JP2004216022A - 手術台 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願は、手術者が容易に患者の体位を確認し移動させ、より安全な手術を行うことができる手術台を提供する。
【解決手段】上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、個別に動作する支持台を2箇所以上持つ支持手段と、前記各支持台に前記支持台を動作させる機構手段と、前記支持台に指示を与える入力手段と、前記入力手段からの前記指示を解析し前記支持台を制御する第1の制御手段と、前記支持台の位置情報を送出する伝送手段と、前記伝送手段から送出された前記位置情報に基づき前記位置情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示する情報を制御する第2の制御手段と、前記表示手段に表示された情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、個別に動作する支持台を2箇所以上持つ支持手段と、前記各支持台に前記支持台を動作させる機構手段と、前記支持台に指示を与える入力手段と、前記入力手段からの前記指示を解析し前記支持台を制御する第1の制御手段と、前記支持台の位置情報を送出する伝送手段と、前記伝送手段から送出された前記位置情報に基づき前記位置情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示する情報を制御する第2の制御手段と、前記表示手段に表示された情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔操作によって動作する手術台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の手術台として、例えば、下記の先行技術に開示されたものがある。
(1)特公平7−112482号:手術台患者を載せたままで体位設定を容易に行うために、天板台を時計方向に回動させるとともに、背板及び脚板を反時計方向に回動させることを特徴とする手術台を開示する。
(2)特開平5−192372号:手術台背板を持ち上げたり、下げたり、背板を「へ」の字や「V」の字の状態に動作させることができる手術台を開示する。
(3)特開平8−173492号:多目的手術台背板及び腰板を上下180度まで回動する手術台を開示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの手術においては、患者の手術部位を表出させ、表出された部位以外にはカバーがかけられてしまうので、患者がどのような体位で手術台にのっているかを、手術者が直接確認することは困難であった。すなわち、患者の体位がどのような状態であるかは、手術中の手術者には判断しづらく、術部を手術者が扱いやすい状態にすることを第1に考えて手術を行っていた。このような状況のもと、たとえば脳外科手術の場合には、患者の体の重心位置よりも、患者の頭の位置が大きく上にあがると、患者の血液が下肢に下がってしまい、エアーが脳血管に侵入してくる危険性があった。しかし、この危険性を回避するための手段は手術者の経験や勘に頼っていたため、安全性確保の点でより信頼性のある手術台が望まれていた。また、同じ患者の同一部位を再手術する場合に、患者の手術台上における体位を再現できればより適切な手術を行うことが可能になる。また、手術中の患者の容態が変化した場合などにおいて、手術台上の患者の体位を変える必要があるときに即座に対応できないことがあった。
【0004】
本願はこのような問題を解決するために発明されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による手術台は、個別に動作する支持台を2箇所以上持つ支持手段と、前記各支持台に前記支持台を動作させる機構手段と、前記支持台に指示を与える入力手段と、前記入力手段からの前記指示を解析し前記支持台を制御する第1の制御手段と、前記支持台の位置情報を送出する伝送手段と、前記伝送手段から送出された前記位置情報に基づき前記位置情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示する情報を制御する第2の制御手段と、前記表示手段に表示された情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0006】
前記各支持台は、前記各指示台における一軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【0007】
前記各支持台のうち少なくとも一台は、前記各指示台における3軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【0008】
前記各支持台のうち少なくとも一台は、前記第1の制御手段により移動範囲を限定されることを特徴とする。
【0009】
前記支持台は、患者の頭部を支える頭部板と、前記患者の上半身部分を支える背板と、前記患者の下半身部分を支える脚板とからなり、前記機構手段は、前記頭部板、前記背板と前記脚板を一体に昇降させる昇降手段と、略水平方向に移動可能とする一以上のスライド手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記頭部板には前記頭部板が回転可能な機構手段を設け、前記背板には前記背板が回転可能な機構手段を設け、前記脚板には前記脚板が回転可能な機構手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
前記頭部板、前記背板と前記脚板を一体に横転および縦転することを特徴とする。
【0012】
前記機構手段は、前記機構手段のうち少なくとも一つが2段階以上の動作速度を設定できることを特徴とする。
【0013】
前記表示手段には、前記支持手段の位置を、一または複数の方向から見た位置を表示することを特徴とする。
【0014】
前記表示手段には、前記支持手段の複数の状態を表示することが可能であることを特徴とする。
【0015】
前記記憶手段には、前記支持台の位置情報を記憶することを特徴とする。
【0016】
前記機構手段の動作範囲を前記制御手段によって制御することを特徴とする。
【0017】
