JP2023122239A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿性及び耐基板曲げ性を両立する積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、複数の誘電体層14と、複数の内部電極層16a、16bとが積層され、高さ方向xに相対する第1、第2の主面12a、12bと、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1、第2の側面と、高さ方向と幅方向に直交する長さ方向zに相対する第1、第2の端面12e、12fと、を含む積層体12と、第1の外部電極30aと、第2の外部電極30bと、を備える。外部電極は、金属成分及びガラス成分を含有する下層電極層34a、34bと、金属成分及び下層電極層中のガラス成分の量よりも少なく、かつ、上層電極層に含有される気孔の最大内接円径が0.02μm以上0.52μm以下であるガラス成分を含有し、かつ、内部に複数の気孔が配置され、下層電極層上に配置される上層電極層36a、36bと、を含む。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
近年、積層セラミックコンデンサにおいては、耐基板曲げ性や耐湿性の向上が望まれている。耐基板曲げ性は、回路基板に実装した後の信頼性を保証するために重要な特性である。従来の積層セラミックコンデンサは回路基板上に、あらかじめ塗布されている接着剤により仮止めされ、その後、回路基板上に形成されるランドパターン上に外部電極を半田により接続固定することにより実装されている構成となる。
しかしながら、上記構成では、耐基板曲げ性が比較的弱く、実装後の回路基板のブレークや反りなどで割れが発生しやすいことから、導通不良や絶縁抵抗不良に結びつくという問題がある。
上記の耐基板曲げ性を解決するものとして、例えば、特許文献1に記載のセラミック電子部品が提案されている。
特許文献1に提案されるセラミック電子部品の構成は、セラミック素体(積層体)と、このセラミック素体の両端に有する外部電極とを備え、この外部電極は少なくとも2層からなり、前記セラミック素体に接続する第1層のガラスの含有量は、その上層の第2層のガラスの含有量よりも多くした構成である。
上記の構成にすることで、第1層はセラミック素体との密着性が強く、第2層はセラミック素体との接着性が弱い構造となる。その結果、基板曲げの際に発生する引張応力をセラミック素体側面と第2層との間で緩和させることができるので、その分だけ耐基板曲げ性を向上させることができる。
また、積層セラミックコンデンサをはじめとする電子部品をはんだ実装するにあたって、水溶性フラックスを用いてはんだ実装する方法が広く用いられるようになっている。
しかしながら、このような水溶性フラックスは、浸食性が高く、外部電極に含まれるガラス成分や、セラミック素体を構成するセラミックと外部電極との界面に形成される、外部電極中のガラスとセラミックとの反応層を浸食する。その結果、外部電極表面、あるいは外部電極端部から、セラミック素体内部への水分浸入パスが形成され、電子部品の耐湿性が低下するという問題点がある。
上記耐湿性を解決するものとして、例えば、特許文献2に記載の積層セラミック電子部品が提案されている。
特許文献2で提案される積層セラミック電子部品の構成は、セラミック素体と、前記セラミック素体の表面に形成された外部電極とを備えたセラミック電子部品であって、前記外部電極が、前記セラミック素体の表面に形成された、アルカリ土類金属の含有率が37~45mol%の範囲にあるガラスを含む下層外部電極と、前記下層外部電極上に形成された、SiO2の含有率が50~55mol%の範囲にあるガラスを含む上層外部電極とを備えており、前記下層外部電極に含まれる無機固形分中のガラスの割合が、17~25vol%の範囲にあり、前記上層外部電極に含まれる無機固形分中のガラスの割合が、5~18vol%の範囲にある構成である。
上記の構成にすることで、SiO2を上記の割合で含有する上層外部電極により、外部電極の水溶性フラックスに対する耐浸食性を確保するとともに、アルカリ土類金属を上記の割合で含有し、セラミック素体を構成するセラミックとの反応の生じにくい下層外部電極により、水溶性フラックスに対する耐浸食性の低い、セラミックと外部電極中のガラスとの反応生成物の生成を抑制、防止することができ、耐湿性の向上が可能になる。
特開平9-7878号公報 特開2012-109488号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるセラミック電子部品は、第2層よりも第1層の方が、ガラスが多く含まれるため、電解めっきが成長しにくく、めっき液が外部電極中にトラップされ、耐湿信頼性試験における絶縁抵抗劣化やはんだ爆ぜなどの不具合を引き起こす可能性がある。そのため、セラミック電子部品の耐湿性が低下する問題があった。
また、特許文献2に記載される積層セラミック電子部品は、耐湿性に対して、SiO2成分の多いガラスにより対策をしているが、SiO2の多いガラスでは軟化点が高く、電極の焼結温度が上昇する傾向にあるため、外部電極の残留応力が高くなりやすい。そのため、積層セラミック電子部品の耐基板曲げ性が低下しやすい問題があった。
このように、特許文献1と特許文献2では、耐湿性と耐基板曲げ性を両立することが困難であった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、耐湿性および耐基板曲げ性の両立を達成しうる積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極層とを含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、第1の端面側に配置される第1の外部電極と、第2の端面側に配置される第2の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、第1の外部電極及び第2の外部電極は、下層電極層と、第下層電極層上に配置された上層電極層とを含み、下層電極層は、金属成分、ガラス成分を含有し、上層電極層は、金属成分、ガラス成分を含有し、かつ、上層電極層の内部には複数の気孔が配置されており、上層電極層に含有されるガラス成分の量は、下層電極層中のガラス成分の量よりも少なく、かつ上層電極層に含有される気孔の最大内接円径が0.02μm以上0.52μm以下である、積層セラミックコンデンサである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサでは、下層電極層および上層電極層が上述した構成を有することにより、積層セラミックコンデンサの耐湿性と耐基板曲げ性の両方を向上させることができる。
より詳細には、積層体に接続する下層電極層のガラス成分の含有量が、下層電極層の上に配置される上層電極層のガラス成分の含有量よりも多くした構成であるため、下層電極層は積層体との密着性が強く、上層電極層は積層体との接着性が弱い構造となる。その結果、基板曲げの際に発生する引張応力を積層体の両側面と上層電極層との間で緩和させることができるので、その分だけ耐基板曲げ性を向上させることができる。
