JP6902551B2 - 遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法 - Google Patents

遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法に関する。
用語の定義
本発明で使用される以下の用語は通常、文脈上で別の意味を示す場合を除き、以下で定義された意味を有する。
絡み合いが解きほぐされたエチレン系ポリマー:「絡み合いが解きほぐされたエチレン系ポリマー」とは、モル質量が10万〜2500万であり、結晶度が75%よりも大きく、融解熱が180J/gよりも高く、かさ密度が0.03〜0.2g/ccであるエチレンホモポリマーまたはエチレンコポリマーを指す。絡み合いが解きほぐされた超高分子量エチレン系ポリマーは、平行平板型の治具を備えた応力制御型レオメーターで試験した場合、融点を超えると、G’/G0比(G’は曲線の任意の点における弾性率を示し、G0は初期の弾性率を示す)で表される弾性率が経時的に増加することを特徴とする。これは、絡み合いが解きほぐされたポリマー鎖にせん断応力を正弦的に加えると、ポリマー鎖が絡み合う傾向にあることによる。絡み合いが解きほぐされた超高分子量エチレン系ポリマーの弾性率の経時変化を表したグラフを図1に示す。
遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体をベースとしたシングルサイト触媒は、絡み合いが解きほぐされた超高分子量ポリエチレンの製造に使用される均一系触媒として使用される。従来、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体は、シッフ塩基(イミン)配位子と遷移金属ハロゲン化物のキレート化によって製造されている。キレート化プロセスは複数の工程が必要とされ、通常、反応溶媒として(有害な)ジエチルエーテルが使用され、かつ/またはn−ブチルリチウムなどの自然発火性試薬が使用される。
キレート化は2工程で実施される。第1の工程では、n−ブチルリチウム(最も好ましい)、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの塩基を使用して、フェノキシイミンなどのシッフ塩基(イミン)配位子を脱プロトン化し、フェノキシイミンのリチウム塩またはナトリウム塩を得る。第2の工程では、フェノキシイミンのリチウム塩またはナトリウム塩を遷移金属ハロゲン化物と反応させて、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を得る。キレート化工程には様々な欠点があり、たとえば、−78℃まで冷却することを要するような過酷な反応条件が必要とされたり、ジエチルエーテルなどの有害な溶媒を使用したり、純粋な遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を得るためには粗混合物から副産物を除去する煩雑な操作が必要であったりするなどの欠点がある。こうした過酷な条件のため、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の合成方法を商用規模にスケールアップすることが大変難しい。
別の方法では、フェノキシイミン配位子を遷移金属ハロゲン化物に直接添加して前記錯体を製造するが、反応中に塩化水素が発生するため、イミンがプロトン化された金属錯体が生成される。このような場合、イミンのプロトン化を阻止するため、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下でメタル化を実施することができる。あるいは、上述のようにして生成されたイミンがプロトン化された金属錯体を分離し、下流の工程でトリエチルアミンを添加して脱プロトン化し、所望の生成物を得ることもできる。さらに別の方法では、−78℃で[TiCl4(THF)2]付加物を使用して所望の金属錯体を得ることができる。しかしながら、これらの方法では触媒生産性が低い触媒しか得られない。
したがって、簡便なプロセスを使用し、有害性の低い試薬を使用して、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を製造する方法が必要とされている。
本発明の目的のいくつかを以下に述べるが、これらは本明細書に記載の1以上の実施形態によって達成することができる。
本発明は、先行技術の1つ以上の問題を解決すること、すなわち、少なくとも、先行技術の代替となる有用な手段を提供することを目的とする。
本発明は、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的および利点は、以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。なお、以下の詳細な説明は、本発明の範囲をなんら限定するものではない。
本発明は、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法に関し、この方法は、
(a)第1の液体溶媒中、酸触媒の存在下において、化学式Iの芳香族ジアミンと、化学式IIaの置換サリチルアルデヒドと、化学式IIbの置換サリチルアルデヒドとを20〜150℃で攪拌しながら反応させて第1の生成物混合物を得ること
Figure 0006902551
(式中、
R1、R2、R4、R6、R8、R10およびR12は、水素、アリール、ヘテロアリールおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R5およびR9は、第三級アルキル基からそれぞれ独立して選択され、
