JP2007141746A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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大象 緒方
Hiroshi Tominaga
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Abstract

【課題】浮力低減板の余熱によるオーバーシュートを配慮し、安定した温度調節が行える誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】加熱コイル21と、制御手段33と、加熱コイル21上の浮力低減板28と、浮力低減板28上のトッププレート29と、トッププレート29の温度を検知する第1の温度検知手段31と、浮力低減板28の温度を検知する第2の温度検知手段32とを備え、トッププレート29の温度が第1の閾値に達したと検知すると火力を低下させ、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高い場合は、第1の閾値をこれより低い第2の閾値に変更する。これによって、浮力低減板28の余熱による被加熱物30の過熱を防止し、浮力低減板28の余熱を配慮しなくてもよい場合は、閾値を変更することなく加熱することができ、安定した温度調節が行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱コイルとトッププレートの間に浮力を低減する浮力低減板を備えた誘導加熱調理器に関する。
従来、この種の誘導加熱調理器においては、浮力低減板の温度を被加熱物(鍋など)へと充分に伝達できずに、浮力低減板の温度が被加熱物よりも高い温度になる場合がある。この現象による悪影響、つまりトッププレートの温度が所定値以上となることを防止するために、トッププレートの温度と浮力低減板の温度とを検知して火力を低下するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−146149号公報
しかしながら、前記従来の構成では、トッププレートの温度を検知して、或いは浮力低減板の温度を検知して火力を調節するものの、温度調節、自動調理など、所定の温度に制御する際に、浮力低減板の温度がトッププレートの制御温度より高くなると加熱を停止しても、浮力低減板の余熱によるオーバーシュートが生じるが、これを配慮した制御がなされていない。このため、被加熱物の材質や形状によって浮力低減板の発熱が異なり、加熱停止後に余熱によってトッププレートの温度が上昇しない場合もあれば、温度が上がる場合もありその程度が様々であるので、安定した温度調節が難しいという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、浮力低減板の余熱によるオーバーシュートを配慮し、安定した温度調節が行える誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、加熱コイルと、前記加熱コイルに流す高周波電流を増減して火力を調節する制御手段と、前記加熱コイル上に配置された浮力低減板と、前記浮力低減板の上に配置され浮力低減板と熱的に接続されたトッププレートと、前記トッププレートの温度を検知する第1の温度検知手段と、前記浮力低減板の温度を検知する第2の温度検知手段とを備え、前記トッププレートの温度が第1の閾値に達したと検知すると前記制御手段は火力を低下する制御を行うとともに、前記浮力低減板の温度が前記トッププレートよりも高い場合は、第1の閾値をこれより低い第2の閾値に変更するように制御を行うものである。
これによって、浮力低減板の余熱による被加熱物の過熱を防止することができるとともに、浮力低減板の温度が低く余熱を配慮しなくてもよい場合は、閾値を変更することなく加熱することができ、安定した温度調節が行えるものである。
本発明の誘導加熱調理器は、浮力低減板の余熱によるオーバーシュートを配慮し、安定した温度調節が行える。