また、めっき層に直接接している上層電極層の気孔の面積占有率や気孔の形状やサイズを制御することにより、外部電極へのめっき液の浸透をしにくくし、耐湿性を高めることができる。
さらに、上層電極層の気孔の面積占有率または気孔の形状もしくはサイズを制御することにより、外部電極の残留応力を緩和させ、基板実装後におけるたわみ時の積層体12への引張応力の集中を緩和し、耐基板曲げ性を高めることができる。
この発明によれば、耐湿性および耐基板曲げ性の両立を達成しうる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 図1の線II-IIにおける断面図である。 図2の線III-IIIにおける断面図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサであって、図2に対応した断面図である。 (a)この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が2つに分割された構造を示す図1の線II-IIにおける断面図であり、(b)この発明に係る積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が3つに分割された構造を示す図1の線II-IIにおける断面図であり、(c)この発明に係る積層セラミックコンデンサの内部電極層の対向電極部が4つに分割された構造を示す図1の線II-IIにおける断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の線II-IIにおける断面図である。図3は、図2の線III-IIIにおける断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、積層体12と、積層体12の両端部に配置される外部電極30を含む。
積層体12は、直方体形状である。
積層体12は、積層された複数の誘電体層14と、誘電体層14上に積層された複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、高さ方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、高さ方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、高さ方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていてもよい。前述した「直方体形状」には、角部や稜線部が丸められた直方体が含まれるものとする。すなわち、「直方体形状」の部材とは、第1および第2の主面12a,12b、第1および第2の側面12c,12d、並びに第1および第2の端面12e,12fとを有する部材全般を意味する。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。誘電体層14と内部電極層16とは、高さ方向xに交互に積層される。
積層体12は、図2および図3に示すように、第1の主面12aおよび第2の主面12b同士を結ぶ積層方向において、複数の内部電極層16が対向する有効層部18と、最も第1の主面12a側に位置する内部電極層16と第1の主面12aとの間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の外層部20aと、最も第2の主面12b側に位置する内部電極層16と第2の主面12bとの間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の外層部20bと、を有する。
第1の外層部20aは、積層体12の第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数の誘電体層14との間に位置する複数の誘電体層14との集合体である。
第2の外層部20bは、積層体12の第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層16との間に位置する複数の誘電体層14との間に位置する複数の誘電体層14との集合体である。
そして、第1の外層部20aと第2の外層部20bとに挟まれた領域が有効層部18である。積層される誘電体層14の枚数は、特に限定されない。また、誘電体層14の厚みは、0.5μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
積層体12の寸法は、特に限定されないが、外部電極30の厚みを含めた、積層セラミックコンデンサ10の寸法を超えない寸法であることが好ましい。
誘電体層14は、たとえば、セラミック材料として、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの主成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
積層体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の高さ方向xに沿って誘電体層14を挟んで等間隔に交互に配置されるように埋設されている。第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bのそれぞれは、第1の主面12aおよび第2の主面12bと略平行である。第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bは、高さ方向xにおいて、誘電体層14を介して、互いに対向している。
第1の内部電極層16aは、複数の誘電体層14上に配置され、積層体12の内部に位置している。第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部22aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部22aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部24aとを有する。第1の引出電極部24aは、その端部が第1の端面12eの表面に引き出され、積層体12から露出している。従って、第1の内部電極層16aは、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第2の端面12fには露出していない。
第2の内部電極層16bは、複数の誘電体層14上に配置され、積層体12の内部に位置している。第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部22bと、第2の内部電極層16bの一端側に位置し、第2の対向電極部22bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部24bとを有する。第2の引出電極部24bは、その端部が第2の端面12fの表面に引き出され、積層体12から露出している。従って、第2の内部電極層16bは、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eには露出していない。
