JP6919007B2 - 手術台に対して位置合わせをするシステム及び方法 - Google Patents

手術台に対して位置合わせをするシステム及び方法 Download PDF

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Description

関連出願
本開示は、2014年10月27日に出願された、”System and Method for Integrated Operating Table”という標題の米国仮特許出願第62/069,245号、及び2015年3月17日に出願された、”System and Method for Registering to a Surgical Table”という標題の米国仮特許出願第62/134,296号について優先権を主張するものであり、これら両文献は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、概して、関節式アームを有する装置の操作に関し、より具体的には、関節式アームを有する装置と一体型手術台との間の位置合せを決定することに関する。
益々多くの装置が、自律的な及び半自律的な電子装置に置き換えられている。これは、自律的な及び半自律的な電子装置の大型アレイが、手術室、介入処置室、集中治療室、救急処置室等で見受けられるような、今日の病院に特に当てはまる。例えば、ガラス体温計や水銀体温計が、電子体温計に置き換えられ、点滴ラインには、現在、電子監視装置や流れ調整器が含まれ、従来のハンドヘルド式手術用器具は、コンピュータ支援医療装置に置き換えられている。益々多くの自律的な及び半自律的な装置が使用されるにつれて、2つ以上の装置が協働して共通の目標を達成する機会が拡がる。
例えば、1つ又は複数の関節式アームを有するコンピュータ支援手術装置を用いて、手術台の上部を動かすことができる関節式構造を有する手術台上に位置する患者に対して処置を行う際の、手術室又は介入処置室でのシナリオについて検討する。外科医及び/又は手術室の他のスタッフが、手術台を用いて患者を再調整及び/又は移動させたい場合に、この移動は、コンピュータ支援手術装置の関節式アームに対して生じる。患者への損傷、コンピュータ支援装置への損害、及び/又は手術台への損害を回避するために、コンピュータ支援手術装置が手術台の動きを検出し、それに応じて関節式アームを調整することが望ましい。これを効果的に行うために、大抵の場合、手術台とコンピュータ支援手術装置との間の幾何学的及び/又は運動学的関係を知ることは有用である。この問題に対する1つの解決策は、手術室のスタッフに位置及び向きを手動で入力させることである。実際には、これは面倒で、実際的ではなく、及び/又はエラーを起こしやすい手順となり得る。他の解決策は、コンピュータ支援手術装置を手術台にボルト止めすることによって、及び/又はコンピュータ支援手術装置と手術台との間の関節式構造を用いること等によって、コンピュータ支援手術装置を手術台に対して既知の位置及び向きに配置することを含み、関節式構造は、コンピュータ支援手術装置及び手術台の位置及び向きを決定するために使用することができる。これらの両方のアプローチは、コンピュータ支援手術装置の可能な位置及び向きを不当に制限し、様々なサイズの患者に及び/又は異なるタイプの処置に対してコンピュータ支援手術装置を効果的に使用することを困難にし得る。加えて、これらのアプローチは、コンピュータ支援手術装置及び/又は手術台を移動させたときに、行わなければならない追加のステップを導入し得る。
従って、コンピュータ支援手術装置及び手術台の位置及び向き(すなわち、位置合せ)を決定する改良されたシステム及び方法を有することは、有益となるだろう。
いくつかの実施形態と一致して、コンピュータ支援医療装置は、関節式アームと、この関節式アームに結合される制御ユニットとを含む。関節式アームは、身体開口部で患者の体内に挿入されるように構成された先端側取付け器具を有する。制御ユニットは、通信接続部を介して制御ユニットに結合された手術台の第1の動作を検出するように構成される。手術台の第1の動作は、関節式アームの制御点の対応する第2の動作を生じさせる。制御ユニットは、手術台の座標フレームにおける第1の動作の第1の角度方向を決定し、コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける第2の動作の第2の角度方向を決定し、及び第1の角度方向及び第2の角度方向に基づいて、手術台とコンピュータ支援医療装置との間の第3の角度関係を決定する、ようにさらに構成される。
いくつかの実施形態によれば、制御ユニットは、手術台の第3の動作を検出するようにさらに構成される。手術台の第3の動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含む。手術台の第3の動作は、制御点の対応する第4の動作を生じさせる。制御ユニットは、手術台の第5の動作を検出するようにさらに構成される。手術台の第5の動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含む。手術台の第5の動作は、制御点の対応する第6の動作を生じさせる。第2の軸線は、第1の軸線とは異なる。制御ユニットは、第1の回転及び制御点の第4の動作に基づいて、制御点と第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定し、第2の回転及び制御点の第6の動作に基づいて、制御点と第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定し、制御点の位置と第1及び第2の垂直距離とに基づいて、装置と手術台との間のXY位置合せを決定する、ようにさらに構成される。
いくつかの実施形態と一致して、手術台及びコンピュータ支援医療装置を位置合わせする方法は、手術台の第1の動作を検出するステップを含む。第1の動作は、コンピュータ支援医療装置の関節式アームの制御点の対応する第2の動作を生じさせる。コンピュータ支援医療装置は、通信接続部を介して手術台に結合される。この方法は、手術台の座標フレームにおける第1の動作の第1の角度方向を決定するステップと、コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける第2の動作の第2の角度方向を決定するステップと、第1及び第2の角度方向に基づいて、手術台とコンピュータ支援医療装置との間の第3の角度関係を決定するステップと、をさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、手術台の第3の動作を検出するステップをさらに含む。手術台の第3の動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含む。手術台の第3の動作は、制御点の対応する第4の動作を生じさせる。この方法は、手術台の第5の動作を検出するステップをさらに含む。手術台の第5の動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含む。手術台の第5の動作は、制御点の対応する第6の動作を生じさせる。第2の軸線は、第1の軸線とは異なる。この方法は、第1の回転及び制御点の第4の動作に基づいて、制御点と第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定するステップと、第2の回転及び制御点の第6の動作に基づいて、制御点と第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定するステップと、制御点の位置と第1及び第2の垂直距離とに基づいて、装置と手術台との間のXY位置合せを決定するステップと、をさらに含む。
いくつかの実施形態と一致して、非一時的な機械可読媒体は、複数の機械可読命令を含み、この命令がコンピュータ支援医療装置に関連する1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、以下の段階を実行させる。この段階は、手術台の第1の動作を検出することを含む。第1の動作は、コンピュータ支援医療装置の関節式アームの制御点の対応する第2の動作を生じさせる。コンピュータ支援医療装置は、通信接続部を介して手術台に結合される。この段階は、手術台の座標フレームにおける第1の動作の第1の角度方向を決定することと、コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける第2の動作の第2の角度方向を決定することと、第1及び第2の角度方向に基づいて、手術台とコンピュータ支援医療装置との間の第3の角度関係を決定することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、この段階は、手術台の第3の動作を検出することをさらに含む。手術台の第3の動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含む。手術台の第3の動作は、制御点の対応する第4の動作を生じさせる。この段階は、手術台の第5の動作を検出することをさらに含む。手術台の第5の動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含む。手術台の第5の動作は、制御点の対応する第6の動作を生じさせる。第2の軸線は、第1の軸線とは異なる。この段階は、第1の回転及び制御点の第4の動作に基づいて、制御点と第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定することと、第2の回転及び制御点の第6の動作に基づいて、制御点と第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定することと、制御点の位置と第1及び第2の垂直距離とに基づいて、装置と手術台との間のXY位置合せを決定することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態によるコンピュータ支援システムの簡略図である。 いくつかの実施形態によるコンピュータ支援システムを示す簡略図である。 いくつかの実施形態によるコンピュータ支援医療システムの運動学的モデルの簡略図である。 いくつかの実施形態による、手術台とコンピュータ支援装置との間の関係の簡略図である。 いくつかの実施形態による、手術台とコンピュータ支援装置との間の関係の簡略図である。 いくつかの実施形態による、手術台をコンピュータ支援装置とθZ位置合わせする方法の簡略図である。 いくつかの実施形態による、装置ベースの座標フレームとテーブルベースの座標フレームとの間の関係の簡略図である。 いくつかの実施形態による、手術台をコンピュータ支援装置とXY位置合わせする方法の簡略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。 本明細書に記載の統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。
図面において、同一の記号表示を有する要素は、同一又は同様の機能を有する。
以下の詳細な説明では、本開示に一致するいくつかの実施形態を説明する具体的な詳細について記載する。しかしながら、いくつかの実施形態は、これらの特定の詳細の一部又は全てを用いずに実施できることは、当業者には明らかであろう。本明細書に開示された特定の実施形態は、例示することを意図しており、限定するものではない。当業者は、ここでは特に説明しない、本開示の範囲及び精神の範囲内にある他の要素を実現し得る。また、不必要な繰返しを避けるために、一実施形態に関連して図示し且つ説明した1つ又は複数の特徴は、他に特に明記しない限り或いは1つ又は複数の特徴が実施形態を機能しないものにしない限り、他の実施形態に組み込むことができる。用語「〜を含む、有する(including)」は、目的語となるものを含むが、その含むもの自体に限定されるものではないことを意味し、含まれる1つ又は複数の個々のアイテムのそれぞれは、特に断りのない限り、オプションであるとみなすべきである。同様に、用語「〜してもよい、〜ことができる、〜する可能性がある(し得る)(may)」は、アイテムがオプションであることを示す。
図1は、いくつかの実施形態によるコンピュータ支援システム100の簡略図である。図1に示されるように、コンピュータ支援システム100は、1つ又は複数の可動式又は関節式アーム120を有する装置110を含む。1つ又は複数の関節式アーム120のそれぞれは、1つ又は複数のエンドエフェクタを支持する。いくつかの例では、装置110は、コンピュータ支援手術用装置と一致してもよい。1つ又は複数の関節式アーム120は、それぞれ、関節式アーム120のうちの少なくとも1つの先端部に取り付けられた1つ又は複数の器具、手術用器具、撮像装置等の支持を提供する。装置110をオペレータワークステーション(図示せず)にさらに結合してもよく、このワークステーションは、装置110、1つ又は複数の関節式アーム120、及び/又はエンドエフェクタを動作させるための1つ又は複数のマスター制御部を含むことができる。いくつかの実施形態では、装置110及びオペレータワークステーションは、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical, Inc.によって市販されているda Vinci(登録商標)手術システムに対応してもよい。いくつかの実施形態では、オプションで、他の構成、より少ない又はより多い関節式アーム等を含むコンピュータ支援手術用装置を、コンピュータ支援システム100と共に使用してもよい。
装置110は、インターフェイスを介して制御ユニット130に結合される。インターフェイスは、1つ又は複数の無線リンク、ケーブル、コネクタ、及び/又はバスを含んでもよく、且つ1つ又は複数のネットワーク・スイッチング及び/又はルーティング装置を含む1つ又は複数のネットワークをさらに含んでもよい。制御ユニット130は、メモリ150に結合されたプロセッサ140を含む。制御ユニット130の動作は、プロセッサ140によって制御される。1つのみのプロセッサ140を含む制御ユニット130が示されているが、プロセッサ140は、制御ユニット130内の1つ又は複数の中央処理装置、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよいことが理解される。制御ユニット130は、コンピュータ装置に追加されたスタンドアロン型のサブシステム及び/又はボード、或いは仮想マシンとして実現してもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、オペレータワークステーションの一部として含まれてもよく、及び/又はオペレータワークステーションとは別個に動作してもよいが、オペレータワークステーションと協調して動作することができる。
メモリ150は、制御ユニット130によって実行されるソフトウェア及び/又は制御ユニット130の動作中に使用される1つ又は複数のデータ構造を格納するために使用される。メモリ150は、1つ又は複数のタイプの機械可読媒体を含んでもよい。機械可読媒体のいくつかの一般的な形態は、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD−ROM、他の光媒体、パンチカード、紙テープ、ホール(holes)パターンを含む他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、他のメモリチップ又はカートリッジ、及び/又はプロセッサ又はコンピュータが読み取るように適合された他の媒体を含むことができる。
図示されるように、メモリ150は、装置110の自律的な及び/又は半自律的な制御をサポートする動作制御アプリケーション160を含む。動作制御アプリケーション160は、装置110から位置、動作、及び/又は他のセンサ情報を受信し、位置、動作、及び/又は衝突回避情報を手術台及び/又は撮像装置等の他の装置に関する他の制御ユニットと交換し、及び/又は、装置110、装置110の関節式アーム120及び/又はエンドエフェクタ125の動作を計画し及び/又はこの計画を支援するための1つ又は複数のアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を含むことができる。動作制御アプリケーション160が、ソフトウエア・アプリケーションとして示されているが、動作制御アプリケーション160は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアとの組合せを用いて実現してもよい。
いくつかの実施形態では、コンピュータ支援システム100は、手術室及び/又は介入処置室内に見出すことができる。コンピュータ支援システム100は、2つの関節式アーム120を有する1つの装置110のみを含むが、当業者であれば、コンピュータ支援システム100は、装置100と同様の及び/又は装置100とは異なる関節式アーム及び/又はエンドエフェクタを有する任意数の装置を含むことができることを理解するだろう。いくつかの例では、各装置は、これより少ない又はより多い関節式アーム及び/又はエンドエフェクタを含んでもよい。
コンピュータ支援システム100は、手術台170をさらに含む。1つ又は複数の関節式アーム120と同様に、手術台170は、手術台170のベースに対するテーブル面(table top)180の関節運動をサポートする。いくつかの例では、テーブル面180の関節運動は、テーブル面180の高さ、傾斜、スライド、トレンデレンブルグ(Trendelenburg)向き等を変更するためのサポートを含むことができる。図示されていないが、手術台170は、テーブル面180の位置及び/又は向きを制御する手術台命令ユニット等の1つ又は複数の制御入力部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、手術台170は、ドイツのTrumpf Medical Systems GmbHによって市販されている1つ又は複数の手術台に対応してもよい。
手術台170は、対応するインターフェイスを介して制御ユニット130にも結合される。インターフェイスは、1つ又は複数の無線リンク、ケーブル、コネクタ、及び/又はバスを含んでもよく、且つ1つ又は複数のネットワーク・スイッチング及び/又はルーティング装置を含む1つ又は複数のネットワークをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、手術台170は、制御ユニット130とは異なる制御ユニットに結合してもよい。いくつかの例では、動作制御アプリケーション160は、手術台170及び/又はテーブル面180に関連する位置、動作、及び/又は他のセンサ情報を受信するための1つ又は複数のアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を含むことができる。いくつかの例では、動作制御アプリケーション160は、手術台170及び/又はテーブル面180の動きを計画し及び/又はこの計画を支援することができる。いくつかの例では、動作制御アプリケーション160は、衝突回避に関連する動作計画に関与することができ、関節及びリンクの可動域の制限、関節式アーム、器具、エンドエフェクタ、手術台構成要素の運動に適応及び/又は回避して関節式アーム、器具、エンドエフェクタ、手術台構成要素等の他の動作を補償し、内視鏡等の表示装置を調整して関心領域及び/又は1つ又は複数の器具又はエンドエフェクタを表示装置の視野内に維持及び/又は配置する。いくつかの例では、動作制御アプリケーション160は、手術台命令ユニットの使用によって手術台170及び/又はテーブル面180の動きを阻止する等して、手術台170及び/又はテーブル面180の動作を阻止することができる。いくつかの例では、動作制御アプリケーション160は、装置110と手術台170との間の幾何学的関係が分かるように、装置110を手術台170に位置合わせするのを補助することができる。いくつかの例では、幾何学的関係は、装置110及び手術台170に対して維持される座標フレーム(coordinate frame)同士間の並進及び/又は1つ又は複数の回転を含むことができる。
