JP6880492B2 - 三次元造形装置、三次元造形物の製造方法及びプログラム - Google Patents

三次元造形装置、三次元造形物の製造方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、三次元造形装置、三次元造形物の製造方法及びプログラムに関するものである。
従来、平坦化部材を移動させることで供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置が知られている。
例えば、特許文献1には、平坦化ローラ(平坦化部材)を水平移動させて、供給槽の粉体を造形槽へ移送供給するとともに、造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行する三次元造形装置が知られている。この三次元造形装置では、平坦化処理時に平坦化ローラによって造形槽を通過するまで移送された余剰粉体が、余剰粉体受け槽内に落下して回収される。
従来の三次元造形装置では、一層の粉体層を形成するたびに余剰粉体が余剰粉体受け槽に蓄積されていくため、大型の余剰粉体受け槽が必要となり、装置が大型化する。
上述した課題を解決するため、本発明は、平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行し、前記余剰粉体戻し処理時には、前記粉体戻し部材の最下部を前記平坦化処理時に平坦化された前記造形槽の粉体面以下となる高さに維持しながら、該粉体戻し部材を移動させることを特徴とする。
本発明によれば、平坦化処理時に造形槽を通過する余剰粉体が生じる三次元造形装置の小型化を実現できる。
第1の実施形態に係る三次元造形装置の一例の概略を示す平面説明図である。 同三次元造形装置の概略を示す側面説明図である。 同三次元造形装置における造形部の概略を示す断面説明図である。 同三次元造形装置の要部の具体的構成を示す斜視説明図である。 同三次元造形装置における制御部を示すブロック図である。 (a)〜(e)は、同三次元造形装置において、往復移動する平坦化ローラの往路時における粉体層の形成動作(往路の平坦化処理)を説明するための説明図である。 (a)〜(c)は、同三次元造形装置において、往復移動する平坦化ローラの復路時における粉体層の形成動作(復路の平坦化処理)を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明における第1の実施形態に係る三次元造形装置の一例の概要について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1は同三次元造形装置の概略平面説明図、図2は同じく概略側面説明図、図3は同じく造形部の断面説明図である。なお、図3は造形時の状態で示している。また、図4は同じく具体的構成の要部斜視説明図である。
この三次元造形装置は、粉体造形装置(粉末造形装置ともいう。)であり、粉体(粉末)が結合された層状構造物30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体の層(粉体層)31に対して造形液10を吐出する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化手段(リコータ)を構成する平坦化部材としての回転部材である平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は、回転部材に代えて、例えば板状部材(ブレード)とすることもできる。
粉体槽11は、造形槽22に供給する粉体20を貯留する供給槽21と、層状構造物30が積層されて三次元造形物が造形される造形槽22と、造形槽22に供給された粉体の余剰分を一時的に保持する粉体保持部材としての粉体保持テーブル81を備えた余剰粉体受け機構80とを有している。
供給槽21の底部を構成する供給ステージ23は、鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。同様に、造形槽22の底部を構成する造形ステージ24も、鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。造形ステージ24上に層状構造物30が積層された三次元造形物が造形される。供給ステージ23は、例えば図4に示すように、モータ27によってZ方向(高さ方向)に昇降され、造形ステージ24も、同じく、モータ28によってZ方向に昇降される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面も造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
供給槽21には、後述する粉体供給装置554が配置されている。造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した時に、粉体供給装置554を構成するタンク内の粉体を供給槽21へ供給する。粉体供給のための粉体搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に貯留されている粉体20を造形槽22に移送して供給するとともに、造形槽22に供給された粉体20の表面を均して平坦化し、所定の厚みの粉体層を形成する。平坦化ローラ12は、その軸方向長さが造形槽22及び供給槽21の内寸幅よりも長く、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿ってY方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構25によって移動される。
