JP2013243986A - 容器詰め千切りキャベツ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、保存後においても千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持された容器詰め千切りキャベツ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、前記千切りキャベツは、幅0.2〜5mm、長さが3cm以上の裁断物が千切りキャベツ全体の3割以上であり、製造後1日間温度0〜15℃で保存して容器から取り出した千切りキャベツの表面に付着している有機物の量が、該千切りキャベツ50gを清水500mLで浸漬洗浄することにより得られる洗浄水のCODとして40ppm以下である容器詰め千切りキャベツ及びその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、保存後においても千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持された容器詰め千切りキャベツに関する。
千切りキャベツをポリプロピレン製袋に窒素ガスと共に密封した千切りキャベツ製品が、スーパーマーケットの生鮮野菜売り場で広く販売されている。このような千切りキャベツの工業的製造方法としては、例えば、カットキャベツを次亜塩素酸ソーダ溶液で洗浄し、次いで水洗いの後、酢酸溶液で洗浄する方法(特許文献1)、カットキャベツを亜塩素酸塩溶液で処理した後水洗せずに水切りし、そのまま保存する方法(特許文献2)、千切り前のキャベツを、次亜塩素酸塩水溶液等の殺菌液に浸漬して一次殺菌処理した後、スライサーで千切りし、続いて、次亜塩素酸塩水溶液よりも弱い殺菌力を有する殺菌液に浸漬して二次殺菌処理し、水洗し、そして遠心分離装置で水切りする方法(特許文献3)等が提案されている。
特開平6−46812号公報 特開平11−196763号公報 特開2006−61069号公報
ところで、特許文献1〜3の方法で製造された千切りキャベツの場合、良好な保存性を示すものの、時間経過とともに千切りキャベツらしいふっくらとした食感が損なわれることがあった。このため、千切りキャベツ製品を幅広い消費者に受け入れて貰うためには、良好な保存性を示すことはもちろん、千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持された千切りキャベツを工業的に製造できるようにすることが求められていた。
そこで、本発明の目的は、殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、保存後においても千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持された容器詰め千切りキャベツを提供するものである。
本発明者等は、容器詰め後の千切りキャベツの食感の劣化に起因する要因について鋭意研究を行った結果、意外にも、千切りキャベツの表面に付着している有機物の量が、千切りキャベツの保存後の食感に影響を与えることを見出した。そして、更に鋭意研究を行った結果、千切りキャベツの表面に付着している有機物の量は、所定量の千切りキャベツを水で浸漬洗浄することにより得られる洗浄水のCODとして測定できること、更に、このCODを特定の範囲以下にするとともに、千切りキャベツのカットサイズを特定範囲に調整するならば、意外にも保存後においても千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、前記千切りキャベツは、幅0.2〜5mm、長さが3cm以上の裁断物が千切りキャベツ全体の3割以上であり、製造後1日間温度0〜15℃で保存して容器から取り出した千切りキャベツの表面に付着している有機物の量が、該千切りキャベツ50gを清水500mLで浸漬洗浄することにより得られる洗浄水のCODとして40ppm以下である容器詰め千切りキャベツ、
(2)前記洗浄水のCODが20ppm以下である(1)記載の容器詰め千切りキャベツ、
(3)殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた(1)又は(2)記載の容器詰め千切りキャベツの製造方法であって、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施した原料キャベツを得る工程、及び/又は千切りカットするときにキャベツの切断部に水を注ぎながらカットするカット処理工程を少なくとも有する容器詰め千切りキャベツの製造方法、
である。
