JP6984368B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Description

この発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
電子機器の小型化が一層進展している。これに伴い、電子機器に搭載される積層セラミックコンデンサにも更なる小型化が求められている。積層セラミックコンデンサの基本構造が、例えば、特開2011−57511号公報(以下、「特許文献1」という。)に開示されている。特許文献1の積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体を有する。内部電極層は、各端面がコンデンサ素子本体の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極は、コンデンサ素子本体の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
特開2011−57511号公報
積層セラミックコンデンサは、上記したように小型化が要求されているが、同時に高容量化も求められており、これに応じて、内部電極層の極大化が進められている。内部電極層が極大化された場合、内部電極層と外部との距離が短くなる。これにより、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が低下してしまうという問題があった。また、内部電極層同士の幅方向のずれ量により、初期ショート不良が発生してしまうという問題も生じていた。
それゆえに、この発明の目的は、水分の浸入経路を減少させることで、実使用環境下での耐湿信頼性が改善され、且つ初期ショート不良が抑制された、積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明に係るセラミックコンデンサは、複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極層と、複数の第2の内部電極層とが交互に積層されることにより直方体状に形成され、積層方向において相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向において相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向において相対する第1の端面および第2の端面とを含む積層体と、第1の端面に形成されることにより、複数の第1の内部電極層に電気的に接続される第1の外部電極と、第2の端面に形成されることにより、複数の第2の内部電極層に電気的に接続される第2の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、複数の第1の内部電極層は、複数の誘電体層を介して複数の第2の内部電極層に対向する対向電極部と、対向電極部の第1の端面側の端部から第1の端面までの引出電極部とを有し、複数の第2の内部電極層は、複数の誘電体層を介して複数の第1の内部電極層に対向する対向電極部と、対向電極部の第2の端面側の端部から第2の端面までの引出電極部とを有し、積層体は、複数の第2の内部電極層におけるそれぞれの対向電極部と前記第1の端面との間に位置する第1の端部と、複数の第1の内部電極層におけるそれぞれの対向電極部と第2の端面との間に位置する第2の端部とを含み、第1の外部電極は、第1の端面から第1の主面、第2の主面、第1の側面および第2の側面それぞれの一部まで延長するように一体に形成される焼付け層を含み、且つ第2の外部電極は、第2の端面から第1の主面、第2の主面、第1の側面および第2の側面それぞれの一部まで延長するように一体に形成される焼付け層を含み、第1の外部電極の焼付け層および第2の外部電極の焼付け層のそれぞれは、少なくとも第2の主面側に形成された部分に積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部を有したものであることを特徴とする。
また、焼付け層の表面と突出部の頂点との積層方向に沿った寸法は、0.5μm以上35μm以下である。
そして、第1の外部電極の焼付け層の第1の主面側に形成された部分に積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部の頂点は、第1の主面と第1の端面とが交わる稜線部に位置し、幅方向に沿って、第1の側面よりも幅方向の外側の位置から第2の側面よりも幅方向の外側の位置まで延在し、第2の外部電極の焼付け層の第1の主面側に形成された部分に積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部の頂点は、第1の主面と第2の端面とが交わる稜線部に位置し、幅方向に沿って、第1の側面よりも幅方向の外側の位置から第2の側面よりも幅方向の外側の位置まで延在し、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部の頂点は、第2の主面と第1の端面とが交わる稜線部に位置し、幅方向に沿って、第1の側面よりも幅方向の外側の位置から第2の側面よりも幅方向の外側の位置まで延在し、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部の頂点は、第2の主面と第2の端面とが交わる稜線部に位置し、幅方向に沿って、第1の側面よりも幅方向の外側の位置から第2の側面よりも幅方向の外側の位置まで延在し、第1の外部電極の焼付け層および第2の外部電極の焼付け層のそれぞれは、第1及び第2の側面側に形成された部分にも幅方向へと突き出した突出部を有し、第1の側面側に形成された部分にも幅方向へと突き出した突出部は、焼付け層の第1の主面側に形成された部分から突き出した突出部の第1の側面側の端部と、焼付け層の第2の主面側に形成された部分から突き出した突出部の第1の側面側の端部とを結ぶように積層方向に沿って延在し、第2の側面側に形成された部分にも幅方向へと突き出した突出部は、焼付け層の第1の主面側に形成された部分から突き出した突出部の第2の側面側の端部と、焼付け層の第2の主面側に形成された部分から突き出した突出部の第2の側面側の端部とを結ぶように積層方向に沿って延在することを特徴とする。
好ましくは、複数の第1の内部電極層および複数の第2の内部電極層それぞれはNiを含み、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面にNi−Sn反応層が形成され、Ni−Sn反応層は、第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれの幅寸法の50.0% 以上100.0%以下の長さで直線状に連続して形成され、且つ厚みが5mm以上20mm以下であることを特徴とする。
好ましくは、複数の第1の内部電極層および複数の第2の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にはMgが偏析していることを特徴とする。
好ましくは、最も外層側に位置する第1の内部電極層または第2の内部電極層それぞれのMg偏析量が、元素比率Mg/Niで0.05以下であることを特徴とする。
好ましくは、第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれの幅方向の端部には、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析していることを特徴とする。
好ましくは、Ni−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、1.000μm以下であることを特徴とする。
好ましくは、第1の外部電極が、第1の端面から第1の主面および第2の主面それぞれの一部まで延長するように形成される焼付け層を含み、且つ第2の外部電極が、第2の端面から第1の主面および第2の主面それぞれの一部まで延長するように形成される焼付け層を含み、第1の外部電極の焼付け層および第2の外部電極の焼付け層のそれぞれが、少なくとも第2の主面側に形成された部分に積層方向へと突き出るように形成された突出部を有し、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、第2の端面側の先端部と突出部の頂点とを結ぶ第1の直線を定義したとき、第1の直線に直交するように第1の直線から第2の主面側に形成された部分の表面まで引いた垂線が最も長くなる第2の主面側に形成された部分の表面上の点と、突出部の頂点との積層方向に沿った寸法が0.5μm以上35μm以下であり、第2の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、第1の端面側の先端部と突出部の頂点とを結ぶ第2の直線を定義したとき、第2の直線に直交するように第2の直線から第2の主面側に形成された部分の表面まで引いた垂線が最も長くなる第2の主面側に形成された部分の表面上の点と、突出部の頂点との積層方向に沿った寸法が0.5μm以上35μm以下であり、且つ、積層セラミックコンデンサの積層方向に沿った寸法が、0.18mm以上0.70mm以下であることを特徴とする。
好ましくは、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分の表面に関して、第2の端面側の先端部から第1の端面までの第1の外部電極の表面に沿った寸法をd1とし、第2の端面側の先端部から第1の端面までの長さ方向に沿った寸法をe1としたとき、d1/e1が1.0045以上1.4以下であり、且つ、第2の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分の表面に関して、第1の端面側の先端部から第2の端面までの第2の外部電極の表面に沿った寸法をd2とし、第1の端面側の先端部から第2の端面までの長さ方向に沿った寸法をe2としたとき、d2/e2が1.0045以上1.4以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.300mm±0.090mmであり、幅方向の寸法が0.300mm±0.090mmであり、長さ方向の寸法が0.600mm±0.090mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.200mm±0.050mmであり、幅方向の寸法が0.200mm±0.050mmであり、長さ方向の寸法が0.400mm±0.050mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が50枚以上300枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.300mm±0.050mmであり、幅方向の寸法が0.200mm±0.050mmであり、長さ方向の寸法が0.400mm±0.050mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.300mm±0.050mmであり、幅方向の寸法が0.300mm±0.050mmであり、長さ方向の寸法が0.400mm±0.050mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.250mm±0.025mmであり、幅方向の寸法が0.250mm±0.025mmであり、長さ方向の寸法が0.500mm±0.025mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.500mm±0.050mmであり、幅方向の寸法が0.500mm±0.050mmであり、長さ方向の寸法が0.800mm±0.050mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が200枚以上1000枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.600mm±0.050mmであり、幅方向の寸法が0.450mm±0.050mmであり、長さ方向の寸法が0.750mm±0.050mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が200枚以上1000枚以下であることを特徴とする。
好ましくは、積層方向の寸法が0.500mm±0.200mmであり、幅方向の寸法が0.500mm±0.200mmであり、長さ方向の寸法が1.000mm±0.200mmであり、誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が200枚以上1000枚以下であることを特徴とする。
この発明によれば、水分の浸入経路を減少させることで、実使用環境下での耐湿信頼性が改善され、且つ初期ショート不良が抑制された、積層セラミックコンデンサを提供し得る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの長さ方向に沿った断面図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの積層方向における中央部での幅方向と長さ方向が交わる平面に沿った断面図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。 (A)は、この発明の一実施の形態に係る第1の外部電極のt1を説明するための拡大断面図である。(B)は、この発明の一実施の形態に係る第1の外部電極のd1/e1を説明するための拡大断面図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例において作製される内部電極パターンが印刷されたセラミックシートの斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例において作製される内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを積層する様子を示す斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例において作製される生の積層チップの斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの実装構造を示す外観斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの実装構造における好ましい半田の濡れ上がり態様を示す拡大断面図である。 半田の濡れ上がりが90°以上となる好ましくない半田の濡れ上がり態様を示す拡大断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