また、平坦化ローラ12は、モータ26によって回転駆動される。平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平方向に往復移動する。これにより、供給槽21の粉体20が造形槽22へと移送供給されるとともに、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を移送しつつ平坦化して、所望の厚みの粉体層31が形成される。
造形ユニット5は、造形ステージ24上の粉体層31に粉体20を結合させる造形液10を吐出(付与)して、粉体20が結合された層状構造物としての層状構造物30を形成する液体吐出ユニット50を備えている。
液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a,52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54,55に移動可能に保持されている。ガイド部材54,55は、両側の側板70,70に昇降可能に保持されている。このキャリッジ51は、後述するX方向走査機構550を構成するX方向走査モータによってプーリ及びベルトを介して主走査方向であるX方向に往復移動される。
2つのヘッド52a,52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、造形液10を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ2列配置されている。一方のヘッド52aの2つのノズル列は、シアン造形液及びマゼンタ造形液を吐出する。他方のヘッド52bの2つのノズル列は、イエロー造形液及びブラック造形液をそれぞれ吐出する。なお、ヘッド構成はこれに限るものではない。
これらのシアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a,52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63で構成される。メンテナンス機構61では、キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形液を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形液を排出するためである。その後、メンテナンス機構61では、ノズルのメニスカス形成のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形液の吐出を行わない期間に、ヘッドのノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、後述するY方向走査機構552によって全体がY方向に往復移動される。
液体吐出ユニット50は、ガイド部材54,55とともにZ方向に昇降可能に配置され、後述するZ方向昇降機構551によってZ方向に昇降される。
次に、本実施形態における三次元造形装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。
図5は同制御部のブロック図である。
制御部500は、本実施形態の三次元造形装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に三次元造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うための外部I/F506を備えている。造形データ作成装置600は、最終形態の三次元造形物を各層状構造物にスライスした造形データを作成する装置であり、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成される。また、制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。I/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500は、液体吐出ユニット50のヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。また、制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。また、制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。また、制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置554を駆動する供給系駆動部517と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518と、後述する余剰粉体受け機構80のスライド部材83を駆動する機構駆動部519とを備えている。
制御部500には、必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
次に、余剰粉体受け機構80の構成及び動作について図2及び図3を参照して説明する。
余剰粉体受け機構80は、主に、図2及び図3に示すように、粉体保持テーブル81と、粉体保持テーブル81の底面から下方へ延びる支持シャフト82と、支持シャフト82に取り付けられたスライド部材83とから構成される。
一方、造形ステージ24には、その底面から下方へ延びるステージラック24aが設けられている。ステージラック24aには、鉛直方向に沿って鋸歯状あるいは波形状に歯が形成されている。各歯は、上面が略水平面となるように形成され、下面が水平面に対して傾斜した傾斜面となるように形成されている。
スライド部材83は、その先端が造形ステージ24のステージラック24aの上歯面に下支えされるように支持される。これにより、スライド部材83が取り付けられた支持シャフト82及び粉体保持テーブル81が支持され、造形ステージ24の昇降に連動して粉体保持テーブル81も昇降することができる。
