JP6912290B2 - ポリエチレン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン樹脂組成物に関する。
一般にポリエチレンは食品包装フィルム、医薬品包装フィルム、農業用シート等多くのフィルム、シートの原料として使用されている。中でもレトルト食品包装材、食品用ラップ、菓子類の個包装のため多くのポリエチレンが使用されている。
ポリエチレンは製法により大きく二種類に分けられる。第一として触媒により比較的低い圧力で合成されるポリエチレンであり、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンの三種類に分けることができる。第二としてラジカル開始剤を使用し比較的高い圧力で合成される高圧法低密度ポリエチレンである。
ポリエチレン合成に用いられる触媒としては、チーグラー触媒、メタロセン触媒等が挙げられる。メタロセン触媒により合成されたポリエチレンは、分子量分布、組成分布が狭いという特徴を生かし、多くの分野で使われている。
例えば、以下の特許文献1には、メタロセン触媒を用いた高密度ポリエチレンを主原料とした発明が記述されているが、引裂性の点で不十分であり、また手切れ性についての言及は無い。
また、引裂性改良の点で、エチレン系樹脂の延伸フィルムの文献(例えば、特許文献2参照)が見られるが、延伸設備が必要であり、設備コストの面から望ましくない。
更にポリエチレンフィルムの機能付与のため、帯電防止剤等の材料を塗布する技術が知られているが、塗布する際に材料のムラ、ハジキが発生し、均一な塗布には課題が残る(例えば、特許文献3参照)。
また、例えば、特許文献4に記載のあるような食品包装等でよく使用される多層のラミネートフィルムは、用途が広がるにつれシール強度が求められ、改善の要望が多い。
特許第5713438号公報 特公昭61−41732号公報 特開平1−313532号公報 特開2015−128894号公報
本発明は上記のような状況を鑑み、無延伸フィルムで引裂性、手切れ性、シール性、塗布性に優れたフィルムを作るためのポリエチレン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、所定の物性条件を満たした高密度ポリエチレンを含む樹脂組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
[1]
密度が930〜960kg/m3であり、190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂組成物であり、CFC装置を用いて下記条件でTREF(昇温溶離分別法)測定を行った時、溶出温度−溶出量曲線のピークが80℃以下に1つ以上、90℃以上に1つ以上発現し、溶出量の最大値(Wmax)となるピークは90℃以上に発現し、尚且つ最大値は全溶出量の10重量%以上であるポリエチレン樹脂組成物。
(1)前記ポリエチレン樹脂組成物20mgを秤量し、o−ジクロロベンゼン0.5mlを注入する;
(2)140℃で120分間保持し前記ポリエチレン樹脂組成物を完全に溶解させ、溶液をTREFカラムに導入する;
(3)140℃から0.5℃/分で40℃まで降温し、カラムに析出させた後40℃で20分間保持する;
(4)40℃から140℃まで1℃ずつ昇温を行い、各温度で昇温後15分以上温度を保持した後、TREF測定を実施し、溶出量を測定する
[2]
前記溶出量の最大値(Wmax)と、TREF測定の溶出温度60〜80℃における最大溶出量(W1)との比、Wmax/W1が2.0以上である、[1]に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[3]
高密度ポリエチレン樹脂(A)30〜80質量%、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)20〜70質量%から構成される、[1]または[2]に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[4]
DSC測定において、180℃で5分間融解させ、降温速度80℃/分で降温する条件で補外結晶化開始温度(Tic)の1℃上で測定したときの、1/2等温結晶化時間が0.7分以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[5]
高密度ポリエチレン樹脂(A)が、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレン−ブテン共重合体である、[3]または[4]に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[6]
高密度ポリエチレン樹脂(A)が、(ア)担体物質;(イ)有機アルミニウム化合物;(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物;(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤;から調製された担持型メタロセン触媒(C)と、液体助触媒成分(D)とを用いて重合することにより製造されたものである、[3]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[7]
塩素原子の含有量が、前記ポリエチレン樹脂組成物に対して、2.0質量ppm未満である、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
本発明によれば、無延伸フィルムでも引裂性、手切れ性が良く、帯電防止剤との塗布性や多層フィルムを成形した際のシール性にも優れ、クリーンで低汚染性のフィルムを製造するためのポリエチレン樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ポリエチレン樹脂組成物]
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物は、密度が930〜960kg/m3、190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが1〜20g/10分であり、CFC装置を用いて下記条件でTREF(昇温溶離分別法)測定を行った時、溶出温度−溶出量曲線のピークが80℃以下に1つ以上、90℃以上に1つ以上発現し、溶出量の最大値(Wmax)となるピークは90℃以上に発現し、尚且つ最大値は全溶出量の10重量%以上であるポリエチレン樹脂組成物である。
(1)前記ポリエチレン樹脂組成物20mgを秤量し、o−ジクロロベンゼン0.5mlを注入する;
(2)140℃で120分間保持し前記ポリエチレン樹脂組成物を完全に溶解させ、溶液をTREFカラムに導入する;
(3)140℃から0.5℃/分で40℃まで降温し、カラムに析出させた後40℃で20分間保持する;
(4)40℃から140℃まで1℃ずつ昇温を行い、各温度で昇温後15分以上温度を保持した後、TREF測定を実施し、溶出量を測定する
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物の組成を以下に示すが、本発明は以下の二種類のポリエチレンに限定するものではない。本実施形態の一例として、高密度ポリエチレン樹脂(A)と高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)との押出機を用いた製造方法を説明する。
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物の製造方法は、高密度ポリエチレン樹脂(A)と高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)とを、高密度ポリエチレン樹脂(A)及び高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のMFR比(A)/(B)が0.5以上15以下、かつ、高密度ポリエチレン樹脂(A)及び高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度比(A)/(B)が1.025以上のものを溶融混練することが好ましい。MFR比(A)/(B)が0.5よりも低いと、成形性が悪くなり、MFR比(A)/(B)が15より大きいと分散不良となる。MFR比及び密度比が上記範囲にあることにより、(A)の高結晶化成分を保持したまま(B)との相溶性が向上する傾向にある。
高密度ポリエチレン樹脂(A)と高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の配合比は、高密度ポリエチレン樹脂(A)30〜80質量%、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)20〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは、高密度ポリエチレン樹脂(A)40〜70質量%、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)30〜60質量%である。
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物は、高密度ポリエチレン樹脂(A)及び高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のペレットを押出機で混練し、調製することができる。上記高密度ポリエチレン樹脂(A)と上記高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のペレットは、1個あたりの高密度ポリエチレン樹脂(A)の重量と1個あたりの高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の重量との差を、±1.0mgの範囲となるように、揃えることが好ましい。異種のペレット同士の粒径、すなわち、1個あたりの重量が揃い、押出機直上のホッパー内で分級しにくくなり、分散性が向上する傾向にある。なおペレットの1個あたりの重量は、20粒のペレットの重量を測定した平均値とする。
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物における、樹脂(A)と(B)の分散性は引裂強度に影響を与える。すなわち、上記分散性が低く、樹脂(A)と(B)の混合状態にムラが生じると、ポリエチレン樹脂組成物から得られるフィルムは、引裂性に劣るフィルムとなる。また、分散性が低いポリエチレン樹脂組成物から得られるフィルムにおいては、手切れテスト時にまっすぐ裂けることなく、ジグザグに裂けたり、斜めに裂けたりする欠点がみられる。したがって、樹脂(A)及び(B)は分子レベルで完全に混合することが望ましい。
上記高密度ポリエチレン樹脂(A)と上記高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のペレットの混練に使用する押出機は、1軸あるいは2軸の押出機等を例示することができ、いずれの押出機を使用してもよい。
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物は、CFC装置を用いて下記条件でTREF(昇温溶離分別法)測定したとき、溶出量の最大値(Wmax)が全溶出量の10重量%以上である。TREF測定される際、溶出量の最大値が10重量%以上であることは、ポリエチレン樹脂組成物の融点の分布が狭いことを示している。すなわち、冷却される際に、比較的均一なサイズの結晶が生成することを示している。フィルム中における結晶サイズが均一なことは、引裂を行う際に、引裂のクラックが伝播しやすいことを示し、良好な引裂性を示す。溶出量の最大値は12重量%以上が好ましく、13〜17.5重量%がより好ましい。