R7およびR11は、水素および第三級アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R3は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシルおよびスルホン酸からなる群から選択される)、
(b)第1の生成物混合物を減圧下で濃縮して、粗シッフ塩基(イミン)配位子を含む第1の残渣を得た後、該第1の残渣を精製して化学式IIIに示すシッフ塩基(イミン)配位子を得ること、
(c)化学式IIIのシッフ塩基(イミン)配位子とハロゲン化液体溶媒とを攪拌しながら混合して混合物を得た後、20〜40℃に維持した該混合物に遷移金属ハロゲン化物を加え、得られた混合物を攪拌して第2の生成物混合物を得ること、ならびに
(d)第2の生成物混合物を減圧下で濃縮して、粗遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を含む第2の残渣を得た後、有機液体溶媒を使用して該第2の残渣を精製し、化学式IVに示す遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を得ること
Figure 0006902551
(式中、
R1、R2、R4、R6、R8、R10およびR12は、水素、アリール、ヘテロアリールおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R5およびR9は、第三級アルキル基からそれぞれ独立して選択され、
R7およびR11は、水素および第三級アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R3は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシルおよびスルホン酸からなる群から選択され、
Mは、ハフニウム(Hf)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、レニウム(Re)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)およびチタン(Ti)からなる群から選択される遷移金属であり、
Xは、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物である)
を含む。
前記芳香族ジアミンはメタフェニレンジアミンである。化学式IIaの置換サリチルアルデヒドおよび化学式IIbの置換サリチルアルデヒドは、3−tert−ブチルサリチルアルデヒドおよび3,5−ジ−tert−ブチルサリチルアルデヒドからなる群からそれぞれ独立して選択される。化学式IIaの置換サリチルアルデヒドと化学式IIbの置換サリチルアルデヒドは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記酸触媒は、p−トルエンスルホン酸および硫酸からなる群から選択される少なくとも1種である。第1の液体溶媒は、トルエン、メタノール、エタノールおよびキシレンからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記ハロゲン化液体溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素およびクロロホルムからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記遷移金属ハロゲン化物は、ハフニウム(Hf)のハロゲン化物、マンガン(Mn)のハロゲン化物、鉄(Fe)のハロゲン化物、レニウム(Re)のハロゲン化物、タングステン(W)のハロゲン化物、ニオブ(Nb)のハロゲン化物、タンタル(Ta)のハロゲン化物、バナジウム(V)のハロゲン化物およびチタン(Ti)のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも1種であり、該ハロゲン化物は、塩化物、臭化物およびヨウ化物からなる群から選択される。
前記有機液体溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンおよびn−ノナンからなる群から選択される少なくとも1種である。
工程(a)を1〜24時間にわたって実施し、工程(c)における前記得られた混合物の攪拌を1〜48時間にわたって実施する。
前記遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体は、
(i)R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R10、R11およびR12が水素であり、R5およびR9がtert−ブチル基であり、Mがチタン(Ti)であり、XがClある置換基の組み合わせ、ならびに
(ii)R1、R2、R3、R4、R6、R8、R10およびR12が水素であり、R5、R7、R9およびR11がtert−ブチル基であり、Mがチタン(Ti)であり、XがClである置換基の組み合わせ
から選択される置換基の組み合わせからなるものであってもよい。
前記芳香族ジアミンと化学式IIaの置換サリチルアルデヒドのモル比は1:1であり、前記芳香族ジアミンと化学式IIbの置換サリチルアルデヒドのモル比は1:1である。
化学式IIIのシッフ塩基(イミン)配位子と前記遷移金属ハロゲン化物のモル比は1:1である。
