JP5944023B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、被調理物を収容した金属鍋等の被加熱物を、その下方から加熱する誘導加熱調理器に関する。
金属製鍋などの被加熱物を加熱コイルにより誘導加熱する加熱調理器は、安全・清潔・高効率という優れた特徴が消費者に認知され、近年次第に普及拡大している。
そのような誘導加熱調理器は、設置形態によって流し台等の上面に置かれて使用される据置型と、流し台などの厨房家具の中にある設置空間にセットされるビルトイン(組込)型とに大別されるが、何れのタイプにおいても、上面のほぼ全体が耐熱ガラス板等から形成されたトッププレート(天板ともいう)で覆われ、その下方には、一つ又は複数個の誘導加熱源が配置されている。その誘導加熱源としては、同心上かつ略同一平面上に配置した径の異なる複数個の加熱コイルと、加熱コイル夫々に高周波電力を供給する高周波発生電力回路(インバーター回路ともいう)が使用されている(例えば特許文献1参照)。このような構成によれば、径の異なる複数の加熱コイルに対する高周波電力の出力制御を各々個別に行うことができるので、種々の加熱パターンを形成することができる。
また別の誘導加熱調理器として、中央に円形の加熱コイルを置き、その中央加熱コイルの両側に隣接するように、複数の側部加熱コイルを配置し、中央加熱コイルと側部加熱コイルを別々の高周波発生電力回路で駆動するようにしたものにおいて、複数の側部加熱コイルと中央加熱コイルに流れる高周波電流の向きを考慮することで、側部加熱コイルと中央加熱コイルの間で生ずる誘導起電力を相殺し、広い平面領域を同時加熱する用途などに対応できるようにしたものがある(例えば特許文献2参照)。
さらにまた別の誘導加熱調理器として、一つの加熱コイルの外径サイズよりも大きな底面サイズを持つ大型の鍋を加熱する際に加熱分布に偏りが生じず、調理性能を損なうことなく加熱する、誘導加熱調理器を提供するために、第1の加熱コイルと、第1の加熱コイルの近傍に配置され、加熱コイルの最小外径が第1の加熱コイルの最小外径よりも短く且つ第1の加熱コイルと異なる円心を有する、複数の加熱コイル群と、前記第1の加熱コイルを駆動する第1のインバーター回路及び前記複数の加熱コイル群を駆動する第2のインバーター回路の出力を制御する制御部と、を備えた誘導加熱調理器も提案されている(例えば特許文献3参照)。
さらにまた別の誘導加熱調理器として、トッププレートの下方に略同一平面に配置され、異なる円心を有する複数の円環状の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルに誘導加熱電力を供給するインバーター回路と、前記インバーター回路の出力を制御する制御部と、前記制御部に加熱の開始/停止や火力設定などを指示する操作部と、を有し、前記制御部は、前記操作部の指示により、複数の前記加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の前記加熱コイルに誘導加熱電力を供給し、残りの加熱コイルに誘導加熱電力を供給しないように制御することにより、前記被加熱物内の前記被調理物に対流を発生させるようにしたものがある(例えば特許文献4参照)。
また同様に被調理物に対流を発生させる目的で、トッププレートの下方に略同一平面に配置され、異なる円心を有する複数の円環状の加熱コイルを備えたものにおいて、その複数の加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の前記加熱コイルに誘導加熱電力を供給する量を、残りの加熱コイルの誘導加熱電力よりも多く制御するようにしたものもある(例えば特許文献5参照)。
特許第2978069号公報(第1頁、第2頁、図1) 特許第3725249号公報(第1頁、第2頁、図3) 特開2010−73384号公報(第2頁、第7頁、図3) 特開2010−165656号公報(第1頁、第2頁、図1、図2) 特開2010−146882号公報(第1頁、第2頁、図1、図2)
しかしながら、従来においては、金属鍋等のような一つの被加熱物の底面全体を複数の円形コイルや、円形コイル(中央コイル)と(非円形の)側部コイルによって同時に加熱するというものであったので、鍋の一方の側面からそれと向い合う他方の側面に向かうような対流経路の長い対流を発生させるには未だ十分でなかった。また、複数のコイルによって加熱すると煮物などの長時間煮込む調理では、なべ底が焦げ付きやすくなるという課題があった。さらに誘導加熱調理器は、仮に家庭用であっても、お湯を急速に沸かすことや煮物をそのまま高温又は所定温度状態に維持する(保温ともいう)こと、あるいはフライパンを急速に所定温度まで加熱し、しかもその全体の温度をできるだけ均一化し、鍋の外周縁部の温度、所謂鍋肌温度を所望のレベルまで上げてから調理の具材を投入する等、使用者の希望する調理メニューは多種あり、これら調理メニューに適当な加熱コイルの駆動パターンを使用者は簡単に、あるいは自動的に選ぶことができないという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被加熱物の中にある水や煮物汁などの液体に対流の発生を促進できる制御、あるいは焦げ付き抑制できる制御を採用した誘導加熱調理器とその制御用のプログラムを得ることを主な目的とするものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、円環状の主加熱コイルと、主加熱コイルの側部に近接して、その周囲に配置された複数の副加熱コイルと、主加熱コイル及び全ての副加熱コイルにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路と、インバーター回路の出力を制御する制御部と、制御部に「対流促進モード」を含む複数の動作モードを指令する操作部と、を有し、制御部は、「対流促進モード」で被加熱物を加熱する場合、副加熱コイルに誘電加熱電力を供給しない第1の期間を設け、この期間中に主加熱コイルにインバーター回路から誘導加熱電力を供給し、この後主加熱コイルおよび全ての副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止している第2の期間を設け、この後主加熱コイルへの誘導加熱電力供給を停止している第3の期間を設け、この期間中に全ての副加熱コイルにインバーター回路から誘電加熱電力を供給し、この後主加熱コイルおよび全ての副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止している第4の期間を設け、制御部は主加熱コイルおよび全ての副加熱コイルに対する第1の期間〜第4の期間における通電制御動作を複数回繰り返すものであり、制御部は、「対流促進モード」が実施されているときに、加熱開始時から加熱が継続されたときの温度から、更に加熱が継続されたときの温度に至るまでの時間又は温度上昇率と基準値とを比較して粘性の判定が行われ、被加熱物内の被調理物の粘性が予め決められた粘性よりも高い場合、単一の期間毎の火力を減少させることによって、被加熱物に対する単位時間あたりの加熱量を減少させるものである。これにより、被加熱物の中にある水や煮物汁などの液体に対流の発生を促進できる。
上記発明によれば、「対流促進モード」においては、中心部にある主加熱コイルだけを駆動する期間と、その主加熱コイルの周囲に配置された全ての副加熱コイルを駆動する期間が自動的に切り替えられ、かつその2つの期間の間には、全ての加熱コイルを駆動しない休止期間をそれぞれ設けているから、被加熱物の中にある水や煮物汁などの液体を、時間的に位置を変えて、かつ断続的に繰り返し加熱することができる。このため、被加熱物の中にある液体に対流の発生を促進できる加熱動作を実現できる。
本発明によれば、主加熱コイル単体の加熱時は勿論、主加熱コイルと副加熱コイル双方を組み合わせた加熱時にも、使用者が希望する調理メニューに対応できる動作モードが得られ、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器全体の基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、天板を外した状態の平面図である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における誘導加熱コイルの平面図である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器全体の基本的な加熱動作を示す制御ステップ説明図である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における誘導加熱コイルの動作を説明する平面図である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、調理中のなべ底温度を示す温度グラフである。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における誘導加熱コイルの通電説明図1である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、調理中のなべ底温度を示す温度グラフである。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における誘導加熱コイルの通電説明図2である。 本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における表示部と操作部の一部を示す平面図である。
実施の形態
図1〜図10は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器を示すものであって、ビルトイン(組込)型の誘導加熱調理器の例を示している。なお、各図において同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付している。
本発明の実施の形態において用いられる用語をそれぞれ定義する。
加熱手段Dの「動作条件」とは、加熱するための電気的、物理的な条件を言い、通電時間、通電量(火力)、加熱温度、通電パターン(連続通電、断続通電等)等を総称したものである。つまり加熱手段Dの通電条件をいうものである。