更に溶出量の最大値を示す温度は、フィルムの引裂き性の観点から、90℃以上であることが好ましい。最大値を示す温度は、92〜105℃が好ましく、93〜100℃がより好ましい。
TREF測定において、Wmaxと、TREF測定における温度60〜80℃での最大溶出量の全溶出量に対する質量分率(W1)との比、Wmax/W1は引裂き性の最適値を示す指標である。すなわち、Wmax/W1が2.0未満では樹脂(A)が少なくなり、比較的均一なサイズの結晶が少なくなると共に、分岐の多い樹脂(B)が増える。その結果として、引裂強度が高くなり、引裂性は低下することから、Wmax/W1は2.0以上であることが好ましく、2.3以上であることがより好ましい。Wmax/W1の上限は、制限はされないが、本特許で規定する樹脂(B)の含有量を鑑みると、6を超えることはないと想定される。
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物は、DSC測定において、180℃で5分間融解させ、降温速度80℃/分で降温する条件で補外結晶化開始温度(Tic)の1℃上で測定したときの、1/2等温結晶化時間が0.7分以上であることが好ましい。さらにより好ましくは0.8分以上である。上記ポリエチレン樹脂組成物からフィルム成形時、押出機内で溶融した樹脂がTダイのリップ口から押し出され、冷却ロールにより瞬時に冷却されるが、その際の結晶化速度が遅いということは、フィルム内における結晶化ポリエチレンの割合が低くなる。とりわけ、樹脂(A)由来の結晶化ポリエチレンの結晶化の割合が低くなる。前記結晶化ポリエチレンの結晶部は比較的硬く、かかる結晶の割合が少なくなると、反対に比較的強度の低い非晶部が増える。したがって、前記非晶部により引裂きが伝播しやすくなるため、引裂性が向上する。
ポリエチレン樹脂組成物の塩素含有量は、ポリエチレン樹脂組成物に対して、好ましく
は2.0質量ppm以下であり、より好ましくは1.0質量ppm以下である。ポリエチレン樹脂組成物の塩素含有量がポリエチレン樹脂組成物に対して2.0質量ppm以下であることにより、成形機等の腐食が抑制でき、ポリマーに含有される金属成分量を低減することができる。更に、塩素及び塩酸に影響を受けやすい金属等の被保護材の表面保護フィルムとして使用した場合であっても、被保護材の錆等を抑制することができる傾向にある。更に塩素含有量が少ないことにより、脂肪酸塩に代表される中和剤のポリエチレン組成物への添加を避けることができる。結果として、成形体からの中和剤のブリードアウト、成形時の目ヤニ、パーティクルの発生を防止することができ、低汚染性でクリーンな成形品を得ることができる。
ポリエチレン樹脂組成物の塩素含有量は、後述する触媒を使用して、重合条件等を適宜調整することで制御することができる。また、ポリエチレン樹脂組成物の塩素含有量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
[高密度ポリエチレン(A)]
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)は、具体的にはポリエチレン単独重合体、又はエチレンとα−オレフィン共重合体であって、ポリエチレン樹脂組成物をフィルムとしたときの引裂性の観点から、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレン−ブテン共重合体であることが好ましい。
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)は、担持型メタロセン触媒(C)(以下、担持型幾何拘束型メタロセン触媒とも称す)を使用した以下の製造方法で製造することができる。本実施形態における高密度ポリエチレン樹脂(A)は、好ましくは、(ア)無機担体物質;(イ)有機アルミニウム化合物;(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物;及び、(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤;から調製された担持型メタロセン触媒(C)と、液体助触媒成分(D)とを用いて重合することにより製造される。
本実施形態の高密度ポリエチレン樹脂(A)の密度(JIS K7112)は、ポリエチレン樹脂組成物をフィルムとしたときの引裂性の観点から、好ましくは940kg/m3以上であり、より好ましくは942kg/m3以上であり、さらに好ましくは945kg/m3以上である。
高密度ポリエチレン樹脂(A)の密度の上限は特に限定されないが、970kg/m3以下が好ましい。
高密度ポリエチレン樹脂(A)の密度は高密度ポリエチレン樹脂中のα−オレフィンの含有量により制御することができる。その製造条件により制御することができる。また、高密度ポリエチレン樹脂(A)の密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の高密度ポリエチレン樹脂(A)の190℃、2.16kgのメルトフローレート(JIS K7210)は、好ましくは1〜70g/10分であり、より好ましくは8〜50g/10分、さらに好ましくは12〜40g/10分である。
高密度ポリエチレン樹脂(A)のMFRが1g/10分以上であることにより、引裂強度が高すぎず加工可能な溶融粘度のフィルムを成形することができる。また、70g/10分以上の高密度ポリエチレンは溶融時の粘度が低すぎるため、フィルムとして成形することが困難になる。具体的には、Tダイ成形においてはTダイと冷却ロールの間のネックインが大きすぎ、幅広のフィルムが取れないこと、インフレーション成形においてはパリソンが変形し立ち上がらないことが問題である。
高密度ポリエチレン樹脂(A)のメルトフローレートは、重合温度を変更したり、連鎖移動剤としての水素を用いたりすることによって調節することができる。高密度ポリエチレン樹脂(A)のメルトフローレートは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の高密度ポリエチレン樹脂(A)の分子量分布Mw/Mnは、加工性の観点から好ましくは2〜6であり、より好ましくは2.5〜5.5であり、さらに好ましくは3〜5である。高密度ポリエチレン樹脂(A)の分子量分布Mw/Mnはその製造条件により制御することができる。
高密度ポリエチレン(A)の製造工程において用いることができる担持型幾何拘束型メタロセン触媒(C)は、特に限定されないが、少なくとも(ア)無機担体物質(以下、「成分(ア)」、「(ア)」ともいう。)、(イ)有機アルミニウム化合物(以下、「成分(イ)」、「(イ)」ともいう。)、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物(以下、「成分(ウ)」、「(ウ)」ともいう。)、及び(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、「成分(エ)」、「(エ)」ともいう。)を用いて調製することができる。
(ア)無機担体物質としては、特に限定されないが、例えば、SiO2(シリカ)、Al23、MgO、TiO2等の酸化物;MgCl2等のハロゲン化合物が挙げられる。この中で好ましい担体物質は、SiO2である。
(ア)無機担体物質の平均粒子径は、1.0μm以上50μm以下であり、好ましくは2.0μm以上40μm以下であり、より好ましくは3.0μm以上30μm以下である。無機担体物質の平均粒子径は、レーザー式光散乱法による測定方法での体積換算の平均粒子径である。具体的には島津製作所製「SALD−2100」等を用いて測定することができる。
(ア)無機担体物質の圧縮強度は、1MPa以上30MPa以下であり、好ましくは2MPa以上25MPa以下であり、より好ましくは3MPa以上20MPa以下である。
(ア)無機担体物質の圧縮強度は、割れやすさの指標であり、数値が低いほど割れやすいことを示す。具体的には、無機担体物質の圧縮強度は、島津製作所製「微小圧縮試験機 MCT−510」等を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を圧縮強度とすることができる。
(ア)無機担体物質の平均粒子径及び圧縮強度が上述の範囲内であることにより、触媒調製時の撹拌回転数を上げることで表面を一部破砕させ、触媒活性点を担体物質内部に担持することができ、該触媒を重合に供することにより触媒内部に結晶性の高いポリエチレンが生成する傾向にある。
(ア)無機担体物質は、必要に応じて(イ)有機アルミニウム化合物で処理されることが好ましい。
ここで「処理」とは、無機担体物質を不活性溶媒中で撹拌、分散させながら、(イ)有機アルミニウム化合物を滴下し、0℃〜70℃で30分以上撹拌することで、無機担体物質表面にある活性水素と有機アルミニウム化合物とを反応させることを意味する。
好ましい(イ)有機アルミニウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムメトキシド等のアルミニウムアルコキシド;メチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、及びメチルイソブチルアルモキサン等のアルモキサンが挙げられる。
これらの中で、トリアルキルアルミニウム、及びアルミニウムアルコキシドが好ましく、より好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリイソブチルアルミニウムである。
前記担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物(以下、単に「遷移金属化合物」ともいう。)を含む。「遷移金属化合物」は、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表すことができる。
lMXpX’q‥‥(1)
式(1)中、Mは、1つ以上の配位子Lとη5結合をしている、酸化数+2、+3又は+4の周期律表第4族に属する遷移金属を示す。
式(1)中、Lは、各々独立に、環状η結合性アニオン配位子を示す。
環状η結合性アニオン配位子は、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基又はオクタヒドロフルオレニル基であり、これらの基は、20個までの非水素原子を含む炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素基、アミノヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル基、アミノシリル基、ヒドロカルビルオキシシリル基及びハロシリル基から各々独立に選ばれる1〜8個の置換基を任意に有していてもよく、さらには2つのLが20個までの非水素原子を含むヒドロカバジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレンオキシ、ヒドロカルビレンアミノ、シラジイル、ハロシラジイル、アミノシラジイル等の2価の置換基により結合されていてもよい。