さらに、積層体12は、図2に示されるように、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部24aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層16bの第2の引出電極部24bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)28を含む。
積層体12は、図3に示されるように、第1の対向電極部22aおよび第2の対向電極部22bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および第1の対向電極部22aおよび第2の対向電極部22bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(以下、「Wギャップ」という。)26を含む。
第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bは、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
内部電極層16、すなわち第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bのそれぞれの厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、図1ないし図3に示されるように、外部電極30が配置される。
外部電極30は、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを有する。
第1の外部電極30aは、第1の内部電極層16aに接続され、少なくとも第1の端面12eの表面に配置されている。また、第1の外部電極30aは、積層体12の第1の端面12eから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第1の外部電極30aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部24aと電気的に接続される。
第2の外部電極30bは、第2の内部電極層16bに接続され、少なくとも第2の端面12fの表面に配置されている。また、第2の外部電極30bは、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第2の外部電極30bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部24bと電気的に接続される。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部22aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部22bとが誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極30aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極30bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
また、図1に示す積層体12は、図5に示されるように、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bに加えて、第1の端面12eおよび第2の端面12fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層16cが設けられており、浮き内部電極層16cによって、対向電極部22cが複数に分割された構造としてもよい。たとえば、図5(a)に示される2連、図5(b)に示される3連、図5(c)に示されるような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部22cを複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極層16a、16b、16c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサ10の高耐圧化を図ることができる。
外部電極30は、金属成分およびガラス成分を含む焼付電極層32を含む。外部電極30は、焼付電極層32上に配置されるめっき層40を含むことが好ましい。
第1の外部電極30aは、金属成分およびガラス成分を含む第1の焼付電極層32aを含む。第1の外部電極30aは、第1の焼付電極層32a上に配置される第1のめっき層40aを含むことが好ましい。
第2の外部電極30bは、金属成分およびガラス成分を含む第2の焼付電極層32bを含む。第2の外部電極30bは、第2の焼付電極層32b上に配置される第2のめっき層40bを含むことが好ましい。
焼付電極層32は、積層体12上に配置される下層電極層34と、下層電極層34上に配置される上層電極層36とを含む。すなわち、下層電極層34および上層電極層36は、焼付電極である。
第1の焼付電極層32aは、第1の下層電極層34aと、第1の下層電極層34a上に配置される第1の上層電極層36aとを含む。
第2の焼付電極層32bは、第2の下層電極層34bと、第2の下層電極層34b上に配置される第2の上層電極層36bとを含む。
下層電極層34は、金属成分およびガラス成分を含有する。
上層電極層36は、金属成分およびガラス成分を含有する。また、上層電極層36の内部には、複数の気孔38が配置される。
下層電極層34および上層電極層36がそれぞれ含有する金属成分は、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。下層電極層34および上層電極層36がそれぞれ含有するガラス成分は、B、Si、Ba、Sr、Ca、Mg、Al、Ti、Zr、K、Na、Liをそれぞれ含有する。
上層電極層36の内部に配置される複数の気孔38は、微細な空間であり、上層電極層36の内部において不規則に配置されている。
上層電極層36が含有するガラス成分の含有量は、下層電極層34が含有するガラス成分の含有量よりも少ない。そして、上層電極層36に含有される気孔の最大内接円径は、0.02μm以上0.52μm以下である。
ここで、上層電極層36内に配置される気孔38の最大内接円径を0.52μmより大きくなると、その分だけ気孔38の内部へめっき液が流れ込みやすくなり、めっき液の侵入を効率的に抑制することが困難となる。気孔38の最大内接円径が0.02μm未満になると、外部電極30の残留応力が増加し、基板実装後におけるたわみ時に、積層体12への引張応力が集中して、耐基板曲げ性が低下する。
なお、上層電極層36に含有される気孔の最大内接円径は、0.02μm以上0.10μm以下であることが好ましい。このような構成にすることで、積層セラミックコンデンサ10に対するめっき液の侵入を抑制しつつ、外部電極の残留応力も緩和することができるため、耐湿性と耐基板曲げ性のさらに効率的に両立をさせることができる。
(ガラス成分量の測定方法)
下層電極層34および上層電極層36に含有されるガラス成分量の測定方法は、以下に記載の方法により行うことができる。
