JP6870275B2 - 立体造形用支持材、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形用支持材、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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本発明は、立体造形用支持材、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置に関する。
三次元の立体物を造形する技術として、付加製造(AM:Additive Manufacturing)と呼ばれる技術が知られている。
この技術は、積層方向について薄く切った断面形状を計算し、その形状に従って各層を形成して積層することにより立体物を造形する技術である。また、立体物を造形する手法としては、熱溶融積層法(FDM:Fused Deposition Molding)、インクジェッティング法、バインダージェッティング法、光造形法(SLA:Stereo Lithography Apparatus)、粉末焼結積層造形法(SLS:Selective Laser Sintering)などが知られている。これらの中でも、近年、マテリアルジェッティング法により液状の光硬化性樹脂を造形物の必要箇所に像形成し、これを多層化することで三次元の立体物を造形する方式が知られている。
また、前記マテリアルジェッティング法、すなわちインクジェット方式による光造形技術としては、モデル部を造形する場合に原理的に造形が困難な形状(例えば、オーバーハング部を有する形状等)を作製できることが知られている。前記技術においては、形状支持用にサポート部を同時に造形し、モデル部を支持する方法が一般的に採用されている。例えば、サポート部をモデル部と同じ材料で造形し、切削や研磨等の後加工により除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、インクジェット方式による光造形技術では、種類や物性の異なる複数の光硬化性樹脂組成物のそれぞれをノズルから微小な液滴状に吐出させて光造形を行うことが可能であることから、本体を水不溶性の硬化物を形成する光硬化性樹脂組成物を用いて形成し且つサポート材を水溶性の硬化物を形成する光硬化性樹脂組成物を用いて形成し、造形後にサポート部を水に溶解することによりサポート部を除去する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、長時間造形においても形状支持能力に優れ、かつ水により容易に除去できる形状支持体(サポート部)を得ることができる立体造形用支持材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形用支持材は、25℃で液体であり、活性エネルギー線の照射により硬化する立体造形用支持材であって、前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの前記支持材の硬化物が、下記(1)及び(2)を満たす。
(1)硬化直後の高さと、40℃環境下にて24時間静置した後の高さとの静置前後での高さの変化率が10%以下である。
(2)水崩壊性を有する。
本発明によると、長時間造形においても形状支持能力に優れ、かつ水により容易に除去できる形状支持体(サポート部)を得ることができる立体造形用支持材を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物の立体造形装置を用いて液膜を形成する一例を示す概略図である。 図2は、図1に示した液膜を積層して立体造形物とする一例を示す概略図である。 図3は、実施例11において造形した立体造形物を示す模式図である。 図4は、実施例12において造形した立体造形物を示す模式図である。
(立体造形用支持材)
本発明の立体造形用支持材は、25℃で液体であり、活性エネルギー線の照射により硬化する立体造形用支持材であって、前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの前記支持材の硬化物が、下記(1)及び(2)を満たし、水素結合能を有するモノマー(A)、炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)、前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)、30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)、重合開始剤(E)を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
(1)硬化直後の高さと、40℃環境下にて24時間静置した後の高さとの静置前後での高さの変化率が10%以下である。
(2)水崩壊性を有する。
本発明の立体造形用支持材は、従来の技術では、モデル部を支持するサポート部の溶解性を高めると、除去は容易になる一方でサポート性能が不足し、また、造形装置を大型化して造形体積を大きくする場合、造形時間が長期化し、サポート材が硬化時の形状を維持できなくなるという問題があるという知見に基づくものである。
本発明の立体造形用支持材の硬化物は、優れた水崩壊性を有するため、造形後の立体造形用支持材からなるサポート部の除去が容易である。なお、前記水崩壊性とは、水に浸漬したときに、硬化物が細かく分解され、当初有していた形状や性質を維持できなくなることを意味する。
また、本発明の立体造形用支持材は、常温(例えば、20℃以上40℃以下等)における取扱性が良好であり、インクジェット方式により吐出できる粘度を有し、得られる立体造形物においては造形精度に優れる。
[高さの変化率]
前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物の硬化直後の高さと、40℃環境下にて24時間静置した後の高さとの静置前後での高さの変化率としては、10%以下である。なお、前記高さの変化率としては、造形時間と造形時の発熱に影響するため、形状を支持するモデル部の大きさ、材質、また、造形速度にも影響される。前記高さの変化率としては、造形時間と造形時の発熱が大きい場合は、形状支持の点から、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。前記高さの変化率が、10%以下であると、長時間造形においても形状支持能力に優れる。
前記活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
前記紫外線を照射する活性エネルギー線照射装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、装置名:SubZero−LED(インテグレーション・テクノロジー株式会社製)などを用いることができる。
前記照射量500mJ/cmにおいては、照度が100mW/cm、照射時間が5秒間であることが好ましい。
本発明の立体造形用支持材としては、下記条件を満たすことが好ましい。
<条件>
活性エネルギー線照射装置により活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物を、20mLの水に入れ、40℃にて超音波を30分間かけたときの残存固体の体積が10体積%以下である。
なお、前記縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物としては、以下のようにして作製することができる。
縦20mm×横20mm×高さ5mmのシリコーンゴム型に立体造形用支持材を流し込み、活性エネルギー線照射装置(装置名:SubZero−LED、インテグレーション・テクノロジー株式会社製)により、活性エネルギー線を照射量500mJ/cm(照度:100mW/cm、照射時間:5秒間)にて照射して縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物であるサポート部を得ることができる。
