JP7192350B2 - 液体組成物、収容容器、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

液体組成物、収容容器、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体組成物、収容容器、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置に関する。
従来より、積層造形法として液状の光硬化性樹脂に、レーザー光、特に紫外線の光を1層ずつ照射して三次元の立体造形物を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、インクジェット方式により液状の光硬化性樹脂を造形物の必要箇所に像形成し、これを多層化することで三次元造形物を形成する、インクジェット光造形方式が試みられている。
また、水を三次元網目構造中に含有するハイドロゲルの開発が盛んであり、力学特性が比較的良好なことから、ソフトマテリアル及び立体造形物への適用が期待されている(例えば、特許文献2参照)。
このようなハイドロゲルは、高い溶媒含有率により柔軟性を持ち、医療をはじめ、さまざまな分野への応用が期待されている。例えば、生体手術における事前シミュレーションや生体の代替(例えば、軟骨や眼球の硝子体など)へと適用するにあたり、複雑かつ精細な構造を持ち、造形物内の硬さを自由に制御できることが求められている。
本発明は、硬化の際の硬化エネルギーが低い場合でも十分に硬化させることができ、かつ高弾性な立体造形物が得られる液体組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の液体組成物は、下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、水、及び鉱物を含有する。
Figure 0007192350000001
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
Figure 0007192350000002
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
Figure 0007192350000003
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
本発明によると、硬化の際の硬化エネルギーが低い場合でも十分に硬化させることができ、かつ高弾性な立体造形物が得られる液体組成物を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の液体組成物を用いた立体造形物の製造方法の一例について説明する概略説明図である。
(液体組成物)
本発明の液体組成物は、下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、水、及び鉱物を含有し、重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
Figure 0007192350000004
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
Figure 0007192350000005
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
Figure 0007192350000006
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
本発明の液体組成物は、従来技術では、含水率の高い立体造形物(ハイドロゲル)が製造できるとされているが、高弾性なハイドロゲルは得られておらず、このようなハイドロゲルでは、さまざまな分野へ応用するには制約があるという知見に基づくものである。
本発明の液体組成物は、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、水、及び鉱物を含有することにより、例えば、臓器モデル、細胞培養用培地、医薬部材などとして好適であり、硬化の際の硬化エネルギーが低く、かつ高弾性な立体造形物が得られる。
本発明の液体組成物としては、硬化型液体組成物が好ましい。硬化型液体組成物としては、熱硬化型液体組成物、活性エネルギー線硬化型液体組成物などが挙げられるが、活性エネルギー線硬化型液体組成物がより好適である。
なお、本願明細書においては、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
<アクリルアミド化合物>
前記アクリルアミド化合物は、前記一般式(1)で表される。
前記一般式(1)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
前記炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるXは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~6のアルキレン基を表す。
前記炭素数1~6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるYは、前記一般式(2)及び前記一般式(3)のいずれかを表す。
前記一般式(2)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~10のアルキル基を表す。
前記炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(2)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
前記一般式(3)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~10のアルキル基を表す。
前記炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(3)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
前記一般式(1)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
前記炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるXは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~6のアルキレン基を表す。
前記炭素数1~6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるYは、前記一般式(2)又は前記一般式(3)を表す。
前記一般式(2)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~10のアルキル基を表す。
前記炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(2)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
前記一般式(3)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1~10のアルキル基を表す。
前記炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(3)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
前記エステル構造を有するアクリルアミド化合物は、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)で表されることが好ましい。
前記一般式(3)のRが炭素数1~2のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物は、単官能で環構造を有しない3級アクリルアミドの末端にエステル構造を有している。一般に、低分子量の3級アクリルアミド化合物は、揮発性を有していることからモノマー独特の臭気を強く感じ、これらの化合物を含む液体組成物を扱う上で不快感が生じることになる。
このような低分子量の3級アクリルアミド化合物に対して、極性の強い官能基を導入することや、分子量を大きくすることによってアクリルアミド化合物の揮発性を抑え、臭気を低減することは可能である。しかし、その場合には、粘度の上昇を伴うことになり、液体組成物、その中でも、インクジェット用インクに対する利用上の制約が大きくなってしまうという問題がある。
そこで、前記一般式(1)で表される3級アクリルアミド化合物は、末端部にエステル構造を有している。そのため、エステル構造による揮発性の低下により、臭気を抑制することができる。また、エステル構造の存在による分子間の相互作用により、硬化性も向上すると考えられる。更に、エステル構造を有する3級アクリルアミド化合物は、強い水素結合を形成しないことから、粘度の上昇も小さく、低粘度を維持できると考えられる。その結果、前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物は、液体組成物、その中でも、インクジェット用インクとして好適に用いることができる。