図2は、いくつかの実施形態によるコンピュータ支援システム200を示す簡略図である。例えば、コンピュータ支援システム200は、コンピュータ支援システム100と一致してもよい。図2に示されるように、コンピュータ支援システム200は、1つ又は複数の関節式アームを有するコンピュータ支援装置210と手術台280とを含む。図2には示されていないが、コンピュータ支援装置210及び手術台280は、1つ又は複数のインターフェイス及び1つ又は複数の制御ユニットを用いて一緒に結合され、それによって手術台280に関する少なくとも運動学的情報を、動作制御アプリケーションが知り、その情報を使用して、コンピュータ支援装置210の関節式アームの動作を実行する。
コンピュータ支援装置210は、様々なリンク及び関節を含む。図2の実施形態では、コンピュータ支援装置は、一般的に、3つの異なるセットのリンク及び関節に分割される。基端部側の移動カート215又は患者側カート215で始まるのは、セットアップ構造220である。セットアップ構造の先端部には、関節式アームを形成する一連のリンク及びセットアップ関節240が結合される。マルチ関節式マニピュレータ260が、セットアップ関節240の先端部に結合される。いくつかの例では、一連のセットアップ関節240及びマニピュレータ260は、関節式アーム120のうちの1つに対応することができる。1つの一連のセットアップ関節240及び対応するマニピュレータ260のみを有するコンピュータ支援装置が示されているが、当業者は、コンピュータ支援装置が、複数の一連のセットアップ関節240及び対応するマニピュレータ260を含むことができ、コンピュータ支援装置に複数の関節式アームが装備されることを理解するであろう。
図示されるように、コンピュータ支援装置210は、移動カート215に取り付けられる。移動カート215によって、コンピュータ支援装置を手術台280に近接してより良く位置付けするために、コンピュータ支援装置210を手術室同士の間で又は手術室内等のある位置から別の位置へ移すことを可能にする。セットアップ構造220は、移動カート215に取り付けられる。図2に示されるように、セットアップ構造220は、カラム(column)リンク221及び222を含む2つの部分から構成されるカラムを含む。カラムリンク222の上端又は先端部には、肩関節223が結合される。肩関節223には、ブームリンク224及び225を含む2つの部分から構成されるブームが結合される。ブームリンク225の先端部には、手首関節226があり、この手首関節226には、アーム取付けプラットフォーム227が結合される。
セットアップ構造220のリンク及び関節は、アーム取付けプラットフォーム227の位置及び向き(すなわち、姿勢)を変更するための様々な自由度を含む。例えば、2つの部分から構成されるカラムは、肩関節223を軸線232に沿って上下に動かすことにより、アーム取付けプラットフォーム227の高さを調整するために使用される。アーム取付けプラットフォーム227は、肩関節223を用いて移動カート215、2つの部分から構成されるカラム、及び軸線232の周りでさらに回転される。アーム取付けプラットフォーム227の水平位置は、2つの部分から構成されるブームを用いて軸線234に沿って調整される。また、アーム取付けプラットフォーム227の向きは、手首関節226を用いてアーム取付けプラットフォームの向き軸線236の周りに回転させることによって調整してもよい。こうして、セットアップ構造220内のリンク及び関節の動作制限に応じて、アーム取付けプラットフォーム227の位置は、2つの部分から構成されるカラムを用いて、移動カート215の上で垂直方向に調整することができる。アーム取付けプラットフォーム227の位置は、2つの部分から構成されるブーム及び肩関節223をそれぞれ用いて、移動カート215の周りに半径方向及び角度方向に調整することもできる。また、アーム取付けプラットフォーム227の角度姿勢は、手首関節226を用いて変更することもできる。
アーム取付けプラットフォーム227は、1つ又は複数の関節式アームの取付け点として使用される。アーム取付けプラットフォーム227の移動カート215の周りでの高さ、水平位置、及び向きを調整する能力は、手術又は処置が行われる、移動カート215の近くに位置する作業スペースの周りに1つ又は複数の関節式アームを位置付け及び向き合せするためのフレキシブルなセットアップ構造を提供する。例えば、様々な関節式アーム及びこれらの対応するマニピュレータ及び器具が外科的処置を患者に行うのに十分な可動域を有するように、アーム取付けプラットフォーム227を患者の上に位置付けすることができる。図2は、第1のセットアップ関節242を用いてアーム取付けプラットフォーム227に結合された単一の関節式アームを示す。1つの関節式アームのみが示されているが、当業者であれば、追加の第1のセットアップ関節を用いて、複数の関節式アームをアーム取付けプラットフォームに結合してもよいことを理解するだろう。
第1のセットアップ関節242は、関節式アームのセットアップ関節240のセクションの最も基端側部分を形成する。セットアップ関節240は、一連の関節及びリンクをさらに含むことができる。図2に示されるように、セットアップ関節240は、1つ又は複数の関節(明示的には図示せず)を介して結合された少なくともリンク244及び246を含む。セットアップ関節240の関節及びリンクは、第1のセットアップ関節242を用いて、アーム取付けプラットフォーム227に対してセットアップ関節240を軸線252の周りに回転させ、第1のセットアップ関節242とリンク246との間の半径方向及び水平方向の距離を調整し、リンク246の先端部におけるアーム取付けプラットフォーム227に対するマニピュレータ取付け部262の高さを軸線254に沿って調整し、マニピュレータ取付け部262を軸線254の周りに回転させる能力を含む。いくつかの例では、セットアップ関節240は、アーム取付けプラットフォーム227に対するマニピュレータ取付け部262の姿勢を変更するために、追加の自由度を可能にする追加の関節、リンク、及び軸をさらに含むことができる。
マニピュレータ260は、マニピュレータ取付け部262を介してセットアップ関節240の先端部に結合される。マニピュレータ260は、マニピュレータ260の先端部に取り付けられた器具キャリッジ268を有する追加の関節264及びリンク266を含む。器具270が、器具キャリッジ268に取り付けられる。器具270は、挿入軸線に沿って整列されたシャフト272を含む。シャフト272は、典型的には、マニピュレータ260に関連する遠隔の運動中心274を通過するように整列される。遠隔の運動中心274の位置は、典型的には、マニピュレータ取付け部262に対して固定された並進関係に維持され、マニピュレータ260内の関節264の動作は、遠隔の運動中心274の周りでシャフト272の回転を生じさせる。実施形態に応じて、マニピュレータ取付け部262に対する遠隔の運動中心274の固定された並進関係は、マニピュレータ260の関節264及びリンク266の物理的な制約を用いて、関節264に許容される動作に行われるソフトウェア制約、及び/又はこれら両方の組合せを用いて、維持される。関節及びリンクの物理的な制約を用いて維持された遠隔の運動中心を使用するコンピュータ支援手術装置の代表的な実施形態は、2013年5月13日に出願された、”Redundant Axis and Degree of Freedom for Hardware-Constrained Remote Center Robotic Manipulator”という標題の米国特許出願第13/906,888号に記載されており、及びソフトウェア制約によって維持された遠隔の運動中心を使用するコンピュータ支援手術装置の代表的な実施形態は、2005年5月19日に出願された、”Software Center and Highly Configurable Robotic Systems for Surgery and Other Uses”という標題の米国特許第8,004,229号に記載されており、これらの明細書はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの例では、遠隔の運動中心274は、シャフト272が患者278の体内に挿入される、患者278の切開部位又は身体オリフィス等の身体開口部の位置に対応してもよい。遠位の運動中心274が身体開口部に対応しているので、器具270が使用されるとき、遠隔の運動中心274は患者278に対して静止したままであり、遠隔の運動中心274での患者278の解剖学的構造へのストレスを制限する。いくつかの例では、シャフト272は、オプションで、身体開口部に位置するカニューレ(図示せず)を通過してもよい。いくつかの例では、比較的大きなシャフト又はガイドチューブの外径(例えば、4〜5mm以上)を有する器具は、カニューレを用いて身体開口部を通過させてもよいが、カニューレは、オプションで、比較的小さなシャフト及びガイドチューブの外径(例えば、2〜3mm以下)を有する器具では省略してもよい。
シャフト272の先端部には、エンドエフェクタ276がある。関節264及びリンク266によるマニピュレータ260の自由度によって、マニピュレータ取付け部262に対するシャフト272及び/又はエンドエフェクタ276の少なくともロール、ピッチ、及びヨーの制御を可能にする。いくつかの例では、マニピュレータ260の自由度は、器具キャリッジ268を用いてシャフト272を前進及び/又は後退させる能力をさらに含むことができ、それによってエンドエフェクタ276を、挿入軸線に沿って且つ遠隔の運動中心274に対して前進及び/又は後退させることができる。いくつかの例では、マニピュレータ260は、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical, Inc.によって市販されているda Vinci(登録商標)手術システムと共に使用するためのマニピュレータと一致してもよい。いくつかの例では、器具270は、内視鏡等の撮像装置、把持器、焼灼器具又は手術用メス等の手術用器具であってもよい。いくつかの例では、エンドエフェクタ276は、ロール、ピッチ、ヨー、把持等の追加の自由度を含むことができ、この追加の自由度によって、シャフト272の先端部に対するエンドエフェクタ276の部分の更なる局所的な操作を可能にする。
手術又は他の医療処置中に、患者278は、通常、手術台280上に配置される。手術台280は、テーブルベース282及びテーブル面284を含み、テーブルベース282が移動カート215に近接して位置する状態で、器具270及び/又はエンドエフェクタ276がコンピュータ支援装置210によって操作される一方、器具270のシャフト272が身体開口部で患者278の体内に挿入される。手術台280は、テーブルベース282とテーブル面284との間に1つ又は複数の関節又はリンクを含む関節式構造290をさらに含み、それによってテーブルベース282に対するテーブル面284、つまり患者278の相対位置が制御される。いくつかの例では、関節式構造290は、テーブル面284が、テーブル面284の上の点に位置し得る仮想的に規定されるテーブル動作のアイソセンタ286に対して制御されるように構成してもよい。いくつかの例では、アイソセンタ286は、患者278の内部に位置してもよい。いくつかの例では、アイソセンタ286は、遠隔の運動中心274に対応する身体開口部位等の身体開口部のうちの1つで又はこの近くで、患者の身体壁と共に配置してもよい。
図2に示されるように、関節式構造290は、テーブル面284がテーブルベース282に対して上昇及び/又は下降できるように高さ調整関節292を含む。関節式構造290は、アイソセンタ286に対するテーブル面284の傾斜294とトレンデレンブルグ(Trendelenburg)姿勢296との両方を変更させる関節及びリンクをさらに含む。傾斜294によって、テーブル面284が左右に傾いて、患者278の右側又は左側のいずれかが、患者278の他方の側に対して上方に回転する(すなわち、テーブル面284の長手方向又は頭部からつま先(頭蓋から尾骨)の軸線の周りに回転する)。トレンデレンブルグ296によって、患者278の足を持ち上げる(トレンデレンブルグ)か、又は患者278の頭部を持ち上げる(逆トレンデレンブルグ)ようにテーブル面284を回転させる。いくつかの例では、傾斜294及び/又はトレンデレンブルグ回転296のいずれかを調整して、アイソセンタ286の周りの回転を生じさせることができる。関節式構造290は、図2に示されるような概ね左及び/又は右の動作でテーブルベース282に対してテーブル面284を長手方向(頭蓋から尾骨)の軸線に沿って摺動させる追加のリンク及び関節298をさらに含む。
図8A〜図8Gは、本明細書に記載される統合型コンピュータ支援装置及び可動式手術台の特徴を組み込んだ様々なコンピュータ支援装置システムアーキテクチャを示す簡略化された概略図である。様々な図示されるシステム構成要素は、本明細書に記載される原理に従う。これらの図では、明瞭化のために構成要素が簡略化されており、個々のリンク、関節、マニピュレータ、器具、エンドエフェクタ等の様々な詳細が示されていないが、これら様々な詳細は、図示された様々な構成要素に組み込まれていると理解すべきである。
これらのアーキテクチャでは、1つ又は複数の手術用器具又は器具のクラスタに関連するカニューレは示されていないが、カニューレ及び他の器具ガイド装置は、比較的大きなシャフト又はガイドチューブの外径(例えば、4〜5mm以上)を有する器具又は器具クラスタに使用することができるが、オプションとして、比較的小さいシャフト又はガイドチューブの外径(例えば、2〜3mm以下)を有する器具では省略してもよい。
これらのアーキテクチャにおいても、遠隔操作可能なマニピュレータは、手術中に、ハードウェア制約(例えば、交差して固定した器具のピッチ、ヨー、及びロールの軸線)又はソフトウェア制約(例えば、ソフトウェアによって制約された交差する器具のピッチ、ヨー、及びロール軸線)を用いて遠隔の運動中心を規定するマニピュレータを含むと理解すべきである。そのような器具の回転軸線のハイブリッド(例えば、ハードウェア制約によるロール軸線及びソフトウェア制約によるピッチ及びヨー軸線)を規定することもできる。さらに、いくつかのマニピュレータは、処置中に手術用器具の回転軸線を規定し且つ制約しない場合があり、いくつかのマニピュレータは、処置中に器具の1つ又は2つの回転軸線のみを規定し且つ拘束する場合がある。
図8Aは、可動式手術台110及び単一の器具コンピュータ支援装置1101aを示している。手術台1100は、可動式テーブル面1102と、このテーブル面1102を先端部で支持するために、機械的に接地されたテーブルベース1104から延びるテーブル支持構造1103とを含む。いくつかの例では、手術台1100は、手術台170及び/又は280と一致してもよい。コンピュータ支援装置1101aは、遠隔操作可能なマニピュレータ及び単一の器具アセンブリ1105aを含む。コンピュータ支援装置1101aは、基端側ベース1107aに機械的に接地され、且つマニピュレータ及び器具アセンブリ1105aを先端部で支持するように延びる支持構造1106aも含む。支持構造1106aは、アセンブリ1105aが手術台1100に対して移動し且つ手術台1100に対して様々な固定姿勢で保持されることを可能にするように構成される。ベース1107aは、オプションで、手術台1100に対して恒久的に固定される又は移動可能である。手術台1100及びコンピュータ支援装置1101aは、本明細書に記載されるように一緒に動作する。
図8Aは、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の個々のコンピュータ支援装置を含み得ることを示すオプションの第2のコンピュータ支援装置1101bをさらに示しており、各装置が、対応する支持構造1106bによって支持された対応する個々の遠隔操作可能なマニピュレータ及び単一の器具アセンブリ(複数可)1105bを含む。コンピュータ支援装置1101bは、機械的に接地され、アセンブリ1105bは、コンピュータ支援装置1101aと同様の姿勢を取る。手術台1100及びコンピュータ支援装置1101a及び1101bは、マルチ器具手術システムを一緒に構成し、且つ本明細書に記載されるように一緒に動作する。いくつかの例では、コンピュータ支援装置1101a及び/又は1101bは、コンピュータ支援装置110及び/又は210と一致してもよい。
図8Bに示されるように、別の可動式手術台1100及びコンピュータ支援装置1111が示される。コンピュータ支援装置1111は、代表的なマニピュレータ及び器具アセンブリ1105a及び1105bによって示されるように、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の個々の遠隔操作可能なマニピュレータ及び単一の器具アセンブリを含むマルチ器具装置である。コンピュータ支援装置1111のアセンブリ1105a及び1105bは、アセンブリ1105a及び1105bが手術台1100に対してアセンブリ1105a及び1105bをグループとして一緒に移動させ且つ姿勢を取らせることを可能にする組合せ支持構造1112によって支持される。コンピュータ支援装置1111のアセンブリ1105a及び1105bは、対応する個々の支持構造1113a及び1113bによってそれぞれ支持されており、これら支持構造によって、各アセンブリ1105a及び1105bが、手術台1100に対して及び1つ又は複数の他のアセンブリ1105a及び1105bに対して個別に移動され且つ姿勢を取ることを可能にする。このようなマルチ器具手術システムアーキテクチャの例は、Intuitive Surgical, Inc.によって市販されているda Vinci Si(登録商標)手術システム及びda Vinci Xi(登録商標)手術システムである。手術台1100及び例示的なコンピュータ支援装置1111を含む手術マニピュレータシステムは、本明細書に記載されるように一緒に動作する。いくつかの例では、コンピュータ支援装置1111は、コンピュータ支援装置110及び/又は210と一致する。
図8A及び図8Bのコンピュータ支援装置は、それぞれ、床に機械的に接地された状態で示されている。しかし、1つ又は複数のこのようなコンピュータ支援装置は、オプションで、壁又は天井に機械的に接地され、そのような壁又は天井の接地部に対して恒久的に固定又は移動可能である。いくつかの例では、コンピュータ支援装置は、コンピュータ支援システムの支持ベースを手術台に対して移動させることが可能なトラック又はグリッドシステムを用いて、壁又は天井に取り付けることができる。いくつかの例では、1つ又は複数の固定又は着脱可能な取付けクランプを用いて、それぞれの支持ベースをトラック又はグリッドシステムに取り付けることができる。図8Cに示されるように、コンピュータ支援装置1121aは、壁に機械的に接地され、コンピュータ支援装置1121bは、天井に機械的に接地される。