すなわち、まず、積層セラミックコンデンサ10をエポキシ樹脂で包埋するなどして、幅方向の1/2まで断面研磨を行う。次に、第1の端面12e側および第2の端面12f側の高さ方向xの中央部、または、第1の主面12a側および第2の主面12b側の長さ方向zの中央部の直上の外部電極部分を電子顕微鏡で観察し、反射電子による組成像(反射電子組成像)を取得する。得られた反射電子組成像を、外部電極30の金属部分(明部)、ガラス部分(中間部)および気孔部分(暗部)の3成分に分割できるように、画像解析ソフトを用いて3値化処理を行う。金属部分(明部)とガラス部分(中間部)の合計面積に対するガラス部分(中間部)の面積の比率を算出し、ガラス成分量として測定することができる。
なお、観察範囲は、例えば、下層電極層34は、下層電極層34の内部において、長さ方向z:10μm×高さ方向x:50μmの範囲を、上層電極層36は、上層電極層36の内部において、長さ方向z:3μm×高さ方向x:10μmの範囲を測定する。
(気孔の最大内接円の径の測定方法)
上層電極層36に含有される気孔38の最大内接円径の測定方法は、以下に記載の方法により行うことができる。
すなわち、積層セラミックコンデンサ10をエポキシ樹脂で包埋するなどして、幅方向の1/2まで断面研磨を行う。次に、第1の端面12e側および第2の端面12f側の高さ方向xの中央部、または、第1の主面12a側および第2の主面12b側の長さ方向zの中央部の直上の外部電極部分を電子顕微鏡で観察し、反射電子による組成像(反射電子組成像)を取得する。得られた反射電子組成像を、外部電極の金属部分とガラス部分(明部)および気孔部分(暗部)の2成分に分割できるように、画像解析ソフトを用いて2値化処理を行う。気孔部分(暗部)について収縮処理を行い、収縮完了までのピクセル数は最大内接円の半径に相当するため、ピクセル数を長さに換算して2倍したものを最大内接円の径とする。
下層電極層34の厚みは、第1の端面12e側および第2の端面12f側の高さ方向xの中央部において、長さ方向zに1μm以上200μm以下であり、第1の主面12a側および第2の主面12b側の長さ方向zの中央部において、高さ方向xに1μm以上100μm以下であることが好ましい。
上層電極層36の厚みは、第1の端面12e側および第2の端面12f側の高さ方向xの中央部において、長さ方向zに1μm以上200μm以下であり、第1の主面12a側および第2の主面12b側の長さ方向zの中央部において、高さ方向xに1μm以上100μm以下であることが好ましい。
なお、下層電極層34の厚みに対して、上層電極層36の厚みは厚いことが好ましい。このように、下層電極層34に対して上層電極層36の厚みが厚いことにより、上層電極層36による応力緩和が効果的に発現される。
また、下層電極層34に含有されるガラス成分の含有量に対する上層電極層36に含有されるガラス成分の含有量の比(ガラス成分比)が、0.05以上0.28以下であることがさらに好ましい。
下層電極層34に含有されるガラス成分に対する上層電極層36に含有されるガラス成分の比が0.05未満になると、下層電極層34および上層電極層36の間に存在するガラスに起因したアンカー効果が働かず固着強度が維持しにくくなる。一方、0.28を超えると、ガラス成分が外部電極の表面に染み出してくることから、めっきが付かなくなり、はんだ濡れ性の低下やはんだ爆ぜなどの実装不良を生じるやすくなる。
上層電極層36の断面における気孔の面積占有率は、2%以上10%以下であることが好ましい。
上層電極層36の断面における気孔の面積占有率が、2%未満になると、外部電極の残留応力を緩和させることができず、耐基板曲げ性が低下しやすくなる。一方、10%を超えると、気孔38の中にめっき液が侵入してしまうため、めっき液の侵入を効率的に抑制できず、耐湿性が低下しやすくなる。
(上層電極層の気孔の面積占有率の測定方法)
上層電極層36に含有される気孔の面積占有率の測定方法は、以下に記載の方法により行うことができる。
すなわち、積層セラミックコンデンサ10をエポキシ樹脂で包埋するなどして、幅方向の1/2まで断面研磨を行う。次に、第1の端面12e側および第2の端面12f側の高さ方向xの中央部、または、第1の主面12a側および第2の主面12b側の長さ方向zの中央部の直上の外部電極部分を電子顕微鏡で観察し、反射電子による組成像(反射電子組成像)を取得する。得られた反射電子組成像を、外部電極の金属部分とガラス部分(明部)および気孔部分(暗部)の2成分に分割できるように、画像解析ソフトを用いて2値化処理を行う。外部電極の金属部分とガラス部分(明部)の面積に対する気孔部分(暗部)の面積の比率を画像解析ソフトで計算して、気孔の面積占有率を測定する。
さらに、上層電極層36に含有される気孔の断面形状は、円状または楕円状であることが好ましい。このように、気孔の断面形状が円状または楕円状であることにより、閉気孔である可能性が高く、めっき液の電極内部への浸透がしにくくなる効果がある。
また、下層電極層34と上層電極層36との界面において、上層電極層36の内部に配置される気孔38の内部には、ガラス成分が含有されていることが好ましい。このような構成にすることで、金属のみの場合に3次元で連続している気孔38においても、ガラス成分が含有していることにより凹部にガラスが溜まるため、閉気孔になりやすくなり、めっき液の電極内部への浸透がしにくくなる効果がある。
さらに、下層電極層34の内部においても、気孔38が配置されていてもよい。下層電極層34の内部に気孔38が配置される場合には、下層電極層34の断面における気孔の面積占有率が2%以下であることが好ましい。このような構成にすることで、上層電極層36の気孔の面積占有率が大きい場合においても、下層電極層34の気孔の面積占有率が小さいことにより、水蒸気の透過を防ぐことができ、耐湿性の劣化を生じにくくすることができる。
(下層電極層の気孔の面積占有率の測定方法)
下層電極層34に含有される気孔の面積占有率の測定方法は、以下に記載の方法により行うことができる。
すなわち、積層セラミックコンデンサ10をエポキシ樹脂で包埋するなどして、幅方向の1/2まで断面研磨を行う。次に、第1の端面12e側および第2の端面12f側の高さ方向xの中央部、または、第1の主面12a側および第2の主面12b側の長さ方向zの中央部の直上の外部電極部分を電子顕微鏡で観察し、反射電子による組成像(反射電子組成像)を取得する。得られた反射電子組成像を、外部電極の金属部分とガラス部分(明部)および気孔部分(暗部)の2成分に分割できるように、画像解析ソフトを用いて2値化処理を行う。外部電極の金属部分とガラス部分(明部)の面積に対する気孔部分(暗部)の面積の比率を画像解析ソフトで計算して、気孔の面積占有率を測定する。
第1の下層電極層34aは、第1の端面12e上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置される。
第2の下層電極層34bは、第2の端面12f上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置される。
第1の上層電極層36aは、第1の端面12eに配置される第1の下層電極層34a上上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bに配置される第1の下層電極層34aの少なくとも一部を覆うように延在して配置される。