前記遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を使用して、かさ密度が0.03g/cc〜0.2g/cc、結晶度が90%〜99%であり、繊維状かつ多孔性の形態を有し、融解熱(ΔH)が180J/g〜245J/gであり、軟化時に伸縮性を有し、分子量が10万g/ mol〜1200万g/ molである、絡み合いが解きほぐされた超高分子量ポリエチレンを製造する。
8mmの平行平板型の治具を使用した応力制御型レオメーターで試験した場合の、DUHMWPEをベースとしたポリマーの弾性率の経時変化を示す。 表1に示す触媒1のトータルイオンクロマトグラムを示す。 表1に示す触媒2のトータルイオンクロマトグラムを示す。 表1に示す触媒3のトータルイオンクロマトグラムを示す。 表1に示す触媒1の質量スペクトルを示す。 表1に示す触媒2の質量スペクトルを示す。 表1に示す触媒3の質量スペクトルを示す。 表1に示す触媒1の質量スペクトルの部分拡大図を示す。 表1に示す触媒2の質量スペクトルの部分拡大図を示す。 表1に示す触媒3の質量スペクトルの部分拡大図を示す。 本発明の錯体を触媒1として使用して得られた、絡み合いが解きほぐされた超高分子量ポリエチレン(DUHMWPE-1)のXRDパターンを示す。 本発明の錯体を触媒1として使用して得られたDUHMWPE-1のDSCサーモグラムを示す。 本発明の錯体を触媒1として使用して得られたDUHMWPE-1のSEM画像を示す。 本発明の錯体を触媒2として使用して得られたDUHMWPE-2のSEM画像を示す。 本発明の錯体を触媒3として使用して得られたDUHMWPE-3のSEM画像を示す。
遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を製造するための従来の方法は、過酷な反応条件での実施、有害な反応溶媒の使用、自然発火性試薬の使用、煩雑な精製操作などの欠点がある。さらに、従来の方法はスケールアップが困難であるという欠点もある。
本発明は、遷移金属ハロゲン化物を使用してシッフ塩基(イミン)配位子の直接キレート化を行うことよる、前記触媒の簡便な合成方法を提供するものである。本発明の方法は容易に商業規模へとスケールアップすることができる。
本発明の一態様によれば、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法であって、
(a)第1の液体溶媒中、酸触媒の存在下において、化学式Iの芳香族ジアミンと、化学式IIaの置換サリチルアルデヒドと、化学式IIbの置換サリチルアルデヒドとを20〜150℃で攪拌しながら反応させて第1の生成物混合物を得ること
Figure 0006902551
(式中、
R1、R2、R4、R6、R8、R10およびR12は、水素、アリール、ヘテロアリールおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R5およびR9は、第三級アルキル基からそれぞれ独立して選択され、
R7およびR11は、水素および第三級アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R3は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシルおよびスルホン酸からなる群から選択される)、
(b)第1の生成物混合物を減圧下で濃縮して、粗シッフ塩基(イミン)配位子を含む第1の残渣を得た後、該第1の残渣を精製して化学式IIIに示すシッフ塩基(イミン)配位子を得ること、
(c)化学式IIIのシッフ塩基(イミン)配位子とハロゲン化液体溶媒とを攪拌しながら混合して混合物を得た後、20〜40℃に維持した該混合物に遷移金属ハロゲン化物を加え、得られた混合物を攪拌して第2の生成物混合物を得ること、ならびに
(d)第2の生成物混合物を減圧下で濃縮して、粗遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を含む第2の残渣を得た後、有機液体溶媒を使用して該第2の残渣を精製し、化学式IVに示す遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を得ること
Figure 0006902551
(式中、
R1、R2、R4、R6、R8、R10およびR12は、水素、アリール、ヘテロアリールおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R5およびR9は、第三級アルキル基からそれぞれ独立して選択され、
R7およびR11は、水素および第三級アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R3は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシルおよびスルホン酸からなる群から選択され、
Mは、ハフニウム(Hf)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、レニウム(Re)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)およびチタン(Ti)からなる群から選択される遷移金属であり、
Xは、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物である)
を含む方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、前記芳香族ジアミンはメタフェニレンジアミンである。
