JP7182419B2 - 引戸装置 - Google Patents
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Description
この従来技術によれば、鎌錠をストライクに係合させた状態で、地震発生等に起因して枠部材上部側が戸尻方向へ層間変形し、引戸部材が戸尻方向へ移動した場合に、ストライクを圧縮ばねの付勢力に抗して戸尻方向へ移動させて、鎌錠とストライクとの係合箇所に過剰な引張力が作用するのを防ぐことができる。
しかしながら、上記構成の従来技術では、鎌錠を電動で動作させる電気錠を引戸部材に設けた場合、この電気錠に電力を供給する電気配線経路を、横幅方向へ移動する引戸部材と、不動に固定された枠体との間に股がらせなければならず、例えばこれらの間にフレキシブルな電線あるいはブラシ構造等の特殊な電気配線構造を適用したとしても、断線や耐久性の低下等を免れないおそれがある。
縦枠を有する枠体と、前記縦枠に戸先部を対向させて前記枠体内を横幅方向へ開閉動作する戸体とを備えた引戸装置であって、前記縦枠に、鎌錠を電動で出没させる電気錠と、該電気錠の電線とを設け、前記戸体には、前記鎌錠によって係脱可能であって且つ前記横幅方向へ所定量移動可能に支持されたストライクと、該ストライクを戸尻方向へ付勢する付勢部材とを設け、前記縦枠は、躯体側の不動部位に固定される固定枠と、この固定枠の戸尻方向側に支持された支持枠とを備え、前記支持枠に前記電気錠を設けていることを特徴とする引戸装置。
第一の特徴は、縦枠を有する枠体と、前記縦枠に戸先部を対向させて前記枠体内を横幅方向へ開閉動作する戸体とを備えた引戸装置であって、前記縦枠に、鎌錠を電動で出没させる電気錠と、該電気錠の電線とを設け、前記戸体には、前記鎌錠によって係脱可能であって且つ前記横幅方向へ所定量移動可能に支持されたストライクと、該ストライクを戸尻方向へ付勢する付勢部材とを設けた。
この構成によれば、横幅方向へ移動することのない縦枠側に電気錠およびその電線を設けたため、鎌錠を電動で動作させることができるのは勿論のこと、その電気配線を簡素な構造にすることができる。
この構成によれば、鎌錠とストライクとの係脱箇所が外部に露出するのを防ぐことができる。
この構成によれば、ストライクの取付位置の微調整や、鎌錠及びストライクのサイズ変更に応じたピッチ変更等を、容易に行うことができ、施工性やメンテナンス性が良好である。
この構成によれば、躯体開口部に設置する際の施工性や、電気錠に対するメンテナンス性等を向上することができる。
この構成によれば、施工性や、電気錠に対するメンテナンス性等をより向上できる上、戸体及び支持枠の双方を開放して開口部を広く確保することができる。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の具体例は、高齢者入居施設や、病院、ビル、住宅、倉庫、工場、車両の荷台等の躯体における開口部に配設され、戸体を枠体上部のガイドレールに吊り下げて略水平方向へ略直線的に移動させる、上吊方式の引戸装置に適用した一例として説明する。
なお、本明細書中、戸体20が閉鎖動作する方向を「戸体閉鎖方向」、「戸先方向」又は「戸先側」と呼称し、戸体20が開放動作する方向を「戸体開放方向」、「戸尻方向」又は「戸尻側」と呼称する。
また、この引戸装置1は、戸体20を全閉状態で施錠する電気錠30およびストライク41等を備えている。
この戸体20内には、戸体20上端側の吊車(図示せず)を吊るして開閉方向へ案内するガイドレール(図示せず)が設けられる。
また、受部12b2における前記凹状部分の内側面には、戸体20の表面と裏面にそれぞれ弾性的に接触する気密材12b21が設けられる。
この鎌錠32は、図示例によれば、下側から上側へ向かう円運動をして、ケース31の外側へ突出し、L字状の係合部32aをストライク41の内面側へ回り込ませてストライク41に係合する。したがって、この係合状態で、戸体20が戸尻方向へ移動しようとすると、係合部32aがストライク41の内面に当接する(図8参照)。
鎌錠32は、上記電動駆動機構と、手動操作部33の何れによっても回動するように構成される。
