JP2004358239A - 医療器具保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 手術時の障害を軽減でき、かつ、遊び(ガタ付き)が少なく先端に設けられた医療器具を確実に所望の位置に配置可能な医療器具保持装置を提供する。
【解決手段】 医療器具保持装置1は、1組の平行四辺形リンク機構4と、この平行四辺形リンク機構4の第2の支持部12に支持され、医療器具17を保持する医療器具保持アーム18とを備えている。また、平行四辺形リンク機構4は、第2および第3の支持部12,13を固定する固定状態と、この固定状態を解除して揺動可能とする固定解除状態とを切り換え可能で、医療器具保持アーム18で医療器具17を所望の位置に配置した状態で平行四辺形リンク機構4を固定状態に切り換える電磁ブレーキ23,24を備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば内視鏡や顕微鏡などの医療器具を保持する医療器具保持装置に関する。
例えば特許文献1ないし特許文献3には、平行四辺形リンク機構を有する医療器具保持装置が開示されている。特許文献1ないし特許文献3に開示されているように、平行四辺形リンク機構で連動するアームを有する機構の運動を固定する場合には、リンク上のヒンジ(枢支部)の1箇所の回動を防止するように固定してリンク機構の回動を防止する。
例えば特許文献1には、図6に示すように、医療器具保持装置aが開示されている。この保持装置aには、第1の平行四辺形リンク機構bと、このリンク機構bの先端に設けられた第2の平行四辺形リンク機構cとが設けられている。第1の平行四辺形リンク機構bは、4つのアームd1−d4と、4つのヒンジe1−e4とを備えている。アームd1は、略中央部に設けられた枢支部fによって受台gに固定状態/固定解除状態に切り換え可能に枢支されている。
アームd1の一端とアームd2の一端とのヒンジe1からアームd2の他端のヒンジe2に対して反対側に延設された位置に第2の平行四辺形リンク機構cが配設されている。ヒンジe1には、第1の平行四辺形リンク機構bのリンク形状に関係なく第2の平行四辺形リンク機構cを軸h11回りに固定状態/固定解除状態とする制動軸受h1が設けられている。また、第2の平行四辺形リンク機構cの先端には、医療器具iが配設されている。
アームd1の他端と上述したアームd2に平行に設けられたアームd4の一端とのヒンジe4には、第1の平行四辺形リンク機構bを固定状態/固定解除状態とする制動軸受h4が設けられている。アームd4のヒンジe3よりもさらに延設された位置には、第2の平行四辺形リンク機構cおよび医療器具iとのバランスを図るカウンターウェイトjが設けられている。
そして、医療器具iを所望の位置に移動させて処置を行う場合には、第1の平行四辺形リンク機構bの制動軸受h4を固定解除状態にしてリンク機構bを自由に変形させる。このとき、カウンターウェイトjによって第1の平行四辺形リンク機構bと医療器具iとのバランスが図られている。また、第1の平行四辺形リンク機構bの運動を固定する場合には、このリンク機構b上の制動軸受h4を固定状態に切り換えるように制動軸受h4を制御する。
特開昭56−32110号公報 特公平2−9820号公報 特開2001−258903号公報
上述した特許文献1に開示された図6に示す医療器具保持装置aでは、第1の平行四辺形リンク機構bの形状を保持するために、1つのヒンジe4にのみ制動軸受h4を搭載した構成である。このため、第1の平行四辺形リンク機構bの形状を保持する場合、ヒンジe4と異なる3つのヒンジe1−e3の遊び(ガタ付き)がヒンジe1に配設された第2の平行四辺形リンク機構cを介して先端の医療器具iまで伝わってしまう構造となっている。そうすると、ヒンジe1−e3の遊びによって医療器具iをより確実に位置決めすることは難しいという問題がある。
また、上記問題を避けるため、第1の平行四辺形リンク機構bを所望の形状で制動させ、かつ、遊びを抑えるためにヒンジe4と異なる、第2の平行四辺形リンク機構cが接続されたヒンジe1に制動軸受を配置することが好ましい。しかし、新たに制動軸受を配置するためには、ヒンジe1に配設された制動軸受h1とは異なる制動軸受を収容するための突出部をさらに設ける必要がある。このような突出部は手術時に邪魔(障害)となることがある上に、新たな制動軸受分の重量を釣り合わせるためのカウンターウェイトjの重量も大きくすることが必要になる。そうすると、医療器具保持装置aが大型化してさらに手術の邪魔になるおそれがある。
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、手術時の障害を軽減でき、かつ、遊び(ガタ付き)が少なく先端に設けられた医療器具を確実に所望の位置に配置可能な医療器具保持装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、医療器具を保持する医療器具保持装置には、少なくとも1組のリンク機構を具備するとともに、前記リンク機構の動作を拘束/拘束解除可能な固定手段を前記リンク機構上の2箇所以上に設けている。
このような構成を有するので、前記枢支部を固定手段で固定状態とすると、固定された枢支部に配設されたアームのガタ付きを抑えることができる。このため、医療器具を所望の位置に確実に配置することができる。さらに、前記枢支部のうち複数に固定手段を設けたので、リンク機構の枢支部にいずれかに1つしか固定手段を設けない場合よりも、各固定手段を小型化することができる。このため、手術時に固定手段が邪魔になることを防止することができる。すなわち、手術時の障害を軽減することができる。
また、好ましくは、前記リンク機構は、前記医療器具が保持されることによる釣り合わせを図る錘を前記医療器具が保持された側と反対側に備えている。
このため、術者は装置の重量を負担することなく、リンク機構の安定性を確保することができる。すなわち、医療器具保持装置の安定性を確保することができる。
この発明によれば、手術時の障害を軽減でき、かつ、遊び(ガタ付き)が少なく先端に設けられた医療器具を確実に所望の位置に配置可能な医療器具保持装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
まず、第1の実施の形態について図1を用いて説明する。図1はこの実施の形態に係る医療器具保持装置1の概略構成を示す。図1に示すように、医療器具保持装置1は、例えば床やベッドなどに固定されるアーム状のベース2を備えている。このベース2の上端部には、ベース2に対して例えば鉛直軸回りに回転可能なベースアーム3の下端部が枢支されて連接されている。
このベースアーム3の上端部には、平行四辺形リンク機構4が支持されている。この平行四辺形リンク機構4は、互いに平行または同一平面状を回動可能な4つのアーム(第1ないし第4のアーム)6−9と、各アーム6−9間を枢支する枢支部として4つの支持部(第1ないし第4の支持部)11−14とを備えている。
第1のアーム6の一端部には、ヒンジ状に設けられた第1の支持部(第1の接続部)11によって、第2のアーム7の一端部が接続されている。第1のアーム6の他端部には、ヒンジ状に設けられた第2の支持部(第2の接続部)12によって、第3のアーム8の一端部が接続されている。第2のアーム7と、第3のアーム8とは、平行に配設されている。
第2のアーム7の他端部と、第3のアーム8の他端部との間には、第1のアーム6に平行に第4のアーム9が配設されている。第4のアーム9の一端部は、第2のアーム7の他端部と第3の支持部(第3の接続部)13でヒンジ状に接続されている。第4のアーム9の他端部は、第3のアーム8の他端部と第4の支持部(第4の接続部)14でヒンジ状に接続されている。上述したベースアーム3の上端部は、この第4の支持部14に接続されている。すなわち、平行四辺形リンク機構4は、第4の支持部14でベースアーム3の上端部に支持されている。