以下、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて、図1〜5に基づいて説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。図2は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの長さ方向に沿った断面図である。図3は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの積層方向における中央部での幅方向と長さ方向が交わる平面に沿った断面図である。図4は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの幅方向に沿った断面図である。図5(A)は、この発明の一実施の形態に係る第1の外部電極のt1を説明するための拡大断面図である。図5(B)は、この発明の一実施の形態に係る第1の外部電極のd1/e1を説明するための拡大断面図である。
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、直方体状に形成された積層体20と、積層体20の表面に形成された第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bとを備える。積層セラミックコンデンサ10のT方向に沿った寸法(後述するT寸法)は、0.18mm以上0.70mm以下であることが好ましい。
(積層体20)
積層体20は、複数の誘電体層40と、複数の第1の内部電極層50aと、複数の第2の内部電極層50bとが交互に積層されることにより直方体状に形成される。そして、積層体20は、積層方向(図1などに示すT方向)において相対する第1の主面22aおよび第2の主面22bと、T方向に直交する幅方向(図1などに示すW方向)において相対する第1の側面24aおよび第2の側面24bと、T方向およびW方向に直交する長さ方向(図1などに示すL方向)において相対する第1の端面26aおよび第2の端面26bとを含む。積層体20は、その角部および稜線部に丸みを付けられることが好ましい。ここで、積層体20の角部とは、上記した積層体20の主面、側面および端面のうちの3面が交わる部分である。また、積層体20の稜線部とは、上記した積層体20の主面および側面のうちの2面が交わる部分である。
(誘電体層40)
誘電体層40は、第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとの間に挟まれて積層される。誘電体層40の1層あたりの厚みは、0.2μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.4μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。誘電体層40は、Ba、Ti、Dy、Mn、Si、V、Al、ZrおよびCaを含む。
誘電体層40には、Ti100モル部に対してDyが0.2モル部以上0.5モル部以下含まれることが好ましい。Ti100モル部に対してDyが0.2モル部未満である場合および0.5モル部よりも多い場合、積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性が不十分になる。なお、ここでいう耐湿信頼性は、積層セラミックコンデンサ10に温度85℃、湿度85%の環境下で定格電圧の2倍に相当する電圧を12時間印加し、抵抗値の劣化(抵抗値が初期値に対して急激に低下する劣化)が発生するか否かで判定することができる。具体的には、抵抗値が初期値の1/10以下に低下した場合および積層セラミックコンデンサ10が動作しなかった場合、耐湿信頼性が不十分であると判定する。
誘電体層40には、Ti100モル部に対してVが0.288モル部以上0.35モル部以下含まれることが好ましい。Ti100モル部に対してVが0.288モル部未満である場合および0.35モル部よりも多い場合、積層セラミックコンデンサ10の温度特性が不良になる。なお、温度特性は、X5Rを満たすか否かで判定した。
誘電体層40には、Ti100モル部に対してZrが0.04モル部以下含まれることが好ましい。
上記した各元素の含有モル部は、溶剤を用いて溶解処理された積層体20に対してICP分析を行うことにより求めることができる。したがって、元素が積層体20内のどこに存在するかには依存しない。すなわち、この発明に係る積層セラミックコンデンサ10の他の態様としては、積層体20の組成が上記した誘電体層40の組成と同様に定められているものが挙げられる。また、この発明に係る積層セラミックコンデンサ10のさらに他の態様としては、各元素の含有モル部が、溶剤を用いて積層体20を溶液化したときの含有モル部として、上記した誘電体層40に含まれる各元素の含有モル部と同様に定められているものが挙げられる。積層体20を溶液化する方法としては、例えば、アルカリ溶融法を用いることができる。
複数の誘電体層40は、第1の主面22a側に位置する外層部と、第2の主面22b側に位置する外層部と、これらの外層部にT方向において挟まれた領域に位置する内層部とを含む。具体的には、第1の主面22a側に位置する外層部とは、第1の主面22aと最も第1の主面22aに近い内部電極層(第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50b)との間に位置する誘電体層40のことであり、第2の主面22b側に位置する外層部とは、第2の主面22bと最も第2の主面22bに近い内部電極層との間に位置する誘電体層40のことであり、内層部とは、最も第1の主面22aに近い内部電極層と最も第2の主面22bに近い内部電極層との間に位置する誘電体層40のことである。第1の主面22a側および第2の主面22b側それぞれの外層部のT方向に沿った厚みは、10μm以上であることが好ましい。
(第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50b)
第1の内部電極層50aは、誘電体層40の界面を平板状に延在し、その端部が積層体20の第1の端面26aに露出する。一方、第2の内部電極層50bは、誘電体層40を介して第1の内部電極層50aと対向するように誘電体層40の界面を平板状に延在し、その端部が積層体20の第2の端面26bに露出する。したがって、第1の内部電極層50aは、誘電体層40を介して第2の内部電極層50bに対向する対向電極部と、当該対向電極部の第1の端面26a側の端部から第1の端面26aまでの引出電極部と、第1の端面26aから露出した露出部とを有する。同様に、第2の内部電極層50bは、誘電体層40を介して第1の内部電極層50aに対向する対向電極部と、当該対向電極部の第2の端面26b側の端部から第2の端面26bまでの引出電極部と、第2の端面26bから露出した露出部とを有する。第1の内部電極層50aの対向電極部と、第2の内部電極層50bの対向電極部とが誘電体層40を介して互いに対向することにより、静電容量が発生する。その結果、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、コンデンサとして機能する。
ここで、積層体20のWギャップおよびLギャップについて説明する。積層体20は、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれの対向電極部と第1の側面24aとの間に位置する第1の側部34a(Wギャップ)と、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれの対向電極部と第2の側面24bとの間に位置する第2の側部34b(同前)とを含む。なお、第1の側部34aおよび第2の側部34bそれぞれのW方向に沿った寸法は、10μm以上40μm以下であることが好ましい。また、積層体20は、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれの対向電極部と第1の端面26aとの間に位置する第1の端部36a(Lギャップ)と、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれの対向電極部と第2の端面26bとの間に位置する第2の端部36b(同前)とを含む。なお、第1の端部36aおよび第2の端部36bそれぞれのL方向に沿った寸法は、30μm以上50μm以下であることが好ましい。
第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bは、例えば、Ni、Sn、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどの金属を含有している。第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bは、誘電体層40に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子をさらに含有していてもよい。第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれの1層あたりの厚みは、0.3μm以上0.7μm以下であることが好ましい。第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれは、LW断面をT方向から見たとき、誘電体層40を60%以上80%以下の割合で覆っていることが好ましい。第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bの枚数は、150枚以上400枚以下であることが好ましい。
第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれは、W方向の中央部におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低く、且つW方向のずれ量が0.000μm以上10.000μm以下である。
なお、ここでいうカバレッジは、以下のように規定する。まず、第1の側部34aおよび第2の側部34b(すなわち、両側のWギャップ)並びに第1の端部36aまたは第2の端部36b(すなわち、片側のLギャップ)を研磨により除去する。次に、溶液を用いて第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bと誘電体層40とを電解剥離し、T方向の中央部に位置していた第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bを露出させる。露出させた第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bについて、光学顕微鏡で観察箇所画像を取得する。そして、取得された観察箇所画像における観察する部分について、顕微鏡倍率を1000倍とし、その1つの視野全体の面積に対して実際に第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bが存在する面積の比率を検出領域比率として算出する。観察する視野は、チップ数5個について、T方向の中央部に位置する第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bについて4面に対して行い、各面に対して5視野選択して、合計100視野が選択され、観察される。そして、各視野について検出領域比率を算出し、その100視野の平均値をカバレッジとして規定する。
好ましくは、第1の内部電極層50aは、第1の外部電極60aに接続されない側のL方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低く、且つ第2の内部電極層50bは、第2の外部電極60bに接続されない側のL方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低い。
ここでいうカバレッジの規定方法は、上記した第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bのW方向の中央部におけるカバレッジ、およびW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジの規定方法と同じであるため、その説明を繰り返さない。
好ましくは、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bと誘電体層40との界面にNi−Sn反応層が形成され、Ni−Sn反応層は、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW寸法の50.0%以上100.0%以下の長さで直線状に連続して形成され、且つ厚みが5mm以上20mm以下である。その結果、Ni−Sn反応層が化学的なポテンシャル障壁となるため、積層セラミックコンデンサ10の高温負荷寿命が改善される。なお、Ni−Sn反応層の連続性が第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW寸法の50.0%よりも低い場合および厚みが5mmよりも薄い場合、所望のポテンシャル障壁が得られないため、高温負荷寿命の改善が不十分になる。また、Ni−Sn反応層の連続性が第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW寸法の100%よりも高い場合および厚みが20mmよりも厚い場合、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bのNiが玉化して信頼性が低下してしまう。
ここで、Ni−Sn反応層の連続性および厚みを定量化する方法について説明する。まず、積層セラミックコンデンサ10を第1の端面26aまたは第2の端面26bからL寸法の中央部まで研磨し、WT断面を露出させる。次に、露出させたWT断面をイオンビーム加工(FIB)により薄片化させる。さらに、薄片化させたWT断面のT方向の中央部において、走査透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光器(STEM−EDS)を用いて、W方向に沿ってランダムに20点の視野を選択し、選択した視野それぞれについて元素分布マッピング観察を行う。このようにして、Ni−Sn反応層の連続性および厚みを定量化する。
