JP2021154065A - 加熱調理器 - Google Patents

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一貴 市村
杏子 石原
Kyoko Ishihara
杏子 石原
毅 内田
Takeshi Uchida
毅 内田
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【課題】横長の底部を有する容器の加熱ムラを抑制し、均一に加熱するとともに内容物の対流を促進させることができる加熱調理器を提供する。【解決手段】加熱装置3は、3つの加熱部3L、3Cおよび3Rを有している。加熱部3C、3Lおよび3Rは、例えば加熱コイルである。加熱部3Cは、容器の底部7bの中央部を加熱する位置に配置されている。加熱部3Lは、容器の底部7bの中心から長軸方向の左側を加熱する位置に配置されている。加熱部3Rは、容器の底部7bの中心から長軸方向の右側を加熱する位置に配置されている。【選択図】図10

Description

本開示は、横長の底部を有する容器を加熱する加熱調理器に関するものである。
従来、電気炊飯器などの加熱調理器において、被加熱物を収容する容器の形状を平面視で楕円形などの横長とすることが知られている。例えば、特許文献1では、電気炊飯器の釜の平面視の形状を楕円形または長方形などの横長とすることで、本体に連結され、釜の上部を覆う蓋体の大きさを小さくすることが提案されている。
特許文献1の電気炊飯器では、蓋体を小さくすることで、蓋体を開いた際の全体の高さを低くすることができ、収納性が向上する。また、容器の底部の形状を横長とすることで、例えば、魚をまるごと煮込むこと、または折らずにパスタを茹でることが可能となり、使い勝手が向上する。
特開2002−65454号公報
しかしながら、特許文献1の電気炊飯器では、円形の電磁コイルによって横長の容器を加熱するため、加熱効率が悪く、加熱ムラが発生しやすい。意図的に加熱ムラを発生させることは、容器内の収納物に対する対流の促進には好適だが、例えば、炒め調理または一定温度での温度調整(以下、「温調」と適宜称する)には不向きである。
また、特許文献1では、横長の容器を均一に加熱するため、容器の底のみを円形とすることが提案されているが、この場合には、容器の底面積が広いという横長形状の利点が損なわれてしまう。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、横長の底部を有する容器の加熱ムラを抑制し、均一に加熱するとともに内容物の対流を促進させることができる加熱調理器を提供することを目的とする。
本開示に係る加熱調理器は、横長の底部を有し、内容物を収容する容器と、前記容器を収納する本体と、前記容器を加熱する加熱装置と、前記加熱装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記容器の前記底部の中心から外周までの中間よりも外側の領域である外側領域が、前記底部の中心から外周までの中間よりも内側の領域である内側領域よりも強く加熱される第1の加熱制御と、前記内側領域が前記外側領域よりも強く加熱される第2の加熱制御とを行うように、前記加熱装置を制御するものである。
以上のように、本開示によれば、容器の底部の外側領域が内側領域よりも強く加熱される第1の加熱制御と、内側領域が外側領域よりも強く加熱される第2の加熱制御とが行われることにより、横長の底部を有する容器の加熱ムラを抑制し、均一に加熱するとともに内容物の対流を促進させることができる。
実施の形態1に係る加熱調理器の外観の一例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の構成の一例を示す模式断面図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の構成の一例を示すブロック図である。 図2および図3の制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図4の制御装置の構成の一例を示すハードウェア構成図である。 図4の制御装置の構成の他の例を示すハードウェア構成図である。 従来技術における容器を加熱装置で加熱した際の中心からの距離と容器の温度との関係の一例を示す概略図である。 図7における容器の中心からの距離を説明するための概略図である。 従来技術の容器の底部における熱の広がりについて説明するための概略図である。 実施の形態1に係る加熱装置における加熱部の配置の一例を示す底面図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の調理制御および保温制御について説明するための概略図である。 実施の形態1における容器の底部の領域について説明するための底面図である。 加熱部を流れる電流について説明するための概略図である。 実施の形態1における容器の底部について説明するための概略図である。
以下、加熱調理器の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いられる図面では、同一または相当する部分には、同一の符号を付し、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、および配置等は、本開示の範囲内で適宜変更することができる。また、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態1に係る加熱調理器について説明する。
[加熱調理器100の構成]
図1は、本実施の形態1に係る加熱調理器の外観の一例を示す斜視図である。図1は、本体1に取り付けられた外蓋11が開けられ、容器7の上面開口が露出した状態を示す。図2は、本実施の形態1に係る加熱調理器の構成の一例を示す模式断面図である。図1および図2に示すように、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、外観が有底筒状の本体1と、本体1の内側に固着された容器収納部2と、容器収納部2に着脱自在に収納される鍋状の容器7とを備えている。また、加熱調理器100は、容器7の上面開口を閉塞する蓋体である内蓋9と、本体1に開閉自在に係止され、内蓋9に連結されて内蓋9を覆う外蓋11とを備えている。本体1および外蓋11は、加熱調理器100の外郭を構成する。
容器収納部2は、有底筒状に形成され、その内部に容器7が着脱自在に収容される。容器7は、有底円筒形状を有し、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成される。容器7の内部には、被加熱物である水または食材が収容される。本実施の形態1において、容器7は、平面視で横長の底部7bを有する。より詳しくは、容器7の底部7bは、平面視で楕円形状を有している。
なお、容器7の底部7bの形状は、これに限られず、例えば、トラック形状、オーバル形状または角丸四角形状などに形成されてもよい。また、容器7の底部7bの形状は、左右対称である方が均一に加熱しやすいが、非対称であってもよい。本実施の形態1では、特に、熱伝達が円形に広がることによる熱の干渉の影響が出やすいように、底部の外形の縦横比が「縦:横=1:1.2」よりも扁平となる横長形状とすると好ましい。
容器7の長軸側端部には、容器7の側面から外側に突出する把持部8が設けられている。把持部8が容器収納部2に載置されることで、本体1内に容器7が保持される。また、容器7の上面開口の周囲には、外側に延びるフランジ部7aが形成されている。内蓋9の周縁部にはシールである蓋パッキン10が設けられ、蓋パッキン10により容器7のフランジ部7aおよび容器7の内壁面と内蓋9との密閉性が得られるようになっている。
なお、フランジ部7aの長軸側を短軸よりも大きく形成して、把持部8としてもよい。容器7が楕円形状の場合、内蓋9のずれは、短軸方向よりも長軸方向で出やすい。そのため、フランジ部7aの長軸側の端部を、内蓋9のずれを吸収できるよう大きく形成することで、内蓋9がずれた場合にも密閉性を担保することができる。
