JP6975949B2 - ヘッド位置調整機構及びラインヘッド - Google Patents
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Description
インクジェット記録装置は、一般に、複数のヘッド部を搭載している。これにより、ヘッド部のノズル詰まりなどで特定の位置に印字不良が発生した場合、ヘッド部全体を交換することなく、不良ヘッド部のみを交換することができる。また、ヘッド部と被記録媒体が相対的に移動する方向に複数のヘッド部を搭載することで、記録速度を落とさずに主走査方向の解像度を増やしたり、主走査方向の解像度を維持しながら記録速度を向上させたりしている。
図12に示すように、被記録媒体Xに対して互い違いに配置された5個のヘッド部H1〜H5で記録する場合、仮にヘッドH2の位置がヘッドH1側にずれていると、被記録媒体Xへの記録においては、付与されたインクのドットが重なり合って濃くなる部分Mと、印字されていないスジ状の白抜け部分Nとが発生することになる。
例えば、キャリッジ上に固定されるインクジェットヘッドの位置調整を行うインクジェットヘッドの位置調整機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる位置調整機構においては、固定捩子を緩めることにより、インクジェットヘッド10をキャリッジの台座18の基準面上で、+X、−X、+Y、−Yの方向に移動させることが可能となっており、固定捩子を締めることにより、インクジェットヘッド10を押圧して固定することができるようになっている。
また、インクヘッドのノズル形成面における長手方向の一方に延在して形成される第1のガイド部と、インクヘッドのノズル形成面における長手方向の他方に延在して形成される第2のガイド部と、第1のガイド部に当接するように配設される当接部材と、回転するコマを有し、当該コマと前記第2のガイド部との摺動によって、当接部材を支点にインクヘッドを移動させるためのコマ移動部と、コマの回転によって回転する目盛り部と、を有するインクヘッド(ヘッド部)の位置調整機構が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、液滴を吐出する複数のノズルが配列された複数のヘッドを、アレイベース部材に配列したヘッドユニットであって、ヘッドは第1プレート部材に保持され、第1プレート部材は第2プレート部材に保持され、第1プレート部材は、第2プレート部材に対して、ヘッドのノズル面に対して垂直方向で、かつ、ヘッドの特定のノズルの中心位置を通るZ軸を軸心として回転可能であり、第2プレート部材の長穴を介して、アレイベース部材のねじ穴にねじをねじ込み、該ねじを緩めることで、第2プレート部材をアレイベース部材に対してX軸方向に移動可能とするヘッドユニットが知られている(例えば、特許文献3参照)。
これにより、ヘッド部の向きを、他のヘッド部の向きに対して傾かせることがないため、付与されるインクのドット間の距離は、ヘッド部全体的に一定が維持される。
そして、この状態から、テーパーピンを上下移動させることにより、ヘッド固定部とテーパー部との当接位置が、テーパー部の傾斜に基づいて、X軸方向にずれると共に、プランジャーの付勢により、ヘッド固定部がそのずれに追従する。これにより、ヘッド固定部が微移動されることになるので、X軸方向におけるヘッド部の位置調整を高精度で行うことが可能となる。
また、この場合、テーパーピンの上下方向の移動の度合いから、ヘッド固定部のX軸方向への移動の度合いを認識することができる。
ちなみに、ヘッド固定部を取り換える場合は、ヘッド位置調整機構全体を分解する必要があるため、作業が煩雑となる。
また、この場合、テーパーピンの回転の度合いから、テーパーピンの上下方向の移動の度合い及びヘッド固定部のX軸方向への移動の度合いを容易に認識することができる。
したがって、ヘッド部のヘッド固定部に対する位置決めを容易に行うことができ、且つ、ヘッド部をヘッド固定部と一体化させることができる。