好ましくは、複数の第1の内部電極層50aおよび複数の第2の内部電極層50bそれぞれの誘電体層40に隣接する部分にはMgが偏析している。また、最も外層側に位置する第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bそれぞれのMg偏析量は、元素比率Mg/Niで0.05以下である。このように、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、複数の内部電極層50aおよび複数の内部電極層50bそれぞれの誘電体層40に隣接する部分に偏析するMgの含有量を制御することで、高温信頼性が向上し、初期ショートの発生を抑制しうる。また、最も外層側に位置する第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bそれぞれのMg偏析量を元素比率Mg/Niで0.05以下とすることにより、耐湿信頼性が改善される。
ここで、Mg偏析の確認方法および元素比率Mg/Niの確認方法について説明する。まず、第1の端面26aまたは第2の端面26bからL方向1/2の位置まで研磨し、WT断面を露出させる。次に、複数の第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのMgの偏析を確認するために、露出させたWT断面の当該内部電極層でランダムに100点の視野を選択する。そして、走査型電子顕微鏡を用いて選択した100点の視野を観察する。各視野について、走査型電子顕微鏡を用いて、スペクトルを取得し、元素比率Mg/Niを算出する。元素比率Mg/Niは、各視野における元素比率の100点の平均値とする。このようにして、元素比率Mg/Niを確認することができる。
好ましくは、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW方向の端部には、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している。その結果、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、さらに、積層体の側部に含まれるMgの含有量を制御して、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスを偏析させることで、より確実に、高温信頼性を有する。
好ましくは、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している領域のW方向に沿った寸法が1.000μm以下である。その結果、この実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサ10は、Ni−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域のW方向に沿った寸法を、1.000μm以下となるように、Wギャップに含まれるSiの含有量を制御することで、高温信頼性を有し、さらに初期ショート率が改善されうる。
ここで、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している領域の確認方法およびそのW方向に沿った寸法の測定方法について説明する。まず、積層セラミックコンデンサ10を第1の端面26aまたは第2の端面26bからL寸法の中央部まで研磨し、WT断面を露出させる。次に、走査型電子顕微鏡(FE−WDX)を用いて、露出させたWT断面の中央部付近に位置する第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bのスペクトルを取得し、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している領域を同定する。そして、マッピング分析によって、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している領域のW方向に沿った寸法を定量化する。当該寸法は、例えば、露出させたWT断面において、第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bのW方向の端部をランダムに100点選択し、選択した100点において測定されたNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している領域のW方向に沿った寸法の平均値を求めることにより算出することができる。なお、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bのW方向の端部とは、第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bのW方向の端部から30.000μm以内を指す。
(第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60b)
第1の外部電極60aは、第1の端面26aに形成されることにより、第1の内部電極層50aと電気的に接続される。また、第1の外部電極60aは、第1の端面26aに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成される。なお、第1の外部電極60aは、第1の端面26aにのみ形成されてもよい。一方、第2の外部電極60bは、第2の端面26bに形成されることにより、第2の内部電極層50bと電気的に接続される。また、第2の外部電極60bは、第2の端面26bに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成される。なお、第2の外部電極60bは、第2の端面26bにのみ形成されてもよい。
第1の外部電極60aは、積層体20の表面に形成される第1の下地電極層と、第1の下地電極層の表面に形成される第1のめっき層とを含む。同様に、第2の外部電極60bは、積層体20の表面に形成される第2の下地電極層と、第2の下地電極層の表面に形成される第2のめっき層とを含む。
第1の下地電極層および第2の下地電極層それぞれは、焼付け層、樹脂層および薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。
好ましくは、第1の下地電極層は、第1の端面26aに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成される焼付け層を含み、且つ第2の下地電極層は、第2の端面26bに形成された部分から延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成される焼付け層を含む。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む。焼付け層のガラスとしては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金およびAuなどから選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体20に塗布して焼き付けることにより形成される。このとき、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bと同時焼成することにより形成されてもよいし、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bを焼成した後に焼き付けることにより形成されてもよい。焼付け層は複数層であってもよい。焼付け層の最も厚い部分の厚みは、10μm以上30μm以下であることが好ましい。
樹脂層は焼付け層の表面に形成されてもよいし、焼付け層を形成せずに積層体20の表面に直接形成されてもよい。樹脂層は、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含んでもよい。樹脂層は複数層であってもよい。樹脂層は、第1の端面26aおよび第2の端面26bにのみ形成されてもよいし、そこから延長されて、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部まで至るように形成されてもよい。なお、樹脂層のうち、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれへの延長量は、焼付け層のそれよりも小さい。したがって、樹脂層が形成される場合であっても、第1の主面22a、第2の主面22b、第1の側面24aおよび第2の側面24bそれぞれの一部に形成された焼付け層の端部は、第1のめっき層または第2のめっき層に直接覆われる。
第1のめっき層は、第1の下地電極層を覆うように形成される。また、第2のめっき層は、第2の下地電極層を覆うように形成される。第1のめっき層は、第1の外部電極60aの焼付け層の一部である後述する突出部70の突き出した形状に影響を与えないように、第1の下地電極層の表面に均一な厚みで形成されることが好ましい。同様に、第2のめっき層は、第2の外部電極60bの焼付け層の一部である後述する突出部70の突き出した形状に影響を与えないように、第2の下地電極層の表面に均一な厚みで形成されることが好ましい。第1のめっき層および第2のめっき層それぞれは、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiおよびZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金により形成されることが好ましい。第1のめっき層および第2のめっき層それぞれの単位面積あたりの金属割合は99%以上であることが好ましい。なお、第1のめっき層および第2のめっき層それぞれは、ガラスを含まないことが好ましい。
第1のめっき層および第2のめっき層それぞれは複数層であってもよい。第1のめっき層は、第1の下地電極層の表面に形成される下層めっきと、下層めっきの表面に形成される上層めっきとを含むことが好ましい。同様に、第2のめっき層は、第2の下地電極層の表面に形成される下層めっきと、下層めっきの表面に形成される上層めっきとを含むことが好ましい。例えば、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれがNiを用いて形成される場合、第1のめっき層および第2のめっき層それぞれの下層めっきは、当該Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。また、上層めっきは、半田濡れ性の良好なSnやAuを用いることが好ましい。なお、上層めっきは必要に応じて形成すればよく、第1のめっき層および第2のめっき層それぞれは下層めっきのみで構成されてもよい。また、上層めっきを最外層としてもよいし、上層めっきの表面にさらに他のめっき層を形成してもよい。
第1のめっき層および第2のめっき層それぞれは、Niめっき層と、Ni層めっき層の表面に形成されたSnめっき層とからなる2層構造であることが好ましい。第1の下地電極層の表面にNiめっき層を形成することにより、第1の下地電極層が半田に侵食されることを防止することができる。また、Niめっき層の表面にSnめっき層を形成することにより、半田の濡れ性が向上するため、実装作業が容易になる。なお、第2の下地電極層の表面に形成されるNiめっき層、および当該Niめっき層の表面に形成されるSnめっき層についても同様の効果を奏するため、ここではその説明を繰り返さない。第1のめっき層および第2のめっき層それぞれの1層あたりの厚みは、2μm以上6μm以下であることが好ましい。
第1の外部電極60aの焼付け層は、第2の主面22b側に形成された部分にT方向へと突き出るように形成された突出部70を有する。当該突出部70の頂点72は、特にL方向において、第2の主面22bと第1の端面26aとが交わる稜線部の近傍に位置し、且つW方向に沿って、第1の側面24aよりも僅かにW方向の外側の位置から第2の側面24bよりも僅かにW方向の外側の位置まで延在する。第1の外部電極60aの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分に関して、第2の端面26b側の先端部62と突出部70の頂点72とを結ぶ第1の直線x1を定義したとき、第1の直線x1に直交するように第1の直線x1から第2の主面22b側に形成された部分の表面まで引いた垂線が最も長くなる第2の主面22b側に形成された部分の表面上の点64と、突出部70の頂点72とのT方向に沿った寸法t1が0.5μm以上35μm以下であることが好ましい。
第2の外部電極60bの焼付け層は、第2の主面22b側に形成された部分にT方向へと突き出るように形成された突出部70を有する。当該突出部70の頂点72は、特にL方向において、第2の主面22bと第2の端面26bとが交わる稜線部の近傍に位置し、且つW方向に沿って、第1の側面24aよりも僅かにW方向の外側の位置から第2の側面24bよりも僅かにW方向の外側の位置まで延在する。第2の外部電極60bの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分に関して、第1の端面26a側の先端部62と突出部70の頂点72とを結ぶ第2の直線x2を定義したとき、第2の直線x2に直交するように第2の直線x2から第2の主面22b側に形成された部分の表面まで引いた垂線が最も長くなる第2の主面22b側に形成された部分の表面上の点64と、突出部70の頂点72とのT方向に沿った寸法t2が0.5μm以上35μm以下である。なお、当該部分の図示は、第1の外部電極60aの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分と同様であるため、ここでは繰り返さない。