第2の上層電極層36bは、第2の端面12fに配置される第2の下層電極層34b上上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bに配置される第2の下層電極層34bの少なくとも一部を覆うように延在して配置される。
ここで、第1の端面12eから第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置された第1の下層電極層34aの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f1、あるいは第2の端面12fから、第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置された第2の下層電極層34bの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f1とする。
また、第1の端面12eから、第1の主面12a側および第2の主面12bに配置される第1の下層電極層34aの少なくとも一部を覆うように延在して配置された第1の上層電極層36aの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f2、あるいは第2の端面12fから、第1の主面12a側および第2の主面12bに配置される第2の下層電極層34bの少なくとも一部を覆うように延在して配置された第2の上層電極層36bの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f2とする。
そのとき、図2に示すように、f1>f2の関係にあることが好ましい。
このような構成にすることで、主面側の塗り重ねが不要であり、高さ方向xおよび幅方向yの外部電極30の寸法を小さくすることができるため、積層体12の設計寸法を大きくとることができ、その結果、積層セラミックコンデンサ10の小型化・大容量化が可能となる。
ここで、下層電極層34および上層電極層36について、別の実施の形態について説明する。図4は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサであって、図2に対応した断面図である。
第1の下層電極層34aは、第1の端面12e上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置される。
第2の下層電極層34bは、第2の端面12f上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置される。
第1の上層電極層36aは、第1の端面12eに配置される第1の下層電極層34a上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bに配置される第1の下層電極層34aを覆うように延在して配置される。
第2の上層電極層36bは、第2の端面12fに配置される第2の下層電極層34b上に配置され、かつ、第1の主面12aおよび第2の主面12bに配置される第2の下層電極層34bを覆うように延在して配置される。
第1の端面12eから第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置された第1の下層電極層34aの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f1、あるいは第2の端面12fから、第1の主面12aおよび第2の主面12bの少なくとも一部まで延在して配置された第2の下層電極層34bの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f1とする。
また、第1の端面12eから、第1の主面12a側および第2の主面12bに配置される第1の下層電極層34aを覆うように配置された第1の上層電極層36aの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f2、あるいは第2の端面12fから、第1の主面12a側および第2の主面12bに配置される第2の下層電極層34bを覆うように配置された第2の上層電極層36bの、積層体12の内部に向かう長さ方向zの終端までの寸法f2とする。
そのとき、図4に示すように、f1<f2の関係にあることが好ましい。
このような構成にすることで、下層電極層34を上層電極層36で完全に覆うため、下層電極層34のガラス浮きによるめっき欠陥を削減できることと、応力の緩和も同時に達成できるため、その結果、積層セラミックコンデンサ10の信頼性を向上させることができる。
また、外部電極30は、上層電極層36上において配置されるめっき層40をさらに含有することが好ましい。このような構成にすることで、回路基板への導通確保と固定化にはんだ実装を行う際に、はんだ濡れ性付与と耐はんだ食われ性を得ることができる。
焼付電極層32の上層電極層36上に配置されるめっき層40である第1のめっき層40aおよび第2のめっき層40bについて、図2および図3を参照して説明する。
第1のめっき層40aおよび第2のめっき層40bとしては、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1のめっき層40aは、第1の焼付電極層32aを完全に覆うように配置されている。
第2のめっき層40bは、第2の焼付電極層32bを完全に覆うように配置されている。
第1のめっき層40aおよび第2のめっき層40bは、複数層により形成されていてもよい。この場合、めっき層40は、焼付電極層32上に形成されるNiめっきによる下層めっき層(Niめっき層)と、下層めっき層上に形成されるSnめっきによる上層めっき層(Snめっき層)の2層構造であることが好ましい。
すなわち、第1のめっき層40aは、第1の下層めっき層と、第1の下層めっき層の表面に位置する第1の上層めっき層とを有する。
また、第2のめっき層40bは、第2の下層めっき層と、第2の下層めっき層の表面に位置する第2の上層めっき層とを有する。
Niめっきによる下層めっき層は、焼付電極層32が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって侵食されることを防止するために用いられ、Snめっきによる上層めっき層は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田の濡れ性を向上させて、容易に実装することができるようにするために用いられる。
Niめっき層一層あたりの厚みは、1.0μm以上、15.0μm以下であることが好ましい。
Snめっき層一層あたりの厚みは、1.0μm以上、15.0μm以下であることが好ましい。
積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の高さ方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、長さ方向zのL寸法が0.20mm以上5.70mm以下、幅方向yのW寸法が0.10mm以上5.00mm以下、高さ方向xのT寸法が0.05mm以上2.50mm以下である。また、積層セラミックコンデンサ10の寸法は、マイクロスコープにより測定することができる。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、下層電極層34および上層電極層36が上述した構成を有することにより、積層セラミックコンデンサ10の耐湿性と耐基板曲げ性の両方を向上させることができる。