前記入力手段は複数であることを特徴とする。
【0018】
前記機構手段は、シリンダであることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
−実施形態−
以下、図1〜図8を参照して、本発明による手術台の実施形態について説明する。
【0020】
図1は実施形態のシステムブロック図である。外部コンピュータ1、手術台体位表示画面2、カレントループ−RS232Cコンバータ3、インターフェースケーブル4、リモコンボックス5、フットスイッチ6、記憶装置21および手術台7から構成されている。手術台7には患者100が仰向けになっており、頭部板7a、背板7b、肢板7c、手術台脚7dはそれぞれ独立に動作させることができる。次に各構成要素の動作について述べる。手術者(図示せず。)は、患者100を手術台7に仰向けにのせた状態で手術を行う。患者100の手術中の体位は、頭部板7a、背板7b、肢板7c、手術台脚7dを動作させることにより調整、決定する。頭部板7a、背板7b、肢板7c、手術台脚7dを動作させるには、リモコンボックス5のボタンを押したり、フットスイッチ6のボタンを押したりする。このようにして動作させられた手術台7の状態信号は、インターフェース4を通じて、カレントループ−RS232Cコンバータ3に送られる。カレントループ−RS232Cコンバータ3において手術台7の状態信号はフォーマット変換がなされ、外部コンピュータ1に入力できる信号形態に変換される。変換された状態信号は外部コンピュータ1に入力され、外部コンピュータ1の内部で演算処理され手術台体位表示画面2に、手術台の状態(手術台7の側面図など)が表示される。手術台の状態表示は、適宜更新される。手術者は、この表示画面を見ながら、患者100の体位を確認して手術を開始、また続けることが可能となっている。
【0021】
図2に実施形態の電気配線および手術台駆動ブロック図を表す。図1と共通する部分には同一符合を付し、それらの説明は省略する。一点鎖線9の図2において右側の部分は手術台7の内部ブロックを表している。
【0022】
バルブブロック10は上昇10a〜高速10qまでの17箇所に分かれている。またシリンダブロック11は上昇11a〜固定11qまでの15箇所に分かれている。
【0023】
操作ボックス5またはフットスイッチ6にて選択された信号はコネクタ22又は、コネクタ13を通じて、手術台7内の制御基板16に入力される。制御基板16では入力された信号に基づいて、どのバルブブロックを閉じるかを選択してリレー基板17に信号を送る。その信号に基づいてリレー基板17からバルブブロック10a〜10qに対応する信号が出力され、選択されたバルブが閉じる。これとほぼ同時に制御基板16からポンプモータ19を駆動する信号が、コネクタ18を介してポンプモータ19に印加される。すると、ポンプモータは回転を始め、作動油タンク20内の油をシリンダブロック11に送り出し、あるいはシリンダブロック11内の油を作動油トランク20に戻す。すると、バルブブロックを選択する信号によって選択されたバルブに対応するシリンダにおいて、作動油タンク20内の油が入ったり、出たりすることで、選択されたシリンダが油圧により可動する。たとえば、手術台脚7dを上昇させるためのボタンを操作ボックス5において押すと、バルブ10aが閉じ、その結果シリンダ11aに作動油タンク20から油がシリンダ11内に流入してシリンダ11aが油圧にて長くなる方向に動作し、手術台肢7dが伸びることにより、手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に上昇することになる。このようにして、手術台肢7dがシリンダ11a、11bによって図1において上下方向に動き、シリンダ11c、11dによって頭部板7aが図1において軸7eを中心に図1において矢印600の方向に回動し、シリンダ11e,11fによって図1において患者100の右手方向または左手方向に手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に傾くように動き、背板7bがシリンダ11g、11fによって図1において軸7fを中心に矢印400の方向に回動し、肢板7cがシリンダ11m、11nによって図1において軸7gを中心に矢印500の方向に回動し、手術台7に乗っている患者100の体位を自在に制御する。また、シリンダ11iによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の足の方向に(図1において矢印200の方向)に移動する。シリンダ11jによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の頭の方向に(図1において矢印300の方向)に移動する。シリンダ11kによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の左手の方向に(図1において図面と垂直方向において奥の方向)に移動する。シリンダ11lによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の右手の方向に(図1において図面と垂直方向において手前の方向)に移動する。
【0024】
このように、手術台7の各部は移動するが、移動した量はロータリエンコーダ12a〜12gによって計測される。手術台肢7dの移動量は、ロータリエンコーダ12aによって、頭部板7aの移動量は、ロータリエンコーダ12bによって、背板7bの移動量はロータリエンコーダ12dによって、肢板7cの移動量はロータリエンコーダ12gによって測定される。頭部板7a、背板7b、脚板7c全体の前後の移動量はロータリエンコーダ12eによって、そして頭部板7a、背板7b、脚板7c全体の左右の動きはロータリエンコーダ12fによって計測され、各エンコーダの移動量は、制御基板16に入力され、外部インターフェース基板15、コネクタ14、カレントループ−RS232Cコンバータ8を介して外部コンピュータ1に入力される。外部コンピュータ1では、各ロータリエンコーダからの移動量に応じて、手術台7の状態を、手術台体位表示画面2に適宜、更新表示する。
【0025】