式(1)中、Xは、各々独立に、60個までの非水素性原子を有する1価のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、又はM及びLに各々1価ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子を示す。
式(1)中、X’は、各々独立に、炭素数4〜40からなる、フォスフィン、エーテル、アミン、オレフィン及び共役ジエンから選ばれる中性ルイス塩基配位性化合物を示す。
式(1)中、lは、1又は2の整数を示す。
式(1)中、pは、0、1又は2の整数を示し、Xが1価のアニオン性σ結合型配位子又はM及びLに各々1価ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子を示すとき、pは、Mの形式酸化数より1以上少ない整数を示し、また、XがMと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子を示すとき、pは、Mの形式酸化数よりl+1以上少ない整数を示す。
また、式(1)中、qは、0、1又は2の整数を示す。
式(1)で表される(ウ)遷移金属化合物におけるlは、1が好ましい。
(ウ)遷移金属化合物の好適な例は、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 0006912290
式(2)中、Mは、形式酸化数+2、+3又は+4の、チタン、ジルコニウム又はハフニウムを示す。
また、式(2)中、R1は、各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、又はこれらの複合基を示し、これらは各々20個までの非水素原子を有することができ、また、近接するR1同士が相俟って、ヒドロカルバジイル、シラジイル、ゲルマジイル等の2価の誘導体を形成して環状となっていてもよい。
式(2)中、X”は、各々独立にハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基又はシリル基を示し、これらは各々20個までの非水素原子を有しており、また、2つのX”が炭素数5〜30の中性の共役ジエン若しくは2価の誘導体を形成してもよい。
式(2)中、Yは、−O−、−S−、−NR3−又は−PR3−を示し、Zは、−SiR3 2−、−CR3 2−、−SiR3 2−SiR3 2−、−CR3 2−CR3 2−、−CR3=CR3−、−CR3 2−SiR3 2−、又は、−GeR3 2−を示し、ここでR3は、各々独立に炭素数1〜12のアルキル基又はアリル基を示す。
また、式(2)中、nは、1〜3の整数を示す。
(ウ)遷移金属化合物としてより好適な例は、下記式(3)及び下記式(4)で表される化合物である。
Figure 0006912290
Figure 0006912290
式(3)及び(4)中、それぞれ、R1は、各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、又はこれらの複合基を示し、各々20個までの非水素原子を有することができる。
また、式(3)及び(4)中、Mは、チタニウム、ジルコニウム又はハフニウムを示す。
式(3)及び(4)中、Z及びYは、前記式(2)中で示すものと同様のものを示す。
また、式(3)及び(4)中、X及びX’は、前記式(2)中のX”で示すものと同様のものを示す。
式(3)及び(4)中、それぞれ、pは、0、1又は2を示し、また、qは0又は1を示す。pが2、qが0を示すとき、Mの酸化数は、+4でありかつXは、ハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ジヒドロカビルアミド基、ジヒドロカルビルフォスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、シリル基、又はこれらの複合基であり、20個までの非水素原子を有しているものを示す。
式(3)及び(4)中、それぞれ、pが1、qが0を示すとき、Mの酸化数が+3でありかつXが、アリル基、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル基及び2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基から選ばれる安定化アニオン配位子を示すか;Mの酸化数が+4でありかつXが、2価の共役ジエンの誘導体を示すか;MとXとが共にメタロシクロペンテン基を形成しているか、である。
式(3)及び(4)中、それぞれ、pが0、qが1を示すとき、Mの酸化数は+2であり、かつX’は、中性の共役又は非共役ジエンであって任意に1つ以上の炭化水素基で置換されていてもよく、また、X’は、40個までの炭素原子を含むことができ、Mとπ型錯体を形成している。
(ウ)遷移金属化合物としてさらに好適な例は、下記式(5)及び下記(6)で表される化合物である。
Figure 0006912290
Figure 0006912290
式(5)及び式(6)中、それぞれ、R1は、各々独立に、水素、又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、Mは、チタニウムを示し、Yは−O−、−S−、−NR3−、−PR3−を示す。
式(5)及び式(6)中、Zは、−SiR3 2−、−CR3 2−、−SiR3 2−SiR3 2−、−CR3 2−CR3 2−、−CR3=CR3−、−CR3 2−SiR3 2−、又は、−GeR3 2−を示し、R3は、各々独立に水素、又は、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリル基、若しくはこれらの複合基を示し、これらは、20個までの非水素原子を有することができ、また必要に応じて、Z中の2つのR3同士、又はZ中のR3とY中のR3とが相俟って環状となっていてもよい。
式(5)及び式(6)中、X及びX’は、前記式(3)又は式(4)中で示すものと同様のものを示す。
式(5)及び(6)中、それぞれ、pは0、1又は2を示し、qは、0又は1を示す。ただし、pが2、qが0を示すとき、Mの酸化数は+4であり、かつXは、各々独立にメチル基又はベンジル基を示す。また、pが1、qが0を示すとき、Mの酸化数が+3であり、かつXが、2−(N,N−ジメチル)アミノベンジルを示すか、Mの酸化数が+4であり、かつXが、2−ブテン−1,4−ジイルを示す。また、pが0、qが1を示すとき、Mの酸化数は+2であり、かつX’は、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン又は1,3−ペンタジエンを示す。これらのジエン類は、金属錯体を形成する非対称ジエン類を例示したものであり、実際には各幾何異性体の混合物である。
上記(ウ)遷移金属化合物は、例えば、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジクロリド、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム1,3−ペンタジエン、及び[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジフェニル等が好ましく、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチルがより好ましい。
前記担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、(エ)遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、単に「(エ)活性化剤」、「活性化剤」ともいう。)を含む。
一般的には、メタロセン触媒において、(ウ)遷移金属化合物と上記(エ)活性化剤により形成される錯体が、触媒活性種として高いオレフィン重合活性を示す。
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造方法において、(エ)活性化剤としては、特に限定されないが、例えば、下記式(7)で表される化合物が挙げられる。
[L−H]d +[Mmpd - ・・・(7)
式(7)中、[L−H]d +は、プロトン付与性のブレンステッド酸を示し、Lは、中性ルイス塩基を示す。
また、式(7)中、[Mmpd -は、相溶性の非配位性アニオンを示し、Mは、周期律表第5族〜第15族から選ばれる金属又はメタロイドを示し、Qは、各々独立にヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキシ基、アリルオキシ基、炭化水素基、又は炭素数20個までの置換炭化水素基を示し、また、ハライドであるQは、1個以下である。
式(7)中、mは、1〜7の整数を示し、pは、2〜14の整数を示し、dは、1〜7の整数を示し、p−m=dである。
(エ)活性化剤のより好ましい例は、下記式(8)で表される化合物である。
[L−H]d +[Mmn(Gq(T−H)rzd - ・・・(8)
式(8)中、[L−H]d +は、プロトン付与性のブレンステッド酸を示し、Lは、中性ルイス塩基を示す。
また、式(8)中、[Mmn(Gq(T−H)rzd -は、相溶性の非配位性アニオンを示し、Mは、周期律表第5族〜第15族から選ばれる金属又はメタロイドを示し、Qは、各々独立にヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキシ基、アリルオキシ基、炭化水素基、又は炭素数20個までの置換炭化水素基を示し、また、ハライドであるQは、1個以下である。
式(8)中、Gは、M及びTと結合するr+1の価数を持つ多価炭化水素基を示し、Tは、O、S、NR、又はPRを示す。ここで、Rは、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル基、トリヒドロカルビルゲルミル基又は水素を示す。
また、式(8)中、mは、1〜7の整数を示し、nは、0〜7の整数を示し、qは、0又は1の整数を示し、rは、1〜3の整数を示し、zは、1〜8の整数を示し、dは、1〜7の整数を示し、n+z−m=dである。
(エ)活性化剤のさらに好ましい例は、下記式(9)で表される化合物である。
[L−H]+[BQ31- ・・・(9)
式(9)中、[L−H]+は、プロトン付与性のブレンステッド酸を示し、Lは、中性ルイス塩基を示す。
また、式(9)中、[BQ31-は、相溶性の非配位性アニオンを示し、Bは、硼素元素を示し、Q3は、ペンタフルオロフェニル基を示し、Q1は、置換基としてOH基を1つ有する炭素数6〜20の置換アリル基を示す。
式(7)、(8)及び(9)における前記プロトン付与性のブレンステッド酸としては、以下に限定されないが、例えば、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム、ジブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルアンモニウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシルメチルアンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、ジテトラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメチルアンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、ジイコシルメチルアンモニウム、及びビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム等のようなトリアルキル基置換型アンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム、及びN,N−ジメチルベンジルアニリニウム等のようなN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;トリフェニルカルボニウムカチオンが挙げられる。これらのプロトン付与性のブレンステッド酸の中でも、好ましくはトリアルキル基置換型アンモニウムカチオンであり、より好ましくはビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウムである。
