JP6991309B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器は、被加熱物が載置されるトッププレートを有する本体と、トッププレートに載置された被加熱物を誘導加熱する加熱コイル部とを備える。加熱コイル部は、少なくとも4つの加熱コイルが同一平面上に一列に並べて配置されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-207255号公報
誘導加熱調理器においては、液状の調理物を鍋などの被加熱物に収容して加熱する際、液状の調理物の対流を促進させる加熱動作を行うことで、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することが望まれている。
しかしながら、特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、被加熱物内の調理物に対流を発生させる制御を何ら行っていない。このため、液状の調理物を被加熱物に収容して加熱する際、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きが生じる、という問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被加熱物に収容した液状の調理物の対流を促進させることができ、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することができる誘導加熱調理器を得るものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、同一平面上に一列に配置された複数の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給する複数のインバータ回路と、前記複数の加熱コイルのそれぞれの上方に載置された被加熱物の有無を判定する負荷判定部と、前記負荷判定部の判定結果に基づき、前記複数のインバータ回路の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記複数の加熱コイルは、平面視において楕円状に形成され、一列に配置された前記複数の加熱コイルの短軸が、同一直線上に配置されており、前記制御装置は、前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルのうち、一部の前記加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する前記加熱コイルを変更するものであり、前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つの前記加熱コイルの組の上方に前記被加熱物が載置され、隣り合う2つの前記加熱コイルの組が2つ隣り合う場合、2つの組のそれぞれについて、外寄りに配置された前記加熱コイルへの電力の供給と、中央寄り配置された前記加熱コイルへの電力の供給を交互に切り替え、外寄りに配置された2つの前記加熱コイルへ電力を同時に供給する時間を、中央寄りに配置された2つの前記加熱コイルへ電力を同時に供給する時間よりも短くするものである。
また、本発明に係る誘導加熱調理器は、同一平面上に一列に配置された複数の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給する複数のインバータ回路と、前記複数の加熱コイルのそれぞれの上方に載置された被加熱物の有無を判定する負荷判定部と、前記負荷判定部の判定結果に基づき、前記複数のインバータ回路の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記複数の加熱コイルは、平面視において楕円状に形成され、一列に配置された前記複数の加熱コイルの短軸が、同一直線上に配置されており、前記制御装置は、前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルのうち、一部の前記加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する前記加熱コイルを変更するものであり、前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つの前記加熱コイルの組の上方に前記被加熱物が載置され、隣り合う2つの前記加熱コイルの組が2つ隣り合う場合、2つの組のそれぞれについて、外寄りに配置された前記加熱コイルへの電力の供給と、中央寄り配置された前記加熱コイルへの電力の供給を交互に切り替え、中央寄りに配置された2つの前記加熱コイルへ電力を同時に供給する時間をゼロにするものである。
本発明は、隣り合う2つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する加熱コイルを変更する。このため、被加熱物に収容した液状の調理物の対流を促進させることができ、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルを模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの配置を説明する平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器と被加熱物を示す斜視図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱動作を説明する図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱動作を説明する図である。 実施の形態5に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す斜視図である。 実施の形態6に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 実施の形態6に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。 実施の形態6に係る誘導加熱調理器の駆動周波数と加熱コイルへ供給される電力との関係を示す概念図である。 変形例1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルを模式的に示す平面図である。 変形例2に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
実施の形態1.
(構成)
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルを模式的に示す平面図である。
図1及び図2に示すように、誘導加熱調理器100は、鍋等の被加熱物が載置されるトッププレート4を上部に有している。トッププレート4は、全体が耐熱強化ガラス又は結晶化ガラス等の赤外線を透過する材料で構成されている。
誘導加熱調理器100は、同一平面上に一列に配置された複数の加熱コイルを備える。複数の加熱コイルは、トッププレート4の下方に配置される。図2に示す例では、誘導加熱調理器100が、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c、及び第4加熱コイル1dの、4つの加熱コイルを備えるものを示している。第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、例えば、トッププレート4の横方向に一列に配置されている。
第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、絶縁皮膜された金属からなる導線が巻き付けられることにより構成される。導線としては、例えば、銅又はアルミニウムなど任意の金属を用いることができる。また、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、それぞれ、導線が独立して巻かれている。
第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、例えば、平面視において楕円状に形成される。第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、それぞれ、同一の形状及び同一の大きさである。ここで、同一の形状及び同一の大きさとは、厳密に同一の形状及び大きさである場合に限らず、製造誤差などにより生じた誤差を含むものであり、略同一の形状及び略同一の大きさである場合も許容される。
なお、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dの形状は、楕円状に限定されない。第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dの形状は、例えば、四角形状等でも良い。
なお、以下の説明において、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c、及び第4加熱コイル1dを総称して、各加熱コイルと称する場合がある。
トッププレート4の手前側には、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dで被加熱物を加熱する際の投入電力及び調理メニュー等を設定するための入力装置として、操作部40が設けられている。調理メニューには、例えば、湯沸しモード、揚げ物モード、対流モード等がある。対流モードとは、煮込み又は麺ゆでなどの調理において、被加熱物に収容した液状の調理物に対流を生じさせる調理メニューである。詳細は後述する。
また、操作部40の近傍には、報知手段として、各加熱コイルの動作状態、操作部40からの入力及び操作内容等を表示する表示部41が設けられている。なお、本実施の形態1では、誘導加熱手段毎に表示部41を分けて、表示部41a、表示部41b及び表示部41cとしている。
なお、操作部40は、例えばプッシュスイッチ及びタクトスイッチ等の機械的なスイッチ、電極の静電容量の変化により入力操作を検知するタッチスイッチ等により構成されている。また、表示部41は、例えばLCD及びLED等で構成されている。
なお、操作部40と表示部41とは、これらを一体に構成した操作表示部43としても良い。操作表示部43は、例えば、LCDの上面にタッチスイッチを配置したタッチパネル等によって構成される。
なお、LCDは、Liquid Crystal Deviceの略称である。また、LEDは、Light Emitting Diodeの略称である。
誘導加熱調理器100の内部には、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dに高周波電力を供給する駆動回路50が設けられている。また、誘導加熱調理器100の内部には、駆動回路50を含め誘導加熱調理器100全体の動作を制御するための制御部45が設けられている。
駆動回路50により高周波電力が、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dに供給されることで、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dからは高周波磁界が発生する。なお、駆動回路50は加熱コイル毎に設けられているが、その回路構成は同一であっても良いし、加熱コイル毎に変更しても良い。駆動回路50の詳細構成については、後述する。
図3は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの配置を説明する平面図である。
図3に示すように、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、楕円形状の短軸が直線CL上に配置されている。即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、楕円形状の長軸LAが直線CLと直交するように一列に配置されている。また、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、隣り合う2つの加熱コイルの間隔L2が、加熱コイルの短軸の長さL1の半分よりも短く配置されている。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、駆動回路50は、駆動回路50a、駆動回路50b、駆動回路50c、及び駆動回路50dを備える。第1加熱コイル1aは、駆動回路50aにより駆動制御される。第2加熱コイル1bは、駆動回路50bにより駆動制御される。第3加熱コイル1cは、駆動回路50cにより駆動制御される。第4加熱コイル1dは、駆動回路50dにより駆動制御される。
駆動回路50aから第1加熱コイル1aに高周波電流が供給されることで、第1加熱コイル1aから高周波磁界が発生する。駆動回路50bから第2加熱コイル1bに高周波電流が供給されることで、第2加熱コイル1bから高周波磁界が発生する。駆動回路50cから第3加熱コイル1cに高周波電流が供給されることで、第3加熱コイル1cから高周波磁界が発生する。駆動回路50dから第4加熱コイル1dに高周波電流が供給されることで、第4加熱コイル1dから高周波磁界が発生する。
制御部45は、専用のハードウェア、又はメモリ48に格納されるプログラムを実行するCPUで構成される。また、制御部45は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c、及び第4加熱コイル1dのそれぞれの上方に載置された被加熱物の有無を判定する負荷判定部46を有している。
なお、CPUは、Central Processing Unitの略称である。また、CPUは、中央処理装置、処理装置、又は演算装置ともいう。
制御部45が専用のハードウェアである場合、制御部45は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御部45が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現しても良いし、各機能部を一つのハードウェアで実現しても良い。
なお、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。また、FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略称である。