図3はリモコンボックス5の表面パネルのレイアウトを示した図である。5cは頭部板7aを図1における上方向に移動させるためのスイッチを表し、5mは頭部板7aを図1における下方向に移動させるためのスイッチを表す。以下同様に、5eおよび5oは背板7fを図1において上下方向に移動させるためのスイッチであり、5fおよび5pは手術肢7dを図1において上下方向に移動させるためのスイッチであり、5iおよび5sは肢板7cを図1において上下方向に移動させるためのスイッチであり、5gおよび5qは頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を、手術台7の設置面と水平方向において、仰向けに寝た状態の患者100の足方向に移動させるためのボタンである。前進ボタン5gで頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を、仰向けに寝た患者100の足方向に移動させ(図1における矢印200の方向)、後進ボタン5qで前進ボタン5gと反対方向である仰向けに寝た患者100の頭方向に頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を移動させる(図1における矢印300の方向)ためのスイッチである。5hおよび5rは頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を患者100が仰向けに寝た状態で、手術台7の設置面と水平方向において、仰向けに寝た状態の患者100の両手方向(図1において図面と垂直方向)に移動させるためのボタンである。左進ボタン5hで患者100の左手方向(図1において図面と垂直方向における図面の奥側)に、右進ボタン5rで患者100の右手方向(図1において図面と垂直方向における図面の手前側)に移動させるためのスイッチである。これら5c〜5iおよび5m〜5sのスイッチを押すことによって手術台7の各部は移動するが、安全性を向上させるために各スイッチはESWスイッチ5wと同時に押さなければ実際には移動しない。各スイッチには発光ダイオードLEDが内蔵されており、押されたスイッチが有効な場合にはLEDが点灯するようになっている。
【0026】
また、手術台7の各部の移動スピードは2段階で切り替えられるようになっており、低速スイッチ5jを押すと移動が低速スピードになり、高速スイッチ5tを押すと移動が高速スピードになり、手術者の判断により選択することができる。低速または高速のいずれが選択されているかは、表示部分5aおよび表示部分5kに内蔵されたLEDが点灯することにより、手術者が判断できる。すなわち、表示部分5a(L.S.)が点灯しているときは、手術台7の各部分が低速(Low−Speed)で動作可能状態であることを示す。表示部分5k(H.S.)が点灯しているときは、手術台7の各部分が高速(High−Speed)で動作可能状態であることを示す。本実施形態において、低速とは距離の変化では約3〜5mm/秒、角度の変化では約1.5度〜2度/秒程度であり、高速とは距離の変化では約10〜15mm/秒、角度の変化では約4度〜6度/秒程度である。ただし、これらの値は目安であり更に大きな値、あるいは小さな値で設定できることは自明である。
【0027】
復帰スイッチ5uは、手術台7の現在状態の如何にかかわらず、頭部板7a、背板7b、肢板7cは、手術台7が設置されている床面に対して水平方向に一直線になるように移動することを指示するスイッチである。
【0028】
固定スイッチ5lを押すと、手術台7の各移動可能部分が移動不可能になり固定されることを示し、この場合ブレーキシリンダ11pが作動する。移動スイッチ5bは、固定スイッチによって一旦固定された手術台7の各移動可能部分が再び操作ボックス5の各スイッチによって移動可能状態にするスイッチである。
【0029】
図4はフットスイッチ6の上面図を表す図である。
【0030】
フットスイッチ6の上面には、前進ペダルスイッチ6a、後進ペダルスイッチ6b、右進ペダルスイッチ6c、左進ペダルスイッチ6dおよび復帰ペダルスイッチ6eが設けられている。各ペダルスイッチは手術者が主に足で押すことにより、手術台7の各部を移動させることが可能となる。また、前進、後進、左進、右進、復帰の各ペダルスイッチを押したときの手術台7の動作は、コントロールボックスの同名のスイッチを押したときと同一である。
【0031】
図4は、実施形態のシステムにおけるプログラムのフローチャートである。患者100を手術台7へ乗せてから、ステップS1にて外部コンピュータ1のキーボードから患者名を入力する。次にステップS2にて日付、時刻を入力し、作製するファイルを開く。以前に患者100が手術を受けている場合には、ステップS3にて以前手術した時のデータを読み込むかを確認する。ステップS4にて手術済みレファレンスデータを読み込むかを判断する。読み込む場合には、ステップS5に進み、以前の手術時に保存されたレファレンスデータ名一覧を表示する。ステップS6にて、手術者が再現しようと思っている手術台7の体位が記録されているレファレンスデータファイル名を選択する。ステップS7にて外部コンピュータ1の記憶装置から選択されたレファレンスデータを読み出して、ステップS10にてレファレンスデータに基づいて手術台体位表示画面2に、図形を描画する。このステップS10にて表示された手術台体位の一例を図8に表示する。図8は手術台7の側面図と前面図を表わす。この手術台7の状態表示をレファレンスデータとして次のステップS12に進む。手術者がリモコンボックス5または、フットスイッチ6を使用して手術台7を操作すると前述したロータリーエンコーダブロック12から手術台7の各部位の移動量に対応したデータが外部コンピュータ1に入力される。ステップS12にてこの移動量に対応したデータが外部コンピュータ1に入力されるとステップS13に移る。ステップS13では、RS232Cケーブルから入力された当該データを外部コンピュータ1内で解析、演算を行う。その後、ステップS14に移り、レファレンスデータによる手術台7の状態と当該データに基づく手術台7の状態を手術台体位表示画面2に重ね書きする。この状態を図6に示す。実線はレファレンスデータに基づく手術台7の体位を表わし、頭部板701a、背板701b、脚板701c、手術脚701dは手術台7操作後における手術台7の状態を示す。手術者はこの手術台体位表示画面2に表示された手術台7の状態を見て、患者の体位がどのように変化しているかを確認し、患者100の体位を細かく調整していくことができる。