また、スライド部材83は、ステージラック24aに対して接離する方向へスライド可能に、支持シャフト82に取り付けられている。スライド部材83は、バネ等の付勢手段によりステージラック24aへ接する向きに付勢されている。
スライド部材83の先端がステージラック24aのいずれかの上歯面(略水平面)に下支えされた状態で造形ステージ24が下降するとき、余剰粉体受け機構80の自重によりスライド部材83がステージラック24aの上歯面の下降に追従して下降し、これにより粉体保持テーブル81も下降する。そして、粉体保持テーブル81の底面が造形槽22の外壁面に設けられるストッパ24bに接触するまで連動して下降すると、粉体保持テーブル81及びスライド部材83の下降が規制される。
このとき、下降するステージラック24aの下歯面(傾斜面)によりスライド部材83が前記付勢手段の付勢力に抗して押し込まれ、ステージラック24aの下歯面(傾斜面)に沿ってスライド部材83の先端が相対移動(摺動)する。これにより、スライド部材83の先端がステージラック24aの下歯面(傾斜面)を乗り越え、スライド部材83の先端が支持される上歯面が次の上歯面(略水平面)へと切り替えられる。
次に、本実施形態における粉体層の形成動作について、図6を参照して説明する。
図6(a)〜(e)は、往復移動する平坦化ローラ12の往路時における粉体層の形成動作(往路の平坦化処理)を説明するための説明図である。
まず、図6(a)に示すように、造形槽22の造形ステージ24上に、1又は複数層の層状構造物30が形成されているものとする。このとき、余剰粉体受け機構80の粉体保持テーブル81の保持面(上面)の高さは、前回の粉体層31の上面(最上層の層状構造物30の上面)の高さに一致している。
図6(b)に示すように、最上層の層状構造物30上に次の粉体層31を形成するときには、ヘッド52をホームポジションへ退避させるとともに、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。これに連動して、余剰粉体受け機構80の粉体保持テーブル81も、Z2方向に下降する。
このとき、粉体保持テーブル81は、移動量z5分だけ下降したときに、粉体保持テーブル81の底面が造形槽22のストッパ24bに接触して下降が規制される。したがって、粉体保持テーブル81は、移動量z5分だけ下降した位置で停止する。なお、この移動量z5は、例えば、次に造形槽22の造形ステージ24をZ1方向に上昇させるときの移動量z4に合わせられる。
一方、造形ステージ24は、図6(c)に示すように、粉体保持テーブル81がストッパ24bにより規制された後も、更にZ2方向へ下降する。これにより、造形ステージ24と一体的に下降するステージラック24aの下歯面(傾斜面)によって、余剰粉体受け機構80のスライド部材83が押し込まれ、スライド部材83の先端を下支えするステージラック24aの上歯面(略水平面)が順次切り替えられていく。そして、造形ステージ24が移動量z2分だけ下降した位置で停止されると、スライド部材83の先端は対応するステージラック24aの上歯面に下支えされた状態となる。
続いて、図6(d)に示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に移動量z1分だけ上昇させる。このとき、供給ステージ23の上昇開始は、造形ステージ24の下降完了時に供給ステージ23の上昇も同時に完了するように設定するのが好ましい。
供給ステージ23の移動量z1や造形ステージ24の移動量z2は、形成する粉体層31の目標厚みΔtよりも大きなプレ粉体層を形成するように設定されている。なお、目標厚みΔtは、例えば数十〜100μm程度であるのが好ましい。
また、図6(d)に示すように、平坦化ローラ12を、供給槽21から造形槽22へ向かうY2方向(往路の平坦化方向)に移動させる。このとき、平坦化ローラ12を、図中矢印の向きに、すなわち、平坦化ローラ12の下面側がY2方向と同方向に表面移動する向きに、回転駆動させる。このように平坦化ローラ12が図中矢印の向きに回転しながらY2方向へ移動することにより、供給槽21の上面レベルよりも上方に存在する粉体20をY2方向へスムーズに移送して造形槽22へ供給することができる。
そして、図6(e)に示すように、平坦化ローラ12が回転しながら更にY2方向へ移動し、造形槽22の上方を通過する際に、造形槽22に供給された粉体20の表面を均して平坦化し、最終的に形成される粉体層31の目標厚みΔtよりも厚みのあるプレ粉体層31’を形成する。
ここで、本実施形態では、供給ステージ23の移動量z1と造形ステージ24の移動量z2との関係が、z1≧z2の関係となっている。これにより、造形槽22の全体に粉体20を敷き詰めるのに十分な量の粉体20を供給槽21から造形槽22へ供給することができる。
このとき、供給槽21から移送された粉体20のうち造形槽22に供給されない余剰粉体20’が発生し、その余剰粉体20は造形槽22を通過するまで平坦化ローラ12によって移送される。余剰粉体は、造形槽22の上面レベルよりも下方に位置している粉体保持テーブル81の保持面に落下して一時的に保持される。
このような余剰粉体20’が発生するようにすると、平坦化ローラ12が供給槽21から造形槽22へ向かうY2方向における造形槽22の下流端まで粉体20を移送する間、常に余剰分の粉体が存在する。このような余剰分の粉体が存在することで、その余剰分の粉体の重みによる粉体層の押し付け効果が造形槽22の下流端まで得られる結果、より均一な高い粉体密度の粉体層を形成するのに有利である。
図7(a)〜(c)は、往復移動する平坦化ローラ12の復路時における粉体層の形成動作(復路の平坦化処理)を説明するための説明図である。