さらに、コンピュータ支援装置は、可動式手術台1100を介して間接的に機械的に接地してもよい。図8Dに示されるように、コンピュータ支援装置1131aは、手術台1100のテーブル面1102に結合される。コンピュータ支援装置1131aは、図8Dに示される破線の構造によって表されるように、オプションで、テーブル支持構造1103又はテーブルベース1104等の手術台1100の他の部分に結合してもよい。テーブル面1102がテーブル支持構造1103又はテーブルベース1104に対して移動すると、コンピュータ支援装置1131aも同様にテーブル支持構造1103又はテーブルベース1104に対して移動する。しかしながら、コンピュータ支援装置1131aがテーブル支持構造1103又はテーブルベース1104に結合される場合に、コンピュータ支援装置1131aのベースは、テーブル面1102が移動する際に、地面に対して固定したままである。テーブルの動作が発生すると、患者の身体が動いてテーブル面1102に対する身体開口部の位置を変化させるため、器具が患者の体内に挿入される身体開口部も同様に動き得る。従って、コンピュータ支援装置1131aがテーブル面1102に結合される実施形態について、テーブル面1102は、局所的な機械的接地として機能し、身体開口部は、テーブル面1102に対して移動し、それによって、コンピュータ支援装置1131aに対して同様に移動する。図8Dは、第2のコンピュータ支援装置1131bがオプションで追加され、コンピュータ支援装置1131aと同様に構成され、マルチ器具システムを形成することも示す。手術台に結合された1つ又は複数のコンピュータ支援装置を含むシステムは、本明細書に開示されるように動作する。
いくつかの実施形態では、同じ又はハイブリッドの機械的接地部を含むコンピュータ支援装置の他の組合せも可能である。例えば、システムは、床に機械的に接地された1つのコンピュータ支援装置と、手術台を介して床に機械的に接地された第2のコンピュータ支援装置とを含むことができる。このようなハイブリッドの機械的接地システムは、本明細書で開示されるように動作する。
本発明の態様は、2つ以上の手術用器具が単一の身体開口部を介して身体に入る単一の身体開口システムを含む。このようなシステムの例は、2010年8月12日に出願された、”Surgical System Instrument Mounting”という標題の米国特許第8,852,208号、及び2007年6月13日に出願された、”Minimally Invasive Surgical System”という標題の米国特許第9,060,678号に示されており、これら両文献は参照により組み込まれる。図8Eは、上述したような手術台1100と一緒の遠隔操作可能なマルチ器具コンピュータ支援装置1141を示す。2つ以上の器具1142が、それぞれ対応するマニピュレータ1143に結合され、器具1142のクラスタ及び器具マニピュレータ1143がシステムマニピュレータ1144によって一緒に移動される。システムマニピュレータ1144は、システムマニピュレータ1144を移動させ様々な姿勢に固定することが可能な支持アセンブリ1145によって支持される。支持アセンブリ1145は、上記の説明と一致するベース1146に機械的に接地される。2つ以上の器具1142は、単一の身体開口部で患者の体内に挿入される。オプションで、器具1142は、単一のガイドチューブを通って一緒に延びており、このガイドチューブは、上記で引用した参考文献に記載されているように、カニューレを通って延びる。コンピュータ支援装置1141及び手術台1100は、本明細書に記載されるように一緒に動作する。
図8Fは、オプションで、テーブル面1102、テーブル支持構造1103、又はテーブルベース1104に結合されることによって、手術台1100を介して機械的に接地された別のマルチ器具の単一の身体開口コンピュータ支援装置1151を示す。図8Dを参照して上述した説明は、図8Fに示される機械的な接地オプションにも適用される。コンピュータ支援装置1151及び手術台1100は、本明細書に記載されるように一緒に動作する。
図8Gは、1つ又は複数の遠隔操作可能なマルチ器具、単一の身体開口コンピュータ支援装置1161、及び1つ又は複数の遠隔操作可能な単一の器具コンピュータ支援装置1162を組み合わせて、本明細書に記載されるように手術台1100と一緒に動作させてもよいことを示す。コンピュータ支援装置1161及び1162の各々は、上述したように様々な方法で、直接的に又は別の構造を介して機械的に接地してもよい。
図3は、いくつかの実施形態によるコンピュータ支援医療システムの運動学的モデル300の簡略図である。図3に示されるように、運動学的モデル300は、多くのソース及び/又は装置に関連する運動学的情報を含むことができる。運動学的情報は、コンピュータ支援医療装置及び手術台のリンク及び関節についての既知の運動学的モデルに基づくものである。運動学的情報は、コンピュータ支援医療装置及び手術台の関節の位置及び/又は向きに関連する情報にさらに基づくものである。いくつかの例では、関節の位置及び/又は向きに関連する情報は、直動関節(prismatic joints)の直線位置及びレボリュート関節(revolute joint)の回転位置を測定するエンコーダ等の1つ又は複数のセンサから導出することができる。
運動学的モデル300は、いくつかの座標フレーム又は座標系、及び1つの座標フレームから別の座標フレームに位置及び/又は向きを変換するための同次変換(homogeneous transforms)等の変換を含む。いくつかの例では、図3に含まれる変換リンケージによって示される順方向及び/又は逆方向/反対方向の変換を合成することによって、1つの座標フレームの位置及び/又は向きを他の座標フレームに順方向マッピング及び/又は逆方向マッピングを可能にするために、運動学的モデル300を使用することができる。いくつかの例では、変換が行列形式の同次変換としてモデル化される場合に、合成は、行列乗算を用いて達成される。いくつかの実施形態では、図2のコンピュータ支援装置210と手術台280との運動学的関係をモデル化するために、運動学的モデル300を使用することができる。
運動学的モデル300は、手術台170及び/又は手術台280等の手術台の位置及び/又は向きをモデル化するために使用されるテーブルベースの座標フレーム305を含む。いくつかの例では、テーブルベースの座標フレーム305を用いて、手術台に関連する基準点及び/又は向きに対する手術台上の他の点をモデル化することができる。いくつかの例では、基準点及び/又は向きは、テーブルベース282等の手術台のテーブルベースに関連付けてもよい。いくつかの例では、テーブルベースの座標フレーム305は、コンピュータ支援システムのワールド(world)座標フレームとして使用するのに適している。
運動学的モデル300は、テーブル面284等の、手術台のテーブル面を表す座標フレーム内の位置及び/又は向きをモデル化するために使用されるテーブル面の座標フレーム310をさらに含む。いくつかの例では、テーブル面の座標フレーム310は、アイソセンタ286等の、テーブル面の回転中心又はアイソセンタを中心にしてセンタリングしてもよい。いくつかの例では、テーブル面の座標フレーム310のz軸は、手術台が配置される床又は表面に対して垂直方向に及び/又はテーブル面の表面に直交して向き合せしてもよい。いくつかの例では、テーブル面の座標フレーム310のx軸及びy軸は、テーブル面の長手方向(頭からつま先方向)及び横方向(左右方向)の主軸を取り込むように向き合せしてもよい。いくつかの例では、テーブルベース対テーブル面の座標変換315を用いて、テーブル面の座標フレーム310とテーブルベースの座標フレーム305との間の位置及び/又は向きをマッピングする。いくつかの例では、過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、関節式構造290等の、手術台の関節式構造の1つ又は複数の運動学的モデルを用いて、テーブルベース対テーブル面の座標変換315を決定する。図2の実施形態と一致するいくつかの例では、テーブルベース対テーブル面の座標変換315は、手術台に関連する高さ、傾斜、トレンデレンブルグ、及び/又はスライド設定の複合効果をモデル化する。
運動学的モデル300は、コンピュータ支援装置110及び/又はコンピュータ支援装置210等のコンピュータ支援装置の位置及び/又は向きをモデル化するために使用される装置ベースの座標フレームをさらに含む。いくつかの例では、装置ベースの座標フレーム320を用いて、コンピュータ支援装置に関連する基準点及び/又は向きに対して、コンピュータ支援装置上の他の点をモデル化することができる。いくつかの例では、基準点及び/又は向きは、移動カート215等の、コンピュータ支援装置の装置ベースに関連付けてもよい。いくつかの例では、装置ベースの座標フレーム320は、コンピュータ支援システムのワールド座標フレームとして使用するのに適している。
手術台とコンピュータ支援装置との間の位置及び/又は向きの関係を追跡するために、大抵の場合、手術台とコンピュータ支援装置との間の位置合わせを行うことが望ましい。図3に示されるように、この位置合わせを用いて、テーブル面の座標フレーム310と装置ベースの座標フレーム320との間の位置合せ変換325を決定することができる。いくつかの実施形態では、位置合せ変換325は、テーブル面の座標フレーム310と装置ベースの座標フレーム320との間の部分的な又は完全な変換となり得る。位置合せ変換325は、手術台とコンピュータ支援装置との間のアーキテクチャ配置に基づいて決定される。
コンピュータ支援装置がテーブル面1102に取り付けられる図8D及び図8Fの例では、位置合せ変換325が、テーブルベース対テーブル面の座標変換315から決定され、コンピュータ支援装置がテーブル面112のどの箇所に取り付けられる位置を分かっている。
コンピュータ支援装置が床に配置される、或いは壁又は天井に取り付けられる図8A〜図8C、図8E、及び図8Fの例では、位置合せ変換325の決定は、装置ベースの座標フレーム320とテーブルベースの座標フレーム305とにいくつかの制約を与えることによって簡略化される。いくつかの例では、これらの制約は、装置ベースの座標フレーム320とテーブルベースの座標フレーム305との両方が同じ垂直上向き又はz軸上で一致することを含む。手術台が水平な床に配置されると仮定して、部屋の壁(例えば、床に対して垂直)と天井(例えば、床に対して平行)との相対的な向きは既知であり、共通の垂直上向き又はz軸(又は適切な向き変換)が、装置ベースの座標フレーム320とテーブルベースの座標フレーム305との両方又は適切な向き変換について維持されることが可能である。いくつかの例では、共通のz軸のため、位置合せ変換325は、オプションで、テーブルベースの座標フレーム305のz軸の周りの、テーブルベースに対する装置ベースの回転関係(例えば、θZ位置合せ)を単にモデル化することができる。いくつかの例では、位置合せ変換325は、オプションで、テーブルベースの座標フレーム305と装置ベースの座標フレーム320との間の水平オフセット(例えば、XY位置合せ)をモデル化することもできる。これは、コンピュータ支援装置と手術台との間の垂直(z)方向関係が分かっているために可能である。従って、テーブルベース対テーブル面の座標変換315におけるテーブルの高さの変化は、テーブルベースの座標フレーム305及び装置ベースの座標フレーム320の垂直方向軸線が同じ又はほぼ同じであり、テーブルベースの座標フレーム305と装置ベースの座標フレーム320との間の高さの変化が互いの妥当な許容誤差(公差)内にあるため、装置ベースの座標フレーム320の垂直方向調整に類似している。いくつかの例では、テーブルベース対テーブル面の座標変換315における傾斜及びトレンデレンブルグの調整は、テーブル面の高さ(又はそのアイソセンタ)及びθZ及び/又はXY位置合せが分かっているので、装置ベースの座標フレーム320にマッピングすることができる。いくつかの例では、位置合せ変換325及びテーブルベース対テーブル面の座標変換315を用いて、たとえそのコンピュータ支援装置が構造的にそうでない場合でもテーブル面に取り付けられているかのように、コンピュータ支援手術用装置をモデル化することができる。
運動学的モデル300は、コンピュータ支援装置の関節式アーム上の最も基端側の点に関連する共有座標フレームの適切なモデルとして使用されるアーム取付けプラットフォームの座標フレーム330をさらに含む。いくつかの実施形態では、アーム取付けプラットフォームの座標フレーム330は、アーム取付けプラットフォーム227等のアーム取付けプラットフォーム上の好都合な点に関連付けられ且つこの点に対して向き合せされる。いくつかの例では、アーム取付けプラットフォームの座標フレーム330の中心点は、アーム取付けプラットフォームの方向軸線236上に配置され、アーム取付けプラットフォームの座標フレーム330のz軸は、アーム取付けプラットフォームの方向軸線236と整列される。いくつかの例では、装置ベース対アーム取付けプラットフォームの座標変換335を用いて、装置ベースの座標フレーム320とアーム取付けプラットフォームの座標フレーム330との間の位置及び/又は向きをマッピングする。いくつかの例では、過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、装置ベースとセットアップ構造220等のアーム取付けプラットフォームとの間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルを用いて、装置ベース対アーム取付けプラットフォームの座標変換335を決定する。図2の実施形態と一致するいくつかの例では、装置ベース対アーム取付けプラットフォームの座標変換335は、コンピュータ支援装置の2つの部分から構成されるカラム、肩関節、2つの部分から構成されるブーム、及びセットアップ構造部分の手首関節の複合効果をモデル化することができる。
運動学的モデル300は、コンピュータ支援装置の各関節式アームに関連する一連の座標フレーム及び変換をさらに含む。図3に示されるように、運動学的モデル300は、3つの関節式アームについての座標フレーム及び変換を含むが、当業者は、異なるコンピュータ支援装置が、より少ない及び/又はより多い(例えば、1、2、4、5つ、又はそれ以上)関節式アーム含んでもよいことを理解するだろう。図2のコンピュータ支援装置210のリンク及び関節の構成と一致して、関節式アームの各々は、関節式アームの先端部に取り付けられた器具のタイプに依存して、マニピュレータ取付けの座標フレーム、遠隔の運動中心の座標フレーム、及び器具又はカメラの座標フレームを用いてモデル化される。
運動学的モデル300では、関節式アームのうちの第1の関節式アームの運動学的関係が、マニピュレータ取付けの座標フレーム341、遠隔の運動中心の座標フレーム342、器具の座標フレーム343、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータ取付けの変換344、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換345、及び遠隔の運動中心対器具の変換346を用いて、取り込まれる。マニピュレータ取付けの座標フレーム341は、マニピュレータ260等のマニピュレータに関連する位置及び/又は向きを表すのに適したモデルを表す。マニピュレータ取付けの座標フレーム341は、対応する関節式アームのマニピュレータ取付け部262等のマニピュレータ取付け部に関連付けられる。次に、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータ取付けの変換344は、対応するセットアップ関節240の過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、アーム取付けプラットフォームと、対応するセットアップ関節240等の対応するマニピュレータ取付け部との間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。
遠隔の運動中心の座標フレーム342は、対応するマニピュレータ260の対応する遠隔の運動中心274等の、マニピュレータに取り付けられた器具の遠隔の運動中心に関連付けられる。次に、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換345は、対応する関節264の過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、対応するマニピュレータ取付け部と、対応するマニピュレータ260の対応する関節264、対応するリンク266、及び対応するキャリッジ268等の対応する遠隔の運動中心との間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。対応する遠隔の運動中心が、図2の実施形態のように、対応するマニピュレータ取付け部に対して固定した位置関係で維持される場合に、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換345は、マニピュレータ及び器具が操作される際に変化しない本質的に静的な並進要素と、マニピュレータ及び器具が操作される際に変化する動的な回転要素とを含む。
器具の座標フレーム343は、対応するエンドエフェクタ276等の、器具の先端部に位置するエンドエフェクタに関連付けられる。次に、遠隔の運動中心対器具の変換346は、過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、対応する器具、エンドエフェクタ、及び遠隔の運動中心を移動及び/又は向き合せする、コンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。いくつかの例では、遠隔の運動中心対器具の変換346は、対応するシャフト272等のシャフトが遠隔の運動中心を通過する向きと、このシャフトが遠隔の運動中心に対して前進及び/又は後退する距離とを説明する。いくつかの例では、遠隔の運動中心対器具の変換346は、器具のシャフトの挿入軸線が遠隔の運動中心を通過するように制約してもよく、このシャフトによって規定される軸線の周りのシャフト及びエンドエフェクタの回転を説明する。
運動学的モデル300では、関節式アームのうちの第2の関節式アームの運動学的関係が、マニピュレータ取付けの座標フレーム351、遠隔の運動中心の座標フレーム352、器具の座標フレーム353、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータ取付けの変換354、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換355、及び遠隔の運動中心対器具の変換356を用いて、取り込まれる。マニピュレータ取付けの座標フレーム351は、マニピュレータ260等のマニピュレータに関連する位置及び/又は向きを表すのに適したモデルを表す。マニピュレータ取付けの座標フレーム351は、対応する関節式アームのマニピュレータ取付け部262等のマニピュレータ取付け部に関連付けられる。次に、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータ取付けの変換354は、対応するセットアップ関節240の過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、アーム取付けプラットフォームと、対応するセットアップ関節240等の対応するマニピュレータ取付け部との間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。
