JP4931403B2 - ポリエチレン系樹脂組成物及びその組成物からなるシーラントフィルム - Google Patents
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Description
従って、実用上要求される上記の重要な特性を同時に充分満足させる樹脂は得られていなかった。
そのため、ホットタック性に優れ上記の問題を起こさず、臭気成分の発生や味覚劣化、内容物の変質、変色などを起こしにくいクリーンなシーラントフィルムが望まれており、近年では低フィッシュアイなどの特性も要求されてきている。
上記より、ホットタック性または臭気の改良は不十分であり、ホットタック性および臭気の改良効果を両立したシーラントフィルムは今まで見当たらなかった。
[1]下記(I−1)〜(I−3)の特性を満たし、メタロセン触媒より製造される(I)エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとの共重合体60〜90重量%と、下記(II−1)〜(II−3)の特性を満たす(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体10〜40重量%からなり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートにおいて(I)に対する(II)のメルトフローレート比が0.8未満であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルム。
(I−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布が4.0〜10である。
(I−2)密度が941〜975kg/m3 である。
(I−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜30g/10分である。
(II−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布が5〜30である。
(II−2)密度が900〜975kg/m3 である。
(II−3)分子量106 以上の占有率が全体の0.5〜10重量%である、
[2](I)エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとの共重合体が、少なくとも担体物質、有機アルミニウム化合物、活性水素を有するボレート化合物、シクロペンタジエン化合物および、周期律表第IV族の遷移金属化合物から調製されたメタロセン担持触媒[A]と、式、(M 1 ) a (Mg) b (R 4 ) c (R 5 ) d 〔式中、M 1 は周期律表第1〜3族に属する金属原子であり、R 4 およびR 5 は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、a、b、c、dは次の関係を満たす実数である。0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ただし、eはM 1 の原子価)〕で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とアミン、アルコール、シロキサン化合物から選ばれる化合物との反応によって合成された有機マグネシウム化合物を炭化水素溶媒に溶解した液体助触媒成分[B]を用いて重合することを特徴とする上記[1]記載のポリエチレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルム。
まず、本発明のポリエチレン系樹脂組成物について詳述する。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、下記(I−1)〜(I−3)の特性を満たし、メタロセン触媒より製造される(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体60〜90重量%と、下記(II−1)〜(II−3)の特性を満たす(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体10〜40重量%からなり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートにおいて(I)に対する(II)のメルトフローレート比が0.8未満であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物、である。
(I−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布が2〜10である。
(I−2)密度が925〜975kg/m3 である。
(I−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜30g/10分である。
(II−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布が5〜30である。
(II−2)密度が900〜975kg/m3 である。
(II−3)分子量106 以上の占有率が全体の0.5〜10重量%である。
また、本発明のポリエチレン系樹脂組成物において(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体は、(I−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布は2〜10であり、好ましくは3〜7である。分子量分布が2未満では押出し性の低下やフィルム成膜時にメルトフラクチャーが発生しやすく好ましくない。一方、10以上ではフィルムの透明性の低下や低分子量成分のブリードアウトなどの欠点があり好ましくない。