本発明によれば、殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、保存後においても千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持された容器詰め千切りキャベツを提供することができる。したがって、特に、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の惣菜等として販売するために、食品工業的に大量生産される千切りキャベツ製品の需要拡大が期待される。
以下、本発明の容器詰め千切りキャベツ及びその製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の容器詰め千切りキャベツは、殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰められたものである。
包装容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂で製造された袋型、カップ型、ボール型などの種々の形状の食品包装容器で、千切りキャベツを密封できるものが好ましい。
本発明の容器詰め千切りキャベツは、幅0.5〜5mm、長さが3cm以上の裁断物が千切りキャベツ全体の3割以上、好ましくは4割以上であることに特徴を有する。後述するCODを低く抑制する必要はあるが、千切りキャベツのカットサイズを特定範囲に調整することにより、保存後においても千切りキャベツらしいふっくらとした食感が維持されたものとなる。
このようなカットサイズの調整は、キャベツを千切りする際の方向や、スライサーなどのカット処理スピードを調整することにより調整できる。一般的には、スライサーの処理スピードを上げると千切りキャベツが処理中に細かく切れやすくなる傾向があるので、処理スピードをできるだけ遅くすることが好ましい。また、カットサイズの調整は、得られた千切りキャベツから、上記条件を満たさない短い裁断物を取り除くことによっても調整できる。
次に、本発明の容器詰め千切りキャベツは、温度0〜15℃で製造後1日保存(即ち、製造直後から12〜36時間保存)し、包装容器から取り出した場合に、その千切りキャベツの表面に付着している有機物量が、該千切りキャベツ50gを水500mLで浸漬洗浄することにより得られる洗浄水のCOD(以下、「千切りキャベツのCOD」という)として、40ppm以下である。これは、千切りキャベツ1g当たりの有機物の付着量が0〜0.0004g以下であることを意味する。本発明においては、上述したように、千切りキャベツのカットサイズを特定範囲に調整することに加えて、前記CODを特定の範囲以下にすることにより、保存後においても野菜本来の食感が感じられる容器詰め千切りキャベツが得られる。
千切りキャベツのCODの値は、より具体的には、千切りキャベツ50gを水道水500mLに入れ、25℃で30秒間スターラーで撹拌することにより千切りキャベツを洗浄し、その洗浄液のCODを常温過マンガン酸カリウム酸化法で測定することにより得られる数値である。この測定には、市販のCOD測定キット、例えば、共立理化学研究所のパックテスト(登録商標)(型式:WAK-COD)を使用することができる。
こうしてCODとして測定される有機物は、千切りキャベツの表面に付着しているものであって、主に、野菜をカットしたときの切断面で破壊された細胞が漏出した細胞液に由来すると考えられるが、この他、農場で野菜を生育するときや採取するときに付着した汚染物に由来する有機物や、その汚染物で野菜が腐敗することにより生じた有機物などにも由来すると考えられる。
これに対し、千切りキャベツの野菜自体(即ち、千切りキャベツから表面付着物を除いた部分)が過マンガン酸カリウムによって酸化されることによるCOD値への寄与は無いと考えられる。これは、上述のCODの測定方法に関し、測定に供する千切りキャベツの洗浄液を得るための千切りキャベツの洗浄時間を徐々に伸ばしたときに、30秒まではCODが増加するが、30秒以降は一定となるためである。また、こうしてCODを測定する千切りキャベツは、何らかの洗浄工程を経てきているので、野菜の生育時や収穫時などに野菜表面に付着した有機物の多くは除去されていると考えられる。したがって、千切りキャベツのCODとして測定される有機物は主に野菜をカットしたときの切断面から漏出した細胞液由来の有機物であると考えられる。
製造後1日の千切りキャベツのCODの好ましい数値は、野菜の種類やカットサイズに関わらず、40ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましい。