遠隔の運動中心の座標フレーム352は、対応するマニピュレータ260の対応する遠隔の運動中心274等の、関節式アームに取り付けられたマニピュレータの遠隔の運動中心に関連付けられる。次に、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換355は、対応する関節264の過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、対応するマニピュレータ取付け部と、対応するマニピュレータ260の対応する関節264、対応するリンク266、及び対応するキャリッジ等の対応する遠隔の運動中心との間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。対応する遠隔の運動中心が、図2の実施形態に示されるように、対応するマニピュレータ取付け部に対して固定した位置関係で維持される場合に、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換355は、マニピュレータ及び器具が操作される際に変化しない本質的に静的な並進要素と、マニピュレータ及び器具が操作される際に変化する動的な回転要素とを含む。
器具の座標フレーム353は、対応する器具270及び/又はエンドエフェクタ276等の、器具の先端部に位置するエンドエフェクタに関連付けられる。次に、遠隔の運動中心対器具の変換356は、過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、対応する器具、エンドエフェクタ、及び遠隔の運動中心を移動及び/又は向き合せする、コンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。いくつかの例では、遠隔の運動中心対器具の変換356は、対応するシャフト272等のシャフトが遠隔の運動中心を通過する向きと、このシャフトが遠隔の運動中心に対して前進及び/又は後退する距離とを説明する。いくつかの例では、遠隔の運動中心対器具の変換356は、器具のシャフトの挿入軸線が遠隔の運動中心を通過するように制約してもよく、このシャフトによって規定される挿入軸線の周りのシャフト及びエンドエフェクタの回転を説明する。
運動学的モデル300では、関節式アームのうちの第3の関節式アームの運動学的関係が、マニピュレータ取付けの座標フレーム361、遠隔の運動中心の座標フレーム362、カメラの座標フレーム363、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータ取付けの変換364、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換365、及び遠隔の運動中心対カメラの変換366を用いて、取り込まれる。マニピュレータ取付けの座標フレーム361は、マニピュレータ260等のマニピュレータに関連する位置及び/又は向きを表すのに適したモデルを表す。マニピュレータ取付けの座標フレーム361は、対応する関節式アームのマニピュレータ取付け部262等のマニピュレータ取付け部に関連付けられる。次に、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータ取付けの変換364は、対応するセットアップ関節240の過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、アーム取付けプラットフォームと、対応するセットアップ関節240等の対応するマニピュレータ取付け部との間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。
遠隔の運動中心の座標フレーム362は、対応するマニピュレータ260の対応する遠隔の運動中心274等の、関節式アームに取り付けられたマニピュレータの遠隔の運動中心に関連付けられる。次に、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換365は、対応する関節264の過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、対応するマニピュレータ取付け部と、対応するマニピュレータ260の対応する関節264、対応するリンク266、及び対応するキャリッジ268等の対応する遠隔の運動中心との間のコンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。対応する遠隔の運動中心が、図2の実施形態に示されるように、対応するマニピュレータ取付け部に固定した位置関係で維持される場合に、マニピュレータ取付け対遠隔の運動中心の変換365は、マニピュレータ及び器具が操作される際に変化しない本質的に静的な並進要素と、マニピュレータ及び器具が操作される際に変化する動的な回転要素とを含む。
カメラの座標フレーム363は、関節式アームに取り付けられた内視鏡等の撮像装置に関連付けられる。次に、遠隔の運動中心対カメラの変換366は、過去及び/又は現在の関節センサの読取値と一緒に、撮像装置及び対応する遠隔の運動中心を移動及び/又は向き合せさせる、コンピュータ支援装置のリンク及び関節の1つ又は複数の運動学的モデルに基づくものである。いくつかの例では、遠隔の運動中心対カメラの変換366は、対応するシャフト272等のシャフトが遠隔の運動中心を通過する向きと、このシャフトが遠隔の運動中心に対して前進及び/又は後退する距離とを説明する。いくつかの例では、遠隔の運動中心対カメラの変換366は、撮像装置のシャフトの挿入軸線が遠隔の運動中心を通過するように制約してもよく、このシャフトによって規定される軸線の周りの撮像装置の回転を説明する。
上で議論され、ここでさらに強調するように、図3は、単なる例に過ぎず、特許請求の範囲を過度に制限すべきでない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、及び修正形態を認識するだろう。いくつかの実施形態によれば、手術台とコンピュータ支援装置との間の位置合せは、代替の位置合せ変換を用いてテーブル面の座標フレーム310と装置ベースの座標フレーム320との間で決定してもよい。代替の位置合せ変換が使用される場合に、位置合せ変換325は、テーブルベース対テーブル面の変換315の逆/反対を用いて代替の位置合せ変換を合成することによって決定される。いくつかの実施形態によれば、コンピュータ支援装置をモデル化するために使用される座標フレーム及び/又は変換は、コンピュータ支援装置のリンク及び関節、その関節式アーム、そのエンドエフェクタ、そのマニピュレータ、及び/又はその器具の特定の構成に応じて異なるように構成してもよい。いくつかの実施形態によれば、運動学的モデル300の座標フレーム及び変換を用いて、1つ又は複数の仮想器具及び/又は仮想カメラに関連する座標フレーム及び変換をモデル化することができる。いくつかの例では、仮想器具及び/又はカメラは、以前に格納及び/又はラッチされた器具の位置、動作による器具及び/又はカメラの投影、外科医及び/又は他の従事者等によって規定された基準点等に関連付けられる。
前述したように、コンピュータ支援システム100及び/又は200等のコンピュータ支援システムが動作する際に、手術台170及び/又は280等の手術台の動作が許容される間であって、器具が患者の身体開口部内に挿入される間に、器具及び/又はエンドエフェクタの継続的な制御が可能になることが望ましいだろう。手術台の動作中に外科的処置を積極的に継続することを可能にするシステムの例は、2015年3月17日に出願された、”System and Method for Integrated Surgical Table”という標題の米国仮特許出願第62/134,207号、及び同時に出願された、”System and Method for Integrated Surgical Table”という標題のPCT特許出願(代理人整理番号ISRG006930PCT/70228.498WO01)に示されており、これら両文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの例では、これは、まず、マニピュレータによって制御される手術用器具を患者から取り出して、患者の体内に挿入された状態のカニューレからマニピュレータをドッキング解除することなく、手術台の動作が生じ得るので、時間のかかる処置を少なくすることができる。いくつかの例では、これにより、外科医及び/又は他の医療従事者が、手術台のより最適な姿勢を得るために手術台の動作が生じている間に、器官の移動を監視することができる。いくつかの例では、これは、手術台の動作中に外科的処置を積極的に続けることも可能にする。
いくつかの実施形態によれば、手術台とコンピュータ支援装置との間の位置合せ変換325を知ることは有用であり、それによって、手術台の上部の動きによって生じる患者の動きを、コンピュータ支援装置が知り、その動きがコンピュータ支援装置によって補償される。図4A及び図4Bは、いくつかの実施形態による手術台410とコンピュータ支援装置420との間の関係の簡略図である。いくつかの例では、手術台410は、手術台170及び/又は280と一致してもよく、コンピュータ支援装置は、コンピュータ支援装置110、210、及び/又は図8A〜図8Gのコンピュータ支援装置のいずれかと一致してもよい。図4Aに示されるように、患者430が手術台410上に置かれる。患者430が手術台410に確実に固定されており、遠隔の運動中心274に対応する身体開口部等の患者430の解剖学的構造の1つ又は複数の部分が、手術台410の上部に対して固定されたままであるという想定の下で、手術台410の動きは、患者430の解剖学的構造の1つ又は複数の部分に対応する動きを生じさせる。そして、この想定は、幾分不正確であるが、以下でさらに詳細に説明するように、手術台の座標フレームにおける手術台410の上部の動き及びコンピュータ支援装置の座標フレームにおける患者430の解剖学的構造の動きを監視することによって、手術台410とコンピュータ支援装置420との間の幾何学的関係の近似推定値を決定することを可能にする。
テーブルベースの座標フレーム440(座標軸XT及びYTを用いて代表的に示される)及び装置ベースの座標フレーム450(座標軸XD及びYDを用いて代表的に示される)が、共通の垂直上向き又はz軸を有しており、コンピュータ支援装置のベースの高さが、手術台のベースに対して既知であるという想定で、手術台410とコンピュータ支援装置420との間の幾何学的関係は、手術台410とコンピュータ支援装置420との間の水平方向オフセット及び垂直上向き及びz軸の周りの角度回転を決定するように特徴付けられる。これは、テーブルベースの座標フレーム440及び装置ベースの座標フレーム450がz軸上で一致しており、テーブルベースの座標フレーム440と装置ベースの座標フレーム450との間のz座標値の差が既に分かっているので、可能である。
いくつかの例では、テーブルベースの座標フレーム440は、テーブルベースの座標フレーム350に対応してもよく、及び/又は装置ベースの座標フレーム450は、装置ベースの座標フレーム330に対応してもよい。さらに、テーブルベースの座標フレーム440のXY平面と装置ベースの座標フレーム450のXY平面とが、平行である。こうして、手術台410とコンピュータ支援装置420との間の完全な位置合せは、テーブルベースの座標フレーム440と装置ベースの座標フレーム450との間の水平方向オフセットΔXYと、テーブルベースの座標フレーム440と装置ベースの座標フレーム450との間のz軸周りの回転θZとを決定することを含む。しかしながら、実際には、テーブルベースの座標フレーム440内の並進は、θZを用いて装置ベースの座標フレーム450内の並進にマッピングすることができるので、手術台410とコンピュータ支援装置420との間の相対的な動きを含む操作について、手術台410とコンピュータ支援装置420との間の完全な位置合せは必要とされない場合がある。さらに、テーブルベースの座標フレーム440に対する手術台410の上部の回転は、θZを用いて、装置ベースの座標フレーム450内の回転にマッピングすることができる。こうして、θZを決定する部分的な位置合せは、大抵の場合、殆どの目的について十分である。
図4Bは、テーブルベースの座標フレーム440における手術台410の上部の動きΔT及び装置ベースの座標フレーム450における遠隔の運動中心274等の、コンピュータ支援装置420の制御点の動きΔDを監視することによって、θZがどのように決定されるかを示す。図4Bに示されるように、手術台410の動きとコンピュータ支援装置420の動きとの間の並進運動の差は、これら両方の動きの間の角度差θZに影響を与えないので、除去される。いくつかの例では、動きΔTは、手術台410の傾斜、トレンデレンブルク、及び/又はスライド調整の結果として生じ得る。図4Bが示すように、テーブルベースの座標フレーム440及び装置ベースの座標フレーム450のそれぞれのXY平面におけるΔT及びΔDの相対的な向きが既知であるので、ΔTの大きさ及びΔDの大きさは、重要ではない。図示されるように、手術台410の上部の動きΔTが生じると、テーブルベース対テーブル面の変換315等のテーブルベース対テーブル面の変換を用いて、XT軸に対する動きΔTの角度方向θTを決定する。さらに、図3に示されるようなコンピュータ支援装置420の1つ又は複数の運動学的モデルを用いて、XD軸に対する遠隔の運動中心等の制御点の動きΔDの角度方向θDを決定する。θDとθTとの間の差は、テーブルベースの座標フレーム440と装置ベースの座標フレーム450との間のθZを表し、このθZは、位置合せ変換の基準となる。
図5は、いくつかの実施形態による、手術台をコンピュータ支援装置とθZ位置合わせする方法500の簡略図である。方法500のプロセス510〜580の1つ又は複数は、非一時的な、有形の機械可読媒体に記憶された実行可能コードの形態で少なくとも部分的に実装され、このコードが1つ又は複数のプロセッサ(例えば、制御ユニット130内のプロセッサ140)によって実行されると、1つ又は複数のプロセッサにプロセス510〜580の1つ又は複数を実行させることができる。いくつかの実施形態では、方法500は、手術台170、280及び/又は410等の手術台と、コンピュータ支援装置110、210、420等のコンピュータ支援装置及び/又は図8A〜図8Gのコンピュータ支援装置のいずれかとの間の部分的な位置合せを行うために使用される。部分的な位置合せによって、テーブルベースの座標フレーム305及び/又は440等のテーブルベースの座標フレームと、装置ベースの座標フレーム330及び/又は450等の装置ベースの座標フレームとの間のθZを決定することができる。いくつかの実施形態では、プロセス510、570、及び/又は580の1つ又は複数は、オプションであり、省略してもよい。
オプションのプロセス510では、手術台のアイソセンタが下げられる。アイソセンタ286等の手術台のアイソセンタが、少なくともトレンデレンブルク回転が発生するような人為的に規定された点を表すので、そのアイソセンタは、方法500の間に使用される、コンピュータ支援の1つ又は複数の制御点を超える高さに設定することも可能である。制御点が手術台のアイソセンタの下に位置する場合に、制御点の動きは、テーブル面の動きと反対方向にあり、プロセス530中に決定されるような手術台の上部の動きの角度方向に180°の位相シフトを生じさせる。この問題を回避するために、手術台のアイソセンタは、方法500の位置合せの少なくとも初期段階の間に下げることができる。いくつかの例では、手術台のアイソセンタは、オプションで、手術台の傾斜軸線の回転中心と一致するように、手術台の上部の又はこの下の点まで下げることができる。いくつかの例では、下降前の手術台のアイソセンタの位置は、プロセス580中に使用するために保存される。いくつかの例では、手術台のアイソセンタを下げることによって、テーブルの上部の改善した水平移動も生じ、位置合せプロセスが収束する速度を向上させる。
プロセス520では、手術台の(条件を満たす)適格動作(qualifying motion)が検出される。コンピュータ支援装置の遠隔の運動中心等の制御点の全ての動きが、方法500の位置合せ中の使用に適しているわけではない。いくつかの例では、水平移動を生じない手術台の垂直移動は、方法500の間に使用するのに適した情報を提供しない。いくつかの例では、手術台の移動の結果として生じない、制御点の水平移動における小さな振動が存在し得る。いくつかの例では、これらの小さな振動は、患者の自律的な運動(例えば、呼吸、心拍等)、コンピュータ支援装置の関節式アーム及び/又はマニピュレータにおける振動及び/又は揺動、吹送(insufflation)中の変化等の結果として発生し得る。これらの振動やセンサエラー等の他の誤差が位置合せに導入される影響を減少させるために、位置合せを、適格動作に限定してもよい。いくつかの例では、適格動作は、発生する可能性のある振動に基づいて決定された閾値を超えるような制御点における正味の水平移動である。いくつかの例では、閾値は、約8〜10ミリメートル(mm)程度である。いくつかの例では、適格動作は、制御点の初期水平位置をラッチ及び/又は記憶し、次に制御点の実際の水平位置を定期的に監視し、そして制御点の実際の水平位置と初期水平位置との間の差が閾値を超えるまで待つことによって、検出される。適格動作が検出されると、それは位置合せ推測の基準として使用される。
いくつかの実施形態では、正味の水平移動が適格動作であるかどうかを判断するために、コヒーレンス(干渉)チェックを使用することもできる。いくつかの例では、プロセス520によって、制御点の実際の水平位置を定期的に監視するので、制御点の実際の水平位置が監視される連続的なインスタンス同士の間の制御点の実際の水平位置における増分(incremental)変化を示す増分動作又はベクトルのシーケンスを記録することができる。いくつかの例では、各増分動作は、1mm等の所定の長さより長くてもよい。いくつかの例では、各増分動作は、所定時間(例えば、10ms)に亘る制御点の正味の動作であってもよい。いくつかの例では、正味の水平移動を増分動作によって表される動作経路と比較して、正味の水平移動が増分動作の正確な近似であるかどうかが判定される。いくつかの例では、増分動作の角度成分を正味の水平移動の角度成分と比較して、一貫した動作方向であるかどうかを判定する。いくつかの例では、この経路の長さを正味の水平移動の大きさと比較して、一貫した動作パターンであるかどうかを判定する。いくつかの例では、記録したベクトルのベクトル和の大きさ(すなわち、正味の水平移動の大きさ)を、記録した各ベクトルの大きさの和と比較する。いくつかの例では、記録したベクトルのベクトル和の大きさと各ベクトルの大きさの和が、90%等の互いに構成可能な割合内にある場合に、正味の水平移動は適格動作である。いくつかの例では、式1を用いて、コヒーレンス・テストを行い、ここで、
Figure 0006919007

