また、上記最大離間量δは、下記式(1)に基づいて算出される。なお、下記式(1)に示す「層間変形角r」とは、枠体10が地震等によって脱落又は崩壊するのを防ぐために規定される角度であり、例えば、1/120rad以下等に設定される(ただし、これに限らず、1/120radを上回る角度に設定されてもよい)。
δ=r×h・・・式(1)
(ここで、δ:戸先縦枠11と開閉体20との最大離間量
r:層間変形角
h:戸先縦枠11の長手方向の長さ)
このような第4の特徴により、例えば、図3(a)、図3(b)に示す枠体10の層間変形が生じた場合に、図4(b)に示すように係合部66又は被係合部72が外部に露出することを回避でき、防犯性を向上させることが可能となる。また、例えば、施錠状態において人によって開閉体20が開放操作されることにより、距離変位部80による相互間距離Dの変位量DMが最も大きくなった場合(具体的には、移動制限部82の突起部82aと当接部82bとが当接するまで相互間距離Dを変位させた場合)でも、図6に示すように、係合部66又は被係合部72が外部に露出することを回避でき、防犯性を向上させることが可能となる。さらに、戸先縦枠11に対する開閉体20の飲み込み量を、枠体10の層間変形時における戸先縦枠11と開閉体20との最大離間量δよりも大きくしたので、上記最大離間量δに達した場合に開閉体20が戸先縦枠11に飲み込まれた状態を維持でき、防犯性を一層向上させることが可能となる。
(引戸の作用について)
図3に戻り、次に、このように構成された引戸1の作用について説明する。
まず、図3(a)に示すように、施錠状態において外力によって枠体10の上側部分が戸尻側に向けて変形するように枠体10が層間変形することにより、戸先縦枠11と開閉体20とが離間するように戸先縦枠11の変形及び開閉体20の移動が生じると、図4(a)に示すように、距離変位部80の弾性部材81が伸長することによって相互間距離Dが当該層間変形前よりも大きくなるように、相互間距離Dが変位する。これにより、上記戸先縦枠11の変形に追随して被係合部72を移動させることができると共に、上記開閉体20の移動に追随せずに被係合部72の位置を維持できるので、係合部66と被係合部72との係合部分74に過大な力が加わることを回避できる。
また、図3(b)に示すように、施錠状態において外力によって枠体10の上側部分が戸先側に向けて変形するように枠体10が層間変形することにより、戸先縦枠11と開閉体20とが離間するように戸先縦枠11の変形及び開閉体20の移動が生じると、図4(a)に示すように、距離変位部80の弾性部材81が伸長することによって相互間距離Dが当該層間変形前よりも大きくなるように、相互間距離Dが変位する。これにより、上記戸先縦枠11の変形に追随して被係合部72を移動させることができると共に、上記開閉体20の移動に追随せずに被係合部72の位置を維持できるので、図3(a)の層間変形と同様に、係合部66と被係合部72との係合部分74に過大な力が加わることを回避できる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、施錠装置50は、戸先縦枠11に設けられた錠本体60と、開閉体20に設けられた錠受け部70であって、錠本体60を構成する係合部66に係合される被係合部72を有する錠受け部70と、を備えたので、錠受け部70の見込方向の長さが開閉体20の厚さよりも短く、且つ錠受け部70が開閉体20から見込方向に向けて突出するように配置されるものではないため、錠受け部70と開閉体20の把持部35とを重ねて配置することができる。よって、錠受け部70の取付位置が把持部35によって制約をほとんど受けないことから、従来技術(引戸部材に鎌錠を設け、戸先側の枠材に錠受け部を設ける技術)に比べて施錠装置50の取付の自由度を高めることができ、施錠装置50の取付性を向上することが可能となる。また、施錠状態において枠体10が層間変形した際に、相互間距離Dを変位させるための距離変位部80を備えたので、上記枠体10の層間変形が生じた際に、相互間距離Dを変位させることができる。よって、距離変位部80を設けない場合に比べて、係合部66と被係合部72との係合部分74に過大な力が加わることを回避でき、従来技術と同様に、施錠装置50の機能を維持することが可能となる。
また、被係合部72を、戸先縦枠11の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置したので、被係合部72を戸先縦枠11の長手方向の中央部又はその近傍に対応しない位置に配置した場合に比べて、上記枠体10の層間変形時における相互間距離Dを小さくすることができる。よって、上記相互間距離Dを確保するためのスペースをコンパクトにでき、施錠装置50の取付性を一層向上できる。