具体的には、インクジェット記録装置のヘッド部の長手方向の位置を調整するために用いられる。
なお、本明細書においては、ヘッド部が上面視で矩形状であり、そのヘッド部の長手方向をX軸方向とし、水平面において当該X軸方向に垂直な方向をY軸方向とし、これらに直交する上下方向をZ軸方向とする。
図1の(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係るヘッド位置調整機構100は、ヘッド部1を支持固定するためのヘッド固定部3と、該ヘッド固定部3が取り付けられた直動機構5と、該直動機構5が取り付けられたブラケット2とを備える。
上記ヘッド位置調整機構100によれば、ヘッド部1をX軸方向に直動させることにより、ヘッド部1のX軸方向における位置調整を高精度で且つ容易に行うことが可能となっている。
図2の(a)及び(b)に示すように、ヘッド位置調整機構100に取り付けられるヘッド部1は、本体部10と、該本体部10の下面に取り付けられたノズルプレート15と、本体部10にインクを流入されるためのインク流入口11と、本体部10からインクを流出させるためのインク流出口12とを有する。
そして、本体部10のX軸方向の両側に、インク流入口11及びインク流出口12が立設されている。すなわち、本体部10の一方側(図2の(b)の左側)にインク流入口11が設けられ、他方側(図2の(b)の右側)にインク流出口12が設けられている。
また、洗浄の際には、インク流入口11から流入される洗浄液が、本体部10内を介して、インク流出口12から流出されるようになっている。
ヘッド部1においては、本体部10に収容されたインクが、当該ノズルにより微滴化され下方に吐出されるようになっている。すなわち、ヘッド部1は、固定された状態で、ヘッド部1の下を通過する被記録媒体に対してインクを付与する、いわゆるライン型記録ヘッドとなっている。
なお、ヘッド部1においては、本体部10の下面のノズルプレート15の周囲に支持台16が設けられており、この支持台16がヘッド固定部3に支持されることになる。
そして、第1フランジ部13には第1ヘッド部穴13aが設けられており、第2フランジ部14には第2ヘッド部穴14aが設けられている。
図3の(a)、(b)及び(c)に示すように、ヘッド固定部3全体は、上面視で矩形状であり、側面視でL字状となっている。
ヘッド固定部3は、平板状の支持板部3aと、支持板部3aの長辺に沿った一方側の縁部に立設された壁部(以下ヘッド固定部3の壁部を「第1壁部」という。)3cと、支持板部3aの中央に設けられた上面視矩形状の空隙部3bとからなる。
支持板部3aのX軸方向の一方側の端部に設けられた段部3a1には、上述した第1フランジ部13に対応する位置決めピン33(以下「第1位置決めピン」という。)が立設され、支持板部3aのX軸方向の他方側の端部に設けられた段部3a2には、上述した第2フランジ部14に対応する位置決めピン34(以下「第2位置決めピン」という。)が立設されている。
また、第1位置決めピン33の空隙部3b側の支持板部3aには第1ヘッド固定部ネジ穴33aが設けられており、第2位置決めピン34の空隙部3b側の支持板部3aには第2ヘッド固定部ネジ穴34aが設けられている。
そして、この状態で、第1ヘッド部穴13a及び第1ヘッド固定部ネジ穴33aをネジで固定し、第2ヘッド部穴14a及び第2ヘッド固定部ネジ穴34aをネジで固定することにより、ヘッド部1がヘッド固定部3に対して位置決めされた状態で固定され、ヘッド部1とヘッド固定部3とが一体化されることになる。
また、ヘッド部1のノズルプレート15は、ヘッド固定部3の空隙部3bに挿入され、下方に露出した状態となる。
したがって、ヘッド位置調整機構100において、ヘッド固定部3は、ヘッド部1のノズルからの下方へのインクの吐出を妨げないようにして、ヘッド部1を支持固定している。