本発明の一実施形態によれば、化学式IIaの置換サリチルアルデヒドおよび化学式IIbの置換サリチルアルデヒドは、3−tert−ブチルサリチルアルデヒドおよび3,5−ジ−tert−ブチルサリチルアルデヒドからなる群からそれぞれ独立して選択される。
化学式IIaの置換サリチルアルデヒドと化学式IIbの置換サリチルアルデヒドは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明の代表的な一実施形態によれば、化学式IIaの置換サリチルアルデヒドおよび化学式IIbの置換サリチルアルデヒドはいずれも3−tert−ブチルサリチルアルデヒドである。
前記酸触媒は、p−トルエンスルホン酸および硫酸からなる群から選択される少なくとも1種である。前記酸触媒はシッフ塩基の形成を促進し、かつ生成物の形成を達成することができる。
たとえば20℃といった低い温度で起こるシッフ塩基形成反応もあれば、たとえば150℃といった高い温度を必要とするシッフ塩基形成反応もある。
第1の液体溶媒は、トルエン、メタノール、エタノールおよびキシレンからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記ハロゲン化液体溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素およびクロロホルムからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の一実施形態によれば、前記ハロゲン化液体溶媒はジクロロメタンである。
本発明の一実施形態によれば、前記遷移金属ハロゲン化物は、ハフニウム(Hf)のハロゲン化物、マンガン(Mn)のハロゲン化物、鉄(Fe)のハロゲン化物、レニウム(Re)のハロゲン化物、タングステン(W)のハロゲン化物、ニオブ(Nb)のハロゲン化物、タンタル(Ta)のハロゲン化物、バナジウム(V)のハロゲン化物およびチタン(Ti)のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも1種である。該ハロゲン化物は、塩化物、臭化物およびヨウ化物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態によれば、前記遷移金属ハロゲン化物は四塩化チタンである。
前記有機液体溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンおよびn−ノナンからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の一実施形態によれば、前記有機液体溶媒はn−ヘキサンである。
シッフ塩基(イミン)配位子と遷移金属ハロゲン化物との直接キレート化を行う際に、反応溶媒および反応温度は重要な役割を果たす。
本発明の一実施形態によれば、工程(a)を1〜24時間にわたって実施し、工程(c)における前記得られた混合物の攪拌を1〜48時間にわたって実施する。
前記遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体は、
i.R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R10、R11およびR12が水素であり、R5およびR9がtert−ブチル基であり、Mがチタン(Ti)であり、XがClである置換基の組み合わせ、ならびに
ii.R1、R2、R3、R4、R6、R8、R10およびR12が水素であり、R5、R7、R9およびR11がtert−ブチル基であり、Mがチタン(Ti)であり、XがClである置換基の組み合わせ
から選択される置換基の組み合わせからなるものであってもよい。
本発明の一実施形態によれば、前記芳香族ジアミンと化学式IIaの置換サリチルアルデヒドのモル比は1:1であり、前記芳香族ジアミンと化学式IIbの置換サリチルアルデヒドのモル比は1:1である。
化学式IIIのシッフ塩基(イミン)配位子と前記遷移金属ハロゲン化物のモル比は1:1である。
本発明のキレート化方法は20℃〜40℃の周囲温度で実施される。したがって、本発明の方法は、-78℃といった低温で実施される方法よりも容易に工業規模にスケールアップできる。本発明の方法のキレート化工程は、有害性が低い試薬を使用して実施される。さらに、本発明の方法のキレート化工程では温和な反応条件が使用される。従来の方法と比べて、本発明のキレート化プロセスは、n−ブチルリチウムやリチウムジイソプロピルアミドなどの自然発火性試薬を使用しない。したがって、本発明の方法は簡便で、経済的であり、有害性が低い。
ポリメチルアルミノキサン(PMAO)および/またはメチルアルミノキサン(MAO)を助触媒として使用した一連のエチレン重合実験によって、本発明による遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の触媒活性を評価した。エチレン圧力0.1bar〜20bar、温度0℃〜60℃の条件で1〜10時間にわたってエチレン重合を行い、絡み合いが解きほぐされた超高分子量ポリエチレン(DUHMWPE)を得た。このようにして得られたDUHMWPEについて、以下の特性の少なくとも1つを評価した。
(i)かさ密度が低いこと(0.03g/cc〜0.2g/cc)
(ii)結晶度が高いこと(90%〜99%)
(iii)繊維状かつ多孔性の形態を有すること
(iv)融解熱(ΔH)が高いこと(180J/g〜245J/g)
(v)軟化時に伸縮性を有すること
(vi)分子量が10万g/mol〜1200万g/molであること
