JP2020147702A - 組成物、硬化物、延伸成形加工物、収容容器、像形性装置、及び像形成方法 - Google Patents

組成物、硬化物、延伸成形加工物、収容容器、像形性装置、及び像形成方法 Download PDF

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友樹 松下
Yuki Matsushita
友樹 松下
森田 充展
Mitsunobu Morita
充展 森田
野口 宗
So Noguchi
宗 野口
雅秀 小林
Masahide Kobayashi
雅秀 小林
岡田 崇
Takashi Okada
崇 岡田
竜輝 山口
Tatsuki Yamaguchi
竜輝 山口
武範 末永
Takenori Suenaga
武範 末永
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Abstract

【課題】 従来の重合性化合物を含有する組成物を用いて形成された硬化物は、耐擦性及び密着性に劣る課題がある。また、組成物に含有させる重合開始剤の種類によっては、硬化物の透明性に劣る課題がある。また、紫外線吸収剤を組成物に含有させた場合、重合開始剤と紫外線吸収剤の組み合わせによっては、組成物の硬化性に劣る課題がある。【解決手段】 分子量が150以上250以下のアクリルアミド化合物(A1)と、多官能重合性化合物(A2)と、重合開始剤(B1)と、紫外線吸収剤(C1)と、を含有し、前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長は、350nm以下であり、前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長と前記紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差は、40nm以上である組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、硬化物、延伸成形加工物、収容容器、像形性装置、及び像形成方法に関する。
光等を照射することにより硬化する硬化型組成物は、建材や自動車などに対して印刷又はコーティング可能であり、延伸性等の様々な特性が望まれている。
従来の硬化型組成物による形成される硬化膜は硬度が高く延伸性が低いため、硬化後に延伸加工等の加工が行われると、基材の変形に追従できず、所望の加工が困難となる。
特許文献1には、延伸性を向上させるために、ガラス転移温度が高い1官能性のモノマーと、ガラス転移温度が低い1官能性のモノマーを含有する活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている。
なお、特許文献2には、重合性化合物と、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物およびヒンダードアミン系化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、を含有する光硬化型インク組成物が開示されている。
しかしながら、従来の重合性化合物を含有する組成物を用いて形成された硬化物は、耐擦性及び密着性に劣る課題がある。また、組成物に含有させる重合開始剤の種類によっては、硬化物の透明性に劣る課題がある。また、紫外線吸収剤を組成物に含有させた場合、重合開始剤と紫外線吸収剤の組み合わせによっては、組成物の硬化性に劣る課題がある。
請求項1に係る発明は、分子量が150以上250以下のアクリルアミド化合物(A1)と、多官能重合性化合物(A2)と、重合開始剤(B1)と、紫外線吸収剤(C1)と、を含有し、前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長は、350nm以下であり、前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長と前記紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差は、40nm以上である組成物である。
本発明は、組成物を用いて形成された硬化物において耐擦性、密着性、及び透明性に優れる効果と、組成物において硬化性に優れる効果と、を奏する。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例を示す概略図である。 図2は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である 図3は、組成物を用いて立体造形を行う方法の一例について説明する概略説明図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<<組成物>>
本実施形態の組成物は、重合性のアクリルアミド化合物(A1)と、多官能重合性化合物(A2)と、重合開始剤(B1)と、紫外線吸収剤(C1)と、を含有し、必要に応じて、色材、有機溶剤、その他の成分を含んでもよい。
なお、本実施形態の組成物は、エネルギーを付与されることで硬化物を形成する硬化型組成物であることが好ましい。硬化型組成物としては、活性エネルギー線を付与されることで硬化する活性エネルギー線硬化型組成物などが挙げられる。
なお、以降の説明では、組成物の一形態である活性エネルギー線硬化型組成物について説明する。
<アクリルアミド化合物(A1)>
アクリルアミド化合物(A1)は、分子量が150以上250以下であり、アクリルアミド基、及びエステル構造を有する重合性化合物である。アクリルアミド化合物(A1)を組成物に含有させることで、組成物の硬化性及び組成物を用いて形成された硬化物の耐擦性が向上する。
アクリルアミド基は、重合性を示し、アクリロイル基(CH=CH−CO−)がアミン化合物の窒素原子と結合した基をいう。アクリルアミド化合物(A1)の合成方法は特に限定されないが、アクリル酸クロリドやアクリル酸無水物等の活性化されたアクリロイル基を有する化合物を、アミン化合物と反応させる方法が挙げられる。アクリルアミド化合物(A1)を合成する際に用いることができるアミン化合物としては、1級アミン及び2級アミンのいずれでもよいが、アミド基間の水素結合が生じず低粘度化に有利な3級アミドが得られる点で、2級アミンであることが好ましい。
また、アクリルアミド化合物(A1)は、アクリルアミド基を1つ有する単官能重合性化合物であることが好ましい。単官能重合性化合物であることで、硬化時における硬化収縮が小さくなり、硬化物における密着性が向上する。
アクリルアミド化合物(A1)が有するエステル構造は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキルエステル基であることが好ましい。ここで、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキルとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
アクリルアミド化合物(A1)としては、下記一般式(1)及び(2)から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、一般式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
一般式(1)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。Rとしては、例えば、メチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,1−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などが挙げられる。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