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、上記したように、第1の外部電極60aの第2の主面22b側に形成された部分、および第2の外部電極60bの第2の主面22b側に形成された部分のそれぞれにT方向へと突き出るように形成された突出部70を備える。また、上記した焼付け層の表面上の点64と、突出部70の頂点72とのT方向に沿った寸法t1が0.5μm以上35μm以下であることが好ましい。さらに、積層セラミックコンデンサ10のT方向に沿った寸法(後述するT寸法)は、0.18mm以上0.70mm以下であることが好ましい。これにより、突出部70は、アンカーとして有効に作用し、積層セラミックコンデンサ10と基板との固着力を向上させる。その結果、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、基板との実装性が改善される。
好ましくは、第1の外部電極60aの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分の表面に関して、第2の端面26b側の先端部62から第1の端面26aまでの第1の外部電極60aの表面に沿った寸法をd1とし、第2の端面26b側の先端部62から第1の端面26aまでのL方向に沿った寸法をe1としたとき、d1/e1が1.0045以上1.4以下である。
好ましくは、第2の外部電極60bの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分の表面に関して、第1の端面26a側の先端部62から第2の端面26bまでの第2の外部電極60bの表面に沿った寸法をd2とし、第1の端面26a側の先端部62から第2の端面26bまでのL方向に沿った寸法をe2としたとき、d2/e2が1.0045以上1.4以下である。なお、当該部分の図示は、第1の外部電極60aの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分と同様であるため、ここでは繰り返さない。
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外部電極60aの第2の主面22b側に形成された部分および第2の外部電極60bの第2の主面22b側に形成された部分のそれぞれが上記したような形状を有することにより、基板との実装性が一層改善される。
なお、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外部電極60aの焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分にも同様の突出部70を有し、且つ第2の外部電極60bの焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分にも同様の突出部70を有する。これにより、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、T方向における方向性を考慮しなくてよくなるため、実装作業を容易に行うことが可能となる。
また、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外部電極60aの焼付け層の第1の側面24a側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有する。当該突出部70は、同じ焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分から突き出した突出部70の第1の側面24a側の端部と、同じ焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分から突き出した突出部70の第1の側面24a側の端部とを結ぶようにT方向に沿って延在する。同様に、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第2の外部電極60bの焼付け層の第1の側面24a側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有する。当該突出部70は、同じ焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分から突き出した突出部70の第1の側面24a側の端部と、同じ焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分から突き出した突出部70の第1の側面24a側の端部とを結ぶようにT方向に沿って延在する。
さらに、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外部電極60aの焼付け層の第2の側面24b側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有する。当該突出部70は、同じ焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分から突き出した突出部70の第2の側面24b側の端部と、同じ焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分から突き出した突出部70の第2の側面24b側の端部とを結ぶようにT方向に沿って延在する。同様に、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第2の外部電極60bの焼付け層の第2の側面24b側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有する。当該突出部70は、同じ焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分から突き出した突出部70の第2の側面24b側の端部と、同じ焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分から突き出した突出部70の第2の側面24b側の端部とを結ぶようにT方向に沿って延在する。
上記したように、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外部電極60aの焼付け層の第1の側面24a側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有し、且つ第2の外部電極60bの焼付け層の第1の側面24a側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有する。同じく、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、第1の外部電極60aの焼付け層の第2の側面24b側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有し、且つ第2の外部電極60bの焼付け層の第2の側面24b側に形成された部分にもW方向へと突き出した同様の突出部70を有する。これにより、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、T方向における方向性に加えて、W方向における方向性も考慮しなくてよくなるため、実装作業を一層容易に行うことが可能となる。
(好ましい寸法など)
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10のT方向の寸法をT寸法とし、W方向の寸法をW寸法とし、L方向の寸法をL寸法とした場合、好ましい寸法は表1に示す通りである。表1では、T寸法、W寸法およびL寸法に加えて、誘電体層40の1層あたりの厚みおよび内部電極層の枚数(第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bの合計枚数)を適宜変更した、合計8パターンの好ましい積層セラミックコンデンサ10を示してある。なお、積層セラミックコンデンサ10の寸法は、例えば、マイクロメータや光学顕微鏡を用いて測定することができる。
Figure 0006984368
なお、誘電体層40の1層あたりの厚みは、例えば、次のように測定される。まず、積層セラミックコンデンサ10を第1の端面26aまたは第2の端面26bからL寸法の中央部まで研磨し、WT断面を露出させる。次に、走査型電子顕微鏡を用いて露出させたWT断面を観察し、T方向に延びるW方向の中心線上、および当該中心線からW方向の両側に等間隔で2本ずつ引いたT方向に延びる直線上(すなわち、合計5本の直線上)それぞれについて、T方向の中央部に位置する誘電体層40の1層あたりの厚みを測定する。最後に、測定した合計5箇所の厚みの平均値を算出する。なお、より正確に誘電体層40の厚みを測定するために、例えば、上記した5本の直線上それぞれの上部および下部に位置する誘電体層40の1層あたりの厚みについても測定し、測定した合計15箇所の厚みの平均値を算出するようにしてもよい。
(効果)
この発明の一実施の形態に係る第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれは、W方向の中央部におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低い。これにより、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、耐湿信頼性が改善される。さらに、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、当該第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bのW方向のずれ量が0.000μm以上10.000μm以下であることにより、初期ショート不良が抑制される。以上の通りであるため、この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、水分の浸入経路を減少させることで、実使用環境下での耐湿信頼性が改善され、且つ初期ショート不良が抑制される。
好ましくは、この発明の一実施の形態において、第1の内部電極層50aは、第1の外部電極60aに接続されない側のL方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低く、且つ第2の内部電極層50bは、第2の外部電極60bに接続されない側のL方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低い。これにより、積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性が一層改善される。
(変形例)
上記した一実施の形態では、第1の外部電極60aの焼付け層および第2の外部電極60bの焼付け層のそれぞれが、第1の主面22a側に形成された部分、第2の主面22b側に形成された部分、第1の側面24a側に形成された部分および第2の側面24b側に形成された部分の全てに突出部70を有する場合について説明した。しかしながら、この場合に限定されず、第1の外部電極60aの焼付け層および第2の外部電極60bの焼付け層のそれぞれは、少なくとも第2の主面22b側に形成された部分に突出部70を有すればよい。すなわち、第1の外部電極60aの焼付け層および第2の外部電極60bの焼付け層のそれぞれは、例えば、第2の主面22b側に形成された部分にのみ突出部70を有してもよい。これにより、積層セラミックコンデンサ10の寸法を小さくすることができるため、実装の自由度を向上させることができる。
上記した実施の形態では、第1の外部電極60aの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分の突出部70がW方向に沿って、第1の側面24aよりも僅かにW方向の外側の位置から第2の側面24bよりも僅かにW方向の外側の位置まで延在する場合について説明した。しかしながら、この場合に限定されず、当該突出部70は、例えば、第2の主面22bと第1の側面24aと第1の端面26aとが交わる角部およびその近傍と、第2の主面22bと第2の側面24bと第1の端面26aとが交わる角部およびその近傍にのみ形成されてもよい。なお、第1の外部電極60aの焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分の突出部70、第2の外部電極60bの焼付け層の第2の主面22b側に形成された部分の突出部70、および第2の外部電極60bの焼付け層の第1の主面22a側に形成された部分の突出部70のそれぞれについても同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
なお、積層セラミックコンデンサ10は突出部70を備えなくてもよい。このような場合、例えば、第1の下地電極層および第2の下地電極層それぞれは、焼付け層を含まずに、樹脂層および薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例について、図6〜8に基づいて説明する。なお、ここでは上記した一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10を量産する場合を例にして説明する。図6は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例において作製される内部電極パターンが印刷されたセラミックシートの斜視図である。図7は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例において作製される内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを積層する様子を示す斜視図である。図8は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法の一例において作製される生の積層チップの斜視図である。
まず、複数の誘電体層40の外層部を構成するための外層用のセラミックグリーンシートと、複数の誘電体層40の内層部を構成するための内層用のセラミックグリーンシートとが準備される。また、積層体20のWギャップを構成するための機能性シートであるセラミックグリーンシートが準備される。外層用のセラミックグリーンシートおよび内層用のセラミックグリーンシートの焼成前の厚みは、0.2μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