より詳細には、積層体12に接続する下層電極層34のガラス成分の含有量が、下層電極層34の上に配置される上層電極層36のガラス成分の含有量よりも多くした構成であるため、下層電極層34は積層体12との密着性が強く、上層電極層36は積層体12との接着性が弱い構造となる。その結果、基板曲げの際に発生する引張応力を積層体12の両端面12e,12fと上層電極層36との間で緩和させることができるので、その分だけ耐基板曲げ性を向上させることができる。
また、上層電極層36の内部に複数の気孔38が配置されており、めっき層40に直接接している上層電極層36の気孔の面積占有率や気孔の形状やサイズを制御することにより、外部電極へのめっき液の浸透をしにくくし、耐湿性を高めることができる。
さらに、上層電極層36の気孔の面積占有率または気孔の形状もしくはサイズを制御することにより、外部電極30の残留応力を緩和させ、基板実装後におけるたわみ時の積層体12への引張応力の集中を緩和し、耐基板曲げ性を高めることができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、誘電体層用の誘電体シートおよび内部電極層用の導電性ペーストが準備される。誘電体シートおよび内部電極層用の導電性ペーストは、バインダおよび溶剤を含む。バインダおよび溶剤は、公知のものを用いることができる。
そして、誘電体シート上に、内部電極層用の導電性ペーストが、たとえば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで印刷される。これにより、第1の内部電極層のパターンが形成された誘電体シート、および第2の内部電極層のパターンが形成された誘電体シートが準備される。
また、誘電体シートに関しては、内部電極層のパターンが印刷されていない外層用の誘電体シートも準備される。
続いて、内部電極層のパターンが印刷されていない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第2の主面側の第2の外層部となる部分が形成される。そして、第2の外層部となる部分の上に第1の内部電極層のパターンが印刷された誘電体シート、および第2の内部電極層のパターンが印刷された誘電体シートを本発明の構造となるように順次積層されることにより、有効層部となる部分が形成される。この有効層部となる部分の上に、内部電極層のパターンが印刷されてない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第1の主面側の第1の外層部となる部分が形成される。これにより、積層シートが作製される。
次に、積層シートが静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスされることにより、積層ブロックが作製される。
そして、積層ブロックが所定のサイズにカットされることにより、積層チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
次に、積層チップが焼成されることにより、積層体が作製される。焼成温度は、誘電体層や内部電極層の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
続いて、金属成分とガラス成分とを含む下層電極層用の導電性ペーストと金属成分とガラス成分とを含む上層電極層用の導電性ペーストが準備される。なお、下層電極層用の導電性ペーストと上層電極層用の導電性ペーストとは同じ導電性ペーストを準備してもよい。
下層電極層用の導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分、および分散剤やレオロジーコントロール剤などの添加成分からなる。金属粉末の粒子径D50は、0.2μm以上20μm以下である。ガラス粉末の粒子径D50は、0.2μm以上5μm以下である。樹脂成分はアクリル樹脂である。溶剤成分は、ターピネオールおよびアルコール系である。
上層電極層用の導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分、および分散剤やレオロジーコントロール剤などの添加成分からなる。金属粉末の粒子径D50は、0.02μm以上2μm以下である。ガラス粉末の粒子径D50は、0.02μm以上1μm以下である。樹脂成分はアクリル樹脂である。溶剤成分は、ターピネオールおよびアルコール系である。
低温硬化タイプである上層電極層の導電性ペーストは、金属粉末、溶剤成分、および分散剤やレオロジーコントロール剤などの添加成分からなる。金属粉末の粒子径D50は、0.02μm以上2μm以下である。溶剤成分は、アルコール系である。
次に、積層体の両端面に下層電極層となる下層電極層用の導電性ペーストを塗布し、下層電極層を形成する。例えば、ディッピングやスクリーン印刷などの方法により、積層体の両端面に導電性ペーストを塗布し、その後、焼付処理を行い下層電極層が形成される。この時の焼付処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
続いて、下層電極層の上に、上層電極層となる上層電極層用の導電性ペーストを塗布し、上層電極層を形成する。例えば、ディッピングやスクリーン印刷などの方法により、積層体の両端面に導電性ペーストを塗布し、その後、焼付処理を行い上層電極層が形成される。この時の焼付処理の温度は、200℃以上900℃以下であることが好ましい。
なお、図2あるいは図4に示すように上層電極層を形成するには、上層電極層となる導電性ペーストの塗布量を調整することにより、それぞれ形成することができる。
ここで、上層電極層の内部において気孔の形成は、以下に記載する製造方法により行われる。
すなわち、上層電極層用の導電性ペーストにガラスを含まない、あるいは下層電極層のガラス粉仕込み量に対して上層電極層のガラス粉仕込み量を減じることにより、上層電極層の内部において意図的に気孔を生成することができる。また、焼成温度を低くすることによっても上層電極層の内部において意図的に気孔を生成することができる。
上層電極層に含有される気孔の面積占有率を2%以上10%以下にするために、以下に示す製造方法により行われる。
すなわち、上層電極層用の導電性ペーストに含まれる金属粉の粒子径と焼成温度をコントロールすることにより、焼結後の気孔サイズと気孔の面積占有率をコントロールできる。具体的には、粒子径が小さいほど気孔サイズを小さくすることが可能である。また、焼成温度が高いほど気孔の面積占有率を低下させることができる。
上層電極層に含有される気孔の最大内接円径のコントロールは、以下に示す製造方法により行われる。
すなわち、上層電極層用の導電性ペーストに含まれる金属粉の粒子径をコントロールすることにより、焼結後の気孔サイズをコントロールできる。具体的には、粒子径が小さいほど気孔サイズを小さくすることが可能である。