なお、本発明において、CODを測定する千切りキャベツを、容器詰め千切りキャベツの製造後、温度0〜15℃で1日保存したものとするのは、このように保存した千切りキャベツのCODを40ppm以下とすることで、製造後の千切りキャベツの食感の劣化を抑制し、千切りキャベツの食感を良好に維持することができるためである。CODを、製造直後の容器詰め千切りキャベツについて規定することも考えられるが、品質管理のし易さの点からは、製造後、温度0〜15℃で1日保存したものとすることが好ましく、また、このように1日保存した後のCODを限定することによっても、上述のように食感の維持を図ることができる。
製造後1日の千切りキャベツのCODが40ppm以下となるように千切りキャベツのCODを低減させる方法としては、原料キャベツとして、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施したものを用いることが好ましい。
野菜の収穫時に切断面を殺菌する収穫時殺菌処理は、収穫後12時間以内に行い、6時間以内に行うことが好ましい。殺菌処理を施す具体的な方法としては、たとえば、切断されて収穫された上記野菜をザルやカゴ等にいれて殺菌液中に浸漬したり、切断されて収穫された上記野菜を殺菌液で洗い流したり、切断されて収穫された上記野菜に殺菌液を噴霧や噴射したりすることにより、当該野菜の少なくとも切断面全体を殺菌液に接触させて処理することが好ましい。殺菌液は、十分な殺菌効果が得られる種々の公知の殺菌液を使用することができるが、例えば、亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸塩の水溶液(有効塩素濃度:好ましくは25〜500ppm、より好ましくは50〜300ppm)、焼成カルシウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液(pH11〜14)、オゾン水、酢酸等を挙げることができる。
なお、殺菌処理の処理条件は、使用する殺菌液の種類、pH値、殺菌すべき野菜の種類や大きさ等に応じて適宜決定することができる。
上述した収穫時殺菌処理により、千切りキャベツにした場合の保存後の食感が維持される理由は定かではないが、本発明者らが各種研究を行ったところ、まず、野菜を収穫するために切断すると、その切断面から当該野菜の内部の液が滲み出てきて、その液が野菜の切断面以外の表面等に付着して、菌の増殖や、食感に影響を与えてしまうのではないかと推察された。前記収穫時殺菌処理は、農場で行うと、野菜の切断面が段ボール箱等の容器や他の野菜の表面等のような他の物体に接触する前に、当該野菜の内部から当該切断面に滲み出てくる前記液中に殺菌液を含有させることが確実にできて、非常に好ましい。
また、製造後1日の千切りキャベツのCODが40ppm以下となるように千切りキャベツのCODを低減させる方法としては、後述の千切りカット処理の前に、カット前殺菌処理を施すことによっても製造後1日の千切りキャベツのCODが40ppm以下となるように千切りキャベツのCODを低減させることができる。
カット前殺菌処理を施す際には、殺菌処理前に、皮や芯を取り除きホール野菜とする処理、それを二等分や四等分にカットする処理、また、野菜が葉ものである場合には、芯から切り離した葉を重ねる処理などを適用することができる。必要に応じて、このような処理を施した野菜に対し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:好ましくは25〜500ppm、より好ましくは50〜300ppm)、焼成カルシウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液(pH11〜14)などの公知の殺菌液に浸漬させる処理、噴霧処理などを施せば良い。
更に、製造後1日の千切りキャベツのCODが40ppm以下となるように千切りキャベツのCODを低減させるために、千切りカット処理する工程において、その切断面から漏出する細胞液を直ちに除去することが好ましく、このような方法として、野菜の切断部に水を注ぎながら野菜を千切りカット処理を行う方法が挙げられる。
水を注ぎながらカットする処理で使用する水としては、水道水、清水が望ましく、これらの一部又は全部に代えて、殺菌力が弱い殺菌剤の水溶液、例えば、亜塩素酸塩(好ましくはナトリウム塩)、オゾン、酢酸、エタノールなどの水溶液を使用する。
水を注ぎながらカットする処理の具体的方法としては、キャベツのカットに市販のフードスライサーを使用する場合、野菜の切断部分に水を注ぎながらカットされるように、ホースで注水したり、シャワーヘッドで注水したりすればよい。