式(7)、(8)及び(9)における前記相溶性の非配位性アニオンとしては、以下に限定されないが、例えば、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−(4´−ヒドロキシフェニル)フェニル)ボレート、及びトリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボレートが挙げられる。これらの相溶性の非配位性アニオンを「ボレート化合物」ともいう。
触媒活性の観点並びにAl、Mg、Ti、Zr及びHfの合計含有量を低減する観点から、担持型幾何拘束型メタロセン触媒の活性化剤が、ボレート化合物を相溶性の非配位性アニオンとして含むことが好ましい。好ましいボレート化合物としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレートが挙げられる。
(エ)活性化剤として、下記式(10)で表される、ユニットを有する有機金属オキシ化合物も用いることができる。
Figure 0006912290
式(10)中、M2は、周期律表第13族〜第15族の金属、又はメタロイドを示し、Rは、各々独立に炭素数1〜12の炭化水素基又は置換炭化水素基を示し、nは、金属M2の価数を示し、mは、2以上の整数を示す。
(エ)活性化剤の好ましい他の例は、下記式(11)で表される、ユニットを含む有機アルミニウムオキシ化合物である。
Figure 0006912290
式(11)中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を示し、mは、2〜60の整数を示す。
(エ)活性化剤のより好ましい例は、下記式(12)で表される、ユニットを含むメチルアルモキサンである。
Figure 0006912290
式(12)中、mは、2〜60の整数を示す。
また、本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造方法においては、前記(ア)〜(エ)成分を用いた担持型幾何拘束型メタロセン触媒の他に、必要に応じて有機アルミニウム化合物を触媒として用いることもできる。
上記有機アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記式(13)で表される化合物が挙げられる。
AlRn3-n ・・・(13)
式(13)中、Rは、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基又は炭素数6〜20のアリル基を示し、Xは、ハロゲン、水素又はアルコキシル基を示し、nは、1〜3の整数を示す。また、有機アルミニウム化合物は、式(13)で表される化合物の混合物であっても構わない。
上述した担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、上述した成分(ア)に、成分(イ)、成分(ウ)、及び成分(エ)を担持させることにより得ることができる。
成分(イ)、成分(ウ)、及び成分(エ)を担持させる方法としては、成分(ア)を不活性溶媒中に分散させた懸濁液に成分(イ)を添加し、0℃〜70℃で30分以上撹拌することで、担体物質表面にある活性水素と有機アルミニウム化合物を反応させる。次に、成分(ウ)と成分(エ)を成分(イ)と反応した後の成分(ア)の懸濁液に、全投入量の20〜50質量%は40〜50℃で同時に滴下し、残りの50〜80質量%は10〜15℃で同時に滴下することが好ましい。これにより、触媒活性点が成分(ア)の内部に形成することができ、該触媒を重合に供することにより触媒内部に結晶性の高いポリエチレンが生成する傾向にある。
成分(ウ)、及び成分(エ)は、液体又は固体であることが好ましい。
また、成分(イ)、成分(ウ)、成分(エ)は、担持の際、不活性溶媒で希釈して使用してもよい。上記不活性溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;これらの混合物が挙げられる。上記不活性溶媒は、乾燥剤、吸着剤等を用いて、水、酸素、硫黄分等の不純物を除去してから用いることが好ましい。
前記成分(ア)1.0gに対し、前記成分(イ)は、Al原子換算で1.0×10-5〜1.0×10-1モルが好ましく、より好ましくは1.0×10-4〜5.0×10-2モル、成分(ウ)は、1.0×10-7〜1.0×10-3モルが好ましく、より好ましくは5.0×10-7〜5.0×10-4モル、成分(エ)は、1.0×10-7〜1.0×10-3モルが好ましく、より好ましくは5.0×10-7〜5.0×10-4モルの範囲である。
各成分の使用量及び担持方法は、活性、経済性、パウダー特性、及び反応器内のスケール等により決定される。得られた担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、担体に担持されていない有機アルミニウム化合物、ボレート化合物、チタン化合物を除去することを目的に、不活性溶媒を用いでデカンテーション、濾過等の方法により洗浄することもできる。
上述した一連の溶解、接触、洗浄等の操作は、その単位操作毎に選択される−30℃以上80℃以下の温度で行うことが好ましい。そのような温度のより好ましい範囲は、0℃以上50℃以下である。また、担持型幾何拘束型メタロセン触媒を得る一連の操作は、乾燥した不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、それのみで本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造工程において、エチレンとα−オレフィンの共重合工程に用いることが可能であるが、溶媒や反応の被毒の防止のため、液体助触媒成分(D)として有機アルミニウム化合物を共存させて使用することもできる。
液体助触媒成分(D)としての上記有機アルミニウム化合物としては、以下に限定されないが、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムエトキシド等のアルミニウムアルコキシド;メチルアルモキサン、イソブチルアルミキサン、及びメチルイソブチルアルモキサン等のアルモキサンが好適に挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアルミニウム、及びアルミニウムアルコキシドが好ましい。より好ましくはトリイソブチルアルミニウムである。
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造工程での重合方法は、スラリー重合法が好ましい。重合を行う場合、一般的には重合圧力は、0.1MPa以上10MPa以下が好ましく、より好ましくは0.3MPa以上3.0MPa以下である。
また、重合温度は、20℃以上115℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以上85℃以下である。
スラリー重合法に用いる溶媒としては、上述した担持の際、成分(イ)、成分(ウ)、成分(エ)の希釈に使用する不活性溶媒で希釈に使用する不活性溶媒が好適であり、不活性炭化水素溶媒がより好ましい。不活性炭化水素溶媒としては、炭素数6以上8以下の炭化水素溶媒、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;これらの混合物が挙げられる。
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造工程での重合方法は、連続式で重合することが好ましい。エチレンガス、溶媒、触媒等を連続的に重合系内に供給し、生成した高密度ポリエチレン(A)と共に連続的に排出することで、急激なエチレンの反応による部分的な高温状態を抑制することが可能となり、重合系内がより安定化する傾向にある。均一な状態でエチレンが反応すると、分子量分布の広幅化が抑制される傾向にある。
また、エチレンとα−オレフィンを共重合する場合は、重合器の後フラッシュタンクでエチレン、水素、α−オレフィンを一定量除いた後、更に所定の条件のバッファータンクに原料供給がない状態で保持することが好ましい。バッファータンクの温度の下限は、65℃以上が好ましく、68℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。また、バッファータンクの温度の上限は、80℃以下が好ましく、75℃以下がより好ましい。フラッシュタンクは重合器より圧力を低下させることで、エチレン、水素、α−オレフィンを一定量除去する設備であるが、分子量が小さい水素が一番除去されやすく、エチレン、α−オレフィンの順に除去されやすさが変わる。そのため、フラッシュタンク内の原料組成は重合器内と大きく変わり、エチレン、α−オレフィンの濃度が相対的に高くなる。その組成でバッファータンクに保持されることで、重合器とは異なり原料濃度が低く、かつ、連鎖移動剤濃度が低い条件で、触媒が失活していない状態で緩慢に重合が進むことにより、高密度ポリエチレンパウダー内部に大きさが揃った結晶が生成する傾向にある。通常、エチレン−α−オレフィン共重合体は、α−オレフィン量に依存して、結晶性が下がる傾向にあるが、上記製造方法を用いることにより、高結晶性を維持することが可能である。
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造方法での溶媒分離方法は、デカンテーション法、遠心分離法、フィルター濾過法等が挙げられるが、高密度ポリエチレン(A)と溶媒との分離効率が高い遠心分離法がより好ましい。溶媒分離後に高密度ポリエチレン(A)に含まれる溶媒の量としては、特に限定されないが、好ましくは高密度ポリエチレン(A)の質量に対して50質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは55質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以上80質量%以下である。
高密度ポリエチレン(A)を合成するために使用する触媒の失活方法としては、高密度ポリエチレン(A)と溶媒を分離した後に実施することが好ましい。触媒を失活させる薬剤としては、特に限定されないが、例えば、酸素、水、アルコール類、が挙げられる。
本実施形態における高密度ポリエチレン(A)の製造方法での乾燥に際しては、窒素やアルゴン等の不活性ガスを流通させた状態で実施することが好ましい。また、乾燥温度としては、好ましくは50℃以上150℃以下であり、より好ましくは50℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは50℃以上130℃以下である。乾燥温度が50℃以上であれば、効率的な乾燥が可能となる傾向にある。一方、乾燥温度が150℃以下であれば、高密度ポリエチレン(A)の分解や架橋を抑制した状態で乾燥することが可能となる傾向にある。