この平行四辺形リンク機構4の第1のアーム6の他端部の第2の支持部12には、先端部もしくはその近傍に医療器具17を保持する医療器具保持アーム(医療器具保持部)18の基端部が枢支されて連結されている。この医療器具保持アーム18は、第1のアーム6と同一軸上に配置され、第2の支持部12を支点として回動可能である。すなわち、この医療器具保持アーム18の基端部には、医療器具保持アーム18とともに、第1および第3のアーム6,8の端部が共通した第2の支持部12に支持されて、互いに平行な平面内を回動可能である。
さらに、医療器具保持アーム18は、第2の支持部12で医療器具保持アーム18の長手方向に沿った軸O1回りに回動(回転)可能に支持されている。なお、医療器具17には、例えば内視鏡、顕微鏡、鉗子、その他処置具などが使用される。
一方、第2の支持部12の対角上に設けられた第3の支持部13には、医療器具17との間のバランスを図るカウンターウェイト(錘)20が回動可能に支持されている。このカウンターウェイト20は、第4のアーム9と同一軸上に配置されている。
また、第2の支持部12には、この第2の支持部12を固定する固定手段として例えば電磁ブレーキ23が配設されている。この電磁ブレーキ23は、第2の支持部12に支持された医療器具保持アーム18、第1および第3のアーム6,8の回動を防止する固定状態と、これらアーム18,6,8間の固定状態を解除し、可動状態とする固定解除状態とに切り換え可能である。この電磁ブレーキ23は、固定状態のときに、第2の支持部12に支持された医療器具保持アーム18、第1および第3のアーム6,8の回動に抵抗を与えて各アーム18,6,8の角度変化を可動状態(略固定状態)で抑制する角度変化抑制手段をさらに備えている。すなわち、電磁ブレーキ23は、略固定状態を有する固定状態と、固定解除状態との例えば2段階(3段階)に切り換え可能である。
また、第3の支持部13には、この第3の支持部13を固定する固定手段として例えば電磁ブレーキ24が配設されている。この電磁ブレーキ24は、支持部13に支持されたカウンターウェイト20、第2および第4のアーム7,9の回動を防止する固定状態と、カウンターウェイト20およびアーム7,9間の固定状態を解除し、可動状態とする固定解除状態とに切り換え可能である。この電磁ブレーキ24は、第4の支持部14に支持されたカウンターウェイト20、第2および第4のアーム7,9の回動に抵抗を与えてカウンターウェイト20、第2および第4のアーム7,9の角度変化を可動状態(略固定状態)で抑制する角度変化抑制手段をさらに備えている。すなわち、電磁ブレーキ24は、固定状態と、固定解除状態との例えば2段階(3段階)に切り換え可能である。
第4の支持部14には、この第4の支持部14を固定する固定手段として例えば電磁ブレーキ25が配設されている。この電磁ブレーキ25は、第4の支持部14に支持されたベースアーム3、第3および第4のアーム8,9の回動を防止する固定状態と、これらアーム3,8,9間の固定状態を解除し、可動状態とする固定解除状態とに切り換え可能である。この電磁ブレーキ25は、固定状態のときに、第4の支持部14に支持されたベースアーム3、第3および第4のアーム8,9の回動に抵抗を与えて各アーム3,8,9の角度変化を可動状態(略固定状態)で抑制する角度変化抑制手段をさらに備えている。すなわち、電磁ブレーキ25は、略固定状態を有する固定状態と、固定解除状態との例えば2段階(3段階)に切り換え可能である。
また、これら電磁ブレーキ23−25のスイッチ(図示せず)が例えば医療器具17の近傍に設けられ、術者が容易に固定状態/固定解除状態に切り換え可能である。さらに、これら電磁ブレーキ23−25は、支持部12,13,14の略固定状態において、支持したアーム6−9,18、カウンターウェイト20間の接続角度の変化量に応じて抵抗を与える量を変化させる機能(制御手段)を有する。例えば、アーム6−9,18、カウンターウェイト20間の接続角度の変化量が小さいほど回動の抵抗力が大きく設定されている。また、所定の回動量よりも大きくなるほど回動の抵抗力が大きく設定されている。なお、一般にこのような医療器具保持装置1では、万一この装置1が故障した場合等に備えて手術場所から人力で装置を退避できるように電磁ブレーキ23−25の固定力には適当な上限が設けられている。
次に、この実施の形態に係る医療器具保持装置1の作用について説明する。
まず、医療器具17の近傍に設けられたスイッチを操作して電磁ブレーキ23−25を固定解除状態に切り換える。そして、平行四辺形リンク機構4の第2の支持部12で枢支された医療器具保持アーム18を所望の位置に移動させる。すなわち、平行四辺形リンク機構4を任意の形状に変形させて医療器具17を所望の位置に配置する。この状態で電磁ブレーキ23−25のスイッチを操作して固定状態に切り換えて、それぞれ支持部12,13,14を固定状態に切り換える。このとき、各支持部12,13,14は、一斉にまたは適当な時間差をもって電磁ブレーキ23−25の作用によって制動される。これらの電磁ブレーキ23−25を一斉に作用させるか、適当な時間差をもって作用させるかは、適宜選択される。例えば選択スイッチが設けられていることが好適である。
まず、電磁ブレーキ23−25を一斉に作用させた場合について説明する。
このように各電磁ブレーキ23−25を第2ないし第4の支持部12,13,14に作用させたとき、個々の電磁ブレーキ23−25を組み合わせたときの制動力は、従来の平行四辺形リンク機構に設けた1つの電磁ブレーキの制動力を有していれば良い。すなわち、各電磁ブレーキ23−25の制動力は従来の電磁ブレーキの制動力よりも弱くて済む。このため、各支持部12,14,16に加えられる制動力を弱くすることができる。そうすると、各電磁ブレーキ23−25は従来の電磁ブレーキよりも小型化が図れる。
その結果、各支持部12,13,14の電磁ブレーキ23−25の制動によって生じる振動も小さくなる。したがって、電磁ブレーキ23−25が一斉にまたは適当な時間差をもって作用されると、各支持部12,13,14に生じる振動量を抑制することができる。
次に、電磁ブレーキ23−25を適当な時間差をもって作用させた場合について説明する。
第4の支持部14の電磁ブレーキ25、第2の支持部12の電磁ブレーキ23および第3の支持部13の電磁ブレーキ24の順に電磁ブレーキを作用させる。また、他に、第4の支持部14の電磁ブレーキ25を作用させた後、対角上に設けられた第2および第3の支持部12,13の電磁ブレーキ23,24を同時に作用させても良い。
このように各電磁ブレーキ23−25を適当な時間差をもって各支持部12,13,14に作用させたとき、個々の電磁ブレーキ23−25を組み合わせたときの制動力は、従来の平行四辺形リンク機構に設けた1つの電磁ブレーキの制動力を有していれば良い。また、先に他の電磁ブレーキが作用されると、制動力が既に平行四辺形リンク機構4に加えられているので、時間差をもって作用させる電磁ブレーキの制動力を弱くすることができる。すなわち、各電磁ブレーキ23−25の制動力は従来の電磁ブレーキの制動力よりもさらに弱くて済む。そうすると、各電磁ブレーキ23−25は従来の電磁ブレーキよりも小型化が図れる。また、隣接する電磁ブレーキの作用が同時に行なわれないので、平行四辺形リンク機構4に生じる振動がピーク時に対して減衰した状態で他の電磁ブレーキを作用させることができる。その結果、各支持部12,13,14の電磁ブレーキ23−25の制動によって生じる振動および振動時間も小さくなる(後述する図5参照)。