容器収納部2の底部の外壁には、容器7の底部7bを加熱する加熱装置3が設けられている。加熱装置3は、例えば、銅線またはアルミ線などの導線を巻回して形成され、容器7を誘導加熱する加熱コイルである。加熱装置3は、後述するインバータ部27から供給される高周波電流により磁界を発生し、容器7を誘導加熱する。加熱装置3の形状については、後述する。なお、加熱装置3は、加熱コイルに限られず、例えばヒータであってもよい。加熱装置3の下方には、複数の磁性体4が配置される。磁性体4は、例えばフェライトであり、加熱装置3から発生する磁束を集中させる。
容器収納部2の底部中央には貫通孔が形成され、貫通孔内には温度センサ5が配置されている。温度センサ5は、例えばサーミスタであり、圧縮バネ6により下方から支持されて容器7の底部7bに接触して配置され、容器7の温度を検出する。容器7に収容される食材は、温度依存性が高いため、検出された容器7の温度に基づいて加熱調理を行うことで、おいしく調理をすることができる。
内蓋9には内蓋通気孔12が貫通して設けられており、内蓋9および外蓋11には、内蓋通気孔12を介して容器7内と容器7外とを連通する連通流路が形成されている。連通流路は、何れも中空で構成された、連通流路16aと、連通流路16bと、連通流路16cと、連通流路16dとで構成されている。内蓋通気孔12と連通流路16aとの間には、連通流路16aを内蓋通気孔12に密閉接続するための経路パッキン14が配置されている。
連通流路16bと連通流路16cの間には、減圧装置15が設けられる。減圧装置15は、容器7内の空気を吸引し、容器7内を減圧する減圧ポンプである。また、連通流路には、三方向電磁弁13が配置される。三方向電磁弁13は、容器7内の空気の流路を、連通流路16bを含む流路Aと、連通流路16dを含む流路Bとのいずれかに切替える。流路Aは、内蓋通気孔12から連通流路16a、三方向電磁弁13、連通流路16b、減圧装置15および連通流路16cを経て外蓋11の外面に開口する外蓋通気孔17aに至る流路である。また、流路Bは、外蓋11の外面に開口する外蓋通気孔17bから連通流路16d、三方向電磁弁13、連通流路16b、減圧装置15および連通流路16cを経て外蓋通気孔17aに至る流路である。
減圧装置15は、容器7内の空気を吸引して、流路Aを介して外蓋通気孔17aから外部へと排出する。また、減圧装置15は、外蓋通気孔17bから外気を吸引して、外蓋通気孔17aから外部へと排出する。外蓋通気孔17aおよび17bは外蓋11の側面または底面に配置されることで、減圧装置15への水分および異物の侵入を防ぎ、故障リスクを抑制することができる。なお、図2では、容器7内の空気を外部に排出する排気孔として、外蓋通気孔17aおよび17bを外蓋11に配置した構成としているが、外蓋通気孔17aおよび17bを本体1の側面または底部等に配置してもよい。
また、内蓋9には蒸気孔18が形成され、蒸気孔18には蒸気排出弁19が配置されている。蒸気排出弁19は、制御装置30の制御により開閉されて容器7内を密閉または非密閉とする弁である。蒸気排出弁19の下流には、蒸気排出口21を備えるカートリッジ20が、カートリッジパッキン22によって経路の密閉を維持した状態で接続配置される。
また、内蓋9にはセンサ孔25が貫通して設けられており、外蓋11には蓋センサ23と、センサ孔25と外蓋11とを密閉する蓋センサパッキン24とが配置されている。蓋センサ23は、例えばサーミスタで構成され、センサ孔25を介して容器7内の空間温度を検出する。また、蓋センサ23は、容器7内の圧力を計測することもできる。
外蓋11にはさらに、ユーザによって操作指示等が入力される操作表示装置26が配置されている。操作表示装置26は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部と、入力された情報および加熱調理器100の動作状態などを表示する表示部とからなる。なお、操作表示装置26は、操作部と表示部とが一体的に構成されるものに限定されず、表示部を別個に設ける構成としても良い。
また、図2では、操作表示装置26が外蓋11に配置される例を示しているが、操作表示装置26を本体1に配置してもよい。さらに、操作表示装置26に対する操作および表示等の各種機能は、後述する制御装置30に含まれてもよいし、スマートフォン等の外部の機器によって実現されてもよい。外部の機器に操作表示装置26の各種機能を持たせる場合、加熱調理器100は、外部機器との通信を行うための通信部を備えるものとする。
(制御装置30)
さらに、加熱調理器100は、制御装置30を備えている。制御装置30は、加熱調理器100全体を制御する。制御装置30は、本体1に設けられてもよいし、外蓋11に設けられてもよい。また、上述したように、制御装置30は、操作表示装置26の各種機能を含んでもよい。
図3は、本実施の形態1に係る加熱調理器の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置30には、蒸気排出弁19、三方向電磁弁13、減圧装置15、温度センサ5、蓋センサ23および操作表示装置26、ならびに、加熱装置3に高周波電流を供給するインバータ部27が電気的に接続されている。
本実施の形態1において、制御装置30は、温度センサ5および蓋センサ23により検出される温度に応じて、蒸気排出弁19、減圧装置15、三方向電磁弁13およびインバータ部27を制御する。これにより、操作表示装置26を介してユーザにより入力される調理メニューに従った加熱調理が実行される。
図4は、図2および図3の制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。図4に示すように、制御装置30は、温度設定部31、温度判定部32、圧力設定部33、圧力判定部34、加熱制御部35、圧力制御部36および記憶部37を備えている。制御装置30は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
温度設定部31は、操作表示装置26に対する操作によって入力されたメニューと、記憶部37に記憶された調理シーケンスとに基づき、設定温度Tおよび保温温度Tkを設定する。設定温度Tは、後述する調理制御の際の温調工程において調整される一定の温度である。保温温度Tkは、後述する保温制御の際の保温工程において調整される一定の温度である。
温度判定部32は、温度センサ5による計測結果に基づき、容器7の温度を判定する。また、温度判定部32は、蓋センサ23による計測結果に基づき、容器7内の空間温度を判定する。
圧力設定部33は、操作表示装置26に対する操作によって入力されたメニューと、記憶部37に記憶された調理シーケンスとに基づき、設定圧力Pおよび保温圧力Pkを設定する。設定圧力Pは、設定温度Tにおける飽和水蒸気圧であり、容器7内の内容物が設定温度Tで沸騰するようにするための圧力である。保温圧力Pkは、保温温度Tkにおける飽和水蒸気圧であり、容器7内の内容物が保温温度Tkで沸騰するようにするための圧力である。圧力判定部34は、蓋センサ23による計測結果に基づき、容器7内の圧力を判定する。
加熱制御部35は、温度設定部31によって設定された設定温度Tに基づき、加熱装置3を制御する。また、加熱制御部35は、温度判定部32による判定結果に基づき、加熱装置3を制御する。
圧力制御部36は、圧力設定部33によって設定された設定圧力Pに基づき、減圧装置15、三方向電磁弁13および蒸気排出弁19を制御する。また、圧力制御部36は、圧力判定部34による判定結果に基づき、減圧装置15、三方向電磁弁13および蒸気排出弁19を制御する。
記憶部37は、メニュー毎の調理シーケンスを含むテーブルを予め記憶する。記憶部37は、温度設定部31および圧力設定部33からの要求に応じて、記憶されたテーブルから必要な調理シーケンスを読み出し、それぞれに供給する。
調理シーケンスは、メニューに応じて設定温度T[℃]、設定圧力P[atm]、減圧装置15の駆動パターン、および設定温度Tを維持する設定時間t等を含む情報である。設定温度Tは、100℃以下の温度とする。設定圧力Pは、大気圧1.0atm以下の圧力とする。
このような調理シーケンスは、例えばメニュー毎に設定されテーブル化されて記憶部37に予め記憶されている。なお、設定温度T、設定圧力P、設定時間t等は、調理シーケンスによって設定される場合に限られず、例えば、ユーザによってそれぞれが直接設定されてもよい。
