JP6956610B2 - カットネギ類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カットネギ類の製造方法に関する。
近年の食生活の多様化とヘルシー志向を反映し、生野菜をそのまま野菜サラダとした加工品の需要が急増している。これに伴い野菜を繊切り状態に細断したカット野菜も市場へ大量に提供されるようになってきている。
従来、カット野菜は、野菜原体を半割り又は4つ割り等にカットし、5〜15℃程度の殺菌液に所定時間浸漬した後、水洗い及び細断を行い、再度5〜15℃程度の殺菌液で所定時間浸漬して殺菌し、水洗い・脱水の後に袋詰めする方法が広く行われている。
この方法で得られたカット野菜の一般生菌数を、製造直後と製造から2日程度経過した後に測定すると、製造直後の一般生菌数は低いものの、製造から2日経過後には一気に増殖し、生食野菜の管理目安とされている10の6乗程度になりやすい傾向があった。この傾向は糖度が高い野菜で顕著であり、製造後のカット野菜の日持ち延長が課題となっている。
前記の課題を解決する方法も様々検討されており、例えば、特許文献1にはホール状の生野菜を温水で処理した後、ホール状のままで有効塩素濃度30〜300ppm、液温が25℃以下の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いて殺菌する方法、特許文献2の実施例には、有効塩素濃度20ppm程度、液温40℃〜65℃の微酸性次亜塩素酸水を用い、ホール状の農作物を殺菌する方法が開示されている。特許文献3には、特定の幅にカットしたネギに殺菌液を散布することによりカットネギをまんべんなく殺菌する方法が開示されている。
近年、蕎麦の薬味等に使用される白ネギや青ネギをカットしたもの、野菜炒め等の材料に使用されるタマネギをカットしたもの等のカットネギ類の需要が高まっている。ネギ類は糖度が高い野菜であるため、カット後の切断面から浸出液がカットネギ類の他の部分に付着することにより、他の野菜に比べて保存中に菌が増殖しやすい。また、ネギ原体の表面は水をはじきやすく、殺菌液と十分に接触させたとしても一般生菌数が減りにくいため、製造後の日持ちを十分に確保しにくいという課題がある。
本発明者らは、上述の方法で試みられてきた種々の方法でカットネギ類の殺菌処理を試みた。しかしながら、特許文献1及び2の方法では保存時の菌の増殖が十分に抑えきれず、特許文献3の方法では菌の増殖は抑えられたものの、カットネギのシャキシャキした食感や風味がやや損なわれていた。したがって、カットネギ類の殺菌方法にはまだ改善の余地がある。
特開2005−160398号公報 特開2014−30535号公報 特開2017−93369号公報
本発明の目的は、シャキシャキした食感と良好な風味を有するカットネギ類の製造方法を提供するものである。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、ネギ類を特定の液温に調整した殺菌液に接液させて殺菌することにより、意外にも、カット後にもシャキシャキした食感と良好な風味を有すること、また、前記殺菌工程を行うことにより、保存後の一般生菌数が10の6乗未満に抑制されており、従来の製造方法で得られるカットネギ類の保存後の一般生菌数と比較し、よりよい状態のカットネギが得られることを突き止めた。さらに、カット後の殺菌を行わずとも上記の効果が得られることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ネギ類をカットネギ類とするカット工程を行う前に、
ネギ類を液温が45℃以上60℃以下である下記(A)〜(D)の水溶液のいずれか1種に接液して殺菌する殺菌工程を含む、
カットネギ類の製造方法。
(A)有効塩素濃度が80ppm以上250ppm以下、pH6超9以下である、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(B)pH4以下である、有機酸水溶液
(C)過カルボン酸濃度が10ppm以上80ppm以下である、過カルボン酸水溶液
(D)pH9以上である、焼成カルシウム水溶液、
(2)(1)のカットネギ類の製造方法において、
前記殺菌工程における殺菌時間が1分以上10分以下である、
カットネギ類の製造方法、
(3)(1)又は(2)のカットネギ類の製造方法において、
前記カット工程が、切断部分に清水を注ぎながらカットを行う、
カットネギ類の製造方法、
(4)(1)乃至(3)のいずれかのカットネギ類の製造方法において、
前記カット工程後すぐに容器詰めを行う、
カットネギ類の製造方法、