「表示」とは、文字や記号、イラスト、色彩や発光有無や発光輝度等の変化により、使用者に調理器の動作条件や調理に参考となる関連情報(異常使用を注意する目的や異常運転状態の発生を知らせる目的のものを含む。以下、単に「調理関連情報」という)を視覚的に知らせる動作をいう。また「発光」と「点灯」とは同じ意味であるが、発光ダイオードなどの発光素子自体が光を発する場合を発光、ランプが光を発する場合を点灯と呼ぶことが多いので、以下の説明ではこのように併記する場合がある。なお、電気的又は物理的には発光又は点灯していても、使用者が目視で確認できない程度の弱い光しか使用者に到達しない場合は、使用者が「発光」または「点灯」の結果を確認できないので、特に明記しない限り、「発光」または「点灯」には該当しない。例えば後述するトッププレートは一般的に無色透明ではなく表面に塗装などをする前からその素材自体に薄い色があるので、可視光線の透過率は100%ではないから、例えば発光ダイオードの光が弱いとトッププレート21(後述する)の上からはその光が視認できないことが起こる。
表示部の「表示手段」としては、特に明示のない限り、液晶(LCD)や各種発光素子(半導体発光素子の一例としてはLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、LD(Laser Diode)の2種類がある)、有機電界発光(Electro Luminescence:EL)素子などを含む。このため表示手段には、液晶画面やEL画面等の表示画面を含んでいる。
「報知」とは、表示又は電気的音声(電気的に作成又は合成された音声をいう)により、制御手段の動作条件や調理関連情報を使用者に認識させる目的で知らせる動作をいう。
「報知手段」とは、特に明示のない限り、ブザーやスピーカー等の可聴音による報知手段と、文字や記号、イラスト、アニメーションあるいは可視光による報知手段とを含んでいる。
以下、図1〜図10を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係るビルトイン型の誘導加熱調理器全体の基本構成を示すブロック図である。図2は本発明に係る誘導加熱調理器全体を、天板を外した状態で示す平面図である。図3は本願発明に係る誘導加熱調理器の誘導加熱コイル全体を概略的に示す平面図である。図4はその誘導加熱調理器全体の基本的な加熱動作を示す制御ステップ説明図である。図5はその誘導加熱コイルの動作を説明する平面図である。図6はその誘導加熱調理器の、調理中のなべ底温度を示す温度グラフである。図7はその誘導加熱コイルの通電説明図1である。図8はその誘導加熱調理器の、調理中のなべ底温度を示す温度グラフである。図9はその誘導加熱コイルの通電説明図2である。図10はその誘導加熱調理器における表示部と操作部の一部を示す平面図である。
図1〜図3において、本発明の誘導加熱調理器は、2個の誘導加熱部6L、6Rと1個の輻射式中央電気加熱部7を備えた、いわゆる3口の誘導加熱調理器であり、平面視で横長矩形(横長方形ともいう)の本体部Aを備えている。この本体部Aは、本体部Aの上面全体を水平に設置された平板状のトッププレート21で覆った天板部Bと、本体部Aの上面以外の周囲(外郭)を構成する筐体部C(図示せず)と、鍋や食品等を電気的エネルギー等で加熱する加熱手段D(後述する第1の誘導加熱部6Lなど)と、使用者により操作される操作手段Eと、操作手段Eからの信号を受けて加熱手段を制御する制御手段Fと、加熱手段の動作条件を表示する表示手段Gと、をそれぞれ備えている。
また、加熱手段Dの一部として、実施の形態1では図示していないが、グリル庫(グリル加熱室)又はロースターと称される加熱室を本体部Aの中に備えており、その加熱室にはシーズヒーター等の電気加熱手段を備えている。図1においてE1は本体部Aの上面前方部に設けた操作手段Eに備えられ、静電容量変化を用いて入力有無を検知するタッチ式のキーや機械式電気接点を有する押圧式キー等によって入力操作される第1の選択部、同じくE2は第2の選択部、E3は同じく第3の選択部であり、使用者がこれら選択部を操作することにより後述する各種調理メニューが選択できる。各選択部E1〜E3の機能の特徴については後で詳しく述べる。
本体部Aの左右中心線CL1を挟んで左側には第1の誘導加熱部6Lが、また右側には第2の誘導加熱部6Rが設置されている。
100は、前記表示手段Gの表示画面であって、例えば液晶表示画面であり、左右中心線CL1を跨ぐように本体部Aの左右中心部に配置されている。
本体部Aは図2に示すように、外形形状が流し台等の厨房家具(図示せず)に形成した設置口を覆う大きさ、スペースに合わせて、略正方形に形成されている。
本体部Aの外郭を形成する金属製薄板から形成された本体ケース2の上部は、内側寸法で横幅W3が540mm(又は550mm)、奥行DP2が402mmの箱形に設計されている。この本体ケース2の内部に前記第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R及び輻射式中央電気加熱部7がそれぞれ設置されている。第1、第2の誘導加熱部6L、6Rは、円板状に巻かれた誘導加熱コイル6LC、6RCをそれぞれ備えている。
図2に示すように、本体ケース2の上面開口の後端部、前端部、右端部及び左端部の4個所には、それぞれ外側へL字形に一体に折り曲げて形成したフランジを有しており、後方のフランジ3B、左側のフランジ3L、右側のフランジ3R及び前側フランジ板3Fが、それぞれ厨房家具の設置部上面に載置され、加熱調理器の荷重を支えるようになっている。
前記トッププレート21の上に磁性を有する、例えば金属から成る鍋等の被加熱物N(以下、単に「鍋」と称する場合有る)が置かれて、その下方に設置された第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6Rによって誘導加熱される構成になっている。
トッププレート21は、図2に破線で示すように長方形である。このトッププレート21を構成する耐熱性の強化ガラス板は、図2に示すように横幅W2が728mm、奥行寸法は前記奥行DP2よりも大きい。図2においてW1は本体部Aを構成する本体ケース2の横幅寸法である。トッププレート21の下方にある、横幅寸法がW3で、奥行き寸法がDP2の長方形の空間が、部品収納室10になる。部品収納室10は、前面壁10Fと、右側壁10R、左側壁10L及び背面(後面)壁10Bをそれぞれ有している。
前記輻射式中央電気加熱部7は、本体部Aの左右中心線CL1上で、かつ、その後部寄りの位置に配置されている。輻射式中央電気加熱部7は、輻射によって加熱するタイプの電気ヒーター(例えばニクロム線やハロゲンヒーター、ラジエントヒーター)が使用され、トッププレート21を通してその下方から鍋等の被加熱物Nを加熱するものである。図1において300は、前記電気加熱手段(シーズヒーター)を駆動する駆動回路である。
図1〜図3において、MCは第1の誘導加熱部6Lの主加熱コイルであり、被加熱物Nを載せるトッププレート21の下方に接近して配置されている。第2図中、破線の円で示したのが鍋等の被加熱物Nの外形である。
また、この主加熱コイルMCは、渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の細い線を30本程束にして、この束(以下、集合線という)を1本又は複数本撚りながら巻き、中心点X1を基点として外形形状が円形になるようにして最終的に円盤形に成形されている。主加熱コイルMCの直径(最大外径寸法)は約180mm〜200mm程度であり、半径R1は90〜100mmである。この実施の形態1では例えば、最大消費電力(最大火力)1500Wの能力を備えている。
SC1〜SC4は、4個の長円形副加熱コイルであり、前記主加熱コイルMCの中心点X1を基点として前後・左右に、かつ等間隔にそれぞれ対称的に配置されており、中心点X1から放射状に見た場合の横断寸法、つまり「厚み」(「横幅寸法」ともいう)WAは、前記主加熱コイルMCの半径R1の50%〜30%程度の大きさであり、図1〜図3の例では、WAは40mmに設定されたものが使われている。また長径MWは前記R1の2倍程度、つまり主加熱コイルMCの直径(最大外径寸法)と同じく180mm〜200mm程度である。なお、主加熱コイルMCの「側方」とは、特に他の説明と矛盾がない場合、図2で言えば右側、左側は勿論、上側と下側(手前側)を含んでおり、「両側」とは左右両方をいうことは勿論、前後及び斜め方向も意味している。
4個の副加熱コイルSC1〜SC4は、前記主加熱コイルMCの外周面に所定の空間(数mmから1cm程度の大きさ)の空間271(図5参照)を保って配置されている。副加熱コイルSC1〜SC4の相互は略等間隔になっている(相互に、空間273を保っている)。この副加熱コイルSC1〜SC4も、集合線を1本又は複数本撚りながら巻き、外形形状が長円形や小判形になるように集合線が所定の方向に巻かれ、その後形状を保つために部分的に結束具で拘束され、又は全体が耐熱性樹脂などで固められることで形成されている。4つの副加熱コイルSC1〜SC4は平面的形状が同じで、縦・横・高さ(厚さ)寸法も全て同一寸法である。従って1つの副加熱コイルを4つ製造し、それを4箇所に配置している。なお、これら4つの副加熱コイルは、定格最大火力が同じに設定されている。
これら4つの副加熱コイルSC1〜SC4は図3に示すように、中心点X1から半径R1の主加熱コイルMCの周囲において、その接線方向が丁度各副加熱コイルSC1〜SC4の長手方向の中心線と一致している。言い換えると長径方向と一致している。
4つの副加熱コイルSC1〜SC4は、それぞれの集合線が長円形に湾曲しながら伸びて電気的に一本の閉回路を構成している。また主加熱コイルMCの垂直方向寸法(高さ寸法、厚さともいう)と各副加熱コイルSC1〜SC4の垂直方向寸法は同じであり、しかもそれら上面と前記トッププレートの下面との対向間隔は同一寸法になるように水平に設置、固定されている。
図3において、DWはこの調理器によって誘導加熱できる金属製の鍋等の被加熱物Nの外径寸法を示す。前記したような主加熱コイルMCの直径や副加熱コイルSC1〜SC4の厚みWAから、この図3の例では、加熱に適する被加熱物Nの外形寸法DWは、220mm〜240mm程度である。外形寸法DWが300mm程度の被加熱物Nも加熱できる。
図1には、誘導加熱調理器1に内蔵された電源装置の回路ブロック図が示されている。電源装置は、三相交流電源を直流電流に変換するコンバーター(例えばダイオードブリッジ回路、または整流ブリッジ回路ともいう)と、コンバーターの出力端に接続された平滑用コンデンサー、この平滑用コンデンサーに並列に接続された第1の誘導加熱部6Lの主加熱コイルMCのための主インバーター回路(電源回路部)MIVと、同様に平滑用コンデンサーに並列に接続された各副加熱コイルSC1〜SC4のための副インバーター回路(電源回路部)SIV1〜SIV4を備える。なお、210Lは、第1の誘導加熱部6Lのインバーター回路であり、前記主インバーター回路MIVと、4つの副インバーター回路SIV1〜SIV4から構成されている。