また、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bを形成するための内部電極用導電性ペーストと、第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bそれぞれの下地電極層を形成するための外部電極用導電性ペーストとが準備される。
内層用のセラミックグリーンシートの材料は、Ba、Ti、Dy、Mn、Si、V、Al、ZrおよびCaを含む。ここで、Ti100モル部に対してDyが0.2モル部以上0.5モル部以下含まれることが好ましい。また、Ti100モル部に対してVが0.288モル部以上0.35モル部以下含まれることが好ましい。さらに、Ti100モル部に対してZrが0.04モル部以下であることが好ましい。また、これらの成分に、例えば、Mn化合物およびMg化合物が副成分として含まれてもよい。副成分としては、Ca化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物またはNi化合物などの化合物や希土類元素化合物を用いてもよい。
外層用のセラミックグリーンシートおよび機能性シートであるセラミックグリーンシートの材料は、Ba、Ti、Dy、Mn、Si、V、Al、Zr、CaおよびMgを含む。Dy、VおよびZrのそれぞれの含有量は、内層用のセラミックグリーンシートの場合と同様であり、副成分についても同様である。
内部電極用導電性ペーストの材料は、主成分としてNiを含み、さらに、SnO2およびMgを含む。
外部電極用導電性ペーストの材料は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金およびAuなどから選ばれる少なくとも1つを含む。
なお、内部電極用導電性ペーストおよび外部電極用導電性ペーストには、有機バインダおよび溶剤が含まれる。当該有機バインダおよび当該溶剤としては、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。また、内部電極用導電性ペーストおよび外部電極用導電性ペーストの粘度は一定となるように調整される。
内部電極用導電性ペーストが主成分としてNiを含み、さらにSnO2を含むことにより、上記した一実施の形態において説明したNi−Sn反応層を形成することができる。当該内部電極用導電性ペーストに含まれるSnO2の分散状態を変化させることで、Ni−Sn反応層の連続性を調整し、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW寸法の50.0%以上100.0%以下の長さで直線状に連続して形成することができる。また、当該内部電極用導電性ペーストに含まれるSnO2の含有量を調整することで、Ni−Sn反応層の厚みを5mm以上20mm以下にすることができる。
さらに、内部電極用導電性ペーストがMgを含むことにより、複数の第1の内部電極層50aおよび複数の第2の内部電極層50bそれぞれの誘電体層40に隣接する部分にMgを偏析させることができる。また、外層用のセラミックグリーンシートがMgを含むことにより、最も外層側に位置する第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bそれぞれにMgを偏析させることができる。そして、Mgの含有量を制御することで、当該最も外層側に位置する第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bそれぞれのMg偏析量を元素比率Mg/Niで0.05以下にすることができる。
そして、機能性シートであるセラミックグリーンシートがSiを含み、内部電極用導電性ペーストが主成分としてNiを含み、Wギャップを構成するための機能性シートであるセラミックグリーンシートがMgを含み、且つ機能性シートであるセラミックグリーンシートがMnを含むことにより、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bそれぞれのW方向の端部に、Ni−Mg−Mn−O系ガラスを偏析させることができる。Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析している領域のW方向に沿った寸法は、機能性シートであるセラミックグリーンシートに含まれるSiの含有量を制御することで調整することができる。
次に、図6に示すように、内層用のセラミックグリーンシート110上に、内部電極用導電性ペーストを印刷することによって、第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bとなる導電パターン112を長尺状に一定間隔で形成する。なお、内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法などの各種印刷法により行うことができる。
そして、最初に導電パターン112が形成されていない外層用のセラミックグリーンシートをその厚みが0.5μm以上5μm以下となるように所定枚数積層する。次に、図7に示すように、導電パターン112が形成された複数枚の内層用のセラミックグリーンシート110を一定ピッチでずらして5枚以上1500枚以下積層する。最後に、導電パターン112が形成されていない外層用のセラミックグリーンシートをその厚みが5μm以上100μm以下となるように所定枚数積層する。
次に、剛体プレスもしくは静水圧プレスなどの手段を用いてT方向にプレスすることによって、各セラミックグリーンシートを所定の温度で圧着し、積層ブロックを作製する。このように、各セラミックグリーンシートを所定の温度で圧着することで、セラミックグリーンシート同士が接着する。なお、最外層に一定厚みの樹脂シートを配置することで導電パターン112が形成されていない部分に圧力が加わり、セラミックグリーンシート同士の接着力を高め得る。
それから、積層ブロックを切断することによって、積層ブロックから図8に示すような生の積層チップ114が形成される。積層ブロックの切断は、ダイシングや押し切りなどの種々の方法によって行うことができる。ここで、W方向において、内部電極の表面が露出する位置で導電パターン112を切断するため、内部電極のW方向の端部がT方向において揃った状態になる。なお、導電パターン112のW方向のみを切断することで、棒状のチップ集合体としてもよい。
図8に示すように、積層チップ114の両側面および両端面には、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bとなる導電パターン112が露出する。したがって、誘電体となる機能性シートとしてセラミックグリーンシートを積層チップ114の両側面それぞれに貼り付けることによって、露出した導電パターン112を覆う。なお、その後、バレル研磨などを行うことによって、角部および稜線部に丸みを付けてもよい。
そして、所定の温度プロファイルにより、生の積層チップ114の焼成を行う。この焼成工程において、誘電体層40、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bが焼成される。焼成温度は、用いる誘電体材料や内部電極用導電性ペーストの種類により適宜設定することができるが、例えば、900℃以上1300℃以下にすることができる。このとき、第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bについて、W方向の中央部におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低くなるように、上記した所定の温度プロファイルの昇温速度を適宜調整する。また、第1の内部電極層50aについて、第1の外部電極60aに接続されない側のL方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低くなるようにし、且つ第2の内部電極層50bについて、第2の外部電極60bに接続されない側のL方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジがW方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジよりも低くなるようにする場合についても、上記した所定の温度プロファイルの昇温速度を適宜調整することにより実現することができる。
それから、ディッピングによって、焼成後の積層チップの両端面それぞれに対して、外部電極用導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bそれぞれの焼付け層が形成される。このときの焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。このとき、焼付け層と一体的に突出部が形成される。
最後に、必要に応じて、電解めっきにより下地電極層の表面にめっき層が形成される。このとき、焼成後の積層チップがめっき液に馴染むように、当該積層チップに親水処理を施しておくことが好ましい。また、当該積層チップの両側面にめっき層が過剰に濡れ上がることを防止するため、積層チップに撥油処理を施しておくことが好ましい。
以上のようにして、上記したこの発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10が製造される。
3.積層セラミックコンデンサの実装構造
次に、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの実装構造について、図9に基づいて説明する。なお、ここでは上記した一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10を実装基板210に実装する場合を例にして説明する。図9は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの実装構造を示す外観斜視図である。
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの実装構造200は、上記した一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と、積層セラミックコンデンサ10を実装するための実装基板210とを備える。積層セラミックコンデンサ10は、その第1の外部電極60aが実装基板210上の第1のランド部220aに接触するように、且つその第2の外部電極60bが実装基板210上の第2のランド部220bに接触するように配置される。そして、第1の外部電極60aと第1のランド部220aとが、半田によってなる第1のフィレット230aにより、電気的に接続された状態で接合される。同様に、第2の外部電極60bと第2のランド部220bとが、半田によってなる第2のフィレット230bにより、電気的に接続された状態で接合される。
4.実験例
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例について説明する。
(実験例1)
実験例1では、第1の内部電極層および第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面におけるW方向の中央部、W方向の端部およびL方向の端部におけるカバレッジ、並びにW方向のずれ量が互いに異なる実施例1〜3および比較例1,2の試料(積層セラミックコンデンサ)をそれぞれ製造した。そして、これらの試料について、耐湿信頼性および初期ショートの試験を行うことにより評価した。
(実施例1〜3および比較例1,2)
上記した製造方法にしたがって、実施例1〜3および比較例1,2の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製した。各試料に共通の仕様は次の通りである。
・積層セラミックコンデンサの寸法(L寸法×W寸法×T寸法):0.68mm×0.38mm×0.38mm
・誘電体材料:BaTiO3(Ti100モル部に対して、Dyが0.4モル部含まれ、Mnが0.4モル部含まれ、Siが1.0モル部含まれ、Vが0.3モル部含まれ、Alが0.01モル部含まれ、且つZrが0.01モル部含まれる。)
・内部電極層:Ni
・外部電極の構造
焼付け層:Cu
めっき層:Niめっき層およびSnめっき層
実施例1の試料は、第1の内部電極層または第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面における、W方向の中央部におけるカバレッジ(以下単に「W方向中央部のカバレッジ」という)を85%とし、W方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジ(以下単に「W方向端部のカバレッジ」という)を90%とし、L方向の端部から30.000μm以内におけるカバレッジ(以下単に「L方向端部のカバレッジ」という)を80%とし、且つW方向のずれ量を5.000μm以内とした。
実施例2の試料は、第1の内部電極層または第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面における、W方向中央部のカバレッジを85%とし、W方向端部のカバレッジを90%とし、L方向端部のカバレッジを80%とし、且つW方向のずれ量を10.0000μm以内とした。
実施例3の試料は、第1の内部電極層または第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面における、W方向中央部のカバレッジを85%とし、W方向端部のカバレッジを90%とし、L方向端部のカバレッジを80%とした。
比較例1の試料は、第1の内部電極層または第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面における、W方向中央部のカバレッジを85%とし、W方向端部のカバレッジを80%とし、L方向端部のカバレッジを80%とした。
比較例2の試料は、第1の内部電極層または第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面における、W方向中央部のカバレッジを85%とし、W方向端部のカバレッジを90%とし、L方向端部のカバレッジを90%とし、且つW方向のずれ量を10.008μm以内とした。
(カバレッジの規定方法)