患者の手術に際して、後に再現したい手術台7の体位が表示された場合には、ステップS16にて、外部コンピュータ1の入力手段からのキー入力やコントロールボックス5の体位記憶キー(図示せず。)を押すことにより、現在、手術台体位表示画面2に表示された手術台7の状態をレファレンスデータファイルとして外部コンピュータ1の記憶装置21に記憶する。その後、外部コンピュータ1の入力手段からのキー入力やコントロールボックス5の終了キー(図示せず。)を押すことにより、外部コンピュータ1で作製されたすべてのファイルをクローズしてプログラムを終了させない場合は、ステップS11に戻る。ステップS11では前述した内容と同様に手術者がリモコンボックス5、またはフットスイッチ6を使用して手術台7を操作した結果発生するロータリーエンコーダからの出力がある場合には、そのデータの内容を外部コンピュータ1に取り込み、手術台体位表示画面2に手術台7の状態を表示する。すべての作業が終了すると、外部コンピュータ1の入力手段からのキー入力やコントロールボックス5の終了キー(図示せず。)を押して、外部コンピュータ1で作製されたすべてのファイルをクローズしてプログラムを終了させる。
【0032】
ステップS15において、手術台体位表示画面2に手術台7を表示するデータである体位データファイルは、手術台7の体位が変化しているときは、連続的(本実施形態においては約5体位データ/秒)に手術台7の体位データを取り込み、手術台7の体位が変化していないときは、約5分に一回程度の頻度で手術台7の体位を記録している。
【0033】
再度、同一患者100に対して、同一部位について手術を行う場合、これまでの手術の場合は、手術者の経験と勘により手術台7の体位を手動により調整して前回の手術台7の体位と同程度と思われる手術台7の状態を再現していた。しかし、手術者が変わった場合にはこの手術台7の状態を再現することは、困難であった。本実施形態においては、ステップS5において患者100の過去の手術のどの体位を再現したいかを入力すれば、ステップS10において再現しようとしている患者100の体位を確認して容易に過去の手術台7の状態を再現することが可能となった。
【0034】
また、本実施形態においては、手術台体位表示画面2に手術台7の状態を常に表示しておくため、手術の安全性が向上した。たとえば、手術中に患者100の容態が変化した場合には、手術台体位表示画面2を見ながら速やかに手術台7の状態を安全に所望の状態に変更させることが可能となった。従来の手術部位のみを表出させて手術を行う場合には、患者の他の部位はカバーなどで覆われており、患者自身を見ながら手術台7を所望の体位へ変更することには多くの困難が伴っていた。
【0035】
また、脳外科手術の場合には、患者100の体の重心位置よりも、患者100の頭の位置が大きくあがると、血液が下肢に下がって、空気が脳血管に侵入してくる重大な危険状態を回避するために、手術者は患者の体位と脳血管の状態とに常に注意を払いながら、手術台7を操作しなければならなかった。しかし、本実施形態では、脳血管に空気が入らない限界の背板角度を図4のフローチャートにおけるステップS16にて記憶しておくことにより、限界角を超えて背板が動くことが無くなるので、手術台7の脳血管に空気が入らないようにすることができるようになった。
【0036】
また、本実施形態によれば、過去の手術体位を、レファレンスデータファイルを指示するだけで外部コンピュータ1の手術台体位表示画面2に表示することが可能となったため、手術後に手術中の患者100の体位検証を、手術者以外の者が容易にできるようになった。また、一定時間毎に手術台7の状態を記憶しておくことで、手術の経過を手術後に、手術台体位表示画面2に表示することにより、手術の作業状態を確認することが可能となった。
【0037】
さらに、手術台体位表示画面2を複数個設け、遠隔地において電気通信回線(電話回線、専用回線、インターネット回線など)によって手術台体位を表示させることにより、遠隔地にいる者の指示により手術台7を適切に移動させることも可能となった。この場合、遠隔地にいる者が手術における専門家である場合や、緊急に手術を行う場合に遠隔地にいる担当医や専門家の指示をリアルタイムで受ける場合には、非常に有効なシステムとして本実施形態を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施形態のシステムブロック図である。
【図2】本発明による実施形態の電気配線および手術台駆動ブロック図を表わす。
【図3】リモコンボックス5の表面パネルのレイアウトを示した図である。
【図4】フットスイッチ6の上面図を表わす図である。
【図5】本発明によるフローチャートである。
【図6】本発明によるフローチャートである。
【図7】ステップS14における手術台体位表示画面2である。
【図8】ステップS17実行後における手術台体位表示画面2である。
【図9】ステップS10における手術台体位表示画面2である。
【符号の説明】
1:外部コンピュータ
2:手術台体位表示画面
3:カレントループ−RS232Cコンバータ
4:インターフェースケーブル
5:リモコンボックス
6:フットスイッチ
7:手術台
8:RS232Cケーブル
10:バルブブロック
11:シリンダブロック
12:ロータリエンコーダブロック
13、14、22:コネクタ
19:ポンプモータ
20:作動油タンク
21:記憶装置
A:手術台正面図
B:手術台側面図
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔操作によって動作する手術台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の手術台として、例えば、下記の先行技術に開示されたものがある。
(1)特公平7−112482号:手術台患者を載せたままで体位設定を容易に行うために、天板台を時計方向に回動させるとともに、背板及び脚板を反時計方向に回動させることを特徴とする手術台を開示する。
(2)特開平5−192372号:手術台背板を持ち上げたり、下げたり、背板を「へ」の字や「V」の字の状態に動作させることができる手術台を開示する。