210Rは、第2の誘導加熱部6Rのためのインバーター回路、210Mは輻射式中央電気加熱部7の駆動回路である。なお、前記第2の誘導加熱部6Rの誘導加熱コイル6RCは、環状に巻かれた1つの加熱コイル又は、内側にあって環状に巻かれた加熱コイルと、この加熱コイルと直列になっている外側の加熱コイルとの二重構成であるから、前記インバーター回路の構成は、前記したインバーター回路210Lの構成とは異なっている。
主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4は、前記コンバーターからの直流電流を高周波電流に変換し、それぞれ主加熱コイルMCおよび副加熱コイルSC1〜SC4に高周波電流を(互いに)独立して供給するものである。
一般に、誘導加熱コイルのインピーダンスは、誘導加熱コイルの上方に載置された被加熱物Nの有無および大きさ(面積)に依存して変化するから、これに伴って前記主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に流れる電流量も変化する。 本発明の電源装置では、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる、それぞれの電流量を検出するための電流検出部(検知回路部)280を有する。この電流検出部は、後述する被加熱物載置判断部400の一種である。
本発明によれば、電流検出部280を用いて、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量を検出することにより、それぞれのコイルの上方に被加熱物Nが載置されているか否か、または被加熱物Nの底部面積が所定値より大きいか否かを推定し、その推定結果を制御部(以下、「通電制御回路」という)200に伝達するので、被加熱物Nの載置状態について精度よく検出することができる。
なお、被加熱物Nの載置状態を検出するための被加熱物載置判断部400として、主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に流れる電流量を検出する電流検出部280を用いたが、これに限定されるものではなく、機械式センサー、光学的センサーなどの他の任意のセンサーを用いて被加熱物Nの載置状態を検知してもよい。
本発明の電源装置の通電制御回路200は、図示のように、電流検出部280に接続されており、被加熱物Nの載置状態に応じて、主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に制御信号を与えるものである。すなわち、通電制御回路200は、電流検出部280で検出された主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量に関する信号(被加熱物Nの載置状態を示すデータ)を受け、被加熱物Nが載置されていないか、あるいは被加熱物Nの直径が所定値(例えば120mmφ)より小さいと判断した場合には、それら主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4への高周波電流の供給を禁止又は(既に供給開始されている場合はそれを)停止するように主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4を選択的に制御する。
本発明によれば、通電制御回路200は、被加熱物Nの載置状態に応じた制御信号を主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に供給することにより、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4への給電を互いに独立して制御することができる。また、中央にある主加熱コイルMCを駆動せず(OFF状態とし)、かつ、すべての副加熱コイルSC1〜SC4を駆動する(ON状態とする)ことにより、フライパンなどの鍋肌(鍋の側面)だけを予熱するといった調理方法も実現可能となる。
次に前記表示手段Gの表示画面100について説明する。
この実施の形態において、前記表示画面100は、全ての加熱源に共通で用いられるものであるため、統合表示手段とも呼ばれる。全ての加熱源とは、第1、第2の誘導加熱部6L、6Rと、輻射式中央電気加熱部7、更にはグリル庫(グリル加熱室)又はロースターと称される電気加熱手段を備えるものでは、当該電気加熱手段も含むものである。この実施の形態1の統合表示手段で使用されている表示画面100は、周知のドットマトリックス型液晶表示画面である。また高精細(320×240ピクセルの解像度を備えているQVGAや640×480ドット、16色の表示が可能なVGA相当)の画面を実現でき、文字を表示する場合でも多数の文字を表示することができる。液晶表示画面は1層だけではなく、表示情報を増やすために上下2層以上で表示するものを使用しても良い。また、単純マトリクス駆動方式を用いたSTN(Super Twisted Nematic)液晶によって構成しても良い。なお、この表示画面を通じて使用者が加熱動作の指令も行えるが、この点については後で説明する。
この実施の形態において、表示画面100の表示領域は、縦(前後方向)約70mm(又は約80mm)、横約100mm(又は約120mm)の大きさの長方形である。
前記表示画面は、図示していないが、表示駆動回路で駆動される。その表示部駆動回路は前記通電制御回路200に接続されている。
また表示部駆動回路は、図示していないが、表示用メモリー、表示コントローラー、インターフェース回路、専用電源、コモンドライバー回路、およびセグメントドライバー回路をそれぞれ備えている。そのため、この表示部駆動回路は、専用電源からの電力により動作し、前記インターフェース回路により表示用メモリーからの画像情報を取得する。また表示用メモリーは、通電制御回路200から取得した画像情報を記憶する。さらに表示コントローラーは、表示用メモリーに記憶された画像情報を読み出し、この画像情報に基づいて、前記コモンドライバー回路およびセグメントドライバー回路を駆動する。コモンドライバー回路およびセグメントドライバー回路は、表示画面100の各画素に対応して設けられた互いに交差する電極に電圧を印加することで液晶を駆動する。このように、表示駆動回路は、表示用メモリーに記憶された画像情報を、必要な都度表示画面100に表示させる。なお、前記表示部駆動回路は、通電制御回路200を構成するマイクロコンピュータとは別の、専用のマイクロコンピュータによって構成されている。
31は温度検出素子(以下、「温度センサー」という)31L(図示せず)備えた温度検出回路である。前記温度センサーの温度感知部は、第1の誘導加熱部6Lの誘導加熱コイル6LCの中央部に設けた主加熱コイルMCの内側空間に設置されている。この温度センサーは被加熱物Nから放射される赤外線の量を検知して温度を測定する赤外線式の温度センサーである。なお、第2の誘導加熱部6Rの誘導加熱コイル6RCにも同様に赤外線式の温度センサー31R(図示せず)が設置されている。温度感知部は1つに限る必要はなく、被加熱物Nの底面の温度をできるだけ正確に捉えるため、間隔を置いて複数個設けても良い。例えば主加熱コイルMCの内側と、主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4の間の空間、あるいは副加熱コイルSC1〜SC4の内側の空間に設置して良い。
赤外線式の温度センサーは、鍋等の被加熱物Nから放射される赤外線の量を検知して温度を測定できるフォトダイオード等から構成されており、被加熱物Nから放射された赤外線を集約させ、かつリアルタイムで(時間差が殆んどなく)受信してその赤外線量から温度を検知できることで(サーミスタ式よりも)優れている。この温度センサーは、被加熱物Nの手前にあるトッププレート21の温度と被加熱物Nとの温度が同じでなくても、またトッププレート21の温度に拘わらず、被加熱物Nの温度を検出できる。すなわち、被加熱物Nから放射される赤外線がトッププレート21に吸収されたり遮断されたりしないように工夫しているためである。
トッププレート21は4.0μm又は2.5μm以下の波長域の赤外線を透過させる素材が選択されており、一方、温度センサーは4.0μm又は2.5μm以下の波長域の赤外線を検出するものが選択されている。
なお、温度センサーは、伝熱式の検知素子、例えばサーミスタ式温度センサーでも良い。サーミスタ等の伝熱式のものである場合には、前記した赤外線式温度センサーと比較すると急激な温度変化をリアルタイムで捕捉することでは劣るが、トッププレート21や被加熱物Nからの輻射熱を受け、被加熱物Nの底部やその直下にあるトッププレート21の温度を確実に検出できる。また被加熱物Nが無い場合でもトッププレート21の温度を検出できるものである。
また前記温度センサーと温度検出回路31は、被加熱物Nが主・副加熱コイルの上に置かれていないことを検知する手段である前記被加熱物載置判断部400の一部にもなっている。つまり電流検出部280とこの温度検出回路31は、被加熱物載置判断部であると言える。
40L、40Rは、図2に一点鎖線で示しているように、前記前側フランジ板3Fの上方に左右に離れてそれぞれ設置された上面操作部である。これら操作部は、トッププレート21の表面に形成した各種入力キーからの指令を受けて、第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R、輻射式中央電気加熱部7の通電時間や火力などを設定できる。後述する表示画面100の表面の静電容量式タッチ入力用の各種キーによる設定とは独立して通電条件を設定できる。
50は、第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R、輻射式中央電気加熱部7の全ての電源を一斉に投入・遮断する主電源スイッチ(図示せず)の操作キーであり、使用者が押し下げると電源が入り、再度押すと電源が切れるという構造になっている。
次に具体的な動作について説明するが、その前に本発明でいう制御手段Fの中核を構成している通電制御回路200で実行可能な主な「動作モード」について説明する。
「高速加熱モード」(加熱速度を優先させた動作メニューで、第1の選択部E1で選択)
被加熱物Nに加える火力を手動で設定できる。