第1の発明は、加熱コイルと、前記加熱コイルに流す高周波電流を増減して火力を調節する制御手段と、前記加熱コイル上に配置された浮力低減板と、前記浮力低減板の上に配置され浮力低減板と熱的に接続されたトッププレートと、前記トッププレートの温度を検知する第1の温度検知手段と、前記浮力低減板の温度を検知する第2の温度検知手段とを備え、前記トッププレートの温度が第1の閾値に達したと検知すると前記制御手段は火力を低下する制御を行うとともに、前記浮力低減板の温度が前記トッププレートよりも高い場合は、第1の閾値をこれより低い第2の閾値に変更するように制御を行う誘導加熱調理器とするものである。これによって、浮力低減板の余熱による被加熱物の過熱を防止することができるとともに、浮力低減板の温度が低く余熱を配慮しなくてもよい場合は、閾値を変更することなく加熱することができ、安定した温度調節が行えるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御手段は、被加熱物の材質を検知する鍋種判定手段を備え、浮力低減板の温度がトッププレートよりも高くなる鍋種であると判定すると、火力を制御するトッププレートの設定温度を第1の閾値から第2の閾値に変更するように制御を行うことにより、被加熱物の材質の違いによる浮力低減板の温度上昇の差によって発生するオーバーシュートの違いを判定し、トッププレートの最高温度を所定値以下に抑え、安定した温度調節機能が得られる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御手段は、自動調理を行う自動調理手段を備え、調理の最終段階で浮力低減板の温度がトッププレートよりも高い場合は、加熱を終了する時間を早めるように制御を行うことにより、調理終了後の浮力低減板の余熱による加熱調理の進行を抑制し、過度の加熱調理による食材の焦げ付きなどを防止することができる。
第4の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御手段は、自動調理手段と報知手段と鍋検知手段とを備え、自動調理の終了を報知した後に浮力低減板の温度がトッププレートよりも高温で、かつ被加熱物が置かれたままである場合は、被加熱物を取り除く旨の報知を行うことにより、本来、自動調理が終了した後は自然放熱によって被加熱物の温度は低下するが、被加熱物の材質・形状によっては浮力低減板の温度が被加熱物よりも高く、浮力低減板からの熱伝導により被加熱物の温度が上昇または維持(保温)されて調理を過度に進行するため、被加熱物がトッププレート上に置かれたままであれば報知手段によって使用者に被加熱物を移動するように注意を促して、過度の加熱による食材の焦げ付きなどを防止することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つに発明において、制御手段は、加熱開始後に火力を低下する場合、浮力低減板がトッププレートよりも高温であれば、予め設定された加熱量よりも低い加熱量に設定値を変更し、加熱調理または自動調理を継続するようにしたことにより、浮力低減板の温度がトッププレートよりも高い場合には、火力を低下しても使用者、或いは制御手段が想定した温度低下がなされずに、浮力低減板の余熱によって高温状態が維持されて過度の調理が進行するため、設定火力を低い設定値に変更することで、過調理の進行を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示している。
図に示すように、加熱コイル21は素線を束ねた撚り線を2層にして平板状に巻回され、保持板22の上部に載置される。保持板22は耐熱樹脂製で、略直方体をした棒形状の強磁性体であるフェライト23を保持板22の下部に配置し、加熱コイル21の下面に略平行に配置している。加熱コイル21の上部にはカーボン材料で形成した導電膜24がマイカ製の絶縁体25、26の間に形成されている。この導電膜24は、コンデンサ27を介して商用電源を整流した電位あるいは大地に接続している。
加熱コイル21上に配置された浮力低減板28は、厚さが略1mmのアルミニウムの板により形成し、絶縁板26とトッププレート29の間に設けている。前記浮力低減板28は外形および内径が加熱コイル21とほぼ同じ略ドーナツ形状をして、幅約6mmのスリットを設けている。
浮力低減板28の上に配置され裏面が浮力低減板28に接して熱的に接続されたトッププレート29は、絶縁体である耐熱セラミック製で、厚さが4mm程度であり、アルミニウム製または鉄製の被加熱物(鍋など)30が加熱コイル21と対向するように載置される。