一般に、アクリルアミド化合物は急性経口毒性が大きいことから、これらの化合物を含む液体組成物は安全性に懸念があり、また、取扱上の注意が必要である。
これに対し、本発明の一般式(1)で表されるエステル構造を有するアクリルアミド化合物は、急性経口毒性が低くなる傾向がある。その中でも、前記一般式(1)におけるYが、前記一般式(3)の場合に、急性経口毒性が非常に低くなる傾向がある。したがって、本発明のアクリルアミド化合物を含有する液体組成物は、急性経口毒性が低くなることが期待され、安全性を高めることができる。
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007192350000007
ただし、前記一般式(4)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~3のアルキレン基を表し、Rは炭素数1~4のアルキル基を表す。
前記Rで表される炭素数1~6のアルキル基としては、上記一般式(1)のRと同様である。
前記Xで表される炭素数1~3のアルキレン基としては、直鎖構造であってもよく、分岐構造であってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基が好ましく、メチレン基、メチルメチレン基がより好ましい。
前記Rで表される炭素数1~4のアルキル基としては、直鎖構造であってもよく、分岐構造であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基が好ましく、Rが炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
次に、前記一般式(1)及び前記一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物の具体例として、例示化合物a群からh群を示すが、これらに限定されるものではない。
前記例示化合物a群としては、例えば、以下に示すa1からa6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物a1群>>
Figure 0007192350000008
<<例示化合物a2群>>
Figure 0007192350000009
<<例示化合物a3群>>
Figure 0007192350000010
<<例示化合物a4群>>
Figure 0007192350000011
<<例示化合物a5群>>
Figure 0007192350000012
<<例示化合物a6群>>
Figure 0007192350000013
前記例示化合物b群としては、例えば、以下に示すb1からb6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物b1群>>
Figure 0007192350000014
<<例示化合物b2群>>
Figure 0007192350000015
<<例示化合物b3群>>
Figure 0007192350000016
<<例示化合物b4群>>
Figure 0007192350000017
<<例示化合物b5群>>
Figure 0007192350000018
<<例示化合物b6群>>
Figure 0007192350000019
前記例示化合物c群としては、例えば、以下に示すc1からc6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物c1群>>
Figure 0007192350000020
<<例示化合物c2群>>
Figure 0007192350000021
<<例示化合物c3群>>
Figure 0007192350000022
<<例示化合物c4群>>
Figure 0007192350000023
<<例示化合物c5群>>
Figure 0007192350000024
<<例示化合物c6群>>
Figure 0007192350000025
前記例示化合物d群としては、例えば、以下に示すd1からd6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物d1群>>
Figure 0007192350000026
<<例示化合物d2群>>
Figure 0007192350000027
<<例示化合物d3群>>
Figure 0007192350000028
<<例示化合物d4群>>
Figure 0007192350000029
<<例示化合物d5群>>
Figure 0007192350000030
<<例示化合物d6群>>
Figure 0007192350000031
前記例示化合物e群としては、例えば、以下に示すe1からe6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物e1群>>
Figure 0007192350000032
<<例示化合物e2群>>
Figure 0007192350000033
<<例示化合物e3群>>
Figure 0007192350000034
<<例示化合物e4群>>
Figure 0007192350000035
<<例示化合物e5群>>
Figure 0007192350000036
<<例示化合物e6群>>
Figure 0007192350000037
前記例示化合物f群としては、例えば、以下に示すf1群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物f1群>>
Figure 0007192350000038
前記例示化合物g群としては、例えば、以下に示すg1からg6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物g1群>>
Figure 0007192350000039
<<例示化合物g2群>>
Figure 0007192350000040
<<例示化合物g3群>>
Figure 0007192350000041
<<例示化合物g4群>>
Figure 0007192350000042
<<例示化合物g5群>>
Figure 0007192350000043
<<例示化合物g6群>>
Figure 0007192350000044
前記例示化合物h群としては、例えば、以下に示すh1群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<例示化合物h1群>>
Figure 0007192350000045
上記例示化合物a群からh群の中でも、例示化合物a1-1、例示化合物a1-4、例示化合物a6-1、例示化合物d1-1、例示化合物d1-2、例示化合物d1-4、例示化合物d1-5、例示化合物d3-2、例示化合物d4-1、例示化合物d4-5、例示化合物d6-1、例示化合物d6-4、例示化合物g1-1、例示化合物g1-2、及び例示化合物g1-5が好ましく、例示化合物d1-1、例示化合物d1-2、例示化合物g1-1、例示化合物g1-2、及び例示化合物g1-5がより好ましい。
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物は、異なる化合物同士を2種以上混合して用いることができ、この場合の異なる化合物には構造異性体も含まれる。混合比は特に限定されない。
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物の含有量としては、液体組成物の全量に対して、20質量%以上98質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、30質量%以上80質量%以下が更に好ましく、30質量%以上60質量%以下が特に好ましい。
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物は、H-NMRスペクトル、及びIRスペクトルを用いることにより、構造解析することができる。
-その他の硬化性化合物-
本発明の液体組成物は、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物以外にもその他の硬化性化合物を用いることができる。