主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力は、150W〜3000Wまでの範囲で次の16段階(第1段〜第16段)の中から使用者が1段階選定する。
150W(第1段)、200W(第2段)、300W(第3段)、400W(第4段)、500W(第5段)、625W(第6段)、750W(第7段)、875W(第8段)、1000W(第9段)、1250W(第10段)、1500W(第11段)、1750W(第12段)、2000W(第13段)、2250W(第14段)、2500W(第15段)、3000W(第16段)。なお、3000Wを定格最大火力、150Wを定格最小火力と呼ぶ場合がある。これは以下の各種動作モードに拘わりなく、共通である。
主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の火力比(以下、「主副火力比」という)は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、かつ所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時に駆動されるが、この場合、両者の隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。
「揚げ物モード」(自動)(加熱速度と保温機能を要求される調理に適した動作モードで、第3の選択部E3で選択)
揚げ物油を入れた被加熱物N(天ぷら鍋等)を所定の温度まで加熱し(第1工程)、その後被加熱物Nの温度を所定範囲に維持するように、通電制御回路200が火力を自動的に調節(第2工程)する。
第1工程:所定の温度(例えば180℃)まで急速に加熱する。
主加熱コイル火力は2500W
第2工程:ここで揚げ物が実施され、天ぷらの具材等が投入される。最大30分間運転。この工程では、火力設定部による(任意の)火力設定は禁止される。30分経過後に自動的に加熱動作終了(延長指令も可能)。
主副火力比は、第1工程、第2工程とも所定範囲内になるように自動的に決定され、使用者が主加熱コイルと副加熱コイルの火力比を任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで自動的に変化する。
主・副加熱コイルは、第1工程では同時駆動され、互いの隣接する領域でのコイルの高周波電流の流れが一致。これは、所定温度まで急速に加熱するため。第2工程でも、同様に同時駆動され、電流の流れは一致させる。但し、揚げ物途中で温度の変化が少ない状態が継続すると、電流の向きを反対にし、加熱の均一化を図る。
「予熱モード」(加熱の均一性を優先させた動作モード。第2の選択部E2で選択) 火力設定や変更を禁止して、予め決められた火力で被加熱物Nを加熱する第1予熱工程を行い、第1予熱工程終了後は(温度センサーからの検出温度信号を利用して)被加熱物Nを所定温度範囲に維持する保温工程を行う。
予熱工程:
主加熱コイル1000W(固定)
副加熱コイル1500W(固定)
保温工程:最大5分間。この間に(任意の)火力設定が行われない場合、5分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル300W〜100W(使用者には設定不可能)
副加熱コイル300W〜100W(使用者には設定不可能)
任意の火力設定を保温工程期間中した場合、高速加熱と同じになる。
任意の火力設定は、主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力が、150W〜3000Wまでの範囲で次の16段階の中から使用者が1段階を選定できる。
150W、200W、300W、400W、500W、625W、750W、875W、1000W、1250W、1500W、1750W、2000W、2250W、2500W、3000W。
この場合、主副火力比は、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)1:3〜(小火力時)1:1まで。
主・副加熱コイルは、予熱工程では同時に駆動されるが、その際互いに隣接する領域での高周波電流の流れが正反対方向。これは、隣接領域では双方の加熱コイルから発生させた磁束を干渉させ、加熱強度を均一化させることを重視するため。保温工程でも同時駆動されるが、互いに隣接する領域での高周波電流の向きは反対である。これは全体の温度分布均一化のためである。
なお、保温工程では、使用者の指令に基づいて対流促進制御が開始される。この対流促進制御については後述する。
「湯沸しモード」(加熱速度を優先させた動作モードで、第1の選択部E1で選択)
被加熱物N内の水を、使用者が任意の火力で加熱開始し、水が沸騰(温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から通電制御回路200が沸騰状態と判定した際に、表示手段Gによって使用者にその旨を知らせる。その後火力は自動的に設定され、そのまま2分間だけ沸騰状態維持する。
湯沸し工程:
主加熱コイルと副加熱コイル合計の火力が150W〜3000W(火力1〜火力9まで16段階の中から任意設定。デフォルト設定値は火力13=2000W)。
主副火力比は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
保温工程:最大2分間。2分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル1000W以下(使用者には設定不可能)
副加熱コイル1500W以下(使用者には設定不可能)
この期間中に、使用者が任意の火力を設定した場合、高速加熱と同じになる。火力も150W〜3000Wの範囲にある16段階の中から任意に一つ選択可能。
沸騰までは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時駆動され、その際に互いに隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。沸騰後は電流の向きは反対になる。
「炊飯モード」(加熱の均一性を優先させた動作モード。第2の選択部E2で選択)
使用者が米飯と水を適当量入れた被加熱物Nとなる容器をセットし、その容器を所定の炊飯プログラム(吸水工程・加熱工程・沸騰工程・蒸らし工程などの一連のプログラム)に従って加熱し、自動で炊飯を行う。
吸水工程及び炊飯工程
主加熱コイル600W以下(使用者には設定不可能。工程の進行に応じて自動的に変化)
副加熱コイル700W以下(使用者には設定不可能。工程の進行に応じて自動的に変化)
蒸らし工程:5分間
主コイル 加熱ゼロ(火力 0W)
保温工程:最大5分間。
主加熱コイル200W以下(使用者には設定不可能)
副加熱コイル200W以下(使用者には設定不可能)
主・副加熱コイルは同時に駆動されるが、その互いに隣接する領域での高周波の電流の流れが反対方向となるように制御される。これは、隣接領域で双方の加熱コイルから発生させる磁束を互いに干渉させ、加熱強度を均一化させることを重視するためである。
なお、炊飯工程終了後、被加熱物Nが主・副加熱コイルの上に置かれていないことが検知回路部(被加熱物載置判断部)280によって検知された場合、または蒸らし工程や保温工程の何れかにおいて、同様に被加熱物Nが主・副加熱コイルの上に同時に置かれていないことが被加熱物載置判断部によって検知された場合、主・副加熱コイルは、加熱動作を直ちに中止する。
「茹でモード」(加熱速度を優先させた動作モードで、第1の選択部E1で選択)
加熱工程(沸騰まで):
被加熱物Nに加える火力を手動で設定できる。
主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力は、150W〜3000Wまでの範囲で次の16段階の中から使用者が1段階選定する。
150W、200W、300W、400W、500W、625W、750W、875W、1000W、1250W、1500W、1750W、2000W、2250W、2500W、3000W。
デフォルト値は2000W(使用者が火力を選択しない場合、2KWで加熱開始)。
主副火力比は、所定の火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
沸騰以後:
水が沸騰(温度検出回路31の温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から制御部は沸騰状態と推定)した際に、使用者にその旨を知らせる。
その後連続30分間(延長可能)、沸騰状態を維持するようにデフォルト値(600W)で自動的に加熱動作を継続するが、使用者が沸騰以後の火力を任意に選んでも良い。
沸騰までの加熱工程全域に亘り、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時駆動され、互いに隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。また沸騰以降は使用者の操作に基づいて対流促進制御が開始される。この対流促進制御については後述する。
「湯沸し+保温モード」(加熱速度と均一性を優先させた動作モードで、第3の選択部E3で選択)
被加熱物N内の水を、使用者が任意の火力で加熱開始し、水が沸騰(温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から制御部は沸騰状態と推定)した際に、使用者には表示手段Gよってその旨を知らせる。その後火力は自動的に設定され、そのまま2分間だけ沸騰状態維持する。
湯沸し工程:
主加熱コイルと副加熱コイル合計の火力が150W〜3000W(火力1〜火力9まで16段階の中から任意設定。デフォルト設定値は火力13=2000W)。
主副火力比は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
保温工程:最大10分間。10分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル1000W以下(使用者には設定不可能)
副加熱コイル1500W以下(使用者には設定不可能)
沸騰までは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。沸騰後は電流の向きは反対になる。また沸騰以降は使用者の操作に基づいて対流促進制御が開始される。この対流促進制御については後述する。
「煮込みモード」(加熱の均一性を優先させた動作モード。第2の選択部E2で選択)
加熱工程(沸騰まで):
