JP6010750B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の加熱コイルを用いて鍋などの被加熱物を加熱する誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器において、温度変化検出手段によって検出された被加熱物の温度変化に基づいて加熱制御の目標温度を高くするものがある(例えば、特許文献1参照)。
これにより、例えば揚げ物調理のときの具材の投入による油の温度低下を検出した際に加熱出力を大きくすることで油の温度を素早く上昇させ、具材投入後の油温度の復帰時間を短縮することができる。これにより、揚げ物調理が完了するまでに要する調理時間を短縮することができる。また、温度が低下した油で揚げることによる調理物の仕上がりのべちゃつき度合が抑制されるなど、揚げ物調理の調理性能を向上することができる。
特開2010−211998号公報
しかしながら、特許文献1で示されているように、1つの被加熱物を1つの加熱コイルで加熱する従来の誘導加熱調理器の構成では、被加熱物に均等に電力を供給することしかできないため、被加熱物である鍋の内部に油などの液体が存在せず、対流によって熱を伝えることができない場合、被加熱物に温度差が存在してもその温度差を縮小することがで
きなかった。
また、被加熱物の温度差を検知して加熱出力を増大させたとすると、被加熱物の高温の領域に供給される加熱出力も増大することで被加熱物の高温の領域の温度は更に上昇し、条件によっては発火や発煙を招く恐れがあった。
さらに、被加熱物の温度が高い領域であるために加熱する必要のない領域まで加熱してしまうことで、無駄な電力を消費してしまっていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、固体の調理物のみを加熱調理する場合においても被加熱物の温度差を一定にすることができ、調理性能を高められる誘導加熱調理器を提供する。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、被加熱物を載置するトッププレートと、トッププレートの下方に配設され、1つの被加熱物を誘導加熱する複数の加熱コイルと、複数の加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、インバータ回路に駆動信号を出力してインバータ回路の動作を制御する制御手段と、複数の加熱コイルによって加熱される1つの被加熱物の温度を検出する複数の温度検出手段とを備えている。
上記誘導加熱調理器において、
制御手段は、被加熱物が載置された前記トッププレートの下方に位置する複数の加熱コイルに同時に高周波電流を流すことで1つの被加熱物を共同で加熱するようにインバータ回路の動作を制御し、
被加熱物の下方に位置する複数の加熱コイルから被加熱物に電力を供給している時に被加熱物の下方に位置する複数の温度検出手段から出力される検出値のうち、
最大検出値よりも所定値以下の検出値が出力されると、所定値以下の検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を、最大検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力よりも大きくすると共に、
温度検出手段から所定値以上の検出値が出力されると、所定値以上の検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力のみを減少または停止するようにしたものである。
本発明の誘導加熱調理器によれば、1つの被加熱物の温度が低い領域のみ大電力で加熱することになるため、1つの被加熱物の温度が高い領域との温度差を縮小することができる。
また、1つの被加熱物の温度が高い領域に供給する電力を大きくしなくてすむため、無意味な電力を供給せず、省エネ性を向上することができる。さらに、1つの被加熱物の一部たりとも過熱状態にならず、発火や発煙を起こし難く安全性の高い誘導加熱調理器を提供することも可能となる。
さらに、被加熱物の温度を設定温度以上にならないように制御することができる。これにより、一定の温度で調理を行うことで例えば食材の焦げ付きを防止したりすることができる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の構成図((a)上面図、(b)断面図) 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のインバータ回路図 本発明の実施の形態1における調理物の投入場所を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値および加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的変化を示す図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値および加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的変化を示す図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値および加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的変化を示す図 本発明の実施の形態4における調理物の投入場所を示す図 本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値および加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的変化を示す図 本発明の実施の形態5における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値および加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的変化を示す図 本発明における誘導加熱調理器のその他の構成図 本発明における誘導加熱調理器のその他の構成図 本発明における複数の加熱コイルのその他の構成図