(3)特開平8−173492号:多目的手術台背板及び腰板を上下180度まで回動する手術台を開示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの手術においては、患者の手術部位を表出させ、表出された部位以外にはカバーがかけられてしまうので、患者がどのような体位で手術台にのっているかを、手術者が直接確認することは困難であった。すなわち、患者の体位がどのような状態であるかは、手術中の手術者には判断しづらく、術部を手術者が扱いやすい状態にすることを第1に考えて手術を行っていた。このような状況のもと、たとえば脳外科手術の場合には、患者の体の重心位置よりも、患者の頭の位置が大きく上にあがると、患者の血液が下肢に下がってしまい、エアーが脳血管に侵入してくる危険性があった。しかし、この危険性を回避するための手段は手術者の経験や勘に頼っていたため、安全性確保の点でより信頼性のある手術台が望まれていた。また、同じ患者の同一部位を再手術する場合に、患者の手術台上における体位を再現できればより適切な手術を行うことが可能になる。また、手術中の患者の容態が変化した場合などにおいて、手術台上の患者の体位を変える必要があるときに即座に対応できないことがあった。
【0004】
本願はこのような問題を解決するために発明されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による手術台は、個別に動作する支持台を2箇所以上持つ支持手段と、前記各支持台に前記支持台を動作させる機構手段と、前記支持台に指示を与える入力手段と、前記入力手段からの前記指示を解析し前記支持台を制御する第1の制御手段と、前記支持台の位置情報を送出する伝送手段と、前記伝送手段から送出された前記位置情報に基づき前記位置情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示する情報を制御する第2の制御手段と、前記表示手段に表示された情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0006】
前記各支持台は、前記各指示台における一軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【0007】
前記各支持台のうち少なくとも一台は、前記各指示台における3軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【0008】
前記各支持台のうち少なくとも一台は、前記第1の制御手段により移動範囲を限定されることを特徴とする。
【0009】
前記支持台は、患者の頭部を支える頭部板と、前記患者の上半身部分を支える背板と、前記患者の下半身部分を支える脚板とからなり、前記機構手段は、前記頭部板、前記背板と前記脚板を一体に昇降させる昇降手段と、略水平方向に移動可能とする一以上のスライド手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記頭部板には前記頭部板が回転可能な機構手段を設け、前記背板には前記背板が回転可能な機構手段を設け、前記脚板には前記脚板が回転可能な機構手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
前記頭部板、前記背板と前記脚板を一体に横転および縦転することを特徴とする。
【0012】
前記機構手段は、前記機構手段のうち少なくとも一つが2段階以上の動作速度を設定できることを特徴とする。
【0013】
前記表示手段には、前記支持手段の位置を、一または複数の方向から見た位置を表示することを特徴とする。
【0014】
前記表示手段には、前記支持手段の複数の状態を表示することが可能であることを特徴とする。
【0015】
前記記憶手段には、前記支持台の位置情報を記憶することを特徴とする。
【0016】
前記機構手段の動作範囲を前記制御手段によって制御することを特徴とする。
【0017】
前記入力手段は複数であることを特徴とする。
【0018】
前記機構手段は、シリンダであることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
−実施形態−
以下、図1〜図8を参照して、本発明による手術台の実施形態について説明する。
【0020】
図1は実施形態のシステムブロック図である。外部コンピュータ1、手術台体位表示画面2、カレントループ−RS232Cコンバータ3、インターフェースケーブル4、リモコンボックス5、フットスイッチ6、記憶装置21および手術台7から構成されている。手術台7には患者100が仰向けになっており、頭部板7a、背板7b、肢板7c、手術台脚7dはそれぞれ独立に動作させることができる。次に各構成要素の動作について述べる。手術者(図示せず。)は、患者100を手術台7に仰向けにのせた状態で手術を行う。患者100の手術中の体位は、頭部板7a、背板7b、肢板7c、手術台脚7dを動作させることにより調整、決定する。頭部板7a、背板7b、肢板7c、手術台脚7dを動作させるには、リモコンボックス5のボタンを押したり、フットスイッチ6のボタンを押したりする。このようにして動作させられた手術台7の状態信号は、インターフェース4を通じて、カレントループ−RS232Cコンバータ3に送られる。カレントループ−RS232Cコンバータ3において手術台7の状態信号はフォーマット変換がなされ、外部コンピュータ1に入力できる信号形態に変換される。変換された状態信号は外部コンピュータ1に入力され、外部コンピュータ1の内部で演算処理され手術台体位表示画面2に、手術台の状態(手術台7の側面図など)が表示される。手術台の状態表示は、適宜更新される。手術者は、この表示画面を見ながら、患者100の体位を確認して手術を開始、また続けることが可能となっている。
【0021】
図2に実施形態の電気配線および手術台駆動ブロック図を表す。図1と共通する部分には同一符合を付し、それらの説明は省略する。一点鎖線9の図2において右側の部分は手術台7の内部ブロックを表している。
【0022】
バルブブロック10は上昇10a〜高速10qまでの17箇所に分かれている。またシリンダブロック11は上昇11a〜固定11qまでの15箇所に分かれている。
【0023】