上述したようにプレ粉体層31’を形成する往路の平坦化処理が終了したら、続いて、図7(a)に示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ2方向に移動量z3分だけ下降させ、造形槽22の造形ステージ24をZ1方向に移動量z4分だけ上昇させる。これにより、上述した往路での平坦化処理により造形槽22の造形ステージ24上に形成されたプレ粉体層31’の上層部分の粉体20が造形槽22の上面レベルから上方に盛り上がった状態になる。このときの造形ステージ24の移動量z4は、前回形成した下方の粉体層31の上面と平坦化ローラ12の最下部との間隔が粉体層31の目標厚みΔt1となるように設定される。
また、造形ステージ24の上昇に連動して、余剰粉体受け機構80の粉体保持テーブル81も、Z1方向に移動量z6分だけ上昇する。この移動量z6は、例えば、先に粉体保持テーブル81を下降させたときの移動量z5分に合わせられる。これにより、余剰粉体受け機構80の粉体保持テーブル81の保持面(上面)の高さは、造形槽22の上面レベルに一致する。これにより、往路の平坦化処理の際に発生して粉体保持テーブル81の保持面上に保持された余剰粉体20’も、造形槽22の上面レベルから上方に盛り上がった状態になる。
その後、図7(b)に示すように、平坦化ローラ12を、粉体保持テーブル81から造形槽22を経て供給槽21へ向かうY1方向(復路の平坦化方向)に移動させる。このとき、平坦化ローラ12を、図中矢印の向きに、すなわち、平坦化ローラ12の下面側がY1方向と同方向に表面移動する向きに、回転駆動させる。このように平坦化ローラ12が図中矢印の向きに回転しながらY1方向へ移動することにより、粉体保持テーブル81の保持面上の余剰粉体20’をY1方向へ適切に移送できる。更に、造形槽22の上面レベルよりも上方に存在する粉体20を、余剰粉体20’と一緒にY1方向へ適切に移送しつつ、造形槽22の粉体20の表面を均して平坦化できる。その結果、造形槽22には、目標厚みΔtの粉体層31が形成される。
そして、平坦化ローラ12が回転しながら更にY1方向へ移動し、造形槽22の上方を通過したとき、粉体層31の形成に使用されなかった未使用の粉体20,20’が供給槽21に戻される。粉体層31の形成後の平坦化ローラ12は、図7(c)に示すように、供給槽21の上方を通過して、初期位置(原点位置)に戻る(復帰する)。その後、図6(a)に示す動作に戻り、ヘッド52から造形液10の液滴を吐出して、形成した粉体層31に所要形状の層状構造物30を形成する。
なお、層状構造物30は、例えば、ヘッド52から吐出された造形液10が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。新たな層状構造物30とその下層の層状構造物30とは一体化して三次元造形物の一部を構成する。
以後、上述した動作を繰り返し行うことにより、層状構造物30が積層された三次元形状造形物(立体造形物)が造形される。
本実施形態においては、できるだけ高い粉体密度で均一化された粉体層31を形成するために、平坦化ローラ12を往復移動させて往路と復路で2回の平坦化処理を実行することにより一層の粉体層31を形成する。なお、平坦化処理の回数は3回以上であってもよい。このように複数回の平坦化処理を実行して一層の粉体層31を形成する場合、粉体層の密度を段階的に高めることができ、高い粉体密度で均一化された粉体層31を形成するのに有利である。
ここで、このように複数回の平坦化処理を実行して高い粉体密度で均一化された粉体層31を形成しようとする場合、先に実行される平坦化処理時(往路の平坦化処理時)に、形成しようとする粉体層全体(造形槽22の全体)にわたって均一な量の粉体20を行き渡らせることが重要となる。粉体20の量が不十分な箇所があると、その後に更なる平坦化処理を行っても当該箇所の密度が不足しやすく、粉体層31の密度ムラが生じやすいからである。そのため、本実施形態においては、往路の平坦化処理時に、形成しようとする粉体層全体(造形槽22の全体)にわたって均一な量の粉体20が行き渡るように、余剰粉体20’が発生するようにしている。
なお、本実施形態では、復路の平坦化処理において前回形成した下方の粉体層31の上面と平坦化ローラ12の最下部との間隔を往路の平坦化処理時よりも狭く設定している。そのため、復路の平坦化処理では、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を供給槽21に戻す余剰粉体戻し処理と、造形槽22の粉体20を平坦化する平坦化処理とを並行して行っている。
これに限らず、前回形成した下方の粉体層31の上面と平坦化ローラ12の最下部との間隔は、往路時も復路時も同じに設定してもよい。この場合、粉体層31の形成は、往路の平坦化処理によって実質的に完了しているため、復路時の処理は、実質的には余剰粉体戻し処理のみとなる。
なお、この場合でも、復路の処理時には、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’が造形槽22を通過する際に、平坦化ローラ12の移動によって、その余剰粉体20’の重みによる粉体層31の押し付け効果が得られるともに、余剰粉体20’のごく一部が粉体層31に含められて粉体層31の粉体密度が高まる。したがって、厳密には、この場合も、復路の処理時に余剰粉体戻し処理と平坦化処理とが並行して行われていると言えるが、実質的には余剰粉体戻し処理のみである。