また、距離変位部80による相互間距離Dの変位量DMを、戸先縦枠11に対する開閉体20の飲み込み量Sよりも小さくしたので、上記枠体10の層間変形が生じた場合、、又は施錠状態で開閉体20が人によって開放操作された場合に、係合部66又は被係合部72が外部に露出することを回避でき、防犯性を向上させることが可能となる。
また、戸先縦枠11に対する開閉体20の飲み込み量Sを、枠体10の層間変形時における戸先縦枠11と開閉体20との最大離間量δよりも大きくしたので、上記最大離間量δに達した場合に開閉体20が戸先縦枠11に飲み込まれた状態を維持でき、防犯性を一層向上させることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(引戸の適用対象について)
上記実施の形態では、引戸1が、戸袋19を有する引戸であると説明したが、これに限らず、例えば、戸袋19を有しない引戸であってもよい。この場合には、枠体10の室内側方立14、室外側方立15、室内側戸袋ボード16、及び室外側戸袋ボード17を省略できる。
(施錠装置について)
上記実施の形態では、引戸1に1つの施錠装置50のみが取り付けられていると説明したが、これに限らず、例えば、図7に示すように、引戸1に複数の施錠装置50が取り付けられてもよい(図7では、2つの施錠装置50が取り付けられている)。この場合には、例えば、図7に示すように、2つの施錠装置50のいずれか一方の被係合部72は、戸先縦枠11の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置されると共に、2つの施錠装置50のいずれか他方の被係合部72は、戸先縦枠11の長手方向の中央部又はその近傍に対応しない位置に配置されてもよい。
また、上記実施の形態では、施錠装置50が、手動式の鎌錠であると説明したが、これに限らず、例えば、電気式の鎌錠であってもよい。このように、施錠装置50が電気式の鎌錠である場合には、錠本体60を開閉体20に設ける場合に比べて、戸先縦枠11において錠本体60に接続される配線を配設するための配設スペースを確保しやすいことから、施錠装置50の取付性を一層向上できる。
(施錠装置の取付構造について)
上記実施の形態では、被係合部72が、戸先縦枠11の上下方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、戸先縦枠11の上下方向の中央部又はその近傍に対応しない位置に配置されてもよく、一例として、戸先縦枠11の上下方向の中央部よりも下方の位置に配置されてもよい。これにより、比較的背が低いユーザ(一例として、子供や老人等)が施錠装置50の施錠操作を行いやすくなることから、当該ユーザの利便性を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、距離変位部80による相互間距離Dの変位量DMが、戸先縦枠11に対する開閉体20の飲み込み量Sよりも小さく設定されていると説明したが、これに限らず、例えば、上記飲み込み量S以上に設定されてもよい。
(付記)
付記1の引戸は、建物の開口部に設けられた枠体と、前記枠体内を移動して前記開口部の開閉を行う開閉体と、前記開閉体を施錠するための施錠装置とを備えた引戸であって、前記施錠装置は、前記枠体のうち戸先側に位置する戸先側枠材に設けられた錠本体と、前記開閉体に設けられた錠受け部であって、前記錠本体を構成する係合部に係合される被係合部を有する錠受け部と、を備え、前記引戸が前記施錠装置によって施錠されている状態において前記枠体が層間変形した際に、前記開閉体と前記被係合部との相互間の距離を変位させるための距離変位手段を備えた。
付記2の引戸は、付記1に記載の引戸において、前記被係合部を、前記戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置した。
付記3の引戸は、付記1又は2に記載の引戸において、前記距離変位手段による前記相互間の距離の変位量を、前記戸先側枠材に対する前記開閉体の飲み込み量よりも小さくした。
付記4の引戸は、付記1から3のいずれか一項に記載の引戸において、前記戸先側枠材に対する前記開閉体の飲み込み量を、前記枠体の層間変形時における前記戸先側枠材と前記開閉体との最大離間量よりも大きくした。
(付記の効果)
付記1に記載の引戸によれば、施錠装置は、枠体のうち戸先側に位置する戸先側枠材に設けられた錠本体と、開閉体に設けられた錠受け部であって、錠本体を構成する係合部に係合される被係合部を有する錠受け部と、を備えたので、錠受け部の見込方向の長さが開閉体の厚さよりも短く、且つ錠受け部が開閉体から見込方向に向けて突出するように配置されるものではないため、例えば錠受け部と開閉体の把持部とを重ねて配置することができる。よって、錠受け部の取付位置が把持部によって制約をほとんど受けないことから、従来技術(引戸部材に鎌錠を設け、戸先側の枠材に錠受け部を設ける技術)に比べて施錠装置の取付の自由度を高めることができ、施錠装置の取付性を向上することが可能となる。また、引戸が施錠装置によって施錠されている状態において枠体が層間変形した際に、開閉体と被係合部との相互間の距離を変位させるための距離変位手段を備えたので、上記枠体の層間変形が生じた際に、上記相互間の距離を変位させることができる。よって、距離変位手段を設けない場合に比べて、係合部と被係合部との係合部分に過大な力が加わることを回避でき、従来技術と同様に、施錠装置の機能を維持することが可能となる。