ただし、R、R及びRの炭素数の合計は2〜6である。
一般式(2)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2〜5の環構造を表す。環Xとしては、例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられ、ピロリジン、ピペリジンなどが好ましい。
一般式(2)中、Rは単結合、又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表す。Rとしては、例えば、単結合、メチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基などが挙げられる。
一般式(2)中、Rは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
ただし、環X、R及びRの炭素数の合計は3〜6である。
一般式(1)又は(2)で表される化合物としては、例えば、N−アクリロイル−N−アルキルアミノ酸アルキルエステル(N−アクリロイルプロリンアルキルエステルを含む)、及びN−アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルが好ましい。本段落でいうアルキルは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキルを意味するものであるが、特に好ましくは、炭素数1又は2のアルキル(すなわちメチル又はエチル)が挙げられる。
上記N−アクリロイル−N−アルキルアミノ酸アルキルエステルの具体的な例としては、例えば、N−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル、N−アクリロイル−N−メチルグリシンエチルエステル、N−アクリロイル−N−メチルグリシンプロピルエステル、N−アクリロイル−N−メチルグリシンブチルエステル、N−アクリロイル−N−エチルグリシンメチルエステル、N−アクリロイル−N−エチルグリシンエチルエステル、N−アクリロイル−N−エチルグリシンプロピルエステル、N−アクリロイル−N−プロピルグリシンメチルエステル、N−アクリロイル−N−プロピルグリシンエチルエステル、N−アクリロイル−N−ブチルグリシンメチルエステル、N−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル、N−アクリロイル−N−メチルアラニンエチルエステル、N−アクリロイル−N−メチルアラニンプロピルエステル、N−アクリロイル−N−エチルアラニンメチルエステル、N−アクリロイル−N−エチルアラニンエチルエステル、N−アクリロイル−N−プロピルアラニンメチルエステル、N−アクリロイル−N−メチル−β−アラニンメチルエステル、N−アクリロイル−N−メチル−β−アラニンエチルエステル、N−アクリロイル−N−エチル−β−アラニンメチルエステル、N−アクリロイル−N−エチル−β−アラニンエチルエステル、N−アクリロイル−N−メチルバリンメチルエステル、N−アクリロイルプロリンメチルエステル、N−アクリロイルプロリンエチルエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記N−アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステル、の具体的な例としては、例えば、N−アクリロイルピペリジン−2−カルボン酸メチル、N−アクリロイルピペリジン−3−カルボン酸メチル、N−アクリロイルピペリジン−4−カルボン酸メチル等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、アクリルアミド化合物(A1)の分子量は、150以上250以下であり、150以上200以下であることが好ましい。分子量が150以上の場合、酸素により硬化性の低下を抑制することができる。また、化合物の揮発による臭気を抑制することができ、インクジェット吐出の安定性を向上させることができるので好ましい。分子量が250以下の場合、組成物の硬化性が優れ、硬化物の耐擦性も向上し、更に、組成物の粘度も高くならないので好ましい。
インクジェット記録方式への適用のため、アクリルアミド化合物(A1)は、常温(25℃)で低粘度(100mPa・s以下)の、無色透明ないし淡黄色透明の液体であることが好ましい。また、使用者の安全のため、強い酸性や塩基性を示すものでなく、かつ不純物として有害なホルムアルデヒドを含有しないものが好ましい。
アクリルアミド化合物(A1)は、組成物に対し、20.0質量%以上98.0質量%以下含まれることが好ましく、40.0質量%以上97.0質量%以下含まれることがより好ましく、50.0質量%以上80.0質量%以下含まれることが更に好ましい。
<多官能重合性化合物(A2)>
多官能重合性化合物(A2)は、2官能以上の重合性化合物である。上記アクリルアミド化合物(A1)に加えて、更に多官能重合性化合物(A2)を組成物中に含有させることで、組成物が硬化して形成される硬化物における耐擦性が向上するため好ましい。また、アクリルアミド化合物(A1)が、ガラス転移温度が低いことが多い単官能モノマーである場合、硬化物における耐擦性が低い傾向にあるため、多官能重合性化合物(A2)と併用することがより好ましい。
2官能以上の多官能重合性化合物(A2)としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐擦性に優れる点から、脂環構造を有するジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本願において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
多官能重合性化合物(A2)としては、多官能オリゴマーを用いてもよい。多官能性のオリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレタンオリゴマーを用いることが好ましい。
ウレタンオリゴマーとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、日本合成化学株式会社製のUV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B,UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454;サートマー社製のCN929、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966H90、CN966J75、CN968、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN985B88、CN9001、CN9002、CN9788、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN972、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977C70、CN978、CN9782、CN9783、CN996、CN9893;ダイセル・サイテック社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能重合性化合物(A2)の含有量は、組成物に対して、5.0質量%以上30.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。多官能重合性化合物(A2)の含有量が5.0質量%以上であると、組成物により形成される硬化物において十分な耐擦性が得られる。また、多官能重合性化合物(A2)の含有量が30.0質量%以下であると、組成物が付与される基材と硬化物の間における密着性が良好となる。
