JP7110767B2 - 活性エネルギー線硬化型インク、インクジェット記録方法および印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インク、インクジェット記録方法および印刷物に関する。
紙等の記録媒体上に画像を形成する方法として、インクジェット記録方式が知られている。このインクジェット記録方式は、インクの消費効率が高く省資源性に優れており、単位記録当たりのインクコストを低く抑えることが可能である。
近年、活性エネルギー線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式が注目されている。
その中で、アクリル酸エステル化合物を主成分とする光重合性インクジェットインクは公知である(例えば特許文献1等参照)。しかし、アクリル酸エステル化合物の多くは皮膚に触れると腫れやかゆみなどを引き起こす皮膚感さ性を有している。
一方、アクリル酸エステル化合物のかわりにメタクリル酸エステル化合物を用いることにより、皮膚感さ性を改善できることが知られているが、重合反応性が低下するため光重合性インクジェットインクの重要な特性のひとつである速乾性が得られず、高速印刷などの用途には使用しにくいという問題点があった。なお、メタクリロイルオキシエチルアクリルアミドのように、アクリルアミド構造を有するモノマーは皮膚感さ性が低く、なおかつ反応性も良好で速乾性にも優れる(特許文献2参照)。
光重合性インクジェットインクを硬化乾燥させるための紫外線光源としては、高圧水銀灯やメタルハライドランプなどが使用されるが、省エネルギー化や設備小型化などの観点で紫外線発光ダイオード(UV-LED)が使用されるケースも増えてきている。重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであり、狭小な特定波長域だけを照射するUV-LEDを使用することは、光重合性インクジェットインクの硬化乾燥に関しては難易度が高くなることに相当する。そのため、光源として高圧水銀灯やメタルハライドランプに加えてUV-LEDの使用も想定し、十分に高い硬化性を有し、皮膚感さ性の低い光重合性インクジェットインクの実用化が期待されている。
なお、光重合性インクジェットインクとして水や有機溶剤を使用する方式も存在するが、これらの場合は水や有機溶剤を蒸発させるための熱源などが必要となるため省エネルギーの観点で好ましくない。したがって光重合性インクジェットインクは、水や有機溶剤を含まないことが望ましい。
また最近では、機能性付与や意匠性付与の観点から、被記録媒体としてプラスチックなどの有機基材や、ガラスなどの無機基材が使用されている。これらの被記録媒体は、非吸収性媒体であり、画像層の密着性が乏しいという問題点がある。前記画像層の密着性の課題を解決すべく、従来は被記録媒体と光重合性インクジェットインクとの親和性を高めたり、被記録媒体にアンカー効果を持たせる等の手法が知られている。
しかし、これらの手法では、非吸収性媒体と画像層との密着性が今だ不十分である。
一方、非吸収性媒体上に下塗り層用インクを付与し、その上に画像層を形成する方法も知られているが、非吸収性媒体に対して密着性を発現する材料は皮膚感さ性が高く、タック感、黄変が発生するという問題点もあった。
したがって本発明の目的は、硬化後のタック感、黄変を抑え、非吸収性媒体に対する密着性を改善し、かつ皮膚感さ性の低い活性エネルギー線硬化型インクを提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)エステル構造を有し、150以上200以下の分子量を有するアクリルアミド化合物(A1)と、
フェニルケトン構造と、ヒドロキシ基およびリン元素から選択された1種以上とを有し、かつアミノ基を有しない、重合開始剤(B1)と
を含み、
前記アクリルアミド化合物(A1)が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。なお、一般式(1)は実施形態で示す。
(一般式(1)中、R は水素原子または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、R は炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、R は炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R はR と結合して、窒素原子を含んだ環構造を形成してもよい。)
本発明によれば、硬化後のタック感、黄変を抑え、非吸収性媒体に対する密着性を改善し、かつ皮膚感さ性の低い活性エネルギー線硬化型インクを提供することができる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例を示す概略図である。 図2は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である 図3は、活性エネルギー線硬化型インクを用いて立体造形を行う方法の一例について説明する概略説明図である。 UV-LEDの発光スペクトルを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、エステル構造を有し、150以上200以下の分子量を有するアクリルアミド化合物(A1)と、
フェニルケトン構造と、ヒドロキシ基およびリン元素から選択された1種以上とを有し、かつアミノ基を有しない、重合開始剤(B1)と
を含む。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、必要に応じて、前記アクリルアミド化合物(A1)以外の重合性化合物(A2)、有機溶剤、その他の成分を含んでもよい。
<アクリルアミド化合物(A1)>
アクリルアミド化合物(A1)は、エステル構造を有し、かつ150以上200以下の分子量を有し、活性エネルギー線硬化型インクにおける重合性モノマーである。