第1の温度検知手段31および第2の温度検知手段32は、サーミスタからなる温度検出素子で構成して、第1の温度検知手段31は加熱コイル21中心部のトッププレート29の温度を、第2の温度検知手段32は浮力低減板28の外周部の温度をそれぞれ検知している。
制御手段33は、高周波インバータ33aを備え、加熱コイル21への高周波電流を供給するもので、前記第1の温度検知手段31、第2の温度検知手段32の出力によって、加熱コイル21への高周波電流を増減制御して火力を調節している。そして、この制御手段33は、トッププレート29の温度が第1の閾値に達したと検知すると、火力を低下する制御を行うとともに、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高い場合には、第1の閾値をこれより低い第2の閾値に変更するように制御を行うものである。また、制御手段33は、鍋種判定手段33b、自動調理手段33c、報知手段33d、鍋検知手段33eをも有している。
次に、前記構成の誘導加熱調理器についてその動作を説明する。
加熱コイル21は、約70kHzの高周波電流が高周波インバータ33aによって供給される。加熱コイル21は、高周波電流が供給されると磁界を発生するが、加熱コイル21の下方にあるフェライト23があり、磁束がフェライト23に集中するので磁界が被加熱物30と反対側に膨らむことを防止している。
一方、加熱コイル21の上部に放射された磁界は、浮力低減板28に鎖交するので浮力低減板28に誘導電流が誘起される。浮力低減板28の厚みは、約1mmで磁束の浸透深さ以上の厚みを有するので、浮力低減板28に鎖交した磁界の大部分は浮力低減板28を通過せず、外周側または内周側を迂回して被加熱物30方向に導かれる。フェライト23は、被加熱物30の方向に磁界を効率よく導く作用をしている。
被加熱物30に誘起された誘導電流は、加熱コイル21の発生する磁界分布と、浮力低減板28に誘起された電流により発生する磁界分布の重畳した磁界によって発生するものである。このように浮力低減板28が介在することにより、被加熱物30に誘導される電気分布が変化し、さらに浮力低減板28に発生する電流分布が加わるということから、加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなる。等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流でも被加熱物30の発熱量が大きくなる。つまり同一消費電力を得ようとした場合には、加熱コイル21の電流を小さくすることができ、それに伴い浮力を低減することができる。
浮力低減板28は、浮力低減板28に流れる誘導電流によって損失が発生する。この浮力低減板28による損失による発熱量は、トッププレート29と熱的に結合されているため、トッププレート29を介して被加熱物30に伝達することができ、加熱効率を向上させている。浮力低減板28のスリットは、加熱コイル21の電流と逆方向に流れる周回電流を低減するものであり、このスリットによって浮力低減板28の損失を低減するものである。
導電膜24は、加熱コイル21の上部に設けて、コンデンサ27を介して商用電源電位、または高周波インバータ33aの入力電位、またはアースに接続されている。この導電膜24は、加熱コイル21から使用者に漏洩するリーク電流を低減することができる。また、導電膜24は膜厚が薄く電気伝導率も低いため、誘導電流の発生量も少なく、浮力低減板28のような等価直列抵抗の増加作用や、浮力低減作用はほとんど得られない。
図示していない商用電源を誘導加熱調理器に接続すると、高周波インバータ33aが加熱コイル21に高周波電流を供給する。加熱コイル21に高周波電流が供給されると、加熱コイル21から誘導磁界が発せられ、トッププレート29に載置された被加熱物30が誘導加熱される。この誘導加熱によって被加熱物30の温度が上昇し、被加熱物30内の調理物が調理される。このとき、高周波インバータ33aは、第1の温度検知手段31、第2の温度検知手段32の出力によって、加熱コイル21への電流量を制御して火力を調節している。
加熱が開始されると、被加熱物30の温度が上昇し、この時、浮力低減板28も誘導磁界による損失によって温度が上昇する。この浮力低減板28の損失による発熱量は、浮力低減板28がトッププレート29に接しているため、トッププレート29を介して被加熱物30に伝達されている。