前記活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
また、前記超音波としては、例えば、超音波装置(装置名:ASU−6D、アズワン株式会社製)を用いて測定することができる。超音波の条件としては、温度40℃、周波数43kHzである。
さらに、前記残存固体の体積は、アルキメデス法により測定することができる。
前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た硬化物が、前記各条件を満たすことにより、形状支持用サポート部の機能を向上することができる。
前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た硬化物としては、25℃環境下における1%圧縮時の圧縮応力が、0.5kPa以上の固体であることが好ましく、2kPa以上の固体であることがより好ましい。前記1%圧縮時の圧縮応力が0.5kPa以上の固体であると、造形時間が長期化しても、形状支持用サポート部の機能を向上することができる。なお、前記1%圧縮時の圧縮応力は、例えば、万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)などを用いて測定することができる。
<水素結合能を有するモノマー(A)>
前記水素結合能を有するモノマー(A)は、水素結合能を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりラジカル重合する重合性を有する単官能モノマーや多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水崩壊性を向上する点から、単官能モノマーが好ましい。
前記水素結合能を有するモノマー(A)としては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基、スルホ基等を有するモノマーなどが挙げられる。
前記水素結合能を有するモノマー(A)の重合反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、配位重合、開環重合などが挙げられる。これらの中でも、重合反応の制御の点から、ラジカル重合が好ましい。そのため、前記水素結合能を有するモノマー(A)としては、エチレン性不飽和モノマーが好ましく、水溶性単官能エチレン性不飽和モノマー、水溶性多官能エチレン性不飽和モノマーがより好ましく、水素結合能が高い点から、水溶性単官能エチレン性不飽和モノマーが特に好ましい。
<<水溶性単官能エチレン性不飽和モノマー>>
前記水溶性単官能エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、単官能ビニルアミド基含有モノマー[N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等];単官能水酸基含有(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等];水酸基含有(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、PEG−PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等];(メタ)アクリルアミド誘導体[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光反応性の点から、単官能水酸基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド誘導体が好ましく、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド−N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドがより好ましく、人体への皮膚低刺激性の点から、アクリロイルモルホリン(分子量:141.17)、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(分子量:115.15)、ジエチルアクリルアミド(分子量:127.19)が特に好ましい。
<<水溶性多官能エチレン性不飽和モノマー>>
前記水溶性多官能エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、二官能基のモノマーとして、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート;三官能以上のモノマーとして、トリアリルイソシアネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水素結合能を有するモノマー(A)の分子量としては、70以上2,000以下が好ましく、100以上500以下がより好ましい。前記分子量が、70以上2,000以下であると、インクジェット方式に最適な粘度に調整することができる。
前記水素結合能を有するモノマー(A)の含有量としては、立体造形用支持材全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、形状支持用サポート部として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)>
前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)は、水素結合能を有するモノマー(A)と水素結合能を有し、水素結合能を有するモノマー(A)と水素結合を形成することにより、形状支持用サポート部の機能を発揮することができる。
<<炭素数6以上のモノアルコール>>
前記炭素数6以上のモノアルコールとしては、環状構造を有さない方が水素結合能上好ましく、炭素数6以上の直鎖モノアルコールがより好ましい。炭素数の上限は特に限定されず、水崩壊性の観点で適宜選択すればよいが、20以下が好ましく、12以下がより好ましい。
前記炭素数6以上のモノアルコールとしては、水溶性アクリルモノマーと反応性がないこと、光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないこと、常温にて流動性を有することが好ましい。
前記炭素数6以上のモノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級アルコール(例えば、1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール等)、環状アルコールであるシクロヘキサノール(SP値:22.4MPa1/2)やシクロペンタノール、オキシプロピレン基やオキシエチレン基を有し、モノアルコールのアルキレンオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭素数6以上のモノアルコールとしては、溶解パラメーター(以下、「SP値」とも称することがある)が22MPa1/2以下の炭素数6以上のモノアルコールを含むことが好ましい。
前記SP値が22MPa1/2以下の炭素数6以上のモノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級アルコールなどが挙げられる。
前記高級アルコールとしては、例えば、1−ヘキサノール(SP値:21.0MPa1/2)、炭素数10以上の1−デカノール(SP値:19.7MPa1/2)、1−ドデカノール(SP値:18.9MPa1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1−デカノール(SP値:19.7MPa1/2)、1−ドデカノール(SP値:18.9MPa1/2)が好ましい。
前記炭素数6以上のモノアルコールは、疎水的で、炭素数が多く、アルキル鎖が配向したり、絡まり合うことにより造形される硬化物を硬くすることができる。