である。
本発明によれば、カットネギ類とした後にもシャキシャキした食感と良好な風味を有するカットネギ類を提供することができる。また、ネギ類をカットした後の殺菌を行わずとも、保存後の一般生菌数を10の6乗未満に抑制することが可能となる。よって、カットネギ類の品位向上と需要拡大に貢献できる。
以下本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、ネギ類を、一定の範囲の液温に調整した特定の殺菌液に浸漬して殺菌を行うことにより、カットネギ類とした後にもシャキシャキした食感と良好な風味を有するカットネギ類が得られることに特徴を有する。
<カットネギ類>
カットネギ類は、例えば、根深ネギ、長ネギ、下仁田ネギ等の白ネギ、葉ネギ、万能ネギ、九条ネギ、又はこれらを若取りした小ネギ等の青ネギ、赤ネギ、芽ネギ、あさつき、わけぎ、リーキ、タマネギ、ニラ等のネギ類に細断等のカットを施したものである。
<殺菌工程>
本発明は、ネギ類をカットするカット工程を行う前に、ネギ類を殺菌液に接液させて殺菌する。ネギ類を後述する条件で十分に殺菌することにより、カット後の殺菌を行わない場合でも保存後の一般生菌の増殖が抑制されるとともに、シャキシャキした食感と良好な風味を有するカットネギ類が得られる。
ここで、殺菌の対象となる一般生菌としては、代表的には土壌由来の雑菌であって、ネギ類に付着してその鮮度を低下させる菌等を挙げることができる。
ネギ類を殺菌液に接液させる方法としては、ネギ類を浸漬すること、殺菌液をカット前のネギ類にスプレーすること等を挙げることができる。ここで、ネギ類としては、根などの不可食部を取り除いたものを適用することができ、殺菌工程の前に予め水洗しておいてもよい。
<殺菌液>
殺菌工程で用いる殺菌液は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、有機酸水溶液、過カルボン酸水溶液、焼成カルシウム水溶液のいずれか一種を選択して用いる。
<殺菌液の液温>
本発明においては、前記殺菌液の液温を特定の温度に調整して用いることが重要であり、具体的には、45℃以上60℃以下であり、50℃以上60℃以下であるとよい。
殺菌液の液温が45℃未満であると、ネギ類の殺菌が不十分となり、カット後に高濃度の殺菌液を用いた殺菌工程や長時間の殺菌工程が必要となる。そのため、カットネギ類のシャキシャキとした食感や良好な風味が得られない。殺菌液の液温が60℃を超えると、ネギ類の外側に熱ダメージが加わってネギが柔らかくなり、シャキシャキとした食感や良好な風味が得られない。加えて、熱ダメージを受けた外側の組織から浸出液が生じやすくなり、保存時の菌の増殖抑制が不十分なものとなる。
<次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素濃度>
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる場合、有効塩素濃度を80ppm以上250ppm以下、さらに100ppm以上220ppm以下であるとよい。有効塩素濃度が前記範囲より低い場合は殺菌効果が不十分となり、前記範囲より高い場合は植物細胞へのダメージが大きくなる。
本発明において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸ナトリウムを水溶液に溶解したもの、高濃度(例えば12%)の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を希釈したもの、食塩水を電解して得られる電界次亜水を用いる。
<次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpH>
次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpHは6以上9以下であり、さらに6以上7以下であるとよい。pHが前記範囲より高い場合は殺菌効果が不十分となり、前記範囲より低い場合は植物細胞へのダメージが大きくなる。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpHは通常9程度であるため、上記pHとするにはpH調整剤を用いればよい。pH調整剤としては、例えば、塩酸、リン酸等の無機酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、アジピン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸及びこれらの塩、炭酸ガス等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<有機酸水溶液>