被加熱物Nに加える火力を手動で設定できる。
任意に火力設定する場合、主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力は、150W〜3000Wまでの範囲で次の16段階の中から使用者が1段階選定する。
150W、200W、300W、400W、500W、625W、750W、875W、1000W、1250W、1500W、1750W、2000W、2250W、2500W、3000W。
デフォルト値は2000W(使用者が火力を選択しない場合、2000Wで加熱開始)。
主副火力比は、所定の火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
沸騰以後:
水や調理液が沸騰(温度検出回路31の温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から制御部は沸騰状態と推定)した際に、使用者にその旨を知らせる。
その後最長で連続30分間(短縮も延長も1分刻みで任意に設定可能)、次のような通電パターンで主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4を駆動する。なお、4つの副加熱コイルの上方に鍋がなく、3個以下の副加熱コイルしか駆動しない場合には、煮込みモード適用しない。
以下の通電パターンである。
以下の第1の区間〜第5の区間の加熱動作を2回以上繰り返す通電パターンをいう。
第1の区間:主加熱コイルMCを駆動する。
第2の区間:加熱休止期間を設ける(主加熱コイルMC、副加熱コイルともに駆動しない)。
第3の区間:一部(2個)の副加熱コイルを駆動する(他の副加熱コイルは駆動しない)。
第4の区間:加熱休止期間を設ける(主加熱コイルMC、副加熱コイルともに駆動しない)。
第5の区間:残りの2個の副加熱コイルを駆動する(他の副加熱コイルは駆動しない)。
以下、図4を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の基本動作について説明する。まず主電源の操作キー50を投入して加熱準備動作を使用者が操作部(図示せず)で指令した場合、前記電流検出部280を用いて、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量を検出することにより、それぞれのコイルの上方に被加熱物Nが載置されているか否か、または被加熱物Nの底部面積が所定値より大きいか否かを判定し、この結果を制御部である通電制御回路200に伝達する(ステップMS1)。
適合鍋であった場合、通電制御回路200は操作手段E又はその近傍に設置されている表示手段Gの、例えば液晶表示画面に対し、希望する調理メニューを選択するように促す表示をする(MS2)。適合しない変形鍋(底面が凹んだもの等)や異常に小さい鍋等の場合は、加熱禁止処理がされる(MS6)。
使用者が調理のための動作モード、火力、調理時間などを操作部で選択、入力した場合(MS3)、本格的に加熱動作が開始される(MS4)。
表示手段Gの表示画面100に表示される動作モードとしては、上記した「高速加熱モード」、「揚げ物モード」、「湯沸しモード」、「予熱モード」、「炊飯モード」、「茹でモード」、「湯沸し+保温モード」、「煮込みモード」という8つである。以下の説明ではモードという記述を省略し、例えば「高速加熱モード」は「高速加熱」と記載する場合がある。
使用者がこれら8つの動作モードの中から任意の一つを選択した場合、それらモードに対応した制御方法が、通電制御回路200の内蔵プログラムによって自動的に選択され、主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4のそれぞれの通電可否や通電量(火力)、通電時間などが設定される。動作モードによっては使用者に任意の火力や通電時間等を設定するように促す表示が表示部にて行われる(MS5)。
なお、前記図1の選択部E1、E2、E3は合計3つであるのに対し、前記表示手段Gに表示される動作モードは合計で8つあるが、実際には図10に示すように、E1の中に、「高速加熱」E1Aと「湯沸し」E1B、「茹で」E1Cの3つを選択できるキーがある。同様に選択部E2の中に「予熱」E2A、「炊飯」E2B、「煮込み」E2Cの3つが、また選択部E3の中に「湯沸し+保温」E3Aと「揚げ物」E3Bの2つのキーがある。
(焦げ付き抑制制御)
次に、「煮込みモード」で重要な「焦げ付き抑制制御」について説明する。なお、沸騰以降又は沸騰直前、例えば98℃まで被加熱物Nの温度が上昇したことを温度センサーが検知した場合、または調理開始からの経過時間から沸騰状態に近いと通電制御回路200が判定した場合等においては、それ以降において使用者の任意に指令した時期、例えば操作直後に、焦げ付き抑制制御が開始されるようにしておくことが望ましいが、特定の調理メニューの場合、沸騰状態になったら使用者が禁止したり、途中で加熱停止したりしない限り、自動的に焦げ付き抑制制御に移行するようにしても良い。
この制御は、主加熱コイルMCの駆動しない期間中において、第一の組の副加熱コイルまたは第二の組の副加熱コイルのいずれかによって被加熱物Nを繰り返し加熱するものである。
図5(A)は、主加熱コイルMCのみ主インバーター回路MIVからの高周波電流が供給され、加熱駆動されている状態を示す。この場合、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は主加熱コイルMCの真上の部分で加熱される。また、主加熱コイルMCの火力は、100〜500W程度の小さな火力とする。なお、主加熱コイルMCや各副加熱コイルSC1〜SC4の部分にハッチングを施しているが、その部分は加熱駆動されていることを示している。
同じく図5(B)は、第一の組の副加熱コイルSC2、SC3のみに高周波電流がインバーター回路SIV2、SIV3より供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC2、SC3の真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は副加熱コイルSC2、SC3の真上の部分で加熱される。また、副加熱コイルSC2、SC3の火力の総和は、100〜300W程度の小さな火力とする。
同じく図5(C)は、第二の組の副加熱コイルSC1、SC4のみに高周波電流がインバーター回路SIV1、SIV4より供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC1、SC4の真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は副加熱コイルSC1、SC4の真上の部分で加熱される。また、副加熱コイルSC1、SC4の火力の総和は、100〜300W程度の小さな火力とする。
主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4で同時に加熱する場合、カレー、シチューなどの粘性が高い被加熱物は、なべ底にルーやじゃがいもなどの具材が張り付いて、なべ底温度が高くなり、焦げ付きやすくなってしまう。その場合、ルーや具がなべ底に張り付いている部分が局所的に温度が高くなり、焦げ付きやすくなってしまう。
また、火力の弱い、煮豆などの調理をする場合は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4で同時に加熱すると煮汁の温度が上昇しすぎて、うまく煮ることができない。
前記の通り、主加熱コイルMC→第一の組の副加熱コイルSC2、SC3→第二の組の副加熱コイルSC1、SC4の順に加熱をすることにより、加熱箇所が対角線上で移動することで、具材が冷める期間が設けられ、なべ底の温度を局部的に上昇せずに、焦げ付きを防止することができる。また、弱い火力で長時間煮込むのに適した火力を持続することができる。
図6は、図5で動作時の被調理物(例えば、カレーなど)を加熱したときの被加熱物(鍋)の底の温度変化と電力の関係を示すグラフの一例である。実線は、通常の温度変化。破線は、なべ底にじゃがいもなどの具が張り付いているときの温度変化を示す。
まず、通常の温度変化(実線)の温度グラフについて説明する。第1の区間T1〜第2の区間T2では、温度t0からt0+5℃まで上昇する。第3の区間T3〜第6の区間T6では、温度t0+5℃からt0まで下降する。
次に、なべ底にじゃがいもなどの具が張り付いているときの温度変化(破線)の温度グラフについて説明する。第1の区間T1〜第2の区間T2では、温度t0からt0+10℃まで上昇する。第3の区間T3〜第6の区間T6では、温度t0+10℃からt0まで下降する。具が張り付いている部分のほうが、温度が上昇しやすくなる。
上記のように、図5のように加熱コイルの加熱部位を、中心部〜対称的な周辺部〜別の対称的な周辺部、へと時間的に移動させることにより、鍋底の温度を平均的に制御することができ、被調理物の温度を局部的に上げることなく、焦げ付きを抑制することができる。
図7(A)は、図5の加熱動作について、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングを示した説明図であり、加熱駆動される高周波電流が印加されている状態を「ON」、印加されていないOFF状態を「OFF」と表示している。
図7(A)の通り、所定の時間間隔で構成される第1の区間T1〜第6の区間T6において、第1の区間T1は、主加熱コイルMCがON。第2の区間T2は、全コイルOFF。第3の区間T3は、第一の組の副加熱コイルSC2、SC3がON。第4の区間T4は、全コイルOFF。第5の区間T5は、第二の組の副加熱コイルSC1、SC4がON。第6の区間T6は、全コイルOFFとなる。
この図7(A)で示す第1の区間T1〜第6の区間T6の火力は、図7(B)の通り、第1の区間T1は、主加熱コイルMCが100W。第3の区間T3は、第一の組の副加熱コイルSC2、SC3が400W。第5の区間T5は、第二の組の副加熱コイルSC1、SC4が400Wとなる。なお、図7の「火力1」は、前記した16段階の火力でいう第1段火力(150W)とは異なる。
また、図7(A)で示す第1の区間T1〜第6の区間T6の時間は、図7(C)の通りである。すなわち、第1の区間T1は40秒。第2の区間T2は5秒。第3の区間T3は40秒。第4の区間T4は5秒。第5の区間T5は40秒。第6の区間T6は5秒となる。ここで、第1の区間T1全体に亘り主加熱コイルMCを通電(ON)状態にするため、この第1の区間の長さを「第1の区間時間」という。また同じく区間T2の長さを「第2の区間時間」という。区間T3の長さは「第3の区間時間」という。以下このように各区間の長さを特定する場合、このような方法で表現する。