前記炭素数6以上のモノアルコールの含有量としては、立体造形用支持材全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましい。前記含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、形状支持用サポート部として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<<炭素数3以上6以下のジオール>>
前記炭素数3以上6以下のジオールとしては、水溶性アクリルモノマーと反応性がないこと、光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないこと、常温にて流動性があり、水に可溶な材料であることが好ましい。
また、前記炭素数3以上6以下のジオールとしては、単官能性、多官能性のいずれも使用することができる。
前記炭素数3以上6以下のジオールとしては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
前記炭素数としては、3以上6以下であり、3以上5以下が好ましい。前記炭素数が、3以上であると、1%圧縮時の圧縮応力を向上でき、6以下であると、立体造形用支持材の粘度を低くすることができる。
なお、前記炭素数3以上6以下のジオールの炭素鎖としては、直鎖でもよく、分岐鎖であってもよい。
前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)の含有量としては、立体造形用支持材全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。前記含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、形状支持用サポート部として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
[質量比(A/B)]
前記(A)の含有量(質量%)と、前記(B)の含有量(質量%)との質量比(A/B)としては、0.3以上2.5以下が好ましく、0.5以上2.5以下がより好ましい。前記質量比(A/B)が、0.3以上2.5以下であると、1%圧縮時の圧縮応力を向上できる。
<数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)>
前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)としては、水溶性アクリルモノマーと反応性がないこと、光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないこと、常温にて流動性があり、水に可溶な材料であることが好ましい。
前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素化合物などが挙げられる。
前記活性水素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、エーテル、アミド、エステル等の単官能性化合物、多官能性化合物のいずれも使用することができる。
前記活性水素化合物としては、例えば、アルキレンオキサイド付加物、1価以上4価以下のアルコール、アミン化合物などが挙げられる。これらの中でも、アルキレンオキサイド付加物、1価以上2価以下のアルコールが好ましい。
前記アルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。
前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)の数平均分子量としては、サポート材の硬化物の高さの変化率と、水への溶解性の両立の観点から、400以上5,000以下が好ましく、400〜2,000がより好ましい。前記数平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することかできる。
前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)の含有量としては、水への溶解性の観点から、立体造形用支持材全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましく、25質量%以上50質量%以下がより好ましい。
<30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)>
前記30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)は、造形されるサポート部の親水性を向上することができ、サポート部の除去性を向上することができる。
前記30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン(SP値:34.2MPa1/2)、1,3−プロパンジオール(SP値:31.7MPa1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水崩壊性の点から、グリセリン(SP値:34.2MPa1/2)が好ましい。
前記30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)の含有量としては、立体造形用支持材全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましい。前記含有量が、1質量%以上30質量%以下であると、形状支持用サポート部として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<重合開始剤(E)>
前記重合開始剤(E)としては、光(特に、波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記重合開始剤(E)としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、活性エネルギー線照射装置の活性エネルギー線波長に合わせた重合開始剤を選択することが好ましい。
前記重合開始剤(E)の含有量としては、立体造形用支持材全量に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
前記立体造形用支持材の表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、20mN/m以上45mN/m以下が好ましく、25mN/m以上34mN/m以下がより好ましい。前記表面張力が、20mN/m以上であると、造形の際に吐出が不安定(吐出方向が曲がる、吐出しない)になることを防止でき、45mN/m以下であると、造形用の吐出ノズル等に液体を充填する際に、容易に充填することができる。
なお、前記表面張力は、例えば、表面張力計(自動接触角計DM−701、協和界面科学株式会社製)などを用いて測定することができる。
−粘度−
前記立体造形用支持材の粘度としては、25℃にて、100mPa・s以下が好ましく、25℃にて、3mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。前記粘度が、100mPa・s以下であると、吐出安定性を向上できる。なお、前記粘度は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)を用いて25℃の環境下にて測定することができる。
−粘度変化率−
前記立体造形用支持材としては、50℃にて2週間放置した前後の粘度変化率が±20%以下であることが好ましく、±10%以下がより好ましい。前記粘度変化率が、±20%以下であると、保存安定性が適正であり、吐出安定性が良好となる。
前記50℃にて2週間放置した前後の粘度変化率としては、以下のようにして測定することができる。