制御部45がCPUの場合、制御部45が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ48に格納される。CPUは、メモリ48に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部45の各機能を実現する。ここで、メモリ48は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、若しくはEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
なお、制御部45の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしても良い。
なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。また、EPROMは、Erasable Programmable Read Only Memoryの略称である。また、EEPROMは、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。
図5は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。
なお、駆動回路50a~駆動回路50dは、その回路構成は同一であっても良いし、加熱コイル毎に変更しても良い。図5では、第1加熱コイル1aを駆動する駆動回路50aについて図示する。
図5に示すように、駆動回路50aは、直流電源回路22と、インバータ回路23と、共振コンデンサ24aとを備える。
直流電源回路22は、ダイオードブリッジ22a、リアクタ22b及び平滑コンデンサ22cを備え、交流電源21から入力される交流電圧を直流電圧に変換して、インバータ回路23へ出力する。なお、直流電源回路22は、駆動回路50a~駆動回路50dのそれぞれで共用しても良い。
インバータ回路23は、スイッチング素子としてのIGBT23a及びIGBT23bが、直流電源回路22の出力に直列に接続されている。インバータ回路23は、フライホイールダイオードとしてダイオード23c及びダイオード23dが、それぞれIGBT23a及びIGBT23bと並列に接続されている。インバータ回路23は、いわゆるハーフブリッジ型のインバータである。
IGBT23aとIGBT23bは、制御部45から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。制御部45は、IGBT23aをオンさせている間はIGBT23bをオフ状態にし、IGBT23aをオフさせている間はIGBT23bをオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。これにより、インバータ回路23は、直流電源回路22から出力される直流電力を20kHz~100kHz程度の高周波の交流電力に変換して、第1加熱コイル1aと共振コンデンサ24aとからなる共振回路に電力を供給する。
共振コンデンサ24aは、第1加熱コイル1aに直列に接続されている。第1加熱コイル1aと共振コンデンサ24aとからなる共振回路は、第1加熱コイル1aのインダクタンス及び共振コンデンサ24aの容量に応じた共振周波数を有する。なお、第1加熱コイル1aのインダクタンスは、金属負荷である被加熱物が磁気結合した際に金属負荷の特性に応じて変化し、このインダクタンスの変化に応じて共振回路の共振周波数が変化する。
第1加熱コイル1aに高周波電流が供給されると、第1加熱コイル1aに流れる高周波電流により発生する高周波磁束によって、第1加熱コイル1aの直上のトッププレート4上に載置された被加熱物が誘導加熱される。
なお、スイッチング素子であるIGBT23a及びIGBT23bは、例えばシリコン系からなる半導体で構成されているが、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いた構成でも良い。
スイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子の通電損失を減らすことができる。また、駆動周波数を高周波にしても、即ちスイッチングを高速にしても、駆動回路50aの放熱が良好であるため、駆動回路50の放熱フィンを小型にすることができ、駆動回路50aの小型化及び低コスト化を実現することができる。
さらに、駆動回路50aは、入力電流検出手段25a及びコイル電流検出手段25bを有している。入力電流検出手段25aは、例えば電流センサで構成され、交流電源21から直流電源回路22へ入力される電流を検出し、入力電流値に相当する電圧信号を制御部45へ出力する。コイル電流検出手段25bは、例えば、電流センサで構成され、第1加熱コイル1aに流れる電流を検出し、コイル電流値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。
(動作)
次に、本実施の形態1における誘導加熱調理器100の動作について説明する。
使用者により、トッププレート4に被加熱物が載置され、加熱開始の指示が操作部40に行われると、制御部45の負荷判定部46は負荷判定処理を行う。
負荷判定処理において、負荷判定部46は、例えば、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのそれぞれのコイル電流と入力電流との関係に基づいて、各加熱コイルの上方に被加熱物が載置されているか否かを判定する。具体的には、負荷判定部46は、駆動回路50a~駆動回路50dのそれぞれについて、負荷判定用の特定の駆動信号でインバータ回路23を駆動する。制御部45は、入力電流検出手段25aの出力信号から入力電流を検出する。また同時に制御部45は、コイル電流検出手段25bの出力信号からコイル電流を検出する。負荷判定部46は、検出したコイル電流及び入力電流と、予めメモリ48に記憶した負荷判定テーブルから、各加熱コイルの上方に載置された被加熱物の有無を判定する。
なお、負荷判定の方法はこれに限定されない。負荷判定部46は、各加熱コイルの上方に載置された被加熱物の有無を判定する構成であれば良い。例えば、負荷判定部46は、光学的な方法で被加熱物の有無を判定しても良い。具体的には、負荷判定部46は、トッププレート4の下方から上方へ向けて光を照射し、被加熱物からの反射光を検出することで、被加熱物の有無を判定しても良い。
次に、制御部45は、負荷判定処理の結果に応じて駆動回路50a~駆動回路50dを制御して、誘導加熱させる火力及び調理メニューに応じた高周波電力を供給する加熱動作を行う。
以下、操作部40からの入力により、調理メニューとして対流モードが選択された場合の動作について、トッププレート4に載置された被加熱物の大きさが小径、中径、及び大径の場合に分けて説明する。
ここで、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、2つの加熱コイルの上方に載置される被加熱物5aの大きさを小径と称する。また、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、3つの加熱コイルの上方に載置される被加熱物5bの大きさを中径と称する。また、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、4つの加熱コイルの上方に載置される被加熱物5cの大きさを大径と称する。また、被加熱物5a、被加熱物5b及び被加熱物5cを区別しない場合には、被加熱物5と称する。
(小径)
図6及び図7は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図8及び図9は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図6及び図7においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5aを点線で示している。
また、図8及び図9においては、被加熱物5aがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図8及び図9においては、被加熱物5aに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図6及び図7に示すように、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に被加熱物5aが載置された場合、制御部45は、第2加熱コイル1bへの電力の供給と第3加熱コイル1cへの電力の供給とを、時間の経過と共に交互に切り替える。
即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち隣り合う2つの加熱コイルの上方に被加熱物5aが載置された場合、制御部45は2つの加熱コイルのうちの1つの加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する加熱コイルを順次変更する。
また、制御部45は、第2加熱コイル1bへ供給する電力と通電時間との積である電力量を、第3加熱コイル1cへ供給する電力と通電時間との積である電力量とを同じにする。即ち、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つの加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする。ここで、電力量が同じとは、厳密に同一な値に限らず、制御誤差などにより生じた誤差を含むものであり、略同じ電力量である場合も許容される。以下の説明においても同様である。
図6に示すように、第2加熱コイル1bへ電力が供給され、第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図8に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5aに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、被加熱物5aの下部から上方へ向かったあと、第3加熱コイル1c側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図7に示すように、第2加熱コイル1bへの電力の供給が停止され、第3加熱コイル1cへ電力が供給されると、図9に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5aに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、被加熱物5aの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う2つの加熱コイルを交互に通電することで、被加熱物5aに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
(中径)
図10~図12は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図13~図15は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図10~図12においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5bを点線で示している。
また、図13~図15においては、被加熱物5bがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図13~図15においては、被加熱物5bに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図10~図12に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1aへの電力の供給と、第2加熱コイル1bへの電力の供給と、第3加熱コイル1cへの電力の供給とを、時間の経過と共に順次変更する。
即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち隣り合う3つの加熱コイルの上方に被加熱物5bが載置された場合、制御部45は3つの加熱コイルのうちの1つの加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する加熱コイルを順次変更する。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力と通電時間との積である電力量を、それぞれ同じにする。即ち、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つのそれぞれの加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする。
図10に示すように、第1加熱コイル1aへ電力が供給され、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図13に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1aの上方部分が加熱され、被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図11に示すように、第2加熱コイル1bへ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図14に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側と第3加熱コイル1c側である紙面右側とのそれぞれへ向かう対流が生じる。
図12に示すように、第3加熱コイル1cへ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへの電力の供給が停止されると、図15に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う3つの加熱コイルへの電力の供給を順次変更することで、被加熱物5bに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
なお、隣り合う3つの加熱コイルへ電力を供給する順序は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの順に限らず、任意の順序で良い。
(大径)
図16~図19は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図20~図23は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図16~図19においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5cを点線で示している。