第1の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、トッププレートの下方に配設され、1つの被加熱物を誘導加熱する複数の加熱コイルと、複数の加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、インバータ回路に駆動信号を出力してインバータ回路の動作を制御する制御手段と、複数の加熱コイルによって加熱される1つの被加熱物の温度を検出する複数の温度検出手段とを備えている。
上記誘導加熱調理器において、
前記制御手段は、被加熱物が載置されたトッププレートの下方に位置する複数の加熱コイルに同時に高周波電流を流すことで1つの被加熱物を共同で加熱するようにインバータ回路の動作を制御し、
被加熱物の下方に位置する複数の加熱コイルから被加熱物に電力を供給している時に被加熱物の下方に位置する複数の温度検出手段から出力される検出値のうち、
最大検出値よりも所定値以下の検出値が出力されると、所定値以下の検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を、最大検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力よりも大きくすると共に、
前記温度検出手段から所定値以上の検出値が出力されると、所定値以上の検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力のみを減少または停止するものである。
本発明によれば、1つの被加熱物を複数の加熱コイルによって加熱しているため、複数の加熱コイルそれぞれに流す高周波電流の大きさを個々に調節することで、被加熱物に供給する電力を加熱コイルの大きさで決まる領域毎に変化させ、きめ細かく温度を制御することができる。
また、1つの被加熱物において、温度検出手段の検出値から得られた最高温度よりも所定値以上低い温度の領域のみを大電力で加熱するため、被加熱物の温度差を縮小して調理物の仕上がりが不均一にならないようにすることができる。
さらに、被加熱物の温度が高い領域に供給する電力を大きくしなくてすむため、被加熱
物に調理性能を高めない無意味な電力を供給せず、省エネ性を向上することができる。また、被加熱物の一部の領域たりとも過熱状態にならず、発火や発煙を起こし難く安全性の高い誘導加熱調理器を提供することが可能となる。
さらに、被加熱物の温度を設定温度以上にならないように制御することができる。これにより、一定の温度で調理を行うことで例えば食材の焦げ付きを防止したりすることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、1つの被加熱物を共同で加熱するために通電するいずれの加熱コイルからも同じ電力を被加熱物に供給する制御状態における被加熱物に供給される総電力と、一部の加熱コイルから被加熱物に供給する電力を他の加熱コイルから被加熱物に供給する電力よりも大きな電力を供給する制御状態における被加熱物に供給される総電力が同一値となるようにインバータ回路の動作を制御するものである。
本発明によれば、最大検出値よりも所定値以上小さい検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を、最大検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力よりも大きくするときは、同時に、最大検出値よりも所定値以上小さい検出値を出力していない温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を、最大検出値よりもある所定値以上小さい検出値が出力される以前の電力よりも小さくすることになる。
すると、ある所定値以上小さい検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力と、最大検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力との差が、最大検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を最大検出値よりもある所定値以上小さい検出値が出力される以前の電力から変更しない場合と比較して大きくなるため、被加熱物の温度分布をより素早く均一にすることができる。
また、複数の加熱コイルそれぞれから被加熱物に供給する電力が異なる制御状態になっても1つの被加熱物に供給する総電力は変わらないため、例えば使用者によって設定された値を超える電力が被加熱物に供給されることによって食材の表面ばかりが焦げ、食材の内部まで熱をしっかり加えきれず調理性能を悪化させてしまうことを引き起こさないようにすることができる。