しかし、2kW加熱時に浮力低減板28の損失は約270Wであり、浮力低減板28は約300℃程度の温度になる。この浮力低減板28の温度は、図示していない冷却ファンなどの冷却能力によって温度が平衡されるが、加熱中に浮力低減板28の温度がトッププレート29の設定温度を越えると、加熱を停止しても浮力低減板28の余熱により、加熱コイル21や浮力低減板28の直上でない部分の被加熱物30の温度が上昇し、トッププレート29と第1の温度検知手段31は温度が上昇し続ける。
この余熱は被加熱物30の材質や大きさ・形状によって異なるため、予め第1の温度検知手段31の目標温度を低めに設定しても、導電率の低い鉄や磁性ステンレスといった材質で作られた被加熱物(鍋など)30を正しい位置で加熱する場合は浮力低減板28の余熱による温度上昇が無い。しかし、加熱コイル21上面からずらした位置に置いて加熱すると、浮力低減板28の被加熱物30が上面に対向しない部分は高温となり、また、導電率の高いアルミニウム製の被加熱物30を加熱した場合も浮力低減板28の温度は高温となるため、加熱停止後も浮力低減板28の高温となった部分からの熱伝導によって、余熱による温度上昇が発生するといったように、安定した調理性能を確保することが困難となってくる。
ところが、本実施の形態では、制御手段33が、トッププレート29の温度が第1の閾値に達したと検知すると、火力を低下する制御を行うとともに、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高い場合には、第1の閾値をこれより低い第2の閾値に変更するように制御を行うものである。すなわち、浮力低減板28の温度が高温となり、余熱による温度上昇が発生するといったことがなく、安定した調理性能を確保することができる。
次に、温度制御の詳細について説明する。図1に示すように、被加熱物30において、トッププレート29を介して第1の温度検知手段31と対向する点をA点、加熱コイル21の内径〜外径の中央部に対向する点をB点とする。また、浮力低減板28において、第2の温度検知手段32に接触する点をC点、内径〜外径の中央部をD点とする。
ここで、図2(a)は、被加熱物30が鉄製の場合のA点、B点の温度、および浮力低減板28のC点、D点の温度を示し、(b)は、被加熱物30がアルミニウム製の場合のA点、B点の温度変化、および浮力低減板28のC点、D点の温度変化を示している。
図2(a)に示すように、鉄製の被加熱物30を加熱する場合、加熱コイル21から発生する磁界は、浮力低減板28よりも磁性体の被加熱物30に吸収されるため、加熱コイル21の内径〜外径の中央部に対向する被加熱物30のB点の温度よりも浮力低減板28のD点の温度が低い。また、第1の温度検知手段31がトッププレート29の熱伝導によって検知する被加熱物30のA点の温度は、加熱コイル21が放射する高周波磁界が通過するB点よりも低く、B点からの熱伝導によりA点の温度が上昇するため、加熱停止後にB点の温度は低下するがA点の温度は一旦上昇した後に低下するといった、いわゆるオーバーシュートが発生する。同様に、第2の温度検知手段32が検知する浮力低減板28のC点の温度は、加熱コイル21が放射する高周波磁界が通過するD点よりも低く、D点からの熱伝導によりC点の温度が上昇する。よってC点の温度は、被加熱物30のB点と、浮力低減板28のD点からの熱伝導を受けながらオーバーシュートした後に低下する。
一方、図2(b)に示すように、アルミニウム製の被加熱物30を加熱する場合、加熱コイル21の発生する磁界分布と、浮力低減板28に誘起された電流により発生する磁界分布の重畳した磁界によって加熱する作用があるため、浮力低減板28の中央部D点の温度は被加熱物30やトッププレート29よりも高くなる。よって、第1の温度検知手段31が検知する被加熱物30のA点の温度は、被加熱物30のB点と、浮力低減板28のD点からの熱伝導の影響を受けて、オーバーシュートした後に低下する。
従来、制御手段33は、浮力低減板28の温度が所定値以下となるように、第2の温度検知手段32が設定された温度である第3の閾値T3以上となると、火力をW1からW2へと低下する制御を行い、さらに、第1の温度検知手段31が設定された温度である第1の閾値T1以上となると火力を低下する制御を行っていた。