この図7(A)で示す第1の区間T1〜第6の区間T6の区間時間は、それぞれ1〜60秒程度でよい。なお、1〜60秒程度という意味は、第1の区間時間〜第6の区間時間を全て10秒間隔にし、次にまた第1の区間T1〜第6の区間T6の制御をする場合は、前記区間時間(10秒)と同じ時間にする場合、及び異なる時間にする場合、の2つのケースを意味する。後者のケースでは、例えば第1の区間T1〜第6の区間T6を全て15秒間隔にすることが考えられる。なお、第1の区間時間と第2の区間時間、また第3の区間時間と第4の区間時間が異なっても良い。例えば第1の区間T1は10秒間、第2の区間T2は15秒間、第3の区間T3は10秒間、第4のT4は15秒間と設定することである。
また以上の説明では、第6の区間T6までの動作を説明したが、T7〜T12というようにさらに区間を6個設けると、前記した第1の区間T1〜第6の区間T6の動作が再び行われることになる。区間T12まで設ければ、例えば第1の区間T1〜第4の区間T4における主加熱コイルMCと、第1、第2副加熱コイルSC1〜4の動作は、第7の区間T7〜第10の区間T10で再び前記第1の区間T1〜第4の区間T4と同様に行われ、これら3組個の加熱コイルは同じ通電パターンを2回繰り返したことになる。第13の区間T13以後も同様に行って良い。これはこれ以降に述べる図9(A)の通電例でも同様であり、この発明は第1の区間T1から第6の区間T6までの間で調理を完了するというものではなく、第7の区間T7以後も同様な動作を繰り返し行うものである。第1の区間T1〜第7の区間T7までの動作を少なくとも2回行うが、3回以上行っても良い。
この図7(A)から分かるように、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4いずれかのコイルがONした後は、必ずOFF期間を設ける。OFF期間を設けることにより、一旦被加熱物Nの中で発生していた煮汁(被調理液)の上下方向の対流が静止又はその対流速度が遅くなり、煮汁と、その中に混在している肉や野菜等の固形物や溶解物の具材との位置関係が変化することで熱の均等化、分散化が図れ、局部的な過熱を抑制できる。更にOFF期間の長さによっては、一度調理物が冷め、味のしみ込みを促進することでき、かつ焦げ付きを防止することができる。
また、図5の主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングは、主加熱コイルMCから第一の組の副加熱コイルSC2、SC3、さらに第二の組の副加熱コイルSC1、SC4へという順としているが、順番を変えても良い。例えば、主加熱コイルMCから第二の組の副加熱コイルSC1、SC4へ、次に第一の組の副加熱コイルSC2、SC3へ、というように副加熱コイルのONタイミングの順番を変えても良い。
また、鍋底の温度が約140℃前後になると焦げ付きが起きやすいとされている。よって、焦げ付き抑制制御で動作中に温度検出回路31が一定の温度を検知した場合、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4の火力を下げてもよい。その一定の温度とは、例えば130℃又は135℃である。
(対流促進制御)
次に、第2の発明に関する「対流促進制御」について説明する。なお、沸騰以降又は沸騰直前、例えば98℃まで被加熱物Nの温度が上昇したことを温度センサーが検知した場合、または調理開始からの経過時間から沸騰状態に近いと通電制御回路200が判定した場合等においては、それ以降において使用者の任意に指令した時期、例えば操作直後に、対流促進制御が開始されるようにしておくことが望ましいが、特定の調理メニューの場合、沸騰状態になったら使用者が禁止したり、途中で加熱停止したりしない限り、自動的に対流促進制御に移行するようにしても良い。
この制御は、主加熱コイルMCの駆動しない期間中において、全ての副加熱コイルSC1〜SC4によって被加熱物Nを加熱するものである。主加熱コイルMCや各副加熱コイルSC1〜SC4の部分にハッチングを施しているが、その部分は加熱駆動されていることを示している。
図3(B)は、主加熱コイルMCのみ主インバーター回路MIVからの高周波電流が供給され、加熱駆動されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された、例えば煮物などの煮汁は主加熱コイルMCの真上の部分で加熱され、上昇気流が発生する。従って、この状態を継続すると、図3(B)に矢印YCに示したように、外側に向かって対流を発生させることができる。このことにより具材に煮汁がかかる。また、主加熱コイルMCの火力は、750W〜1000W程度の中〜強火力とする。
同じく図3(A)は、副加熱コイルSC1〜4に、高周波電流がインバーター回路SIV1〜4よりそれぞれすべてに供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された、例えば煮物などの煮汁は副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分で加熱され、上昇する流れが発生する。従って、この状態を継続すると、図3(A)に矢印YCに示したように、内側に向かって対流を発生させることができる。このことにより具材に煮汁がかかる。また、副加熱コイルSC1〜4の火力の総和は、750W〜1500W程度の中〜強火力とする。
主加熱コイルMC→副加熱コイルSC1〜4に交互に火力を入れることにより、中〜強の火力で加熱しても、局部的になべ底の温度が上がることを防ぎ、焦げ付きを抑制できる。また、交互に火力を入れることにより、煮汁が調理物にまんべんなくかかり、使用者が調理物をかき混ぜなくても煮汁を浸透させることができる。また、煮魚、肉じゃがなどの煮物を作る場合、途中で使用者が強制的にかき混ぜると、具材が煮崩れてしまうが、この制御によれば、そのような煮崩れを抑制できる。
図8は、図3で動作時の被調理物(例えば、肉じゃがなど)を加熱したときの被加熱物(鍋)の底の温度変化と電力の関係を示すグラフの一例である。
第1の区間T1〜第2の区間T2では、温度t0からt0+5℃まで上昇する。第2の区間T2〜第3の区間T3では、t0+5℃を保っている。第4の区間T4では、温度t0+5℃からt0まで下降する。
上記のように、図3のように主加熱コイルMCから副加熱コイルSC1〜4に交互に火力を入れ、間に休止期間を入れることにより、なべに対流を起こし、一度調理物が冷め、味のしみ込みを促進することできる。
図9(A)は、図3の加熱動作について、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングを示した説明図であり、加熱駆動される高周波電流が印加されている状態を「ON」、印加されていないOFF状態を「OFF」と表示している。
図9(A)の通り、所定の時間間隔で構成される複数個の区間T1〜T4において、T1区間は、主加熱コイルMCがON。T2区間は、全コイルOFF。T3区間は、副加熱コイルSC1〜4がON。T4区間は、全コイルOFFとなる。
この図9(A)で示す区間T1の長さ(第1の区間時間)は40秒。第2の区間T2の長さ(第2の区間時間)は5秒。第3の区間時間は40秒。第4の区間時間は5秒となる。なお、この図9で示した「対流促進制御」の第1の区間時間〜第4の区間時間は、図7で示した「煮込みモード」の第1の区間時間〜第4の区間時間と全く同じであるが、このように同一にする必要はない。
この図9(A)で示す区間T1〜T4の火力について説明する。
図9(B)「火力2」の場合は、第1の区間T1は、主加熱コイルが500W。第3の区間T3は、第一の組の副加熱コイルSC2、SC3が600W(2つの副加熱コイルの合計値)、第二の組の副加熱コイルSC1、SC4が600W(同じく、2つの副加熱コイルの合計値)となる。
また、図9(B)「火力3」の場合は、区間T1は、主加熱コイルが700W。区間T3は、第一の組の副加熱コイルSC2、SC3が750W(2つの副加熱コイルの合計値)、第二の組の副加熱コイルSC1、SC4が750W(2つの副加熱コイルの合計値)となる。
ここで、「火力2」は、中火で20〜30分程度煮込む、肉じゃが、煮物などの調理に適した火力を設定している。「火力3」は、中火〜強火で短時間煮込む、煮魚などの調理に適した火力を設定している。
また、図9(A)で示す第1の区間T1〜第4の区間T4の、それぞれの「区間時間」(「区間」を「期間」と呼ぶ場合は、「期間時間」という)は、図9(C)の通りである。すなわち、第1の区間時間は40秒。第2の区間時間は5秒。第3の区間時間は40秒。第4の区間時間は5秒となる。
この図9(A)で示す第1の区間T1〜第4の区間T4の各区間時間は、それぞれ1〜60秒程度でよい。なお、1〜60秒程度という意味は、第1の区間T1〜第4の区間T4を全て10秒間隔にし、次にまた第1の区間T1〜第4の区間T4の制御をする場合は、10秒と同じ時間にする場合、及び異なる時間にする場合、の2つのケースを意味する。後者のケースでは、例えば第1の区間T1〜第4の区間T4を全て15秒間隔にすることが考えられる。なお、第1の区間T1と第2の区間T2、また第3の区間T3と第4の区間T4の、各区間時間が異なっても良い。例えば第1の区間T1の第1の区間時間は10秒間、第2の区間時間は15秒間、第3の区間時間は10秒間、第4の区間時間は15秒間に設定することである。
この図9(A)から分かるように、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4いずれかのコイルがONした後は、必ずOFF期間を設ける。OFF期間を設けることにより、一度調理物が冷め、味のしみ込みを促進することでき、かつ焦げ付きを防止することができる。なお、図9の(B)(C)における「火力2」、「火力3」は、前記した15段階の火力でいう第2段火力(200W)第3段火力(300W)とは異なる。
なお、前記「煮込みモード」において、図5の主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングは、主加熱コイルMCから第一の組の副加熱コイルSC2、SC3に、次に第二の組の副加熱コイルSC1、SC4へ、という順にしているが、主加熱コイルMCから第二の組の副加熱コイルSC1、SC4へ、次に第一の組の副加熱コイルSC2、SC3のように、主加熱コイルMC以降の副加熱コイルの中の駆動順番を変えても良い。またこのように第1の区間T1〜第4の区間の動作を2回繰り返したあと、3回目は、1回目、2回目の通電順番と異ならせても良い。