もし、いずれの加熱コイルからも同じ電力を被加熱物に供給する制御状態における1つの被加熱物に供給される総電力が、1つの被加熱物に供給してよい最大の電力、つまり定格電力であるか、または別の被加熱物を同時に加熱していることによって電源容量やインバータ回路の動作の都合上、1つの被加熱物に供給可能な最大電力であるとき、最大検出値よりも所定値以上小さい検出値を出力していない温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を最大検出値よりもある所定値以上小さい検出値が出力される以前の電力よりも小さくすることにより、最大検出値よりも所定値以上小さい検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を大きくすることができ、被加熱物の温度差を縮小する加熱制御を行うことができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、複数の温度検出手段から出力される検出値のうち、最大検出値とその最大検出値よりも小さい検出値との差の大きさに基づいて、最大検出値よりも小さい検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を複数段階で変化させるようにインバータ回路の動作を制御するものである。
本発明によれば、被加熱物の最高温度との温度差が大きいほど、最大検出値より小さい検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力の上昇値を大きくすることにより、被加熱物の温度が最高温度と比較して著しく低い領域が存在しても、被加熱物の温度差を素早く縮小することができる。
また、被加熱物の最高温度との温度差が小さければ、最大検出値より小さい検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力の上昇値を小さくすることにより、最大検出値より小さい検出値を出力していた温度検出手段の近傍の被加熱物の温度が最大検出値を出力していた温度検出手段の近傍の被加熱物の温度を超過するオーバーシュート現象を引き起こさないようにして、制御の安定性能を高くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の構成図であり、図1(a)は誘導加熱調理器の上面図、図1(b)は図1(a)の線分L−L’における断面図である。
また、図2は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器のインバータ回路図を示すものである。
まず、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の構成について、図1を用いて説明する。鍋などの被加熱物を載置するトッププレート13の下方には、同一形状の四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)が、被加熱物を加熱する領域を示す第1の加熱領域11の内側に整列して配設されている。
四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)には、加熱コイルに高周波電流を供給するためのインバータ回路43が接続されており、制御手段59から出力される駆動信号に基づいてインバータ回路43の動作を制御して、四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)のそれぞれに供給する高周波電流の値を制御する。
四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)全てに被さるようにトッププレート13に載置された円形被加熱物21に供給する電力値は、誘導加熱調理器の使用者が操作手段14から設定することにより決定され、操作手段14から制御手段59に出力された制御信号に基づいて制御手段59はインバータ回路43に出力する駆動信号の値を変化させる。
四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)の中心部にはそれぞれ被加熱物の温度を検出する温度検出手段(第1の温度検出手段91、第2の温度検出手段92、第3の温度検出手段93、第4の温度検出手段94)が配設されている。
これら温度検出手段の上方に載置された被加熱物の温度を検出するとともに、それぞれの温度検出手段から制御手段59に出力された複数の検出値に基づいても、制御手段59は電力供給手段15に出力する制御信号の値を変化させる。
図1に示す誘導加熱調理器では二つの加熱領域が存在し、第2の加熱領域12の内側にも四つの加熱コイルおよび四つの温度検出手段が配設されている。第2の加熱領域12に載置された楕円形被加熱物22は、第2の加熱領域12の内側に配設された四つの加熱コイルのうちの手前二つの加熱コイルにしか被さっていないが、第1の加熱領域11と同様に操作手段14から電力値を設定することにより加熱は可能である。
温度検出手段の検出値に基づいて電力供給手段15の動作を制御する場合においても、楕円形被加熱物22の下方に配設されている二つの温度検出手段の検出値のみを適用することで正確な制御が可能である。
冷却ファン16は、電力供給手段15や四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)を冷却する。
図2は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器のインバータ回路図を示すものである。
図2には電力供給手段15のインバータ回路43を構成するスイッチング手段である第1のスイッチング素子51と第2のスイッチング素子53の他に四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)や電源なども図示していることから、電源から加熱コイルに電力が供給されるまでの電気的な流れを理解できる。