図5は、図4の制御装置の構成の一例を示すハードウェア構成図である。制御装置30の各種機能がハードウェアで実行される場合、図4の制御装置30は、図5に示すように、処理回路41および入出力装置42で構成される。図4の温度設定部31、温度判定部32、圧力設定部33、圧力判定部34、加熱制御部35、圧力制御部36および記憶部37の各機能は、処理回路41により実現される。また、操作表示装置26の各種機能が制御装置30に含まれている場合、操作表示装置26は、図5の入出力装置42に対応する。
各機能がハードウェアで実行される場合、処理回路41は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。温度設定部31、温度判定部32、圧力設定部33、圧力判定部34、加熱制御部35、圧力制御部36および記憶部37の各部の機能それぞれを処理回路41で実現してもよいし、各部の機能を1つの処理回路41で実現してもよい。
図6は、図4の制御装置の構成の他の例を示すハードウェア構成図である。制御装置30の各種機能がソフトウェアで実行される場合、図4の制御装置30は、図6に示すように、プロセッサ43、メモリ44および入出力装置45で構成される。温度設定部31、温度判定部32、圧力設定部33、圧力判定部34、加熱制御部35、圧力制御部36および記憶部37の各機能は、プロセッサ43およびメモリ44により実現される。また、操作表示装置26の各種機能が制御装置30に含まれている場合、図4の操作表示装置26は、図6の入出力装置45に対応する。
各機能がソフトウェアで実行される場合、温度設定部31、温度判定部32、圧力設定部33、圧力判定部34、加熱制御部35、圧力制御部36および記憶部37の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ44に格納される。プロセッサ43は、メモリ44に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
メモリ44として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable and Programmable ROM)およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ等が用いられる。また、メモリ44として、例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。
(加熱装置3の形状)
次に、加熱装置3の形状について説明する。まず、従来技術における横長の容器107の加熱について、図7〜図9を参照して説明する。なお、従来技術の容器107は、平面視で楕円形状の底部107bを有するものとし、底部107bと同等形状の楕円形状の加熱装置103により加熱されるものとする。図7は、従来技術における容器を加熱装置で加熱した際の中心からの距離と容器の温度との関係の一例を示す概略図である。図7において、縦軸は容器107の温度を示し、横軸は容器107の底部107bの中心から外周方向に向かう距離を示す。図8は、図7における容器の中心からの距離を説明するための概略図である。図7の距離Dは、図8に示すように、容器107の底部107bの中心Cから容器107の外壁に沿った距離とする。
図9は、従来技術の容器の底部における熱の広がりについて説明するための概略図である。図9は、容器107の底部107bを示す平面図である。図9の矢印で示すように、加熱装置103の誘導加熱により底部107bに発生した熱は、加熱装置103の直上から四方八方に広がる。加熱装置103が環状である場合、加熱装置103の内側に熱が集まる。これにより、図7に示すように、容器107の底部107bにおける加熱装置103の内側、すなわち容器107の中央部は、外周側よりも温度が高くなり、加熱ムラが発生する。
楕円形状等の横長の容器107を加熱する場合において、例えば、加熱装置103の出力がシーズヒータのように全周に渡ってほぼ同等であるとすると、熱源が横長の形状であっても、熱は真円状に広がる。そのため、熱は結果として中心に集まり、中心に集まった熱は、熱源の横長形状よりも真円状に近い分布で広がり、長軸方向において大きなムラが発生する。この傾向は、発熱源が中央部に向かうほど強くなる。したがって、楕円形状の容器107をムラなく均一に加熱するためには、熱伝達による干渉の影響を小さくするため、中央部よりも外周部、特に長軸側を強く加熱するのが好ましい。
一方、容器107内の内容物の対流を引き起こしたい場合、底部107bを均一に加熱するよりも、同じ入力を局所的に集中させて加熱し、激しい沸騰を引き起こす方が効率的である。対流が促進されることで、結果として内容物のムラがなくなることに繋がる。楕円形状の容器107において局所的に加熱するためには、熱伝達による干渉の影響を敢えて大きくするため、外周部よりも中央部を強く加熱すると好ましい。
以上のことから、均一な加熱と局所的な加熱とを1つの加熱装置で行うのは困難であり、少なくとも2つ以上の複数の加熱装置が必要となる。そこで、本実施の形態1では、加熱装置3を複数の加熱部で構成し、容器7の底部7bに対して加熱箇所を切り替えながら加熱を行い、均一に加熱する第1の加熱制御と、局所的に加熱する第2の加熱制御とを行うことができるように、複数の加熱部が配置される。
なお、本実施の形態1において、「強く加熱する」とは、「容器の一定時間の間の単位面積あたりの発熱量を多くする(温度上昇幅を大きくする)」、または、「一定時間あたりに最も発熱する部位が対象領域内に含まれるように加熱する」ことをいうものとする。対象領域が強く加熱されたか否かは、容器107を空の状態で加熱した場合の、一定時間における温度分布の変化をサーモグラフィ等で計測することで判断することができる。
図10は、本実施の形態1に係る加熱装置における加熱部の配置の一例を示す底面図である。図10において、一点鎖線は、容器7の底部7bにおける長軸方向を示す。図10に示すように、加熱装置3は、3つの加熱部3L、3Cおよび3Rを有している。加熱部3C、3Lおよび3Rは、例えば加熱コイルである。加熱部3Cは、容器7の底部7bの中央部を加熱する位置に配置されている。加熱部3Lは、容器7の底部7bの中心から長軸方向の左側を加熱する位置に配置されている。加熱部3Rは、容器7の底部7bの中心から長軸方向の右側を加熱する位置に配置されている。
この例において、加熱部3Cは、容器7の底部7bの短軸方向が長軸方向となる楕円形状に形成されている。加熱部3Lは、加熱部3Cの左側側面に沿うような三日月形状に形成されている。加熱部3Rは、加熱部3Cの右側側面に沿うような三日月形状に形成されている。また、加熱部3L、3Cおよび3Rは、それぞれの中心に熱が集まりやすいという特性から、非同心で配置されている。これにより、容器7の中心への熱の集中が抑えられるため、加熱ムラを抑制することができるとともに、容器7の長軸方向に対する温度制御を容易に行うことができる。
加熱部3C、3Lおよび3Rは、それぞれ独立して制御される。すなわち、本実施の形態1において、加熱調理器100は、複数のインバータ部27を備えている。そして、加熱部3C、3Lおよび3Rは、それぞれのインバータ部27から電力が供給されることにより個別に駆動される。なお、加熱部3Lおよび3Rは、独立して設けられる場合に限られず、例えば1つの加熱部として設けられてもよい。この場合には、1つのインバータ部27によって駆動される。
また、加熱部3C、3Lおよび3Rは、加熱コイルに限られず、例えばシーズヒータ等の通電によって発熱する抵抗加熱装置でもよい。ただし、電力が供給される加熱部の切り替え等が制御される場合には、加熱効率および応答性を考慮すると、加熱部3C、3Lおよび3Rとして加熱コイルが用いられると好ましい。
さらに、この例では、加熱装置3は、楕円形状の加熱部3Cと、三日月形状の加熱部3Lおよび3Rとで構成されているように説明したが、これはこの例に限られない。例えば、容器7の底部7bの形状に合わせて、全体として底部7bの外周に沿うように加熱部3C、3Lおよび3Rが形成されてもよい。また、詳細は後述するが、加熱部3Lおよび3Rは、例えば、一部が隣接する加熱部3Cに沿うように形成されると好ましい。