また、図20~図23においては、被加熱物5cがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図20~図23においては、被加熱物5cに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図16~図19に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1aへの電力の供給と、第2加熱コイル1bへの電力の供給と、第3加熱コイル1cへの電力の供給と、第4加熱コイル1dへの電力の供給とを、時間の経過と共に順次変更する。
即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち隣り合う4つの加熱コイルの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は4つの加熱コイルのうちの1つの加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する加熱コイルを順次変更する。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dへ供給する電力と通電時間との積である電力量を、それぞれ同じにする。即ち、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする。
図16に示すように、第1加熱コイル1aへ電力が供給され、第2加熱コイル1b~第4加熱コイル1dへの電力の供給が停止されると、図20に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1aの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図17に示すように、第2加熱コイル1bへ電力が供給され、第1加熱コイル1a、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dへの電力の供給が停止されると、図21に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側と第3加熱コイル1c側である紙面右側とのそれぞれへ向かう対流が生じる。
図18に示すように、第3加熱コイル1cへ電力が供給され、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第4加熱コイル1dへの電力の供給が停止されると、図22に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面左側と第4加熱コイル1d側である紙面右側とのそれぞれへ向かう対流が生じる。
図19に示すように、第4加熱コイル1dへ電力が供給され、第1加熱コイル1a~第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図23に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第4加熱コイル1dの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第3加熱コイル1c側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う4つの加熱コイルへの電力の供給を順次変更することで、被加熱物5cに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
なお、隣り合う4つの加熱コイルへ電力を供給する順序は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c、及び第4加熱コイル1dの順に限らず、任意の順序で良い。
なお、上述した小径、中径及び大径のいずれの加熱動作においても、上方に被加熱物5が載置された2つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ電力を供給し、他の加熱コイルへの電力の供給を停止したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部45は、隣り合う2つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ供給する電力を、他の加熱コイルへ供給する電力よりも大きくし、時間の経過と共に、供給する電力を大きくする加熱コイルを変更しても良い。
(効果)
以上のように本実施の形態1においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つ以上の加熱コイルの上方に被加熱物5が載置された場合、隣り合う2つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する加熱コイルを変更する。
このため、被加熱物5に収容した液状の調理物の対流を促進させることができ、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することができる。即ち、煮物等の調理において煮汁を拡散させ、味のむらをなくし、味の染み込みを良くする効果が得られる。
また、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、上方に被加熱物5が載置された加熱コイルによって加熱調理を行うため、小径から大径までの大きさの被加熱物5に対応でき、使用者の利便性を向上することができる。
また本実施の形態1においては、上方に被加熱物5が載置された2つ以上の加熱コイルのうちの1つの加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する加熱コイルを順次変更する。
このため、被加熱物5の加熱部分が時間の経過と共に変更されるため、被加熱物5に収容された液状の調理物を、焦げを抑制して温め又は保温をすることが可能となる。
また、本実施の形態1においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする。
このため、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができ、調理物の温度の不均一を抑制することができる。
また本実施の形態1においては、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、それぞれ、同一の形状及び同一の大きさである。
このため、各加熱コイルの平面視における面積が同一となり、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができる。
また本実施の形態1においては、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、隣り合う2つの加熱コイルの間隔L2が、加熱コイルの短軸の長さL1の半分よりも短く配置されている。
このため、2つの加熱コイルの間における被加熱物5の温度低下を抑制でき、加熱温度の不均一を抑制することができる。
なお、上記の説明では、被加熱物5に収容した液状の調理物に対流を生じさせる対流モードの動作について説明したが、固形状の調理物が載置されるフライパン又は鉄板等の被加熱物5を加熱する調理モードにおいても、上述した加熱動作を適用しても良い。
フライパン又は鉄板等の被加熱物5の加熱部分が時間の経過と共に変更されるため、被加熱物5に載置された固形状の調理物を、焦げを抑制して加熱し又は保温をすることが可能となる。
(変形例)
上記の説明においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする動作を説明した。被加熱物5の外周部においては、放熱量が中央部よりも大きくなる。このため、被加熱物5の外周部は、中央部よりも温度が低下し易い場合がある。このため、上記の動作に代えて、以下の動作を行ってもよい。
第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルの上方に被加熱物5が載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうち、外寄りに配置された2つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、中央寄りに配置された1つ又は2つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積よりも大きくする。
例えば、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に、中径の被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへ供給する電力と通電時間の積である電力量を、第2加熱コイル1bへ供給する電力と通電時間との積である電力量よりも大きくする。
また例えば、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に、大径の被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ供給する電力と通電時間の積である電力量を、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力と通電時間との積である電力量よりも大きくする。
このような動作により、被加熱物5の外周部の発熱量を中央部よりも多くすることができ、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができる。よって、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することができる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2における誘導加熱調理器100の動作について、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施の形態2における誘導加熱調理器100の構成は、上記実施の形態1と同様である。上記実施の形態1と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
(動作)
使用者により、トッププレート4に被加熱物5が載置され、加熱開始の指示が操作部40に行われると、上記実施の形態1と同様に、制御部45の負荷判定部46は負荷判定処理を行う。制御部45は、負荷判定処理の結果に応じて駆動回路50a~駆動回路50dを制御して、誘導加熱させる火力及び調理メニューに応じた加熱動作を行う。
以下、操作部40からの入力により、調理メニューとして対流モードが選択された場合の動作について、トッププレート4に載置された被加熱物の大きさが中径及び大径の場合に分けて説明する。
(中径)
図24及び図25は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図26及び図27は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図24及び図25においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5bを点線で示している。
また、図26及び図27においては、被加熱物5bがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図26及び図27においては、被加熱物5bに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図24及び図25に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへの電力の供給と、第2加熱コイル1bへの電力の供給とを、交互に切り替える。
即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つの加熱コイルの上方に被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、3つの加熱コイルのうち、中央寄りに配置された1つの加熱コイルへの電力の供給と、外寄りに配置された2つの加熱コイルへの電力の供給とを、交互に切り替える。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第2加熱コイル1bへ供給する電力と通電時間との積である電力量とを同じにする。
図24に示すように、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへ電力が供給され、第2加熱コイル1bへの電力の供給が停止されると、図26に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1aの上方部分が加熱され、被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面右側へ向かう対流が生じる。また同時に、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面左側へ向かう対流が生じる。そして、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、被加熱物5bの中央部において下方へ向かう対流が生じる。
図25に示すように、第2加熱コイル1bへ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図27に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側と第3加熱コイル1c側である紙面右側とのそれぞれへ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う3つの加熱コイルのうち、中央寄りに配置された1つの加熱コイルへの電力の供給と、外寄りに配置された2つの加熱コイルへの電力の供給とを交互に切り替えることで、被加熱物5bに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
(大径)