第1壁部3cの外側には、直動機構5のスライドユニット部51に取り付けるための溝部31(以下ヘッド固定部3の溝部31を「第1溝部」という。)が左右の2箇所に設けられており、該第1溝部31にはスライドユニット部51に取り付けるための穴31aが設けられている。
ここで、第1溝部31の上側の面(以下「上部支持面31b」という。)は、支持板部3aの上面と平行となるようにスライドユニット部51を取り付けるための基準面となっている。
具体的には、第1壁部3cのX軸方向の一方側(図3の(b)の左側)の端部の上側に、傾斜した当接面32aを有する連絡プレート32が、当接面32aと反対側の面をヘッド固定部3に当接させた状態で、ネジにより取り付け固定されている。
連絡プレート32は、その当接面32aが後述するテーパーピン22のテーパー部22dに当接されることになる。なお、ヘッド位置調整機構100においては、後述するようにテーパーピン22のZ軸方向への移動に応じて、連絡プレート32がX軸方向に押されるが、連絡プレート32を当接面32aとは反対側の面をヘッド固定部3に当接させた状態でネジにより固定しているため、ヘッド固定部3に対して連絡プレート32のみがX軸方向に移動することを確実に防止できる。
このとき、当接面32aのZ軸方向に対する傾斜角度θ1は、テーパー部22dの傾斜角度θ2と略同じ角度であることが好ましい。すなわち、両者は線接触していることが好ましい。
また、連絡プレート32は、ネジを取り外すことにより、ヘッド固定部3から容易に取り外すことが可能となっている。また、取り付ける際は、当接面32aと反対側の面をヘッド固定部3に当接させた状態で、ネジで固定するだけでX軸方向の基準位置に容易に取り付けることが可能となっている。このため、連絡プレート32が摩耗した場合に簡単に取り換えることができる。なお、テーパー部22dの傾斜角度θ2に当接面32aのZ軸方向に対する傾斜角度θ1を合わせるため、テーパーピン22の交換に応じて連絡プレート32を交換することも可能である。
図4の(a)及び(b)に示すように、ブラケット2は、X軸方向に延びる壁部2a(以下ブラケット2の壁部を「第2壁部」という。)と、第2壁部2aの一方側(図4の(a)の左側)の端部からY軸方向に延びる第1横壁部2bと、第2壁部2aの他方側(図4の(a)の右側)の端部からY軸方向に延びる第2横壁部2cとからなり、第1横壁部2bと第2横壁部2cとは向かい合っている。すなわち、ブラケット2は、上面視U字状となっている。
このとき、第2壁部2aには、後述するようにヘッド固定部3の第1壁部3cが直動機構5を介して連結される。
また、第1横壁部2b及び第2横壁部2cは、いずれも、ヘッド固定部3の支持板部3aとの間に、一定の隙間が設けられている。これにより、ヘッド固定部3のX軸方向の移動が阻害されない。
ここで、第2溝部21の下側の面(以下「下部支持面21b」という。)は、支持板部3aの上面と平行となるようにトラックレール部52を取り付けるための基準面となっている。
そして、第1ブラケット穴2b1及び第2ブラケット穴2c1と、後述するブロックフレーム4に設けられたブロックフレームネジ穴4bとをネジで固定することにより、ブラケット2がブロックフレーム4に対して位置決めされた状態で固定され、ブラケット2とブロックフレーム4とが一体化されることになる。
図5は、本実施形態に係るヘッド位置調整機構に用いられるプランジャーを示す断面図である。
図5に示すように、プランジャー23は、有底円筒状の箱部23aと、該箱部23aに収容された付勢バネ部23bと、箱部23aの開口から少なくとも一部が露出するように保持されて該付勢バネ部23bの一端に設けられた玉部23cとからなる。なお、箱部23aの底には通気口23a1が設けられている。
かかるプランジャー23は、一方向に付勢する性能を有する。
そして、付勢バネ部23bのバネ力により、玉部23cがヘッド固定部3を付勢している。