[加熱調理器100の動作]
次に、上記構成を有する加熱調理器100の動作について説明する。本実施の形態1に係る加熱調理器100は、減圧低温状態で容器7内の内容物を沸騰させた後、沸騰によって発生する蒸気による圧力上昇を利用し、容器7を加熱し続けることにより、沸騰状態を維持しながら昇温を行う。
まず、本実施の形態1に係る加熱調理器100の基本的な動作について、図2および図3を参照しながら説明する。加熱調理器100では、容器7を設定温度T[℃]まで昇温させる昇温工程および設定温度Tで温調を行う温調工程を含む調理制御と、調理が終了した後に内容物を保温する保温工程を含む保温制御とが行われる。
(調理制御)
加熱調理器100による調理制御について説明する。まず、ユーザによって、任意のメニューを調理するのに必要な米、肉、魚、野菜、水および調味料等の材料が容器7内に投入される。その後、ユーザが把持部8を把持することにより、容器7が容器収納部2に載置され、外蓋11が閉じられる。これにより、内蓋9の蓋パッキン10が容器7のフランジ部7aに圧接され、容器7内が密閉される。
次に、ユーザによる操作表示装置26に対する操作によってメニューが選択され、図示しないスイッチがオンとされると、制御装置30に調理開始指示が与えられ、調理が開始される。このとき、制御装置30には、選択されたメニューに応じた調理シーケンスが、指示として与えられる。
なお、この場合には、選択されたメニューに対応する調理シーケンスに含まれる設定温度Tおよび設定圧力Pが設定されるが、これはこの例に限られない。例えば、予め設定可能な各温度と、当該温度に対応する飽和水蒸気圧との関係をテーブルとして記憶部37に記憶させておき、設定温度Tで沸騰する設定圧力Pを自動で設定するようにしてもよい。さらに、予約調理のように、設定した時間までに調理が完了するように、調理完了時間を設定するようにしてもよい。
調理シーケンスが制御装置30に与えられると、加熱装置3には、インバータ部27から高周波電流が供給され、高周波磁界が発生する。容器7の加熱装置対向面は、発生した高周波磁界によって加熱装置3と磁気結合して励磁され、容器7の底面に渦電流が誘起される。そして、誘起された渦電流と、容器7の抵抗とによりジュール熱が生じ、容器7の底面が発熱し、容器7の内容物に対する加熱が行われる。
一方、三方向電磁弁13は、調理開始時には流路Bを連通する状態となっており、減圧装置15と外蓋通気孔17bとが連通している。減圧時には、三方向電磁弁13が切り替えられ、減圧装置15が駆動されて容器7の減圧が開始されると、容器7内の空気が内蓋通気孔12、連通流路16aおよび16b、減圧装置15ならびに連通流路16cを介して外蓋通気孔17aから外部へ排出される。これにより、容器7内の圧力が徐々に低下する。そして、容器7の温度が、容器7内の圧力における沸点となると、容器7内に収容された内容物が沸騰し、減圧低温沸騰が開始される。なお、このときの容器7内の圧力は、大気圧1.0atm以下の圧力である。
容器7の温度が設定温度Tに到達すると、減圧装置15の駆動が停止され、三方向電磁弁13が流路Bを連通する状態となる。そして、加熱のみが継続されるようにインバータ部27が制御され、温調が設定温度Tで開始される。なお、設定温度Tが100℃の場合には、容器7を温調せず、連続的に加熱されてもよい。また、三方向電磁弁13が流路Bを連通した状態とされた場合、一定時間だけ減圧装置15が駆動し続けるようにしてもよい。これにより、調理時に吸引した水分が経路から排出されるため、減圧装置15および各連通流路16a〜16dを乾燥させることができる。
指示された設定時間tが経過すると、調理が終了し、インバータ部27および減圧装置15の駆動が停止され、加熱および減圧が停止する。このとき、調理が終了したことを示す報知が操作表示装置26によって報知されてもよい。
(保温制御)
次に、加熱調理器100による保温制御について説明する。調理制御が終了して容器7内の内容物および容器7の温度が低下し、容器7の温度が保温温度Tkに到達すると、インバータ部27が再度制御され、保温温度Tkでの保温が開始される。
本実施の形態1における保温制御は、調理制御が終了してから予め設定された最長の保温時間である最長保温時間になるまで、あるいは、ユーザによって保温が停止されるまで継続される。なお、保温制御は、「メニューに応じて予め設定された調理シーケンス終了後」、「ユーザが設定した設定調理時間終了後」、または、「食材の種類および量、あるいは調理方法によって決定された調理シーケンス終了後」の工程のすべてを含むものである。また、保温制御は、容器7内の内容物の調理が終了した旨を、操作表示装置26または図示しないスピーカ等によってユーザに報知した後の制御とする。
図11は、本実施の形態1に係る加熱調理器の調理制御および保温制御について説明するための概略図である。図11は、容器7の温度[℃]および容器7内の圧力[atm]と、加熱装置3、減圧装置15、三方向電磁弁13および蒸気排出弁19それぞれの動作タイミングとの一例を示す。なお、図11の温度についてのグラフにおいて、実線は温度センサ5によって計測された容器7の温度を示し、破線は蓋センサ23によって計測された容器7内の空間温度を示す。また、三方向電磁弁13の状態についてのグラフにおいて、三方向電磁弁13が「ON」の場合は、流路Aが連通するように、三方向電磁弁13が切り替えられていることを示す。三方向電磁弁13が「OFF」の場合は、流路Bが連通するように、三方向電磁弁13が切り替えられていることを示す。さらに、加熱装置3の状態を示すグラフは、加熱部3C、3Lおよび3Rのそれぞれの動作を示すものではなく、それぞれの加熱部3C、3Lおよび3Rの動作を統合したものを示している。加熱部3C、3Lおよび3Rそれぞれの詳細な動作については、後述する。
(調理制御;昇温工程)
昇温工程は、容器7内の内容物が沸騰するまで昇温する工程である。調理開始後、制御装置30の加熱制御部35は、温度センサ5で計測された容器7の温度が設定温度T[℃]となるように加熱装置3を駆動し、容器7の加熱を開始する。また、圧力制御部36は、三方向電磁弁13を制御する。三方向電磁弁13は、調理開始時にはOFFとなっており、流路Bが連通する状態となっている。
昇温工程においては、できるだけ早く容器7内の内容物の温度を沸点に到達させる必要がある。ここで、容器7の底部7bを均一に加熱した場合でも、容器7の高さ方向に熱を伝えるためには、熱の移動による自然対流だけでは不十分であり、加熱ムラが発生しやすい。そこで、加熱制御部35は、入力を集中して局所的に加熱する第2の加熱制御を行い、底部7b付近の内容物を沸騰させる。これにより、容器7内では、対流が強制的に促される。このように、第2の加熱制御による局所的な加熱を行うことで、対流が発生するまでの時間が短くなり、対流によって内容物の温度が均一化されるため、結果として加熱ムラを抑制することができる。
本実施の形態1において、加熱制御部35は、昇温工程における第2の加熱制御の際に、加熱部3Cにのみ高周波電流を供給する。これにより、容器7の中央に熱が集中し、電力を加熱部3L、3Cおよび3Rに分配するよりも中央部で速やかに沸騰が開始され、容器7内の内容物に対する加熱ムラが抑制される。
なお、第2の加熱制御の際に電力が供給される加熱部としては、加熱部3Lまたは加熱部3Rでも同様の効果を得ることができるが、容器7の底部7bにおける左右方向(長軸方向)の加熱ムラを考慮すると、加熱部3Cとした方が好ましい。また、加熱部3Lおよび加熱部3Rがそれぞれ独立して制御されない場合には、2つの加熱部3Lおよび3Rに電力を分配するよりも、加熱部3Cに電力を集中させた方が集中的な加熱で強い対流を引き起こすことができる。
また、圧力制御部36は、昇温工程の開始の同時、またはその前後で減圧装置15を駆動し、容器7内の減圧を開始する。上述したように、局所的に加熱を集中させた場合、容器7の底部7bの一部は、極めて速く昇温するため、減圧を早めに開始することが好ましい。さらに、圧力制御部36は、三方向電磁弁13をONとなるように制御し、流路Aが連通する状態とする。