図28及び図29は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図30及び図31は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図28及び図29においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5cを点線で示している。
また、図30及び図31においては、被加熱物5cがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図30及び図31においては、被加熱物5cに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図28及び図29に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへの電力の供給と、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへの電力の供給とを、交互に切り替える。
即ち、隣り合う4つの加熱コイルの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、4つの加熱コイルのうち、中央寄りに配置された2つの加熱コイルへの電力の供給と、外寄りに配置された2つの加熱コイルへの電力の供給とを、交互に切り替える。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量とを同じにする。
図28に示すように、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ電力が供給され、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図30に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1aの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面右側へ向かう対流が生じる。また同時に、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第4加熱コイル1dの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第3加熱コイル1c側である紙面左側へ向かう対流が生じる。そして、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、被加熱物5cの中央部において下方へ向かう対流が生じる。
図28に示すように、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへの電力の供給が停止されると、図31に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側へ向かう対流が生じる。また同時に、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第4加熱コイル1d側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う4つの加熱コイルのうち、中央寄りに配置された2つの加熱コイルへの電力の供給と、外寄りに配置された2つの加熱コイルへの電力の供給とを交互に切り替えることで、被加熱物5bに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
なお、上述した中径及び大径のいずれの加熱動作においても、上方に被加熱物5が載置された3つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ電力を供給し、他の加熱コイルへの電力の供給を停止したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部45は、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ供給する電力を、他の加熱コイルへ供給する電力よりも大きくしても良い。
(効果)
以上のように本実施の形態2においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルの上方に被加熱物5が載置された場合、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうち、中央寄りに配置された1つ又は2つ以上の加熱コイルへの電力の供給と、外寄りに配置された2つ以上の加熱コイルへの電力の供給とを、交互に切り替える。
このため、被加熱物5の外周部から中央部へ向かう対流と、中央部から外周部へ向かう対流とを交互に発生させることができ、煮物等の調理において煮汁を拡散させ、味のむらをなくし、味の染み込みを良くする効果が得られる。また、被加熱物5の加熱部分が時間の経過と共に変更されるため、被加熱物5に収容された液状の調理物を、焦げを抑制して温め又は保温をすることが可能となる。
また、本実施の形態2においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする。このため、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができ、調理物の温度の不均一を抑制することができる。
なお、上記の説明では、被加熱物5に収容した液状の調理物に対流を生じさせる対流モードの動作について説明したが、固形状の調理物が載置されるフライパン又は鉄板等の被加熱物5を加熱する調理モードにおいても、上述した加熱動作を適用しても良い。
フライパン又は鉄板等の被加熱物5の加熱部分が時間の経過と共に変更されるため、被加熱物5に載置された固形状の調理物を、焦げを抑制して加熱し又は保温をすることが可能となる。
なお、本実施の形態2における誘導加熱調理器100の加熱動作と、上記実施の形態1における誘導加熱調理器100の加熱動作とを組み合わせても良い。例えば、制御部45は、実施の形態2における誘導加熱調理器100の加熱動作と、実施の形態1における誘導加熱調理器100の加熱動作とを交互に行ってもよい。
(変形例)
上記の説明においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする動作を説明した。被加熱物5の外周部においては、放熱量が中央部よりも大きくなる。このため、被加熱物5の外周部は、中央部よりも温度が低下し易い場合がある。このため、上記の動作に代えて、以下の動作を行ってもよい。
第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルの上方に被加熱物5が載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうち、外寄りに配置された2つの加熱コイルへ供給する電力の合計と通電時間との積を、中央寄りに配置された1つ又は2つ以上の加熱コイルへ供給する電力の合計と通電時間との積よりも大きくする。
例えば、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に、中径の被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間の積である電力量を、第2加熱コイル1bへ供給する電力と通電時間との積である電力量よりも大きくする。
また例えば、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に、大径の被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の合計と通電時間の積である電力量を、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量よりも大きくする。
このような動作により、被加熱物5の外周部の発熱量を中央部よりも多くすることができ、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができる。よって、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することができる。
実施の形態3.
以下、実施の形態3における誘導加熱調理器100の動作について、上記実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。なお、実施の形態3における誘導加熱調理器100の構成は、上記実施の形態1と同様である。上記実施の形態1と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
(動作)
使用者により、トッププレート4に被加熱物5が載置され、加熱開始の指示が操作部40に行われると、上記実施の形態1と同様に、制御部45の負荷判定部46は負荷判定処理を行う。制御部45は、負荷判定処理の結果に応じて駆動回路50a~駆動回路50dを制御して、誘導加熱させる火力及び調理メニューに応じた加熱動作を行う。
以下、操作部40からの入力により、調理メニューとして対流モードが選択された場合の動作について、トッププレート4に載置された被加熱物の大きさが中径及び大径の場合に分けて説明する。
(中径)
図32及び図33は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図34及び図35は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図32及び図33においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5bを点線で示している。
また、図34及び図35においては、被加熱物5bがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図34及び図35においては、被加熱物5bに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図32及び図33に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bからなる組への電力の供給と、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cからなる組への電力の供給とを、交互に切り替える。
即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つの加熱コイルの上方に被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、隣り合う3つの加熱コイルのうちの一部であって、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルからなる組を変更する。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量とを同じにする。
図32に示すように、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの組へ電力が供給され、第3加熱コイル1cへの電力の供給が停止されると、図34に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第3加熱コイル1c側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図33に示すように、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの組へ電力が供給され、第1加熱コイル1aへの電力の供給が停止されると、図35に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5bに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5bの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う3つの加熱コイルのうち、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルからなる組を変更することで、被加熱物5bに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
(大径)
図36及び図37は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図38及び図39は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図36及び図37においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5cを点線で示している。
また、図38及び図39においては、被加熱物5cがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図38及び図39においては、被加熱物5cに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図36及び図37に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bからなる組への電力の供給と、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dからなる組への電力の供給とを、交互に切り替える。
即ち、隣り合う4つの加熱コイルの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、隣り合う4つの加熱コイルのうちの一部であって、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルからなる組を変更する。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量とを同じにする。