すなわち、ヘッド位置調整機構100においては、ブラケット2に取り付けられたプランジャー23は、ヘッド固定部3をX軸に沿って第1横壁部2b側に常時付勢した状態となっている(図1の(b)参照)。
また、図4の(c)に示すように、連結部24には、貫通穴が設けられており、該貫通穴にテーパーピン22が挿入される。
ここで、連結部24は、貫通穴の内壁面に、螺合溝が形成された螺合部24aと、テーパーピン22を案内するための上案内部24b1及び下案内部24b2とを有する。上から上案内部24b1、螺合部24a、下案内部24b2の順で設けられている。
図6に示すように、テーパーピン22は、頭部22aと、該頭部22aから下方に延びる上支持部22b1と、該上支持部22b1に連続するネジ部22cと、該ネジ部22cに連続する下支持部22b2と、該下支持部22b2に連続する下端部に設けられたテーパー部22dとからなる。
また、テーパーピン22の上支持部22b1の周囲には、頭部22aと連結部24とに挟持された押圧バネ部22eが設けられている(図4の(c)参照)。
そして、テーパーピン22は、その頭部22aを回動させることにより、Z軸方向に移動するようになっている。テーパーピン22の頭部22aには、テーパーピン22を回動するためのスリットや面取りが設けられている。
また、押圧バネ部22eによるテーパーピン22の頭部22aの下面及び連結部24の上面への押圧力が、連結部24に対するテーパーピン22の回転防止力として作用する。
したがって、ヘッド位置調整機構100は、ヘッド部1の位置を固定する機能も備えている。
なお、ヘッド位置調整機構100においては、押圧バネ部22eを用いる代わりに、例えば、押しネジやプランジャーのような押圧部材を設けてもよい。
また、テーパーピン22のZ軸方向の移動量が、後述するように、ヘッド固定部3のX軸方向への移動量に変換されるので、ヘッド部1のX軸方向における位置調整を容易に行うことができる。
このとき、テーパーピン22のZ軸方向の移動量に対して、ヘッド固定部3のX軸方向への移動量を小さくすることにより、ヘッド部1のX軸方向における位置調整をより高精度で行うことができる。
すなわち、頭部22aの回転の度合いと、テーパーピン22のZ軸方向の移動の度合いと、ヘッド固定部3のX軸方向への移動の度合いとは比例関係となるため、例えば、頭部22aの1回転当たりのテーパーピン22のZ軸方向の移動の度合い又はヘッド固定部3のX軸方向への移動の度合いを予め算出することにより、頭部22aの回転の度合いを変化させても、テーパーピン22のZ軸方向の移動の度合い及びヘッド固定部3のX軸方向への移動の度合いを算出することができる。
ここで、テーパーピン22の長さ方向に対するテーパー部22dの傾斜角度θ2は、5°〜25°であることが好ましい。傾斜角度θ2が5°未満であると、傾斜角度θ2が上記範囲内にある場合と比較して、ヘッド部1の移動可能な距離が不十分となる恐れがあり、傾斜角度θ2が25°を超えると、傾斜角度θ2が上記範囲内にある場合と比較して、微移動による微調整が困難となる場合がある。
図7の(a)及び(b)に示すように、直動機構5(リニアガイド)は、スライドユニット部51と、該スライドユニット部51がスライド可能なトラックレール部52とからなる。なお、ヘッド位置調整機構100においては、1本のトラックレール部52に対して、2個のスライドユニット部51が用いられる。
直動機構5は、スライドユニット部51に、ボール等の部材が内装されており、当該部材が、スライドユニット部51とトラックレール部52との間で転がって循環するようになっている。このため、直動機構5は、隙間が無い状態で使用しても、予圧を与えた状態で滑らかに動くことができる。
図8は、図1の(b)のヘッド位置調整機構をB−B線で切断した部分断面図である。
図8に示すように、ヘッド位置調整機構100において、ヘッド固定部3の第1壁部3c外側の第1溝部31には、上下の2箇所にスライドユニット部51がネジ31cにより取り付け固定されている。なお、ヘッド固定部3には、2箇所に第1溝部31が設けられているので、ヘッド固定部3には、4箇所にスライドユニット部51が設けられていることになる。