上述のような各成分以外にも高密度ポリエチレン(A)の製造には、有用な他の公知の成分を含むことができる。
[高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)]
本実施形態の高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度(JIS K7112)は、好ましくは910〜930kg/m3であり、より好ましくは912〜927kg/m3であり、さらに好ましくは915〜925kg/m3ある。高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度が910kg/m3以上であることにより、適度な硬さを保つことが可能となり引裂性を有するフィルムとなる。また、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度が930kg/m3以下であることにより、融点が適度に保たれ、シール性を維持できる。高圧法低密度ポリエチレン(B)の密度は、重合反応ピーク温度を上げると下がる傾向にあり、重合圧力を上げると上がる傾向にある。また、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の190℃、2.16kgのメルトフローレート(JIS K7210)は、好ましくは1〜20g/10分であり、より好ましくは1.5〜15g/10分であり、さらに好ましくは2〜10g/10分である。高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のMFRが1g/10分以上であることにより、Tダイ成形時におけるドローダウン性を維持でき、FEがより抑制できる傾向にある。また、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のMFRが20g/10分以下であることにより、Tダイ成形時におけるネックインがより抑制できる傾向にある。高圧法低密度ポリエチレン(B)のMFRは、重合反応ピーク温度を上げると上がる傾向にあり、重合圧力を上げると下がる傾向にある。なお、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)のメルトフローレートは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の分子量分布Mw/Mnは、加工性の観点から好ましくは2〜30であり、より好ましくは3〜25であり、さらに好ましくは5〜20である。高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)の分子量分布Mw/Mnはその製造条件により制御することができる。
本実施形態における高圧法低密度ポリエチレン(B)は、オートクレーブタイプ、あるいはチューブラータイプのリアクターでエチレンをラジカル重合して得ることができる。オートクレーブタイプのリアクターを使用する場合、重合条件は、例えば、開始剤として作用する過酸化物の存在下、200〜300℃の重合温度、100〜250MPaの重合圧力に設定すればよい。一方、チューブラータイプのリアクターを使用する場合、重合条件は、例えば、過酸化物及び連鎖移動剤の存在下、180〜400℃の重合温度、100〜400MPa、好ましくは、200〜350℃の重合温度、150〜350MPaの重合圧力に設定すればよい。
上記過酸化物としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、パーオキシケタール類(具体的には1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等)、ハイドロパーオキサイド類(具体的には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド類(具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等)、ジアシルパーオキサイド(具体的には、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、パーオキシジカーボネート類(具体的には、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等)、パーオキシエステル類(具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,6−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等)、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等が挙げられる。
過酸化物はイソパラフィン系の溶剤で希釈された状態で重合反応器にフィードされることが好ましく、かかる過酸化物の濃度は5質量%以上35質量%以下であることが好ましい。イソパラフィン系の溶剤は特に限定されないが、例えば、炭素数が10以上15以下の溶媒が好ましく、具体的には、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン等が好適である。イソパラフィン系の溶剤に希釈してフィードすることで、連鎖移動剤となりうるイソパラフィンが、開始剤の過酸化物と高濃度で接触した状態で重合系内に添加されるため、長鎖分岐の起点が生じやすくなると考えられる。さらに、過酸化物は開始温度が異なる2種類以上を併用することでより長鎖分岐の起点を生じやすくなる。長鎖分岐が増えると、成形加工が安定化すると共に、高密度ポリエチレンとの分散状態を向上させ、このことが引裂性の向上に寄与する。
分子量調整のための連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数が3〜6のパラフィン、オレフィン、及び、ケトン類が挙げられ、具体的には、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジプロピルケトン等が挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。まず、下記に各物性及び評価の測定方法及び評価基準について述べる。
(物性1)MFR
製造例で得られたポリエチレンのMFRは、ASTM−D−1238に従い、190℃、荷重2.16kgで測定した。
(物性2)密度
製造例で得られたポリエチレンの密度は、JIS K6760に準拠し、密度勾配管法により、測定した。
(物性3)TREF(昇温溶離分別法)測定
実施例及び比較例で製造したポリエチレン組成物について、TREF(昇温溶離分別法)測定による溶出温度−溶出量曲線を以下のように測定し、各温度での溶出量、溶出積分量、及び最大溶出量の重量分率Wmax、60℃から80℃の間における局所的な最大溶出量の重量分率W1を求めた。
まず、ポリエチレン組成物20mgをオルトジクロロベンゼン0.5mlに溶かした試料溶液を調製し、試料室へ導入した。その後、試料室を室温から140℃に40℃/分で昇温し、120分間保持した。次に、試料室の温度を降温速度0.5℃/分で40℃まで降温した後、20分間保持し、試料を試料室内の充填剤表面に析出させた。
その後、試料室とカラムの温度を、昇温速度20℃/分で40℃から120℃まで順次昇温した。昇温時、各温度で21分間該当する温度を保持した後、次の温度への昇温を行った。各温度で溶出した試料(ポリエチレン組成物)の濃度を検出した。そして、試料(ポリエチレン組成物)の溶出量重量分率(質量%)と、そのときのカラム内温度(℃)との値より、溶出温度−溶出量曲線を測定し、各温度での溶出量を求めた。
測定の条件は以下のとおりであった。
・装置:Polymer ChAR社製Automated 3D analyzer CFC−2
・カラム: ステンレススチールマイクロボールカラム(外径3/8インチ、長さ150mm)
・溶離液:o−ジクロロベンゼン(高速液体クロマトグラフ用)
・試料溶液濃度:試料(エチレン重合体)20mg/o−ジクロロベンゼン0.5mL
・注入量:0.5mL
・ポンプ流量:1.0mL/分
・検出器:Polymer ChAR社製赤外分光光度計IR4
・検出波数:3.42μm
・試料溶解条件:140℃×120分間
(物性4)1/2等温結晶化時間(DSC測定)
1/2等温結晶化時間(DSC測定)は試料を8〜9mg計量し、PERKIN ELMER製 DSC8000を用いて補外結晶化開始温度を測定後、該温度より1℃高い温度で等温結晶化を行い、値を測定した。
1.補外結晶開始温度測定
補外結晶開始点測定は以下の手順で実施した。
・温度プロファイル
(1)50℃で1分間保持
(2)200℃/分で50℃から180℃へ昇温
(3)180℃で5分間保持
(4)10℃/分で180℃から50℃へ降温
・補外結晶化開始温度は上記結果からJIS K7121に準じた方法で算出した。
2.1/2等温結晶化
1/2等温結晶化時間の測定は以下の手順で実施した。
・測定手順
(1)50℃で1分間保持
(2)200℃/分で50℃から180℃へ昇温
(3)180℃で5分間保持
(4)80℃/分で180℃から補外結晶化温度+1℃へ降温
(5)補外結晶化温度+1℃の温度で5分間保持する
(6)発熱曲線がピークとなる時間を、1/2等温結晶化時間と定義する
(物性5)エルメンドルフ引裂強度
ポリエチレン樹脂組成物を、ホクシン製φ40mm押出機(スクリュー径40mm、ダイ300mm幅、リップ開度0.6mm)を用い、シリンダー温度230℃、ダイ温度230℃、押出し量10kg/時間、引き取り速度18m/分で成形し、幅25cm、厚さ35μmのポリエチレン樹脂からなるフィルムを作製した。得られたフィルムの厚みを測定し、JIS K7128−2に準じ、引裂強度を測定した。得られた引裂強度は厚さ1cm当たりに換算した。
(物性6)手切れ性
手切れ性については、MD方向にフィルムを手で引裂き、以下の基準で評価を行った。
〇:まっすぐに裂けたフィルムを良好とした。
△:ジグザグになりながら裂けたフィルムをやや良好とした。
×:まっすぐに引裂くことができず、斜めに裂けたフィルムを不良とした。
(物性7)塗布性
上記(物性5)で成膜したフィルムを20cm×20cmの正方形に切断し、コロナ処理後、平板上に置いた。該フィルムにワイヤーバー(50番)で中京油脂製レゼムP−677(非シリコン系離形剤)の5%溶液を塗布した。塗布されたフィルム表面上で溶液がフィルム表面からはじかれた面積が、1%未満であったとき◎の評価とし、1〜5%のであったとき△の評価とし、5%より大きい時×の評価とした。
(物性8)シール性
シール性の評価は、20μmアルミ薄膜上に本ポリエチレン樹脂組成物を押出ラミネートし、得られたフィルムのシール性を引張試験機で測定することにより行った。
押出ラミネート方法:ダイとしてストレートマニホールドタイプを備えた一軸押出機を用い、リップ幅を400mm、リップクリアランスを0.7mmに設定した。樹脂温310℃で樹脂を押し出し、エアーギャップ140mmを経て、繰出機より繰り出されたアルミ箔にラミネートした。その後、セミミラー仕様の冷却ロールで冷却し、巻取機にラミネートフィルムを巻き取った。
ヒートシール強度:上記押出しラミネート方法で得られた積層フィルムを、ヒートシーラー(テスター産業社製)を用いて、シール温度100℃、シール圧力2kg/cm2、シール時間1秒でヒートシールした。シール部の剥離強度を、引張試験機(オリエンテック社製)を用いて、引張速度300mm/分の条件で測定した。