図36に示すように、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの組へ電力が供給され、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの組への電力の供給が停止されると、図38に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第3加熱コイル1c側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図37に示すように、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの組へ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへの電力の供給が停止されると、図39に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う4つの加熱コイルのうち、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルからなる組を変更することで、被加熱物5cに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
なお、上述した中径及び大径のいずれの加熱動作においても、上方に被加熱物5が載置された3つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ電力を供給し、他の加熱コイルへの電力の供給を停止したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部45は、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうち、一部の加熱コイルへ供給する電力を、他の加熱コイルへ供給する電力よりも大きくしても良い。
(効果)
以上のように本実施の形態3においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルの上方に被加熱物5が載置された場合、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうちの一部であって、隣り合う2つ加熱コイルの組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルの組を変更する。
このため、複数の加熱コイルの配列における一方の端部から他方の端部へ向かう対流を発生させ、その方向を交互に切り替えることができ、煮物等の調理において煮汁を拡散させ、味のむらをなくし、味の染み込みを良くする効果が得られる。また、被加熱物5の加熱部分が時間の経過と共に変更されるため、被加熱物5に収容された液状の調理物を、焦げを抑制して温め又は保温をすることが可能となる。
また、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給するので、1つの加熱コイル又は隣り合わない2つの加熱コイルへ電力を供給する場合と比較して、被加熱物5に収容した液状の調理物の対流を大きくすることができる。
また、本実施の形態3においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つの加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする。このため、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができ、調理物の温度の不均一を抑制することができる。
なお、上記の説明では、被加熱物5に収容した液状の調理物に対流を生じさせる対流モードの動作について説明したが、固形状の調理物が載置されるフライパン又は鉄板等の被加熱物5を加熱する調理モードにおいても、上述した加熱動作を適用しても良い。
フライパン又は鉄板等の被加熱物5の加熱部分が時間の経過と共に変更されるため、被加熱物5に載置された固形状の調理物を、焦げを抑制して加熱し又は保温をすることが可能となる。
なお、本実施の形態3における誘導加熱調理器100の加熱動作と、上記実施の形態1及び2における誘導加熱調理器100の加熱動作とを組み合わせても良い。例えば、制御部45は、実施の形態1~3における誘導加熱調理器100の加熱動作を順次行ってもよい。
(変形例1)
上記の説明では、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dの上方に、大径の被加熱物5cが載置された場合に、2つの組を交互に切り替える動作を説明したが、本発明はこれに限定されない。隣り合う4つの加熱コイルのうち、隣り合う2つの加熱コイルからなる組への電力の供給を、順次変更しても良い。具体例を以下に説明する。
(大径)
図40~図42は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図43~図45は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図40~図42においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5cを点線で示している。
また、図43~図45においては、被加熱物5cがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図43~図45においては、被加熱物5cに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図40~図42に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの組への電力の供給と、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの組への電力の供給と、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの組への電力の供給とを、順次変更する。
即ち、隣り合う4つの加熱コイルの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、隣り合う4つの加熱コイルのうちの一部であって、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルからなる組を変更する。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量とを、それぞれ同じにする。
図40に示すように、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの組へ電力が供給され、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの組への電力の供給が停止されると、図43に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第3加熱コイル1c側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図41に示すように、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの組へ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへの電力の供給が停止されると、図44に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1bの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側へ向かう対流が生じる。また同時に、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第4加熱コイル1d側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図42に示すように、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの組へ電力が供給され、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへの電力の供給が停止されると、図45に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第2加熱コイル1b側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う4つの加熱コイルのうち、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つの加熱コイルからなる組を順次変更することで、被加熱物5cに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。
また、2つの組を交互に切り替える動作と比較して、被加熱物5の加熱位置が時間の経過と共に分散されるため、被加熱物5に収容された液状の調理物を、焦げを抑制して温め又は保温をすることが可能となる。
(変形例2)
上記の説明では、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給する動作を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、3つの加熱コイルからなる組への電力の供給を、順次変更しても良い。具体例を以下に説明する。
(大径)
図46及び図47は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す平面図である。
図48及び図49は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルと被加熱物を示す図である。
なお、図46及び図47においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5cを点線で示している。
また、図48及び図49においては、被加熱物5cがトッププレート4上に載置された状態の縦断面を模式的に示している。また、図48及び図49においては、被加熱物5cに収容された液状の調理物に生じた対流の向きを矢印で示している。
図46及び図47に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cからなる組への電力の供給と、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dからなる組への電力の供給とを、順次変更する。
即ち、隣り合う4つの加熱コイルの上方に被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、隣り合う4つの加熱コイルのうちの一部であって、隣り合う3つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、3つの加熱コイルからなる組を変更する。
また、制御部45は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量と、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量とを、それぞれ同じにする。
図46に示すように、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、及び第3加熱コイル1cからなる組へ電力が供給され、第4加熱コイル1dへの電力の供給が停止されると、図48に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第4加熱コイル1d側である紙面右側へ向かう対流が生じる。
図47に示すように、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの組へ電力が供給され、第1加熱コイル1aへの電力の供給が停止されると、図49に示すような対流が生じる。即ち、被加熱物5cに収容された液状の調理物は、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方部分が加熱され、それぞれ被加熱物5cの下部から上方へ向かったあと、第1加熱コイル1a側である紙面左側へ向かう対流が生じる。
このように、隣り合う4つの加熱コイルのうち、隣り合う3つの加熱コイルからなる組へ電力を供給し、時間の経過と共に、3つの加熱コイルの組を順次変更することで、被加熱物5cに収容された煮汁等の液状の調理物に対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。また、2つの加熱コイルからなる組へ電力を供給する動作と比較して、被加熱物5に収容した液状の調理物の対流を大きくすることができる。
(変形例3)
上記説明においては、制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする動作を説明した。被加熱物5の外周部においては、放熱量が中央部よりも大きくなる。このため、被加熱物5の外周部は、中央部よりも温度が低下し易い場合がある。このため、上記の動作に代えて、以下の動作を行ってもよい。
第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う3つ以上の加熱コイルの上方に被加熱物5が載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、隣り合う3つ以上の加熱コイルのうち、外寄りに配置された2つの加熱コイルへ供給する電力の合計と通電時間との積を、中央寄りに配置された1つ又は2つ以上の加熱コイルへ供給する電力の合計と通電時間との積よりも大きくする。
例えば、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの上方に、中径の被加熱物5bが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間の積である電力量を、第2加熱コイル1bへ供給する電力と通電時間との積である電力量よりも大きくする。
また例えば、第1加熱コイル1a、第2加熱コイル1b、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に、大径の被加熱物5cが載置された場合、制御部45は、次の動作を行う。制御部45は、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の合計と通電時間の積である電力量を、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ供給する電力の合計と通電時間との積である電力量よりも大きくする。
このような動作により、被加熱物5の外周部の発熱量を中央部よりも多くすることができ、被加熱物5の加熱温度の不均一を抑制することができる。よって、調理物の温度の不均一及び調理物の焦げ付きを抑制することができる。
実施の形態4.