付記2に記載の引戸によれば、被係合部を、戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置したので、被係合部を戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応しない位置に配置した場合に比べて、上記枠体の層間変形時における開閉体と被係合部との相互間の距離を小さくすることができる。よって、上記相互間の距離を確保するためのスペースをコンパクトにでき、施錠装置の取付性を一層向上できる。
付記3に記載の引戸によれば、距離変位手段による相互間の距離の変位量を、戸先側枠材に対する開閉体の飲み込み量よりも小さくしたので、上記枠体の層間変形が生じた場合、又は上記施錠された状態で開閉体が人によって開放操作された場合に、係合部又は被係合部が外部に露出することを回避でき、防犯性を向上させることが可能となる。
付記4に記載の引戸によれば、戸先側枠材に対する開閉体の飲み込み量を、枠体の層間変形時における戸先側枠材と開閉体との最大離間量よりも大きくしたので、上記最大離間量に達した場合に開閉体が戸先側枠材に飲み込まれた状態を維持でき、防犯性を一層向上させることが可能となる。
1 引戸
2 躯体
3 開口部
10 枠体
11 戸先縦枠
12 戸尻縦枠
13 上横枠
14 室内側方立
15 室外側方立
16 室内側戸袋ボード
17 室外側戸袋ボード
18 縦枠側凹部
18a 底部分
19 戸袋
20 開閉体
30 開閉体本体
31 開閉体枠
31a 縦枠材、戸先側縦枠材
32 室内側表面材
33 室外側表面材
34 芯材
35 把持部
36 錠ライナ
40 戸先カバー
50 施錠装置
60 錠本体
61 収容部
61a 固定部材
62 室内側操作軸
62a つまみ部
63 室外側操作軸
64 室内側カバー部
65 室外側カバー部
66 係合部
70 錠受け部
71a 第1収容部
71b 第2収容部
71c 固定部材
72 被係合部
73 フロント部
74 係合部分
80 距離変位部
81 弾性部材
82 移動制限部
82a 突起部
82b 当接部
D 相互間距離
DM 相互間距離の変位量
F 床面
S 戸先縦枠に対する開閉体の飲み込み量
r 層間変形角
δ 枠体の層間変形時における戸先縦枠と開閉体との最大離間量

Claims (3)

  1. 建物の開口部に設けられた枠体と、前記枠体内を移動して前記開口部の開閉を行う開閉体と、前記開閉体を施錠するための施錠装置とを備えた引戸であって、
    前記施錠装置は、前記枠体のうち戸先側に位置する戸先側枠材に設けられた錠本体と、前記開閉体に設けられた錠受け部であって、前記錠本体を構成する係合部に係合される被係合部を有する錠受け部と、を備え、
    前記引戸が前記施錠装置によって施錠されている状態において前記枠体が層間変形した際に、前記開閉体と前記被係合部との相互間の距離を変位させるための距離変位手段を備え、
    前記距離変位手段による前記相互間の距離の変位量を、前記戸先側枠材に対する前記開閉体の飲み込み量よりも小さくし、
    前記戸先側枠材に対する前記開閉体の飲み込み量を、前記枠体の層間変形時における前記戸先側枠材と前記開閉体との最大離間量よりも大きくし、
    前記最大離間量を、下記式に基づいて算出した、
    δ=r×h
    (ここで、δ:前記最大離間量、r:前記枠体が地震によって脱落又は崩壊するのを防ぐために規定される層間変形角、h:前記戸先側枠材の長手方向の長さ)
    引戸。
  2. 前記錠受け部は、
    前記錠本体側の側面が開放された第1収容部と、
    前記第1収容部に収容される第2収容部であり、前記被係合部を収容するための第2収容部と、を備え、
    前記距離変位手段は、前記錠本体側に向けて伸長可能な弾性部材であり、当該弾性部材の伸縮によって前記第2収容部を移動させるための弾性部材を備え、
    前記相互間の距離の変位量に関わらず、前記弾性部材全体が前記第1収容部内に収まるように、前記距離変位手段を構成した、
    請求項1に記載の引戸。
  3. 前記被係合部を、前記戸先側枠材の長手方向の中央部又はその近傍に対応する位置に配置した、
    請求項1又は2に記載の引戸。
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