なお、上側に位置する2箇所のスライドユニット部51は、その上面51aが互いに同一平面となっており、下側に位置する2箇所のスライドユニット部51は、その上面51aが互いに同一平面となっている。
このように、ヘッド固定部3は、直動機構5のスライドユニット部51の上面51aに上方に支持された状態となっているため、ヘッド部1及びヘッド固定部3の重量や振動等により、上下にずれることが防止され、常に平行が保たれる。このことにより、ヘッド部1の平行は、常に保たれる。
このとき、2箇所の第2溝部21は、共に、側面視でコの字状に切り欠かれた構造となっており、Z軸方向の幅がトラックレール部52のZ軸方向の幅より広くなっている。
なお、上下の2個のトラックレール部52は、互いに平行となっており、且つ、互いに長手方向がX軸方向となっている。
このように、直動機構5のトラックレール部52は、ブラケット2の下部支持面21bに上方に支持された状態となっているため、ヘッド部1、ヘッド固定部3及び直動機構5の重量や振動等により、上下にずれることが防止され、常に平行が保たれる。このことにより、ヘッド部1の平行は、常に保たれる。
このことにより、ヘッド固定部3及びヘッド部1の重量によってトラックレール部52やスライドユニット部51が変形するのを防止できる。
そして、ヘッド固定部3に設けられたスライドユニット部51がトラックレール部52によりX軸方向に案内されるようになっているため、ヘッド固定部3は、ブラケット2のトラックレール部52に案内されて、X軸方向に直動移動可能となる。
図9に示すように、ヘッド位置調整機構100においては、ヘッド固定部3のX軸方向の一方側(図9の左側)の端部に、ブラケット2に取り付けられたテーパーピン22のテーパー部22dが連絡プレート32を介して当接され、他方側(図9の右側)の端部がブラケット2に取り付けられたプランジャー23によりテーパーピン22側に付勢されている。すなわち、テーパーピン22及びプランジャー23は、ヘッド固定部3を挟むように、対向してブラケット2に取り付けられている。
これにより、ヘッド固定部3がX軸方向に沿ってプランジャー23側に直動することになる。
このとき、ヘッド固定部3は、プランジャー23によりテーパーピン22側に付勢された状態となっているので、テーパー部22dの押し出しにより過移動することを防止することができる。
これにより、ヘッド固定部3がX軸方向に沿ってテーパーピン22側に直動することになる。
このとき、ヘッド固定部3とブラケット2はトラックレール部52とスライドユニット部51を介して接続されているため、ヘッド固定部3とブラケット2との間に生じる摩擦を極力少なくすることができ、円滑に移動させることができる。すなわち、上述したように、スライドユニット部51とトラックレール部52の間でボール等の部材が転がって循環するので、隙間が無い状態で使用しても予圧を与えた状態で滑らかに動くことができる。
図10(a)に示すように、ブロックフレーム4は、上面視矩形状のヘッド穴4aを複数有する。具体的には、2つのヘッド穴4aが並設された列と、3つのヘッド穴4aが並設された列とが交互に配列され、且つ、各ヘッド穴4aが互い違いになるように配置されている。
また、複数のヘッド穴4aのうち、3つのヘッド穴4aが並設された列における中央のヘッド穴を基準ヘッド穴4a1としている。
また、基準ヘッド穴4a1のX軸方向の両側には、一対の位置決めピン4cが立設され、一対の位置決めピン4cの内側にブロックフレームネジ穴4dが設けられている。したがって、第2ヘッド部62は、上述したヘッド固定部3にヘッド部1を取り付けることと同様にして、基準ヘッド穴4a1に取り付けられる。