前記立体造形用支持材をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽中に2週間放置した後、恒温槽から取り出して室温(25℃)になるまで放置して、粘度測定を行う。恒温槽に入れる前の立体造形用支持材の粘度を保存前粘度、恒温槽から取り出した後の立体造形用支持材の粘度を保存後粘度とし、下記式により粘度変化率を算出することができる。なお、前記保存前粘度及び前記保存後粘度は、例えば、R型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
粘度変化率(%)=[{(保存後粘度)−(保存前粘度)}/(保存前粘度)]×100
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、重合禁止剤、立体造形用支持材に分散可能な鉱物、前記(A)成分とは別に重合性モノマー、(E)成分とは別に熱重合開始剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
−溶媒−
前記溶媒としては、例えば、アルコール、ジオール、トリオール、アミン、カルボン酸、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒のSP値としては、水崩壊性の点から、18MPa1/2以上が好ましく、23MPa1/2以上がより好ましい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合禁止剤の含有量としては、立体造形用支持材全量に対して、圧縮応力の点から、通常5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
−立体造形用支持材に分散可能な鉱物−
前記立体造形用支持材に分散可能な鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状粘土鉱物などが挙げられる。
前記層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト;バーミキュライト;ベントナイト;カネマイト、ケニアナイト、マカナイト等の層状ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記層状粘土鉱物としては、天然の鉱物として産するものであってもよいし、化学合成法によって製造されたものであってもよい。
前記層状粘土鉱物としては、表面を有機処理してもよい。
前記層状粘土鉱物等の層状無機物は、有機カチオン性化合物により処理されて、層間の陽イオンが4級塩等のカチオン性基とイオン交換され得る。
前記層状粘土鉱物の陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン
等の金属カチオンなどが挙げられる。
有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物は、上記ポリマーや上記重合性モノマーに膨潤、分散しやすくなる。
前記有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物としては、例えば、ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル株式会社製)などが挙げられる。前記ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル株式会社製)としては、例えば、ルーセンタイトSPN、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSTNなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−重合性モノマー−−
前記(A)成分とは別の重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどを挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−熱重合開始剤−
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ただし、保存安定性の点から熱重合開始剤より光重合開始剤が好ましい。
前記アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(いずれもDuPont Chemical社から入手可能)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(和光純薬工業株式会社より入手可能)などが挙げられる。
前記過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobel社から入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochem社から入手可能)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox 21−C50)(Akzo Nobel社から入手可能)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
前記過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
前記レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、前記過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、前記有機過酸化物と第3級アミンに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系)などが挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、例えば、顔料、染料などが挙げられる、
前記顔料としては、例えば、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、アジン顔料、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、金属酸化物(酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等)、カーボンブラックなどが挙げられる。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)、アミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)などが挙げられる。
−連鎖移動剤−
前記連鎖移動剤としては、例えば、炭化水素[炭素数6以上24以下の化合物、例えば、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、不飽和脂肪族炭化水素(1−ブテン、1−ノネン等)];ハロゲン化炭化水素(炭素数1以上24以下の化合物、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素等);アルコール(炭素数1以上24以下の化合物、例えば、メタノール、1−ブタノール等);チオール(炭素数1以上24以下の化合物、例えば、エチルチオール、1−オクチルチオール等);ケトン(炭素数3以上24以下の化合物、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等);アルデヒド(炭素数2以上18以下の化合物、例えば、2−メチル−2−プロピルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド);フェノール(炭素数6以上36以下の化合物、例えば、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等);キノン(炭素数6以上24以下の化合物、例えば、ヒドロキノン等);アミン(炭素数3以上24以下の化合物、例えば、ジエチルメチルアミン、ジフェニルアミン);ジスルフィド(炭素数2以上24以下の化合物、例えば、ジエチルジスルフィド、ジ−1−オクチルジスルフィド等)などが挙げられる。