上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物以外の硬化性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合することが可能なエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、オリゴマー、ポリマーなどを含む化合物などが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、これらの塩、又はこれらから誘導される化合物、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタンが好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル酸誘導体;N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリルアミド誘導体;アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体;エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;ジビニルエーテル化合物、又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;2-エチルヘキシルジグリコールアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2-アクリロイルオキシエチルフタル酸、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2-アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、ノニルフェノールエチレンオキシド付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アニオン重合性化合物としては、例えば、ラクトン化合物、アクリル化合物、メタクリル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体が好ましい。
前記その他の硬化性化合物の含有量としては、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物100質量部に対して、0.01質量部以上100質量部以下が好ましく、0.1質量部以上50質量部以下がより好ましい。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm~400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成するラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、ラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2、2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ジクロロベンゾフェノン、p,p-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾイルフォーメート、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩、スルホン酸を発生することが可能なスルホン化物、ハロゲン化水素を発生することが可能なハロゲン化物、鉄アレン錯体などが挙げられる。
アニオン重合開始剤としては、例えば、o-ニトロベンジルカルバメート誘導体、o-アシルオキシル誘導体、o-カルバモイルオキシムアミジン誘導体などが挙げられる。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA-044、VA-46B、V-50、VA-057、VA-061、VA-067、VA-086、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(以上、DuPont Chemical社製)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレ-ト)(V-601)(以上、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S、Akzo Nobel社製)、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11、Elf Atochem社製)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21-C50、Akzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、有機過酸化物と第3級アミンとに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンとに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属とに基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートとに基づく系)などが挙げられる。
上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得る点から、液体組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
<水>
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解ないし分散させてもよい。
また、前記水を脱気あるいは、窒素又はアルゴンのような不活性ガスを吸入することにより、水中に溶存している酸素を系外に追い出すことができるので、酸素による重合反応における停止反応を少なくすることができることから、より重合度の高い良好な造形物を得ることができる。
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<鉱物>
鉱物としては、層状鉱物が単一層の状態で水に分散した鉱物であることが好ましい。
ここで、層状鉱物とは、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈しており、層状鉱物を水中で分散させると、各単一層状態で分離して円盤状の結晶となる。
層状鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状鉱物などが挙げられる。
水膨潤性層状鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。
水膨潤性とは、層状鉱物の層間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
水膨潤性層状鉱物としては、上記例示したものを、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。
前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライト SWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、合成ヘクトライトの分散体が好ましい。
前記鉱物の含有量は、液体組成物の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、色材、水溶性有機溶剤(保湿剤)、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、定着剤、粘度安定化剤、香料、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
-色材-
色材としては、液体組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、特に制限はなく、所望の色濃度や液体組成物中における分散性等を考慮して適宜選択することができるが、液体組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。なお、本発明の液体組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、造形物を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、塩基性染料などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
-水溶性有機溶剤-
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等の炭素数1~4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルコールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコールが好ましく、グリセリンがより好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、液体組成物の全量に対して、1質量%以上90質量%以下が好ましく、5質量%以上90質量%以下がより好ましく、10質量%以上80質量%以下が更に好ましく、15質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
<液体組成物の調製>