そして、X軸方向においては第1横壁部2bの外側の面とこれに対応するブロックフレーム4の基準面を当接させ、Y軸方向においては第2壁部2aの外側の面とこれに対応するブロックフレーム4の基準面を当接させた状態で、第1ブラケット穴2b1及び第2ブラケット穴2c1と、ブロックフレーム4に設けられたブロックフレームネジ穴4bとをネジで固定することにより、ブラケット2がブロックフレーム4に対して位置決めされた状態で固定される。これにより、ブラケット2とブロックフレーム4とが一体化されることになる。
なお、ブロックフレーム4に取り付けられた各ヘッド部1のノズル面の位置は、ブロックフレーム4の下面の位置よりわずかに上方に位置している。これにより、ノズル面が被記録媒体に接触することを防止できる。
具体的には、ヘッド固定部3の第1壁部3cに設けられた一対の長孔P1(図3の(b)参照)と、ブラケット2の第2壁部2aに設けられた一対の丸孔P2(図4の(b)参照)とを重ね合わせて、そこに治具Qを通すことにより(図1の(b)参照)、初期の位置出しが行われる。
これにより、第2ヘッド部62に対する第1ヘッド部61の長手方向(X軸方向)における位置調整を高精度で且つ容易に行うことができる。
また、ラインヘッド6においては、回動付与装置により、ラインヘッド6の位置を調整することも可能となっている。
また、スライドユニット部51の数はこれに限定されない。
また、第1壁部3cとスライドユニット部51とが一体に形成されていてもよい。
また、トラックレール部52の数もこれに限定されない。
また、第2壁部2aとトラックレール部52とが一体に形成されていてもよい。
また、連絡プレート32と第1壁部3cとが一体に形成されていてもよい。
また、ブラケット2と連結部24とが一体に形成されていてもよい。
この場合、外部からの信号に応じて駆動し、テーパーピン22を指定した分だけより高精度に回転させることができる。
また、テーパーピン22の回転の度合いもより高精度に認識することができる。
図11の(a)、(b)、(c)及び(d)は、いずれも、本実施形態に係るヘッド位置調整機構が取り付けられる前のブロックフレームの他の例を示す概略上面図である。
図11の(a)に示すように、ブロックフレーム43は、3つのヘッド穴4aが並設された列と、2つのヘッド穴4aが並設された列とが配列されたものであってもよい。
また、図11の(b)に示すように、ブロックフレーム44は、3つのヘッド穴4aが並設された列と、2つのヘッド穴4aが並設された列とが2列ずつ配列されたものであってもよい。
また、図11の(c)に示すように、ブロックフレーム45は、6つのヘッド穴4aが斜めに配列されたものであってもよい。なお、この場合、搬送される被記録媒体の幅方向と、ヘッド部のX軸方向とは一致しないが、ヘッド部をX軸方向に移動させることにより、被記録媒体に付与されるインクのドット位置は被記録媒体の幅方向に調整される。
また、図11の(d)に示すように、ブロックフレーム46は、1つのヘッド穴4aが設けられたものであってもよい。
本発明のヘッド位置調整機構によれば、ヘッド部の長手方向(X軸方向)における位置調整を高精度で且つ容易に行うことができる。
10・・・本体部
100・・・ヘッド位置調整機構
11・・・インク流入口
12・・・インク流出口
13・・・第1フランジ部
13a・・・第1ヘッド部穴
14・・・第2フランジ部
14a・・・第2ヘッド部穴
15・・・ノズルプレート
16・・・支持台
2・・・ブラケット
21・・・第2溝部(ブラケットの溝部)
21a・・・ネジ穴
21b・・・下部支持面
21c・・・取り付け固定面
22・・・テーパーピン
22a・・・頭部
22b1・・・上支持部
22b2・・・下支持部
22c・・・ネジ部
22d・・・テーパー部
22e・・・押圧バネ部
23・・・プランジャー
23a・・・箱部
23a1・・・通気口
23b・・・付勢バネ部
23c・・・玉部
24・・・連結部
24a・・・螺合部
24b1・・・上案内部
24b2・・・下案内部
2a・・・第2壁部(ブラケットの壁部)
2b・・・第1横壁部
2b1・・・第1ブラケット穴
2c・・・第2横壁部
2c1・・・第2ブラケット穴