更に、(I−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(以下、MFRと略す。)は0.1〜30g/10分であり、好ましくは0.3〜15g/10分であり、さらに好ましくは0.5〜10g/10分である。MFRが0.1g/10分未満ではメルトフラクチャーが発生しやすく成膜安定性に劣り好ましくない。一方、30g/10分以上では低温衝撃強度やヒートシール強度、耐熱ブロッキング性の低下度合いが大きい傾向になり好ましくない。
また、(II−2)密度は900〜975kg/m3 であり、好ましくは905〜970kg/m3 である。密度が900kg/m3 未満では、耐熱性不良となり、フィルムの耐熱ブロッキング性が劣るものとなる。一方、975kg/m3 以上ではフィルムの低温衝撃強度やフィルムを引裂いた時の抵抗(引裂き強度)が低下するなどの欠点があり好ましくない。
更に、(II−3)分子量106 以上の占有率は全体の0.5〜10重量%であり、好ましくは0.7〜8重量%である。分子量106 以上の占有率が0.5未満では、ホットタック可能な温度範囲が狭くなり好ましくない。一方、10以上では押出し性の低下やフィルム成膜時にフィッシュアイが発生するなどの欠点があり好ましくない。
重合法は公知の各種方法を使用でき、例えば、不活性ガス中での流動床式気相重合或いは拡販式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などが挙げられるが、不活性溶媒中でのスラリー重合が好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物において(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体であり、エチレンと共重合させる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、6−メチル−ヘプテン−1などが挙げられる。また、これらを2種類以上、任意の比率でドライブレンド、あるいはメルトブレンドしたものであってもよい。
また、(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体を製造するメタロセン担持触媒については、以下に記載するメタロセン担持触媒[A]および液体助触媒成分[B]からなるオレフィン重合用触媒を使用することを特徴とする。
該重合法において用いられるメタロセン担持触媒とは、(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、及び(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤から調製されたメタロセン担持触媒を用いるのが好ましい。特に(ウ)の環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物中の遷移金属はチタニウムが好ましい。
担体物質(ア)としては、有機担体、無機担体のいずれでもよい。有機担体としては、好ましくは(1)炭素数2〜20のα−オレフィンの重合体、例えば、エチレン樹脂や、プロピレン樹脂、ブテン−1樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−ヘキセン−1共重合体樹脂、プロピレン−ブテン−1共重合体樹脂、エチレン−ヘキセン−1共重合体等、(2)芳香族不飽和炭化水素共重合体、例えば、スチレン樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂等、および(3)極性基含有重合体樹脂、例えば、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アミド樹脂、カーボネート樹脂等が挙げられる。
担体の粒子径は任意であるが、一般的には1〜3000μm、粒子の分散性の見地から、粒子形分布は好ましくは10〜1000μmの範囲内である。
更にその他の有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウム、アルメニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアルミニウム、セスキアルキルハイドロアルミニウムなどが挙げられる。
又、Lは環状η結合性アニオン配位子であり、各々独立にシクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、またはオクタヒドロフルオレニル基であり、これらの基は20個までの非水素原子を含む炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素基、アミノヒドロカルビ基、ヒドロカルビオルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル基、アミノシリル基、ヒドロカルビルオキシシリル基及びハロシリル基から各々独立に選ばれる1〜8の置換基を任意に有していてもよく、さらには2つのLが20個までの非水素原子を含むヒドロカルバジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレンオキシ、ヒドロカルビレンアミノ、ジラジイル、ハロシラジイル、アミノシランなどの2価の置換基により結合されていてもよい。
X' は各々独立に、炭素数4乃至40からなるフォスフィン、エーテル、アミン、オレフィン、及び/又は共役ジエンから選ばれる中性ルイス塩基配位性化合物である。
又、lは1または2の整数である。pは0、1又は2の整数であり、Xが1価のアニオン性σ結合型配位子又はM及びLに各々1個ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子であるときpはMの形式酸化数よりもl以上少なく、またはXがMと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子であるときpはMの形式酸化数よりもl+1以上少ない。又、qは0、1または2である。遷移金属化合物としては上記式(1)でl=1の場合が好ましい。