本発明の液体組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、水、鉱物等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて分散液を調製し、当該分散液に、更に重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明の液体組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該液体組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が60mPa・s以下であり、3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下が更に好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。
また、当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
<硬化手段>
本発明の液体組成物を硬化させる硬化手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられる。これらの中でも、活性エネルギー線による硬化が好ましい。
液体組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、液体組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<用途>
本発明の液体組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の液体組成物は、インクとして用いて二次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、三次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2及び図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の液体組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の液体組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の液体組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形物の製造装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該液体組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、液体組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
(収容容器)
本発明の収容容器は、本発明の液体組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の液体組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
(立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の液体組成物を用いて立体造形物を造形する造形工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
造形工程は三次元プリンターを用いて行われることが好ましいが、成形金型を用いて行うこともできる。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の液体組成物を付与して成膜する成膜工程と、前記成膜工程で形成された膜を硬化して層を形成する硬化工程と、を繰り返し、層を積層させて造形物を形成する。
本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の液体組成物を付与して成膜する成膜手段と、前記成膜手段で形成された膜を硬化して層を形成する硬化手段と、を有し、層を積層させて造形物を形成する。
本発明の立体造形物の製造方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加熱なども挙げられる。本発明の液体組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の立体造形物の製造装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の液体組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、本発明の液体組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、又はこれらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネルギー、低コスト化を図ることができる。
本発明で用いられるインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、二次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(二次元と三次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。図2の立体造形物の製造装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
(臓器モデル)
本発明の臓器モデルは、本発明の液体組成物の硬化物からなる。
本発明の臓器モデルは、例えば、生体手術における事前シミュレーションや生体の代替(例えば、軟骨や眼球の硝子体など)などに適用可能であり、複雑かつ精細な構造を持ち、造形物内の硬さを自由に制御できる。
(細胞培養用培地)
本発明の細胞培養用培地は、本発明の液体組成物の硬化物からなる。
(医薬部材)
本発明の医薬部材は、本発明の液体組成物の硬化物からなる。
医薬部材としては、例えば、薬物徐放ゲル、経皮吸収ゲル、コンタクトレンズ、照射治療用ボーラスなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
まず、合成例1~7に示す方法により、上記一般式(1)で示されるアクリルアミド化合物を合成した。合成したアクリルアミド化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製、「JNM-ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製、「GCMS-QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
(合成例1)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルの合成>
N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製、試薬)0.45モル、及び水400mLを0~10℃で撹拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製、試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下40℃で留去して、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
(合成例2)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステルの合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩を、N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
(合成例3)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステルの合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩を、N-イソプロピルグリシンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
(合成例4)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステルの合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩を、N-メチルアラニンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
(合成例5)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステルの合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩を、N-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステル0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