本発明の方法で得られるDUHMWPEは、従来の方法で得られるDUHMWPEと上記特性の点で差がないことが観察された。
以下の実験を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、以下の実験は説明のみを目的として記載されたものであり、本発明の範囲をなんら限定するものではない。以下の研究室規模の実験は工業規模/商業規模にスケールアップすることができる。
実験
実験1:チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体(以下「触媒1」と呼ぶ)の調製
工程A:シッフ塩基(イミン)配位子(化学式IIIA)の調製
すべての操作を窒素雰囲気下で行った。m−フェニレンジアミン10.8g(100mmol)、3−tert−ブチルサリチルアルデヒド34.2ml(200mmol)およびp−トルエンスルホン酸50mgを無水トルエン250mlに溶解した。得られた混合物を窒素雰囲気下、110℃で5時間攪拌し、第1の生成物混合物を得た。第1の生成物混合物を減圧下で濃縮し、第1の残渣を暗褐色の固体として得た。n−ヘキサン/酢酸エチル(100:1)を溶離液として使用して、第1の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、鮮橙黄色の固体として化学式IIIAのシッフ塩基(イミン)配位子36g(収率=85%)を得た。
Figure 0006902551
工程B:シッフ塩基(イミン)配位子(化学式IVA)の直接キレート化
ガラス容器をオーブンで乾燥し、窒素流下で冷却した。すべての操作を窒素雰囲気下で行った。実験1の工程(A)で得たシッフ塩基(イミン)配位子1g(2.33mmol)を、攪拌しながらジクロロメタン30mlと混合して混合物を得た。この混合物に、四塩化チタン0.25ml(2.32mmol)を30℃で滴下して加え、24時間攪拌して第2の生成物混合物を得た。第2の生成物混合物を減圧下で濃縮し、暗褐色の第2の残渣を得た。第2の残渣をn−ヘキサン20mlで3回洗浄し、赤褐色のチタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体1.3g(収率=97%)を得た。
Figure 0006902551
実験1の(A)および(B)と同じ操作を行い、チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の調製を5g(以下「触媒2」と呼ぶ)と10g(以下「触媒3」と呼ぶ)にスケールアップした。
実験1a:チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体(以下「触媒2」と呼ぶ)の調製
工程B:シッフ塩基(イミン)配位子(化学式IVA)の直接キレート化
ガラス容器をオーブンで乾燥し、窒素流下で冷却した。すべての操作を窒素雰囲気下で行った。実験1の工程(A)で得たシッフ塩基(イミン)配位子5g(11.65mmol)を、攪拌しながらジクロロメタン70mlと混合して混合物を得た。この混合物に、四塩化チタン1.25ml(11.6mmol)を30℃で滴下して加え、24時間攪拌して生成物混合物を得た。この生成物混合物を減圧下で濃縮して暗褐色の残渣を得た。この残渣をn−ヘキサン30mlで3回洗浄し、赤褐色のチタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体6.0g(収率=94%)を得た。
実験1b:チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体(以下「触媒3」と呼ぶ)の調製
工程B:シッフ塩基(イミン)配位子(化学式IVA)の直接キレート化
ガラス容器をオーブンで乾燥し、窒素流下で冷却した。すべての操作を窒素雰囲気下で行った。実験1の工程(A)で得たシッフ塩基(イミン)配位子10g(23.3mmol)を、攪拌しながらジクロロメタン150mlと混合して混合物を得た。この混合物に、四塩化チタン2.50ml(23.3mmol)を30℃で滴下して加え、24時間攪拌して生成物混合物を得た。この生成物混合物を減圧下で濃縮して暗褐色の残渣を得た。この残渣をn−ヘキサン40mlで3回洗浄し、赤褐色のチタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体11.5g(収率=90%)を得た。
触媒1、触媒2および触媒3を質量分析と元素分析で評価した。
図2A、図3Aおよび図4Aは、触媒1、触媒2および触媒3のトータルイオンクロマトグラムをそれぞれ示す。図2B、図3Bおよび図4Bは、触媒1、触媒2および触媒3の質量スペクトルをそれぞれ示す。図2C、図3Cおよび図4Cは、触媒1、触媒2および触媒3の質量スペクトルの部分拡大図をそれぞれ示す。
触媒1、触媒2および触媒3の構造を質量分析と元素分析で確認した。
これらの結果から、本発明の触媒合成方法が十分な繰り返し精度と再現性を有することが明確に確認できた。
実験2:遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の触媒活性の評価
調製した遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体、すなわち、触媒1、触媒2および触媒3の触媒活性をエチレン重合によって評価した。