したがって、電磁ブレーキ23−25が一斉にまたは適当な時間差をもって作用されると、各支持部12,13,14に生じる振動量を抑制することができる。
その後、術者が医療器具17を把持して医療器具17を電磁ブレーキ23−25の制動力に抗して移動させる。すると、医療器具17が適当な抵抗力をもって移動する。このとき、医療器具17の移動量が少ないと、電磁ブレーキ23−25の制動力が強く働いて移動時の抵抗力が大きい。一方、所定量移動させると、電磁ブレーキ23−25を解除状態としたときのように抵抗力が小さくなり、さらに適当な量移動させて離すと、再び抵抗力が大きくなる。そして、医療器具17を離すと、再び固定された固定状態となる。このため、医療器具17を例えば微小移動させるときに使用されることが好適である。このとき、支持部12,13,14は、一斉にまたは適当な時間差をもって電磁ブレーキ23−25によって制動される。
このため、電磁ブレーキ23−25が固定状態であっても、術者が人力で医療器具17を動かすことができ、かつ、手を離しても自重により医療器具17の保持位置が下がることが防止される。
このようにして、医療器具17を所望の位置に配置して位置決めする。医療器具17として例えば内視鏡が用いられているとすると、術者は内視鏡で生体組織を観察しながら処置を行う。
以上説明したように、この実施の形態の医療器具保持装置1によれば、以下の効果が得られる。
各支持部12,13,14にそれぞれ電磁ブレーキ23−25が設けられているので、各アーム6−9,18およびカウンターウェイト20間に生じるガタ付きの発生を抑制することができる。さらに、平行四辺形リンク機構4を所望の形状で固定するときに、各支持部12,13,14に加えられる制動力を分散させることができる。このため、各支持部12,13,14に加える制動力をそれぞれ小さくして1つ1つの固定手段(電磁ブレーキ23−25)の小型化を図りながら各支持部12,13,14を確実に制動することができる。
また、各電磁ブレーキ23−25を制動させるときに、適当な時間差をもって制動させる。すると、電磁ブレーキ23−25に一時に制動させて支持部12,13,14で一時に振動を生じさせるときよりも、振動の発生を小さく抑えることができる。このため、医療器具17に伝達される振動を小さく抑えることができる。
また、固定手段の小型化を図ったことによって手術時に固定手段が邪魔になる(障害となる)可能性を軽減することができる。
また、電磁ブレーキ23−25が作動状態(固定状態)であっても、術者が人力で平行四辺形リンク機構4を適当な抵抗をもって動かせるので、例えば医療器具17を微小動作させるときなどに有効である。さらに、電磁ブレーキ23−25の適当な抵抗力によって、平行四辺形リンク機構4や医療器具保持アーム18から手を離しても平行四辺形リンク機構4などの自重によって医療器具保持アーム18の保持位置が下がることを防止することができる。
したがって、固定手段による突出部が小さく形成されて操作性がよく、かつ、遊びが少なく先端に設けられた医療器具17を所望の位置に確実に位置決め可能な医療器具保持装置1を提供することができる。
なお、この実施の形態では固定手段として電磁ブレーキ23−25を用いて説明したが、例えば機械的な固定ブレーキや、空気クラッチ(空気圧クラッチ)であっても良い。
また、この実施の形態では、平行四辺形リンク機構4の3つの支持部12,13,14に固定手段として電磁ブレーキ23−25が設けられていることを説明した。しかし、第1の支持部11には、平行四辺形リンク機構4の例えば第3のアーム8のみを固定可能な固定手段や、第4のアーム9のみを固定可能な固定手段が設けられていても良い。すなわち、平行四辺形リンク機構4の対角上の2つの支持部12,13のみに平行四辺形リンク機構4を固定する固定手段が設けられていても良い。
そうすると、電磁ブレーキ24,25は、それぞれ隣接するアーム6,8間およびアーム7,9間を制動するときに、電磁ブレーキ23,24に加わる力を分散させて制動することができる。また、4つのアーム6−9の少なくとも一端が必ず制動される。すなわち、平行四辺形リンク機構4に生じるガタ付きは、第1および第4の支持部11,14によってのみ生じる。しかし、これら第1および第4の支持部11,14にそれぞれ隣接する支持部12,13に電磁ブレーキ23,24が設けられているので、発生するガタ付きが隣接する支持部12,13で抑制される。このため、平行四辺形リンク機構4から医療器具保持アーム18に伝達されるガタ付きを小さく抑えることができる。したがって、平行四辺形リンク機構4のいずれか1つの支持部に固定手段が設けられているときよりも医療器具保持アーム18に伝達されるガタ付きの発生を抑制することができる。
このように、平行四辺形リンク機構4のガタ付きの発生が効率良く抑制されるので、医療器具17に生じるガタ付きの発生は、医療器具保持アーム18に生じるガタ付きの発生が抑制されることに伴って抑制される。同様に、医療器具17への振動の伝達も抑制される。
また、この実施の形態では、1つの平行四辺形リンク機構4について説明したが、例えば平行四辺形リンク機構が2つなど複数並設された状態で連接されていても良い。
その他、第1のアーム6の他端部に医療器具保持アーム18の基端部が第2の支持部12で枢支されて連結されていることを説明したが、第1のアーム6と医療器具保持アーム18とが一体的に形成されていることも好適である。
次に、第2の実施の形態について図2を用いて説明する。
図2(A)に示すように、この実施の形態に係る医療器具保持装置1は、鉛直方向に軸X1を備え、医療器具保持装置1の基部として例えばフロア上に移動/固定可能に立設されたベース40を備えている。このベース40の上部には、ベース40の鉛直方向軸X1回りに回転(回動)可能な水平ブロック41が取り付けられている。この水平ブロック41の軸X1回りの回転は、ベース40の水平ブロック41を支持する支点(枢支部)に設けられた電磁ブレーキ(図示せず)などの固定手段によって固定状態と、固定解除状態とに切り換えられる。
また、図2(B)に示すように、水平ブロック41には、軸X1に対して直交した水平軸X2回りに回動(揺動)自在に支持部42が取り付けられている。この支持部42には、支持部42の支点である水平ブロック41に設けられた固定手段として例えば電磁ブレーキ43が設けられている。このため、支持部42は、電磁ブレーキ43によって軸X2回りの回動が規制される固定状態と、規制が解除され、回動可能となる固定解除状態とに切り換えられる。
また、支持部42には、軸X2に対して直交した面内を支持部42とともに揺動する支持アーム45が配設されている。この支持アーム45は、支持アーム45の長手方向軸X3回りに回転可能に支持されている。この支持アーム45の一端部(先端部)には、例えば支持部42の軸X2に対して平行に設けられることが好適な軸X4回りに揺動可能に医療器具保持アーム46の基端部近傍が支持されている。一方、支持アーム45の他端部(基端部)には、軸X4に平行な軸X5回りに揺動可能なリンク部材(回転変位部)47の先端部が支持されている。さらに、このリンク部材47の先端部近傍と医療器具保持アーム46の基端部との間には、支持アーム45に平行に設けられ、力を伝達する伝達手段として例えば伝達棒48が配設されている。この伝達棒48の先端部は、医療器具保持アーム46の基端部で、上述した軸X4に平行な軸X8で支持されている。また、伝達棒48の基端部は、リンク部材47の先端部近傍で、上述した軸X5に平行な軸X9で支持されている。このとき、軸X4,X8間を結ぶ線分と、軸X5,X9間を結ぶ線分とは、互いに平行な状態にある。また、軸X4,X5間を結ぶ線分と、軸X8,X9間を結ぶ線分とは、互いに平行な状態にある。このようにして、支持アーム45と、医療器具保持アーム46と、リンク部材47と、伝達棒48とで平行四辺形リンク機構が形成されている。このとき、医療器具保持アーム46やリンク機構を変位させても、医療器具保持装置1の全体の重心の位置は、リンク機構が平行四辺形で形成されていることによって変化しない。すなわち、リンク機構の重心の位置は、決まった位置に保持される。このため、医療器具保持装置1の安定性を確保することができる。