(まとめ)
第1の発明に係る誘導加熱調理器は、特に図5、図7に示したように「煮込みモード」に適する制御として以下の構成を備えている。
すなわち、トッププレート21の下方に水平に配置された円環状の主加熱コイルMCと、前記主加熱コイルの側部に近接して配置され、主加熱コイルの半径より小さな横幅寸法を有する扁平形状の4個以上の副加熱コイルSC1〜SC4と、前記主加熱コイルMC及び全ての副加熱コイルSCにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路MIV、SIV1〜SIV4と、前記インバーター回路の出力を制御する制御部(通電制御回路)200と、前記制御部200に「煮込みモード」を含む複数の動作モードを指示する操作手段Eと、を有し、前記制御部は、前記「煮込みモード」で被加熱物を加熱する場合、前記副加熱コイルSC1〜SC4を、半数以上で全数未満の、互いに主加熱コイルMCを挟んで対称的位置にある2つの副加熱コイルからなる第1の組(SC2とSC3)と残りの副加熱コイルからなる第2の組(SC1とSC4)とに分け、前記制御部200は、第1の区間T1中に前記主加熱コイルMCに前記インバーター回路MIVから誘導加熱電力を供給し、この後の第2の区間T2においては前記主加熱コイルMCおよび前記第1の組(SC2とSC3)および第2の組(SC1とSC4)の副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止し、この後の第3の区間T3では前記主加熱コイルMCを駆動せず、この期間中に前記第1の組の副加熱コイル(SC2とSC3)に前記インバーター回路から誘電加熱電力を供給し、この後の第4の区間T4では前記主加熱コイルおよび前記第1の組および第2の組の副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止し、この後の第5の区間T5では前記主加熱コイルと第1の組の副加熱コイル(SC2とSC3)への誘電加熱電力供給を停止し、この期間中に前記第2の組の副加熱コイル(SC1とSC4)に前記インバーター回路から誘電加熱電力を供給し、この後の第6の区間T6では前記主加熱コイルおよび前記第1の組および第2の組の副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止するものであり、前記第1の区間T1〜第6の区間T6の通電切り替え動作を複数回繰り返すものである。これにより、焦げ付きを防止できる。
また、この実施の形態における誘導加熱調理器は、特に図3に示したように被調理液の対流を促進する制御に適する動作を実現するため、以下の構成を備えている。
すなわち、トッププレート21の下方に水平に配置された円環状の主加熱コイルMCと、前記主加熱コイルMCの側部にそれぞれが近接して配置され、主加熱コイルの半径より小さな横幅寸法を有する扁平形状の4個以上の副加熱コイルSC1〜SC4と、前記主加熱コイルMC及び全ての副加熱コイルSCにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路MIV、SIV1〜SIV4と、前記インバーター回路の出力を制御する制御部(通電制御回路)200と、前記制御部200に「対流促進モード」を含む複数の動作モードを指示する操作手段Eと、を有し、前記副加熱コイルSCを、半数以上で全数未満の互いに主加熱コイルMCを挟んで対称的位置にある2つの副加熱コイルからなる第1の組(SC2とSC3)と残りの副加熱コイルからなる第2の組(SC1とSC4)とに分け、前記制御部200は、前記「対流促進モード」を行う場合、第1の区間T1では前記第1及び第2の何れの組の副加熱コイルを駆動せずに、前記主加熱コイルMCに前記インバーター回路MIVから誘導加熱電力を供給し、この後の第2の区間T2では前記主加熱コイルMCおよび前記第1の組(SC2とSC3)および第2の組(SC1とSC4)の副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止し、この後の第3の区間T3では前記主加熱コイルMCへの誘電加熱電力供給を停止したまま、この期間中に前記第1の組および第2の組の副加熱コイルに前記インバーター回路から誘電加熱電力を供給し、この後の第4の区間では前記主加熱コイルおよび前記第1の組および第2の組の副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止しているものであり、これら第1の区間T1〜第4の区間T4の通電切り替え動作を複数回繰り返すものである。これにより、被加熱物の中にある水や煮物汁などの液体に対流の発生を促進できる。
なお、実施の形態における「煮込みモード」や「対流促進モード」では、前記第1の区間T1における第1の区間時間と、第3の区間T3における第3の区間時間とは、それぞれ40秒で統一されていた。このように主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4をそれぞれ駆動する時間は、被加熱物Nを加熱するために所定の長さにする必要がある。実験の結果から、実施の形態では40秒にしたが、30秒〜60秒の範囲で決めても良い。駆動時間が長すぎると局部的な焦げの発生が懸念される。
一方、前記第2の区間T2における第2の区間時間と、第4の区間T4における第4の区間時間とは、それぞれ5秒で統一されていた。このように主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4をそれぞれ駆動しない時間、つまり加熱を休止している時間は、被加熱物Nの中の調理液の対流を一端落ち着かせるために必要であるから。あまりに短いと休止効果が出ないので、この実施の形態では実験の結果から、5秒にしたが、2〜10秒の範囲で決めても良い。なお、その他の区間時間もこのような考え方で設定すれば良い。
さらに本発明で説明した通電制御回路200や温度検出回路31、被加熱物載置判断部400などの動作は、マイクロコンピュータや各種半導体記憶装置(ROM、RAMなど)を備えた電子機器、情報機器にて実行できるプログラムの形態で実現、提供できるものである。そのため、当該プログラムの形態で記録媒体を介して配布したり、インターネットの通信回線を用いて配信したりすることが可能となり、本発明で示した新しい制御機能の配布、更新、インストール等の作業によって使い勝手の向上した調理器を提供することも期待できる。
なお、温度検出回路31が所定温度、例えば沸騰状態(約100℃)やその直前の温度(例えば98℃)を検知した場合、通電制御回路200は当該検知以後、主加熱コイルMCと副加熱コイルに対する通電状態を所定の区間に応じ制御するが、複数の区間を経過した時点で前記したように、単一の期間(区間)毎の火力を減らしたり、あるいはその区間の時間間隔を短くしたりする制御を採用しても良い。この場合、被加熱物Nに対する加熱の熱量(例えばそれ以後の3つの区間の累積熱量)を減少させるから、被調理物の含水率が徐々に低下している状態であっても焦げ付きの発生を抑制することができるという効果も更に期待できる。
また、主加熱コイルMCや副加熱コイル、例えば図2においてSC1で加熱される領域の温度を個別に検知できるように、温度センサーを主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1の近傍又はその内側空間にそれぞれ設け、次のような制御を行うことで更に焦げ付き防止をすることができる。
(a)温度検出回路31が、一方の副加熱コイルSC1を所定火力で駆動した場合、その副加熱コイルSC1の上方にある鍋の部分的な温度が何度であるかどうかを検知するようにする(このとき、同時に主加熱コイルMCも駆動していて良い)。
(b)主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1等を駆動した場合の温度上昇傾向、例えば1000W投入した場合に、75℃から85℃に至る間の所要時間又は温度上昇率を、予め1000Wで水を加熱した場合のデータ(基準値1)と比較する(通電制御回路200がこのよう比較判定処理を行う)。
(c)基準値1よりも時間が短い場合、又は温度上昇率が大きい場合、被調理液体(例えばカレーなど)の粘性が高いと通電制御回路200は判定する。
(d)当該判定以後、主加熱コイルMCと副加熱コイルに対する通電状態を変化させる(例えば総和火力を1段階落として主・副加熱コイル全体で875W又は2段階落として750W以下になるようにするか、あるいは主・副加熱コイルの通電継続時間を短くし、単位時間あたりの加熱量を低下させる)。
(e)上記(d)の処理により例えば750W投入してさらに加熱継続した場合に、85℃から95℃に至る間の所要時間又は温度上昇率を、予め750Wで水を加熱した場合のデータ(基準値2)と比較する(通電制御回路200でこれを行う)。
(f)基準値2よりも時間を要した場合、又は温度上昇率が小さい場合、被調理液体(例えばカレーなど)の粘性は低い状態にあると通電制御回路200は判定する(例えばカレーは温度上昇に伴って途中から粘性が低くなる)。
(g)前記(f)の処理で粘性が低いと判定された場合は、前記したような対流促進制御を行う。しかし、依然として粘性が高いと判定された場合は、単一の期間(区間)毎の火力を減らしたり、あるいは各期間の時間幅を短くしたりする制御を採用する等、被加熱物Nに対する単位時間(例えば10秒)あたりの加熱量を減少させる処理をする。
以上によって、不用意に大きな火力を投入して加熱継続することを防止でき、焦げ付きの発生を更に抑制することができるという効果が期待できる。
なお、主加熱コイルMCを挟んでその両側にある1対の副加熱コイル、例えば図2においてSC1とSC4の組、またはSC2とSC3の組で加熱される領域の温度を個別に検知できるように、温度センサーを(主加熱コイルMCを挟んで)離れた2箇所以上に設けると、鍋全体の温度変化をより正確に把握することができるので望ましい。
また、通電制御回路200は、電流検出部280で検出された主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量に関する信号(被加熱物N載置状態を示すデータ)を受け、被加熱物Nが載置されているコイル上のみに高周波電流の供給を行ったり、または高周波電流の供給を制限したりしてもよい。