組成物中におけるアクリルアミド化合物(A1)の含有量と、組成物中における多官能重合性化合物(A2)の含有量の質量比(A1/A2)は、1.5以上20.0以下であることが好ましく、1.7以上16.0以下であることがより好ましい。質量比がこの範囲内であることで、耐擦性と密着性をより向上させることができる。
<A1及びA2以外の重合性化合物(A3)>
本実施形態の組成物は、上記アクリルアミド化合物(A1)、及び上記多官能重合性化合物(A2)以外のその他の重合性化合物(A3)を含有してもよい。
その他の重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類に代表される公知の重合性化合物を用いることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本願において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。
その他の重合性化合物としては、上記(メタ)アクリル酸エステル類以外にも、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニル化合物類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類なども用いることができる。
<重合開始剤(B1)>
本実施形態の組成物は、重合開始剤(B1)を含有する。重合開始剤(B1)の極大吸収波長は、350nm以下であり、300nm以下であることが好ましい。また、重合開始剤(B1)の極大吸収波長は、200nm以上であることが好ましく、240nm以上であることがより好ましい。重合開始剤(B1)の極大吸収波長が350nm以下であることで、硬化物に黄変が生じることが抑制され、例えば、透明性の高い効果物を得ることができる。なお、本願では重合開始剤のことを単に開始剤とも称することがある。重合開始剤としては、光重合開始剤を用いる。
重合開始剤(B1)としては、活性エネルギー線等のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。光重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
重合開始剤(B1)の含有量は、十分な硬化速度を得る点から、組成物に対して、1.0質量%以上20.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
なお、重合開始剤(B1)に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
重合促進剤の含有量は、使用する重合開始剤の種類や量に応じて適宜設定すればよい。
<紫外線吸収剤(C1)>
本実施形態の組成物は、紫外線吸収剤(C1)を含有する。組成物中に紫外線吸収剤(C1)を含有することで、組成物が硬化して形成された硬化物において透明性が向上し、例えば、硬化物の黄変を抑制することができる。
紫外線吸収剤(C1)は極大吸収波長を有し、重合開始剤(B1)の極大吸収波長と紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差は、40nm以上であり、50nm以上であることが好ましい。また、重合開始剤(B1)の極大吸収波長と紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差は、150nm以下であることが好ましく、120nm以下であることがより好ましい。重合開始剤(B1)の極大吸収波長と紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差が40nm以上であることで、両者の吸収波長の重複を抑制することができ、組成物の硬化性を向上させることができる。なお、本願における重合開始剤(B1)の極大吸収波長と紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差とは、絶対差を表す。
また、紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長は、280nm以上400nm以下であることが好ましく、290nm以上360nm以下であることがより好ましい。紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長が280nm以上であることで、重合開始剤(B1)の吸収波長と重複することを抑制することができ、硬化性が向上する。また、紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長が400nm以上であることで、硬化物が色味を帯びることを抑止することができる。
紫外線吸収剤(C1)としては、例えば、6,6’,6’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル)トリス(3−ヘキシルオキシ−2−メチルフェノール)、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール、2−エチルヘキサン酸=2−[3−ヒドロキシ−4−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノキシ]エチルなどが挙げられる。
紫外線吸収剤(C1)の含有量は、組成物に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。
<色材>
本実施形態の組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本実施形態の組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<組成物の調製>
本実施形態の組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性材料、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、顔料分散液にさらに開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本実施形態の組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34′×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
<活性エネルギー線>
組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されないが、省エネルギー化や装置小型化の観点から、紫外線発光ダイオード(以下、UV−LEDともいう)から照射される紫外線が好ましい。なお、重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであって、狭小な特定波長域を照射するUV−LEDを用いることは、組成物の硬化性向上を困難にする。そのため、UV−LEDを用いたとしても硬化性に優れる本実施形態の組成物を用いることが好ましい。
<<用途>>