ヒートシール強度が4N/15mmより大きいときには良好とし、3〜4N/15mmのときにはやや良好、3N未満のときには不良とした。
(物性9)塩素含有量測定法
実施例及び比較例で得られた各ポリエチレン樹脂組成物約0.05gを石英製ボートに入れ、(株)三菱アナリテック製自動燃焼装置AQF−100で燃焼させた。発生した燃焼ガスをあらかじめ酒石酸を添加した吸収液に吸収させて、ダイオネクス社製イオンクロマトグラフ分析装置ICS−1500で酒石酸を内標準物質として内標準法で塩素含有量の定量を行った。単位は、質量ppmとした。
実施例、比較例では、下記の方法により製造した樹脂材料を用いた。
[触媒の調製]
(1)担持型幾何拘束型メタロセン触媒[A]の調製
600℃で脱水された触媒担体用シリカ(平均粒子径15μm、圧縮強度3MPa)40gを窒素雰囲気下、容量1.8Lのオートクレーブ中にて、ヘキサン800mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを25℃に保ち、攪拌しながら、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を84mL加えた。その後、2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、シリカの表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[a1]のヘキサンスラリーを得た。
一方、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル(以下、「チタニウム錯体」と記載する。)200mmolをアイソパーE(登録商標)(エクソンケミカル社(米国)製の炭化水素混合物の商品名)1000mLに溶解し、n−ブチルエチルマグネシウムの1mol/Lヘキサン溶液を20mL加え、さらにヘキサンを加えてチタニウム錯体濃度を0.1mol/Lに調製し、成分[b1]を得た。
また、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート化合物」と記載する。)5.7gをトルエン50mLに添加して溶解し、ボレート化合物の100mmol/Lトルエン溶液を得た。このボレート化合物のトルエン溶液にジエチルアルミニウムエトキサイドの1mol/Lヘキサン溶液5mLを室温で加え、さらにヘキサンを加えて溶液中のボレート化合物濃度が70mmol/Lとなるようにした。その後、室温で1時間攪拌し、ボレート化合物を含む反応混合物[c]を得た。
上記[a1]スラリーを45〜50℃に昇温した後、撹拌回転数600rpmとし、[c]9.2mLと[b1]6.4mLとを上記[a1]スラリーに20分間かけて同時に滴下し、その後50℃で1時間撹拌することで、触媒活性種をシリカ内部に浸透させた。その後、得られた反応混合物中の未反応のボレート化合物・チタニウム錯体を含む上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、触媒活性種がシリカ内部に担持された。さらに、10〜15℃まで降温した後、[c]36.8mLと[b1]25.6mLを80分間かけて同時に滴下し、その後15〜20℃で3時間撹拌することでチタニウム錯体とボレートとを反応・析出させ、シリカ表面に触媒活性種を物理的に吸着させた。その後、得られた反応混合物中の未反応のボレート化合物・チタニウム錯体を含む上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、触媒活性種が該シリカ表面および内部に形成されている担持型幾何拘束型メタロセン触媒[A](後述の[ポリエチレンの調製]において、単に[A]と示す。)を得た。
(2)担持型幾何拘束型メタロセン触媒[B]の調製
500℃で脱水された触媒担体用シリカ(平均粒子径15μm、圧縮強度35MPa)を、窒素雰囲気下容量1.8Lのオートクレーブ中にて、この脱水シリカ40gをヘキサン800mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下25℃に保ちながら、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を84mL加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、シリカの表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[a2]のヘキサンスラリーを得た。
一方、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル(以下、「チタニウム錯体」と記載する。)200mmolをアイソパーE(登録商標)(エクソンケミカル社(米国)製の炭化水素混合物の商品名)1000mLに溶解し、予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムより合成したAlMg6(C253(n−C4912の1mol/Lヘキサン溶液を20mL加え、さらにヘキサンを加えてチタニウム錯体濃度を0.1mol/Lに調整し、成分[b2]スラリーを得た。
上記成分[a2]スラリーを20〜25℃に昇温した後、撹拌回転数300rpmとし、前記(1)におけるボレート化合物を含む反応混合物[c]46mLと[b2]32mLを[a2]スラリーに60分かけて同時に滴下し、さらに3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応・析出させ、シリカ表面に触媒活性種を物理吸着させた。その後、得られた反応混合物中の未反応のボレート化合物・チタニウム錯体を含む上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、触媒活性種が該シリカ表面に形成されている担持型幾何拘束型メタロセン触媒[B](後述の[ポリエチレンの調製]において、単に[B]と示す。)を得た。
(3)チーグラー・ナッタ触媒[C]の調製
1)担体の合成
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのトリクロロシランのヘキサン溶液1,000mLを仕込み、65℃で攪拌しながらAlMg5(C4911(OC492で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2,550mL(マグネシウム2.68mol相当)を4時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1,800mLのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムは8.31mmolであった。
2)チーグラー・ナッタ触媒[C]の調製
上記担体110gを含有するヘキサンスラリー1,970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1.0mol/LのAlMg5(C4911(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に1時間かけて添加した。添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、固体触媒成分としてチーグラー・ナッタ触媒[C](後述の[ポリエチレンの調製]において、単に[C]と示す。)を調製した。
[ポリエチレンの調製]
(1)高密度ポリエチレン(A)
[高密度ポリエチレン(A−1)の製造]
以下に示す連続式スラリー重合法により高密度ポリエチレンを得た。具体的には、攪拌装置を備えたベッセル型340L重合反応器を用い、重合温度80℃、重合圧力0.98MPa、平均滞留時間3.2時間の条件で連続重合を行った。重合レートは10kg/時間、溶媒として脱水ノルマルヘキサン40L/時間、触媒として[A]をTi原子換算で1.4mmol/時間、液体助触媒成分としてトリイソブチルアルミニウムを20mmol/時間で供給した。また、分子量調整のための水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.25mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.37mol%になるように供給することで、エチレンと1−ブテンを共重合させた。スラリー濃度は27重量%であった。尚、触媒は重合器の液面付近から供給し、エチレンおよび1−ブテンは重合器の底部から供給した。重合反応器内の重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように圧力0.05MPa、温度70℃のフラッシュタンクに導き、未反応のエチレン、1−ブテン、水素を一定量分離した。その後、圧力0.30MPa、温度65℃のバッファータンクに平均滞留時間1.0時間の条件で導いた。次に、スラリーは、バッファータンクのレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、パウダーとそれ以外の溶媒等を分離した。分離された高密度ポリエチレンパウダーは、85℃で窒素ブローしながら乾燥した。この乾燥工程で、パウダーに対し、スチームを噴霧して、触媒及び助触媒の失活を実施した。
得られた高密度ポリエチレンパウダーは、中和剤や酸化防止剤等の添加剤を使用せずに、日本製鋼所社製TEX−44(スクリュー径44mm、L/D=35。L:原料供給口から排出口までの距離(m)、D:内径(m)。)の二軸押出成形機を利用し、押出量30kg/時間、200℃の温度で溶融混錬し、東芝機械製ストランドカッターを使用して、カッター刃12枚、550rpmの条件でカッティングし造粒し、高密度ポリエチレン(A−1)を得た。ペレット1個の平均重量は18.5mgであった。高密度ポリエチレン(A−1)のMFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−2)の製造]
水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.32mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.21mol%になるように供給した以外は、高密度ポリエチレン(A−1)の製造と同様の操作により高密度ポリエチレン(A−2)を得た。ペレット1個の平均重量は17.5mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−3)の製造]
水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.56mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.06mol%になるように供給した以外は、高密度ポリエチレン(A−1)の製造と同様の操作により高密度ポリエチレン(A−3)を得た。ペレット1個の平均重量は18.0mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−4)の製造]
水素をエチレンの気相濃度に対して0.47mol%となるように供給し、1−ブテンを供給せず、バッファータンクを使用しなかった以外は、高密度ポリエチレン(A−1)の製造と同様の操作により高密度ポリエチレン(A−4)を得た。ペレット1個の平均重量は17.7mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−5)の製造]