上記した試料それぞれのカバレッジは、以下のように規定した。まず、各試料について、第1の側部および第2の側部(すなわち、両側のWギャップ)並びに第1の端部または第2の端部(すなわち、片側のLギャップ)を研磨により除去した。次に、溶液を用いて第1の内部電極層または第2の内部電極層と誘電体層とを電解剥離し、T方向の中央部に位置していた第1の内部電極層または第2の内部電極層を露出させた。露出させた第1の内部電極層または第2の内部電極層について、光学顕微鏡で観察箇所画像を取得した。そして、取得された観察箇所画像における観察する部分について、顕微鏡倍率を1000倍とし、その1つの視野全体の面積に対して実際に第1の内部電極層または第2の内部電極層が存在する面積の比率を検出領域比率として算出した。観察した視野は、チップ数5個について、T方向の中央部に位置する第1の内部電極層または第2の内部電極層について4面に対して行い、各面に対して5視野選択して、合計100視野が選択され、観察された。そして、各視野について検出領域比率を算出し、その100視野の平均値をカバレッジとして規定した。
(ずれ量の算出方法)
上記した各試料のW方向のずれ量は、以下のように算出した。まず、各試料について、第1の端面または第2の端面からL寸法の中央部まで研磨し、第1の内部電極層および第2の内部電極層を露出させた。そして、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、露出させた第1の内部電極層および第2の内部電極層の観察箇所画像を取得し、画像解析を行うことにより、W方向のずれ量を算出した。
(第1の耐湿信頼性試験)
耐湿信頼性を評価する試験は、各試料に対して、温度85℃、湿度85%の環境下で定格電圧の2倍に相当する電圧を12時間印加し、抵抗値の劣化(抵抗値が初期値に対して急激に低下する劣化)が発生するか否かで判定した。具体的には、上記した環境下で、定格電圧を6.3Vとして、その2倍に相当する12.6Vの電圧を12時間印加し、抵抗値が初期値の1/10以下に低下した試料および動作しなかった試料が不良品であると評価した。なお、第1の耐湿信頼性試験は、上記した製造方法にしたがって製造された各試料72個ずつに対して行われた。
(初期ショート試験)
初期ショートを評価する試験は、各試料に対して、AC電圧(周波数120Hz、電圧0.5V)を印加し、LCRメータを用いて測定を行い、logIR値が3.0Ω以下であった場合、初期ショートが発生したと判定し、その試料が不良品であると評価した。なお、当該初期ショート試験は、上記した製造方法にしたがって製造された各試料100個ずつに対して行われた。
(実験結果)
実験例1の結果を表2に示す。
Figure 0006984368
表2に示すように、実施例1および実施例2では、それぞれ、第1の耐湿信頼性試験および初期ショート試験において不良品であると評価された試料個数がいずれも0個であった。一方、比較例1では、第1の耐湿信頼性試験において不良品であると評価された試料個数が3個であった。また、比較例2では、第1の耐湿信頼性試験において不良であると評価された試料個数が0個であったが、初期ショート試験において不良品であると評価された試料個数が2個であった。以上の結果から、第1の内部電極層または第2の内部電極層について、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面におけるW方向中央部のカバレッジがW方向端部のカバレッジよりも低くされ、且つW方向のずれ量が0.000μm以上10.000μm以下にされることにより、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、実使用環境下での耐湿信頼性が改善され、且つ初期ショート不良が抑制されていることを確認することができた。
(第2の耐湿信頼性試験)
さらに、第2の耐湿信頼性試験を行った。第2の耐湿信頼性試験は、上記した第1の耐湿信頼性試験と比較して、定格電圧の2.5倍に相当する電圧を印加する点のみが異なり、他の条件は同じである。したがって、同様となる説明は繰り返さない。第2の耐湿信頼性試験の結果を表3に示す。
Figure 0006984368
表3に示すように、第2の耐湿信頼性試験において不良品であると評価された試料個数は、実施例1〜3がいずれも0個であり、比較例1が23個であり、比較例2が30個であった。ここで、比較例2の試料は、W方向中央部におけるカバレッジがW方向端部におけるカバレッジよりも低く、この点では実施例1〜3の試料と同様である。しかしながら、比較例2の試料は、L方向端部におけるカバレッジがW方向端部におけるカバレッジと同じであり、この点で実施例1〜3の試料と異なる。すなわち、この実験結果から、W方向とL方向とが交わる平面に沿った断面におけるL方向端部のカバレッジがW方向端部のカバレッジよりも低くされることにより、この発明に係る積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が一層改善されることを確認することができた。
5.参考実験例
以下、発明者らが行った参考実験例について説明する。
(参考実験例1)
参考実験例1では、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性および厚みが互いに異なり、最も外層側に位置する内部電極層(最外層部の内部電極層)のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)が互いに異なる参考例1〜7の試料(積層セラミックコンデンサ)をそれぞれ製造した。そして、これらの試料について、高温信頼性の試験を行うことにより評価した。
(参考例1〜7)
上記した製造方法にしたがって、参考例1〜7の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製した。各試料に共通の仕様は上記した実験例1と同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
参考例1の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の50.0%とし、厚みを5nmとした。また、参考例1の試料は、最も外層側に位置する内部電極層のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)を0.03とした。
参考例2の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の50.0%とし、厚みを20nmとした。また、参考例2の試料は、最も外層側に位置する内部電極層のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)を0.05とした。
参考例3の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の100.0%とし、厚みを5nmとした。また、参考例3の試料は、最も外層側に位置する内部電極層のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)を0.04とした。
参考例4の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の100.0%とし、厚みを20nmとした。
参考例5の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の75.0%とし、厚みを4nmとした。また、参考例5の試料は、最も外層側に位置する内部電極層のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)を0.06とした。
参考例6の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の75.0%とし、厚みを21nmとした。また、参考例6の試料は、最も外層側に位置する内部電極層のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)を0.04とした。
参考例7の試料は、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の49.5%とし、厚みを10nmとした。また、参考例7の試料は、最も外層側に位置する内部電極層のMg偏析量(元素比率Mg/Ni)を0.04とした。
(Ni−Sn反応層の連続性および厚みの定量化方法)
Ni−Sn反応層の連続性および厚みを定量化する方法について説明する。まず、積層セラミックコンデンサを第1の端面または第2の端面からL寸法の中央部まで研磨し、WT断面を露出させた。次に、露出させたWT断面をイオンビーム加工(FIB)により薄片化させた。さらに、薄片化させたWT断面のT方向の中央部において、走査透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光器(STEM−EDS)を用いて、W方向に沿ってランダムに20点の視野を選択し、選択した視野それぞれについて元素分布マッピング観察を行った。このようにして、Ni−Sn反応層の連続性および厚みを定量化した。
(Mg偏析の確認)
最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は、次のようにして確認した。各試料について、第1の端面または第2の端面からL方向1/2の位置まで研磨し、第1の内部電極層および第2の内部電極層を露出させた。次に、複数の内部電極層のうち最も外層側に配置されている内部電極層のMgの偏析を確認するために、露出させたWT断面の当該内部電極層でランダムに100点の視野を選択した。そして、走査型電子顕微鏡を用いて選択した100点の視野を観察した。各視野について、走査型電子顕微鏡を用いて、スペクトルを取得し、元素比率Mg/Niを算出した。元素比率Mg/Niは、各視野における元素比率の100点の平均値とした。
(高温信頼性試験)
高温信頼性を評価する試験は、各試料に対して、温度85℃の環境下で定格電圧(ここでは6.3Vに設定)を2000時間印加し、抵抗値の劣化(抵抗値が初期値に対して急激に低下する劣化)が発生するか否かで判定した。ここでは、抵抗値が初期値の10000分の1以下に低下しなかった試料が良品(G)であると評価し、抵抗値が初期値の10000分の1以下に低下した試料および動作しなかった試料が不良品(NG)であると評価した。なお、高温信頼性試験は、上記した製造方法にしたがって製造された各試料72個ずつに対して行われた。
(耐湿信頼性試験)
さらに、耐湿信頼性を評価する試験を行った。耐湿信頼性を評価する試験は、各試料に対して、温度85℃、湿度85%の環境下で定格電圧(ここでは6.3Vに設定)の2倍に相当する電圧(すなわち、12.6V)を12時間印加し、抵抗値の劣化(抵抗値が初期値に対して急激に低下する劣化)が発生するか否かで判定した。ここでは、抵抗値が初期値の1/10以下に低下しなかった試料が良品(G)であると評価し、抵抗値が初期値の1/10以下に低下した試料および動作しなかった試料が不良品(NG)であると評価した。なお、耐湿信頼性試験は、上記した製造方法にしたがって製造された各試料72個ずつに対して行われた。
(実験結果)
参考実験例1の高温信頼性試験についての結果を表4に示す。
Figure 0006984368
表4に示すように、参考例1〜4の試料は、いずれも良品(G)であると評価された。一方、参考例5〜7の試料は、いずれも不良品(NG)であると評価された。なお、72個の試料のうち1個の不良品もない場合を良品(G)とし、72個の試料のうち1個でも不良品がある場合を不良品(NG)とした。以上の結果から、第1の内部電極層および第2の内部電極層と誘電体層との界面に形成されるNi−Sn反応層について、T方向とW方向とが交わる平面に沿った断面おける連続性を第1の内部電極層および第2の内部電極層それぞれのW寸法の50.0%以上100.0%以下とし、且つ厚みを5nm以上20nm以下とすることにより、積層セラミックコンデンサの高温負荷寿命が改善されることを確認することができた。
参考実験例1の耐湿信頼性試験についての結果を表5に示す。
Figure 0006984368
表5に示すように、参考例1〜4、6および7の試料は、いずれも良品(G)であると評価された。一方、参考例5の試料のみが不良品(NG)であると評価された。なお、72個の試料のうち1個の不良品もない場合を良品(G)とし、72個の試料のうち1個でも不良品がある場合を不良品(NG)とした。以上の結果から、最も外層側に位置する第1の内部電極層または第2の内部電極層それぞれのMg偏析量が元素比率Mg/Niで0.05以下であることにより、耐湿信頼性が向上することを確認することができた。
(参考実験例2)
参考実験例2では、積層セラミックコンデンサの複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分に偏析するMgの有無、および最も外層側に位置する内部電極層(最外層部の内部電極層)のMgの偏析相量が互いに異なる参考例1〜3および参考例5〜10の試料(積層セラミックコンデンサ)をそれぞれ製造した。これらの試料について、高温信頼性および初期ショートの試験を行うことにより評価した。
(参考例1〜3、参考例5〜10および参考例15)
上記した製造方法にしたがって、参考例1〜3、参考例5〜10および参考例15の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製した。各試料に共通の仕様は上記した実験例1と同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
参考例1の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.03であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
参考例2の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.05であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
参考例3の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.04であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、1.000μmである。
参考例5の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.06であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