また、支持アーム45と医療器具保持アーム46との支点である軸X4と、支持アーム45とリンク部材47との支点である軸X5とには、それぞれ固定手段として例えば電磁ブレーキ50,51が配設されている。このため、平行四辺形リンク機構は、電磁ブレーキ50,51によって軸X4,X5が固定状態と、固定解除状態とに切り換えられる。
そして、医療器具保持アーム46の先端部には、医療器具保持アーム46の長手方向を軸とする軸X6回りに回転自在な中間体アーム53の基端部が取り付けられている。この中間体アーム53の軸X6回りの回転は、医療器具保持アーム46の先端部に設けられた固定手段として例えば電磁ブレーキ(図示せず)によって固定状態と、固定解除状態とに切り換えられる。
さらに、中間体アーム53の先端部には、先端アーム55の基端部が自在継手(球面継手)55bによって中間体アーム53の先端部に対して回動自在に取り付けられている。この先端アーム55は、中間体アーム53の軸X6およびこの軸X6に直交する2軸の合計3軸回りに回転自在となっている。すなわち、先端アーム55は3次元的に回動可能となっている。なお、先端アーム55の基端部の自在継手55bには、例えば球体への押圧/押圧解除によって固定状態と固定解除状態とに切り換えられる固定手段として電磁ブレーキ(図示せず)が配設されている。
そして、この先端アーム55の先端部には、把持機構55aが設けられて例えば内視鏡や顕微鏡、鉗子などの医療器具57が取り付けまたは把持されている。
また、この医療器具57の近傍には、上述した固定手段である電磁ブレーキ50,51,43を固定状態と固定解除状態とに切り換える(制御する)スイッチ(図示せず)が設けられている。このスイッチをオンにすることによって各固定手段である電磁ブレーキ50,51,43は、同時にあるいは適当に設けられた時間差をもって軸X4,X5,X2の固定を解除する。このため、リンク機構を所望の形状に変形させることが可能となる。また、このスイッチをオフにすることで各電磁ブレーキ50,51,43は同時にあるいは適当に設けられた時間差をもって軸X4,X5,X2回りの回動が規制されて固定される。
なお、上述したリンク部材47の基端部には、カウンターウェイト(錘)59が搭載されている。このため、医療器具保持アーム46から先端の医療器具57までの重量は、カウンターウェイト59を軸X5回りに回動させて釣り合いが図られる。そして、リンク部材47の先端部の軸X5には、電磁ブレーキ51が設けられているので、医療器具57に対する釣り合いが図られた状態でカウンターウェイト59が止められる。
また、一般にこのような医療器具保持装置1では、万一この装置1が故障した場合に備えて手術場所から人力で装置を退避できるように電磁ブレーキ50,51,43の固定力には上限が設けられている。この実施の形態の医療器具保持装置1は、電磁ブレーキ50,51の制動力に抗して医療器具57を適当な抵抗力をもって移動可能となっている。
また、これら電磁ブレーキ50,51,43の大きさは、その固定力設定値によって左右される。この実施の形態では、平行四辺形リンク機構の形状変形を抑制し、固定する固定手段として電磁ブレーキ50,51を2箇所に分けて搭載している。このため、固定手段50,51それぞれ1個あたりに必要なトルクは1個しか設けられていなかったときの略半分で済むことになる。
なお、この実施の形態では、固定手段を軸X4,X5の位置に設けたが、その他、軸X8,X9に設けられていることも好適である。また、固定手段として電磁ブレーキ50,51,43を設けたことを説明したが、電磁ブレーキ50,51,43は固定状態において、固定力を可変にした略固定状態となる角度変化抑制手段として設けられていることも好適である。
次に、この実施の形態に係る医療器具保持装置1の作用について説明する。
まず、平行四辺形リンク機構の医療器具保持アーム46のスイッチを操作し、各電磁ブレーキ50,51,43の固定状態を一斉に解除して固定解除状態としておく。そして、中間体アーム53や医療器具保持アーム46などを把持して医療器具57を所望の位置に移動させる。すなわち、平行四辺形リンク機構を任意の形状に変形(変位)させて医療器具57を所望の位置に配置する。
そして、電磁ブレーキ50,51,43を適当な時間差をもって固定状態に切り換えて、軸X4,X5,X2を固定状態とする。このため、支持アーム45、医療器具保持アーム46、リンク部材47、伝達棒48のそれぞれの間の角度変化を抑制された状態となる。
このようにして、医療器具57を所望の位置に配置して位置決めする。なお、位置の変化が抑制された状態、すなわち各電磁ブレーキ50,51,43を角度変化抑制手段として作用させる場合においては、完全な固定状態ではなく、軸X4,X5,X2を可動させることができる。このため、医療器具57の配置を細かく設定するときなどに使用される。
以上説明したように、この実施の形態によれば以下のような効果が得られる。
各軸X4,X5に固定手段として電磁ブレーキ50,51を備え、結果としてリンク機構に複数の固定手段を備えた。このため、リンク機構を制動させる固定力を各軸X4,X5に分散させることができる。そうすると、電磁ブレーキ50,51も固定力に応じて小型化することができる。このため、電磁ブレーキ50,51を収容するための突出部の突出量も電磁ブレーキ50,51の小型化に応じて小さなものとすることができる。したがって、固定手段および突出部の小型化が図れ、突出部が側方に突出して手術時の邪魔になることを抑制することができる。
また、平行四辺形のリンク機構の先端側の関節(支点X4,X5)に固定手段を搭載しているので関節のガタ付きによって発生する先端の遊びを最小限に抑えることができる。また、医療器具保持アーム46が支持された軸X4に固定手段として電磁ブレーキ50が配設されているので、遊びの伝達を最小限に抑えることができる。このため、制動時の振動を医療器具保持アーム46、中間体アーム53や医療器具57に伝わり難くすることができる。
この実施の形態において、固定手段の搭載箇所を3箇所や4箇所などにすることによってさらに固定手段が小型化されて、医療器具保持装置1から固定手段が突出するのを小さく抑えることができる。また、固定手段を各関節に配置することによってガタ付きの発生を最小限に抑えることができる。
また、この実施の形態において、2つの固定装置(固定手段)50,51にそれぞれ励磁型、非励磁型のものを用いる。このため、装置1の電源がオフのときの固定力を医療器具保持装置1の稼動状態の固定力に対して例えば半分の固定力にすることができる。したがって、リンク機構の稼動中には固定手段の固定/固定解除を制御するスイッチのオン/オフにより、リンク機構の動作が解除状態、固定状態となる。医療器具保持装置1全体の電源がオフのときには、リンク機構に2つの固定手段のうちの1つの固定手段が作動して、半固定状態とすることができる。これにより、医療器具保持装置1への電源供給が絶たれるなどして人力で装置1を動かす必要が生じた場合には、より軽い力で退避させることができ、手術の遂行を妨げることを防止することができる。
さらに、この実施の形態において、例えば先端側に配置される固定手段50の固定力を他方の固定手段51の固定力よりも小さく設定し、先端側に搭載する固定手段50の突出部を固定手段51の突出部よりも小さくする。すると、先端側の重量の増大を最小限に抑えて、先端側と釣り合わせるためのカウンターウェイト59の重さを最小限に抑えることができる。