[立体造形用支持材の硬化物の支持力]
本発明における立体造形用支持材の硬化物(以下、「サポート部」とも称することがある)の支持力としては、サポート部がモデル部を支える性能であり、1%圧縮時の圧縮応力と、高さの変化率で表すことができる。
前記サポート部の支持力としては、サポート部を構成する(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の成分について、それらの種類および含有量を選択することにより、上記範囲に調整することができる。
本発明におけるサポート部の支持力としては、前記(A)成分が重合したポリマーに対して、前記(B)成分と(C)成分が水素結合することにより高い圧縮応力を担保していると考えられる。また、(A)成分が重合したポリマーと(C)成分のポリマー鎖の絡まり合うことにより分子運動が抑制され、高さの変化率を低くすることができると考えられる。
[サポート部の除去性]
前述の通り、本発明におけるサポート部の支持力は、水素結合に由来する。前記サポート部の支持力は、溶解液に浸漬させることにより弱まり、崩壊して除去することが可能になる。また、前記(B)が低分子量であると、拡散が早く、短い時間にて除去することが可能となる。
−−溶解液−−
前記溶解液は、例えば、水素結合能を有するものが挙げられる。
前記溶解液としては、例えば、水、アルコールであるブタノールやヘキサノール、アミンであるヘキシルアミンやペンチルアミン、芳香族化合物であるベンゼンやトルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性の点から、水、アルコールが好ましく、水がより好ましい。
また、前記溶解液に添加物を加えてもよい。
前記添加物としては、例えば、界面活性剤などが挙げられる。前記界面活性剤の種類や量を調整することにより直鎖アルキル鎖に対する親和性を上げることができる。
前記溶解液は、サポート部を軟化させ、内部に浸透しやすくする点から、40℃以上が好ましいが、立体造形物の反りを予防する点から、40℃より低い温度を選択することもできる。
(立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形用支持材を用いて立体造形物を製造する。
前記立体造形物の製造方法としては、モデル材及び本発明の立体造形用支持材(サポート材)を用いて液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜を硬化する硬化工程と、を繰り返すことにより、前記モデル材の硬化物であるモデル部及び前記立体造形用支持材(サポート材)の硬化物であるサポート部からなる立体造形物を作製した後、前記サポート部を除去することが好ましい。
前記サポート部の除去としては、水又は水蒸気で行うことが好ましい。
本発明の立体造形物の製造装置は、立体造形用支持材を収容する収容部と、前記立体造形用支持材を用いて液膜を形成する液膜形成手段と、前記液膜を硬化する硬化手段と、を有する。
また、立体造形物の製造方法としては、硬化工程をさらに含むことが好ましい。
前記立体造形物の製造方法は、前記立体造形物の製造装置により好適に実施することができる。
<液膜形成工程及び液膜形成手段>
前記液膜形成工程は、本発明の立体造形用支持材を用いて液膜を形成する工程である。
前記液膜形成手段は、本発明の立体造形用支持材を用いて液膜を形成する手段である。
前記液膜形成工程は、前記液膜形成手段により好適に実施することができる。
前記液膜の形成は、立体造形用支持材の塗布位置及び塗布量を制御しながら行うことが好ましい。
前記立体造形用支持材としては、本発明の立体造形用支持材と同様のものを用いることができる。
前記液膜形成工程としては、インクジェット方式及びディスペンサー方式のいずれかによって行われることが好ましい。
<硬化工程及び硬化手段>
前記硬化工程は、前記液膜を硬化する工程である。
前記硬化手段は、前記液膜を硬化する手段である。
前記硬化工程は、前記硬化手段により好適に実施することができる。
前記硬化手段としては、例えば、活性エネルギー線照射装置などが挙げられる。
−活性エネルギー線照射装置−
前記活性エネルギー線照射装置としては、例えば、紫外線(UV)照射装置を好適に用いることができる。
前記紫外線(UV)照射装置としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。
前記高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
前記メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。前記硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものも使用することができる。
前記活性エネルギー線照射装置としては、例えば、SubZero−LED(インテグレーション・テクノロジー株式会社製)などを用いることができる。
前記立体造形物の製造装置としては、ヒーターレスであることが好ましく、常温にて造形可能であることが好ましい。
以下、本発明の立体造形用支持材を用いて立体造形する具体的な実施形態について説明する。
まず、三次元CADで設計された三次元形状あるいは三次元スキャナやディジタイザで取り込んだ三次元形状のサーフェイスデータあるいはソリッドデータを、STLフォーマットに変換して積層造形装置に入力する。
次に、入力されたデータに基づいて、造形しようとする三次元形状の造形方向を決める。造形方向は特に制約ないが、通常はZ方向(高さ方向)が最も低くなる方向を選ぶ。
造形方向を確定したら、その三次元形状のX−Y面、X−Z面、Y−Z面への投影面積を求める。得られたブロック形状を一層の厚みでZ方向に輪切り(スライス)にする。一層の厚みは使う材料によるが、通常は20μm以上60μm以下程度である。造形しようとする造形物が1個の場合はこのブロック形状がZステージ(一層造形毎に一層分ずつ下降する造形物をのせるテーブル)の真中に来るように配置される。また、複数個同時に造形する場合はブロック形状がZステージに配置されるが、ブロック形状を積み重ねることも可能である。これらブロック形状化や輪切りデータ(スライスデータ:等高線データ)やZステージへの配置は、使用材料を指定すれば自動的に作成することも可能である。
次に、液膜形成工程を実施する。異なるヘッド1とヘッド2(図1)を双方向に動かして、モデル材前駆体αと立体造形用支持材βを吐出し、ドットを形成する。さらに、連続したドットを形成することで、所望の位置に液膜を作製することができる。液膜に活性エネルギー線を照射することで硬化して、所望の位置にモデル材膜とサポート材膜を形成することができる。
モデル材膜とサポート材膜を一層形成した後に、ステージ(図1)が一層分の高さだけ下降する。再度、モデル材膜とサポート材膜に連続したドットを形成し所望の位置に液膜を作製する。液膜に紫外(UV)光を照射することで硬化して、所望の位置にモデル部膜とサポート部膜を形成する。これらの積層を繰り返すことで、図2のように立体造形が可能となる。
このように立体造形した造形物は、前記溶解液によりサポート部を除去することが可能であり、所望の立体造形物(モデル部)を得ることができる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
なお、粘度は、以下のようにして測定した。
<粘度>
前記粘度は、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)を用いて25℃の環境下にて測定した。
(実施例1)
アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)40.0g、1,5−ペンタンジオール(東京化成工業株式会社製)10.0g、ポリプロピレングリコール1(商品名:アクトコールD−1000、三井化学SKCポリウレタン株式会社製、数平均分子量:1,000)50.0g、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド(商品名:イルガキュア819、BASF社製)2.0gを添加し、撹拌混合して実施例1の立体造形用支持材を得た。
(実施例2〜10及び比較例1〜6)
実施例1において、組成を下記表1〜3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜10及び比較例1〜6の立体造形用支持材を得た。
次に、得られた各立体造形用支持材を用いて、以下のようにして、「硬化物(サポート部)」を形成し、サポート部の除去性(水崩壊性)、サポート部の支持力(高さ変化率)、及びサポート部の支持力(1%圧縮時の圧縮応力)を評価した。結果を下記表1〜3に示す。
[硬化物(サポート部)の作製]
縦20mm×横20mm×高さ5mmのシリコーンゴム型に約0.4gの立体造形用支持材を流し込み、活性エネルギー線照射装置(装置名:SubZero−LED、インテグレーション・テクノロジー株式会社製)により、紫外線を照射量500mJ/cm(照度:100mW/cm、照射時間:5秒間)にて照射することを5回繰り返して縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物であるサポート部(2g)を得た。
(サポート部の除去性(水崩壊性))
得られた縦20mm×横20mm×高さ5mmのサポート部を40℃の温水20mLに入れ、超音波(装置名:ASU−6D、アズワン株式会社製)を30分間かけた。その後、サポート部を取り出し、目視により、サポート部を観察し、下記評価基準に基づいて、「サポート部の除去性(水崩壊性)」を評価した。なお、残存固体の体積は、アルキメデス法により測定した。なお、「○」が、水崩壊性を有することを示す。
−評価基準−
○:サポート部の残存固体の体積が10体積%以下である
×:サポート部の残存固体の体積が10体積%超30体積%未満である
××:サポート部の残存固体の体積が30体積%以上残存している
(サポート部の支持力(高さの変化率))
得られた縦20mm×横20mm×高さ5mmのサポート部の、硬化直後の硬化物の高さと、40℃環境下で24時間静値した後の高さとを測定し、高さの変化率を算出した。次に、下記評価基準に基づいて、「サポート部の支持力(高さの変化率)」を評価した。
−評価基準−
◎:高さの変化率が1%以下
○:高さの変化率が1%超5%以下
△:高さの変化率が5%超10%以下
×:高さの変化率が10%超
(サポート部の支持力(1%圧縮時の圧縮応力))
得られた縦20mm×横20mm×高さ5mmのサポート部を25℃環境下において、万能試験機(装置名:AG−I、株式会社島津製作所製)、ロードセル1kN、1kN用圧縮ジグを設け、縦20mm×横20mm×高さ5mmの形状に造形したサポート部を設置し、ロードセルにかかる圧縮に対する応力をコンピュータに記録して、変位量に対する応力をプロットし、1%圧縮時の圧縮応力を測定した。次に、下記評価基準に基づいて、「サポート部の支持力(1%圧縮時の圧縮応力)」を評価した。
−評価基準−
○:1%圧縮時の圧縮応力が2kPa以上(サポート部の支持力が十分にある)
×:1%圧縮時の圧縮応力が2kPa未満である(サポート部の支持力が不十分である)
Figure 0006870275
Figure 0006870275
Figure 0006870275
前記表1〜3において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・アクリロイルモルホリン:KJケミカルズ株式会社製
・N−ヒドロキシエチルアクリルアミド:KJケミカルズ株式会社製
・1−ドデカノール:東京化成工業株式会社製、炭素数:12、SP値:18.9MPa1/2
・1,5−ペンタンジオール:東京化成工業株式会社製、炭素数:5
・ポリプロピレングリコール1:三井化学SKCポリウレタン株式会社製、商品名:アクトコールD−1000、数平均分子量:1,000
・ポリプロピレングリコール2:三井化学SKCポリウレタン株式会社製、商品名:アクトコールD−400、数平均分子量:400
・ポリプロピレングリコール3:三洋化成工業株式会社製、商品名:サンニックスPP−200、数平均分子量:200
・ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル:旭硝子株式会社製、商品名:PREMINOL S 1004F、数平均分子量:3,300
・グリセリン:東京化成工業株式会社製
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド:BASF社製、商品名:イルガキュア819
前記表1〜3の結果から、実施例1〜10は、40℃の温水に入れ、超音波をかけることによりサポート部を良好に除去できることが分かる。
また、実施例5、及び7は、高さの変化率が十分に小さく、従来のサポート部では形状変化して造形が難しい大容量のモデル部を造形する際にも十分に支持できる結果となった。
実施例3は(C)成分の数平均分子量が200と小さいため、高さの変化率が十分でない。
実施例8、及び10は、(C)成分の含有量が10質量%と少ないため、高さの変化率が十分ではない。
実施例9は、(A)成分の含有量が20質量%と少ないため、高さの変化率が十分ではない。
(実施例11)
次に、実施例5で作製した立体造形用支持材をインクジェット方式にて立体造形を行った。
モデル材として、特開2015−136895号公報に記載のハイドロゲル前駆体を使用した。
<ハイドロゲル前駆体の調製>
開始剤液として、メタノール98質量部に対して重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製)を2質量部の割合で溶解させ、溶液として準備した。
次に、純水195質量部を撹拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)8質量部を少しずつ添加し、撹拌して分散液を作製した。得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したN,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を20質量部添加した。更に、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を0.2質量部添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、前記開始剤液を0.5質量部添加し、撹拌混合の後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、均質なハイドロゲル前駆体を得た。
図1に記載したヘッド1にハイドロゲル前駆体、ヘッド2に実施例5にて作製した立体造形用支持材を用いて、図3のようにモデル部1、及びサポート部2を有する立体造形物を作製した。その結果、立方体形状のサポート部2は、円柱状のモデル部1であるハイドロゲルを支持し、かつモデル部1と界面を形成し、分離性や界面での造形精度が良好であった。得られた立体造形物を40℃の温水に入れ、超音波(アズワン株式会社製:ASU−6D)を1時間かけることによりサポート部2を除去した。得られたモデル部1はサポート部2との接触面が荒れず、かつサポート部2が残ることなく除去できた。
(実施例12)
次に、実施例5にて作製した立体造形用支持材をインクジェット方式で立体造形を行った。
モデル材は、以下の特開2012−111226号公報に記載のモデル材前駆体を使用した。
<モデル材前駆体の調製>