水素をエチレンの気相濃度に対して0.17mol%となるように供給し、1−ブテンを供給せず、バッファータンクを使用しなかった以外は、高密度ポリエチレン(A−1)の製造と同様の操作により高密度ポリエチレン(A−4)を得た。ペレット1個の平均重量は18.3mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−6)の製造]
重合温度83℃、重合圧力0.80MPaとし、触媒として[C]を使用し、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して44.33mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.64mol%とし、バッファータンクを使用しなかった以外は、高密度ポリエチレン(A−1)の製造と同様の操作により重合し、高密度ポリエチレンパウダーを得た。得られた高密度ポリエチレンパウダーに、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を300質量ppm添加した以外は、高密度ポリエチレン(A−1)の製造と同様の操作により造粒し、高密度ポリエチレン(A−6)を得た。ペレット1個の平均重量は16.0mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−7)の製造]
重合温度85℃、重合圧力1.0MPaとし、水素をエチレンの気相濃度に対して64mol%、1−ブテンを供給しなかった以外は、高密度ポリエチレン(A−6)の製造と同様の操作により、高密度ポリエチレン(A−7)を得た。ペレット1個の平均重量は17.2mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−8)の製造]
重合温度85℃、重合圧力0.95MPaとし、水素をエチレンとプロピレンの気相濃度に対して27.5mol%、プロピレンをエチレンの気相濃度に対して3.3mol%とした以外は、高密度ポリエチレン(A−6)の製造と同様の操作により、高密度ポリエチレン(A−8)を得た。ペレット1個の平均重量は16.5mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−9)の製造]
重合温度85℃、重合圧力0.95MPaとし、水素をエチレンとプロピレンの気相濃度に対して58mol%、プロピレンをエチレンの気相濃度に対して1.6mol%とした以外は、高密度ポリエチレン(A−6)の製造と同様の操作により、高密度ポリエチレン(A−9)を得た。ペレット1個の平均重量は19.0mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−10)の製造]
重合温度75℃、重合圧力0.8MPa、平均滞留時間1.6時間、触媒として[B]を使用し、分子量調整のための水素はエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.21mol%、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して0.27mol%になるように供給することで、エチレン及び1−ブテンを重合させた。尚、脱水ノルマルヘキサンは重合器の底部より供給し、水素は予め触媒と接触させるために触媒導入ラインから触媒と共に、重合器の液面と底部の中間から供給し、エチレンは重合器の底部から供給した。重合反応器内の重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように圧力0.08MPa、温度75℃のフラッシュタンクに導き、未反応のエチレン、1−ブテン、水素を分離した。
次に、重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、ポリマーとそれ以外の溶媒等を分離した。
分離された高密度ポリエチレンパウダーは、85℃で窒素ブローしながら乾燥した。なお、この乾燥工程で、重合後のパウダーに対し、スチームを噴霧して、触媒及び助触媒の失活を実施した。
得られた高密度ポリエチレンパウダーは、高密度ポリエチレン(A−1)と同様の操作により造粒し、高密度ポリエチレン(A−10)を得た。ペレット1個の平均重量は17.9mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−11)の製造]
水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.12mol%、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して0.011mol%になるように供給した以外は、高密度ポリエチレン(A−10)の製造と同様の操作により、高密度ポリエチレン(A−11)を得た。ペレット1個の平均重量は17.5mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高密度ポリエチレン(A−12)の製造]
重合温度86℃、重合圧力1.0MPaとし、水素をエチレンの気相濃度に対して46mol%、1−ブテンを供給しなかった以外は、高密度ポリエチレン(A−6)の製造と同様の操作により、高密度ポリエチレン(A−12)を得た。ペレット1個の平均重量は19.3mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
(2)高圧法低密度ポリエチレン(B)
[高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度256℃、重合圧力168MPa、開始剤としてt−ブチルパーアセテートとt−ブチルパーオクテートをモル比2:8でイソドデカンに11質量%になるように希釈したものを用い、連鎖移動剤としてイソブタンをエチレンに対して1.85mol%となるようにフィードしてエチレンを重合させた後、二軸押出機で押出量50kg/時間、180℃の温度で溶融混錬し、東芝機械製ストランドカッターを使用して、カッター刃16枚、700rpmの条件でカッティングし造粒することで高圧法低密度ポリエチレン樹脂を得た。ペレット1個の平均重量は17.5mgであった。得られた高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B−1)のMFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−2)の製造]
チューブラーリアクターにて、平均重合温度305℃、重合圧力191MPa、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを無希釈で用い、連鎖移動剤としてプロピレンをエチレンに対して0.3mol%となるようにした以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−2)を得た。ペレット1個の平均重量は17.5mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−3)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度256℃、重合圧力168MPa、開始剤としてt−ブチルパーアセテートを無希釈で用いた以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−3)を得た。ペレット1個の平均重量は21.3mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−4)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度258℃、重合圧力120MPa、開始剤としてt−ブチルパーアセテートとt−ブチルパーオクテートをモル比1:9でイソドデカンに25質量%になるように希釈したものを用いた以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−4)を得た。ペレット1個の平均重量は18.6mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−5)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度190℃、重合圧力126MPa、開始剤としてt−ブチルパーオキシビバレートとt−ブチルパーアセテートをモル比7:3でイソドデカンに25質量%になるように希釈したものを用いた以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−5)を得た。ペレット1個の平均重量は16.5mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−6)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度183℃、重合圧力191MPa、開始剤としてt−ブチルパーオキシビバレートとt−ブチルパーオクテートをモル比5:5でイソドデカンに13質量%になるように希釈したものを用い、連鎖移動剤としてメチルエチルケトンをエチレンに対して0.71mol%となるようにした以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−6)を得た。ペレット1個の平均重量は18.7mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−7)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度230℃、重合圧力201MPa、開始剤としてt−ブチルパーオクテートとt−ブチルパーアセテートをモル比6:4でイソドデカンに10質量%になるように希釈したものを用い、連鎖移動剤としてイソブタンをエチレンに対して3.85mol%となるようにした以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−7)を得た。ペレット1個の平均重量は18.0mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−8)の製造]
チューブラーリアクターにて、重合温度300℃、重合圧力255MPa、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを無希釈で用い、連鎖移動剤としてプロピレンをエチレンに対して1.1mol%となるようにした以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−8)を得た。ペレット1個の平均重量は18.0mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−9)の製造]