以下、実施の形態4における誘導加熱調理器100の動作について、上記実施の形態1~3との相違点を中心に説明する。なお、実施の形態4における誘導加熱調理器100の構成は、上記実施の形態1と同様である。上記実施の形態1と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
(動作)
図50は、実施の形態4に係る誘導加熱調理器と被加熱物を示す斜視図である。なお、図50においては、トッププレート4の下方の構成の図示を省略している。
図50に示すように、使用者により、小径の被加熱物5a1が第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの上方に載置され、小径の被加熱物5a2が第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dの上方に載置された場合、制御部45は、以下の動作を行う。制御部45の負荷判定部46は、加熱開始の指示が操作部40に行われると、上記実施の形態1と同様に、負荷判定処理を行う。制御部45は、負荷判定処理の結果に応じて駆動回路50a~駆動回路50dを制御して、誘導加熱させる火力及び調理メニューに応じた加熱動作を行う。
操作部40からの入力により、2つの被加熱物5a1及び5a2を同時に対流モードで加熱調理する調理メニューが選択されると、制御部45は、被加熱物5a1に収容された液状の調理物に対流を発生させる加熱動作と、被加熱物5a2に収容された液状の調理物に対流を発生させる加熱動作とを同時に行う。具体的には、制御部45は、第1加熱コイル1aへの電力の供給と第2加熱コイル1bへの電力の供給とを、時間の経過と共に交互に切り替える。また同時に、制御部45は、第3加熱コイル1cへの電力の供給と第4加熱コイル1dへの電力の供給とを、時間の経過と共に交互に切り替える。
即ち、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つの加熱コイルからなる組の上方に被加熱物5aが載置され、隣り合う2つの加熱コイルからなる組が2つ隣り合う場合、2つの組のそれぞれについて、隣り合う2つの加熱コイルへの電力の供給を交互に切り替える。
このように、2つの組のそれぞれについて、隣り合う2つの加熱コイルを交互に通電することで、被加熱物5a1及び被加熱物5a2に収容された煮汁等の液状の調理物に、それぞれ対流が起こり、液状の調理物を拡散させることができる。また、2つの被加熱物5a1及び5a1を同時に対流モードで加熱することができ、使用者の利便性を向上することができる。
ここで、各加熱コイルに高周波電流が通電されると、加熱コイルを構成する巻線の抵抗によりジュール熱が生じる。互いに隣り合う第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへの電力の供給が同時になされると、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cのそれぞれの発熱により、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの温度が上昇し易くなる。そこで、本実施の形態4における誘導加熱調理器100の制御部45は、以下の動作を行う。
制御部45は、第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ電力を同時に供給する時間を、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ電力を同時に供給する時間よりも短くする。即ち、制御部45は、複数の加熱コイルのうち、外寄りに配置された2つの加熱コイルへ電力を同時に供給する時間を、中央寄りに配置された2つの加熱コイルへ電力を同時に供給する時間よりも短くする。具体例を図51及び図52を用いて説明する。
図51は、実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱動作を説明する図である。なお、図51においては、加熱コイルへ電力が供給される状態をオン、電力の供給が停止される状態をオフと示している。
図51に示すように、制御部45は、各加熱コイルへ供給する電力の切り替え周期T1を同じに設定する。また、制御部45は、時間T1aにおいて、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cをオン、第2加熱コイル1b及び第4加熱コイル1dをオフにする。また、時間T1bにおいて、第1加熱コイル1a及び第3加熱コイル1cをオフ、第2加熱コイル1b及び第4加熱コイル1dをオンにする。なお、時間T1aと時間T1bは同じ時間である。
このような動作により、外寄りに配置された第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ電力を同時に供給する時間がゼロとなる。また、中央寄りに配置された第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ電力を同時に供給する時間がゼロとなる。
したがって、中央寄りに配置された第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの温度上昇を抑制することができる。また、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの一方の停止中に熱を放熱することができ、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cを冷却し易くする効果がある。
図52は、実施の形態4に係る誘導加熱調理器の加熱動作を説明する図である。なお、図52においては、加熱コイルへ電力が供給される状態をオン、電力の供給が停止される状態をオフと示している。
図52に示すように、制御部45は、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ供給する電力の切り替え周期をT1に設定する。制御部45は、時間T1aにおいて、第1加熱コイル1aをオン、第2加熱コイル1bをオフにする。また、時間T1bにおいて、第1加熱コイル1aをオフ、第2加熱コイル1bをオンにする。なお、時間T1aと時間T1bは同じ時間である。
また、制御部45は、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dへ供給する電力の切り替え周期を、T1よりも長いT2に設定する。制御部45は、時間T2aにおいて、第3加熱コイル1cをオフ、第4加熱コイル1dをオンにする。また、時間T2bにおいて、第3加熱コイル1cをオン、第4加熱コイル1dをオフにする。なお、時間T2aと時間T2bは同じ時間である。
このような動作により、外寄りに配置された第1加熱コイル1a及び第4加熱コイル1dへ電力を同時に供給する時間Toutが、中央寄りに配置された第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ電力を同時に供給する時間Tinよりも長くなる。
したがって、中央寄りに配置された第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cの温度上昇を抑制することができる。また、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cを冷却し易くする効果がある。
なお、本実施の形態4においては、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dの4つの加熱コイルの上方に、2つの被加熱物5a1及び5a2が載置された場合を説明したが、加熱コイルの数及び被加熱物5aの数はこれに限定されない。
例えば、6つの加熱コイルを一列に配置し、3つの被加熱物5aを載置して、それぞれ2つの加熱コイルにより対流モードで加熱しても良い。
実施の形態5.
以下、実施の形態5における誘導加熱調理器100の動作について、上記実施の形態1~4との相違点を中心に説明する。なお、実施の形態5における誘導加熱調理器100の構成は、上記実施の形態1と同様である。上記実施の形態1と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
(動作)
実施の形態5における誘導加熱調理器100の制御部45は、上記実施の形態1~4の何れかと同じ動作に加えて、次の動作を行う。
制御部45は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dのうち、隣り合う2つの加熱コイルへ電力を供給する際、隣り合う2つの加熱コイルが対向する部分に流れる電流を、互いに同じ向きにする。
例えば、上記実施の形態4の動作に加えて、隣り合う2つの加熱コイルが対向する部分に流れる電流を互いに同じ向きにする動作を適用した一例について、図53により説明する。
図53は、実施の形態5に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルの通電状態を模式的に示す斜視図である。
なお、図53においては、トッププレート4の下方に配置された第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを実線で示し、トッププレート4上に載置された被加熱物5a1及び被加熱物5a2を点線で示している。また、図53においては、第2加熱コイル1bと第3加熱コイル1cとに同時に電力を供給する状態において、第2加熱コイル1bと第3加熱コイル1cとに通電する高周波電流のある瞬間における電流の方向を矢印で示している。
図53に示すように、制御部45は、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cへ電力を供給する際、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cが対向する部分に流れる電流を、互いに同じ向きになるように、駆動回路50b及び駆動回路50cのインバータ回路23をそれぞれ駆動する。
(効果)
このような動作により、第2加熱コイル1b及び第3加熱コイル1cが対向する部分において、第2加熱コイル1bから発生する磁界の向きと第3加熱コイル1cから発生する磁界の向きとが同じとなり、磁界を強めることができる。したがって、当該対向する部分の上方に載置された被加熱物5の発熱量を大きくすることができる。当該対向する部分の上方における対流を強くする効果がある。
実施の形態6.