図示例の電線39によれば、その途中箇所がコネクター39aにより着脱可能に接続されており、長期使用等により不具合を生じた場合には、コネクター39aの着脱によって電気錠30を容易に交換できるようしてある。
この戸体20を開閉動作させる構造は、モーター等を用いた電動機構や、付勢部材を用いた機構、前記ガイドレールの傾斜を利用するようにした機構、あるいは、これらの機構を適宜に組み合わせた機構等とすることが可能である。
このストライク41は、その被掛止板41aを、戸体20の戸先面に対し略面一または凹状に配置し(図6参照)、図8に示すように鎌錠32によって引っ張られた際には戸先方向へ突出する。
戸体20が戸先部を戸先側縦枠12に接触または近接した状態で、各電気錠30に電力が供給されると、鎌錠32が回動してストライク41に係合する。
この係合状態において、図2に示すように、地震等により引戸装置1の上部側が戸尻方向へ傾くようにして層間変形すると、戸体20が傾斜した戸先側縦枠12に押されて戸尻方向へ移動しようとする。
このため、ストライク41と鎌錠32の間に引っ張り方向の力が作用する。
しかも、電気錠30を有する支持枠12bが、躯体開口部側に突出しているので、支持枠12b内の電気錠30に対するメンテナンス性も良好である。
次に、本発明に係る他の実施態様について説明する。
なお、以下に示す実施態様は、上記引戸装置1についてその一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、重複する詳細説明は適宜省略する。
また、電気錠30を内在する支持枠12bの向きを変えられるため、電気錠30に対するメンテナンス性等をより向上することができる。
また、図10及び図11に示す引戸装置3は、上記引戸装置1に対し、支持枠12bを支持枠12b’に置換し、この支持枠12b’の戸尻方向の端面から電気錠30を突出させるように構成している。
なお、他例としては、凸部12b2’を設けずに、凹溝12b1’の底部に電気錠30を貫通させて、該底部から電気錠30を突出させた構成とすることも可能である。
なお、上記実施態様によれば、電気錠30及び被係脱装置40を上下に二つ設けたが、他例としては、これら電気錠30及び被係脱装置40を、単数または3以上設けた態様とすることも可能である。
10:枠体
12:戸先側縦枠
12a:固定枠
12b:支持枠
20:戸体
32:鎌錠
30:電気錠
39:電線
40:被係脱装置
41:ストライク
42:上側支持部
43:下側支持部
42a,43a:付勢部材
Claims (4)
- 縦枠を有する枠体と、前記縦枠に戸先部を対向させて前記枠体内を横幅方向へ開閉動作する戸体とを備えた引戸装置であって、
前記縦枠に、鎌錠を電動で出没させる電気錠と、該電気錠の電線とを設け、
前記戸体には、前記鎌錠によって係脱可能であって且つ前記横幅方向へ所定量移動可能に支持されたストライクと、該ストライクを戸尻方向へ付勢する付勢部材とを設け、
前記縦枠は、躯体側の不動部位に固定される固定枠と、この固定枠の戸尻方向側に支持された支持枠とを備え、前記支持枠に前記電気錠を設けていることを特徴とする引戸装置。 - 前記縦枠は、前記戸体の戸先部との対向面を、該戸先部を没入可能な凹状に形成するとともに、この凹状部分の底部から前記鎌錠を出没させることを特徴とする請求項1記載の引戸装置。
- 前記戸体の戸先側には、前記ストライクを備えた被係脱装置が設けられ、
この被係脱装置は、前記ストライクの上部側を付勢部材により戸尻方向へ付勢しながら前記横幅方向へ移動可能に支持する上側支持部と、前記ストライクの下部側を他の付勢部材により戸尻方向へ付勢しながら前記横幅方向へ移動可能に支持する下側支持部とを、それぞれ独立して具備していることを特徴とする請求項1又は2記載の引戸装置。 - 前記支持枠は、前記固定枠に対し開き戸状に回動するように支持されていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の引戸装置。
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