注水量は、野菜の千切りカット処理を、例えば1kg/分とする場合に、好ましくは0.1L/分〜10L/分、より好ましくは0.1〜5L/分、特に好ましくは0.2〜3L/分である。注水量が少なすぎると切断された細胞から流出した有機物を野菜の表面から除去しきれず、CODを十分に抑制することが難しくなる。反対に注水量が多すぎると野菜が損傷し易くなるので好ましくない。流水の温度は0〜10℃とすることが好ましい。
千切りキャベツのCODを低減させるための方法としては、上述した方法を複数種を組み合わせて使用することが好ましい。一方、例えば、キャベツを千切りした後に強い殺菌処理を施すと野菜に損傷が生じて、CODがかえって増加し前述した範囲に低減させ難くなる。したがって、野菜を千切りした後には、できるだけキャベツが損傷しないように殺菌処理をすることが好ましく、具体的には、塩素系殺菌剤を含む水道水への浸漬処理や、次亜塩素酸塩の低濃度水溶液(100ppm以下)、亜塩素酸塩水溶液(特に、ナトリウム塩の水溶液)、オゾン液、酢酸水溶液、酸性電解水又はエタノール水溶液への浸漬処理等をあげることができる。また、紫外線又は超音波等を用いる殺菌処理を行ってもよい。
キャベツを千切りした後に行う弱い殺菌処理において、塩素系殺菌剤を含む水道水又は殺菌剤水溶液に浸漬する時間は、短すぎると十分な洗浄や殺菌効果が得られない可能性があることに加え、流水カット後に細胞から流出した微量な有機物が除去されずCODが高くなる可能性があるため、3分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましい。また、浸漬する時間は、長すぎると野菜にダメージが加わり離水量が増えてしまい十分な品位が確保できない可能性があるため、60分以下が好ましく、30分以下がより好ましい。
本発明の容器詰め千切りキャベツの製造方法としては、千切りキャベツのカットサイズを特定範囲に調整し、前記CODを特定の範囲とする以外は、一般的な容器詰め千切りキャベツの製造方法に準じて製造することができるが、特に、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施した原料レタスを得る工程、及び/又はカットするときにレタスの切断部に水を注ぎながらカットするカット処理工程を少なくとも有する製造方法であると、CODを特定範囲に調整しやすく好ましい。具体的には、例えば、以下のように製造することができる。
まず、好ましくは、原料キャベツが、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施したものを用意する。この際、キャベツ表面の有機物量を確認するため、CODを測定することが好ましい。次に、好ましくは千切りカット工程の前に、上述したカット前殺菌処理を施す。この際、野菜表面の有機物量を知るために前述のようにCODを測定してもよい。続いて、千切りカット工程を施すが、カットとしては、カット野菜のCODを低減させるカット方法として説明した上述の野菜の切断部に水を注ぎながらカットを行うことが好ましい。カット工程でも野菜表面の有機物量を確認するため、CODを測定することが好ましい。この場合、CODが40ppm以下となるように野菜の切断部に水を注ぎながらを行うことが好ましい。カット後の水晒し処理工程では、前述の弱い殺菌処理を行うことが好ましい。特に、水晒し処理工程では、既にカット済みの野菜に対して殺菌処理を行うため、それ以上の損傷を野菜へ与えないようにする点から、浸漬処理とすることが好ましい。より具体的には、千切りキャベツを、弱い殺菌剤水溶液に浸漬する処理を行うことが好ましい。水晒し処理工程を行った後、野菜の損傷の程度、野菜に付着している有機物量等を確認する前述のようにCODを測定することが好ましい。続いて、千切りキャベツに、必要に応じて遠心分離機を使用して水切り処理を行い、千切りキャベツを包装容器に充填密封する。こうして本発明の容器詰め千切りキャベツを製造することができる。
このように各工程で、CODを測定し、次の工程に進めることにより、容器詰めする直前のカット野菜として、そのCODが0〜40ppmの千切りキャベツを得ることができる。
次に、本発明を実施例、比較例及び試験例に基づき、更に説明する。
[実施例1]
(A)収穫時殺菌処理工程
キャベツを収穫後、農場で直ちに(収穫から6時間以内)切断部を殺菌液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液:有効塩素濃度200ppm)で噴霧殺菌処理(キャベツ1g当たりの噴霧量1mL)し、該キャベツを加工場へ輸送した。
(B)カット前殺菌処理工程