図2において、コンセントなどから供給される電源は交流電源41であり、交流電源41を直流電源に変換するためにダイオードブリッジなどからなる整流手段42が接続されている。
整流手段42の出力側には、第1の逆導通ダイオード52が並列接続された第1のスイッチング素子51と、同じく第2の逆導通ダイオード54が並列接続された第2のスイッチング素子53を電気的に直列接続したものが接続され、インバータ回路43を構成している。
インバータ回路43には、第1の加熱コイル81と第1の共振コンデンサ56からなる共振回路が接続されている。
また、第1のスイッチング素子51や第2のスイッチング素子53のスイッチング動作によって発生するスイッチング損失を低減するために、スナバコンデンサ60が第2のスイッチング素子53と電気的に並列接続されている。
また、第1のスイッチング素子51および第2のスイッチング素子53を駆動制御する制御手段59を有している。
このように構成されたインバータ回路を四つの加熱コイルそれぞれに設けることにより、本実施の形態の誘導加熱調理器の回路を形成する。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
本実施の形態における誘導加熱調理器では、同一の加熱領域内に四つの加熱コイルが配設されていることから、1つの被加熱物を加熱するために通常は四つの加熱コイルを用いる。
しかし、楕円形被加熱物22のように被加熱物が第2の加熱領域12に対して小さい場合、直上に楕円形被加熱物22が載置された二つの加熱コイルのみに高周波電流を供給することによって、被加熱物の加熱に寄与しない残り二つの加熱コイルへの通電を停止して、それらの加熱コイルに高周波電流が流れることによって発生する加熱コイルの導通損失や、加熱コイルに高周波電流を供給するためのインバータ回路のスイッチング素子の導通損失やスイッチング損失をなくし、加熱効率の高い誘導加熱調理器を提供することができる。
また、加熱に寄与しない加熱コイルへの高周波電流の供給を停止することにより、被加熱物が小さくても電磁波の発生が抑制できることから、周辺機器への誤動作等の悪影響を与えないようにすることができる。
一方、被加熱物が四つの加熱コイル全ての直上を覆うような大きさの円形被加熱物21の場合、四つの加熱コイル全てに高周波電流を供給することによって円形被加熱物21は高い電力値で加熱される。
これは、加熱に寄与する全ての加熱コイルに通電することによって加熱面積をできるだけ拡大し、均一に加熱することができるようにするためである。
また、一般的な誘導加熱調理器では、1つの加熱領域、つまり四つの加熱コイルから被加熱物に供給する最大電力は決まっているため、最大電力を1つの加熱領域内に存在する加熱コイルの数で割った電力を供給できるような設定にすることで、損失の責務が均等に分散され、加熱コイルやインバータ回路の冷却設計を容易にすることと部品定格を落として低価格で実現するためでもある。
本実施の形態の誘導加熱調理器において、被加熱物に供給する電力の調節は高周波駆動しているインバータ回路のスイッチング素子の一周期内のオン時間とオフ時間の比率、あるいは動作周波数を変更することによって、加熱コイルに流れる高周波電流を変化させることにより行う。
これによって、電力を連続的に制御することができる。誘導加熱調理器の電力設定は一般的には離散的に設定する形態であるが、被加熱物の材質や変形具合、温度特性、被加熱物の載置位置のずれなどの要因によって加熱コイル端子に現れる被加熱物の電気的特性は様々であるから、目標の電力設定値に調節するためには、加熱コイルに流れる電流を連続的に制御することが必要不可欠になる。
なお、被加熱物に供給する電力の値を最大電力の値から低下させるとき、被加熱物の均一性からは被加熱物に電力を供給している全ての加熱コイルに流れる電流を略均一に減少させることが望ましい。
図3は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器に載置された被加熱物に食材が投入された状態を示している。食材31の大きさは、円形被加熱物21の加熱領域の大きさと比較して大凡4分の1であり、第1の加熱コイル81の上方に位置する円形被加熱物21の上部に投入されている。
また、図4は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値と加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的な関係を示している。
図4の上側に示される波形図は、第1の温度検出手段91からの検出値の波形101、
第2の温度検出手段92からの検出値の波形102、第3の温度検出手段93からの検出値の波形103、第4の温度検出手段94からの検出値の波形104を示している。
図4の下側に示される波形図は、第1の加熱コイル81から被加熱物に供給される電力の波形111、第2の加熱コイル82から被加熱物に供給される電力の波形112、第3の加熱コイル83から被加熱物に供給される電力の波形113、第4の加熱コイル84から被加熱物に供給される電力の波形114を示している。
図4において、食材31を投入する前では、温度検出手段の検出値から判断できる被加熱物の温度および加熱コイルから被加熱物に供給される電力が一定であることから、加熱動作が定常状態であることがわかる。
食材31が図3に示した領域に投入されると、円形被加熱物21よりも食材31の方が温度が低いため、円形被加熱物21の熱が食材31へと伝熱し、食材31の直下周辺の円形被加熱物21の温度が急激に低くなる。
第1の温度検出手段91は食材31の投入によって生じた円形被加熱物21の温度の低下を検出し続ける。