チューブラーリアクターにて、平均重合温度285℃、重合圧力265MPa、開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドとt−ブチルパーオクテートをモル比4:6でイソドデカンに希釈したものを用い、連鎖移動剤としてプロピレンをエチレンに対して1.0mol%となるようにした以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−9)を得た。ペレット1個の平均重量は16.9mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−10)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度256℃、重合圧力122MPa、開始剤としてt−ブチルパーアセテートとt−ブチルパーオクテートをモル比1:9でイソドデカンに30質量%になるように希釈したものを用いた以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−10)を得た。ペレット1個の平均重量は17.3mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−11)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度208℃、重合圧力112MPa、開始剤としてt−ブチルパーオキシビバレートとt−ブチルパーオクテートをモル比5:5でイソドデカンに30質量%になるように希釈したものを用いた以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−11)を得た。ペレット1個の平均重量は18.6mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−12)の製造]
オートクレーブリアクターにて、重合温度245℃、重合圧力170MPa、開始剤としてt−ブチルパーオキシアセテートを無希釈で用いた以外は、高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造と同様の操作により、高圧法低密度ポリエチレン(B−12)を得た。ペレット1個の平均重量は15.3mgであった。MFR、密度の評価結果を表1に示す。
(3)ポリエチレン樹脂組成物
[実施例1]
高密度ポリエチレン樹脂としてA−1、高圧法低密度ポリエチレン樹脂としてB−7を使用し、日本製鋼(株)社製1軸押出機(スクリュー径65mm、L/D=28)を用い、A−1とB−7がそれぞれ40質量%、60質量%となるように、押出量30kg/時間、200℃で溶融混練を行い、カッター刃12枚、600rpmの条件でカッティングし造粒することで行い、ポリエチレン樹脂組成物PE−1を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
A−2とB−9がそれぞれ45質量%、55質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−2を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
A−3とB−1がそれぞれ50質量%、50質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−3を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
A−4とB−1がそれぞれ60質量%、40質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−4を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
A−5とB−4がそれぞれ80質量%、20質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−5を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
A−2とB−5がそれぞれ70質量%、30質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−6を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
A−3とB−6がそれぞれ80質量%、20質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−7を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
A−4とB−10がそれぞれ80質量%、20質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−8を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
A−5とB−11がそれぞれ30質量%、70質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−9を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
A−6とB−1がそれぞれ54質量%、46質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−10を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
A−7とB−2がそれぞれ45質量%、55質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−11を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
A−8とB−8がそれぞれ80質量%、20質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−12を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
A−9とB−3がそれぞれ20質量%、80質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−13を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
A−10とB−12がそれぞれ50質量%、50質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−14を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例6]
A−11とB−12がそれぞれ60質量%、40質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−15を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例7]
A−12とB−1がそれぞれ20質量%、80質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−16を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例8]
A−6とB−1がそれぞれ80質量%、20質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−17を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例9]
A−3とB−12がそれぞれ50質量%、50質量%となるようにした以外は実施例1のポリエチレン樹脂組成物PE−1の製造と同様の操作により、ポリエチレン樹脂組成物PE−17を得た。評価結果を表1に示す。高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンのペレット1個の重量差が大きく、粒径が揃っておらず押出機直上のホッパー上で分級してしまったため、分散性が悪くWmaxと最大溶出ピーク温度が低かった。
Figure 0006912290
本発明のポリエチレン樹脂組成物は引裂性、手切れ性に優れ、クリーン性が高いため、食品、医薬用の易カット性包装材料、手で横方向にカットできる粘着テープの基材として利用可能である特に易カット性とクリーン性(非汚染性)を生かした用途として、おにぎりの包装用材料として利用可能である。更に塩素含有量が極めて微量なことから、塩素原子付着による誤作動を嫌う半導体等の電子部品の包装用材料、部品運搬用トレイ等としても利用可能である。

Claims (6)

  1. 密度が930〜960kg/m3であり、190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂組成物であり、
    CFC装置を用いて下記条件でTREF(昇温溶離分別法)測定を行った時、溶出温度−溶出量曲線のピークが80℃以下に1つ以上、90℃以上に1つ以上発現し、溶出量の最大値(Wmax)となるピークは90℃以上に発現し、尚且つ最大値は全溶出量の10重量%以上であり、
    高密度ポリエチレン樹脂(A)30〜80質量%、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(B)20〜70質量%から構成されるポリエチレン樹脂組成物。
    (1)前記ポリエチレン樹脂組成物20mgを秤量し、o−ジクロロベンゼン0.5mlを注入する;
    (2)140℃で120分間保持し前記ポリエチレン樹脂組成物を完全に溶解させ、溶液をTREFカラムに導入する;
    (3)140℃から0.5℃/分で40℃まで降温し、カラムに析出させた後40℃で20分間保持する;
    (4)40℃から140℃まで1℃ずつ昇温を行い、各温度で昇温後15分以上温度を保持した後、TREF測定を実施し、溶出量を測定する
  2. 前記溶出量の最大値(Wmax)と、TREF測定の溶出温度60〜80℃における最大溶出量(W1)との比、Wmax/W1が2.0以上である、請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  3. DSC測定において、180℃で5分間融解させ、降温速度80℃/分で降温する条件で補外結晶化開始温度(Tic)の1℃上で測定したときの、1/2等温結晶化時間が0.7分以上である、請求項1または2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  4. 高密度ポリエチレン樹脂(A)が、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレン−ブテン共重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  5. 高密度ポリエチレン樹脂(A)が、(ア)担体物質;(イ)有機アルミニウム化合物;(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物;(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤;から調製された担持型メタロセン触媒(C)と、液体助触媒成分(D)とを用いて重合することにより製造されたものである、請求項のいずれか一項に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  6. 塩素原子の含有量が、前記ポリエチレン樹脂組成物に対して、2.0質量ppm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリエチレン樹脂組成物。
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