したがって、固定手段による突出部が小さく形成されて操作性がよく、かつ、遊びが少なく先端に設けられた医療器具57を確実に所望の位置で位置決め可能な医療器具保持装置1を提供することができる。
次に、第3の実施の形態について図3を用いて説明する。この実施の形態は第2の実施の形態の変形例であるので、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。したがって、第2の実施の形態と重複している部分の説明は省略し、第2の実施の形態との相違点のみ説明する。主な変更点は、電磁ブレーキ50,51(図2参照)を除去し、後述する固定ブレーキ62を配置した(置き換えた)ことにある。
図3(B)に示すように、平行四辺形状のリンク機構の伝達棒48(図3(A)参照)を固定状態と、固定解除状態とに切り換えるために、支持アーム45の略中央に固定手段として固定ブレーキ62が配設されている。すなわち、支持アーム45の第3および第4の枢支部X8,X9でない位置に固定手段が配設されている。この固定手段としての固定ブレーキ62は、支持アーム45に一体的に設けられたブレーキディスクを挟み込んで固定するように構成されている。このとき、固定ブレーキ62のブレーキシューは、伝達棒48の全可動範囲においてブレーキディスクから逸脱しない面積構成とすることで医療器具保持装置1の姿勢による固定力の変動が最小限に抑えられる。
固定ブレーキ62の固定状態/固定解除状態の切り換えは第2の実施の形態と同様に医療器具57の先端近傍に設けられた固定手段として固定状態/固定解除状態が制御される例えばスイッチのオン/オフにより行われる。このスイッチのオン/オフをする際、医療器具57の先端に伝達される平行四辺形リンク機構のガタ付きは固定手段として電磁ブレーキが軸X6に1個搭載された場合よりも確実に低減される。
以上説明したように、この実施の形態によれば以下の効果が得られる。なお、第2の実施の形態で説明した効果と同様の効果については説明を省略する。
この実施の形態によれば、固定ブレーキ62を支持アーム45の長手方向を利用して収容することにより、従来技術では不可避であった固定手段を収容する突出部を除去することができる。このため、各関節部(枢支部X4,X5,X8,X9)の機構を簡単化することができる。そして、リンク機構にかかる重量を軽減することができ、医療器具57に対するカウンターウェイト59の重さを小さくしてバランスを図ることができる。
次に、第4の実施の形態について図4を用いて説明する。
図4は、第4の実施形態に係る手術用顕微鏡保持装置(医療器具保持装置)65の全体の構成を示している。図4中、符号66は架台(保持装置65)における支柱であり、この支柱66は支持台67に対して垂直に支持されている。支持台67は底面にキャスター67aを有した底板67bと、支柱67cとを有する。上述した支柱66は、支持台67の支柱67cの上端部に鉛直軸O0を中心として回転自在に取り付けられている。また、上述した支柱66の上端部には、第1の平行四辺形リンク機構69が接続されており、支柱66の下端部には、第2の平行四辺形リンク機構70が接続されている。
第1の平行四辺形リンク機構69は、平行四辺形を形成するように4つのアーム69a−69dが配置されている。そして、これらのアーム69a−69dが互いに平行な回転軸O1−O4回りにそれぞれ回動可能に連接されている。この第1の平行四辺形リンク機構69は、上述した支柱66の上端部分に、上方支持部材72を介して回転軸O1回りに回動可能に接続されている。なお、この回転軸O1回りの回動を規制する固定手段として、例えば図示しない電磁ブレーキが配設されている。このため、回転軸O1回りの回動を固定/固定解除可能である。ここで、回転軸O1と鉛直軸O0とは、互いに直交する関係にある。
また、第2の平行四辺形リンク機構70は、平行四辺形を形成するように4つのアーム70a−70dが配置されている。そして、これらのアーム70a−70dが互いに平行な回転軸O5−O8回りにそれぞれ回動可能に連接されている。この第2の平行四辺形リンク機構70は、上述した支柱66の下端部分に、下方支持部材73を介して特に回転軸O5回りに回動可能に接続されている。ここで、回転軸O5と鉛直軸O0とは互いに直交し、かつ、回転軸O5は上述した回転軸O1と平行な関係にある。
第1の平行四辺形リンク機構69の1つのアーム69aには、回転軸O1側下端から屈曲して突き出すアーム部69eが設けられ、全体としてL字形に形成されている。このアーム部69eの突出した先端部分には、回転軸O1に対して平行な回転軸O11が設けられ、この回転軸O11回りに回動可能に第1の伝達ロッド74の上端が接続されている。
また、第2の平行四辺形リンク機構70のアーム70aにも同様に、回転軸O5側上端から屈曲して突き出すアーム部70eが設けられ、全体としてL字形に形成されている。このアーム部70eの突出した先端部分には、回転軸O5に対して平行な回転軸O12が設けられ、この回転軸O12回りに回動可能に第1の伝達ロッド74の下端が接続されている。このとき、紙面に平行な面内で、第1の平行四辺形リンク機構69におけるアーム69aのそれぞれの端部に設けられた回転軸O1,O4を結ぶ線分と、第2の平行四辺形リンク機構70におけるアーム70aのそれぞれの端部に設けられた回転軸O5,O8を結ぶ線分とは常に平行な関係にある。また、回転軸O1,O5,O12,O11を順次結ぶ各線分は常に平行四辺形を形成する。
同様にして、第1の平行四辺形リンク機構69におけるアーム69bの回転軸O2と、第2の平行四辺形リンク機構70におけるアーム70bの回転軸O6とはそれぞれに対して回動可能に第2の伝達ロッド75によって連接されている。そして、紙面に平行な面内で、回転軸O1,O2を結ぶ線分と、回転軸O5,O6を結ぶ線分とは、常に平行をなす関係にあるように設定されている。つまり、第1の平行四辺形リンク機構69と第2の平行四辺形リンク機構70とは支柱66の上下に分離して配置されるとともに、常に相似的に対応した平行四辺形を保つ関係にある。
以上により、支持台67側に位置して配置される前段の連鎖系を構成し、この前段における連鎖系の機素の対偶により、後述する後段の連鎖系を介して鏡体80を上下および水平方向に移動させる。
次に、後段の連鎖系について説明する。第1の平行四辺形リンク機構69におけるアーム69dの一端には、紙面に平行な面内にあり、鉛直軸O0と交差し、かつ回転軸O3,O4を結ぶ線分上の回転軸O9回りにおいて回動可能に支持された接続ブロック77が連接されている。この接続ブロック77には、第3の平行四辺形リンク機構78が接続されている。第3の平行四辺形リンク機構78は、アーム78a−78eおよび接続ブロック77を紙面に垂直な回転軸O13−O17,O21,O22回りにそれぞれ回動可能に接続することにより2連式の平行リンク機構が形成されている。この実施の形態では、これら接続ブロック77と第3の平行四辺形リンク機構78により互いに直交する2つの回転軸O9,O10を中心に傾斜可能な傾斜アーム79が構成されている。
また、第3の平行四辺形リンク機構78の先端には、顕微鏡鏡体(以下、鏡体という)80が連接されている。すなわち、鏡体80は、鏡体支持アーム(鏡体支持部材)81に支持されている。この鏡体支持アーム81は、第3の平行四辺形リンク機構78のアーム78eの下方へ突き出した下端部に対して、紙面に平行な面内で、回転軸O15,O16を結ぶ線分を通る回転軸O18回りに回動可能に取り付けられている。