攪拌装置、温度計、圧力計、ならびに触媒、エチレンガスおよび窒素の供給ラインを備えたガラス製反応器内でエチレン重合を実施した。このガラス製反応器に無水ヘキサン500mLを入れ、次にポリメチルアルミノキサン1.6mlを添加した。チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体(触媒1)9mgを反応器に加え、活性触媒組成物を得た。圧力が6barに達するまでエチレンガスを反応器に充填した。エチレン圧力6bar、50℃、攪拌速度1200rpmの条件で3時間重合を行った。反応器の圧力を下げ、30℃まで冷却した。スラリーをろ過し、得られたポリマーを減圧下、70℃で3時間乾燥して、絡み合いが解きほぐされた超高分子量ポリエチレン(DUHMWPE-1)を得た。
触媒1の代わりに触媒2および触媒3をそれぞれ使用したこと以外は実験2と同様にして、DUHMWPE-2およびDUHMWPE-3をそれぞれ調製した。
実験3:チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体(以下「比較例触媒」と呼ぶ)の調製
比較のため、チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を以下の方法で調製した(以下「比較例触媒」と呼ぶ)。本発明の触媒の評価方法と同様にして、比較例触媒の触媒活性を評価した。
工程B:シッフ塩基(イミン)配位子のリチウム化と、それに続く四塩化チタンとのキレート化
ガラス容器をオーブンで乾燥し、窒素流下で冷却した。すべての操作を窒素雰囲気下で行った。実験1の工程(A)で得たシッフ塩基(イミン)配位子1.0g(2.33mmol)を、緩やかに攪拌しながら無水ジエチルエーテル100mLに溶解し、第1の混合物を得た。ドライアイス−アセトン浴を使用して、第1の混合物を-78℃まで冷却し、冷却した第1の混合物を得た。冷却した第1の混合物に、n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(1.52M、4.94mmol)3.20mLを10〜15分かけて滴下して加え、第2の混合物を得た。第2の混合物を室温に戻し、3時間攪拌してリチウム化反応を完了させて第3の混合物を得た。第3の混合物を-78℃まで再度冷却し、塩化チタン0.25mL(2.32mmol)を滴下して加え、第4の混合物を得た。第4の混合物を室温に戻し、15〜18時間攪拌して、暗赤褐色の混合物を得た。この暗赤褐色の混合物を減圧下で濃縮し、暗褐色の固体を得た。この暗褐色の固体にジクロロメタン50mLを添加し、5分間攪拌してから、中程度の空隙率(G2)を有する焼結ガラス漏斗でろ過した。ジクロロメタン50mLを使用した該ろ過工程を2回繰り返して、暗褐色の固体から固形不純物を完全に除去し、ろ液を得た。得られたろ液を合わせて減圧下で乾燥し、褐色の固体を得た。この褐色の固体をn−ヘキサン/ジエチルエーテル(95:5)溶液20mLで3回洗浄し、次いでn−ヘキサンで洗浄して、チタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体(化学式IVA)を得た。
触媒1、触媒2および触媒3を使用して得られたエチレンポリマーをDUHMWPE-1、DUHMWPE-2およびDUHMWPE-3とそれぞれ呼ぶ。比較例触媒を使用して得られたエチレンポリマーをDUHMWPE-4と呼ぶ。
表1に、エチレンの重合における、本発明の遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体と比較例触媒の性能をまとめた。
Figure 0006902551
表1から、本発明の触媒を使用して得られたDUHMWPEの分子量とかさ密度が、比較例触媒を使用した場合とほぼ同じであったことがわかる。
さらに、本発明の触媒を使用した場合、DUHMWPEの生成量は触媒9mg当たり101〜110gである。このデータから、本発明の触媒の生産性は高いことが示された。
実験1〜3で調製したDUHMWPEを、X線回折(XRD)、示差走査熱量測定(DSC)、走査電子顕微鏡(SEM)などの様々な技術を使用して評価した。そのデータを表2に示す。
Figure 0006902551
表2に示した結果から、本発明のチタン−シッフ塩基(イミン)配位子錯体は、エチレンの重合において優れた触媒活性を示すこと、また、結晶度が高く、繊維状かつ多孔性の形態を有し、融解熱が高く、軟化時に伸縮性を示す、絡み合いが解きほぐされた超高分子量ポリエチレン(DUHMWPE)を提供することができることが明らかになった。
XRD分析(調製されたポリマー試料の結晶度の測定)
X線回折計を40kV、20mAで使用して、CuKα線(k=1.542Å)を照射し、DUHMPWE-1のX線回折分析を行った。(触媒1を使用して得られた)DUHMWPE-1は、2θ=21°および2θ=24°に明瞭な2つのピークを示し、それぞれ斜方晶系の(110)面および(200)面に対応していた。XRDスペクトルは、非晶質形態に対応する2θ=19.8°にピークを示さなかった。DUHMPWE-1をXRD分析した結果、DUHMPWE-1の結晶度が高いことが示された。DUHMWPE-1のXRDパターンを図5に示す。
DSC分析(ポリマー試料の融点および融解熱(ΔH)の測定)
(触媒1を使用して得られた)DUHMWPE-1のDSC分析を以下のようにして行った。窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度でDUHMWPE-1を20℃から180℃まで加熱し、3分間平衡状態を保ち、次に20℃まで冷却した。温度を20℃で3分間維持した後、10℃/分の昇温速度で試料を再び180℃まで加熱した。DSC分析(図6)の結果、DUHMWPE-1は140.14℃で溶融し、その融解熱は203.4J/gであることがわかった。