反応容器に、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン付加物(商品名「プラクセルFA−4D」、ダイセル化学工業株式会社製、付加モル数:4)100質量部、IPDIのヌレート化物(商品名「VESTANAT T1890」、エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製)64質量部、及びウレタン化触媒であるビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50質量%溶液)0.03質量部を仕込み、80℃で12時間反応させ、ウレタンアクリレートを得た。
前記ウレタンアクリレートを20質量部、イソボルニルアクリレート(共栄化学株式会社製)70質量部、ジシクロペンタンジメチロールジアクリレート(共栄化学株式会社製)10質量部、1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製)5質量部、及びカーボンブラック(商品名:MHIブラック#220、御国色素株式会社製)0.05質量部をビーカーに入れて均一に混合し、モデル材前駆体を得た。
図1に記載したヘッド1に前記モデル材前駆体、ヘッド2に実施例5にて作製した立体造形用支持材を用いて、図4のようにモデル部3、及びサポート部4を有する立体造形物を作製した。その結果、立方体形状のサポート部4は円柱状のモデル部3を支持し、かつモデル部3と界面を形成し、分離性や界面での造形精度が良好であった。得られた立体造形物を溶解液である40℃の温水に入れ、超音波(装置名:ASU−6D、アズワン株式会社製)を1時間かけることによりサポート部4を除去した。得られたモデル部3はサポート部4との接触面が荒れず、かつサポート部4が残ることなく除去できた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 25℃で液体であり、活性エネルギー線の照射により硬化する立体造形用支持材であって、
前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの前記支持材の硬化物が、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする立体造形用支持材である。
(1)硬化直後の高さと、40℃環境下にて24時間静置した後の高さとの静置前後での高さの変化率が10%以下である。
(2)水崩壊性を有する。
<2> 前記高さの変化率が、5%以下である前記<1>に記載の立体造形用支持材である。
<3> 以下の条件を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<条件>
前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物を、20mLの水に入れ、40℃にて超音波を30分間かけたときの残存固体の体積が10体積%以下である。
<4> 前記高さの変化率が、1%以下である前記<2>から<3>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<5> 活性エネルギー線照射装置により前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た硬化物が、25℃環境下における1%圧縮時の圧縮応力が2kPa以上の固体となる前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<6> 数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<7> 前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)の含有量が、25質量%以上50質量%以下である前記<6>に記載の立体造形用支持材である。
<8> 水素結合能を有するモノマー(A)、及び炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)をさらに含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<9> 前記水素結合能を有するモノマー(A)の含有量が、20質量%以上60質量%以下であり、
前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)の含有量が、10質量%以上50質量%以下である前記<8>に記載の立体造形用支持材である。
<10> 前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)が、22MPa1/2以下のSP値を有する炭素数6以上のモノアルコールであり、
30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)をさらに含む前記<8>から<9>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<11> 前記30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)の含有量が、1質量%以上30質量%以下である前記<10>に記載の立体造形用支持材である。
<12> 前記水素結合能を有するモノマー(A)が、単官能モノマーであり、
前記単官能モノマーの分子量が、100以上500以下である前記<8>から<11>のいずれかに記載の立体造形用支持材である。
<13> 前記水素結合能を有するモノマー(A)が、アクリロイルモルホリン、及びN−ヒドロキシエチルアクリルアミドの少なくともいずれかである前記<12>に記載の立体造形用支持材である。
<14> 水素結合能を有するモノマー(A)と、炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)と、数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)と、を含み、活性エネルギー線により硬化して得た硬化物が水崩壊性を有することを特徴とする立体造形用支持材である。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形用支持材を用いて立体造形物を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<16> モデル材及び請求項1から13のいずれかに記載の立体造形用支持材を用いて液膜を形成する液膜形成工程と、
前記液膜を硬化する硬化工程と、を繰り返すことにより、前記モデル材の硬化物であるモデル部及び前記立体造形用支持材の硬化物であるサポート部からなる立体造形物を作製した後、前記サポート部を除去することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<17> 前記サポート部の除去を水もしくは水蒸気で行う前記<16>に記載の立体造形物の製造方法である。
<18> 前記液膜形成工程が、インクジェット方式及びディスペンサー方式のいずれかによって行われる前記<16>から<17>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<19> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形用支持材が収容された収容部と、
前記立体造形用支持材を用いて液膜を形成する液膜形成手段と、
前記液膜を硬化する硬化手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<20> モデル部及び前記立体造形用支持材の硬化物であるサポート部からなる立体造形物から前記サポート部を除去する手段をさらに有する前記<19>に記載の立体造形物の製造装置である。
<21> 前記液膜形成手段が、インクジェット方式及びディスペンサー方式のいずれかによって行われる前記<19>から<20>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形用支持材、前記<15>から<18>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、及び前記<19>から<21>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特表2003−535712号公報 特開2012−111226号公報