本発明の有機酸水溶液は、有機酸及び/またはその塩を含むものである。有機酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
有機酸水溶液は食用に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、乳酸、酢酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びこれらの塩等の水溶液が挙げられる。有機酸水溶液中に存在する有機酸は単独でもよいし、2種以上でもよい。また、有機酸または有機酸塩のいずれかのみを含む水溶液でもよいし、有機酸及び有機酸塩の両方を含むものでもよい。
本発明においては、十分な殺菌効果と植物細胞へのダメージ抑制を両立させる観点から、乳酸、酢酸、フマル酸及びこれらの塩を好ましく用いることができ、さらにフマル酸及びその塩を好ましく用いる。
<有機酸水溶液のpH>
有機酸水溶液のpHは4以下であり、3以下であるとよく、さらにpH2以下であるとよい。pHが前記範囲より高い場合は殺菌効果が不十分となる。pHの下限は特に制限されないが、植物細胞へのダメージを抑制する観点から、1以上がよく、さらに1.5以上であるとよい。
<過カルボン酸水溶液>
過カルボン酸水溶液は、カルボン酸無水物と過酸化水素とを反応させて得られ、分子内にペルオキシカルボキシ基(−COOOH)を有し、過酸化水素よりも強力な酸化力を示す。過カルボン酸水溶液としては、例えば、過酢酸水溶液、過プロピオン酸水溶液、過コハク酸水溶液、過グルタル酸水溶液、過アジピン酸水溶液、過酒石酸水溶液、過クエン酸水溶液、過安息香酸水溶液等が挙げられる。
本発明においては、食用に使用でき、十分な殺菌効果と植物細胞へのダメージ抑制を両立する観点から、過酢酸水溶液を用いるのがよい。
<過カルボン酸水溶液中の過カルボン酸濃度>
過カルボン酸水溶液中の過カルボン酸濃度は10ppm以上80ppm以下であり、30ppm以上60ppm以下であるとよりよい。過カルボン酸濃度が前記範囲より低い場合は殺菌効果が不十分となり、前記範囲より高い場合は植物細胞へのダメージが大きくなる。
<焼成カルシウム水溶液のpH>
焼成カルシウム水溶液を用いる場合、pHは9以上であり、さらに11以上であるとよい。pHが前記範囲より低い場合は殺菌効果が不十分となる。pHの上限は特に限定されないが、植物細胞へのダメージを抑制する観点から、13.5以下がよく、さらに13以下であるとよい。
<殺菌液の使用量>
殺菌液の使用量は、ネギ類に前記殺菌液を十分に接液させる観点から、ネギ類1kg当たり1L以上50L以下であるとよく、さらに5L以上30L以下であるとよい。
<殺菌時間>
ネギ類と殺菌液を接液させる時間は、ネギ類が十分に殺菌され、かつ、熱ダメージが加わりすぎない程度であればよい。具体的には、1分以上10分以下であるとよく、さらに1分以上5分以下であるとよりよい。
<添加剤>
殺菌液には、pH調整や溶解度向上等の目的で、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を加えることができる。具体的には、塩酸、リン酸等の無機酸及びこれらの塩、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガム、カラギーナン、デンプン、加工デンプン等の増粘剤、プロピレングリコール等の安定剤、防腐剤等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<水洗工程>
前記殺菌工程で得られたネギ類は、後述のカット工程に投入する前に、必要に応じて水洗し、更に水切りしてもよい。しかし、本発明に利用するネギ類に、必ずしもこのような洗浄工程を施す必要はなく、必要に応じて行えばよい。
<カット工程>
前記殺菌工程で殺菌されたネギ類を、例えば、市販のフードスライサー等の切断手段を用いてカット処理する。この際、ネギ類の切断部分に清水を注ぎながら行うと、ネギ類の断面とカットネギ類の切断面とが常に洗浄されるため、ネギ類からの滲出液がカット後のネギ類に付着することが軽減され、保存後の菌の増殖がより抑制されやすくなり好ましい。また、切断面や切断手段へのカットネギ類の付着も軽減され、生産効率の向上も期待できる。こうして、本発明のカットネギ類を得る。
<カット後の殺菌工程>