また、R3 は各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、又はこれらの複合基であり、各々20個までの非水素原子を有することができる。又、近接するR3 同士がヒドロカルバジイル、ジラジイル、またはゲルマジイル等の2価の誘導体を形成して環状となっていてもよい。
X" は各々独立にハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基、またはシリル基であり、各々20までの非水素原子を有しており、また2つのX" が炭素数5〜30の中性共役ジエン、もしくは2価の誘導体を形成してもよい。
Yは、−O−、−S−、−NR* −、−PR* −であり、ZはSiR* 2 、CR* 2 、SiR* 2 SiR* 2 、CR* 2 CR* 2 、CR* =CR* 、CR* 2 SiR* 2 またはGeR* 2 であり、ここでR* は各々独立に炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基である。又、nは1乃至3の整数である。
Z、Y、X及びX' の定義は前出のとおりである。pは0,1又は2であり、qは0又は1である。但し、pが2でqが0のとき、Mの酸化数は+4であり、且つXはハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルフォスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、シリル基またはこれらの複合基であり、20個までの非水素原子を有している。
また、pが1でqが0のとき、Mの酸化数は+3であり、且つXはアリル基、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル基または2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基から選ばれる安定化アニオン配位子であるか、もしくはMの酸化数が+4であり、かつXが2価の共役ジエンの誘導体であるか、あるいはMとXがともにメタロシクロペンテン基を形成している。
また、pが0でqが1のとき、Mの酸化数は+2であり、且つX' は中性の共役或いは非共役ジエンであって任意に1つ以上の炭化水素で置換されていてもよく、又該X' は40までの炭素原子を含み得るものであり、Mとπ型錯体を形成している。
pは0、1又は2であり、qは0又は1である。但し、pが2でqが0のとき、Mの酸化数は+4であり、且つXは各々独立にメチル基またはヒドロベンジル基である。
また、pが1でqが0のとき、Mの酸化数は+3であり、且つXが2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基であるか、或いはMの酸化数が+4であり、かつXが2−ブテン−1,4−ジイルである。
また、pが0でqが1のとき、Mの酸化数は+2であり、且つX' は1,4−ジフェニル−1、3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。前記ジエン類は金属錯体を形成する非対称ジエン類を例示したものであり、実際には各幾何異性体の混合物である。
また、メタロセン触媒は(エ)遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤を含む。通常メタロセン触媒においては、遷移金属化合物と上記活性化剤により形成される錯体が、触媒活性種として高いオレフィン重合活性を示す。
又、mは1乃至7の整数であり、wは0乃至7の整数でありuは0または1の整数であり、rは1乃至3の整数であり、zは1乃至8の整数であり、w+z−m=dである。
また、プロトン付与性のブレンステッド酸の具体例としては、例えば、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、およびトリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム、ジブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルアンモニウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシルメチルアンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、ジテトラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメチルアンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、ジイコシルメチルアンモニウム、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム等のような、トリアルキル基置換型アンモニウムカチオンが挙げられ、又、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルベンジルアニリニウムなどのようなN,N−ジアルキルアニリニウムカチオンも好適である。
本発明においては、液体助触媒成分[B]は下記の式(10)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物[C1]とアミン、アルコール、シロキサン化合物から選ばれる化合物[C2]との反応によって合成される、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物である。
(M1 )a (Mg)b (R4 )c (R5 )d (10)
〔式中、M1 は周期律表第1〜3族に属する金属原子であり、R4 およびR5 は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、a、b、c、dは次の関係を満たす実数である。0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ただし、eはM1 の原子価)〕