DUHMWPEのSEM(走査電子顕微鏡観察)
図7、図8および図9はDUHMWPE-1、DUHMWPE-2およびDUHMWPE-3のSEM画像をそれぞれ示し、これらのポリマーが繊維状かつ多孔性の形態であることを示す。通常のUHMWPEのかさ密度は約0.4g/ccであるのに対し、DUHMWPE-1、DUHMWPE-2およびDUHMWPE-3は多孔性であるため、そのかさ密度は約0.03〜0.2g/ccである。
本発明の方法で得られたDUHMWPE-1、DUHMWPE-2およびDUHMWPE-3は、先行技術による方法で得られたDUHMWPE-4とあらゆる点で差がなかった。
技術的進歩と経済的意義
上述した本発明の方法は、以下の点を達成可能であるという技術的利点を有するが、この方法の利点は以下の事項に限定されない。
・遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の簡便な製造方法
・有害性の低い試薬および温和な反応条件を使用した、遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法
・遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を使用したDUHMWPEの製造方法
前記の具体的な実施形態は、本発明の実施形態の特性の概要を余すことなく明らかにしたものであり、現在の知識を適用することによって、本発明の主題から逸脱することなく、容易に変更したり、かつ/または様々な用途に適合させることができる。したがって、このような適合や変更は、本発明の実施形態の同等物としての意味を有し、その範囲内にあるものと理解される。本明細書で使用された語句や用語は、説明することのみを目的としたものであり、本発明をなんら限定するものではない。したがって、本明細書に記載の実施形態は好ましい実施形態として述べられているが、当業者であれば、本明細書に記載の実施形態の概念や範囲を逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態を変更して実施可能であることを理解するであろう。
本明細書を通して、「含む(comprise)」という用語およびその変化形である「含む(comprises)」や「含んでいる(comprising)」という用語は、記載されている要素、数値もしくは工程、または要素群、数値群もしくは工程群を含むが、その他の要素、数値もしくは工程、またはその他の要素群、数値群または工程群を排除するものではない。
「少なくとも」または「少なくとも1つ」という表現は、1つ以上の要素、成分または数量の使用を示唆し、1つ以上の目的物または結果を得るために、本発明の実施形態において1つ以上の要素、成分または数量が使用されている場合がある。本発明の実施形態をいくつか説明したが、これらの実施形態は一例として記載されているのみであり、本発明の範囲をなんら限定するものではない。本発明を検討した当業者であれば、本発明の範囲内において、本発明の処方のバリエーションまたは変更を実施することができるであろう。このようなバリエーションや変更も本発明の概念に含まれる。
様々な物理パラメータ、寸法や数量を表すために記載された数値はおおよそのものであり、本明細書に特段の記載がなされている場合を除き、物理パラメータ、寸法や数量を表すために記載された数値よりも高い数値も本発明の範囲に含まれる。
本発明の好ましい実施形態の特徴について大きく強調してきたが、本発明の原理から逸脱することなく、これらの好ましい実施形態に様々な別の特徴を加えることができ、様々な変更を行うことができることは容易に理解できるであろう。本発明を検討した当業者であれば、本発明の好ましい実施形態を上述のように変更したり、他の変更を加えたりきることを容易に理解するであろう。したがって、上記の説明は単に本発明を説明するためのものであり、本発明をなんら限定するものではないことは明らかである。

Claims (13)

  1. 遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体の製造方法であって、
    (a)第1の液体溶媒中、酸触媒の存在下において、化学式Iの芳香族ジアミンと、化学式IIaの置換サリチルアルデヒドと、化学式IIbの置換サリチルアルデヒドとを20〜150℃で攪拌しながら反応させて第1の生成物混合物を得ること
    Figure 0006902551
    (式中、
    R1、R2、R4、R6、R8、R10およびR12は、水素、アリール、ヘテロアリールおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択され、
    R5およびR9は、第三級アルキル基からそれぞれ独立して選択され、
    R7およびR11は、水素および第三級アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
    R3は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシルおよびスルホン酸からなる群から選択される)、
    (b)第1の生成物混合物を減圧下で濃縮して、粗シッフ塩基(イミン)配位子を含む第1の残渣を得た後、該第1の残渣を精製して化学式IIIに示すシッフ塩基(イミン)配位子を得ること、