参考例6の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.04であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、1.050μmである。
参考例7の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.04であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
参考例8の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.04であり、内部電極層のW方向の端部にMg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このMg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
参考例9の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.04であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
参考例10の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析を有し、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.04であった。しかしながら、内部電極層のW方向の端部にガラスの偏析は確認されなかった。
参考例15の試料は、複数の内部電極層それぞれの誘電体層に隣接する部分にMgの偏析がなく、最も外層側に位置する内部電極層のMgの偏析は元素比率Ni/Mgで0.05であり、内部電極層のW方向の端部にNi−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、このNi−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、0.500μmである。
(Mg偏析の確認)
Mgの偏析の確認は、参考実験例1と同様の方法で行ったので、その説明は繰り返さない。
(ガラスの確認)
ガラス(Ni−Mg−Mn−O系ガラス、Ni−Mn−O系ガラス、Mg−Mn−O系ガラス、Ni−Mg−O系ガラス)が偏析している領域の確認およびそのW方向に沿った寸法の測定は以下に説明するように行った。まず、各試料をL方向に沿って研磨し、WT断面を露出させた。次に、走査型電子顕微鏡(FE−WDX)を用いて、露出させたWT断面の中央部付近に位置する内部電極層のスペクトルを取得し、ガラスが偏析している領域を同定した。そして、マッピング分析によって、ガラスが偏析している領域のW方向に沿った寸法を定量化した。当該寸法は、露出させたWT断面において、内部電極層のW方向の端部をランダムに100点選択し、選択した100点において測定されたガラスが偏析している領域のW方向に沿った寸法の平均値を求めることにより算出した。なお、内部電極層のW方向の端部とは、第1の内部電極層50aまたは第2の内部電極層50bのW方向の端部から30.000μm以内である。
(高温信頼性試験)
高温信頼性を評価する試験は、各試料に対して、温度85℃の環境で定格電圧(ここでは6.3Vに設定)を2000時間印加し、抵抗値の劣化(抵抗値が初期値に対して急激に低下する場合、より具体的には抵抗値が4乗以下に低減する場合)が1つでも発生した場合は高温信頼性が不十分であると判定し、その試料が不良であると評価した。なお、高温信頼性試験は、上記した製造方法にしたがって製造された各72個ずつに対して行われた。
(初期ショート試験)
初期ショートを評価する試験は、各試料に対して、AC電圧(周波数120Hz、電圧0.5V)を印加し、LCRメータを用いて測定を行い、logIR値が3.0Ω以下であった場合、初期ショートが発生したと判定し、その試料が不良であると評価した。なお、当該初期ショート試験は、上記した製造方法にしたがって、製造された各試料100個ずつに対して行われた。
(実験結果)
参考実験例2の結果を表6に示す。
Figure 0006984368
表6に示すように、参考例1〜3および参考例8〜10では、それぞれ、高温信頼性において不良であると評価された試料がいずれも0個であり、参考例6および参考例7では、それぞれ、同試料個数が1個であった。一方、参考例5では同試料個数が4個であり、且つ参考例15では、同試料個数が70個であった。以上の結果から、参考例1〜3および参考例6〜10の試料(積層セラミックコンデンサ)は、高温信頼性が向上していることを確認することができた。
また、表6が示すように、参考例1〜3では、内部電極層のW方向の端部に、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析しており、さらに、Ni−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域のW方向に沿った寸法が、1.000μm以下である場合には、初期ショート試験において不良であると評価された試料個数がいずれも0個であった。一方、参考例5では、初期ショート試験において不良であると評価された試料個数は0であったが、参考例15では、95個であった。以上の結果から、参考例1〜3の試料(積層セラミックコンデンサ)は、高温信頼性を有し、さらに、初期ショート不良が抑制されていることを確認することができた。
(参考実験例3)
参考実験例3では、図5(A),(B)、図10および図11などを参照して説明する。図10は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの実装構造における好ましい半田の濡れ上がり態様を示す拡大断面図である。図11は、半田の濡れ上がりが90°以上となる好ましくない半田の濡れ上がり態様を示す拡大断面図である。
参考実験例3では、第1の外部電極および第2の外部電極の焼付け層の突出部について、図5を参照して、第1の外部電極の第2の主面側に形成された突出部についてのt1およびd1/e1、並びに積層セラミックコンデンサのT寸法が互いに異なる参考例1〜3および参考例5〜10に係る試料(積層セラミックコンデンサ)をそれぞれ作製した。なお、参考例8の試料は、突出部が形成されない。各試料が、それぞれ100個作製され、それらについて、以下に示すように、実装される基板との固着力および半田の濡れ上がり性の試験を行うことにより評価した。
(参考例1〜3、参考例5〜10および参考例12〜14)
上記した製造方法にしたがって、参考例1〜3、参考例5〜10および参考例12〜14の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製した。各試料に共通の仕様は、積層セラミックコンデンサの寸法を除いて、上記した実験例1と同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
参考例1の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を0.5000μmとし、且つ上記d1/e1を1.0035とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例2の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を10.000μmとし、且つ上記d1/e1を1.1500とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例3の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を35.000μmとし、且つ上記d1/e1を1.4000とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例5の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を0.496μmとし、且つ上記d1/e1を1.0001とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例6の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を36.000μmとし、且つ上記d1/e1を1.4100とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例7の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関
して、上記寸法t1を35.5μmとし、且つ上記d1/e1を1.4050とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例8の試料では、上記した通り突出部を形成しなかった。なお、上記d1/e1は、1.0040とした。また、第2の外部電極についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例9の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を0.500μmとし、且つ上記d1/e1を1.0050とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.4mm×0.2mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.15mmとした。
参考例10の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を10.000μmとし、且つ上記d1/e1を1.150とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.4mm×0.2mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.11mmとした。
参考例12の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を0.500μmとし、且つ上記d1/e1を1.0045とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.68mm×0.38mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.38mmとした。
参考例13の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を15.000μmとし、且つ上記d1/e1を1.2000とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を1.2mm×0.7mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.7mmとした。
参考例14の試料では、第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、上記寸法t1を35.000μmとし、且つ上記d1/e1を1.4000とした。また、第2の外部電極の焼付け層の上記寸法t2および上記d2/e2についても同様とした。さらに、積層セラミックコンデンサのL寸法×W寸法を0.4mm×0.2mmとした。そして、積層セラミックコンデンサのT寸法を0.18mmとした。
(突出部の観察方法)
まず、各試料(積層セラミックコンデンサ)をW方向に沿って、当該積層セラミックコンデンサのW方向の厚みの1/2まで研磨し、LT断面を露出させる。次に、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、露出させたLT断面において、第1の外部電極の突出部における寸法t1を測定した。この場合、各試料において、100個の積層セラミックコンデンサについて、突出部における寸法t1を測定し、その平均値を突出部の寸法t1とした。なお、d1/e1についても寸法t1と同様に測定し、その平均値を算出した。
(基板との固着力の評価方法)
それから、各試料(積層セラミックコンデンサ)について、それぞれ、基板に実装した後、当該試料(積層セラミックコンデンサ)に第1の側面または第2の側面からW方向に沿った一定以上の力を加えて、基板との固着力を測定して評価した。この場合、5.0Nの力を加えても試料100個全てが基板から外れなかった場合を基板との固着力が良好(G)であると判定した。さらに、6.0Nの力を加えても試料100個全てが基板から外れなかった場合を基板との固着力が非常に良好(VG)であると判定した。一方、5.0Nの力を加えて、試料が1個でも基板から外れた場合を基板との固着力が不良(NG)である判定とした。また、5.0Nの力を加えたとき、素体強度が弱いため、素体側が破壊されてしまったものを測定不可と判定した。
(半田の濡れ上がり性の評価方法)
また、半田の濡れ上がりがあるか否かについても評価した。この場合、半田の濡れ上がりがある場合を良好(G)と判定し、濡れ上がりの無い不濡れの場合を不良(NG)と判定した。具体的には、図10に示すように、半田の濡れ角が90°未満の場合を良好(G)と判定した。また、図11に示すように、半田の濡れ角が90°以上の場合を不良(NG)と判定した。
(実験結果)
参考実験例3の結果を表7に示す。
Figure 0006984368
表7に示すように、参考例1では、基板との固着力が良好であり、且つ半田の濡れ上がりも良好であった。また、参考例2、参考例3および参考例12〜14では、基板との固着力が非常に良好であり、且つ半田の濡れ上がりも良好であった。一方、参考例5〜8では、基板との固着力が不良であり、さらに、参考例6および参考例7では、半田の濡れ上がりも不良であった。また、参考例9および参考例10では、素体強度が弱いため、素体側が破壊されてしまい、実装性が測定不可であった。