本実施形態の組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本実施形態の組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本実施形態の組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本実施形態の組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本実施形態の組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、組成物の収容手段(収容容器)、供給手段、吐出手段(付与手段)、活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、組成物を硬化させることで硬化物を得ることができ、硬化物が基材上に形成された構造体を加工することで成形加工品を得ることができる。成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
<<収容容器>>
収容容器は、組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本実施形態の組成物がインク用途である場合において、インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<<像の形成方法、形成装置>>
像の形成方法は、少なくとも、本実施形態の組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本実施形態の組成物を収容するための収容部と、を備え、収容部には収容容器を収容してもよい。さらに、型組成物を吐出(付与)する吐出工程(付与工程)、吐出手段(付与手段)を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
インクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の組成物とは組成が異なる第二の組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、溜部に第一の組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<組成物の構成成分>
組成物の調製に用いた原材料の記号、化合物名または構造、製品名(メーカー名)を表1〜3に示した。
市販されていない原材料は、合成例1〜7に示す方法で合成した。合成した化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製、「JNM−ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製、「GCMS−QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
(合成例1)
<N−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル(A1−1)の合成>
N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製、試薬)0.45モル、及び水400mLを0℃〜10℃で撹拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製、試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下、40℃で留去して、目的のN−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル(A1−1)0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル(A1−1)の分子量は157.2であった。
(合成例2)
<N−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1−2)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1−2)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1−2)の分子量は213.2であった。
(合成例3)
<N−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンメチルエステル(A1−3)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−イソプロピルグリシンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンメチルエステル(A1−3)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンメチルエステル(A1−3)の分子量は185.2であった。
(合成例4)
<N−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル(A1−4)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−メチルアラニンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル(A1−4)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル(A1−4)の分子量は171.2であった。
(合成例5)
<N−アクリロイル−N−メチルグリシンイソプロピルエステル(A1−5)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−メチルグリシンイソプロピルエステル(A1−5)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルグリシンイソプロピルエステル(A1−5)の分子量は185.2であった。
(合成例6)
<N−アクリロイル−N−メチルアラニンイソプロピルエステル(A1−6)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−メチルアラニンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−メチルアラニンイソプロピルエステル(A1−6)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルアラニンイソプロピルエステル(A1−6)の分子量は199.2であった。
(合成例7)
<N−アクリロイルピペリジン−4−カルボン酸エチル(A1−7)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン−4−カルボン酸エチル(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイルピペリジン−4−カルボン酸エチル(A1−7)0.27モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は99.2質量%であった。
なお、N−アクリロイルピペリジン−4−カルボン酸エチル(A1−7)の分子量は211.3であった。
<組成物の作製>
(実施例1)
A1−1:79.9質量%、A2−1:5.0質量%、B1−1:10.0質量%、C1−1:5.0質量%、重合禁止剤(4−メトキシフェノール、精工化学株式会社製、商品名:メトキノン):0.1質量%を順に添加して2時間撹拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した後、メンブランフィルターでろ過して粗大粒子を除去し、実施例1の組成物を作製した。
(実施例2〜14及び比較例1〜5)