ところが、本実施の形態においては、図2(c)に示すように、第1の温度検知手段31の制御温度である第1の閾値T1について、第2の温度検知手段32で検知された浮力低減板28の温度が、第3の閾値T3に達した時点t3で、第1の温度検知手段31で検知されたトッププレート29(図1のA点)の温度よりも高い場合には、制御温度を第1の閾値T1から第2の閾値T2へと低い値に変更するとともに火力をW1からW2へと低下する制御を行う。そして、制御手段33は第1の温度検知手段31の検知温度が第2の閾値T2となると加熱を停止して、被加熱物30の温度が上がり過ぎないように火力を制御する。
この制御により、浮力低減板28の温度がトッププレート29の温度とほぼ同じ温度となる鉄などの導電率の低い材質で構成された被加熱物30で調理した場合、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも低く、余熱による被加熱物30の温度上昇が少ないため、火力を制御する設定温度は第1の閾値T1のまま変更しない制御を行い、浮力低減板28の温度がトッププレート29の温度よりも高くなるアルミニウムなどの導電率の高い材質で構成された被加熱物30で調理した場合は、浮力低減板28の温度がトッププレート29の温度よりも高いと検知して、トッププレート29を制御する設定温度は第1の閾値T1から第2の閾値T2へと低い値に変更した温度で火力を低下する制御が可能となり、浮力低減板28の余熱による被加熱物(鍋など)30の温度上昇を見込んだ火力の制御を行うことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器について説明する。誘導加熱調理器の構成については、実施の形態1と同一であるのでその説明を省略する。
本実施の形態では、制御手段33は、被加熱物の材質を検知する鍋種判定手段33bを備え、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高くなる鍋種であると判定すると、火力を制御するトッププレート29の設定温度を第1の閾値T1から第2の閾値T2に変更するように制御を行うものである。すなわち、鍋種判定手段33bは浮力低減板28の温度が被加熱物30の温度よりも高くなる導電率の高いアルミニウムといった材質でつくられた被加熱物30であるかどうかを、加熱コイル21に流れる電流と加熱調理器への入力電流とを検知して判定するもので、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高くなる鍋種であると判定すると、トッププレート29の設定温度を第1の閾値T1から第2の閾値T2に変更し、第1の温度検知手段31の検知温度が上がり過ぎないように火力を制御するものである。
なお、鉄などの導電率の低い材質で構成された被加熱物30で調理していると鍋種判定手段33bが判定した場合、図2(a)のように浮力低減板28の温度がトッププレート29の温度とほぼ同じか、あるいはトッププレート29の温度より低くなり、余熱による被加熱物30の温度上昇が少ないと判断して、火力を制御する設定温度は第1の閾値T1のまま変更しない。
このように、本実施の形態では、鍋種判定手段33bを備えていることにより、被加熱物の材質の違いによる浮力低減板の温度上昇の差によって発生するオーバーシュートの違いを判定し、トッププレートの最高温度を所定値以下に抑え、安定した温度調節機能が得られる。
(実施の形態3)
次に、図3(a)、(b)に基づき、本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器について説明する。誘導加熱調理器の構成については、実施の形態1と同一であるのでその説明を省略する。
本実施の形態では、制御手段33は、タイマー機能といった自動調理を行う自動調理手段33cを備え、調理の最終段階で浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高い場合は、加熱を終了する時間を早めるように制御を行うようにしたものである。
図3(a)、(b)は、制御手段33内部の自動調理手段33cが自動調理を行っている場合のA点の温度と加熱量(火力)であり、被加熱物30が鉄製である場合のA点の温度と加熱量(火力)、被加熱物30がアルミニウム製である場合のA点の温度と加熱量をそれぞれ示している。