操作ボックス5またはフットスイッチ6にて選択された信号はコネクタ22又は、コネクタ13を通じて、手術台7内の制御基板16に入力される。制御基板16では入力された信号に基づいて、どのバルブブロックを閉じるかを選択してリレー基板17に信号を送る。その信号に基づいてリレー基板17からバルブブロック10a〜10qに対応する信号が出力され、選択されたバルブが閉じる。これとほぼ同時に制御基板16からポンプモータ19を駆動する信号が、コネクタ18を介してポンプモータ19に印加される。すると、ポンプモータは回転を始め、作動油タンク20内の油をシリンダブロック11に送り出し、あるいはシリンダブロック11内の油を作動油トランク20に戻す。すると、バルブブロックを選択する信号によって選択されたバルブに対応するシリンダにおいて、作動油タンク20内の油が入ったり、出たりすることで、選択されたシリンダが油圧により可動する。たとえば、手術台脚7dを上昇させるためのボタンを操作ボックス5において押すと、バルブ10aが閉じ、その結果シリンダ11aに作動油タンク20から油がシリンダ11内に流入してシリンダ11aが油圧にて長くなる方向に動作し、手術台肢7dが伸びることにより、手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に上昇することになる。このようにして、手術台肢7dがシリンダ11a、11bによって図1において上下方向に動き、シリンダ11c、11dによって頭部板7aが図1において軸7eを中心に図1において矢印600の方向に回動し、シリンダ11e,11fによって図1において患者100の右手方向または左手方向に手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に傾くように動き、背板7bがシリンダ11g、11fによって図1において軸7fを中心に矢印400の方向に回動し、肢板7cがシリンダ11m、11nによって図1において軸7gを中心に矢印500の方向に回動し、手術台7に乗っている患者100の体位を自在に制御する。また、シリンダ11iによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の足の方向に(図1において矢印200の方向)に移動する。シリンダ11jによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の頭の方向に(図1において矢印300の方向)に移動する。シリンダ11kによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の左手の方向に(図1において図面と垂直方向において奥の方向)に移動する。シリンダ11lによって手術台7の頭部板7a、背板7b、脚板7cが同時に、患者100の右手の方向に(図1において図面と垂直方向において手前の方向)に移動する。
【0024】
このように、手術台7の各部は移動するが、移動した量はロータリエンコーダ12a〜12gによって計測される。手術台肢7dの移動量は、ロータリエンコーダ12aによって、頭部板7aの移動量は、ロータリエンコーダ12bによって、背板7bの移動量はロータリエンコーダ12dによって、肢板7cの移動量はロータリエンコーダ12gによって測定される。頭部板7a、背板7b、脚板7c全体の前後の移動量はロータリエンコーダ12eによって、そして頭部板7a、背板7b、脚板7c全体の左右の動きはロータリエンコーダ12fによって計測され、各エンコーダの移動量は、制御基板16に入力され、外部インターフェース基板15、コネクタ14、カレントループ−RS232Cコンバータ8を介して外部コンピュータ1に入力される。外部コンピュータ1では、各ロータリエンコーダからの移動量に応じて、手術台7の状態を、手術台体位表示画面2に適宜、更新表示する。
【0025】
図3はリモコンボックス5の表面パネルのレイアウトを示した図である。5cは頭部板7aを図1における上方向に移動させるためのスイッチを表し、5mは頭部板7aを図1における下方向に移動させるためのスイッチを表す。以下同様に、5eおよび5oは背板7fを図1において上下方向に移動させるためのスイッチであり、5fおよび5pは手術肢7dを図1において上下方向に移動させるためのスイッチであり、5iおよび5sは肢板7cを図1において上下方向に移動させるためのスイッチであり、5gおよび5qは頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を、手術台7の設置面と水平方向において、仰向けに寝た状態の患者100の足方向に移動させるためのボタンである。前進ボタン5gで頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を、仰向けに寝た患者100の足方向に移動させ(図1における矢印200の方向)、後進ボタン5qで前進ボタン5gと反対方向である仰向けに寝た患者100の頭方向に頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を移動させる(図1における矢印300の方向)ためのスイッチである。5hおよび5rは頭部板7a、背板7b、脚板7c全体を患者100が仰向けに寝た状態で、手術台7の設置面と水平方向において、仰向けに寝た状態の患者100の両手方向(図1において図面と垂直方向)に移動させるためのボタンである。左進ボタン5hで患者100の左手方向(図1において図面と垂直方向における図面の奥側)に、右進ボタン5rで患者100の右手方向(図1において図面と垂直方向における図面の手前側)に移動させるためのスイッチである。これら5c〜5iおよび5m〜5sのスイッチを押すことによって手術台7の各部は移動するが、安全性を向上させるために各スイッチはESWスイッチ5wと同時に押さなければ実際には移動しない。各スイッチには発光ダイオードLEDが内蔵されており、押されたスイッチが有効な場合にはLEDが点灯するようになっている。
【0026】
また、手術台7の各部の移動スピードは2段階で切り替えられるようになっており、低速スイッチ5jを押すと移動が低速スピードになり、高速スイッチ5tを押すと移動が高速スピードになり、手術者の判断により選択することができる。低速または高速のいずれが選択されているかは、表示部分5aおよび表示部分5kに内蔵されたLEDが点灯することにより、手術者が判断できる。すなわち、表示部分5a(L.S.)が点灯しているときは、手術台7の各部分が低速(Low−Speed)で動作可能状態であることを示す。表示部分5k(H.S.)が点灯しているときは、手術台7の各部分が高速(High−Speed)で動作可能状態であることを示す。本実施形態において、低速とは距離の変化では約3〜5mm/秒、角度の変化では約1.5度〜2度/秒程度であり、高速とは距離の変化では約10〜15mm/秒、角度の変化では約4度〜6度/秒程度である。ただし、これらの値は目安であり更に大きな値、あるいは小さな値で設定できることは自明である。