本実施形態では、復路時に粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を供給槽21に戻すために、往路時の平坦化ローラ12の移動経路を戻るように移動させる粉体戻し部材として、往路時の平坦化ローラ12を利用しているが、往路時の平坦化ローラ12とは別個の粉体戻し部材であってもよい。往路時の平坦化ローラ12の機能は、往路の平坦化処理に最適化されるべきであるため、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を供給槽21に戻すのに不適切な場合がある。往路時の平坦化ローラ12とは別個の粉体戻し部材を用いることで、往路時の平坦化ローラ12の機能に制限されることなく、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を供給槽21に戻すのに最適化された部材(例えば、形状、表面状態などが最適化された部材)を用いることができる。
また、本実施形態は、復路時に、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を供給槽21に戻す余剰粉体戻し処理を実施するものであるため、粉体戻し部材としての平坦化ローラ12の最下部を往路時に平坦化された造形槽22の粉体面(プレ粉体層31’の上面)以下となる高さに維持しながら、平坦化ローラ12をY1方向へ移動させる。したがって、実質的には、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を、粉体層31の形成のために新たに供給するものではない。すなわち、上述したように、復路の処理時には、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’が造形槽22を通過する際に、平坦化ローラ12の移動によって、粉体層31の粉体密度のが高まり分だけ、余剰粉体20’のごく一部が粉体層31に供給されることになるが、実質的には、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’を、粉体層31の形成のために新たに供給するものではない。
また、本実施形態においては、復路の平坦化処理時に、粉体保持テーブル81上の余剰粉体20’の全部を供給槽21へ戻すように構成しているが、粉体保持テーブル81上に余剰粉体20’の一部が残存してもよい。よって、例えば、粉体保持テーブル81に余剰粉体20’のこぼれや飛散を防止するための側壁を設けるようにし、その結果、粉体保持テーブル81上に余剰粉体20’の一部が残存することになってもよい。
いずれにしても、従来の三次元造形装置のように、一層の粉体層を形成するたびに余剰粉体が余剰粉体受け槽に蓄積されていく構成と比べ、本実施形態の粉体保持テーブル81は従来の余剰粉体受け槽よりも最大の粉体保持量が少なく、例えば従来の余剰粉体受け槽の1/4以下まで小型化することができる。
また、本実施形態では、平坦化部材や粉体戻し部材として平坦化ローラ12のようなローラ部材を用いているため、平坦化処理時には、平坦化部材や粉体戻し部材の移動方向前方で粉体20,20’に接触する接触面(平坦化ローラ12の周面のうちの移動方向前方下側部分)が斜め下方を向く。そのため、平坦化部材や粉体戻し部材を移動させることで、その接触面により粉体20,20’を移動方向へ移送するとともに下方へ押し込む力を生じさせる。よって、このような平坦化部材や粉体戻し部材を用いることで、粉体密度を高める効果が得られる。
このような平坦化部材や粉体戻し部材を用いる場合、その接触面と粉体20との間で生じる摩擦力を小さくするほど、その接触面と粉体20,20’との間の摺動(すべり)が発生しやすくなる結果、より多くの粉体20が平坦化ローラ12の下側を入り込みやすくなる。したがって、平坦化部材や粉体戻し部材の移動方向前方で粉体20,20’に接触する接触面が斜め下方を向いている構成を採用している本実施形態において、復路の平坦化処理時に摩擦力を小さくすることにより、より粉体密度の高い粉体層31を形成する効果が得られる。
また、本実施形態では、平坦化部材や粉体戻し部材として、平坦化ローラ12のような回転部材を用い、これを平坦化部材や粉体戻し部材の下面側の表面移動する向きが平坦化部材や粉体戻し部材の移動方向と同じになるように回転駆動させる。このような構成によれば、平坦化ローラ12の周面と粉体20との間の摩擦力が常に動摩擦力となり、粉体層31の表面の平滑性を高めることができる。
ただし、このように平坦化部材や粉体戻し部材を回転させる構成を採用する場合、平坦化処理中に粉体20を巻き上げやすい。この場合、巻き上げられた粉体20,20’が平坦化部材や粉体戻し部材の通過後の粉体層表面に降り積もることで、粉体層表面の平滑性の低下や粉体層31の密度低下などを引き起こし、三次元造形物の造形精度の低下を招くおそれがある。ただし、往路時においては、粉体20の巻き上げが生じても、粉体層に降り積もった粉体20が復路時に回収されることになるので、三次元造形物の造形精度の低下を招くことはない。しかしながら、復路時に生じる粉体20,20’の巻き上げは、その後に回収されることなく、層状構造物30の形成に寄与するため、三次元造形物の造形精度の低下を招くおそれがある。
ここで、平坦化ローラ12の周面と粉体20との間で生じる摩擦力が大きいほど、平坦化ローラ12の回転による平坦化ローラ12の周面の移動に伴って粉体20,20’が連れ回りやすく、巻き上げられる粉体量が多くなる。逆に、平坦化ローラ12の周面と粉体20,20’との間で生じる摩擦力を小さくするほど、巻き上げられる粉体量を減らすことができる。また、巻き上げられた粉体20が飛散する量も抑制できるので、粉体20の無駄な消費量を抑え、粉体20のリサイクル性を向上させるなどの効果も得られる。
よって、復路時に、平坦化ローラ12の周面と粉体20,20’との間で生じる摩擦力を小さくすることで、粉体20,20’の巻き上げによる三次元造形物の造形精度の低下を招くおそれのある復路時における粉体20,20’の巻き上げ量を低減させることができる。よって、粉体20,20’の巻き上げによる三次元造形物の造形精度の低下を抑制する効果や、粉体20のリサイクル性向上の効果なども得られる。