前記カット工程で得られたカットネギ類は、後述の容器詰め工程に投入する前に、必要に応じて殺菌処理し、さらに水洗処理を施してもよい。しかし、本発明に利用するネギ類に、必ずしもこのような工程を施す必要はなく、必要に応じて行えばよい。
カットネギ類に殺菌処理を施す場合、カットネギ類の植物細胞へのダメージを抑制し、シャキシャキした食感と良好な風味を維持する観点から、ネギ類の殺菌条件よりも弱い殺菌を施すことが望ましい。
例えば、殺菌液として低有効塩素濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用い、5分間程度殺菌処理を施す。
<容器詰め工程>
前記カット工程で得られたカットネギ類は、前記カット後の殺菌工程を行わずに包装容器に充填し密封してもよい。用いる包装容器は、青果物保存用のプラスチック袋、プラスチック製の勘合容器、トップシール容器等、市販されているものを用いることができる。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[対照区1]
水で洗浄して泥を落とし、葉側及び根側をそれぞれ3cmカットした白ネギ3本を、5Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬し、5分間殺菌処理を行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素濃度は80pm、pH6.2、殺菌液の温度は15℃である。
殺菌処理した白ネギは、スライサーで2mm幅にカットし、清水に2分間晒した後に1分間水切りし、カット白ネギであるカットネギ類を得た。
[実施例1]
水で洗浄して泥を落とし、葉側及び根側をそれぞれ3cmカットした白ネギ3本を、5Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬し、5分間殺菌処理を行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素濃度は83pm、pH6.3、殺菌液の温度は55℃である。
殺菌処理した白ネギは、スライサーを用いて2mm幅にカットし、清水に2分間晒した後1分間水切りし、カット白ネギである本発明のカットネギ類を得た。
実施例2〜10は殺菌条件を表1に準じて変更し、比較例1、2は殺菌条件を表2に準じて変更した以外は実施例1と同様の方法により、カット白ネギを得た。
[試験例1]製造後2日保存したカットネギ類の一般生菌数
対照区1、実施例1〜10及び比較例1、2のカットネギ類について、当該カットネギ類各50gを20cm四方の透明ポリ袋に密封して10℃で48時間保管したもの(製造から2日後)を用いて、次のように一般生菌数を測定した。
すなわち、対照区1、実施例1〜10及び比較例1、2で得た、カット白ネギ各10gを、それぞれ別のストマッカー袋に入れ、各袋にリン酸緩衝生理食塩水90gを添加してストマッカー処理して、試料液を得た。次に、食品衛生検査指針 微生物編 2015(厚生労働省)に記載の一般生菌数の検査手順に従って、得られた試料液の一般生菌数を測定した。具体的には次の通りである。まず、試料液を段階的に希釈してシャーレに1mL滴下し、ここに標準寒天培地15mLを添加して混釈した。次に、培地を35±1℃で48±3時間培養した。
以上の操作によって形成されたコロニー数を計測することで、一般生菌数を測定した。測定結果を下記の評価基準に基づいて評価した。
<評価>
対照区1を10℃で48時間保管したもの(製造から2日後)の一般生菌数の対数値「logCFU/g=6」を基準として、一般生菌数の対数値(logCFU/g)を用い、製造から2日後の各カット白ネギの一般生菌数について、以下の基準で評価を行った。
<評価基準>
対照区1の製造から2日後の一般生菌数の対数値「logCFU/g=6」を基準値としたとき、
S:基準値とのlogCFU/gの値の差が−1.4未満
A:基準値とのlogCFU/gの値の差が−1.4以上−1以下
B:基準値とのlogCFU/gの値の差が−1超−0.5以下
C:基準値とのlogCFU/gの値の差が−0.5超0未満
[試験例2]官能評価
10℃で48時間(製造後2日間)保存した対照区1、実施例1〜10及び比較例1、2のカット白ネギを、専門のパネル3名が喫食し、食感及び香りの評価を行った。
A:シャキシャキした食感とネギの風味が感じられる
B:シャキシャキした食感または風味がやや弱いが、問題のない程度である
C:シャキシャキした食感または風味が弱い
Figure 0006956610
Figure 0006956610