は、記録したベクトルのそれぞれのインスタンスを表す。
Figure 0006919007
いくつかの例では、手術台の動きに関する情報が、手術台とコンピュータ支援装置との間で交換される。いくつかの例では、手術台の動きは、テーブルベース対テーブル面の変換315等のテーブルベース対テーブル面の変換を用いて特徴付けられる。いくつかの例では、手術台は、現在のテーブルベース対テーブル面の変換をコンピュータ支援装置に提供する。いくつかの例では、手術台は、テーブルベース対テーブル面の変換が最後に提供されたときから現在のテーブルベース対テーブル面の変換の間の差(つまり、デルタ(Δ))を提供する。いくつかの例では、手術台は、手術台の関節式構造内の関節の現在の位置及び/又は速度を提供するので、コンピュータ支援装置は、手術台の関節式構造の1つ又は複数の運動学的モデルを用いて、現在のテーブルベース対テーブル面の変換を決定することができる。いくつかの例では、手術台は、1つ又は複数のメッセージをコンピュータ支援装置に送って、テーブルベース対テーブル面の変換、テーブルベース対テーブル面の変換のデルタ(Δ)、現在の関節位置及び/又は現在の関節速度を交換する。
プロセス530では、手術台の座標フレームにおいて、手術台の動きの角度方向θTが決定される。いくつかの例では、手術台の座標フレームにおいて、テーブルベース対テーブル面の変換を監視することによって、手術台の動きの角度方向θTが決定される。いくつかの例では、テーブルベース対テーブル面の変換の2つのバージョンが使用され、これらのバージョンの一方は、プロセス520中に検出された適格動作の開始時に取得されたラッチ及び/又は保存されたバージョンであり、他方は、プロセス520中に検出された適格動作の終了時に取得されたラッチ及び/又は保存されたバージョンである。いくつかの例では、2つのテーブルベース対テーブル面の変換の間の差を用いて、角度方向θTを決定する。いくつかの例では、2つのテーブルベース対テーブル面の変換を用いて、任意点の開始及び終了水平位置を決定し、ここでその開始及び終了水平位置の間の差が、三角法を用いて角度方向θTを決定するために使用される。
プロセス540では、コンピュータ支援装置の座標フレームにおいて、制御点の動きの角度方向θDが決定される。いくつかの例では、制御点の動きの角度方向θDは、コンピュータ支援装置の座標フレームにおいて、コンピュータ支援装置の座標フレーム内の制御点の動きを監視することによって決定される。いくつかの例では、プロセス520中に検出された適格動作の開始時及び終了時に取得された制御点の2つの水平位置は、三角法を用いて角度方向θDを決定するために使用することができる。
プロセス550では、θZ位置合せが決定される。いくつかの例では、θZ位置合せは、プロセス540中に決定された制御点の角度方向θDと、プロセス530中に決定された手術台の角度方向θTとの間の角度差を取ることによって決定される。
プロセス560では、θZの位置合せが集約(aggregate)される。プロセス520に関して上述したように、振動及び/又は他の誤差によって、プロセス550中のθZ位置合せに不正確性が導入される可能性がある。これらの不正確性を減少させるのを補助するために、θZ位置合せは、他のθZ位置合せ値と集約され、合成θZ位置合せ値を決定する。いくつかの例では、他のθZ位置合せ値は、オプションで、他の遠隔の運動中心等の、コンピュータ支援装置の他の制御点に関連付けてもよい。いくつかの例では、他のθZ位置合せ値は、オプションで、同じ制御点及び/又は他の制御点についての適格動作のシーケンスと関連付けてもよい。このようにして、合成θZ位置合せは、時間の経過と共に絶えず更新される。いくつかの例では、平均化関数を用いて、θZ位置合せを集約してもよい。いくつかの例では、θZ位置合せは、後で得られるθZ位置合せ値をより重視するために、指数平滑化を用いて集約してもよい。いくつかの例では、オプションで、カルマンフィルタ処理及び/又は他の最小二乗推定等のランダム減少プロセスを用いて、θZ位置合せ値を集約してもよい。
オプションのプロセス570では、合成θZ位置合せが収束したかどうかが判定される。合成θZ位置合せがプロセス560中に集約されると、合成θZ位置合せが妥当な安定値に収束するかどうかを判定するためにその合成θZ位置合せが監視される。いくつかの例では、新しいθZ位置合せ値が決定される際に、合成θZ位置合せに対する増分変化が1°〜10°(例えば、2°)等の閾値未満である場合に、合成θZ位置合せが収束したとみなされる。合成θZ位置合せが収束していない場合に、プロセス520〜560を繰り返すことにより、追加のθZ位置合せ値が決定される。合成θZ位置合せが収束すると、プロセス580を用いてアイソセンタを復帰させる。
オプションのプロセス580では、手術台のアイソセンタを復帰させる。プロセス510中に保存したアイソセンタの位置に手術台のアイソセンタの位置を復帰させる。アイソセンタの位置を復帰させた後に、プロセス520〜560が繰り返されて、合成θZ位置合せがさらに洗練される。しかしながら、いくつかの例では、手術台のアイソセンタを復帰させた後に、プロセス520は、トレンデレンブルク調整に関連する動作がもはや適格動作ではないので、変更され得る。このようにして、合成θZ位置合わせの初期値を決定するために依然としてトレンデレンブルク調整を使用しながら、180°位相シフトに関連する問題を回避することができる。
図6は、いくつかの実施形態による、装置ベースの座標フレーム450とテーブルベースの座標フレーム440との間の関係の簡略図である。図6に示されるように、装置ベースの座標フレーム450とテーブルベースの座標フレーム440との間の関係は、装置ベースの座標フレーム450に対して再向き合せされ、且つXY平面内に投影される。図6は、手術台における傾斜及び/又はトレレンレンブルグ運動、及びドッキングされた関節式アームのうちの1つの遠隔の運動中心等の制御点の得られた動きを観察することによって、どのようにΔXYが決定されるかをさらに示している。遠隔の運動中心等の、関節式アーム上の適切に選択された制御点が、手術台の上部に対して固定位置に配置されると想定(遠隔の運動中心が患者の身体開口部で解剖学的構造に固定された場合を十分に想定する)して、傾斜回転及び/又はトレンデレンブルク回転による制御点への動きを、既知の点を中心とした回転としてモデル化することができる。いくつかの例では、既知の点は、手術台の傾斜の旋回中心及び/又は手術台のアイソセンタに対応してもよい。いくつかの例では、既知の点は、テーブルベースの座標フレーム450のXY中心に位置する。式2に示されるように、傾斜回転及び/又はトレンデレンブルク回転の角速度の変化が、
Figure 0006919007