図3(a)は、従来の制御を行った場合における、鉄製の被加熱物30を加熱した時のA点とD点の温度、およびアルミニウム製の被加熱物30を加熱した時のA点とD点の温度を示しており、鉄製の被加熱物30を加熱する場合においても、アルミニウム製の被加熱物30を加熱する場合においても、加熱量は同じシーケンスの火力調整を行っている。この場合、被加熱物30のA点の温度変化は、材質の違いによって浮力低減板28の温度に差が発生するため、例えば、D点からの熱伝導の影響を受けて異なる振る舞いとなる。すなわち、自動調理のシーケンスに従って加熱量を低下しても、アルミニウム製の被加熱物30では温度が高くなった浮力低減板28の余熱の影響を受けて、被加熱物30の温度低下が鈍るので、調理物が過度に加熱調理される状態(過調理)が発生する。
一方、図3(b)は、本実施の形態による制御を行った場合を示している。一点鎖線は鉄製の被加熱物30を加熱した場合のA点の温度、点線はアルミニウム製の被加熱物30を加熱した場合のA点とD点の温度、実線はアルミニウム製の被加熱物30を本発明の制御手段33を用いて加熱した場合のA点とD点の温度を示す。制御手段33はタイマー機能といった自動調理手段33cを備え、所定の火力で調理を行う工程の最終段階において、鍋種判定手段33b、あるいは第2の温度検知手段32によって、浮力低減板28の温度が被加熱物30よりも高温であると判断された場合には、調理終了までの時間t1を短縮してt2へ変更している。
よって、浮力低減板28が高温となる導電率の高い金属材質で構成された被加熱物30が加熱される場合には、浮力低減板28の余熱によって被加熱物30の温度が高温に維持されるため調理物がシーケンスで予定された加熱量以上に熱が加わるが、早めに加熱量を低下することによって、鉄製の被加熱物30を加熱時とアルミニウム製の被加熱物30加熱時との調理物への加熱度合いを実質的に同等として、設定された制御レベル以上に加熱される過調理を防止することができる。
このように、本実施の形態では、制御手段33は、自動調理手段33cを備え、調理の最終段階で浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高い場合は、加熱を終了する時間を早めるように制御を行うことにより、調理終了後の浮力低減板の余熱による加熱調理の進行を抑制し、過度の加熱調理による食材の焦げ付きなどを防止することができる。
(実施の形態4)
次に、図3(b)、(c)に基づき、本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器について説明する。誘導加熱調理器の構成については、実施の形態1と同一であるのでその説明を省略する。
本実施の形態では、制御手段33は、自動調理手段33cと報知手段33dと鍋検知手段33eとを備え、自動調理の終了を報知した後に浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高温で、かつ被加熱物30が置かれたままである場合は、被加熱物を取り除く旨の報知を行うようにしたものである。
図3(b)に示すように、加熱量(火力)W1→W2→W3へ変更して加熱した場合、図3(c)に示すように、浮力低減板28のD点の温度は実線で示す変化となり、被加熱物30のA点の温度は点線で示す変化となる。この時、浮力低減板28の温度が下がらずに高温のままであり、余熱によって調理が進行していることを制御手段33は第1の温度検知手段31、第2の温度検知手段32、鍋種判定手段33bを用いて判別し、制御手段33内部に備えたスピーカーといった報知手段33dにて被加熱物30をトッププレート29上から取り除くように報知する。この時、加熱コイル21の電流量と加熱調理器への入力電流量とを比較してトッププレート29上の被加熱物30の有無を検知する鍋検知手段33eを駆動することによって、使用者が被加熱物30を他へと移動して、被加熱物30内部の食材の焦げ付きや、煮込み過ぎによる食材の崩れといった過調理を防止した場合には、速やかに注意を促す機能を停止ことができる。