これらの後段における連鎖系の機素の対偶により、鏡体80は、回転軸O9,O18、および回転軸O9,O18の交点T1を通る紙面に垂直な仮想の回転軸O10回りにそれぞれ回動可能であって、傾斜(傾動)可能なものとなっている。
また、鏡体80には、その鏡体80の3次元方向の振動を検出するための振動検出手段として例えば加速度センサー82が設けられ、さらに鏡体80にはフリースイッチ83を有するグリップ84が備えられている。ここで、回転軸O9,O10,O18回りの自重による回転モーメントが常にゼロになるべく、第3の平行四辺形リンク機構78と鏡体80との重量配分がなされている。
一方、第2の平行四辺形リンク機構70のアーム70dの一端には、ネジ軸86が固定され、このネジ軸86には、カウンターウェイト87がその軸線方向に移動可能に支持されている。このカウンターウェイト87は、第1の平行四辺形リンク機構69および第2の平行四辺形リンク機構70を連動させたとき、鉛直軸O0および回転軸O1回りの回転モーメントが常にゼロになるべく、位置および重量配分がなされている。
次に、手術用顕微鏡の細部の構成について説明する。まず、支持台67に対する支柱66は電気的に制御される固定手段として例えば電磁ブレーキ88aにより固定(制動)およびその解除がなされる。電磁ブレーキ88aは支持台67の支柱67cの上端に配設されている。
上述した傾斜アーム79の接続ブロック77と第1の平行四辺形リンク機構69のアーム69dとの接続部には、傾斜アーム79の接続ブロック77から突き出して形成された回転ロッド88が設けられている。この回転ロッド88は上述したアーム69dの内部に配設された図示しないベアリングに嵌挿されることにより、回転軸O9回りに回動可能である。アーム69dには電磁ブレーキ88dが配設されており、この電磁ブレーキ88dは電気的に制御され、アーム69dに対する回転ロッド88および接続ブロック77の回転軸O9回りの固定/固定解除が可能である。
また、接続ブロック77にも電磁ブレーキ88eが配設されており、この電磁ブレーキ88eは電気的に制御され、接続ブロック77に対するアーム78aの回転軸O21回りの固定/固定解除が可能である。さらに、鏡体支持アーム81にも電磁ブレーキ88fが配設されており、この電磁ブレーキ88fは電気的に制御され、上述したアーム78eに対する回転軸O18回りの鏡体支持アーム81の固定/固定解除が可能である。
なお、上述した電磁ブレーキ88a,88d,88e,88fは、同時にあるいは適当に設けられた時間差をもって固定/固定解除される。
そして、これらの平行四辺形リンク機構69,70,78の変形を止めて所望の位置(形状)で固定する固定手段として例えば電磁ブレーキ(図示せず)は、回転軸O4,O5の2箇所、および、回転軸O15,O21の2箇所の計4箇所にさらに設けられている。回転軸O4に設けられた電磁ブレーキの固定力は、回転軸O5の固定力よりも小さく設定され、回転軸O15に設けられた電磁ブレーキの固定力は、回転軸O21の固定力よりも小さく設定されている。
鏡体80の近傍には、上述した回転軸O1と、このような回転軸O4,O5,O15,O21とに設けられた電磁ブレーキの固定/固定解除を制御するフリースイッチ83が設けられている。このため、フリースイッチ83のオン/オフによって各電磁ブレーキは同時にあるいは適当に設けられた時間差をもって固定/固定解除される。
この際、回転軸O4が固定されると、第1の平行四辺形リンク機構69のガタ付きが先端の鏡体80に伝達されることが防止され、同様に回転軸O15が固定されると、第3の平行四辺形リンク機構78のガタ付きも先端の鏡体80に伝達されることが防止される。
なお、回転軸O1から先端の鏡体80までの重量は、カウンターウェイト87によって略釣り合いが図られている。
次に、この実施の形態に係る医療器具保持装置1の作用について説明する。
まず、手術中の鏡体80の移動について説明する。術者がグリップ84を握る手の指でフリースイッチ83の操作ボタンを押すと、全ての電磁ブレーキのブレーキ作用を解除する。
ここで、図4に示す電磁ブレーキ88aのブレーキ作用が解除されると、支柱66が支持台67に対して鉛直軸O0回りに回動可能になる。このため、第1の平行四辺形リンク機構69および傾斜アーム79を介して、鏡体80が支持台67に対して鉛直軸O0回りに水平な向きで回動可能になる。
上方支持部材72に設けられた回転軸O1回りの図示しない電磁ブレーキが解除されると、アーム69bが上方支持部材72に対して回転軸O1回りに回動可能になる。このため、アーム69cを介してアーム69dがアーム69aに対して回転軸O4回りにアーム69bと平行を保ちながら回動可能になる。従って、鏡体80は、傾斜アーム79を介してアーム69aに対して回転軸O4回りに回動可能になる。
下方支持部材73に設けられた回転軸O5回りの図示しない電磁ブレーキが解除されると、アーム70aが下方支持部材73に対して回転軸O5回りに回動可能になり、第1の伝達ロッド74により接続されたアーム69aが上方支持部材72に対し、回転軸O1回りに回動可能になる。このため、鏡体80は第1の平行四辺形リンク機構69および傾斜アーム79を介して上方支持部材72に対して回転軸O1回りに全体的に回動可能で上下移動できるようになる。従って、これら3方向(回転軸O0,O1,O5)の回動の組み合わせにより、鏡体80は3次元的に移動可能な状態になる。
一方、電磁ブレーキ88dが解除されると、傾斜アーム79はアーム69dに対して、回転軸O9回りに回動可能になる。また、電磁ブレーキ88eが解放されると、第3の平行四辺形リンク機構78のアーム78aは、接続ブロック77に対して回転軸O21回りに回動可能になり、アーム78c,78dに接続されるアーム78eはアーム78aと平行に回転軸O10を中心に傾動可能となる。また、電磁ブレーキ88fが解放されると、鏡体80は鏡体支持アーム81を介して、アーム78eの回転軸O18回りに回動可能になる。すなわち、鏡体80は、回転軸O9と回転軸O10との交点T1を中心とした転動が可能となる。
以上の3次元的な移動と、交点T1を中心とした直交する3軸回りの傾動によって、鏡体80は計6の自由度の動きが可能となる。つまり、術者がグリップ84を握る手の指でフリースイッチ83を操作することにより全ての電磁ブレーキ(回転軸O1,O5,O4回り)のブレーキ作用が解除されるので、鏡体80を自由に動かすことができる。
次に、鏡体80の固定方法とこの固定動作に連動する作用について説明する。グリップ84を握り、フリースイッチ83を押しながら鏡体80を所望の位置に移動させ、フリースイッチ83を離すと、架台65の基部側の前段の連鎖に配設された電磁ブレーキ88aおよび図示しない電磁ブレーキにより回転軸O1,O5,O4回りの制動作用が働き、鉛直軸O0、回転軸O1、および回転軸O4回りの鏡体80の回動が阻止される。
ここで、鏡体80を動かしながら電磁ブレーキ88aおよび図示しない電磁ブレーキによる回転軸O1,O5,O4回りの回動をロックした場合は図4中の矢印A,B,C方向への振動が生じてしまう。しかしながら、このときには、架台65の後段の連鎖に配設された電磁ブレーキ88d−88fは解除されたままであるため、先に生じた矢印A方向の振動は回転軸O9,O18回りの回動により吸収され、また、矢印B,C方向の振動は、回転軸O10回りの回動により吸収される。したがって、先に生じた矢印A,B,C方向への振動が鏡体80まで伝達されることがない。
以上のように鏡体80を動かしながら電磁ブレーキ88aおよび図示しない電磁ブレーキによる回転軸O1,O5,O4回りの回動をロックした場合に発生した鏡体80の振動が吸収されたところで、電磁ブレーキ88d−88fによる制動が行われ、そして、回転軸O9,O18,O21回りの鏡体80の回転も阻止され、最終的に鏡体80が固定される。