(合成例6)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステルの合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩を、N-メチルアラニンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステル0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
(合成例7)
<N-アクリロイル-N-メチル-N-エチルメチルエステルの合成>
東京化成工業株式会社製の2-(メチルアミノ)エタノール0.2モルを脱水ジクロロメタン200mL中に加え、トリエチルアミン0.46モルを加えた。次に、この溶液を冷却した後、アクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製)0.17モルを滴下し、室温下で2時間撹拌した。再度、冷却し、アセチルクロリド(東京化成工業株式会社製、試薬)0.2モルを滴下した後に、室温下で約2時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、純水で洗浄し、目的のN-アクリロイル-N-メチル-N-エチルメチルエステル0.12モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.1質量%であった。
(実施例1)
<液体組成物1の調製>
減圧脱気を10分間実施したイオン交換水200質量部を撹拌させながら、水膨潤性層状鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)8質量部を少しずつ添加し、撹拌して分散液を作製した。
次に、得られた分散液52質量部(合成ヘクトライトの含有量2質量%)に合成例1のN-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを30質量部添加した(N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルの含有量30質量%)。
次に、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を0.2質量部添加し、混合した。
次に、保湿剤としてグリセリンを15質量部添加し、混合した。
次に、光重合開始剤として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名:イルガキュア184)を0.15質量部添加し、混合した。
次に、得られた混合液を氷浴で冷却しながら重合促進剤として、テトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)を0.1質量部添加した。
減圧脱気を10分間実施し、均質な液体組成物1を得た。
<立体造形物1の作製>
図2に示す立体造形物の製造装置を用いて、調製した液体組成物1をインクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、GEN4)に充填し、立体造形物の作製を行った。
作製方法としては、造形ステージ上に液体組成物1を吐出し、成膜した。次に、LEDランプヘッド(1.6W/cm、integration technology社製、subzeroLED060)を照射し前記膜を硬化させ、この塗布工程と硬化工程を繰り返すことで、縦100mm×横100mm×厚さ10mmの実施例1の立体造形物(硬化物、ハイドロゲル)1を作製した。
(実施例2)
実施例1において、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステルに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の液体組成物2を得た。この液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、実施例2の立体造形物2を得た。
(実施例4)
実施例1において、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステルに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の液体組成物4を得た。この液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、実施例4の立体造形物4を得た。
(実施例5)
実施例1において、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを、N-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステルに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の液体組成物5を得た。この液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、実施例5の立体造形物5を得た。
(実施例6)
実施例1において、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを、N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステルに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の液体組成物6を得た。この液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、実施例6の立体造形物6を得た。
(実施例7)
実施例1において、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを、N-アクリロイル-N-メチル-N-エチルメチルエステルに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の液体組成物7を得た。この液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、実施例7の立体造形物7を得た。
(比較例1)
実施例1において、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステルを、重合禁止剤を除去したジメチルアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の液体組成物8を得た。この液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、比較例1の立体造形物8を得た。
(実施例8~13及び比較例2)
実施例1において、表2及び表3に示す組成及び含有量となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8~13及び比較例2の液体組成物を得た。これらの液体組成物を使用して、実施例1と同様の方法にて、実施例8~13及び比較例2の立体造形物(硬化物)を得た。
Figure 0007192350000046
Figure 0007192350000047
Figure 0007192350000048
次に、得られた各液体組成物及び各立体造形物(硬化物)について、以下のようにして、80%圧縮歪み応力及び硬化エネルギーを測定した。結果を表4から表6に示した。
<80%圧縮歪み応力>
万能試験機(株式会社島津製作所製、AG-I)に、ロードセル1kN、1kN用圧縮治具を設け、得られた各立体造形物を設置した。前記ロードセルに掛かる圧縮に対する応力をコンピュータに記録し、変位量に対する応力をプロットし、80%圧縮歪み応力を測定した。なお、80%圧縮歪み応力が1.20MPa以上が実使用可能なレベルである。
<硬化エネルギーの測定>
Anton-Paar社製レオメーターMCR-302により、プレート径20mm、温度25℃に設定し、各液体組成物のG’が飽和するエネルギー(mJ/cm)を測定した。光源は浜松ホトニクス株式会社製LC-L1(波長:365nm)を利用した。このエネルギー量の数値が小さいほど硬化性に優れている。
Figure 0007192350000049
Figure 0007192350000050
Figure 0007192350000051
表4から表6の結果から、実施例1~13の立体造形物は、比較例1及び2の立体造形物よりも80%圧縮歪み応力が高く、高弾性であることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、水、及び鉱物を含有することを特徴とする液体組成物である。
Figure 0007192350000052
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
Figure 0007192350000053
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
Figure 0007192350000054
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