容器7の底部7bの温度が減圧によって降下した内容物の沸点に到達すると、容器7内の内容物全体が沸点に到達していない場合でも、局所的に内容物が沸騰し、対流が発生する。これにより、煮汁などの内容物は、速やかに均一な温度に近づく。そして、蓋センサ23の出力値が設定温度T付近(例えば、T−5℃)に到達した時点で、圧力制御部36は、減圧装置15を停止するとともに、流路Bが連通するように三方向電磁弁13を切り替えて容器7を密閉し、温調工程に移行する。
なお、流路Bが連通するように三方向電磁弁13を切り替えた際に、減圧装置15が駆動し続けるようにしてもよい。こうすることにより、調理時に吸引した湿気が経路から排出されるため、減圧装置15および各連通流路16a〜16dを乾燥させることができる。
(調理制御;温調工程)
温調工程は、容器7の温度が設定温度Tを維持するように、温度を調整する工程である。容器7の温度が設定温度Tに到達し、工程が温調工程に移行すると、加熱制御部35は、容器7の温度が設定温度Tを維持するように加熱装置3を制御する。すなわち、加熱制御部35は、温度センサ5で計測された容器7の温度が設定温度Tを含む一定の温度範囲内に収まるように加熱装置3を制御する。なお、ここでは、「設定温度Tを含む一定の温度範囲内に収まる」ことが「設定温度Tを維持する」ことを意味するものとする。なお、昇温工程において特定の加熱部に電力を集中させていた場合、容器7の温度は、設定温度Tよりもややオーバーシュートしていることも多い。この場合、容器7の温度が設定温度Tとなるまで、加熱装置3による加熱が行われないこともある。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、容器7内の内容物の温度を直接計測することができない。そのため、温調工程においては、容器7をできるだけ均一に加熱すると好ましい。これは、温度センサ5が容器7の底部7bの一部の温度しか計測できないために、容器7の底部7bの温度分布のムラが大きい場合には、正確に容器7内の内容物の温度を設定温度Tに維持することが困難となるためである。したがって、温調工程において、加熱制御部35は、容器7の加熱ムラが小さくなるように第1の加熱制御を行い、容器7の外周側、特に長軸方向の加熱が強くなるように、加熱装置3を制御する。
図12は、本実施の形態1における容器の底部の領域について説明するための底面図である。図12に示すように、容器7の底部7bを外側領域71および内側領域72の2つの領域に区分した場合、外側領域71は、容器7の底部7bの中心Cから外周までの中間よりも外側の領域である。また、内側領域72は、容器7の底部7bの中心Cから外周までの中間よりも内側の領域である。
この場合、本実施の形態1では、容器7の底部7bを均一に加熱するために、外側領域71、特に外側領域71のうちの長軸方向が強く加熱されるようにすると好ましい。このように容器7の外側領域71を強く加熱する第1の加熱制御を行うための具体的な方法については、後述する。
説明は図11に戻り、温調工程は、当該工程に対して予め設定された設定時間tが終了するまで、温度の調整が繰り返される。そして、設定時間tが経過すると、調理制御が終了し、保温制御に移行する。
なお、温調工程においては、容器7内が間欠的に減圧されてもよい。昇温工程から温調工程に移行する際に容器7内が十分に減圧されていれば、基本的には温調工程の間、容器7内の内容物の沸騰状態が維持される。しかし、スローリーク等が発生すると、容器7内の圧力が徐々に上昇して沸点が上昇してしまうため、沸騰状態を維持することが困難となる。
そこで、スローリーク等が発生する場合には、容器7内が減圧されることにより、容器7内の圧力が維持されるため、容器7内の内容物の沸騰状態を確実に維持することができる。このような減圧沸騰状態が維持されることにより、上述したように内容物の対流を促進するとともに、加熱ムラを抑制することができる。
(保温制御;保温工程)
保温工程は、容器7の温度が予め設定された保温温度Tkを維持するように、温度を調整する工程である。工程が保温工程に移行すると、加熱制御部35は、容器7の温度が保温温度Tkを維持するように加熱装置3を制御する。すなわち、加熱制御部35は、温度センサ5で計測された容器7の温度が保温温度Tkを含む一定の温度範囲内に収まるように加熱装置3を制御する。なお、ここでは、「保温温度Tkを含む一定の温度範囲内に収まる」ことが「保温温度Tkを維持する」ことを意味するものとする。
保温工程では、基本的に容器7内が均一な温度になっているため、あまり激しい強制対流を起こす必要はなく、容器7の底部7bを均一に加熱する方がよい。したがって、加熱制御部35は、容器7の底部7bを均一に加熱する第1の加熱制御を行うように加熱装置3を制御し、温調工程時と同様に容器7を加熱する。
保温工程は、調理制御が終了してから予め設定された最長の保温時間である最長保温時間になるまで、あるいは、ユーザによって保温が停止されるまで継続される。保温工程が終了することにより、加熱調理器100による調理が終了する。
[温調工程における加熱制御]
温調工程における加熱制御について説明する。上述したように、温調工程において、制御装置30は、容器7の底部7bを均一に加熱するため、外側領域71、特に外側領域71のうちの長軸方向を強く加熱する第1の加熱制御を行うように、加熱装置3を制御する。この場合、制御装置30は、例えば、以下に示す第1〜第4の方法により、第1の加熱制御を行う。
(第1の方法)
第1の方法は、加熱部3C、3Lおよび3Rのうち、両側の加熱部3Lおよび3Rのみに電力を供給して通電する制御である。両側の加熱部3Lおよび3Rのみが通電されることにより、容器7の中央部への熱の集中が回避される。そのため、中央部の加熱部3Cにのみ通電される場合と比較して、加熱ムラを抑制することができる。
ここで、加熱部3Lと加熱部3Rとが独立して制御されるように構成されている場合、加熱制御部35は、加熱部3Lと加熱部3Rとに対して交互に通電するように制御するとより好ましい。加熱部3Lと加熱部3Rとによって交互に容器7が加熱されることにより、容器7内における対流部位が変化し、吹きこぼれまたは焦げ付き等を抑制することができる。
(第2の方法)
第2の方法は、すべての加熱部3C、3Lおよび3Rに電力を供給して通電するが、加熱部3Cの電力供給量を加熱部3Lおよび3Rよりも少なくする制御である。両側の加熱部3Lおよび3Rよりも少ない電力が加熱部3Cに供給されることにより、加熱部3C、3Lおよび3Rに同等の電力が供給される場合と比較して、加熱ムラを抑制することができる。
なお、容器7の熱伝導率は材質によって異なる。そのため、熱伝導率が比較的低い材質で容器7が形成されている場合には、加熱部3Cが補助的に駆動することにより、第1の方法よりも加熱ムラを抑制することができる。また、第2の方法では、第1の方法と同様に、それぞれの加熱部3L、3Cおよび3Rが、あるいは、加熱部3Lおよび3Rと加熱部3Cとが順番に(交互に)駆動することにより、容器7内の対流部位を変化させながら加熱することができる。
(第3の方法)
第3の方法は、加熱部3C、3Lおよび3Rが加熱コイルである場合に、加熱部3Cの加熱コイルの巻数を、加熱部3Lおよび3Rの加熱コイルの巻数よりも少なくし、すべての加熱部3C、3Lおよび3Rに同等の電力を供給して通電する制御である。これにより、すべての加熱部3C、3Lおよび3Rに同等の電力が供給された場合でも、容器7の底部7bのうち、加熱部3Lおよび3Rに対向する部分を強く加熱することができる。また、第3の方法では、第1および第2の方法と同様に、それぞれの加熱部3L、3Cおよび3Rが交互に駆動することにより、容器7内の対流部位を変化させながら加熱することができる。
なお、この例では、加熱部3C、3Lおよび3Rが加熱コイルである場合について説明したが、加熱部3C、3Lおよび3Rがシーズヒータ等の抵抗加熱装置である場合には、これに限られない。例えば、加熱部3C、3Lおよび3Rがシーズヒータ等の抵抗加熱装置である場合には、対向する容器7の単位面積あたりの加熱量が加熱部3Cよりも加熱部3Lおよび3Rで強くなるように配置し、加熱部3C、3Lおよび3Rに同等電力を通電すればよい。
(第4の方法)