本発明において、液体助触媒成分[B]は不純物のスカベンジャーとして用いられる。この液体助触媒成分[B]は、高濃度であっても重合活性を低下させることが少なく、したがって広い濃度範囲で高い重合活性を発現させることができる。このため液体助触媒成分[B]を含むオレフィン重合用触媒は、重合活性の制御が容易である。
重合に使用する際の液体助触媒成分[B]の濃度については特に制限はないが、液体助触媒成分[B]に含まれる全金属原子のモル濃度が0.001mmol/リットル以上10mmol/リットル以下であることが好ましく、0.01mmol/リットル以上5mmol/リットル以下であることがさらに好ましい。0.001mmol/リットル未満では不純物のスカベンジャーとしての作用が十分ではない恐れがあるために好ましくなく、10mmol/リットルよりも大きい場合には重合活性が低下する恐れがあるために好ましくない。
有機マグネシウム化合物[C1]は上記の(10)式で表される。なお、上記の(10)式中では炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、(R4 )2 Mgおよびこれらと他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号a、b、c、dの関係式e×a+2b=c+dは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。
上記の(10)式中、R4 ないしR5 で表される炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基であることが好ましく、アルキル基であることがさらに好ましく、一級のアルキル基であることがさらに好ましい。
a>0の場合、金属原子M1 としては、周期律表第1〜3族からなる群に属する金属元素が使用でき、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、特にアルミニウム、ホウ素、ベリリウム、亜鉛が好ましい。
(イ)R4 、R5 の少なくとも一方が炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基であること、好ましくはR4 、R5 がともに炭素原子数4〜6であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基であること。
(ロ)R4 、R5 が炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR4 が炭素原子数2または3のアルキル基であり、R5 が炭素原子数4以上のアルキル基であること。
(ハ)R4 、R5 の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR4 、R5 が共に炭素原子数6以上のアルキル基であること。
(イ)において炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、等が挙げられ、1−メチルプロピル基が特に好ましい。(ロ)において炭素原子数2または3のアルキル基としては、エチル基、プロピル基が挙げられ、エチル基は特に好ましい。また炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基は特に好ましい。(ハ)において炭素原子数6以上のアルキル基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基等が挙げられ、アルキル基である方が好ましく、ヘキシル基は特に好ましい。
一般にアルキル基の炭素原子数を増やすと炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる傾向であり、必要以上に長鎖のアルキル基を用いることは取り扱い上好ましくない。なお、上記有機マグネシウム化合物は炭化水素溶液として用いられるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミン等のコンプレックス化剤がわずかに含有されあるいは残存していても差し支えなく用いることができる。
この化合物は、アミン、アルコール、シロキサン化合物からなる群に属する化合物である。
本発明においては、アミン化合物には特に制限はないが、脂肪族、脂環式ないし芳香族アミンが好ましい。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N、N−ジメチルアニリン、トルイジン、等が挙げられる。
本発明においては、アルコール化合物には特に制限はないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−4−メチル−1−ペンタノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、2−エチル−5−メチル−1−オクタノール、1−オクタノール、1−デカノール、シクロヘキサノール、フェノールが好ましく、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノールおよび2−エチル−1−ヘキサノールがさらに好ましい。
本発明においては、このシロキサン化合物は1種類または2種類以上の構成単位から成る2量体以上の鎖状または環状の化合物の形で用いることができる。
また、本発明のポリエチレン系樹脂組成物には、アルミノケイ酸塩、タルク、珪藻土、カオリン、クレー等の充填剤や、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、アルコールの脂肪酸エステル、ワックス、高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン等のスリップ剤、あるいは、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、帯電防止剤、中和剤などの公知の添加剤を添加してもよい。