以上の結果から、t1が0.5μm以上35μm以下であり、且つ積層セラミックコンデンサのT寸法が0.18mm以上0.70mm以下である場合、基板との固着力が非常に良好または良好となり、且つ半田の濡れ上がりが良好となることを確認することができた。すなわち、このような積層セラミックコンデンサは、基板との実装性が改善されることを確認することができた。さらに、d1/e1が1.0045以上1.4以下である場合、基板との固着力が非常に良好となることを確認することができた。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
10 積層セラミックコンデンサ
20 積層体
22a 第1の主面
22b 第2の主面
24a 第1の側面
24b 第2の側面
26a 第1の端面
26b 第2の端面
34a 第1の側部
34b 第2の側部
36a 第1の端部
36b 第2の端部
40 誘電体層
50a 第1の内部電極層
50b 第2の内部電極層
60a 第1の外部電極
60b 第2の外部電極
62 先端部
64 垂線が最も長くなる点
70 突出部
72 頂点
110 内層用のセラミックグリーンシート
112 導電パターン
114 積層チップ
200 実装構造
210 実装基板
220a 第1のランド部
220b 第2のランド部
230a 第1のフィレット
230b 第2のフィレット
1 第1の直線
1 焼付け層の一部の表面に沿った寸法
1 焼付け層の一部のL方向に沿った寸法
1 焼付け層の一部のT方向に沿った寸法

Claims (16)

  1. 複数の誘電体層と、複数の第1の内部電極層と、複数の第2の内部電極層とが交互に積層されることにより直方体状に形成され、積層方向において相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する幅方向において相対する第1の側面および第2の側面と、前記積層方向および前記幅方向に直交する長さ方向において相対する第1の端面および第2の端面とを含む積層体と、前記第1の端面に形成されることにより、前記複数の第1の内部電極層に電気的に接続される第1の外部電極と、前記第2の端面に形成されることにより、前記複数の第2の内部電極層に電気的に接続される第2の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記複数の第1の内部電極層は、前記複数の誘電体層を介して前記複数の第2の内部電極層に対向する対向電極部と、前記対向電極部の前記第1の端面側の端部から前記第1の端面までの引出電極部とを有し、
    前記複数の第2の内部電極層は、前記複数の誘電体層を介して前記複数の第1の内部電極層に対向する対向電極部と、前記対向電極部の前記第2の端面側の端部から前記第2の端面までの引出電極部とを有し、
    前記積層体は、前記複数の第2の内部電極層におけるそれぞれの前記対向電極部と前記第1の端面との間に位置する第1の端部と、前記複数の第1の内部電極層におけるそれぞれの前記対向電極部と前記第2の端面との間に位置する第2の端部とを含み、
    前記第1の外部電極は、前記第1の端面から前記第1の主面、前記第2の主面、前記第1の側面および前記第2の側面それぞれの一部まで延長するように一体に形成される焼付け層を含み、且つ前記第2の外部電極は、前記第2の端面から前記第1の主面、前記第2の主面、前記第1の側面および前記第2の側面それぞれの一部まで延長するように一体に形成される焼付け層を含み、
    前記第1の外部電極の焼付け層および前記第2の外部電極の焼付け層のそれぞれは、少なくとも前記第1及び第2の主面側に形成された部分に前記積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部を有し、
    前記焼付け層の表面と突出部の頂点との積層方向に沿った寸法は、0.5μm以上35μm以下であり、
    前記第1の外部電極の焼付け層の前記第1の主面側に形成された部分に前記積層方向へと突き出るように頂点が形成された突出部の頂点は、前記第1の主面と前記第1の端面とが交わる稜線部に位置し、前記幅方向に沿って、前記第1の側面よりも前記幅方向の外側の位置から前記第2の側面よりも前記幅方向の外側の位置まで延在し、
    前記第2の外部電極の焼付け層の前記第1の主面側に形成された部分に前記積層方向へと突き出るように頂点が形成された前記突出部の頂点は、前記第1の主面と前記第2の端面とが交わる稜線部に位置し、前記幅方向に沿って、前記第1の側面よりも前記幅方向の外側の位置から前記第2の側面よりも前記幅方向の外側の位置まで延在し、
    前記第1の外部電極の焼付け層の前記第2の主面側に形成された部分に前記積層方向へと突き出るように頂点が形成された前記突出部の頂点は、前記第2の主面と前記第1の端面とが交わる稜線部に位置し、前記幅方向に沿って、前記第1の側面よりも前記幅方向の外側の位置から前記第2の側面よりも前記幅方向の外側の位置まで延在し、
    前記第2の外部電極の焼付け層の前記第2の主面側に形成された部分に前記積層方向へと突き出るように頂点が形成された前記突出部の頂点は、前記第2の主面と前記第2の端面とが交わる稜線部に位置し、前記幅方向に沿って、前記第1の側面よりも前記幅方向の外側の位置から前記第2の側面よりも前記幅方向の外側の位置まで延在し、
    前記第1の外部電極の焼付け層および前記第2の外部電極の焼付け層のそれぞれは、前記第1及び前記第2の側面側に形成された部分にも前記幅方向へと突き出した突出部を有し、
    前記第1の側面側に形成された部分にも前記幅方向へと突き出した前記突出部は、前記焼付け層の前記第1の主面側に形成された部分から突き出した前記突出部の前記第1の側面側の端部と、前記焼付け層の前記第2の主面側に形成された部分から突き出した前記突出部の前記第1の側面側の端部とを結ぶように積層方向に沿って延在し、
    前記第2の側面側に形成された部分にも前記幅方向へと突き出した前記突出部は、前記焼付け層の前記第1の主面側に形成された部分から突き出した前記突出部の前記第2の側面側の端部と、前記焼付け層の前記第2の主面側に形成された部分から突き出した前記突出部の前記第2の側面側の端部とを結ぶように前記積層方向に沿って延在することを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の外部電極の焼付け層および前記第2の外部電極の焼付け層のそれぞれは、少なくとも前記第2の主面側に形成された部分に前記積層方向へと突き出るように形成された突出部を有し、
    前記第1の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、前記第2の端面側の先端部と前記突出部の頂点とを結ぶ第1の直線を定義したとき、前記第1の直線に直交するように前記第1の直線から前記第2の主面側に形成された部分の表面まで引いた垂線が最も長くなる前記第2の主面側に形成された部分の表面上の点と、前記突出部の頂点との積層方向に沿った寸法が0.5μm以上35μm以下であり、
    前記第2の外部電極の焼付け層の第2の主面側に形成された部分に関して、前記第1の端面側の先端部と前記突出部の頂点とを結ぶ第2の直線を定義したとき、前記第2の直線に直交するように前記第2の直線から前記第2の主面側に形成された部分の表面まで引いた垂線が最も長くなる前記第2の主面側に形成された部分の表面上の点と、前記突出部の頂点との積層方向に沿った寸法が0.5μm以上35μm以下であり、且つ、
    前記積層セラミックコンデンサの積層方向に沿った寸法が、0.18mm以上0.70mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記複数の第1の内部電極層および前記複数の第2の内部電極層それぞれはNiを含み、
    前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層と前記誘電体層との界面にNi−Sn反応層が形成され、
    前記Ni−Sn反応層は、前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層それぞれの幅寸法の50.0%以上100.0%以下の長さで直線状に連続して形成され、且つ厚みが5mm以上20mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 複数の前記第1の内部電極層および複数の前記第2の内部電極層それぞれの前記誘電体層に隣接する部分にはMgが偏析していることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 最も外層側に位置する前記第1の内部電極層または前記第2の内部電極層それぞれのMg偏析量は、元素比率Mg/Niで0.05以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層それぞれの幅方向の端部には、Ni−Mg−Mn−O系ガラスが偏析していることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記Ni−Mg−Mn−O系ガラスの偏析している領域の幅方向に沿った寸法が、1.000μm以下であることを特徴とする、請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記第1の外部電極の焼付け層の前記第2の主面側に形成された部分の表面に関して、前記第2の端面側の先端部から前記第1の端面までの前記第1の外部電極の表面に沿った寸法をd1とし、前記第2の端面側の先端部から前記第1の端面までの前記長さ方向に沿った寸法をe1としたとき、d1/e1が1.0045以上1.4以下であり、且つ、
    前記第2の外部電極の焼付け層の前記第2の主面側に形成された部分の表面に関して、前記第1の端面側の先端部から前記第2の端面までの前記第2の外部電極の表面に沿った寸法をd2とし、前記第1の端面側の先端部から前記第2の端面までの前記長さ方向に沿った寸法をe2としたとき、d2/e2が1.0045以上1.4以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の積層セラミックコンデサ。
  9. 前記積層方向の寸法が0.300mm±0.090mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.300mm±0.090mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.600mm±0.090mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  10. 前記積層方向の寸法が0.200mm±0.050mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.200mm±0.050mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.400mm±0.050mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が50枚以上300枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  11. 前記積層方向の寸法が0.300mm±0.050mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.200mm±0.050mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.400mm±0.050mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  12. 前記積層方向の寸法が0.300mm±0.050mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.300mm±0.050mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.400mm±0.050mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  13. 前記積層方向の寸法が0.250mm±0.025mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.250mm±0.025mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.500mm±0.025mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が100枚以上500枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  14. 前記積層方向の寸法が0.500mm±0.050mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.500mm±0.050mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.800mm±0.050mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が200枚以上1000枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  15. 前記積層方向の寸法が0.600mm±0.050mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.450mm±0.050mmであり、
    前記長さ方向の寸法が0.750mm±0.050mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が200枚以上1000枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  16. 前記積層方向の寸法が0.500mm±0.200mmであり、
    前記幅方向の寸法が0.500mm±0.200mmであり、
    前記長さ方向の寸法が1.000mm±0.200mmであり、
    前記誘電体層について、厚みが0.48μm±0.10μmであり、枚数が200枚以上1000枚以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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