このように、本実施の形態では、制御手段33は、自動調理手段33cと報知手段33dと鍋検知手段33eとを備え、自動調理の終了を報知した後に浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高温で、かつ被加熱物30が置かれたままである場合は、被加熱物を取り除く旨の報知を行うことにより、過度の加熱による食材の焦げ付きなどを防止することができる。すなわち、本来、自動調理が終了した後は自然放熱によって被加熱物30の温度は低下するが、被加熱物30の材質・形状によっては浮力低減板28の温度が被加熱物30よりも高く、浮力低減板28からの熱伝導により被加熱物30の温度が上昇または維持(保温)されて調理を過度に進行する。このため、被加熱物30がトッププレート29上に置かれたままであれば報知手段33dによって使用者に被加熱物30を移動するように注意を促して、過度の加熱による食材の焦げ付きなどを防止することができる。
(実施の形態5)
次に、図3(c)に基づき、本発明の実施の形態5における誘導加熱調理器について説明する。誘導加熱調理器の構成については、実施の形態1と同一であるのでその説明を省略する。
本実施の形態では、制御手段33は、加熱開始後に火力を低下する場合、浮力低減板28がトッププレート29よりも高温であれば、予め設定された加熱量よりも低い加熱量に設定値を変更し、加熱調理または自動調理を継続するようにしたものである。
図3(c)に示すように、制御手段33は、第1の温度検知手段31と第2の温度検知手段32の温度を検知し、または、或いは同時に鍋種判定手段33bによって浮力低減板28の温度上昇を予測して、加熱開始後に自動調理手段33cによって火力W1を予め設定されている火力W2に低下させる。本実施の形態では、火力W2に設定された火力をW3へ、W3に設定された火力をW4へと低下している。これにより、被加熱物30のA点の温度は点線で示す変化から実線のような温度変化を示す。
この制御によって、高温となった浮力低減板28からの熱伝導の影響により、加熱コイル21から被加熱物30への加熱量を低下しても被加熱物30の材質によって温度の低下する度合いが異なる場合においても、浮力低減板28からの熱伝導を第2の温度検知手段32や鍋種判定手段33bで判断して、加熱コイル21から被加熱物30への加熱量(火力)を浮力低減板28からの熱伝導分を含めて更に低下している。
よって、浮力低減板28が被加熱物30よりも高温の時は、加熱コイル21からの加熱量と浮力低減板28からの加熱量とを合わせて自動調理の加熱量となるように、予め設定された加熱量W2からより低い加熱量W3へ、またW3からW4へと設定値を変更して自動調理を継続することで、浮力低減板28が被加熱物30よりも高温となる材質の被加熱物30で自動調理を行った場合においても、被加熱物30内部の食材の焦げ付きといった過調理を防止することができる。
このように、本実施の形態では、制御手段33は、加熱開始後に火力を低下する場合、浮力低減板28がトッププレート29よりも高温であれば、予め設定された加熱量よりも低い加熱量に設定値を変更し、加熱調理または自動調理を継続するようにしたことにより、浮力低減板28の温度がトッププレート29よりも高い場合には、火力を低下しても使用者、或いは制御手段33が想定した温度低下がなされずに、浮力低減板28の余熱によって高温状態が維持されて過度の調理が進行するため、設定火力を低い設定値に変更することで、過調理の進行を防止することができる。
なお、各実施の形態では、第1の温度検知手段31は加熱コイル21の中心部に1個だけ設置され、トッププレート29を介して被加熱物30の温度を検知しているが、必ずしも加熱コイル21の中心に位置する必要はなく、また複数個の第1の温度検知手段31を備えて精度良く被加熱物30の温度を検知しても良く、サーミスタ以外の温度検知手段を用いても被加熱物30の温度が検知できる構成であれば同等の効果が得られる。
また、同様に、第2の温度検知手段32は1個だけ浮力低減板28の外周側で接触するように取り付けているが、複数個の第2の温度検知手段を備えて精度良く浮力低減板28の温度を検知しても、サーミスタ以外の温度検知手段を用いても浮力低減板28の温度が検知できる構成であれば同等の効果が得られる。
また、鍋種判定手段33bの構成について特に図示していないが、加熱コイル21に流れる電流量と加熱調理器への入力電流量とを検知して判別することが可能であり、他の手段を用いて鍋種の導電率を判別しても、また、磁石などを備えて磁性体か被磁性体かを判別するなど、被加熱物の材質が判る機能を備えて、浮力低減板28の温度を判断して加熱制御に反映することで、同等の効果が得られる。