以下、実施の形態6における誘導加熱調理器100の構成及び動作について、上記実施の形態1~5との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
(構成)
図54は、実施の形態6に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図54に示すように、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bは、駆動回路50eにより駆動制御される。第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dは、駆動回路50fにより駆動制御される。駆動回路50eから第1加熱コイル1aに高周波電流が供給されることで、第1加熱コイル1aから高周波磁界が発生する。駆動回路50eから第2加熱コイル1bに高周波電流が供給されることで、第2加熱コイル1bから高周波磁界が発生する。駆動回路50fから第3加熱コイル1cに高周波電流が供給されることで、第3加熱コイル1cから高周波磁界が発生する。駆動回路50fから第4加熱コイル1dに高周波電流が供給されることで、第4加熱コイル1dから高周波磁界が発生する。
図55は、実施の形態6に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。
図55では、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bを駆動する駆動回路50eについて図示する。
図55に示すように、駆動回路50eは、直流電源回路22と、インバータ回路23と、共振コンデンサ24aと、共振コンデンサ24bと、共振コンデンサ24cと、スイッチ26とを備える。直流電源回路22及びインバータ回路23の構成は、上記実施の形態1と同様である。
第1加熱コイル1aには、共振コンデンサ24aが直列に接続されている。第2加熱コイル1bには、共振コンデンサ24bが直列に接続されている。また、共振コンデンサ24bには共振コンデンサ24cが、スイッチ26を介して並列に接続されている。
第1加熱コイル1aと共振コンデンサ24aとからなる第1共振回路と、第2加熱コイル1bと共振コンデンサ24b及び共振コンデンサ24cとからなる第2共振回路とは並列に接続されている。
第1共振回路は、第1加熱コイル1aのインダクタンス及び共振コンデンサ24aの容量に応じた共振周波数を有する。
第2共振回路は、第2加熱コイル1bのインダクタンス及び共振コンデンサ24b及び共振コンデンサ24cの容量に応じた共振周波数を有する。
スイッチ26は、制御部45によってオンオフ切替される。スイッチ26がオン状態の場合、共振コンデンサ24cが共振コンデンサ24bに並列に接続される。スイッチ26は、例えば電力用半導体又はリレーなどによって構成される。
スイッチ26がオン状態の場合、第2共振回路の共振周波数は、共振コンデンサ24bと共振コンデンサ24cとの合成容量と、第2加熱コイル1bのインダクタンスとに応じた第1共振周波数f1となる。
また、スイッチ26がオフ状態の場合、第2共振回路の共振周波数は、共振コンデンサ24bのみの容量と、第2加熱コイル1bのインダクタンスに応じた第2共振周波数f2となる。即ち、スイッチ26がオフ状態の場合における第2共振周波数f2は、スイッチ26がオン状態の場合における第1共振周波数f1よりも高くなる。
第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bはインダクタンスがほぼ同じ値に構成されている。共振コンデンサ24aの容量と、共振コンデンサ24b及び共振コンデンサ24bの合成容量とは、ほぼ同じ値に構成されている。即ち、第1共振回路の共振周波数は、第2共振回路においてスイッチ26がオン状態の場合の第1共振周波数f1とほぼ同じ値となる。
コイル電流検出手段25bは、第1加熱コイル1aに流れる電流を検出し、コイル電流値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。また、コイル電流検出手段25cは、第2加熱コイル1bに流れる電流を検出し、コイル電流値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。
なお、図55では第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bを駆動する駆動回路50eについて説明したが、第3加熱コイル1c及び第4加熱コイル1dを駆動する駆動回路50fについても同様の構成を適用することができる。
なお、図55では、2つの第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bを、1つの駆動回路50eにより駆動する構成を説明したが、加熱コイルの数はこれに限定されない。1つの駆動回路50eにより、2つ以上の加熱コイルに高周波電力を供給するように構成され、2つ以上の加熱コイルのそれぞれと共振回路を形成する複数の共振コンデンサを備え、複数の共振コンデンサの少なくとも1つは、容量が可変に構成されても良い。
(動作)
実施の形態6における誘導加熱調理器100の制御部45は、第2共振回路における共振コンデンサの容量と、インバータ回路23の駆動周波数とを変更することで、2つの第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ供給する電力の大きさを変更する動作を行う。
以下、図50に示したように、使用者により、小径の被加熱物5a1が第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bの上方に載置された場合における、制御部45の動作について説明する。
制御部45の負荷判定部46は、加熱開始の指示が操作部40に行われると、負荷判定処理を行う。負荷判定部46は、入力電流検出手段25aの出力信号から入力電流を検出する。また同時に制御部45は、コイル電流検出手段25b及びコイル電流検出手段25cの出力信号からコイル電流を検出する。負荷判定部46は、検出したコイル電流及び入力電流と、予めメモリ48に記憶した負荷判定テーブルから、各加熱コイルの上方に載置された被加熱物の有無を判定する。制御部45は、負荷判定処理の結果に応じて駆動回路50e及び駆動回路50fを制御して、誘導加熱させる火力及び調理メニューに応じた加熱動作を行う。
操作部40からの入力により、被加熱物5a1を対流モードで加熱調理する調理メニューが選択されると、制御部45は、被加熱物5a1に収容された液状の調理物に対流を発生させる加熱動作を行う。
具体的には、制御部45は、対流モードの調理メニューが選択されると、駆動回路50eのスイッチ26をオフ状態にする。これにより、第2共振回路の共振周波数が第1共振周波数f1から第2共振周波数f2へと変更される。制御部45は、駆動回路50eのインバータ回路23の駆動周波数を変更することで第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ供給する電力の大きさを変更する。
ここで、各加熱コイルへ供給される電力と共振周波数との関係について説明する。
図56は、実施の形態6に係る誘導加熱調理器の駆動周波数と加熱コイルへ供給される電力との関係を示す概念図である。
図56において、第1共振回路及びスイッチ26がオン状態における第2共振回路は、電力特性60に示されるように、第1共振周波数f1をピークとする特性を有する。また、スイッチ26がオフ状態における第2共振回路は、電力特性61に示されるように、第2共振周波数f2をピークとする特性を有する。
制御部45は、第1共振周波数f1以上、且つ、電力特性60における電力が電力特性61よりも大きくなる周波数の範囲が、動作領域Aとして予め設定される。また、制御部45は、第2共振周波数f2以上の周波数の範囲が、動作領域Bとして予め設定される。なお、動作領域Bの上限の周波数は、駆動回路50eの動作範囲の上限値、例えば100kHzに設定される。
駆動回路50eが動作領域Aの範囲内の駆動周波数で駆動されると、第1共振回路及びスイッチ26がオン状態における第2共振回路へ供給される電力は、スイッチ26がオフ状態における第2共振回路へ供給される電力よりも大きくなる。
また、駆動回路50eが動作領域Bの範囲内の駆動周波数で駆動されると、第1共振回路及びスイッチ26がオン状態における第2共振回路へ供給される電力は、スイッチ26がオフ状態における第2共振回路へ供給される電力よりも小さくなる。
以上のことから、制御部45は、対流モードが選択されスイッチ26をオフ状態にしたあと、駆動回路50eのインバータ回路23の駆動周波数を、動作領域Aの範囲内の駆動周波数と、動作領域Bの範囲内の駆動周波数とに交互に切り替える。
これにより、第1加熱コイル1aへ供給する電力を第2加熱コイル1bへ供給する電力よりも大きくする動作と、第2加熱コイル1bへ供給する電力を第1加熱コイル1aへ供給する電力よりも大きくする動作とが交互に切り替えられる。
なお、制御部45は、通常加熱モードなどの調理メニューが選択され、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ同じ電力を供給する場合には、スイッチ26をオン状態として、第2共振回路の共振周波数を第1共振周波数f1へ変更する。これにより、第1加熱コイル1a及び第2加熱コイル1bへ同じ電力が供給される。
(効果)
以上のように本実施の形態6においては、1つの駆動回路50eにより2つの加熱コイルを駆動することができるので、上記実施の形態1~5における誘導加熱調理器100と比較して、駆動回路50の構成を簡素化することができる。
また、駆動回路50の駆動周波数と第2共振回路の容量とを変更することで、2つ以上の加熱コイルへ供給する電力の大きさを変更することができる。
なお、本実施の形態6における誘導加熱調理器100の構成及び動作を、上記実施の形態1~5の何れかと組み合わせても良い。例えば、1つの駆動回路50により、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを駆動する構成とし、各加熱コイルのそれぞれと共振回路を形成する共振コンデンサの容量を可変とする。そして、制御部45は、共振コンデンサの容量と駆動回路50の駆動周波数とを変更することで、2つ以上の加熱コイルへ供給する電力の大きさを任意に変更することができる。