第4の方法は、磁界の干渉を利用して、容器7の中央部付近の加熱を弱めつつ、すべての加熱部3C、3Lおよび3Rに電力を同時に供給して通電する制御である。加熱部3C、3Lおよび3Rが加熱コイルである場合において、第4の方法では、それぞれの加熱部3C、3Lおよび3Rに対して通電する際に、加熱コイルを流れる電流の向きが規定される。
図13は、加熱部を流れる電流について説明するための概略図である。図13に示すように、加熱装置3では、互いに隣接する加熱部(加熱コイル)の接近部分の電流が逆方向に流れるように、それぞれの加熱部3C、3Lおよび3Rに通電される。加熱装置3において、このように通電されると、隣接する加熱部(例えば、加熱部3Lおよび3C)の接近部分の磁界の干渉により、容器7の中央部に対する加熱が弱まる。そのため、実質的に容器7の外周部のみが加熱されることになり、加熱ムラを抑制することができる。
第4の方法は、第1〜第3の方法と比較して加熱効率が低下する。しかし、第1〜第3の方法では、加熱部3Lおよび3Rのコイルの中心部にやや熱が集中するのに対して、第4の方法では、ほとんど容器7の底部7bの外周部のみを加熱することができる。そのため、第4の方法は、第1〜第3の方法と比較して、容器7をより均一に加熱することができる。
ただし、第4の方法は、第1〜第3の方法のように、通電が交互に切り替えて行われると、磁界の干渉を利用することができない。したがって、第4の方法では、加熱制御部35は、それぞれの加熱部3C、3Lおよび3Rに対して同時に通電する必要がある。
また、第1〜第3の方法を行う場合、加熱部3C、3Lおよび3Rとして加熱コイルだけでなくシーズヒータ等が用いられても、同様の効果を得ることができる。一方、第4の方法は、磁界の干渉を利用しているため、第4の方法を行う場合には、加熱部3C、3Lおよび3Rとして加熱コイルが用いられる必要がある。
さらに、第4の方法を行う場合には、加熱部3C、3Lおよび3Rの配置位置が加熱制御に大きく影響する。具体的には、隣接する加熱部3Lおよび3C、ならびに、加熱部3Cおよび3Rは、お互いの接近部分が略平行となるように配置される。すなわち、加熱部3C、3Lおよび3Rは、略平行となる接近部分を有する形状に形成される。例えば、加熱部3C、3Lおよび3Rがそれぞれ円形である場合には、接近部分が少なくなるため、磁界の干渉効果を得ることが困難となる。
加えて、加熱部3C、3Lおよび3Rにおける隣接する加熱部との接近部分以外の非接近部分は、容器7の底部7bの外周に沿う形状であると好ましい。具体的には、例えば、加熱部3Lおよび3Rは、容器7の底部7bの外周に沿うように配置された部位と対向する底部7bの部位の面積の半分以上が、外側領域71(図12参照)内に含まれるように配置される。
なお、容器7によっては、外径部にR加工が施されている場合がある。この場合には、どの領域までを底面とするか曖昧となる。本実施の形態1では、以下に示すように、容器7の底部7bを規定する。
図14は、本実施の形態1における容器の底部について説明するための概略図である。本実施の形態1では、図14に示す斜線部分を底部7bとする。底部7bは、容器7の最下面と、最下面から空焚きが発生しない最低限の内容物の高さまでの部分とを含む。より具体的には、容器7の最下面における内壁部から1cmの高さまでの部分を底部7bとする。このときの「1cm」は、空焚きとならない内容物の高さの目安であり、容器7の形状によっては、1cm未満または1cmより大きくてもよい。
第4の方法において、加熱制御部35は、加熱部3C、3Lおよび3Rを流れる電流の方向を切り替えることで、第1の加熱制御と第2の加熱制御との双方を行う。
すなわち、加熱制御部35は、昇温工程において第2の加熱制御を行う場合に、隣接する加熱部の接近部分を流れる電流を、磁界が強まる方向に流すように加熱装置3を制御する。具体的には、加熱装置3において、互いに隣接する加熱部(加熱コイル)の接近部分の電流が同一方向に流れるように、それぞれの加熱部3C、3Lおよび3Rに通電される。加熱装置3において、このように通電されると、隣接する加熱部(例えば、加熱部3Lおよび3C)の接近部分の磁界が強まる。そのため、実質的に容器7の底部7bの中央部が強く加熱されることになり、容器7内の内容物の対流を促進させることができる。
また、加熱制御部35は、温調工程において第1の加熱制御を行う場合に、隣接する加熱部の接近部分を流れる電流を、容器7の底部7bの中央部における磁界が打ち消し合う方向に流すように加熱装置3を制御する(図13参照)。これにより、容器7の底部7bの外周部が強く加熱される。
また、加熱部3C、3Lおよび3Rが加熱コイルである場合には、磁束を集める磁性体4の配置位置も、容器7の底部7bの発熱分布に大きく影響する。例えば、容器7の底部7bの外周部を強く加熱して第1の加熱制御が行われる場合、磁性体4は、加熱部3Lおよび3Rの外側に集中的に配置されると好ましい。一方、加熱部3Cに対して磁性体4が設けられない場合には、加熱効率が低下する。したがって、磁性体4は、加熱部3Cと比較して加熱部3Lおよび3Rの方が多くなるように配置されると、より好ましい。
容器が真円形状である場合には、加熱装置3を容器の底部の外周部に沿うように配置することで、加熱制御によって容器7の底部7bの中央部に集まった熱が、容器の形状と同様に真円状に伝達されるため、底部を比較的均一に加熱することができる。しかし、本実施の形態1のように、横長の容器7の底部7bを均一に加熱するためには、上述したように、容器7の底部7bの外周部を強く加熱するための加熱装置の配置および形状等の工夫が必要となる。このような工夫は、容器の形状が特定でき、加熱装置3と組み合わせて使用する炊飯器のような構造を有する加熱調理器でのみ可能となるものであり、形状が不特定の容器を使用するIH(Induction Heating)コンロなどの加熱調理器では活用できない。
なお、横長の容器7は、温度ムラが発生しやすい性質を有しているため、加熱調理器100には、温度ムラの検出精度を向上させるために、複数の温度センサが設けられるとよい。また、複数の温度センサは、より温度ムラの発生しやすい長軸上に設けられると、より好ましい。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、調理制御の際に容器7内を減圧することにより、容器7内の内容物が低温でも沸騰するようにしている。これにより、例えば、減圧によって容器7内の沸点が70℃となっている場合において、容器7の底部7bの温度が70℃となっている部分では、弱い沸騰しか発生しない。一方、温度ムラにより容器7の底部7bの温度が72℃となっている部分では、過加熱分である2℃分だけ激しい沸騰が発生する。しかし、過加熱分のほとんどのエネルギーは、沸騰のための状態変化のエネルギーとして用いられるため、内容物の温度自体は70℃程度となり、過加熱による内容物への影響は小さい。したがって、減圧により、横長の容器7の温度を100℃未満の低温に維持する場合であっても、温度ムラを軽減しながら内容物を調理することができる。
このように、本実施の形態1では、独立して制御できる複数の加熱部3C、3Lおよび3Rが設けられ、工程に応じて適切に加熱部3C、3Lおよび3Rに対して通電される。これにより、横長の容器7に対して均一加熱である第1の加熱制御と、局所加熱である第2の加熱制御との双方を行うことができるため、加熱ムラを抑制し、均一に加熱するとともに対流を促進させることができる。
ここで、調理される食材は、温度に依存して大きく変化するが、この変化は食材の種類によって異なる。例えば、肉は、65℃を境にタンパク質が急激に収縮して脱水し、65℃以上の高温であるほど、硬くパサついた仕上がりになる。一方、野菜は80℃を境に徐々に軟化し、80℃以上の高温であるほど、早く軟化する。したがって、肉および野菜を調理する場合において、肉と野菜とをどちらも好みの硬さ、例えば軟らかい状態に調理するためには、それぞれの食材を異なる温度で調理することが望ましい。
本実施の形態1では、すべての加熱部3C、3Lおよび3Rが独立して制御されるように構成している。そのため、同一の容器7内で温度差が生じるように加熱することができる。具体的には、例えば、加熱調理器100に2つの温度センサ5を設け、これらの温度センサ5が容器7の底部7bにおける長軸上の左右2点に配置されるようにする。そして、各温度センサ5の出力値が異なる2つの温度となるように、制御装置30は、加熱部3Lおよび3Rをそれぞれ制御する。このとき、温度センサ5は、加熱部3Lおよび3Rの内側にそれぞれ配置されると好ましい。