【0027】
復帰スイッチ5uは、手術台7の現在状態の如何にかかわらず、頭部板7a、背板7b、肢板7cは、手術台7が設置されている床面に対して水平方向に一直線になるように移動することを指示するスイッチである。
【0028】
固定スイッチ5lを押すと、手術台7の各移動可能部分が移動不可能になり固定されることを示し、この場合ブレーキシリンダ11pが作動する。移動スイッチ5bは、固定スイッチによって一旦固定された手術台7の各移動可能部分が再び操作ボックス5の各スイッチによって移動可能状態にするスイッチである。
【0029】
図4はフットスイッチ6の上面図を表す図である。
【0030】
フットスイッチ6の上面には、前進ペダルスイッチ6a、後進ペダルスイッチ6b、右進ペダルスイッチ6c、左進ペダルスイッチ6dおよび復帰ペダルスイッチ6eが設けられている。各ペダルスイッチは手術者が主に足で押すことにより、手術台7の各部を移動させることが可能となる。また、前進、後進、左進、右進、復帰の各ペダルスイッチを押したときの手術台7の動作は、コントロールボックスの同名のスイッチを押したときと同一である。
【0031】
図4は、実施形態のシステムにおけるプログラムのフローチャートである。患者100を手術台7へ乗せてから、ステップS1にて外部コンピュータ1のキーボードから患者名を入力する。次にステップS2にて日付、時刻を入力し、作製するファイルを開く。以前に患者100が手術を受けている場合には、ステップS3にて以前手術した時のデータを読み込むかを確認する。ステップS4にて手術済みレファレンスデータを読み込むかを判断する。読み込む場合には、ステップS5に進み、以前の手術時に保存されたレファレンスデータ名一覧を表示する。ステップS6にて、手術者が再現しようと思っている手術台7の体位が記録されているレファレンスデータファイル名を選択する。ステップS7にて外部コンピュータ1の記憶装置から選択されたレファレンスデータを読み出して、ステップS10にてレファレンスデータに基づいて手術台体位表示画面2に、図形を描画する。このステップS10にて表示された手術台体位の一例を図8に表示する。図8は手術台7の側面図と前面図を表わす。この手術台7の状態表示をレファレンスデータとして次のステップS12に進む。手術者がリモコンボックス5または、フットスイッチ6を使用して手術台7を操作すると前述したロータリーエンコーダブロック12から手術台7の各部位の移動量に対応したデータが外部コンピュータ1に入力される。ステップS12にてこの移動量に対応したデータが外部コンピュータ1に入力されるとステップS13に移る。ステップS13では、RS232Cケーブルから入力された当該データを外部コンピュータ1内で解析、演算を行う。その後、ステップS14に移り、レファレンスデータによる手術台7の状態と当該データに基づく手術台7の状態を手術台体位表示画面2に重ね書きする。この状態を図6に示す。実線はレファレンスデータに基づく手術台7の体位を表わし、頭部板701a、背板701b、脚板701c、手術脚701dは手術台7操作後における手術台7の状態を示す。手術者はこの手術台体位表示画面2に表示された手術台7の状態を見て、患者の体位がどのように変化しているかを確認し、患者100の体位を細かく調整していくことができる。患者の手術に際して、後に再現したい手術台7の体位が表示された場合には、ステップS16にて、外部コンピュータ1の入力手段からのキー入力やコントロールボックス5の体位記憶キー(図示せず。)を押すことにより、現在、手術台体位表示画面2に表示された手術台7の状態をレファレンスデータファイルとして外部コンピュータ1の記憶装置21に記憶する。その後、外部コンピュータ1の入力手段からのキー入力やコントロールボックス5の終了キー(図示せず。)を押すことにより、外部コンピュータ1で作製されたすべてのファイルをクローズしてプログラムを終了させない場合は、ステップS11に戻る。ステップS11では前述した内容と同様に手術者がリモコンボックス5、またはフットスイッチ6を使用して手術台7を操作した結果発生するロータリーエンコーダからの出力がある場合には、そのデータの内容を外部コンピュータ1に取り込み、手術台体位表示画面2に手術台7の状態を表示する。すべての作業が終了すると、外部コンピュータ1の入力手段からのキー入力やコントロールボックス5の終了キー(図示せず。)を押して、外部コンピュータ1で作製されたすべてのファイルをクローズしてプログラムを終了させる。
【0032】
ステップS15において、手術台体位表示画面2に手術台7を表示するデータである体位データファイルは、手術台7の体位が変化しているときは、連続的(本実施形態においては約5体位データ/秒)に手術台7の体位データを取り込み、手術台7の体位が変化していないときは、約5分に一回程度の頻度で手術台7の体位を記録している。
【0033】
再度、同一患者100に対して、同一部位について手術を行う場合、これまでの手術の場合は、手術者の経験と勘により手術台7の体位を手動により調整して前回の手術台7の体位と同程度と思われる手術台7の状態を再現していた。しかし、手術者が変わった場合にはこの手術台7の状態を再現することは、困難であった。本実施形態においては、ステップS5において患者100の過去の手術のどの体位を再現したいかを入力すれば、ステップS10において再現しようとしている患者100の体位を確認して容易に過去の手術台7の状態を再現することが可能となった。
【0034】
また、本実施形態においては、手術台体位表示画面2に手術台7の状態を常に表示しておくため、手術の安全性が向上した。たとえば、手術中に患者100の容態が変化した場合には、手術台体位表示画面2を見ながら速やかに手術台7の状態を安全に所望の状態に変更させることが可能となった。従来の手術部位のみを表出させて手術を行う場合には、患者の他の部位はカバーなどで覆われており、患者自身を見ながら手術台7を所望の体位へ変更することには多くの困難が伴っていた。
【0035】