であり、既知の点と制御点との間のXY平面における幾何学的関係を
Figure 0006919007

とすると、制御点の位置の速度/変化は、ベクトルの外積によって
Figure 0006919007

としてモデル化することができる。
Figure 0006919007
いくつかの例では、コンピュータ支援装置が、制御点に関連付けられた関節式アーム及び/又はマニピュレータの運動学的モデルを用いて、制御点の位置及び動きを知っており、回転の角速度が、手術台から既知である。これは、式2において未知数として
Figure 0006919007

が残る。残念ながら、式2の外積は可逆ではないので、式3に示されるように、制御点と回転軸線との間の最短距離又はオフセットを決定することによって、
Figure 0006919007

の部分的な決定を推測することができる。
Figure 0006919007
図4に示された手術台の向きに基づいて、傾斜回転がXT軸の周りに発生し、トレンデレンブルグ回転の水平投影がYT軸の周りに発生する。こうして、制御点のYT方向への動きを生じさせる傾斜回転を用いて、固定点に対する制御点のYTオフセットを決定することができ、制御点のXT方向の動きを生じさせるトレンデレンブルグ回転を用いて、固定点に対する制御点のXTオフセットを決定することができる。方法500によるθZの以前の知見と組み合わせたこのオフセットを用いて、XT軸及びy軸に沿ってX軸及びY軸オフセットを制御点の既知の位置に対して投影して、テーブルベースの座標フレーム440のXY中心、従ってΔXYを決定する。いくつかの例では、式3の計算は、様々なベクトルをXY平面に投影する作業によって単純化することができる。
図7は、いくつかの実施形態による、手術台をコンピュータ支援装置とXY位置合わせする方法700の簡略図である。方法700のプロセス710〜790の1つ又は複数は、非一時的で、有形の機械可読媒体に記憶された実行可能コードの形態で少なくとも部分的に実装してもよく、このコードが1つ又は複数のプロセッサ(例えば、制御ユニット130内のプロセッサ140)によって実行されると、1つ又は複数のプロセッサにプロセス710〜790の1つ又は複数を実行させることができる。いくつかの実施形態では、方法700は、手術台170、280及び/又は410等の手術台と、コンピュータ支援装置110、210、420等のコンピュータ支援装置及び/又は図8A〜図8Gのコンピュータ支援装置のいずれかとの間の部分的な位置合せを行うために使用することができる。部分的な位置合せは、テーブルベースの座標フレーム305及び/又は440等のテーブルベースの座標フレームと、装置ベースの座標フレーム330及び/又は450等の装置ベースの座標フレームとの間の差ΔXYを決定することができる。
プロセス710では、手術台の適格動作が検出される。コンピュータ支援装置の遠隔の運動中心等の制御点の全ての動きが、方法700の位置合わせ中に使用するのに適しているわけではない。いくつかの例では、適格動作は、傾斜回転による制御点の水平移動、又はトレンデレンブルク回転による制御点の水平移動となり得る。いくつかの例では、適格動作は、正味の水平移動
Figure 0006919007

として、又は制御点の速度として決定してもよい。いくつかの実施形態では、正味の水平移動又は速度は、手術台の動き以外の動作源に起因する制御点の振動等の影響を減少させるためにローパスフィルタ処理してもよい。いくつかの例では、プロセス520中に行われるのと同様の、動き長さ閾値及び/又はコヒーレンスチェックを用いて、正味の水平移動が適格動作であるかどうかを判定することもできる。
プロセス720では、手術台の第1の動作の第1の角速度及び第1の回転軸が決定される。いくつかの例では、第1の角速度及び第1の回転軸は、第1の回転ベクトル
Figure 0006919007

を規定する。いくつかの例では、第1の角速度及び第1の回転軸は、手術台とコンピュータ支援手術装置との間で交換される1つ又は複数のメッセージから決定され、このメッセージは、手術台の第1の動作が、傾斜回転又はトレンデレンブルグ回転か、及び傾斜回転及び/又はトレンデレンブルク回転の量を表す。いくつかの例では、図6の例に示されるように、手術台の第1の動作が傾斜回転である場合に、第1の回転軸はXT軸であり、手術台の第1の動作がトレンデレンブルク回転である場合に、第1の回転軸はYT軸である。
プロセス730では、手術台の第1の位置による制御点の第1の動作が決定される。制御点の速度及び/又は制御点の位置の変化を監視することによって、制御点の第1の動作
Figure 0006919007

が決定される。いくつかの例では、対応する関節式アーム及び/又はマニピュレータの運動学的モデルを関節センサの読取値と一緒に使用して、制御点の第1の動作
Figure 0006919007

を決定する。
プロセス740では、手術台の第2の動作の第2の角速度及び第2の回転軸が決定される。第2の回転軸は、第1の回転軸とは異なる。いくつかの例では、第2の角速度及び第2の回転軸は、第2の回転ベクトル
Figure 0006919007

を規定する。いくつかの例では、第2の角速度及び第2の回転軸は、手術台とコンピュータ支援手術装置との間で交換される1つ又は複数のメッセージから決定され、このメッセージは、手術台の第2の動作が、傾斜回転又はトレンデレンブルグ回転か、及び傾斜回転及び/又はトレンデレンブルク回転の量を表す。いくつかの例では、図6の例に示されるように、手術台の第2の動作が傾斜回転である場合に、第2の回転軸はXT軸であり、手術台の第2の動作がトレンデレンブルク回転である場合に、第2の回転軸はYT軸である。
プロセス750では、手術台の第2の位置による制御点の第2の動作が決定される。制御点の速度及び/又は制御点の位置の変化を監視することによって、制御点の第2の動作
Figure 0006919007

が決定される。いくつかの例では、対応する関節式アーム及び/又はマニピュレータの運動学的モデルを関節センサの読取値と一緒に使用して、制御点の第2の動作
Figure 0006919007

を決定する。
プロセス760では、XY位置合せが決定される。いくつかの例では、まず、プロセス720及び730中に決定された第1の回転ベクトル
Figure 0006919007

及び制御点の第1の動作
Figure 0006919007

を用いて式3を適用して、第1のオフセットを決定し、次に、プロセス740及び750中に決定された第2の回転ベクトル
Figure 0006919007

及び制御点の第2の動作
Figure 0006919007

を用いて式3を適用して、第2のオフセットを決定することによりXY位置合せを決定する。第1及び第2の回転軸が異なるので、第1及び第2のオフセットは、それぞれの回転軸に対して垂直方向に投影され、且つ制御点の位置に対して投影され、ΔXYの型式のXY位置合せを決定する。いくつかの例では、第1及び第2のオフセットを制御点の位置に対して投影するための方向は、方法500のθZ位置合わせに基づいて決定される。図6の例では、第1及び第2の回転軸がそれぞれXT軸及びYT軸に対応する場合に、第1及び第2のオフセットは、それぞれXT及びYTオフセットに対応する。いくつかの例では、YT及びXTオフセットは、それぞれYT軸及びXT軸に沿って投影される。いくつかの例では、YT及びXT軸の向きは、θZ位置合せのために装置座標フレーム450に対して既知である。いくつかの例では、XY平面内の
Figure 0006919007