    (c)化学式IIIのシッフ塩基(イミン)配位子とハロゲン化液体溶媒とを攪拌しながら混合して混合物を得た後、20〜40℃に維持した該混合物に遷移金属ハロゲン化物を加え、得られた混合物を攪拌して第2の生成物混合物を得ること、ならびに
    (d)第2の生成物混合物を減圧下で濃縮して、粗遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を含む第2の残渣を得た後、有機液体溶媒を使用して該第2の残渣を精製し、化学式IVに示す遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体を得ること
    Figure 0006902551
    (式中、
    R1、R2、R4、R6、R8、R10およびR12は、水素、アリール、ヘテロアリールおよびハロゲンからなる群からそれぞれ独立して選択され、
    R5およびR9は、第三級アルキル基からそれぞれ独立して選択され、
    R7およびR11は、水素および第三級アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
    R3は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシルおよびスルホン酸からなる群から選択され、
    Mは、ハフニウム(Hf)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、レニウム(Re)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)およびチタン(Ti)からなる群から選択される遷移金属であり、
    Xは、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン化物である)
    を含む方法。
  2. 前記芳香族ジアミンがメタフェニレンジアミンである、請求項1に記載の方法。
  3. 化学式IIaの置換サリチルアルデヒドおよび化学式IIbの置換サリチルアルデヒドが、3−tert−ブチルサリチルアルデヒドおよび3,5−ジ−tert−ブチルサリチルアルデヒドからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 化学式IIaの置換サリチルアルデヒドと化学式IIbの置換サリチルアルデヒドとが、同一または異なるものである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記酸触媒が、p−トルエンスルホン酸および硫酸からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  6. 第1の液体溶媒が、トルエン、メタノール、エタノールおよびキシレンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ハロゲン化液体溶媒が、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素およびクロロホルムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記遷移金属ハロゲン化物が、ハフニウム(Hf)のハロゲン化物、マンガン(Mn)のハロゲン化物、鉄(Fe)のハロゲン化物、レニウム(Re)のハロゲン化物、タングステン(W)のハロゲン化物、ニオブ(Nb)のハロゲン化物、タンタル(Ta)のハロゲン化物、バナジウム(V)のハロゲン化物およびチタン(Ti)のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも1種であり、該ハロゲン化物が、塩化物、臭化物およびヨウ化物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記有機液体溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンおよびn−ノナンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記工程(a)を1〜24時間にわたって実施し、工程(c)における前記得られた混合物の攪拌を1〜48時間にわたって実施する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記遷移金属−シッフ塩基(イミン)配位子錯体が、
    i.R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R10、R11およびR12が水素であり、R5およびR9がtert−ブチル基であり、Mがチタン(Ti)であり、XがClである置換基の組み合わせ、ならびに
    ii.R1、R2、R3、R4、R6、R8、R10およびR12が水素であり、R5、R7、R9およびR11がtert−ブチル基であり、Mがチタン(Ti)であり、XがClである置換基の組み合わせ
    から選択される置換基の組み合わせからなる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記芳香族ジアミンと化学式IIaの置換サリチルアルデヒドのモル比が1:1であり、前記芳香族ジアミンと化学式IIbの置換サリチルアルデヒドのモル比が1:1である、請求項1に記載の方法。
  13. 化学式IIIのシッフ塩基(イミン)配位子と前記遷移金属ハロゲン化物のモル比が1:1である、請求項1に記載の方法。
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