次に、必要に応じて焼付電極層の表面にめっきを施すことによりめっき層が形成される。より詳細には、焼付電極層の上層電極層上に、Niめっき層およびNiめっき層上にSnめっき層の2層のめっき層が形成される。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえば、バレルめっき法により、順次形成される。
上述のようにして、本発明に係る積層セラミックコンデンサ10が製造される。
3.実験例
上述した製造方法にしたがって、試料である積層セラミックコンデンサを作製し、めっき欠陥の評価、固着力の評価、耐湿信頼性試験および耐基板曲げ試験を行った。
(a)実験例の試料の仕様
実験例として、図1、図2および図4に示す構造とし、以下の仕様の積層セラミックコンデンサを準備した。
・積層セラミックコンデンサの寸法(設計値):L×W×T=3.2mm×1.6mm×1.6mm
・誘電体層の主成分の材料:BaTiO3
・容量:10nF
・定格電圧:25V
・内部電極層の材料:Ni

・外部電極層の仕様
・焼付電極層の仕様
・焼付電極層:下層電極層および上層電極層の2層構造
・1/2W位置の積層体の断面における第1の端面および第2の端面に位置する焼付電極層の高さ方向xの中央部における長さ方向zの厚み:90μm

・下層電極層の仕様
・下層電極層:金属成分およびガラス成分を含む焼付電極層
・金属成分:Cu
・ガラス成分:ほう珪酸バリウム系ガラス(成分名:B、Si、Ba、Sr、Ca、Mg、Al、Ti、Zr、K、Na、Li)
・ガラス成分の含有量:表1を参照
・気孔の面積占有率:2%

・上層電極層の仕様
・下層電極層:金属成分およびガラス成分を含む焼付電極層
・金属成分:Cu
・ガラス成分:ほう珪酸バリウム系ガラス(成分名:B、Si、Ba、Sr、Ca、Mg、Al、Ti、Zr、K、Na、Li)
・ガラス成分の含有量:表1を参照
・気孔の面積占有率および最大内接円の径:表1を参照

・めっき層の仕様
・めっき層:Niめっき層およびSnめっき層の2層構造
・Niめっき層の厚み
・1/2W位置の積層体の断面における第1の端面および第2の端面に位置するNiめっき層の高さ方向xの中央部における長さ方向zの厚み:約4μm
・Snめっき層の厚み
・1/2W位置の積層体の断面における第1の端面および第2の端面に位置するSnめっき層の高さ方向xの中央部における長さ方向zの厚み:約4μm
試料番号1ないし試料番号7の試料は、下層電極層のガラス成分の含有量を22%とし、上層電極層のガラス成分の含有量を0.2%から15%の範囲で変化させた。
試料番号8ないし試料番号12は、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径を、0.02μmから0.52μmの範囲で変化させた。
試料番号13ないし試料番号16は、上層電極層の内部に配置される気孔の面積占有率を、0.8%から12.2%の範囲で変化させた。
試料番号17ないし試料番号20の試料は、上層電極層のガラス成分の含有量を下層電極層のガラス成分の含有量以上の範囲とした。また、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径を0.75μmから1.20μmの範囲で変化させた。
(b)めっき欠陥の評価
めっき層を形成後の試料である積層セラミックコンデンサを準備し、積層セラミックコンデンサの第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向yの1/2Wとなる位置まで積層セラミックコンデンサのLT面が露出するように研磨を行い、断面を露出させた。そして、めっき層において不連続の箇所があった試料をめっき欠陥としてカウントした。各試料として、それぞれ50個準備した。なお、判定基準は、めっき欠陥の試料数が0個の場合は「〇」、1個以上5個以下の場合は「△」、6個以上50個以下の場合は「×」とした。
(c)固着力による評価
めっき層を形成後の試料である積層セラミックコンデンサを準備し、準備された積層セラミックコンデンサを基板に実装した。その後、積層セラミックコンデンサを基板水平方向より端子を押し当て、積層セラミックコンデンサが基板より外れた応力値を測定し、積層セラミックコンデンサの基板に対する固着力を評価した。各試料として、それぞれ20個準備した。各試料の応力値は、20個の平均値とした。なお、判定基準は、応力値が95N以上の場合は「〇」、30N以上95N未満の場合は「△」、30N未満の場合は「×」とした。
(d)耐湿信頼性試験
めっき層を形成後の試料である積層セラミックコンデンサを準備し、準備された積層セラミックコンデンサを125℃、95%PH、0.1MPaの水蒸気雰囲気中にて、25V(定格電圧)の直流電圧負荷を行い、144時間後における積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗の対数値LogIRの変化量を測定し、積層セラミックコンデンサの耐湿性を評価した。各試料として、それぞれ70個準備した。なお、判定基準は、対数値LogIRの変化量が0.5桁以下で「〇」、1.0桁未満で「△」、1.0桁以上で「×」とした。
(e)耐基板曲げ性試験
めっき層を形成後の試料である積層セラミックコンデンサを準備し、準備された積層セラミックコンデンサを基板に実装した。その後、たわみ試験機にて、押し治具にて1mm/sの速度で、積層セラミックコンデンサの実装されていない実装基板の裏面からひずみを加えた。そして、試料である積層セラミックコンデンサにクラックが発生したときの基板のたわみ量を測定し、耐基板曲げ性を評価した。各試料として20個準備した。なお、判定基準は、基板のたわみ量が2.5mm以上の場合は「◎」、2.0mmより大きく2.5mmより小さい場合は「〇」、2.0mmと等しい場合は「△」、2.0mm未満の場合は「×」とした。
(f)結果
表1は、各試料番号の試料に対するめっき欠陥の評価、固着力の評価、耐湿信頼性試験および耐基板曲げ試験を行った結果を示す。なお、表中の*印を付した試料番号は、本発明の範囲外である。
なお、表1に示す上記試験による総合判定は、めっき欠陥の評価、固着力の評価、耐湿信頼性試験および耐基板曲げ試験の全ての評価項目が「〇」と判定された場合は「〇」とし、いずれかの評価で「△」と判定された評価を含む場合は「△」とし、いずれかの評価で「×」と判定された評価を含む場合は「×」とした。
Figure 2023122239000002
表1によれば、試料番号17ないし試料番号20の試料では、上層電極層のガラス成分の含有量が下層電極層のガラス成分の含有量と同量か、または下層電極層のガラス成分の含有量の方が多い。また、試料番号17ないし試料番号20の試料では、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径が、0.52μmを超えている。そのため、めっき欠陥による評価および耐湿信頼性試験のいずれによる評価において、「×」と判定された。
また、試料番号17および試料番号19の試料では、上層電極層の内部に配置される気孔の面積占有率が2%より小さい0.1%であるため、耐基板曲げ試験の結果、「×」と判定された。