実施例1において、下記表4〜5の組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜14、及び比較例1〜5の組成物をそれぞれ作製した。
<硬化物の作製>
得られた各組成物をそれぞれ膜厚が1mmとなるようにガラス板上にバーコートで塗布し、活性エネルギー線照射装置(LightHammer6 Dバルブ、ヘレウス社製)を用いて組成物を硬化させて硬化物を得た。この時照射した積算光量は1000、3000、及び5000mJ/cmの3種類とした。
[耐擦性の評価]
積算光量が5000mJ/cmであった硬化物について、下記の試験条件でスチールウール試験を行い、ヘイズメーター(DIRECT READING HAZEMETER、東洋精機株式会社製)で試験前後のサンプルのヘイズを測定し、ヘイズ変化を求め、下記評価基準に従って、耐擦性を評価した。結果を表4〜5に示した。
−試験条件−
・スチールウール:#0000
・荷重:500g
・往復回数:100回
〔評価基準〕
・A:ヘイズ変化が3%未満
・B:ヘイズ変化が3%以上15%未満
・C:ヘイズ変化が15%以上
[硬化性の評価]
得られた硬化物を指触して、粘着感の状態を以下の4段階の基準で評価し、下記表4〜5に示した。なお、積算光量を5000mJcmとした際に硬化しなかった場合、「−」と表示した。
〔評価基準〕
・A:積算光量1000mJcmにおいて、表面も内部も粘着感がない。
・B:積算光量3000mJcmにおいて、表面も内部も粘着感がない。
・C:積算光量5000mJcmにおいて、表面または内部のいずれか一方に粘着感がある。
[密着性の評価]
積算光量が5000mJ/cmであった硬化物に対し、透明感圧付着テープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18:以下、テープと呼ぶ)剥離による基材への密着性評価と、JIS−K−5600−5−6に示されるクロスカット法に準じて所定の切込みを入れた場合及び入れなかった場合の基材への付着性評価を実施した。なお、切れ込みを入れた場合は、そこを端部にして内部応力が緩和され、塗膜剥離のきっかけになるため、より厳しい条件での評価となるのに対し、カットを入れない場合は、塗膜剥離のきっかけがないため、比較的厳しくない条件での評価という位置づけとなる。また、JIS規格では基材に対する密着性を付着性という用語で表現しているが、技術的にはこれらは同義である。
テープ剥離試験における結果の表記は、テープを貼り付けた後に引き剥がし、全くはがれの見られない状態を「○」、剥がれが見られる状態を「×」と表記した。
クロスカット法における試験結果としては、塗膜に設けた5×5の25マスの切り込みに対して、テープを貼り付けたあとに引き剥がし、全くはがれが見られない状態を「○」とし、はがれが見られる場合を「×」と表記した。この際、刃入れの強弱等の影響を強く受けやすいカット交差部のわずかなはがれは無視した。
そして、これらの結果を合わせて、密着性評価の結果を下記のように表記した。
〔評価基準〕
・A:テープ剥離試験○、クロスカット法○
・B:テープ剥離試験○、クロスカット法×
・C:テープ剥離試験×、クロスカット法×
[透明性の評価]
得られた硬化物を分光測色濃度計(X−Rite社製Model 939)で測定し、黄色味の指標であるb*に基づいて硬化物の透明性を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
・A:|b*|<1
・B:1≦|b*|<3
・C:|b*|≧3

1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 組成物
6 硬化層21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
特開2016−172841号公報 特許第5664841号公報

Claims (14)

  1. 分子量が150以上250以下のアクリルアミド化合物(A1)と、
    多官能重合性化合物(A2)と、
    重合開始剤(B1)と、
    紫外線吸収剤(C1)と、を含有し、
    前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長は、350nm以下であり、
    前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長と前記紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差は、40nm以上である組成物。
  2. 前記アクリルアミド化合物(A1)は、エステル構造を有する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記アクリルアミド化合物(A1)は、炭素数が1以上4以下であって直鎖又は分岐のアルキルエステル基を有する請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記アクリルアミド化合物(A1)は、下記一般式(1)及び(2)から選ばれる少なくとも1つである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
    (上記一般式(1)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、R、R及びRの炭素数の合計は2〜6である。)
    (上記一般式(2)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2〜5の環構造を表し、Rは単結合、又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、環X、R及びRの炭素数の合計は3〜6である。)
  5. 前記アクリルアミド化合物(A1)は、前記一般式(1)であり、前記Rは炭素数1〜2のアルキル基である請求項4に記載の組成物。
  6. 前記多官能重合性化合物(A2)の含有量は、前記組成物に対して、5.0質量%以上30.0質量%以下である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長は、300nm以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長は、280nm以上400nm以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記重合開始剤(B1)の極大吸収波長と前記紫外線吸収剤(C1)の極大吸収波長との差は、50nm以上である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の組成物の硬化物。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の組成物の延伸成形加工物。
  12. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の組成物が収容されている収容容器。
  13. 請求項12に記載の収容容器と、前記組成物を付与する付与手段と、付与された前記組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段と、を有する像形成装置。
  14. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の組成物を付与する付与工程と、付与された前記組成物に活性エネルギー線を照射して前記組成物を硬化する照射工程と、を有する像形成方法。
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