1、3 モデル部
2、4 サポート部

Claims (19)

  1. 25℃で液体であり、活性エネルギー線の照射により硬化する立体造形用支持材であって、
    水素結合能を有するモノマー(A)、炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)、及び数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)を含み、
    前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)の含有量が、25質量%以上50質量%以下であり、
    前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)が、水溶性アクリルモノマーと反応性がないか、又は光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないものであり、
    前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの前記支持材の硬化物が、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする立体造形用支持材。
    (1)硬化直後の高さと、40℃環境下にて24時間静置した後の高さとの静置前後での高さの変化率が10%以下である。
    (2)水崩壊性を有する。
  2. 前記高さの変化率が、5%以下である請求項1に記載の立体造形用支持材。
  3. 以下の条件を満たす請求項1から2のいずれかに記載の立体造形用支持材。
    <条件>
    前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物を、20mLの水に入れ、40℃にて超音波を30分間かけたときの残存固体の体積が10体積%以下である。
  4. 前記高さの変化率が、1%以下である請求項2から3のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  5. 前記活性エネルギー線を500mJ/cm照射して得た硬化物が、25℃環境下における1%圧縮時の圧縮応力が2kPa以上の固体となる請求項1から4のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  6. 前記水素結合能を有するモノマー(A)の含有量が、20質量%以上60質量%以下であり、
    前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)の含有量が、10質量%以上50質量%以下である請求項1から5のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  7. 前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)が、22MPa1/2以下のSP値を有する炭素数6以上のモノアルコールであり、
    30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)をさらに含む請求項1から6のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  8. 前記30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)の含有量が、1質量%以上30質量%以下である請求項7に記載の立体造形用支持材。
  9. 前記水素結合能を有するモノマー(A)が、単官能モノマーであり、
    前記単官能モノマーの分子量が、100以上500以下である請求項1から8のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  10. 前記水素結合能を有するモノマー(A)が、アクリロイルモルホリン、及びN−ヒドロキシエチルアクリルアミドの少なくともいずれかである請求項9に記載の立体造形用支持材。
  11. 前記炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)が、1−デカノール、1−ドデカノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールの少なくともいずれかである請求項1から10のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  12. 前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)が、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールモノブチルエーテルの少なくともいずれかである請求項1から11のいずれかに記載の立体造形用支持材。
  13. 前記30MPa1/2以上のSP値を有する多価アルコール(D)が、グリセリン、及び1,3−プロパンジオールの少なくともいずれかである請求項7に記載の立体造形用支持材。
  14. 水素結合能を有するモノマー(A)、炭素数6以上のモノアルコール又は炭素数3以上6以下のジオール(B)、及び数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)を含み、
    前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)の含有量が、25質量%以上50質量%以下であり、
    前記数平均分子量400以上の水素結合性ポリマー(C)が、水溶性アクリルモノマーと反応性がないか、又は光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないものであり、
    活性エネルギー線により硬化して得た硬化物が水崩壊性を有することを特徴とする立体造形用支持材。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の立体造形用支持材を用いて立体造形物を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  16. モデル材及び請求項1から14のいずれかに記載の立体造形用支持材を用いて液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜を硬化する硬化工程と、を繰り返すことにより、前記モデル材の硬化物であるモデル部及び前記立体造形用支持材の硬化物であるサポート部からなる立体造形物を作製した後、前記サポート部を除去することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  17. 前記サポート部の除去を水もしくは水蒸気で行う請求項16に記載の立体造形物の製造方法。
  18. 前記液膜形成工程が、インクジェット方式及びディスペンサー方式のいずれかによって行われる請求項16から17のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  19. 請求項1から14のいずれかに記載の立体造形用支持材が収容された収容部と、
    前記立体造形用支持材を用いて液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記液膜を硬化する硬化手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
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