加工工場では、収穫時殺菌処理工程を経たキャベツの芯、汚れた外側の葉を取り除いて約4等分し、250gのキャベツ塊を清水で水洗し、それを、表1の殺菌液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液:有効塩素濃度200ppm、温度20℃)4Lに5分間浸漬処理することによりカット前殺菌処理を行った。
(C)野菜の切断部に水を注ぎながら野菜をカットする工程
次いで、前記カット前殺菌処理をしたキャベツ塊の切断部に対し、清水をホースで注水(1L/分)しながら、なぎ刃回転式の電動スライサーで3kg/分の速度で0.8mm巾にカットを行った。
(D)包装
カットを行ったキャベツを5℃の水道水(有効塩素濃度:0.1ppm)4Lに晒す水晒し処理を3分間行い、その後、遠心分離機を用いて水切り処理を行い(処理条件1100ppm、1分)、200gのカットキャベツを得た。この該カットキャベツ100gを延伸ポリプロピレン製袋(フィルム厚40μm)に窒素ガスと共に入れ、袋の開口部をヒートシールすることにより容器詰めカットキャベツを製造した。この容器詰めカットキャベツを10℃で冷蔵保存した。
[実施例2]
実施例1の(A)収穫時殺菌処理工程において、キャベツを収穫後、農場で直ちに(収穫から12時間後)切断部を殺菌液(亜塩素酸ナトリウム水溶液:有効塩素濃度100ppm)で噴霧殺菌処理(キャベツ1g当たりの噴霧量0.2mL)し、該キャベツを加工場へ輸送した以外は、実施例1と同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[比較例1]
実施例1(A)において収穫時殺菌処理を行わず、更に(D)の千切り工程において切断部に水を注がなかった以外は、実施例1と同様にして容器詰め千切りキャベツを製造した。
[比較例2]
実施例1(C)野菜の切断部に水を注ぎながら野菜をカットする工程において、カット後に、幅0.5〜5mm、長さが3cmの裁断物が全体の3何割未満となるようにスライサーの速度を上げた以外は、実施例1と同様にして容器詰め千切りキャベツを製造した。
[比較例3]
実施例1において、(D)カット後殺菌水晒し処理工程において次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度1000ppm)を使用し、浸漬時間を5分とした以外は、実施例1と同様にして容器詰め千切りキャベツを製造した。
[試験例1]
実施例1及び2、並びに比較例1及び2で得られた容器詰め千切りキャベツについて、10℃で1日保管後のCOD濃度、及び5日保管後の外観を下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
<COD濃度の評価基準>
袋から野菜を取り出した野菜50gを、500mlの25℃の水道水に加え、室内温度25℃でスターラーで一定の速度で30秒間撹拌することにより野菜を洗浄した。その後市販のCOD測定キット(共立理化学研究所のパックテスト(登録商標)(型式:WAK−COD))を用いて野菜の洗浄水のCODを測定した。得られた値を以下の基準により評価した。
I:0〜20ppm
II:20ppm超〜40ppm以下
III:40ppm超
<カット形状の評価基準>
幅0.5〜5mm、長さが3cmの裁断物が全体の何割以上であるかを評価した。得られた値を以下の基準により評価した。
I:4割以上
II:3割以上4割未満
III:3割未満
<食感の評価基準>
◎:キャベツ特有のふっくらした食感が感じられ大変好ましい。
○:キャベツ特有のふっくらした食感がやや感じられ難いが許容できる範囲であり好ましい。
×:キャベツ特有のふっくらした食感が感じられない。
Figure 2013243986
表1より、幅0.2〜5mm、長さが3cm以上の裁断物が全体の3割以上である千切りキャベツであり、千切りキャベツの洗浄水のCODが40ppm以下である実施例1及び2は、保存後もキャベツ特有のふっくらした食感が感じられ大変好ましかった。これに対し、前記CODが40ppmを超える比較例1及び3、並びにカット形状が前記範囲を満たさない比較例2は、キャベツ特有のふっくらした食感が感じられず、好ましくなかった。
[実施例3]
実施例1において、(A)収穫時殺菌処理工程で用いる殺菌液を焼成カルシウム水溶液(pH12)に変更した以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例4]
実施例1において、(A)収穫時殺菌処理工程で用いる殺菌液を水酸化ナトリウム水溶液(pH12)に変更し、噴霧ではなく殺菌液(500mL)に浸漬させる以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例5]