その後、第1の温度検出手段91が検出する円形被加熱物21の温度が、第1の温度検出手段91を除いた三つの温度検出手段(第2の温度検出手段92、第3の温度検出手段93、第4の温度検出手段94)が検出する最高温度である第2の温度検出手段92の最大検出値T1よりも差分△T1A小さい所定値A以下になると、第1の加熱コイル81から被加熱物に供給する電力を、第1の加熱コイル81を除く三つの加熱コイル(第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)から被加熱物に供給する電力よりも大きくすることによって、円形被加熱物21の温度が低下した領域(第1の加熱コイル81の上方)の温度を素早く復帰させて、温度の低下によって加熱不足が生じることなどがなく、調理性能を向上することができる。
また、食材31が投入された領域を集中して加熱することによって、円形被加熱物21の温度が食材31を投入する前の温度を超えない範囲でありながら食材31を集中的に加熱して、調理時間を短縮することができる。
また、食材31の投入によって温度が低下した領域のみに大きな電力を供給することにより、食材31の加熱調理に寄与しない他の領域の無駄な加熱を避けて省エネ性を高くすることができる。
さらに、食材31が載置されておらず温度上昇が起こりやすい領域の加熱までも行わないように制御することで、被加熱物の温度上昇を回避し、発火や発煙の起こらないようにすることができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値と加熱コイルから被加熱物に供給される電力の関係を示している。
図5の上側に示される波形図は、第1の温度検出手段91からの検出値の波形131、第2の温度検出手段92からの検出値の波形132、第3の温度検出手段93からの検出値の波形133、第4の温度検出手段94からの検出値の波形134を示している。
図5の下側に示される波形図は、第1の加熱コイル81から被加熱物に供給される電力
の波形141、第2の加熱コイル82から被加熱物に供給される電力の波形142、第3の加熱コイル83から被加熱物に供給される電力の波形143、第4の加熱コイル84から被加熱物に供給される電力の波形144を示している。
ここで、本実施の形態2では前記実施の形態1と異なる部分のみを説明し、前記実施の形態1と同一の部分については説明を省略する。
図5は、一部の加熱コイルから被加熱物に供給する電力を大きくしたとき、その他の加熱コイルから被加熱物に供給する電力を小さくしている点で図4とは異なる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
本実施の形態2における誘導加熱調理器は、最大検出値T1よりも差分△T1A低い所定値A以下の検出値を出力する第1の温度検出手段91の近傍に配設された第1の加熱コイル81から円形被加熱物21に供給する電力Pcを、最大検出値を出力する第2の温度検出手段92の近傍に配設された第2の加熱コイル82から円形被加熱物21に供給する電力Paよりも大きくするときは、最大検出値T1よりも差分△T1A低い所定値A以下の検出値を出力していない三つの温度検出手段(第2の温度検出手段92、第3の温度検出手段93、第4の温度検出手段94)の近傍に配設された三つの加熱コイル(第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)から円形被加熱物21に供給する電力Pdを、最大検出値T1よりも差分△T1A低い所定値A以下の検出値が出力される以前の電力Paよりも小さくする。
図5では、食材31の投入後に第1の温度検出手段91が測定している円形被加熱物21の領域の温度が低下し、その値が所定値A以下であると第1の温度検出手段91の検出値によって制御手段59が判断すると、第1の温度検出手段91の近傍に配設された第1の加熱コイル81に流す高周波電流の大きさを大きくし、第1の加熱コイル81から円形被加熱物21に供給する電力を大きくする。
それとともに、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84から被加熱物に供給する電力は低くする状態2へと遷移する。
これによって、食材31が載置されていない円形被加熱物21の領域の加熱を減少させ、食材31の加熱に寄与しない電力の供給を抑制して省エネ性を高めることができる。
また、状態1での円形被加熱物21に供給される総電力と、状態2での円形被加熱物21に供給される総電力を同一とすることにより、四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)それぞれから円形被加熱物21に供給する電力が異なる制御状態になっても1つの円形被加熱物21に供給する総電力は変わらない。
このため、例えば使用者によって設定された値を超える電力が円形被加熱物21に供給されることによって食材の表面ばかりが焦げ、食材の内部まで熱をしっかり加えきれず調理性能を悪化させてしまうことを引き起こさず、調理性能を高めることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値と加熱コイルから被加熱物に供給される電力の関係を示している。
図6の上側に示される波形図は、第1の温度検出手段91からの検出値の波形151、
第2の温度検出手段92からの検出値の波形152、第3の温度検出手段93からの検出値の波形153、第4の温度検出手段94からの検出値の波形154を示している。