本実施形態で適用可能な造形方法は、上述したバインダージェット方式に限らず、レーザ焼結方式(LS方式等)や電子ビーム焼結方式(EBM方式等)などであってもよい。すなわち、粉体の結合手段として、液体吐出ヘッドから吐出される液体を用いて粉体同士を結合させる手段を用いているが、これに代えて、レーザー照射手段等を用いて粉体同士を焼結等により結合させる手段などを用いることもできる。本発明は、粉体層31を形成し、粉体層中の粉体を結合させる立体造形方法であれば、応用可能である。
なお、本実施形態のようなバインダージェット方式の場合、粉体20に石膏を用い、インクジェットヘッドからバインダーインクを吐出し、石膏粉を凝固させることで層状構造物30を形成するのが一般的であるが、粉体20に砂を用いて、バインダー樹脂をインクジェットヘッドから吐出することで、鋳型などに利用される三次元造形物を造形することもできる。また、バインダージェット方式であれば、粉体20に、金属、セラミック、ガラス等を用いることもできる。また、バインダージェット方式においては、結合液に溶解可能な材料をコートした粉体20を用い、結合液をインクジェットヘッドから吐出することで、粉体同士をコート材料を介して結合させ、層状構造物30を形成することもできる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
平坦化ローラ12等の平坦化部材を移動させることで、供給槽21に貯留された粉体20を造形槽22へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層31の粉体を所要形状に結合して層状構造物30を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、前記平坦化部材の移動経路を戻るように平坦化ローラ12等の粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体20’の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行することを特徴とする。
一般に、造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成して三次元造形物を造形する場合、高い粉体密度で均一化された粉体層を形成することが望まれる。このとき、供給槽から造形槽へ移送供給される粉体の量が不十分であると、造形槽の平坦化部材移動方向下流側で粉体の量が不足して、造形槽の全体にわたって均一な量の粉体を行き渡らせることができず、粉体層を高い粉体密度で均一化させることができない。そのため、造形槽を通過するまで平坦化部材により移送される粉体(余剰粉体)が残るように平坦化処理を実行することは、高い粉体密度で均一化された粉体層を形成するために重要となる。
この場合、造形槽を通過するまで移送された余剰粉体を回収するために、従来のように、余剰粉体を貯留しておく余剰粉体受け槽を設けると、大型の余剰粉体受け槽が必要となり、装置の大型化を招く。特に、平坦化処理時に余剰粉体が多く残るようにすればするほど、高い粉体密度で均一化された粉体層を形成するのに有利であり、この場合、より大きな余剰粉体受け槽が必要となる。
また、仮に、余剰粉体を余剰粉体受け槽内に一時的に回収し、その余剰粉体を粉体ポンプにより供給槽へ戻すような構成を採用すれば、余剰粉体受け槽それ自体を小型化することは可能である。しかしながら、この構成を実現するためには、余剰粉体受け槽から供給槽まで粉体ポンプを配置するための大きなスペース(余剰粉体の移送経路)が必要となり、装置全体としては大型化を招く。
本態様においては、平坦化部材により造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を、その平坦化部材の移動経路を戻るように移動する粉体戻し部材によって供給槽に戻すことができる。これによれば、平坦化処理時における平坦化部材の移動経路を使って余剰粉体を供給槽へ戻すことができるので、余剰粉体を供給槽へ戻すために新たな移送経路を必要とせず、装置の小型化を実現できる。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記余剰粉体戻し処理時には、前記粉体戻し部材の最下部を前記平坦化処理時に平坦化された前記造形槽の粉体面以下となる高さに維持しながら、該粉体戻し部材を移動させることを特徴とする。
これによれば、余剰粉体を、実質的に造形槽の粉体層の形成に用いることなく、供給槽21へ戻すことができる。
(態様C)
前記態様A又はBにおいて、前記余剰粉体を一時的に保持する粉体保持テーブル81等の粉体保持部材を有し、前記余剰粉体戻し処理では、前記粉体保持部材に保持された余剰粉体の少なくとも一部を、前記粉体戻し部材により前記供給槽に戻すことを特徴とする。
これによれば、平坦化部材により造形槽を通過するまで移送された余剰粉体を一時的に保持しておくことができ、平坦化処理から余剰粉体戻し処理への移行が容易になる。
(態様D)
前記態様Cにおいて、前記平坦化処理時に、前記平坦化部材の最下部よりも低い位置に、前記余剰粉体が載せられる前記粉体保持部材の保持面を移動させ、前記余剰粉体戻し処理時に前記粉体戻し部材の最下部と略同位置に前記保持面を移動させるモータ28、モータ駆動部514等の保持面駆動手段を有することを特徴とする。
これによれば、造形槽と粉体保持部材との間の余剰粉体の受け渡しを適切に行うことができる。
(態様E)
前記態様Dにおいて、前記造形槽内の粉体を載せる造形ステージ24を上下動させるモータ28、モータ駆動部514等の造形ステージ駆動手段を有し、前記保持面駆動手段は、前記造形ステージ駆動手段の駆動力を用いて前記保持面を移動させることを特徴とする。
これによれば、保持面駆動手段を造形ステージ駆動手段とは別個の駆動手段で構成するよりも、より簡易な構成を実現でき、装置の小型化に有利となる。