帯電防止剤としては、非イオン性活性剤、イオン性活性剤、両性活性剤やその混合物が挙げられ、それぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても構わない。中和剤としては、各種のステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等が挙げられ、それぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても構わない。さらには、上記の添加剤以外に、耐候剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、有機あるいは無機顔料などの添加剤を必要に応じて添加することができる。
このような本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、公知の方法を利用してブレンドすることができる。例えば、(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体と(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を一軸押出機、二軸押出機あるいはニーダー等を用いて、溶融混練することによって得ることができる。また、これらのドライブレンドによっても得ることができる。
シーラント層と積層される層の材質として、セロハン、エチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、PP樹脂、CPP樹脂、PET樹脂、ナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ビニルアルコール樹脂、エバール樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、カーボネート樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メチルアクリレート共重合体樹脂、エチレン・メチルアクリレート共重合体樹脂、エチレン・エチルアクリレート樹脂およびこれらのKコートタイプ、アルミニウム蒸着、シリカ蒸着タイプ、アルミナ蒸着タイプ、さらには上質紙、クラフト紙、グラシン紙、パーチメント紙等の各種紙類、アルミ箔等が挙げられるが、それぞれ単独でシーラント層と積層してもよいし、2種以上を併用して積層しても構わない。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムは、水、ジュース、牛乳、清酒・焼酎などの酒類等の各種飲料、米飯類、並びに調理食品、調理中間品、菓子・パン、農産類、畜産類、水産類、練り製品、水物、油物等の各種食品、チルド食品、レトルト食品、冷凍食品、調味料、医薬・医療用品、農薬類等の包装に好適に用いられる。
[ポリエチレン系樹脂組成物の造粒]
ポリエチレン系樹脂組成物は、日本製鋼(株)社製;押出機(スクリュー径65mm、L/D=28)を用い、200℃にて押出して造粒する(以後、造粒物をペレットと表記する)。
[ポリエチレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムの製法]
造粒したポリエチレン系樹脂組成物を100φ−ギャップ3.0mmのダイスおよびデュアルタイプのエアリングを備えた50mmφ押出機で、温度170℃、ブロー比2で、厚みが0.035mmの単層インフレーション成形フィルムを得る。
物性測定方法、評価方法は以下の通りである。
(1)メルトマスフローレイト(MFR)測定
JIS−K−7210:1999(温度=190℃、荷重=2.16kg)
(2)密度測定
JIS−K−7112:1999
(3)分子量および分子量分布測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を分子量分布とする。GPC測定は、ウォーターズ社製;GPCV2000を用い、カラムは昭和電工(株)製;UT−807(1本)と東ソー(株)製;GMHHR−H(S)HT(2本)を直列に接続して使用し、移動相;トリクロロベンゼン(TCB)、カラム温度140℃、流量1.0cc/分、試料濃度20mg/15cc(TCB)、試料溶解温度140℃、試料溶解時間2時間の条件で行う。
分子量の校正は、東ソー(株)製;標準ポリスチレンのMwが1050〜206万の範囲の12点で行い、それぞれの標準ポリスチレンのMwに係数0.43を乗じてポリエチレン換算分子量とし、溶出時間とポリエチレン換算分子量のプロットから一次校正直線を作成し、分子量を決定する。
上記インフレーションフィルムサンプルを、ヒートシーラー(テスター産業社製)を用いて、100℃から順次5℃ずつ温度を変えて、一端に17gの荷重を取り付けた40mm×500mmのフィルムを折り重ね合わせ、折り重ね合わせた部分の20mmを、シール圧力=0.16MPa、シール時間=1秒の条件でシールし、シールバーが開放されると同時に、荷重によって剥離されるシール部の距離(剥離距離)を測定する。
剥離距離が20mm未満であるヒートシール温度幅が25℃以上あり、ヒートシール温度が155℃以上でも剥離距離が20mm未満であるサンプルをホットタック性が良好と評価するし、一方でそれを満たしていないものであれば不良と評価する。
上記インフレーションフィルムサンプルを、前述のヒートシーラーを用いて、100℃から順次10℃ずつ温度を変えてシールバー幅=5mm、シール圧力=0.1MPa、シール時間=1秒の条件でシールする。15mm幅で切り出したものをサンプルとして、引張速度500mm/分で引張試験を行い、シール温度に対してシール強度をプロットする。前後のシール強度差が1N/15mm未満となったプロットを平衡とし、シール強度が平衡に達した温度より10℃高温のシール強度をヒートシール強度とする。ヒートシール強度が10N/15mm以上であれば、ヒートシール性が良好と評価するし、一方でそれ未満であれば不良と評価する。
上記インフレーションフィルムサンプルを用いて、フィッシュアイを以下の評価基準で目視評価する(フィッシュアイのサイズは0.2mm以上のサイズをカウントし、単位は個数/gで評価する)。フィッシュアイ個数が0〜20個/gであればフィッシュアイが非常に少ないと評価し、20個/g〜50個/gであればフィッシュアイが少ないと評価する。一方で、フィッシュアイ個数が50個/g〜200個/gであればフィッシュアイが多いと評価し、200個/g以上であればフィッシュアイが非常に多いと評価する。