図6の下側に示される波形図は、第1の加熱コイル81から被加熱物に供給される電力の波形161、第2の加熱コイル82から被加熱物に供給される電力の波形162、第3の加熱コイル83から被加熱物に供給される電力の波形163、第4の加熱コイル84から被加熱物に供給される電力の波形164を示している。
ここで、本実施の形態3では前記実施の形態1または2と異なる部分のみを説明し、前記実施の形態1または2と同一の部分については説明を省略する。
図6は、状態1における被加熱物の温度が定常状態ではなく、被加熱物の温度を上昇させる過渡を示している点で図5とは異なる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
本実施の形態3では、円形被加熱物21が例えば常温の状態から加熱を開始して高温になるまでの過渡期における本発明の効果を示している。
円形被加熱物21の加熱を開始すると、被加熱物の直下に位置する四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)から電力が供給される。
このとき、円形被加熱物21の形状や加熱コイルとの位置関係、円形被加熱物21に投入された食材の偏りなどにより、四つの加熱コイルそれぞれの加熱コイルから円形被加熱物21に同じ電力を供給していても円形被加熱物21に温度差が生じる場合がある。
このとき、円形被加熱物21に電力を供給している加熱コイルの近傍に配設された温度検出手段の検出値のうち、最大検出値T2よりも差分△T2B低い所定値B以下の検出値が出力されたとき、所定値B以下の検出値を出力する第1の温度検出手段91の近傍に配設された第1の加熱コイル81から円形被加熱物21に供給する電力Pfを、最大検出値T2を出力する第2の温度検出手段92の近傍に配設された第2の加熱コイル82から円形被加熱物21に供給する電力Peよりも大きくすることにより、温度差を縮小してムラなく均等に円形被加熱物21の温度を上昇させることができる。
これにより、円形被加熱物21の温度の上昇中においても食材への加熱ムラを抑制することができるため、調理性能を高めることができる。
また、図6における状態2では、所定値B以下の検出値を出力する第1の温度検出手段91の近傍に配設された第1の加熱コイル81から円形被加熱物21に供給する電力を大きくするとともに、最大検出値T2を出力する第2の温度検出手段92の近傍に配設された第2の加熱コイル82や、所定値B以下の検出値を出力していない第3の温度検出手段93や第4の温度検出手段94の近傍に配設された第3の加熱コイル83や第4の加熱コイル84から円形被加熱物21に供給する電力を小さくすることにより、状態1と状態2とで円形被加熱物21に供給される総電力を同一としている。
これによって、1つの被加熱物が常温の状態から定格電力で加熱を開始したとき、温度検出手段の最大検出値T2より差分△T2B低い所定値B以下の検出値を出力する場合が発生しても、定格を超える電力を円形被加熱物21に供給することなく、所定値B以下の検出値を出力する第1の温度検出手段91の近傍に配設された第1の加熱コイル81から
円形被加熱物21に供給する電力を大きくすることができる。
また、複数の被加熱物を同時に加熱していて誘導加熱調理器全体の電源容量が最大である時など、1つの被加熱物に供給可能な定格電力でなくても円形被加熱物21に現状以上の電力を供給することができない場合においても、温度が低い領域に供給する電力を上昇させることができる。
また、図6における状態2の動作モードから、再度四つの加熱コイルそれぞれから円形被加熱物21に供給する電力が同じとなるように制御する状態3の動作モードへと遷移するときの閾値である所定値Cと最大検出値T3との差分△T3Cは、状態1から状態2に遷移するときの差分△T2Bよりも小さくする。
これによって、円形被加熱物21の各領域の温度差が一定値以下になるまでは第1の加熱コイル81に供給する電力がその他三つの加熱コイル(第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)からそれぞれ供給する電力よりも大きい状態を維持することができるため、円形被加熱物21の加熱領域の温度差を縮小するように制御することが可能となる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態における誘導加熱調理器に載置された被加熱物に食材が投入された状態を示している。
また、図8は、本発明の第4の実施の形態における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値と加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的な関係を示している。
図8の上側に示される波形図は、第1の温度検出手段91からの検出値の波形171、第2の温度検出手段92からの検出値の波形172、第3の温度検出手段93からの検出値の波形173、第4の温度検出手段94からの検出値の波形174を示している。
図8の下側に示される波形図は、第1の加熱コイル81から被加熱物に供給される電力の波形181、第2の加熱コイル82から被加熱物に供給される電力の波形182、第3の加熱コイル83から被加熱物に供給される電力の波形183、第4の加熱コイル84から被加熱物に供給される電力の波形184を示している。
ここで、本実施の形態4では前記実施の形態1〜3と異なる部分のみを説明し、前記実施の形態1〜3と同一の部分については説明を省略する。
図7は、第2の食材32の大きさが第1の食材よりも大きく、第1の加熱コイル81の略全面と第2の加熱コイル82の一部にまたがるように投入されている点で図3とは異なる。