(態様F)
前記態様Eにおいて、前記平坦化処理時に、前記粉体層の目標厚みΔtよりも厚く平坦化されたプレ粉体層31’を形成し、前記余剰粉体戻し処理時に、前記粉体戻し部材を移動させることで、前記余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻すとともに、前記造形槽の粉体を平坦化して目標厚みΔtの前記粉体層31を形成し、前記保持面駆動手段は、前記造形ステージ駆動手段が前記余剰粉体戻し処理時に前記造形ステージを前記平坦化処理時よりも高い位置へ移動させる動作に連動して、前記保持面を移動させることを特徴とする。
これによれば、保持面駆動手段として造形ステージ駆動手段を用いる構成において、適切な連動を実現できる。
(態様G)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記平坦化処理時に、前記粉体層の目標厚みΔtよりも厚く平坦化されたプレ粉体層31’を形成し、前記余剰粉体戻し処理時に、前記粉体戻し部材を移動させることで、前記余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻すとともに、前記造形槽の粉体を平坦化して目標厚みΔtの前記粉体層31を形成することを特徴とする。
これによれば、より均一な高い粉体密度の粉体層31を形成するのに有利である。
(態様H)
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記平坦化部材及び前記粉体戻し部材として、同じ部材を用いることを特徴とする。
これによれば、平坦化部材と粉体戻し部材とを別個の部材で構成する場合よりも、より簡易な構成を実現でき、装置の小型化に有利となる。
(態様I)
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、前記平坦化部材及び前記粉体戻し部材の少なくとも一方は、平坦化ローラ12等の回転部材であり、該回転部材の下面側が該回転部材の移動方向と同方向に表面移動する向きに回転駆動されることを特徴とする。
これによれば、回転部材の周面と粉体との間の摩擦力が常に動摩擦力となり、粉体層の表面の平滑性を高めることができる。
(態様J)
平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形物の製造方法であって、前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行することを特徴とする。
これによれば、小型の三次元造形装置により高い粉体密度で均一化された粉体層を形成して造形精度の高い三次元造形物を製造することができる。
(態様K)
平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置を制御する制御手段として、該三次元造形装置のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記制御手段は、前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行することを特徴とする。
これによれば、小型の三次元造形装置により高い粉体密度で均一化された粉体層を形成して造形精度の高い三次元造形物を製造することができる。
なお、このプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録された状態で配布したり、入手したりすることができる。また、このプログラムを乗せ、所定の送信装置により送信された信号を、公衆電話回線や専用線、その他の通信網等の伝送媒体を介して配信したり、受信したりすることでも、配布、入手が可能である。この配信の際、伝送媒体中には、コンピュータプログラムの少なくとも一部が伝送されていればよい。すなわち、コンピュータプログラムを構成するすべてのデータが、一時に伝送媒体上に存在している必要はない。このプログラムを乗せた信号とは、コンピュータプログラムを含む所定の搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号である。また、所定の送信装置からコンピュータプログラムを送信する送信方法には、プログラムを構成するデータを連続的に送信する場合も、断続的に送信する場合も含まれる。
1 造形部
5 造形ユニット
10 造形液
11 粉体槽
12 平坦化ローラ
20 粉体
20’ 余剰粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24a ステージラック
24b ストッパ
24 造形ステージ
30 層状構造物
31 粉体層
31’ プレ粉体層
50 液体吐出ユニット
52 ヘッド
80 余剰粉体受け機構
81 粉体保持テーブル
82 支持シャフト
83 スライド部材
500 制御部
600 造形データ作成装置
特開2017−7321号公報

Claims (11)

  1. 平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
    前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行し、
    前記余剰粉体戻し処理時には、前記粉体戻し部材の最下部を前記平坦化処理時に平坦化された前記造形槽の粉体面以下となる高さに維持しながら、該粉体戻し部材を移動させることを特徴とする三次元造形装置
  2. 求項1に記載の三次元造形装置において、
    前記余剰粉体を一時的に保持する粉体保持部材と、
    前記平坦化処理時に、前記平坦化部材の最下部よりも低い位置に、前記余剰粉体が載せられる前記粉体保持部材の保持面を移動させ、前記余剰粉体戻し処理時に前記粉体戻し部材の最下部と略同位置に前記保持面を移動させる保持面駆動手段とを有し、