同一の容器7内で、煮汁に対して十分な温度差を生み出す場合には、着脱可能であり、容器7内を複数の領域に区分するための仕切板が容器7内に設けられるとよい。仕切板は、それぞれの領域の互いの熱が伝わりにくくなるように、断熱材または断熱構造を含む材料で形成される。また、高温側の煮汁が低温側へ流入することを考慮して、設定温度の低い領域に対する実際の設定温度は、所望の設定温度よりも低い温度に設定されると好ましい。例えば、容器7内の設定温度を70℃と90℃とにしたい場合、実際の設定温度は、60℃と90℃とに設定される。
なお、仕切板は、容器7内を完全には分離せず、例えばわずかな隙間を下部に形成し、適度に煮汁の行き来ができるように構成されるとよい。これにより、仕切板によって区分された複数の領域で煮汁の味にムラが生じることを抑制しつつ、具材の混合および熱の過度な混合を避けることができる。
また、加熱調理器100に「焼き」または「炒め」など、水分を加えずに100℃以上の温度で加熱するモードを搭載する場合には、容器7の加熱ムラが直接調理物の焼きムラへと影響する。そのため、容器7は、より均一に加熱されることが望ましい。したがって、容器7を加熱する場合には、上述した第1〜第4の方法のいずれかの制御が用いられるとよい。
さらに、加熱調理器100に「無水調理」または「温め」など、初期の煮汁量が少ない、またはとろみのある内容物を加熱する可能性があるモードを搭載する場合、昇温工程において局所加熱が行われると、焦げ付き等が発生する可能性がある。そのため、このようなモードにおいては、容器7は、局所加熱ではなく、上述した第1〜第4の方法によって均一に加熱されるようにすると好ましい。
以上のように、本実施の形態1に係る加熱調理器100では、容器7の底部7bの外側領域71が内側領域72よりも強く加熱される第1の加熱制御と、内側領域72が外側領域71よりも強く加熱される第2の加熱制御とが行われる。このように、加熱調理器100は、第1の加熱制御によって熱伝達による干渉の影響を小さくすることにより、横長形状の容器7の底部7bをムラなく均一に加熱することができる。また、加熱調理器100は、第2の加熱制御によって内側領域72を局所的に加熱することにより、容器7内の内容物の対流を促進させることができる。したがって、加熱調理器100は、容器7内の内容物の加熱ムラを抑制することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、容器7内の温度を設定温度に維持する温調工程の際に、第1の加熱制御を行う。これにより、容器7の中央部への熱の集中が回避されるため、加熱ムラを抑制することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、容器7内の温度を設定温度Tまで昇温させる昇温工程の際に、第2の加熱制御を行う。これにより、容器7の底部7bが局所的に加熱され、対流が強制的に促されるため、対流が発生するまでの時間が短くなる。そして、対流によって容器7内の内容物の温度が均一化されるため、結果として加熱ムラを抑制することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、第2の加熱制御の際に、加熱部3Cよりも加熱部3Lおよび3Rの火力が弱くなるように、加熱装置3を制御する。これにより、容器7の底部7bが局所的に加熱されるため、対流が強制的に促され、容器7内の内容物の温度を均一化することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、第2の加熱制御の際に、加熱部3C、3Lおよび3Rのうちいずれか1つに通電する。これにより、通電した部位の加熱部に対向する容器7の底部7bが局所的に加熱されるため、対流が強制的に促され、容器7内の内容物の温度を均一化することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、第1の加熱制御の際に、加熱部3Lおよび3Rに通電する。また、制御装置30は、第1の加熱制御の際に、加熱部3Cよりも加熱部3Lおよび3Rの火力が強くなるように、加熱装置3を制御してもよい。これにより、容器7の中央部への熱の集中が回避されるため、加熱ムラを抑制することができる。
加熱調理器100において、加熱部3C、3Lおよび3Rを加熱コイルとした場合に、加熱部3Cの巻数は、加熱部3Lおよび3Rの巻数よりも少なくされる。これにより、すべての加熱部3C、3Lおよび3Rに同等の電力が供給された場合でも、容器7の底部7bのうち、加熱部3Lおよび3Rに対向する部分を強く加熱することができる。
加熱調理器100において、加熱部3Lおよび3Rは、一部が加熱部3Cに沿うように配置されるとともに、他部が容器7の底部7bの外周に沿うように配置される。また、加熱部3Lおよび3Rは、容器7の底部7bの外周に沿うように配置された部位と対向する底部7bの部位の面積の半分以上が外側領域に含まれるように配置される。これにより、隣接する加熱部の接近部分の磁界の干渉により、容器7の中央部に対する加熱が弱まる。そのため、実質的に容器7の外周部のみが加熱されることになり、加熱ムラを抑制することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、第1の加熱制御の際に、加熱部3C、3Lおよび3Rにおける隣接する加熱部との接近部位を流れる電流が互いに逆方向になるように通電する。これにより、容器7の底部7bの中央部における磁界が打ち消し合う方向に電流が流れ、容器7の底部7bの外周部が強く加熱される。そのため、容器7の内容物に対して均一に加熱を行うことができる。
また、制御装置30は、第2の加熱制御の際に、上述した接近部位を流れる電流が互いに同一方向になるように通電する。これにより、隣接する加熱部の接近部位の磁界が強まるため、実質的に容器7の底部7bの中央部が強く加熱されることになり、容器7内の内容物の対流を促進させることができる。
加熱調理器100において、加熱部3C、3Lおよび3Rは、シーズヒータ等の抵抗加熱装置であり、加熱部3Cは、加熱部3Lおよび3Rよりも対向する容器7の単位面積あたりの加熱量が小さくなるように配置される。これにより、加熱部3C、3Lおよび3Rが加熱コイルである場合と同様の効果を得ることができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、第1の加熱制御の際に、加熱部3Cへの通電率よりも、加熱部3Lおよび3Rへの通電率が高くなるように、加熱装置3を制御する。これにより、容器7の底部7bの外周部が強く加熱されるため、容器7の内容物に対して均一に加熱を行うことができる。
加熱調理器100において、複数の温度センサ5が容器7の底部7bの長軸上に配置される。また、複数の温度センサ5を容器7の底部7bの長軸方向の左右側にそれぞれ配置し、制御装置30は、複数の温度センサ5で計測された温度に基づき、容器を左右で異なる温度に温調する。このとき、容器7内を左右に分割する仕切板が設けられると好ましい。これにより、容器7内の2箇所の温度が計測され、計測結果に基づき、容器7内の内容物に対して2温度で調理することができる。
加熱調理器100は容器7の内部を減圧する減圧装置をさらに備える。これにより、容器7内の内容物を低温でも沸騰させることができる。そのため、横長の容器7の温度を100℃未満の低温に維持する場合であっても、温度ムラを軽減しながら内容物を調理することができる。
加熱調理器100において、制御装置30は、昇温工程において、容器7内の内容物に対して水分を加えずに100℃以上の温度で加熱する場合に、第1の加熱制御を行う。また、制御装置30は、昇温工程において、容器7内の内容物の初期の煮汁量が少ない、または、内容物の粘度が高い場合に、第1の加熱制御を行う。これにより、容器7の底部7bが均一に加熱されるため、容器7の加熱ムラが影響することなく内容物を調理することができる。