また、鍋検知手段33eの構成について特に図示していないが、加熱コイル21に流れる電流量と加熱調理器への入力電流量から検知することが可能であり、他の手段を用いて被加熱物の有無を検知しても、また、磁石などを備えて被加熱物の有無を検知しても、赤外線の反射を利用して被加熱物の有無を検知するなど、被加熱物の有無が検知できる機能を備えて、浮力低減板の温度が高い時に使用者へと注意を促すことで、同等の効果が得られる。
また、報知手段33dの構成について特に記載していないが、制御部が使用者へと何かしらの表示や音の発生などにより注意喚起する機能であればよく、被加熱物30の撤去の必要性を使用者が認識できれば、同等の効果が得られる。
また、加熱コイル21とフェライト23の間に保持板22が介在する構成を示したが、フェライト23が加熱コイル21と保持板22の間に設置されても電気的に同等の効果が得られる。
さらに、導電膜24と浮力低減板28とは別々の部材で構成されているが、浮力低減板28についてコンデンサ27を介して商用電源を整流した電位あるいは大地に接続しても概ね同等の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、浮力低減板の余熱によるオーバーシュートを配慮し、安定した温度調節が行えるので、各種の誘導加熱式の調理器として適用することができる。
本発明の実施の形態1〜5における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 同誘導加熱調理器による被加熱物の温度変化を示すグラフ 本発明の実施の形態3〜5における誘導加熱調理器による被加熱物の温度変化を示すグラフ
符号の説明
21 加熱コイル
28 浮力低減板
29 トッププレート
30 被加熱物
31 第1の温度検知手段
32 第2の温度検知手段
33 制御手段
33a 高周波インバータ
33b 鍋種判定手段
33c 自動調理手段
33d 報知手段
33e 鍋検知手段

Claims (5)

  1. 加熱コイルと、前記加熱コイルに流す高周波電流を増減して火力を調節する制御手段と、前記加熱コイル上に配置された浮力低減板と、前記浮力低減板の上に配置され浮力低減板と熱的に接続されたトッププレートと、前記トッププレートの温度を検知する第1の温度検知手段と、前記浮力低減板の温度を検知する第2の温度検知手段とを備え、前記トッププレートの温度が第1の閾値に達したと検知すると前記制御手段は火力を低下する制御を行うとともに、前記浮力低減板の温度が前記トッププレートよりも高い場合は、第1の閾値をこれより低い第2の閾値に変更するように制御を行う誘導加熱調理器。
  2. 制御手段は、被加熱物の材質を検知する鍋種判定機能を備え、浮力低減板の温度がトッププレートよりも高くなる鍋種であると判定すると、火力を制御するトッププレートの設定温度を第1の閾値から第2の閾値に変更するように制御を行う請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 制御手段は、自動調理を行う自動調理手段を備え、調理の最終段階で浮力低減板の温度がトッププレートよりも高い場合は、加熱を終了する時間を早めるように制御を行う請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 制御手段は、自動調理手段と報知手段と鍋検知手段とを備え、自動調理の終了を報知した後に浮力低減板の温度がトッププレートよりも高温で、かつ被加熱物が置かれたままである場合は、被加熱物を取り除く旨の報知を行う請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 制御手段は、加熱開始後に火力を低下する場合、浮力低減板がトッププレートよりも高温であれば、予め設定された加熱量よりも低い加熱量に設定値を変更し、加熱調理または自動調理を継続するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102365636B1 (ko) * 2020-11-30 2022-02-22 린나이코리아 주식회사 가열조리기기의 설정온도 변경에 따른 화력 제어 장치 및 방법

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