表1、2より、液温が45℃以上60℃以下の殺菌液を用いた場合には、製造から2日間後の一般生菌数が対照区と比較して少なく、一般生菌の増殖が抑制されていることがわかる。特に、液温が50℃以上60℃以下の場合にその傾向が顕著である。一方、液温が60℃を超える殺菌液を用いた場合(比較例1、2)は、一般生菌の増殖は対照区1に比べて抑制されていたが、白ネギの食感が好ましいものではなかった。
また、次亜塩素酸ナトリウムを用いて殺菌する場合、殺菌温度が同条件であれば、有効塩素濃度が100ppm以上220ppm以下またはpHが6以上7以下であると、一般生菌の増殖が十分に抑制されることに加え、また、シャキシャキした食感やネギの風味も良好であった。次亜塩素酸ナトリウム水溶液以外では、殺菌液として過酢酸水溶液を用いた場合に、一般生菌の増殖が十分に抑制されることに加え、また、シャキシャキした食感やネギの風味も良好であった。
[実施例11]
実施例1において、カット後、水晒しを行わないまま20cm四方の透明ポリ袋に充填密封して、容器詰めのカット白ネギを製した。
製造から2日間経過後の一般生菌数を対照区1と比較した値は−1.4であり、シャキシャキした食感と風味が良好な好ましいものであった。よって、本発明の方法により得られたカットネギ類は、カット後の殺菌処理及び水晒し処理は必ずしも必要ではない。
[実施例12]
水で洗浄して泥を落とし、外皮を剥離して葉側及び根側をそれぞれ1cmカットしたホール状のタマネギを、カット幅を3mmとし、殺菌処理時間を10分に変更した以外は、表4の条件で実施例1と同様の方法で殺菌処理及びカット処理を行い、カットタマネギである本発明のカットネギ類を得た。
[対照区2]
白ネギを、水で洗浄して泥を落とし、外皮を剥離して葉側及び根側をそれぞれ1cmカットしたホール状のタマネギに変更し、タマネギのカット幅を3mmとした以外は、対照区1と同様の条件で殺菌処理を行い、カットタマネギである本発明のカットネギ類を得た。
[実施例13]
水で洗浄して泥を落とし、葉側及び根側をそれぞれ3cmカットしたホール状の青ネギを、表4の条件で実施例1と同様の方法で殺菌処理及びカット処理を行い、カット青ネギである本発明のカットネギ類を得た。
[対照区3]
水で洗浄して泥を落とし、葉側及び根側をそれぞれ3cmカットしたホール状の青ネギを、対照区1と同様の方法で殺菌処理及びカット処理を行い、カット青ネギである本発明のカットネギ類を得た。
実施例12、13及び対照区2、3で得られたカットネギ類を、試験例1及び試験例2の方法により評価した結果を表3に示す。なお、対照区2、3で得られたカットネギ類の一般生菌数の対数値(logCFU/g)は、いずれも6であった。
Figure 0006956610
実施例12、13の一般生菌数の対数値を対照区2、3の一般性菌数の対数値と比較した値はそれぞれ−0.7及び−1.0であり、製造から2日後の一般生菌の増殖が抑制されていた。また、カットネギ類のシャキシャキとした食感と風味が良好な好ましいものであった。

Claims (4)

  1. ネギ類をカットネギ類とするカット工程を行う前に、
    ネギ類を液温が50℃以上60℃以下である下記(A)〜(D)の水溶液のいずれか1種に接液して殺菌する殺菌工程を含む、
    カットネギ類の製造方法(ただし、殺菌キュウリの製造方法を除く)
    (A)有効塩素濃度が8ppm以上250ppm以下、pH6超9以下である、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
    (B)pH4以下である、有機酸水溶液
    (C)過カルボン酸濃度が10ppm以上80ppm以下である、過カルボン酸水溶液(ただし、前記液温が50℃である場合を除く)
    (D)pH9以上である、焼成カルシウム水溶液(ただし、前記液温が50℃である場合を除く)
  2. 請求項1に記載のカットネギ類の製造方法において、
    前記殺菌工程における殺菌時間が1分以上10分以下である、
    カットネギ類の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のカットネギ類の製造方法において、
    前記カット工程が、切断部分に清水を注ぎながらカットを行う、
    カットネギ類の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカットネギ類の製造方法において、
    前記カット工程後すぐに容器詰めを行う、
    カットネギ類の製造方法。
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