以上、本開示の実施の形態1について説明したが、本開示は、上述した実施の形態1に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形または応用が可能である。例えば、加熱調理器100における三方向電磁弁13、減圧装置15、連通流路16a〜16dおよび外蓋通気孔17aおよび17bは必須ではなく、省略してもよい。
また、加熱装置3の平面視における輪郭形状は、楕円形状に限定されるものではなく、例えば、矩形環状または矩形としてもよい。底部7bが長方形の場合、底部7bの中心を通る長辺と平行な直線を楕円形状の場合の「長軸」と同義とし、底部7bの中心を通る短辺と平行な直線を楕円形状の場合の「短軸」と同義とする。
1 本体、2 容器収納部、3、103 加熱装置、3L、3C、3R 加熱部、4 磁性体、5 温度センサ、6 圧縮バネ、7、107 容器、7a フランジ部、7b、107b 底部、8 把持部、9 内蓋、10 蓋パッキン、11 外蓋、12 内蓋通気孔、13 三方向電磁弁、14 経路パッキン、15 減圧装置、16a、16b、16c、16d 連通流路、17a、17b 外蓋通気孔、18 蒸気孔、19 蒸気排出弁、20 カートリッジ、21 蒸気排出口、22 カートリッジパッキン、23 蓋センサ、24 蓋センサパッキン、25 センサ孔、26 操作表示装置、27 インバータ部、30 制御装置、31 温度設定部、32 温度判定部、33 圧力設定部、34 圧力判定部、35 加熱制御部、36 圧力制御部、37 記憶部、41 処理回路、42 入出力装置、43 プロセッサ、44 メモリ、45 入出力装置、71 外側領域、72 内側領域、100 加熱調理器。

Claims (18)

  1. 横長の底部を有し、内容物を収容する容器と、
    前記容器を収納する本体と、
    前記容器を加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記容器の前記底部の中心から外周までの中間よりも外側の領域である外側領域が、前記底部の中心から外周までの中間よりも内側の領域である内側領域よりも強く加熱される第1の加熱制御と、前記内側領域が前記外側領域よりも強く加熱される第2の加熱制御とを行うように、前記加熱装置を制御する
    加熱調理器。
  2. 前記制御装置は、
    前記容器内の温度を設定温度に維持する温調制御の際に、前記第1の加熱制御を行う
    請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記制御装置は、
    前記容器内の温度を設定温度まで昇温させる昇温制御の際に、前記第2の加熱制御を行う
    請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 前記加熱装置は、
    前記容器の前記底部の中央部を含む位置に対向して配置される第1の加熱部と、
    前記第1の加熱部に隣接し、前記第1の加熱部に対して前記底部の長軸上の右側に配置される第2の加熱部と、
    前記第1の加熱部に隣接し、前記第1の加熱部に対して前記底部の長軸上の左側に配置される第3の加熱部と
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記第2の加熱制御の際に、前記第1の加熱部よりも前記第2の加熱部および前記第3の加熱部の火力が弱くなるように、前記加熱装置を制御する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記制御装置は、
    前記第2の加熱制御の際に、前記第1の加熱部、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部のうちいずれか1つに通電する
    請求項4に記載の加熱調理器。
  6. 前記制御装置は、
    前記第1の加熱制御の際に、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部に通電する
    請求項4または5に記載の加熱調理器。
  7. 前記制御装置は、
    前記第1の加熱制御の際に、前記第1の加熱部よりも前記第2の加熱部および前記第3の加熱部の火力が強くなるように、前記加熱装置を制御する
    請求項4または5に記載の加熱調理器。
  8. 前記第1の加熱部、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部は、
    前記容器を誘導加熱する加熱コイルであり、
    前記第1の加熱部は、
    前記第2の加熱部および前記第3の加熱部よりもコイルの巻数が少ない
    請求項4または5に記載の加熱調理器。
  9. 前記第2の加熱部および前記第3の加熱部は、
    一部が前記第1の加熱部に沿うように配置され、
    他部が前記容器の前記底部の外周に沿うように配置され、
    前記容器の前記底部の外周に沿うように配置された部位と対向する前記底部の部位の面積の半分以上が前記外側領域に含まれるように配置される
    請求項4または5に記載の加熱調理器。
  10. 前記制御装置は、
    前記第1の加熱制御の際に、前記第1の加熱部、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部における隣接する加熱部との接近部位を流れる電流が互いに逆方向になるように通電し、
    前記第2の加熱制御の際に、前記接近部位を流れる電流が互いに同一方向になるように通電する
    請求項9に記載の加熱調理器。
  11. 前記第1の加熱部、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部は、
    通電によって発熱する抵抗加熱装置であり、
    前記第1の加熱部は、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部よりも対向する前記容器の単位面積あたりの加熱量が小さくなるように配置される
    請求項4〜7のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  12. 前記制御装置は、
    前記第1の加熱制御の際に、前記第1の加熱部への通電率よりも、前記第2の加熱部および前記第3の加熱部への通電率が高くなるように、前記加熱装置を制御する
    請求項4〜11のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  13. 前記容器の前記底部の温度を計測する複数の温度センサをさらに備え、
    複数の前記温度センサは、
    前記底部の長軸上に配置される
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  14. 複数の前記温度センサは、
    前記容器の前記底部の長軸方向の左右側にそれぞれ配置され、
    前記制御装置は、
    複数の前記温度センサで計測された温度に基づき、前記容器を左右で異なる温度に温調する
    請求項13に記載の加熱調理器。
  15. 前記容器内を左右に分割する仕切板をさらに備える
    請求項13または14に記載の加熱調理器。
  16. 前記容器の内部を減圧する減圧装置をさらに備える
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  17. 前記制御装置は、
    前記容器内の温度を設定温度まで昇温させる昇温制御において、前記容器内の内容物に対して水分を加えずに100℃以上の温度で加熱する場合に、前記第1の加熱制御を行う
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  18. 前記制御装置は、
    前記容器内の温度を設定温度まで昇温させる昇温制御において、前記容器内の内容物の初期の煮汁量が少ない、または、前記内容物の粘度が高い場合に、前記第1の加熱制御を行う
    請求項1〜17のいずれか一項に記載の加熱調理器。
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