    前記余剰粉体戻し処理では、前記粉体保持部材に保持された余剰粉体の少なくとも一部を、前記粉体戻し部材により前記供給槽に戻すことを特徴とする三次元造形装置
  3. 項2に記載の三次元造形装置において、
    前記造形槽内の粉体を載せる造形ステージを上下動させる造形ステージ駆動手段を有し、
    前記保持面駆動手段は、前記造形ステージ駆動手段の駆動力を用いて前記保持面を移動させることを特徴とする三次元造形装置。
  4. 平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
    前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行し、
    前記余剰粉体を一時的に保持する粉体保持部材と、
    前記造形槽内の粉体を載せる造形ステージを上下動させる造形ステージ駆動手段と、
    前記平坦化処理時に、前記造形ステージ駆動手段の駆動力を用いて、前記平坦化部材の最下部よりも低い位置に、前記余剰粉体が載せられる前記粉体保持部材の保持面を移動させ、前記余剰粉体戻し処理時に前記粉体戻し部材の最下部と略同位置に前記保持面を移動させる保持面駆動手段とを有し、
    前記余剰粉体戻し処理では、前記粉体保持部材に保持された余剰粉体の少なくとも一部を、前記粉体戻し部材により前記供給槽に戻すことを特徴とする三次元造形装置。
  5. 請求項3又は4に記載の三次元造形装置において、
    前記平坦化処理時に、前記粉体層の目標厚みよりも厚く平坦化されたプレ粉体層を形成し、
    前記余剰粉体戻し処理時に、前記粉体戻し部材を移動させることで、前記余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻すとともに、前記造形槽の粉体を平坦化して目標厚みの前記粉体層を形成し、
    前記保持面駆動手段は、前記造形ステージ駆動手段が前記余剰粉体戻し処理時に前記造形ステージを前記平坦化処理時よりも高い位置へ移動させる動作に連動して、前記保持面を移動させることを特徴とする三次元造形装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
    前記平坦化処理時に、前記粉体層の目標厚みよりも厚く平坦化されたプレ粉体層を形成し、
    前記余剰粉体戻し処理時に、前記粉体戻し部材を移動させることで、前記余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻すとともに、前記造形槽の粉体を平坦化して目標厚みの前記粉体層を形成することを特徴とする三次元造形装置。
  7. 平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
    前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行し、
    前記平坦化処理時に、前記粉体層の目標厚みよりも厚く平坦化されたプレ粉体層を形成し、
    前記余剰粉体戻し処理時に、前記粉体戻し部材を移動させることで、前記余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻すとともに、前記造形槽の粉体を平坦化して目標厚みの前記粉体層を形成することを特徴とする三次元造形装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
    前記平坦化部材及び前記粉体戻し部材として、同じ部材を用いることを特徴とする三次元造形装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の三次元造形装置において、
    前記平坦化部材及び前記粉体戻し部材の少なくとも一方は、回転部材であり、該回転部材の下面側が該回転部材の移動方向と同方向に表面移動する向きに回転駆動されることを特徴とする三次元造形装置。
  10. 平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形物の製造方法であって、
    前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行し、
    前記余剰粉体戻し処理時には、前記粉体戻し部材の最下部を前記平坦化処理時に平坦化された前記造形槽の粉体面以下となる高さに維持しながら、該粉体戻し部材を移動させることを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  11. 平坦化部材を移動させることで、供給槽に貯留された粉体を造形槽へ移送して供給するとともに、該造形槽の粉体を平坦化する平坦化処理を実行し、該造形槽に形成された粉体層の粉体を所要形状に結合して層状構造物を形成するという動作を繰り返し行って、該層状構造物が積層された三次元造形物を造形する三次元造形装置を制御する制御手段として、該三次元造形装置のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    前記制御手段は、前記平坦化部材の移動経路を戻るように粉体戻し部材を移動させることにより、該平坦化部材により前記造形槽を通過するまで移送された余剰粉体の少なくとも一部を前記供給槽に戻す余剰粉体戻し処理を実行し、
    前記余剰粉体戻し処理時には、前記粉体戻し部材の最下部を前記平坦化処理時に平坦化された前記造形槽の粉体面以下となる高さに維持しながら、該粉体戻し部材を移動させることを特徴とするプログラム。
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