図8は、二つの所定値Dと所定値Eを有し、また、第1の加熱コイル81と第2の加熱コイル82の二つの加熱コイルから被加熱物に供給する電力を変化させている点で図4とは異なる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
本実施の形態4における誘導加熱調理器は、第1の温度検出手段91や第2の温度検出手段92から出力される検出値が、第3の温度検出手段93から出力される最大検出値T4よりも差分△TD小さい所定値Dになると、第1の加熱コイル81や第2の加熱コイル
82に供給する電力を電力Phから電力Piへと変化させて円形被加熱物21の温度が低下した領域に供給する電力を高めて、円形被加熱物21の温度を高める制御を行う。
第1の加熱コイル81と第2の加熱コイル82の上方に投入される食材32の大きさが異なると食材の熱容量も異なり、円形被加熱物21の温度の低下幅が異なる。従って、所定値Dよりも低い所定値Eを設け、第1の温度検出手段91の検出値が最大検出値T4よりも差分△T4E低い所定値Eになると、第1の加熱コイル81から円形被加熱物21に供給する電力を電力Piから電力Pkへと変化させて円形被加熱物21の温度が更に低下した領域に供給する電力を更に高めて、円形被加熱物21の温度を素早く高める制御を行うことにより、食材の偏りや熱容量、大きさの違いなどによって温度が低くなる円形被加熱物21の領域ほど多くの電力を供給することができるため、様々な熱容量の食材がどのように投入されてもきめ細かな調節が可能となり、調理性能を高くすることができる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の第5の実施の形態における誘導加熱調理器の温度検出手段の検出値と加熱コイルから被加熱物に供給される電力の時間的な関係を示している。
図9の上側に示される波形図は、第1の温度検出手段91からの検出値の波形301、第2の温度検出手段92からの検出値の波形302、第3の温度検出手段93からの検出値の波形303、第4の温度検出手段94からの検出値の波形304を示している。
図9の下側に示される波形図は、第1の加熱コイル81から被加熱物に供給される電力の波形311、第2の加熱コイル82から被加熱物に供給される電力の波形312、第3の加熱コイル83から被加熱物に供給される電力の波形313、第4の加熱コイル84から被加熱物に供給される電力の波形314を示している。
ここで、本実施の形態5では前記実施の形態1〜4と異なる部分のみを説明し、前記実施の形態1〜4と同一の部分については説明を省略する。
図9は、温度検出手段の検出値が所定値Fを超えないように制御している点で図6とは異なる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
円形被加熱物21を四つの加熱コイル(第1の加熱コイル81、第2の加熱コイル82、第3の加熱コイル83、第4の加熱コイル84)で加熱しているとき、第1の温度検出手段91から所定値Fの検出値が出力されると、所定値Fの検出値を出力する第1の温度検出手段91の近傍に配設された第1の加熱コイル81から円形被加熱物21に供給する電力のみを減少または停止することにより、円形被加熱物21の温度を設定温度以上にならないように制御することができる。これにより、一定の温度で調理を行うことで例えば食材の焦げ付きを防止したりすることができる。
また、円形被加熱物21が過熱することを防止することにより、発火や発煙を起こさないようにすることができる。
さらに、所定の温度に達していないその他の領域は加熱を続けることにより、円形被加熱物21の温度を全体的に所定の温度まで上昇させることが可能となり、食材の加熱ムラを防止して調理性能を高めることができる。
また、四つの加熱コイルから円形被加熱物21に供給している総電力は、第1の温度検
出手段91から所定値Fが検出される前と後とで同一の電力となるように前記インバータ回路の動作を制御することにより、円形被加熱物21に供給している電力は使用者による電力設定値や円形被加熱物21に供給可能な定格電力値を維持したままで、所定値Fに達していない領域に供給できる電力を高めることができる。
これによって、例えば食材の熱容量が大きい領域の温度を食材の熱容量が小さい領域の温度と素早く一致させることができ、食材を同一温度で均一に加熱調理することが可能となる。
また、四つの温度検出手段の全てから所定値Fが検出されると、使用者による電力設定値や円形被加熱物21に供給可能な定格電力値を維持することをやめ、円形被加熱物21に電力を供給している全ての加熱コイルに通電する高周波電流の大きさを減少または停止することにより、円形被加熱物21が所望の温度を超えることのないように制御して、食材を焦がすことがないようにすることができる。
また、発火や発煙を起こさず安全な誘導加熱調理器を実現することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態1〜5の説明では、二つのスイッチング素子を用いたインバータ回路をそれぞれの加熱コイルに独立して設けた構成で示したが、スイッチング素子の数や構成が異なるもの、整流回路部やインバータ部を複数の加熱コイルで共有した回路構成など、インバータ回路の構成を限定するものではない。
また、上記実施の形態1〜5は、四つの加熱コイルの配置および接続方法、電力の供給方法を述べたが、9つの加熱コイルを3行×3列で配設したり、あるいは図10に示すように誘導加熱調理器のトッププレートの下方に一面に数十個もの加熱コイルを整列して配設したりするなど、加熱コイルの数は複数であればいくらでもよい。
しかも、図10に示すような加熱コイルの構成では、サイズの大きな被加熱物でも被加熱物の直下には必ず加熱コイルが存在するため、加熱むらなく均一に加熱することが可能となる。