(変形例1)
図57は、変形例1に係る誘導加熱調理器の複数の加熱コイルを模式的に示す平面図である。
図57に示すように、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dは、例えば、トッププレート4の縦方向に一列に配置されても良い。この構成においても、上記実施の形態1~6と同様の動作を行うことができ、同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
上記実施の形態1~6では、誘導加熱調理器100は、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dの4つを備える構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。
複数の加熱口を設け、そのうちの1つについて、複数の加熱コイルが一列に配列された構成としても良い。
図58は、変形例2に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
例えば、図58に示すように、第1加熱口1、第2加熱口2及び第3加熱口3を備える誘導加熱調理器101において、第1加熱口1の下方に、第1加熱コイル1a~第4加熱コイル1dを一列に配置しても良い。なお、第2加熱口2の下方に配置された加熱コイル12、及び第3加熱口3の下方に配置された加熱コイル13は、例えば円形のコイルにより構成される。
この構成においても、第1加熱口1について、上記実施の形態1~6と同様の動作を適用することができる。
1a 第1加熱コイル、1b 第2加熱コイル、1c 第3加熱コイル、1d 第4加熱コイル、4 トッププレート、5 被加熱物、5a 被加熱物、5a1 被加熱物、5a2 被加熱物、5b 被加熱物、5c 被加熱物、21 交流電源、22 直流電源回路、22a ダイオードブリッジ、22b リアクタ、22c 平滑コンデンサ、23 インバータ回路、23a IGBT、23b IGBT、23c ダイオード、23d ダイオード、24a~24c 共振コンデンサ、25a 入力電流検出手段、25b コイル電流検出手段、25c コイル電流検出手段、26 スイッチ、40 操作部、41 表示部、41a~41c 表示部、43 操作表示部、45 制御部、46 負荷判定部、48 メモリ、50 駆動回路、50a~50f 駆動回路、60 電力特性、61 電力特性、100 誘導加熱調理器、101 誘導加熱調理器。

Claims (12)

  1. 同一平面上に一列に配置された複数の加熱コイルと、
    前記複数の加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給する複数のインバータ回路と、
    前記複数の加熱コイルのそれぞれの上方に載置された被加熱物の有無を判定する負荷判定部と、
    前記負荷判定部の判定結果に基づき、前記複数のインバータ回路の駆動を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記複数の加熱コイルは、平面視において楕円状に形成され、一列に配置された前記複数の加熱コイルの短軸が、同一直線上に配置されており、
    前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う2つ以上の前記加熱コイルのうち、一部の前記加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する前記加熱コイルを変更するものであり、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つの前記加熱コイルの組の上方に前記被加熱物が載置され、隣り合う2つの前記加熱コイルの組が2つ隣り合う場合、
    2つの組のそれぞれについて、外寄りに配置された前記加熱コイルへの電力の供給と、中央寄り配置された前記加熱コイルへの電力の供給を交互に切り替え、
    外寄りに配置された2つの前記加熱コイルへ電力を同時に供給する時間を、中央寄りに配置された2つの前記加熱コイルへ電力を同時に供給する時間よりも短くする
    誘導加熱調理器。
  2. 同一平面上に一列に配置された複数の加熱コイルと、
    前記複数の加熱コイルにそれぞれ高周波電力を供給する複数のインバータ回路と、
    前記複数の加熱コイルのそれぞれの上方に載置された被加熱物の有無を判定する負荷判定部と、
    前記負荷判定部の判定結果に基づき、前記複数のインバータ回路の駆動を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記複数の加熱コイルは、平面視において楕円状に形成され、一列に配置された前記複数の加熱コイルの短軸が、同一直線上に配置されており、
    前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う2つ以上の前記加熱コイルのうち、一部の前記加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する前記加熱コイルを変更するものであり、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つの前記加熱コイルの組の上方に前記被加熱物が載置され、隣り合う2つの前記加熱コイルの組が2つ隣り合う場合、
    2つの組のそれぞれについて、外寄りに配置された前記加熱コイルへの電力の供給と、中央寄り配置された前記加熱コイルへの電力の供給を交互に切り替え、
    中央寄りに配置された2つの前記加熱コイルへ電力を同時に供給する時間をゼロにする誘導加熱調理器。
  3. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う2つ以上の前記加熱コイルのうち、一部の前記加熱コイルへ供給する電力を、他の前記加熱コイルへ供給する電力よりも大きくし、時間の経過と共に、供給する電力を大きくする前記加熱コイルを変更する
    請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    2つ以上の前記加熱コイルのうちの1つの前記加熱コイルへ電力を供給し、時間の経過と共に、電力を供給する前記加熱コイルを順次変更する
    請求項1~3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う3つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う3つ以上の前記加熱コイルのうち、中央寄りに配置された1つ又は2つ以上の前記加熱コイルへの電力の供給と、外寄りに配置された2つ以上の加熱コイルへの電力の供給とを、交互に切り替える
    請求項1~3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う3つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う3つ以上の前記加熱コイルのうちの一部であって、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの組へ電力を供給し、時間の経過と共に、2つ以上の前記加熱コイルの組を変更する
    請求項1~3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う3つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う3つ以上の前記加熱コイルのうち、外寄りに配置された2つ以上の加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、中央寄りに配置された1つ又は2つ以上の前記加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積よりも大きくする
    請求項又はに記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つ以上の前記加熱コイルの上方に前記被加熱物が載置された場合、
    隣り合う2つ以上の前記加熱コイルへ供給する電力と通電時間との積を、それぞれ同じにする
    請求項1~の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記制御装置は、
    前記複数の加熱コイルのうち、隣り合う2つの前記加熱コイルへ電力を供給する際、
    隣り合う2つの前記加熱コイルが対向する部分に流れる電流を、互いに同じ向きにする
    請求項1~の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記複数のインバータ回路の少なくとも1つは、2つ以上の前記加熱コイルに高周波電力を供給するように構成され、2つ以上の前記加熱コイルのそれぞれと共振回路を形成する複数の共振コンデンサを備え、
    前記複数の共振コンデンサの少なくとも1つは、容量が可変に構成され、
    前記制御装置は、
    前記共振コンデンサの容量と前記インバータ回路の駆動周波数とを変更することで、2つ以上の前記加熱コイルへ供給する電力の大きさを変更する
    請求項1~の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記複数の加熱コイルは、それぞれ、同一の形状及び同一の大きさである
    請求項1~10の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記複数の加熱コイルは、隣り合う2つの前記加熱コイルの間隔が、前記加熱コイルの短軸の長さの半分よりも短く配置された
    請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
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