実施例1において、(A)収穫時殺菌処理工程で用いる殺菌液を次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:100ppm)に変更し、噴霧ではなく殺菌液(500mL)に浸漬させる以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例6]
実施例1において、(A)収穫時殺菌処理工程で用いる殺菌液を次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:300ppm)に変更した以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例7]
実施例1において、(B)カット前殺菌処理工程で用いる殺菌液を水酸化ナトリウム水溶液(pH12)に変更した以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例8]
実施例1において、(B)カット前殺菌処理工程で用いる殺菌液を次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:100ppm)に変更し、噴霧ではなく殺菌液(500mL)に浸漬させる以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例9]
実施例1において、(B)カット前殺菌処理工程で用いる殺菌液を次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:300ppm)に変更した以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例10]
実施例1において、(A)収穫時殺菌処理を実施せず、(D)包装工程で、水晒し処理を実施しない以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例11]
実施例1において、(A)収穫時殺菌処理で用いる殺菌液を焼成カルシウム溶液(pH12)に変更し、(C)カット工程で、注水することなく、なぎ刃回転式の電動スライサーでカットする通常カットを行う以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例12]
実施例1において、(B)カット前殺菌処理工程を実施せず、(D)水晒し処理工程で次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度100ppm)を使用し、浸漬時間を5分とした以外実施例1と同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例13]
実施例1において、(C)カット工程で行う清水の注水を(0.1L/分)に変更した以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
[実施例14]
実施例1において、(C)カット工程で行う清水の注水を(10L/分)に変更した以外は同様に容器詰め千切りキャベツを製造し、10℃で冷蔵保存した。
実施例3〜14の製造方法により得られた千切りキャベツは、いずれもCOD濃度が40ppm以下であり、実施例1と同様、キャベツ特有のふっくらした食感が感じられ好ましかった。

Claims (3)

  1. 殺菌処理された千切りキャベツが容器に詰められた容器詰め千切りキャベツであって、前記千切りキャベツは、幅0.2〜5mm、長さが3cm以上の裁断物が千切りキャベツ全体の3割以上であり、製造後1日間温度0〜15℃で保存して容器から取り出した千切りキャベツの表面に付着している有機物の量が、該千切りキャベツ50gを清水500mLで浸漬洗浄することにより得られる洗浄水のCODとして40ppm以下であることを特徴とする容器詰め千切りキャベツ。
  2. 前記洗浄水のCODが20ppm以下である請求項1記載の容器詰め千切りキャベツ。
  3. 殺菌処理された千切りキャベツが包装容器に詰められた請求項1又は2記載の容器詰め千切りキャベツの製造方法であって、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施した原料キャベツを得る工程、及び/又は千切りカットするときにキャベツの切断部に水を注ぎながらカットするカット処理工程を少なくとも有することを特徴とする容器詰め千切りキャベツの製造方法。
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