また、被加熱物のサイズが大きくなって伝熱距離が長くなるにつれて被加熱物内の伝熱効果が期待できなくなるため、被加熱物の温度が低下した領域近傍の加熱コイルから被加熱物に供給する電力を上昇させることによって被加熱物の温度差の縮小を実現することができる。
また、温度検出手段は加熱コイルの中心にある必要はなく、図11に示すように、加熱コイル間に配設されてもよく、また、温度検出手段の検出値に基づいて周囲の加熱コイルに供給する高周波電流の大きさを変化できれば、加熱コイルと同数の温度検出手段を配設する必要もない。
さらに、加熱コイルは同一形状でなくてもよく、図12に示すように異なる加熱コイルを同心円状に配設し、それぞれの加熱コイルの近傍に温度検出手段を配設することにより、上記同様の効果を奏することができる。
本発明は、誘導加熱方式を用いて、被加熱物を加熱するときの温度ムラを改善する加熱コイル構成および制御方式を示したものであるため、誘導加熱調理器をはじめとする家庭用調理機器だけでなく、誘導加熱装置を用いる業務用などでも本発明の技術は有用である。
11 第1の加熱領域
12 第2の加熱領域
13 トッププレート
14 操作手段
15 電力供給手段
16 冷却ファン
31、32 食材
41 交流電源
42 整流手段
43 インバータ回路
51、53 スイッチング素子
52、54 逆導通ダイオード
56 第1の共振コンデンサ
59 制御手段
60 スナバコンデンサ
81 第1の加熱コイル
82 第2の加熱コイル
83 第3の加熱コイル
84 第4の加熱コイル
91 第1の温度検出手段
92 第2の温度検出手段
93 第3の温度検出手段
94 第4の温度検出手段

Claims (6)

  1. 被加熱物を載置するトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に配設され、1つの被加熱物を誘導加熱する複数の加熱コイルと、
    前記複数の加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、
    前記インバータ回路に駆動信号を出力して前記インバータ回路の動作を制御する制御手段と、
    前記複数の加熱コイルによって加熱される1つの被加熱物の温度を検出する複数の温度検出手段とを備え、
    前記制御手段は、被加熱物が載置された前記トッププレートの下方に位置する前記複数の加熱コイルに同時に高周波電流を流すことで1つの被加熱物を共同で加熱するように前記インバータ回路の動作を制御し、
    被加熱物の下方に位置する前記複数の加熱コイルから被加熱物に電力を供給している時に前記被加熱物の下方に位置する前記複数の温度検出手段から出力される検出値のうち、
    最大検出値よりも所定値以下の検出値が出力されると、所定値以下の検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を、最大検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力よりも大きくすると共に、
    前記温度検出手段から所定値以上の検出値が出力されると、所定値以上の検出値を出力する温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力のみを減少または停止する誘導加熱調理器。
  2. 1つの被加熱物を共同で加熱するために通電するいずれの加熱コイルからも同じ電力を被加熱物に供給する制御状態における被加熱物に供給される総電力と、一部の加熱コイルから被加熱物に供給する電力を他の加熱コイルから被加熱物に供給する電力よりも大きな電力を供給する制御状態における被加熱物に供給される総電力が同一の電力となるように前記インバータ回路の動作を制御する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記複数の温度検出手段から出力される検出値のうち、最大検出値とその最大検出値よりも小さい検出値との差の大きさに基づいて、最大検出値よりも小さい検出値を出力する温
    度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を複数段階で変化させるように前記インバータ回路の動作を制御する請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記温度検出手段から所定値以上の検出値が出力されると、所定値以上の検出値を出力していない温度検出手段の近傍に配設された加熱コイルから被加熱物に供給する電力を増加する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  5. 1つの被加熱物を共同で加熱するために通電する複数の加熱コイルから被加熱物に供給している総電力は、前記温度検出手段から所定値以上の検出値が出力される前と、前記温度検出手段から所定値以上の検出値が出力される後とで同一の電力となるように前記インバータ回路の動作を制御する請求項1または4に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記複数の温度検出手段の全てから所定値以上の検出値が出力されると、被加熱物に電力を供給している全ての加熱コイルに通電する高周波電流の大きさを減少または停止する請求項1または4または5のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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