上記インフレーションフィルムサンプルを用いて、低臭性を以下の評価基準で官能評価する。
500ccの臭気瓶に上記インフレーションフィルムサンプル400cm2 を封入した後、50℃で30分間加熱して23℃で30分間放置する。また、同様の条件で調製した空の臭気瓶を用いて10人のパネラーによって官能で比較評価し、臭気がほとんど変わらないという判定が8人以上のパネラーから得られれば、低臭性に優れると評価するし、一方でそれ未満なら不良と評価する。
[メタロセン担持触媒[A]の調製]
シリカP−10[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気下、400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、1.3mmol/g−SiO2 であった。容量1.8リットルのオートクレーブにこの脱水シリカ40gをヘキサン800cc中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下50℃に保ちながらトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/リットル)を60cc加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの全ての表面水酸基がつぶされている成分[D]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー800ccを得た。
また、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と略称する)5.7gをトルエン50ccに添加して溶解し、ボレートの100mmol/リットルトルエン溶液を得た。このボレートのトルエン溶液にエトキシジエチルアルミニウムの1mol/リットルヘキサン溶液5ccを室温で加え、さらにヘキサンを加えてトルエン溶液中のボレート濃度が70mmol/リットルとなるようにした。その後、室温で1時間攪拌し、ボレートを含む反応混合物を得た。
ボレートを含むこの反応混合物46ccを、上で得られた、成分[D]のスラリー800ccに15〜20℃で攪拌しながら加え、ボレートを物理吸着によりシリカに担持した。こうして、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られた。さらに上で得られた成分[E]のうち32ccを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応させた。こうしてシリカと上澄み液とを含み、触媒活性種が該シリカ上に形成されているメタロセン担持触媒[A]を得た。
有機マグネシウム化合物[C1]として、AlMg6(C2H5)3(n−C4H9)12で示される有機マグネシウム化合物を使用した。化合物[C2]として、メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス)を使用した。
200ccのフラスコに、ヘキサン40ccとAlMg6(C2H5)3(n−C4H9)12を、MgとAlの総量として37.8mmolを攪拌しながら添加し、25℃でメチルヒドロポリシロキサン2.27g(37.8mmol)を含有するヘキサン40ccを攪拌しながら添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下に反応させることにより、液体助触媒成分[B]を調製した。
上記により得られたメタロセン担持触媒[A]と液体助触媒成分[B]は触媒移送ラインに連鎖移動剤として必要量の水素を供給することで水素を接触させて重合反応器に導入し、溶媒としてヘキサン、モノマーとしてエチレン及びブテン−1を用いた。反応温度は70℃としてエチレン、ブテン−1、水素の混合ガス(ガス組成はブテン−1とエチレン+ブテン−1のモル比が0.36%、水素とエチレン+水素のモル比が0.0025%を維持できるように調節)を全圧が0.8MPaで(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体を重合した。得られた(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体はMFRが2.5g/10分、密度が941kg/m3 、分子量分布が4.3であった。
公知の高圧ラジカル重合法より調製し、MFRが0.6g/10分、密度が923kg/m3 、分子量分布が7.8である(II)エチレン重合体を得た。また、(I)に対する(II)のMFR比は0.24であり、分子量106 以上の占有率が全体の0.8重量%であった。
[ペレットの調製]
上記により得られた(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体と(II)エチレン重合体をそれぞれ日本製鋼(株)社製;押出機(スクリュー径65mm、L/D=28)を用い、200℃にて押出して造粒した。
[フィルムの調製]
上記により得られた(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体ペレットと(II)エチレン重合体ペレットはそれぞれ80重量%、20重量%となるようにドライブレンドを行い、100φ−ギャップ3.0mmのダイスおよびデュアルタイプのエアリングを備えた50mmφ押出機で、温度170℃、ブロー比2でインフレーション成形し、ポリエチレン系樹脂組成物からなる35μmのインフレーション成形フィルムを得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物からなるインフレーション成形フィルムの評価結果を表1に併せて示した。