また、脳外科手術の場合には、患者100の体の重心位置よりも、患者100の頭の位置が大きくあがると、血液が下肢に下がって、空気が脳血管に侵入してくる重大な危険状態を回避するために、手術者は患者の体位と脳血管の状態とに常に注意を払いながら、手術台7を操作しなければならなかった。しかし、本実施形態では、脳血管に空気が入らない限界の背板角度を図4のフローチャートにおけるステップS16にて記憶しておくことにより、限界角を超えて背板が動くことが無くなるので、手術台7の脳血管に空気が入らないようにすることができるようになった。
【0036】
また、本実施形態によれば、過去の手術体位を、レファレンスデータファイルを指示するだけで外部コンピュータ1の手術台体位表示画面2に表示することが可能となったため、手術後に手術中の患者100の体位検証を、手術者以外の者が容易にできるようになった。また、一定時間毎に手術台7の状態を記憶しておくことで、手術の経過を手術後に、手術台体位表示画面2に表示することにより、手術の作業状態を確認することが可能となった。
【0037】
さらに、手術台体位表示画面2を複数個設け、遠隔地において電気通信回線(電話回線、専用回線、インターネット回線など)によって手術台体位を表示させることにより、遠隔地にいる者の指示により手術台7を適切に移動させることも可能となった。この場合、遠隔地にいる者が手術における専門家である場合や、緊急に手術を行う場合に遠隔地にいる担当医や専門家の指示をリアルタイムで受ける場合には、非常に有効なシステムとして本実施形態を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施形態のシステムブロック図である。
【図2】本発明による実施形態の電気配線および手術台駆動ブロック図を表わす。
【図3】リモコンボックス5の表面パネルのレイアウトを示した図である。
【図4】フットスイッチ6の上面図を表わす図である。
【図5】本発明によるフローチャートである。
【図6】本発明によるフローチャートである。
【図7】ステップS14における手術台体位表示画面2である。
【図8】ステップS17実行後における手術台体位表示画面2である。
【図9】ステップS10における手術台体位表示画面2である。
【符号の説明】
1:外部コンピュータ
2:手術台体位表示画面
3:カレントループ−RS232Cコンバータ
4:インターフェースケーブル
5:リモコンボックス
6:フットスイッチ
7:手術台
8:RS232Cケーブル
10:バルブブロック
11:シリンダブロック
12:ロータリエンコーダブロック
13、14、22:コネクタ
19:ポンプモータ
20:作動油タンク
21:記憶装置
A:手術台正面図
B:手術台側面図
Claims (14)
- 個別に動作する支持台を2箇所以上持つ支持手段と、
前記支持台を動作させる機構手段と、
前記支持台に指示を与える入力手段と、
前記入力手段からの前記指示を解析し前記支持台を制御する第1の制御手段と、
前記支持台の位置情報を送出する伝送手段と、
前記伝送手段から送出された前記位置情報に基づき前記位置情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示する情報を制御する第2の制御手段と、
前記表示手段に表示された情報を記憶する記憶手段とを有することを特徴とする手術台。 - 前記各支持台は、前記各支持台における少なくとも一軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の手術台。
- 前記各支持台のうち少なくとも一台は、前記各支持台における3軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の手術台。
- 前記各支持台のうち少なくとも一台は、前記第1の制御手段により移動範囲を限定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の手術台。
- 前記支持台は、患者の頭部を支える頭部板と、前記患者の上半身部分を支える背板と、前記患者の下半身部分を支える脚板とからなり、前記機構手段は、前記頭部板、前記背板と前記脚板を一体に昇降させる昇降手段と、略水平方向に移動可能とする一以上のスライド手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の手術台。
- 前記頭部板には前記頭部板が回転可能な機構手段が設けられ、前記背板には前記背板が回転可能な機構手段が設けられ、前記脚板には前記脚板が回転可能な機構手段が設けられたことを特徴とする請求項1または5に記載の手術台装置。
- 前記頭部板、前記背板と前記脚板が一体に横転および縦転されることを特徴とする請求項1、請求項5または請求項6に記載の手術台。
- 前記機構手段は、前記機構手段のうち少なくとも一つが2段階以上の動作速度が設定されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の手術台。
- 前記表示手段には、前記支持手段の位置を、一または複数の方向から見た位置が表示されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の手術台。
- 前記表示手段には、前記支持手段の複数の状態が表示されることが可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の手術台。
- 前記記憶手段には、前記支持台の位置情報が記憶されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の手術台。
- 前記機構手段の動作範囲を前記制御手段によって制御されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の手術台。
- 前記入力手段は複数であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の手術台。
- 前記機構手段は、シリンダであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の手術台。
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Legal Events
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