この動作は、加速度センサー82からの信号が制御部(図示せず)に入力し、予め設定した加速度と時間差の関係に従って、電磁ブレーキ88d−88fによる制動が所定の時間差をもって自動的に行われる。
以上の振動減衰動作について図5を用いて説明する。図5は電磁ブレーキを固定した場合に生じる鏡体80の振動の振幅と時間の関係を示したものである。符号89aは全電磁ブレーキ88a,88d−88fを同時に固定した場合の波形を示し、符号89bは電磁ブレーキ88aを先に固定し、この後、時間t3遅らせて電磁ブレーキ88d−88fを固定した場合の波形を示している。波形89aでは時間t1で収束するのに対し、波形89bでは初期の振幅の大きさを小さくすることができる分、振動の収束も早く、時間t2で収束する。このため、この実施の形態で説明した場合には、振動減衰時間が短くなることが分かる。
なお、加速度センサ−82により、鏡体80を固定したときに生じる加速度を検出し、その検出した加速度の大きさに応じて先の電磁ブレーキ88aの固定に対する他の電磁ブレーキ88d−88fの固定を遅らせるとともにその遅らせる時間を最適な大きさに制御するため、鏡体80の振動を収束する時間が振動の大小にかかわらず、ある程度一定の時間で収束させることができる。
以上説明したように、この実施の形態によれば以下のような効果が得られる。
平行四辺形リンク機構の先端側(回転軸O4,O5,O15,O21)に固定手段を配設してあるので先端の医療器具(筐体80)にリンク機構の遊び(ガタ付き)が伝達されることを防止することができる。
また、各リンク機構の先端側(回転軸O4,O15)の固定手段を他方(回転軸O5,O21)の固定手段よりも小さなものとしているので、回転軸O1から先端の鏡体80までの重量を釣り合せるカウンターウェイト87の大きさの変更を最小限にすることができる。
さらには、平行四辺形リンク機構の対角上に配置された固定手段(それぞれ回転軸O4,O5と、回転軸O15,O21)を時間差をもって固定させるべく制御する。すると、各リンクが制振状態を保持するように順に切り換えられていく。このため、装置65の固定手段を時間差をもって制動させることで、これら固定手段を一度に制動させて大きな振動を発生させるよりも高い制振効果を得ることができる。
したがって、この実施の形態に係る保持装置65は、軽い力で鏡体80を所望の位置や姿勢に移動、保持することができる。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
上記説明によれば、下記の事項が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
[付記]
(付記項1) 先端部に内視鏡等の医療器具を保持する保持手段であって、
先端部に内視鏡等の医療器具を接続する第1のアームと、
該第1のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第2のアームが前記第1のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第1の接続部と、
該第1のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第3のアームが前記第1のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第2の接続部と、
該第2のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第4のアームが前記第2のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第3の接続部と、
該第3のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第4のアームが前記第3のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第4の接続部と
を備える医療器具保持装置において、
前記第1から第4のアームは平行四辺形を形成し、かつ、
前記第1から第4の接続部にそれぞれ隣接して接続される前記アームを固定する固定手段を、前記第1から第4の接続部の少なくとも2つ以上に有する事を特徴とするもの。
(付記項2) 先端部に内視鏡等の医療器具を保持する保持手段であって、
先端部に内視鏡等の医療器具を接続する第1のアームと、
該第1のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第2のアームが前記第1のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第1の接続部と、
該第1のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第3のアームが前記第1のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第2の接続部と、
該第2のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第4のアームが前記第2のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第3の接続部と、
該第3のアーム上に設けられ、同一回転軸上に第4のアームが前記第3のアームに対する接続角度を可変に接続可能である第4の接続部と
を備える医療器具保持装置において、
前記第1から第4のアームは平行四辺形を形成し、かつ、
前記第1から第4の接続部にそれぞれ隣接して接続される前記アームの互いに対する接続角度の変化に応じて抵抗与える手段を、前記第1から第4の接続部の少なくとも2つ以上に有する事を特徴とするもの。
(付記項3) その先端部あるいは関節を継いだ先端部に医療器具を保持可能な保持手段を有する第1のアームと、
前記第1のアームの基端部を回転軸としてこれを回転可能に支持する回転支持手段を有する第2のアームと、
前記第1のアームに接続されてその回転変位を伝達する伝達手段と、
前記第2のアームに回転可能に支持され、
前記伝達手段と接続されて前記第1のアームの回転変位に対応して回転変位を生じる回転変位部と、
前記第1のアームと前記第2のアームと前記伝達手段と前記回転変位部とで構成されるリンク機構上に設けられて、互いの相対運動を固定する複数の固定手段と
を具備する医療器具保持装置。
これは、先端に内視鏡または顕微鏡、あるいはその他の医療器具を取り付け又は把持して所望の空間位置に移動、保持することを目的とし、その機構内にリンク機構を具備する医療器具保持装置において、前記リンク機構上に設けられてリンクの動作を固定解除する複数の固定手段とを具備するものである。
このため、リンク上の複数個の固定手段がリンクの動作を固定/固定解除する。
(付記項4) その先端部あるいは関節を継いだ先端部に医療器具を保持可能な保持手段を有する第1のアームと、
前記第1のアームの基端部を回転軸としてこれを回転可能に支持する回転支持手段を有する第2のアームと、
前記第1のアームに接続されてその回転変位を伝達する伝達手段と、
前記第2のアームに回転可能に支持され、前記伝達手段と接続されて前記第1のアームの回転変位に対応して回転変位を生じる回転変位部と、
前記第2のアームに設けられて前記伝達手段の動きを固定する固定手段と
を具備する医療器具保持装置。
これは、先端に内視鏡または顕微鏡、あるいはその他の医療器具を取り付け又は把持して所望の空間位置に移動、保持することを目的とし、その機構内にリンク機構を具備する医療器具保持装置において、前記リンク機構上のアームに設けられて該アームに隣接しない別のアームの相対的な動きを固定解除する固定手段とを具備するものである。