及び
Figure 0006919007

の投影を、オプションで、使用してもよい。
プロセス770では、XY位置合せが集約される。XY位置合せの不正確性を減少させるのを補助し及び/又はXY位置合せを改善するために、XY位置合せは、他のXY位置合せ値と集約され、合成XY位置合せ値を決定する。いくつかの例では、他のXY位置合せ値は、オプションで、他の遠隔の運動中心等の、コンピュータ支援装置の他の制御点に関連付けてもよい。いくつかの例では、他のXY位置合せ値は、オプションで、同じ制御点及び/又は他の制御点についての第1及び/又は第2の動作のシーケンスと関連付けてもよい。このようにして、合成XY位置合せは、時間の経過と共に絶えず更新される。いくつかの例では、平均化関数を用いて、XY位置合せを集約してもよい。いくつかの例では、後で得られるXY位置合せ値をより重視するために、指数平滑化を用いてXY位置合せを集約してもよい。いくつかの例では、オプションで、カルマンフィルタ処理及び/又は他の最小二乗推定等のランダム減少プロセスを用いて、XY位置合せ値を集約してもよい。
オプションのプロセス780では、合成XY位置合せが収束したかどうかが判定される。合成XY位置合せがプロセス770中に集約されると、合成XY位置合せが妥当な安定値に収束するかどうかを判定するためにその合成XY位置合せが監視される。いくつかの例では、新しいXY位置合せ値が決定される際に、合成XY位置合せに対する増分変化が20〜40mm(例えば、30mm)等の閾値未満である場合に、合成XY位置合せが収束したとみなされる。合成XY位置合せが収束していない場合に、プロセス710〜770を繰り返すことにより、追加のXY位置合せ値が決定される。合成XY位置合せが収束すると、プロセス790を用いてXY位置合せが完了し、XY位置合せは、コンピュータ支援装置の他の制御アルゴリズムに利用可能となる。
上で議論され、ここでさらに強調するように、図5及び図7は、単なる例に過ぎず、特許請求の範囲を過度に制限すべきでない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、及び修正形態を認識するであろう。いくつかの実施形態によれば、それぞれのプロセス510及び580中に手術台のアイソセンタを下げる及び復帰させるのではなく、オプションで、制御点及びアイソセンタに関する追加情報を用いて、手術台の角度方向θTを決定する際の可能な180°位相シフトを説明する。いくつかの例では、テーブルベースの座標フレームにおけるアイソセンタの高さが、装置ベースの座標フレームにおける制御点の高さと比較され、制御点の高さがアイソセンタの高さよりも低い場合に、θTの値が180°だけ補正される。いくつかの例では、手術台の動作の回転中心が制御点の上に位置する場合はいつでも、180°補正が適用される。
いくつかの実施形態によれば、異なる関節式アームの制御点の正味の動作の集約は、オプションで、プロセス520、730、及び/又は750中に決定された正味の動作として使用してもよい。いくつかの例では、複数の関節式アームが患者に対してドッキングされた場合に、各関節式アームの1つ又は複数の制御点の正味の動作が集約されて、方法500及び/又は700の他のプロセスで使用される正味の動作を決定する。いくつかの例では、異なる関節式アームの制御点同士の間の幾何学的関係は、患者の解剖学的構造によって互いに殆ど固定されているため、手術台の適格動作は各制御点に同様に影響を与える。いくつかの例では、制御点の正味の動作の集約を用いて、プロセス520及び/又は720中に手術台の適格動作がいつ行われるかを決定する。いくつかの例では、制御点からの正味の動作の集約を用いて、プロセス540中に制御点の集約角度方向(aggregate angular direction)θDを決定し、次にこの集約角度方向θDを用いて、プロセス560中にθZを決定する。いくつかの例では、制御点からの正味の動作の集約を用いて、プロセス730及び/又は750中に制御点の総第1及び/第2の動作を決定し、次にこの総第1及び/第2の動作を用いて、プロセス770中にXY位置合せを決定する。
いくつかの例では、集約は、オプションで、平均化関数、指数平滑化、カルマンフィルタ処理、最小二乗推定等を用いて決定してもよい。いくつかの例では、複数の制御点に基づく集約が方法500及び/又は700の初期に発生する場合に、これは、プロセス560及び/又は570中に実行される集約を単純化することができる。いくつかの例では、複数の制御点の正味の動作の集約が、個々の制御点の正味の各動作と一致する場合に、オプションで、プロセス570及び/又は780の収束テストを省略してもよい。いくつかの例では、個々の制御点の正味の各動作と正味の動作の集約との間の閾値差がわずかである場合に、個々の制御点の正味の動作は、正味の動作の集約と一致し得る。いくつかの例では、閾値差は、10%以下である。
いくつかの実施形態によれば、位置合せを行うために方法500及び/又は700の間に使用される適格化された動作は、異なる方法で生成してもよい。いくつかの例では、適格化された動作は、例えばコンピュータ支援装置によって要求される、手術台の1つ又は複数のテスト及び/又は位置合せ動作のシーケンスの結果として生じ得る。いくつかの例では、テスト動作のシーケンスは、θZ及び/又はΔXYの決定において迅速な収束を達成するように選択される。いくつかの例では、適格化された動作は、処置中に手術台及び/又は患者を位置付けするために医療従事者によって選択された手術台の動作を監視した結果として生じる。
いくつかの実施形態によれば、第1及び第2の回転軸の変動は、オプションで、方法700に使用してもよい。いくつかの例では、第1及び第2の回転軸は、XT軸及びYT軸以外であってもよい。いくつかの例では、第1及び第2の回転軸が少なくとも適切な角度距離(例えば30°)離れており、且つ第1及び第2の軸線と装置ベースの座標フレームとの間の向きが既知である限り、方法700を用いてXY位置合せを決定する。いくつかの例では、手術台の第1及び第2の動作が生じる順序はフレキシブルである。いくつかの例では、トレンデレンブルク回転の前に、傾斜回転を使用してもよく、及び/又は傾斜回転の前に、トレンデレンブルク回転を使用してもよい。
いくつかの実施形態によれば、傾斜位置合せ又はトレンデレンブルク位置合せのいずれかに対処する部分的なXY位置合せを行うために、方法700を使用してもよい。いくつかの例では、傾斜回転から導出されるオフセット及びトレンデレンブルク回転から導出されるオフセットを別個に決定及び/又は集約するように、方法700を修正してもよい。いくつかの例では、傾斜回転及びトレンデレンブルク回転から導出された別々のオフセットを結合して、全体的なXY位置合せを決定する。いくつかの例では、オプションで、傾斜回転及びトレンデレンブルク回転から導出されたオフセットの一方又は両方が独立して収束するかどうかを判定するために、状態変数を使用してもよい。
いくつかの実施形態によれば、方法500及び/又は700の間に決定された位置合せは、手術台のベース及びコンピュータ支援装置のベースが互いに固定されたままである限り、有効な状態のままである。いくつかの例では、1つ又は複数の脚部、車輪、及び/又は取付けクランプがロック解除されたときに発生するような、手術台のベース及び/又はコンピュータ支援装置のベースが動くときはいつでも、方法500及び/又は700は、位置合せを再確立するために繰り返される。いくつかの例では、手術台のベース及び/又はコンピュータ支援装置のベースのいずれかの動きは、各脚部、車輪、及び取付けクランプが係合及び/又は係合解除される回数を追跡するシーケンス番号を監視することによって決定することができ、ここで各ホイールに関連する回転エンコーダ及び/又は回転カウンタは、車輪のいずれか1つの回転を追跡することができる。いずれかのシーケンス番号の変化は、手術台のベース及び/又はコンピュータ支援装置のベースの動きが生じたか又は生じていることを示す。
いくつかの実施形態では、方法500及び/又は700の間に決定された位置合せは、手術台とコンピュータ支援装置との間の通信の遮断、手術台及び/又はコンピュータ支援装置における電源の喪失、手術台及び/又はコンピュータ支援装置におけるリセット等が行われない限り、有効な状態のままである。
いくつかの実施形態によれば、プロセス580が完了した後に、方法500は終了し、位置合せが完了したとみなされる。
制御ユニット130等の制御ユニットのいくつかの例は、実行可能なコードを含む非一時的な、有形の機械可読媒体を含み、このコードが1つ又は複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ140)によって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに方法500及び/又は700のプロセスを実行させることができる。方法500及び/又は700のプロセスを含み得る機械可読媒体のいくつかの一般的な形態は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD−ROM、他の光媒体、パンチカード、紙テープ、ホールパターンを含む他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、他のメモリチップ又はカートリッジ、及び/又はプロセッサ又はコンピュータが読み取るように適合される他の媒体である。
例示的な実施形態について図示し且つ説明してきたが、広範な修正、変更、及び置換が、前述した開示において企図されており、いくつかの例では、実施形態のいくつかの特徴は、他の特徴の対応する使用なしに用いることができる。当業者は、多くの変形形態、代替形態、及び修正形態を認識するだろう。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、特許請求の範囲は、本明細書に開示された実施形態の範囲と一致する態様で及び広範に解釈することが適切である。
以下、出願当初の特許請求の範囲の内容を実施例として記載しておく。
[実施例1]
コンピュータ支援医療装置であって、当該装置は、
身体開口部で患者の体内に挿入されるように構成された先端側取付け器具を有する関節式アームと、
該関節式アームに結合される制御ユニットと、を備えており、
前記制御ユニットは、
通信接続部を介して前記制御ユニットに結合された手術台の第1の動作を検出することであって、前記手術台の第1の動作は、前記関節式アームの制御点の対応する第2の動作を生じさせる、検出し、
手術台の座標フレームにおける第1の動作の第1の角度方向を決定し、
コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける第2の動作の第2の角度方向を決定し、
第1及び第2の角度方向に基づいて、前記手術台と前記コンピュータ支援医療装置との間の第3の角度関係を決定するように構成される、
装置。
[実施例2]
第1及び第2の動作は、水平面内の投影である、実施例1に記載の装置。
[実施例3]
前記制御点は、前記身体開口部に関連する前記関節式アームの遠隔の運動中心に対応する、実施例1に記載の装置。
[実施例4]
前記制御ユニットは、第1の動作の開始時に記録された手術台の第1の変換と第1の動作の終了時に記録された手術台の第2の変換とに基づいて、第1の角度方向を決定するようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例5]
前記制御ユニットは、第2の動作の開始時における前記制御点の第1の位置と第2の動作の終了時における前記制御点の第2の位置とに基づいて、第2の角度方向を決定するようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例6]
第2の動作の長さが、所定の閾値よりも大きい、実施例1に記載の装置。
[実施例7]
前記所定の閾値は、8ミリメートル(mm)である、実施例6に記載の装置。
[実施例8]
第2の動作は、一連の増分動作を含む、実施例1に記載の装置。
[実施例9]
前記増分動作のそれぞれは、所定の距離よりも長い、実施例8に記載の装置。
[実施例10]
前記所定の距離は、1mmである、実施例9に記載の装置。
[実施例11]
前記増分動作のそれぞれは、所定時間に亘った前記制御点の正味の動作である、実施例8に記載の装置。
[実施例12]
前記所定時間は、10ミリ秒(ms)である、実施例11に記載の装置。
[実施例13]
前記制御ユニットは、第2の動作を前記増分動作によって表される経路と比較するようにさらに構成される、実施例8に記載の装置。
[実施例14]
前記制御ユニットは、
第2の動作の大きさを決定し、
各増分動作の大きさの合計を決定し、
第2の動作の大きさと各増分動作の大きさの合計との比が、所定の閾値よりも大きいことを判定する、ようにさらに構成される、
実施例8に記載の装置。
[実施例15]
前記所定の閾値は、0.9である、実施例14に記載の装置。
[実施例16]
前記手術台の座標フレーム及び前記コンピュータ支援医療装置の座標フレームは、共通の垂直基準フレームと、第3の角度関係によって互いに対して回転されるx軸及びy軸を有する、実施例1に記載の装置。
[実施例17]
第2の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の複数の関節式アームに関連する制御点の集約に基づくものである、実施例1に記載の装置。
[実施例18]
前記制御ユニットは、第3の角度関係を他の角度関係と集約して、合成角度関係を形成するようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例19]
前記他の角度関係は、手術台の追加の動作に起因する前記手術台と前記コンピュータ支援医療装置との間の角度関係に対応する、実施例17に記載の装置。
[実施例20]
前記他の角度関係は、前記手術台と、前記コンピュータ支援医療装置の他の制御点を用いて決定された前記コンピュータ支援医療装置との間の角度関係に対応する、実施例17に記載の装置。
[実施例21]
前記制御ユニットは、平均化、指数平滑化、及び最小二乗推定から構成されるグループから選択される1つ又は複数の集約を用いて、前記合成角度関係を決定するようにさらに構成される、実施例17に記載の装置。
[実施例22]
前記制御ユニットは、前記合成角度関係が収束するまで、第3の角度関係を前記他の角度関係と集約し続けるようにさらに構成される、実施例17に記載の装置。
[実施例23]
前記制御ユニットは、第3の角度関係が前記他の角度関係と集約された場合であって、合成変換が閾値未満だけ変化するときに、前記合成角度関係が収束すると判定するようにさらに構成される、実施例22に記載の装置。
[実施例24]
前記閾値は、2°である、実施例23に記載の装置。
[実施例25]
前記制御ユニットは、前記合成角度関係が収束するまで、前記手術台のアイソセンタを下げるようにさらに構成される、実施例23に記載の装置。
[実施例26]
前記制御ユニットは、前記合成角度関係が収束した後に、前記アイソセンタを復帰させるようにさらに構成される、実施例25に記載の装置。
[実施例27]
前記アイソセンタが復帰した後に、トレンデレンブルク調整を第1の動作から除外する、実施例26に記載の装置。
[実施例28]
第1の動作は、スライド調整、傾き調整、及びトレンデレンブルク調整から構成されるグループから選択される1つ又は複数の動作である、実施例1に記載の装置。
[実施例29]
前記制御ユニットは、第3の角度関係に基づいて、手術台対コンピュータ支援医療装置の変換を生成するようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例30]
前記制御ユニットは、第1及び第2の動作を検出する前に、前記手術台のアイソセンタを下げる、実施例1に記載の装置。
[実施例31]
前記制御ユニットは、第1の角度関係と第2の角度関係との間の差に基づいて、第3の角度関係を決定するようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例32]
第1の動作の回転中心が前記制御点よりも上の高さに位置するときに、前記制御ユニットは、第1の角度関係を180°だけ調整する、実施例1に記載の装置。
[実施例33]
第1の動作の前記回転中心は、前記手術台のアイソセンタに対応する、実施例32に記載の装置。
[実施例34]
第1の動作は、トレンデレンブルク調整に対応する、実施例33に記載の装置。
[実施例35]
前記制御ユニットは、前記手術台に指示して第1の動作を実行するようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例36]
第1の動作は、前記手術台の手術台命令ユニットを用いて要求された手術台動作の結果として生じる、実施例1に記載の装置。
[実施例37]
前記制御ユニットは、
前記手術台の第3の動作を検出することであって、前記手術台の第3の動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含み、前記手術台の第3の動作は、前記制御点の対応する第4の動作を生じさせる、検出し、
前記手術台の第5の動作を検出することであって、前記手術台の第5の動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含み、前記手術台の第5の動作は、前記制御点の対応する第6の動作を生じさせ、第2の軸線は、第1の軸線とは異なる、検出し、
第1の回転及び前記制御点の第4の動作に基づいて、前記制御点と第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定し、
第2の回転及び前記制御点の第6の動作に基づいて、前記制御点と第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定し、
前記制御点の位置と第1及び第2の垂直距離とに基づいて、前記装置と前記手術台との間のXY位置合せを決定する、ようにさらに構成される、実施例1に記載の装置。
[実施例38]
前記装置と前記手術台との間のXY位置合せは、前記コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける前記手術台の回転点の位置に対応する、実施例37に記載の装置。
[実施例39]
前記装置と前記手術台との間のXY位置合せを決定するために、前記制御ユニットは、
前記制御点の位置を決定し、
第1の軸線に対して垂直な第1の方向に沿って第1の垂直距離を投影し、
第2の軸線に対して垂直な第2の方向に沿って第2の垂直距離を投影する、ようにさらに構成される、実施例37に記載の装置。
[実施例40]
第1の軸線及び第2の軸線は、少なくとも30°の角度間隔を有する、実施例37に記載の装置。
[実施例41]
第1及び第2の軸線は、垂直である、実施例40に記載の装置。
[実施例42]
第1の軸線は、傾斜回転軸線であり、第2の軸線は、トレンデレンブルク回転軸線である、実施例37に記載の装置。
[実施例43]
第1の動作及び第3の動作は、同じ動作である、実施例37に記載の装置。
[実施例44]
前記制御ユニットは、XY平面における前記制御点の第4の動作及び第6の動作の投影を用いて、前記XY位置合せを決定するようにさらに構成される、実施例37に記載の装置。
[実施例45]
第4の動作及び第6の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の複数の関節式アームに関連する制御点の集約に基づくものである、実施例37に記載の装置。
[実施例46]
前記制御ユニットは、前記XY位置合せを他のXY位置合せと集約して、合成XY位置合せを形成するようにさらに構成される、実施例37に記載の装置。
[実施例47]
前記他のXY位置合せは、手術台の追加の動作に起因する前記手術台と前記コンピュータ支援医療装置との間のXY位置合せに対応する、実施例46に記載の装置。
[実施例48]
前記他のXY位置合せは、前記手術台と、前記コンピュータ支援医療装置の他の制御点を用いて決定された前記コンピュータ支援医療装置との間のXY位置合せに対応する、実施例46に記載の装置。
[実施例49]
前記制御ユニットは、平均化、指数平滑化、及び最小二乗推定から構成されるグループから選択される1つ又は複数の集約を用いて、前記合成XY位置合せを決定するようにさらに構成される、実施例46に記載の装置。
[実施例50]
前記制御ユニットは、前記合成XY位置合せが収束するまで、前記XY位置合せを前記他のXY位置合せと集約し続けるようにさらに構成される、実施例46に記載の装置。
[実施例51]
前記制御ユニットは、前記XY位置合せが前記他のXY位置合せと集約される場合であって、前記合成XY位置合せが閾値よりも小さく変化した場合に、前記合成XY位置合せが収束すると判定するようにさらに構成される、実施例46に記載の装置。
[実施例52]
前記閾値は、30mmである、実施例51に記載の装置。
[実施例53]
第3の動作は傾き調整であり、第5の動作はトレンデレンブルク調整である、実施例37に記載の装置。
[実施例54]
前記制御ユニットは、前記XY位置合せに基づいて、手術台対コンピュータ支援医療装置の変換を生成するようにさらに構成される、実施例37に記載の装置。
[実施例55]
前記制御ユニットは、
第1の垂直距離に基づいてXY位置合せの第1の成分を集約し、
第2の垂直距離に基づいてXY位置合せの第2の成分を集約し、
前記XY位置合せの第1の成分と前記XY位置合せの第2の成分とを結合することによって合成XY位置合せを決定する、ようにさらに構成される、実施例37に記載の装置。
[実施例56]
前記制御ユニットは、
XY位置合せの第1の成分が収束しているかどうかに基づいて第1の状態変数を設定し、
XY位置合せの第2の成分が収束しているかどうかに基づいて第2の状態変数を設定する、ようにさらに構成される、実施例55に記載の装置。
[実施例57]
前記制御ユニットは、第4の動作及び第6の動作をローパスフィルタ処理するようにさらに構成される、実施例37に記載の装置。
[実施例58]
手術台及びコンピュータ支援医療装置を位置合わせする方法であって、当該方法は、
前記手術台の第1の動作を検出するステップであって、第1の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の関節式アームの制御点の対応する第2の動作を生じさせ、前記コンピュータ支援医療装置は、通信接続部を介して前記手術台に結合される、検出するステップと、
手術台の座標フレームにおける第1の動作の第1の角度方向を決定するステップと、
コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける第2の動作の第2の角度方向を決定するステップと、
第1及び第2の角度方向に基づいて、前記手術台と前記コンピュータ支援医療装置との間の第3の角度関係を決定するステップと、を含む、
方法。
[実施例59]
前記制御点は、前記関節式アームの遠隔の運動中心に対応する、実施例58に記載の方法。
[実施例60]
第1の角度方向を決定するステップは、第1の動作の開始時に記録された手術台の第1の変換と、第1の動作の終了時に記録された手術台の第2の変換とに基づくものであり、
第2の角度方向を決定するステップは、第2の動作の開始時における前記制御点の第1の位置と、第2の動作の終了時における前記制御点の第2の位置とに基づくものである、実施例58に記載の方法。
[実施例61]
第2の動作は、一連の増分動作を含む、実施例58に記載の方法。
[実施例62]
第2の動作を、前記増分動作によって表された経路と比較するステップをさらに含む、実施例61に記載の方法。
[実施例63]
第2の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の複数の関節式アームに関連する制御点の集約に基づくものである、実施例58に記載の方法。
[実施例64]
第3の角度関係を他の角度関係と集約して、合成角度関係を形成するステップをさらに含む、実施例58に記載の方法。
[実施例65]
第1の動作は、スライド調整、傾き調整、及びトレンデレンブルク調整から構成されるグループから選択される1つ又は複数の動作である、実施例58に記載の方法。
[実施例66]
前記手術台の第3の動作を検出するステップであって、前記手術台の第3の動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含み、前記手術台の第3の動作は、前記制御点の対応する第4の動作を生じさせる、検出するステップと、
前記手術台の第5の動作を検出するステップであって、前記手術台の第5の動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含み、前記手術台の第5の動作は、前記制御点の対応する第6の動作を生じさせ、第2の軸線は第1の軸線とは異なる、検出するステップと、
第1の回転及び前記制御点の第4の動作に基づいて、前記制御点と第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定するステップと、
第2の回転及び前記制御点の第6の動作に基づいて、前記制御点と第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定するステップと、
前記制御点の位置と第1及び第2の垂直距離とに基づいて、前記装置と前記手術台との間のXY位置合せを決定するステップと、をさらに含む、実施例58に記載の方法。
[実施例67]
前記装置と前記手術台との間のXY位置合せは、前記コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける前記手術台の回転点の位置に対応する、実施例66に記載の方法。
[実施例68]
前記装置と前記手術台との間の前記XY位置合せを決定するステップは、
前記制御点の位置を決定するステップと、
第1の軸線に対して垂直な第1の方向に沿って第1の垂直距離を投影するステップと、
第2の軸線に対して垂直な第2の方向に沿って第2の垂直距離を投影するステップと、を含む、実施例66に記載の方法。
[実施例69]
第1の軸線は、傾斜回転軸線であり、第2の軸線は、トレンデレンブルク回転軸線である、実施例66に記載の方法。
[実施例70]
第4の動作及び第6の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の複数の関節式アームに関連する制御点の集約に基づくものである、実施例66に記載の方法。
[実施例71]
前記XY位置合せを他のXY位置合せと集約して、合成XY位置合せを形成するステップをさらに含む、実施例66に記載の方法。
[実施例72]
複数の機械可読命令を含む非一時的な機械可読媒体であって、前記命令がコンピュータ支援医療装置に関連する1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、
手術台の第1の動作を検出することであって、第1の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の関節式アームの制御点の対応する第2の動作を生じさせ、前記コンピュータ支援医療装置は、通信接続部を介して前記手術台に結合される、検出することと、
手術台の座標フレームにおける第1の動作の第1の角度方向を決定することと、
コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける第2の動作の第2の角度方向を決定することと、
第1及び第2の角度方向に基づいて、前記手術台と前記コンピュータ支援医療装置との間の第3の角度関係を決定することと、を含む段階を実行させるように構成される、
非一時的な機械可読媒体。
[実施例73]
前記制御点は、前記関節式アームの遠隔の運動中心に対応する、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例74]
第1の角度方向を決定することは、第1の動作の開始時に記録された手術台の第1の変換と、第1の動作の終了時に記録された手術台の第2の変換とに基づくものであり、
第2の角度方向を決定することは、第2の動作の開始時における前記制御点の第1の位置と、第2の動作の終了時における前記制御点の第2の位置とに基づくものである、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例75]
第2の動作は、一連の増分動作を含む、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例76]
前記段階は、第2の動作を前記増分動作によって表される経路と比較することをさらに含む、実施例75に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例77]
第2の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の複数の関節式アームに関連する制御点の集約に基づくものである、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例78]
前記段階は、第3の角度関係を他の角度関係と集約して、合成角度関係を形成することをさらに含む、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例79]
第1の動作は、スライド調整、傾き調整、及びトレンデレンブルク調整から構成されるグループから選択される1つ又は複数の動作である、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例80]
前記段階は、
前記手術台の第3の動作を検出することであって、前記手術台の第3の動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含み、前記手術台の第3の動作は、前記制御点の対応する第4の動作を生じさせる、検出することと、
前記手術台の第5の動作を検出することであって、前記手術台の第5の動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含み、前記手術台の第5の動作は、前記制御点の対応する第6の動作を生じさせ、第2の軸線は第1の軸線とは異なる、検出することと、
第1の回転及び前記制御点の第4の動作に基づいて、前記制御点と第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定することと、
第2の回転及び前記制御点の第6の動作に基づいて、前記制御点と第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定することと、
前記制御点の位置と第1及び第2の垂直距離とに基づいて、前記装置と前記手術台との間のXY位置合せを決定することと、をさらに含む、実施例72に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例81]
前記装置と前記手術台との間の前記XY位置合せは、前記コンピュータ支援医療装置の座標フレームにおける前記手術台の回転点の位置に対応する、実施例80に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例82]
前記装置と前記手術台との間の前記XY位置合せを決定することは、
前記制御点の位置を決定することと、
第1の軸線に対して垂直な第1の方向に沿って第1の垂直距離を投影することと、
第2の軸線に対して垂直な第2の方向に沿って第2の垂直距離を投影することと、を含む、実施例80に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例83]
第1の軸線は、傾斜回転軸線であり、第2の軸線は、トレンデレンブルク回転軸線である、実施例80に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例84]
第4の動作及び第6の動作は、前記コンピュータ支援医療装置の複数の関節式アームに関連する制御点の集約に基づくものである、実施例80に記載の非一時的な機械可読媒体。
[実施例85]
前記段階は、前記XY位置合せを他のXY位置合せと集約して、合成XY位置合せを形成すことをさらに含む、実施例80に記載の非一時的な機械可読媒体。