一方、試料番号1ないし試料番号7の試料では、下層電極層のガラス成分の含有量を22%とし、上層電極層のガラス成分の含有量を0.2%から15%であるので、上層電極層のガラス成分の含有量が下層電極層のガラス成分の含有量より少ない。また、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径が0.02μm以上0.52μm以下である。従って、試料番号1ないし試料番号7に対する総合判定は「〇」または「△」と判定された。特に、試料番号3ないし試料番号5の試料は、下層電極層のガラス成分の含有量と上層電極層のガラス成分の含有量の比であるガラス成分比が0.05以上0.28以下であるので、総合判定が「〇」と判定された。
なお、試料番号1および試料番号2の試料では、下層電極層のガラス成分の含有量と上層電極層のガラス成分の含有量の比であるガラス成分比が0・05より小さいため、固着力評価で「△」と判定された。
また、試料番号6および試料番号7の試料では、下層電極層のガラス成分の含有量と上層電極層のガラス成分の含有量の比であるガラス成分比が0.28より大きいため、めっき欠陥の評価で「△」と判定された。
試料番号8ないし試料番号12の試料では、上層電極層のガラス成分の含有量が下層電極層のガラス成分の含有量より少ない。また、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径が0.02μm以上0.52μm以下である。従って、試料番号8ないし試料番号12の試料に対する総合判定は、「〇」または「△」と判定された。特に、試料番号8ないし試料番号10の試料は、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径が0.02μm以上0.1μm以下であるので、総合判定が「〇」と判定された。
なお、試料番号11および試料番号12の試料では、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径が0.1μmを超えるので、耐湿信頼性試験の結果、「△」と判定された。
試料番号13ないし試料番号16の試料では、上層電極層のガラス成分の含有量が下層電極層のガラス成分の含有量より少ない。また、上層電極層の内部に配置される気孔の面積占有率が0.8%以上12.2%以下である。さらに、上層電極層の内部に配置される気孔の最大内接円の径が0.02μm以上0.52μm以下である。従って、試料番号13ないし試料番号16に対する総合判定は「〇」または「△」と判定された。特に、試料番号14および試料番号15の試料は、上層電極層の内部に配置される気孔の面積占有率が2%以上10%以下であるので、総合判定が「〇」と判定された。
なお、試料番号13の試料では、上層電極層の内部に配置される気孔の面積占有率が2%より小さいので、耐基板曲げ試験の結果、「△」と判定された。
また、試料番号16の試料では、上層電極層の内部に配置される気孔の面積占有率が10%を超えるので、耐湿信頼性試験の結果、「△」と判定された。
以上の結果から、試料番号1ないし試料番号16の試料では、上層電極層に含有されるガラス成分の量は、下層電極層中の前記ガラス成分の量よりも少なく、かつ上層電極層に含有される気孔の最大内接円径が0.02μm以上0.52μm以下であるので、めっき欠陥の評価、固着力評価、耐湿信頼性試験および耐基板曲げ試験のいずれの評価においても、良好な結果が得られた。
以上より、本願発明に係る積層セラミックコンデンサによれば、耐湿性および耐基板曲げ性の両立を達成しうることが確認された。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18 有効層部
20a 第1の外層部
20b 第2の外層部
22a 第1の対向電極部
22b 第2の対向電極部
22c 対向電極部
24a 第1の引出電極部
24b 第2の引出電極部
26 端部(Wギャップ)
28 側部(Lギャップ)
30 外部電極
30a 第1の外部電極
30b 第2の外部電極
32 焼付電極層
32a 第1の焼付電極層
32b 第2の焼付電極層
34 下層電極層
34a 第1の下層電極層
34b 第2の下層電極層
36 上層電極層
36a 第1の上層電極層
36b 第2の上層電極層
38 気孔
40 めっき層
40a 第1のめっき層
40b 第2のめっき層
x 高さ方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (7)

  1. 積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極層とを含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、前記高さ方向および前記幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
    前記第1の端面側に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の端面側に配置される第2の外部電極と、
    を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、下層電極層と、前記第下層電極層上に配置された上層電極層とを含み、
    前記下層電極層は、金属成分、ガラス成分を含有し、
    前記上層電極層は、前記金属成分、前記ガラス成分を含有し、かつ、前記上層電極層の内部には複数の気孔が配置されており、
    前記上層電極層に含有される前記ガラス成分の量は、前記下層電極層中の前記ガラス成分の量よりも少なく、かつ
    前記上層電極層に含有される前記気孔の最大内接円径が0.02μm以上0.52μm以下である、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記上層電極層中の前記ガラス成分と、前記下層電極層中の前記ガラス成分の比が、0.05以上0.28以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記上層電極層の断面における前記気孔の面積占有率が2%以上10%以下である、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記上層電極層に含有される前記気孔の最大内接円径が0.02μm以上0.1μm以下である、請求項1ないし請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記上層電極層に含有される前記気孔の断面形状が、円状または楕円状である、請求項3または請求項4に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記下層電極層と前記上層電極層の界面において、前記上層電極層に含有される前記気孔の内部には、前記ガラス成分が含有されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、前記上層電極層上に配置されためっき層をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ。
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