このため、リンク上の1個のアームに搭載された固定手段が対辺のアームの動きを固定/固定解除することによりリンクの動作が固定/固定解除される。
(付記項5)その先端部あるいは関節を継いだ先端部に医療器具を保持可能な保持手段を有する第1のアームと、
前記第1のアームの基端部を回転軸としてこれを回転可能に支持する回転支持手段を有する第2のアームと、
前記第1のアームに接続されてその回転変位を伝達する伝達手段と、
前記第2のアームに回転可能に支持され、前記伝達手段と接続されて前記第1のアームの回転変位に対応して回転変位を生じる回転変位部と、
前記第1のアームと前記第2のアームと前記伝達手段と前記回転変位部とで構成されるリンク機構上に設けられて、前記第1のアームの回転変位を固定する第1の固定手段と、
前記リンク機構上に設けられて前記回転変位部の回転変位を固定する第2の固定手段と
を具備する医療器具保持装置。
これは、先端に内視鏡、顕微鏡、あるいはその他の医療器具を取り付け又は把持して所望の空間位置に移動、保持することを目的とし、その機構内にリンク機構を具備する医療器具保持装置において、前記リンク機構上のヒンジに設けられてリンクの動作を固定/固定解除する第1の固定手段と、前記第1の固定手段とは別のヒンジに設けられてリンクの動作を固定/固定解除する第2の固定手段とを具備するものである。
このため、リンク上の2箇所のヒンジに搭載された2個の固定手段が各々のヒンジの相対回転を固定/固定解除することによりリンクの動作が固定/固定解除される。
(付記項6)その先端部あるいは関節を継いだ先端部に医療器具を保持可能な保持手段を有する第1のアームと、
前記第1のアームの基端部を回転軸としてこれを回転可能に支持する回転支持手段を有する第2のアームと、
前記第1のアームに接続されてその回転変位を伝達する伝達手段と、
前記第2のアームに回転可能に支持され、前記伝達手段と接続されて前記第1のアームの回転変位に対応して回転変位を生じる回転変位部と、
前記第2のアームに設けられて前記伝達手段の動きを固定する第1の固定手段と、
前記リンク機構上に設けられて前記保持手段か又は前記回転変位部の回転変位を固定する第2の固定手段と
を具備する医療器具保持装置。
これは、先端に内視鏡、顕微鏡、あるいはその他の医療器具を取り付け又は把持して所望の空間位置に移動、保持することを目的とし、その機構内にリンク機構を具備する医療器具保持装置において、前記リンク機構上のヒンジに設けられてリンクの動作を固定/固定解除する第1の固定手段と、前記リンク機構上のアームに設けられて該アームに隣接しない別のアームの動きを固定/固定解除する第2の固定手段とを具備するものである。
このため、リンク上の1個のアームに搭載された固定手段が対辺のアームの動きを固定/固定解除することと、リンク上の1箇所のヒンジに搭載された固定手段がヒンジの相対回転を固定/固定解除することによりリンクの動作が固定/固定解除される。
(付記項7) 付記項3、付記項5および付記項6のいずれか1に記載の装置であって、
前記第1の固定手段と前記第2の固定手段とが励磁型、非励磁型の組み合わせである医療器具保持装置。
これは、先端に内視鏡または顕微鏡、あるいはその他の医療器具を取り付け又は把持して所望の空間位置に移動、保持することを目的とし、その機構内にリンク機構を具備する医療器具保持装置において、該リンク機構を固定するための2個以上の固定手段を具備していて、これらの固定手段に励磁型、非励磁型を組み合わせていることを特徴とするものである。
このため、2個の固定手段について装置電源がオフのときには固定手段の1個が固定状態でもう1個は解除状態となり、装置電源がオンで、固定手段の固定解除を制御するスイッチがオフのときには固定手段の2個ともが固定状態であり、装置電源がオン、固定手段の固定解除を制御するスイッチがオンのときには固定手段が2つとも解除状態となる。すなわち装置稼動中には固定手段の固定/固定解除を制御するスイッチのオンオフにより、リンクの動作が解除状態、固定状態となり、装置電源がオフのときにはリンクが半固定状態となる。
(付記項8) 付記項3ないし付記項7のいずれか1に記載の装置であって、
先端側に配される固定手段の固定力が、他方の固定手段の固定力よりも小さいことを特徴とする医療器具保持装置。
これは、先端に内視鏡または顕微鏡、あるいはその他の医療器具を取り付け又は把持して所望の空間位置に移動、保持することを目的とし、その機構内にリンク機構を具備する医療器具保持装置において、該リンク機構を固定するための2個以上の固定手段を具備していて、先端側固定手段の固定力が他方の固定手段の固定力よりも小さいことを特徴とするものである。
このため、付記項3および付記項5と同様に、2個ある固定手段によりリンクの動作が固定解除される。これとは別に、先端側固定手段の固定力が小さく設定されているので先端側固定手段が他方の固定手段より小さなものになる。
(付記項9) 先端部に医療器具を保持可能な保持手段と、
前記保持手段の基端部を回転軸として前記保持手段を回転可能に支持する回転支持手段と、
前記保持手段に接続されて前記保持手段の回転に基づく前記回転支持手段の回転変位を伝達する伝達手段と、
前記伝達手段と接続されて前記回転支持手段の回転変位に基づいて前記回転支持手段と等価な回転変位を生じる回転変位部と、
前記回転支持手段に設けられて前記保持手段の回転変位を制限して固定する第1の制限固定手段と、
前記回転支持手段に設けられて前記回転変位部の回転変位を制限して固定する第2の制限固定手段と
を有する医療器具保持装置。
(付記項10) 少なくとも1組のリンク機構と、
前記リンク機構に設けられた複数の枢支部と、
前記枢支部に設けられ、前記リンク機構を構成するアームを固定状態に保持可能で、かつ、この固定状態を解除可能な固定手段と
を具備することを特徴とする医療器具保持装置。
(付記項11) 前記医療器具もしくはリンク機構を変位させたときに、前記リンク機構の重心位置を所定の位置に保持することを特徴とする付記項10に記載の医療器具保持装置。
(付記項12) 前記固定手段は、前記リンク機構の枢支部のうち、少なくとも対角上に配設された枢支部に設けられていることを特徴とする付記項10もしくは付記項11に記載の医療器具保持装置。
第1の実施の形態に係る医療器具保持装置の概略的な斜視図。 第2の実施の形態に係り、(A)は医療器具保持装置の概略的な正面図、(B)は(A)の上方から観察した場合の概略的な上面図。 第3の実施の形態に係り、(A)は医療器具保持装置の概略的な正面図、(B)は(A)の上方から観察した場合の概略的な上面図。 第4の実施の形態に係る医療器具保持装置の概略的な正面図。 第4の実施の形態に係る医療器具保持装置の減衰状態を示す概略的なグラフ。 従来の技術に係る医療器具保持装置の概略図。
符号の説明
1…医療器具保持装置、2…ベース、3…ベースアーム、4…平行四辺形リンク機構、6…第1のアーム、7…第2のアーム、8…第3のアーム、9…第4のアーム、11…第1の支持部、12…第2の支持部、13…第3の支持部、14…第4の支持部、17…医療器具、18…医療器具保持アーム、20…カウンターウェイト、23−25…電磁ブレーキ

Claims (2)

  1. 少なくとも1組のリンク機構を具備するとともに、前記リンク機構の動作を拘束/拘束解除可能な固定手段を前記リンク機構上の2箇所以上に設けたことを特徴とする医療器具保持装置。
  2. 前記リンク機構は、前記医療器具が保持されることによる釣り合わせを図る錘を前記医療器具が保持された側と反対側に備えていることを特徴とする請求項1に記載の医療器具保持装置。
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