Claims (15)

  1. コンピュータ支援システムであって、当該システムは、
    コンピュータ支援装置と、
    制御ユニットと、を有しており、
    該制御ユニットは、
    通信接続部を介して前記制御ユニットに結合されたテーブルのテーブル動作を検出することであって、前記テーブルの前記テーブル動作によって、前記コンピュータ支援装置の装置動作を1つ又は複数の位置で生じさせ、各位置は、前記コンピュータ支援装置の一部が前記テーブル上の患者のそれぞれの身体開口部内に挿入される位置に対応する、検出することと、
    第1の位置及び第2の位置に基づいて第1の角度方向を決定することであって、前記テーブルに関連付けられたテーブル座標フレームにおいて、前記第1の位置は前記検出したテーブル動作の開始時における前記テーブルに関連する点の位置であり、前記第2の位置は前記検出したテーブル動作の終了時における前記テーブルに関連する点の位置である、決定することと、
    第3の位置及び第4の位置に基づいて第2の角度方向を決定することであって、コンピュータ支援装置の座標フレームにおいて、前記第3の位置は前記コンピュータ支援装置の前記装置動作の開始時における前記コンピュータ支援装置の制御点の位置であり、前記第4の位置は前記装置動作の終了時における前記コンピュータ支援装置の前記制御点の位置である、決定することと、
    前記第1の角度方向と前記第2の角度方向との間の差に基づいて、前記テーブルと前記コンピュータ支援装置との間の第1の角度の位置合せを決定することと、
    該第1の角度の位置合せを合成角度の位置合せに集約することと、を行うように構成されており、
    前記第2の角度方向は、
    前記コンピュータ支援装置の第1の関節式アームの第1のアーム動作の方向であって、前記テーブルの前記テーブル動作によって生じる前記コンピュータ支援装置の前記装置動作には、前記第1のアーム動作が含まれる、第1のアーム動作の方向、又は
    角度方向であって、前記コンピュータ支援装置の前記装置動作には、複数の関節式アームの複数のアーム動作が含まれ、各関節式アームの各アーム動作は前記集約角度方向に集約された複数の角度方向のうちの1つの角度方向に対応する、集角度方向を含む、
    システム。
  2. 前記制御ユニットは、前記テーブル動作の前記開始時に記録された第1のテーブル変換と、前記テーブル動作の前記終了時に存在する第2のテーブル変換とに基づいて、前記第1の角度方向を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第2の角度方向には、前記第1のアーム動作の方向が含まれ、前記制御点は前記第1の関節式アームに関連する、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記制御ユニットは、前記合成角度の位置合せが収束するまで、追加の第1の角度の位置合せを前記合成角度の位置合せに集約し続けるようにさらに構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記制御ユニットは、前記合成角度の位置合せに基づいて、テーブル面の座標フレームとコンピュータ支援装置ベースの座標フレームとの間位置合せ変換を生成するようにさらに構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記制御ユニットは、前記テーブルに指示して前記テーブル動作を実行するようにさらに構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記第2の角度方向には、前記第1のアーム動作の方向が含まれ、
    前記制御ユニットは、前記第2の角度方向を決定する前に、前記第1のアーム動作の長さが所定の閾値より大きいかどうかを判定するようにさらに構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記コンピュータ支援装置の前記制御点の動作には、一連の増分動作が含まれ、
    前記制御ユニットは、
    前記制御点の前記動作の大きさを決定し、
    各増分動作の大きさの合計を決定し、及び
    前記制御点の前記動作の大きさと各増分動作の大きさの合計との比が、所定の閾値よりも大きいことを決定するようにさらに構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記制御ユニットは、
    前記テーブルの第2のテーブル動作を検出することであって、前記テーブルの前記第2のテーブル動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含み、前記テーブルの前記第2のテーブル動作は、前記第1の関節式アームの第2の装置動作を生じさせる、検出することと、
    前記テーブルの第3のテーブル動作を検出することであって、前記テーブルの前記第3のテーブル動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含み、前記テーブルの前記第3のテーブル動作は、前記第1の関節式アームの第3の装置動作を生じさせ、前記第2の軸線は前記第1の軸線とは異なる、検出することと、
    前記第1の回転及び前記第2の装置動作に基づいて、前記第1の関節式アームに関連付けられた点と前記第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定することと、
    前記第2の回転及び前記第3の装置動作に基づいて、前記点と前記第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定することと、
    前記点の位置と前記第1及び第2の垂直距離とに基づいて、前記コンピュータ支援装置と前記テーブルとの間のXY位置合せを決定することと、
    該XY位置合せを合成XY位置合せに集約して、該合成XY位置合せを更新することと、を行うようにさらに構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記コンピュータ支援装置と前記テーブルとの間の前記合成XY位置合せは、前記コンピュータ支援装置の座標フレームにおける前記テーブルの回転点の位置に対応する、請求項9に記載のシステム。
  11. テーブルとコンピュータ支援装置を位置合わせする方法であって、当該方法は、
    前記テーブルのテーブル動作を検出するステップであって、前記テーブルの前記テーブル動作によって、前記コンピュータ支援装置の装置動作を1つ又は複数の位置で生じさせ、各位置は、前記コンピュータ支援装置の一部が前記テーブル上の患者のそれぞれの身体開口部内に挿入される位置に対応する、検出するステップと、
    第1の位置及び第2の位置に基づいて第1の角度方向を決定するステップであって、前記テーブルに関連付けられたテーブル座標フレームにおいて、前記第1の位置は前記検出したテーブル動作の開始時における前記テーブルに関連する点の位置であり、前記第2の位置は前記検出したテーブル動作の終了時における前記テーブルに関連する点の位置である、決定するステップと、
    第3の位置及び第4の位置に基づいて第2の角度方向を決定するステップであって、コンピュータ支援装置の座標フレームにおいて、前記第3の位置は前記コンピュータ支援装置の前記装置動作の開始時における前記コンピュータ支援装置の制御点の位置であり、前記第4の位置は前記装置動作の終了時における前記コンピュータ支援装置の前記制御点の位置である、決定するステップと、
    前記第1の角度方向と前記第2の角度方向との間の差に基づいて、前記テーブルと前記コンピュータ支援装置との間の第1の角度の位置合せを決定するステップと、
    該第1の角度の位置合せを合成角度の位置合せに集約して、該合成角度の位置合せを更新するステップと、を含んでおり、
    前記第2の角度方向は、
    前記コンピュータ支援装置の第1の関節式アームの第1のアーム動作の方向であって、前記テーブルの前記テーブル動作によって生じる前記コンピュータ支援装置の前記装置動作には、前記第1のアーム動作が含まれる、第1のアーム動作の方向、又は
    角度方向であって、前記コンピュータ支援装置の前記装置動作には、複数の関節式アームの複数のアーム動作が含まれ、各関節式アームの各アーム動作は前記集約角度方向に集約された複数の角度方向のうちの1つの角度方向に対応する、集角度方向を含む、
    方法。
  12. 前記テーブル動作の前記開始時に記録された第1のテーブル変換と、前記テーブル動作の前記終了時に存在する第2のテーブル変換とに基づいて、前記第1の角度方向を決定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の角度方向には、前記装置動作の方向が含まれ、前記制御点は前記第1の関節式アームに関連する、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記合成角度の位置合せに基づいて、テーブル面の座標フレームとコンピュータ支援装置ベースの座標フレームとの間位置合せ変換を生成するステップをさらに含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記テーブルの第2のテーブル動作を検出するステップであって、前記テーブルの前記第2のテーブル動作は、第1の軸線を中心とする第1の回転を含み、前記テーブルの前記第2のテーブル動作は、前記第1の関節式アームの第2の装置動作を生じさせる、検出するステップと、
    前記テーブルの第3のテーブル動作を検出するステップであって、前記テーブルの前記第3のテーブル動作は、第2の軸線を中心とする第2の回転を含み、前記テーブルの前記第3のテーブル動作は、前記第1の関節式アームの第3の装置動作を生じさせ、前記第2の軸線は前記第1の軸線とは異なる、検出するステップと、
    前記第1の回転及び前記第2の装置動作に基づいて、前記第1の関節式アームに関連付けられた点と前記第1の軸線との間の第1の垂直距離を決定するステップと、
    前記第2の回転及び前記第3の装置動作に基づいて、前記点と前記第2の軸線との間の第2の垂直距離を決定するステップと、
    前記点の位置と前記第1及び第2の垂直距離とに基づいて、前記コンピュータ支援装置と前記テーブルとの間のXY位置合せを決定するステップと、
    該XY位置合せを合成XY位置合せに集約して、該合成XY位置合せを更新するステップと、をさらに含む、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の方法。
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