<2> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である前記<1>に記載の液体組成物である。
Figure 0007192350000055
ただし、前記一般式(4)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~3のアルキレン基を表し、Rは炭素数1~4のアルキル基を表す。
<3> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物の含有量が、30質量%以上90質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体組成物である。
<4> 前記鉱物が、水膨潤性スメクタイト及び水膨潤性雲母の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体組成物である。
<5> 前記鉱物の含有量が、1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体組成物である。
<6> 更に重合開始剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の液体組成物である。
<7> 更に水溶性有機溶剤を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の液体組成物である。
<8> 活性エネルギー線硬化型液体組成物である前記<1>から<7>のいずれかに記載の液体組成物である。
<9> インクジェット用である前記<1>から<8>のいずれかに記載の液体組成物である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物が容器中に収容されてなることを特徴とする収容容器である。
<11> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を用いて立体造形物を造形する造形工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<12> 前記造形工程が三次元プリンターを用いて行われる前記<11>に記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記造形工程が成形金型を用いて行われる前記<11>に記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を付与して成膜する成膜工程と、
前記成膜工程で形成された膜を硬化して層を形成する硬化工程と、を繰り返し、前記層を積層させて造形物を形成することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<15> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を付与して成膜する成膜手段と、
前記成膜手段を用いて形成された膜を硬化して層を形成する硬化手段と、を有し、前記層を積層させて造形物を形成することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<16> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物の硬化物からなることを特徴とする臓器モデルである。
<17> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物の硬化物からなることを特徴とする細胞培養用培地である。
<18> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物の硬化物からなることを特徴とする医薬部材である。
<19> 薬物徐放ゲル、経皮吸収ゲル、コンタクトレンズ、及び照射治療用ボーラスから選択される少なくとも1種である前記<18>に記載の医薬部材である。
前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物、前記<10>に記載の収容容器、前記<11>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、前記<15>に記載の立体造形物の製造装置、前記<16>に記載の臓器モデル、前記<17>に記載の細胞培養用培地、及び前記<18>から<19>のいずれかに記載の医薬部材によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
特表2009-519143号公報 特許第4759165号公報

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、水、及び鉱物を含有し、
    前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物の含有量が、30質量%以上90質量%以下であり、
    前記アクリルアミド化合物の含有量A(質量%)と前記鉱物の含有量B(質量%)との質量比(A/B)が5~95であることを特徴とする液体組成物。
    Figure 0007192350000056
    ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
    Figure 0007192350000057
    ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
    Figure 0007192350000058
    ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
  2. 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である請求項1に記載の液体組成物。
    Figure 0007192350000059
    ただし、前記一般式(4)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表し、Xは炭素数1~3のアルキレン基を表し、Rは炭素数1~4のアルキル基を表す。
  3. 前記鉱物が、水膨潤性スメクタイト及び水膨潤性雲母の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の液体組成物。
  4. 更に重合開始剤を含有する請求項1から3のいずれかに記載の液体組成物。
  5. 活性エネルギー線硬化型液体組成物である請求項1から4のいずれかに記載の液体組成物。
  6. インクジェット用である請求項1から5のいずれかに記載の液体組成物。
  7. 前記アクリルアミド化合物の含有量A(質量%)と前記鉱物の含有量B(質量%)との質量比(A/B)が15~90である請求項1から6のいずれかに記載の液体組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物が容器中に収容されてなることを特徴とする収容容器。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物を用いて立体造形物を造形する造形工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  10. 前記造形工程が三次元プリンターを用いて行われる請求項9に記載の立体造形物の製造方法。
  11. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物を付与して成膜する成膜工程と、
    前記成膜工程で形成された膜を硬化して層を形成する硬化工程と、を繰り返し、前記層を積層させて造形物を形成することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  12. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物を付与して成膜する成膜手段と、
    前記成膜手段を用いて形成された膜を硬化して層を形成する硬化手段と、を有し、前記層を積層させて造形物を形成することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  13. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物の硬化物からなることを特徴とする臓器モデル。
  14. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物の硬化物からなることを特徴とする細胞培養用培地。
  15. 請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物の硬化物からなることを特徴とする医薬部材。
  16. 薬物徐放ゲル、経皮吸収ゲル、コンタクトレンズ、及び照射治療用ボーラスから選択される少なくとも1種である請求項15に記載の医薬部材。
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