3・・・ヘッド固定部
31・・・第1溝部(ヘッド固定部の溝部)
31a・・・穴
31b・・・上部支持面
31c,52b・・・ネジ
32・・・連絡プレート
32a・・・当接面
33・・・第1位置決めピン(位置決めピン)
33a・・・第1ヘッド固定部ネジ穴
34・・・第2位置決めピン(位置決めピン)
34a・・・第2ヘッド固定部ネジ穴
3a・・・支持板部
3a1,3a2・・・段部
3b・・・空隙部
3c・・・第1壁部(ヘッド固定部の壁部)
4,43,44,45,46・・・ブロックフレーム
41・・・支点ピン穴
42・・・U字穴
4a・・・ヘッド穴
4a1・・・基準ヘッド穴(ヘッド穴)
4b,4d・・・ブロックフレームネジ穴
4c・・・位置決めピン
5・・・直動機構
51・・・スライドユニット部
51a・・・上面
52・・・トラックレール部
52a・・・下面
6・・・ラインヘッド
61・・・第1ヘッド部
62・・・第2ヘッド部
P1・・・長孔
P2・・・丸孔
Q・・・治具
Claims (7)
- 複数のヘッド部を有するインクジェット記録装置のヘッド部の長手方向であるX軸方向の位置を調整するためのヘッド位置調整機構であって、
前記ヘッド部を支持固定するための上面視矩形状のヘッド固定部と、
該ヘッド固定部が取り付けられた直動機構と、
該直動機構が取り付けられたブラケットと、
を備え、
前記直動機構が、前記ヘッド固定部を前記ブラケットに対してX軸方向に案内するものであり、
前記直動機構が、スライドユニット部と、該スライドユニット部がスライド可能なトラックレール部とからなり、
前記ヘッド固定部に前記スライドユニット部が取り付けられ、
前記ブラケットに前記トラックレール部が取り付けられ、
前記ブラケットには、テーパー部を有するテーパーピンと、一方向に付勢するためのプランジャーとが対向するように取り付けられ、
前記ヘッド固定部のX軸方向の一方側の端部には前記テーパーピンのテーパー部が当接され、
前記ヘッド固定部のX軸方向の他方側の端部が前記プランジャーにより前記テーパーピン側に付勢され、
前記テーパーピンを上下移動させることにより、前記ヘッド固定部がX軸方向に直動し、該ヘッド固定部の位置が調整されるヘッド位置調整機構。 - 前記ヘッド固定部のX軸方向の一方側の端部には連絡プレートが設けられており、
該連絡プレートに前記テーパーピンのテーパー部が当接されている請求項1記載のヘッド位置調整機構。 - 前記テーパーピンが、前記ブラケットに螺合されている請求項1又は2に記載のヘッド位置調整機構。
- 前記テーパーピンを回動させるための電動アクチュエーター又は電動モーターを更に備える請求項3記載のヘッド位置調整機構。
- 前記ヘッド部には、X軸方向の一方側の端部に上面視V字状の切り欠きが設けられた第1フランジ部が設けられ、他方側の端部に上面視L字状の第2フランジ部が設けられ、
前記ヘッド固定部の両側には一対の位置決めピンが設けられ、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を、対応する前記位置決めピンにそれぞれ当接させた状態で、ネジで固定することにより、前記ヘッド部が前記ヘッド固定部に支持固定される請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッド位置調整機構。 - 前記ヘッド部が、下面にノズルが形成されたライン型記録ヘッドである請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッド位置調整機構。
- ヘッド部に請求項1〜6のいずれか1項に記載のヘッド位置調整機構が取り付けられた第1ヘッド部と、
ヘッド部に前記ヘッド位置調整機構が取り付けられていない第2ヘッド部と、
前記第1ヘッド部及び前記第2ヘッド部が取り付けられたブロックフレームと、
を備えるラインヘッド。
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