前記副加熱コイルSC1〜SC4は、同一の形状を有し、かつ定格最大火力が同じに設定してあるから、製造上も共通化でき、コスト的に有利である。
前記実施の形態においては、表示手段Gの表示画面100に表示される動作モードは合計8つであった。その各動作モードを選択するための(タッチ式)入力用キーは、図10に示したように、「高速加熱」E1A、「湯沸し」E1B、「茹で」E1C、「予熱」E2A、「炊飯」E2B、「煮込み」E2C、「揚げ物」E3A、「湯沸し+保温」E3B、であった。しかし、これら動作モードの選択キーは、図2に一点鎖線で示しているような上面操作部40には設置していなかったが、上面操作部に設けても良い。その場合、タクトスイッチのような機械的スイッチで各動作モードを選択できる入力キーを個別に設けても良い。あるいは、上面操作部40と表示画面100の双方にそれぞれ設けても良い。
また前記実施の形態では、4つの副加熱コイルSC1〜SC4のために、専用の副インバーター回路(電源回路部)SIV1〜SIV4が1つずつ接続される構成であった。このため、1つの副加熱コイルを駆動することも、3つの副加熱コイルを駆動することも、それぞれの専用の副インバーター回路から個別に電力を供給すれば可能な構成であったが、本発明はこのように副加熱コイルの数と副インバーター回路の数が同じである構成には何ら限定されない。つまり、図5に示したように、主加熱コイルMCを挟んで互いに対称的な位置にある2つの副加熱コイル、例えばSC2とSC3の組、及びSC1とSC4の組に、それぞれ1つずつインバーター回路を備えて回路構成を簡略化し、コスト低減を図るようにしても良い。また副加熱コイルを6個配置する場合、隣り合わない(所定の距離だけ離れた)3つの副加熱コイル、言い換えると1つ置きで選んだ3個の副加熱コイルを第1の組、残りの3つの副加熱コイルを第2の組とし、これら第1、第2の組に対しそれぞれ専用の副インバーター回路を1つずつ設け、副インバーター回路1つで3つの副加熱コイルを駆動するようにしても良い。
本発明は、副加熱コイルの総数が4つのものに限定されていない。例えば副加熱コイルを4つ以上の奇数、例えば5つ設けた場合において、上述した第1の発明では、それら副加熱コイルを、半数以上で全数未満の互いに離れた位置にある副加熱コイルからなる第1の組と残りの副加熱コイルからなる第2の組とに分ける。この分け方は、主加熱コイルMCの周囲に点在する5つの副加熱コイルを上方から見て、主加熱コイルMCを中心として一方向、例えば時計周りに進み、1つ置きで副加熱コイルを選べば3つの副加熱コイルが第1の組になり、残りの2個の副加熱コイルは第2の組になるのである。7個の場合もこのようにして副加熱コイル4つの組と、3つの組とに分けることができる。
本発明に係る誘導加熱調理器は、主加熱コイルと副加熱コイルを組み合わせて加熱駆動するものであり、煮込み調理などでの焦げ付きを抑制できるため、据置型やビルトイン型の誘導加熱式加熱源専用調理器及び他の輻射式加熱源との複合型誘導加熱調理器に広く利用することができる。
A 本体部、D 加熱手段、E 操作手段、F 制御手段、G 表示手段、W 横幅寸法、CL1 本体部Aの左右中心線、CL2 第1の誘導加熱部の左右中心線、CL2 第2の誘導加熱部の左右中心線、DB 副加熱コイルの配置外径寸法、N 被加熱物(鍋)、SC 副加熱コイル(群)、SC1〜SC4 副加熱コイル、MC 主加熱コイル、MIV 主加熱コイル用インバーター回路、SIV1〜SIV4 副加熱コイル用インバーター回路、T1〜T8 区間、6L 第1の誘導加熱部、6R 第2の誘導加熱部、7 輻射式中央電気加熱部、21 トッププレート、31 温度検出回路、40 上面操作部、100 表示画面、400 被加熱物載置判断部、X1 中心点、X2 中心点。

Claims (12)

  1. 円環状の主加熱コイルと、
    前記主加熱コイルの側部に近接して、その周囲に配置された複数の副加熱コイルと、
    前記主加熱コイル及び全ての前記副加熱コイルにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路と、
    前記インバーター回路の出力を制御する制御部と、
    前記制御部に「対流促進モード」を含む複数の動作モードを指令する操作部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記「対流促進モード」で被加熱物を加熱する場合、前記副加熱コイルに誘電加熱電力を供給しない第1の期間を設け、この期間中に前記主加熱コイルに前記インバーター回路から誘導加熱電力を供給し、
    この後前記主加熱コイルおよび全ての前記副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止している第2の期間を設け、
    この後前記主加熱コイルへの誘導加熱電力供給を停止している第3の期間を設け、この期間中に全ての前記副加熱コイルに前記インバーター回路から誘電加熱電力を供給し、
    この後前記主加熱コイルおよび全ての前記副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止している第4の期間を設け、
    前記制御部は主加熱コイルおよび全ての副加熱コイルに対する前記第1の期間〜第4の期間における通電制御動作を複数回繰り返すものであり、
    前記制御部は、
    前記「対流促進モード」が実施されているときに、
    加熱開始時から加熱が継続されたときの温度から、更に加熱が継続されたときの温度に至るまでの所要時間又は温度上昇率と基準値とを比較して粘性の判定が行われ、前記被加熱物内の被調理物の粘性が予め決められた粘性よりも高い場合、単一の期間毎の火力を減少させることによって、前記被加熱物に対する単位時間あたりの加熱量を減少させることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 円環状の主加熱コイルと、
    前記主加熱コイルの側部に近接して、その周囲に配置された複数の副加熱コイルと、
    前記主加熱コイル及び全ての前記副加熱コイルにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路と、
    前記インバーター回路の出力を制御する制御部と、
    前記制御部に「対流促進モード」を含む複数の動作モードを指令する操作部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記「対流促進モード」で被加熱物を加熱する場合、前記副加熱コイルに誘電加熱電力を供給しない第1の期間を設け、この期間中に前記主加熱コイルに前記インバーター回路から誘導加熱電力を供給し、
    この後前記主加熱コイルおよび全ての前記副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止している第2の期間を設け、
    この後前記主加熱コイルへの誘導加熱電力供給を停止している第3の期間を設け、この期間中に全ての前記副加熱コイルに前記インバーター回路から誘電加熱電力を供給し、
    この後前記主加熱コイルおよび全ての前記副加熱コイルへの誘電加熱電力供給を停止している第4の期間を設け、
    前記制御部は主加熱コイルおよび全ての副加熱コイルに対する前記第1の期間〜第4の期間における通電制御動作を複数回繰り返すものであり、
    前記制御部は、
    前記「対流促進モード」が実施されているときに、
    加熱開始時から加熱が継続されたときの温度から、更に加熱が継続されたときの温度に至るまでの所要時間又は温度上昇率と基準値とを比較して粘性の判定が行われ、前記被加熱物内の被調理物の粘性が予め決められた粘性よりも高い場合、加熱する各期間の時間幅を短縮させることによって、前記被加熱物に対する単位時間あたりの加熱量を減少させることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 加熱開始時から加熱が継続されたときの温度及び更に加熱が継続されたときの温度は、
    沸騰温度付近であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記第1の期間における第1の期間時間と、第3の期間における第3の期間時間とを同等にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記第2の期間における第2の期間時間と、第4の期間における第4の期間時間とを同等にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記第1、第3の各期間におけるそれぞれの期間時間に比較して、第2、第4の各期間におけるそれぞれの期間時間が短く設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記主加熱コイルと副加熱コイルの上方に被加熱物が載置されているかどうか又は被加熱物の底部面積が所定値よりも大きいかどうかを判断する被加熱物載置判断部をさらに備え、
    前記制御部は、前記被加熱物載置判断部の判断結果に応じて前記主加熱コイルと副加熱コイルに対する電力の供給を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記副加熱コイルは、同一の形状を有し、かつ定格最大火力が同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記被加熱物載置判断部は、前記インバーター回路に流れる電流量を検出する電流検出部であることを特徴とする請求項に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記操作部には、動作モードを選択できる複数個の操作キーを有し、当該操作キーの選択に応じて前記主加熱コイルと副加熱コイルの通電パターンが選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記複数個の操作キーは、加熱速度を重視した動作モード対応した操作キーと、均一加熱を重視した動作モードに対応した操作キーとに区分されていることを特徴とする請求項10に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記複数個の操作キーは、少なくとも「揚げ物モード」、「予熱モード」、「煮込みモード」に対応していることを特徴とする請求項10に記載の誘導加熱調理器。
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