混合ガス中のエチレン、ブテン−1および水素の混合ガス組成を変えたこと以外は、実施例1と同様に操作し、表1記載のポリエチレン系樹脂組成物における(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体を得た。また、公知の高圧ラジカル重合法および、低圧イオン重合より調製し、表1記載のポリエチレン系樹脂組成物における(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を得た。得られた(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体および(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体は実施例1と同様に操作し、表1記載のブレンド割合で調製しポリエチレン系樹脂組成物からなるインフレーション成形フィルムを得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物からなるインフレーション成形フィルムの評価結果を表1に併せて示した。
(I)エチレンとα−オレフィンとの共重合体において、液体助触媒成分[B]を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に操作し、表1記載のポリエチレン系樹脂組成物(I)を得た。また、(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体においても実施例1と同様の重合体を用い、得られたポリエチレン系樹脂組成物からなるインフレーション成形フィルムの評価結果を表1に併せて示した。
(比較例1)
(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体をブレンドしない以外は、実施例1と同様に操作を行なった。得られたインフレーション成形フィルムの評価結果を表2に併せて示した。
[チーグラー触媒を用いたエチレン−α−オレフィン共重合体の製法]
充分に窒素置換された15リットルの反応器に、トリクロルシランを2mol/リットルのn−ヘプタン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、組成式AlMg6 (C2 H5 )3 (n−C4 H9 )6.4 (On−C4 H9 )5.6 で示される有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液7リットル(マグネシウム換算で5mol)を1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−ヘキサン7リットルで4回洗浄を行い、固体物質スラリーを得た。この固体を分離・乾燥して分析した結果、固体1グラム当たり、Mg7.45mmolを含有していた。
上記で得られた触媒を用い、下記の要領でエチレン−α−オレフィン共重合体を製造した。
(比較例3〜5)
(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を変え、ブレンド割合を変えたこと以外は、実施例1と同様の重合体を用い、得られたポリエチレン系樹脂組成物からなるインフレーション成形フィルムの評価結果を表2に併せて示した。
Claims (2)
- 下記(I−1)〜(I−3)の特性を満たし、メタロセン触媒より製造された(I)エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとの共重合体60〜90重量%と、下記(II−1)〜(II−3)の特性を満たす(II)エチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体10〜40重量%からなり、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートについて(I)に対する(II)のメルトフローレート比が0.8未満であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルム。
(I−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布が4.0〜10である。
(I−2)密度が941〜975kg/m3 である。
(I−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜30g/10分である。
(II−1)数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布が5〜30である。
(II−2)密度が900〜975kg/m3 である。
(II−3)分子量106 以上の占有率が全体の0.5〜10重量%である。 - (I)エチレンと炭素数3〜4のα−オレフィンとの共重合体が、少なくとも担体物質、有機アルミニウム化合物、活性水素を有するボレート化合物、シクロペンタジエン化合物、および周期律表第IV族の遷移金属化合物から調製されたメタロセン担持触媒[A]と、式、(M 1 ) a (Mg) b (R 4 ) c (R 5 ) d 〔式中、M 1 は周期律表第1〜3族に属する金属原子であり、R 4 およびR 5 は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、a、b、c、dは次の関係を満たす実数である。0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ただし、eはM 1 の原子価)〕で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とアミン、アルコール、シロキサン化合物から選ばれる化合物との反応によって合成された有機マグネシウム化合物を炭化水素溶媒に溶解した液体助触媒成分[B]を用いて重合してなるものであることを特徴とする請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルム。
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