アクリルアミド基は、重合性を示し、アクリロイル基(CH=CH-CO-)がアミン化合物の窒素原子と結合した基をいう。アクリルアミド化合物(A1)の合成方法は特に限定されないが、アクリル酸クロリドやアクリル酸無水物等の活性化されたアクリロイル基を有する化合物を、アミン化合物と反応させる方法が挙げられる。アクリルアミド化合物(A1)を合成する際に用いることができるアミン化合物としては、1級アミン及び2級アミンのいずれでもよいが、アミド基間の水素結合が生じず低粘度化に有利な3級アミドが得られる点で、2級アミンであることが好ましい。
アクリルアミド化合物(A1)が有するエステル構造は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキルエステルであることが好ましい。ここで、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキルとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。
アクリルアミド化合物(A1)としては、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物であることが好ましく、一般式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0007110767000001
一般式(1)中、Rは水素原子または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることが好ましい。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。
一般式(1)中、Rは炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。Rとしては、例えば、メチレン基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,1-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,1-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基などが挙げられる。
一般式(1)中、Rは炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。
また、本発明の効果が向上するという観点から、Rが炭素数1~2のアルキル基であるのが好ましい。
なお、R、R及びRの炭素数の合計は2~6であるのが好ましい。
Figure 0007110767000002
一般式(2)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2~5の環構造を表す。環Xとしては、例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられ、ピロリジン、ピペリジンが好ましい。
一般式(2)中、Rは単結合、又は炭素数1~3の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表す。Rとしては、例えば、単結合、メチレン基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基などが挙げられる。
一般式(2)中、Rは炭素数1~3の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
ただし、環X、R及びRの炭素数の合計は3~6であるのが好ましい。
一般式(1)又は(2)で表される化合物としては、例えば、N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステル(N-アクリロイルプロリンアルキルエステルを含む)、及びN-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルが好ましい。本段落でいうアルキルは、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキルを意味するものであるが、特に好ましくは、炭素数1又は2のアルキル(すなわちメチル又はエチル)が挙げられる。
上記N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステルの具体的な例としては、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンブチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-ブチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルバリンメチルエステル、N-アクリロイルプロリンメチルエステル、N-アクリロイルプロリンエチルエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記N-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルの具体的な例としては、N-アクリロイルピペリジン-2-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、アクリルアミド化合物(A1)の分子量は、150以上200以下である。分子量が150より小さい場合は、化合物の揮発による臭気を呈する場合や、インクジェット吐出の安定性に問題が生じる場合があり、好ましくない。分子量が200より大きい場合は、インクの硬化性やその硬化物の強度が低下する場合があり、更に、化合物やインクの粘度が高くなるなどの懸念がある。
インクジェット記録方式への適用のため、アクリルアミド化合物(A1)は、常温(25℃)で低粘度(100mPa・s以下)の、無色透明ないし淡黄色透明の液体であることが好ましい。また、使用者の安全のため、強い酸性や塩基性を示すものでなく、かつ不純物として有害なホルムアルデヒドを含有しないものが好ましい。更に、アクリルアミド化合物(A1)に組み合わせて用いる重合開始剤(B1)を均一に溶解させ、硬化物の物性を向上に寄与する、適度な極性を有することが好ましい。加えて、上述の理由により、分子量が150以上200以下であることがよい。
重合性を示すアクリルアミド基を有し、エステル構造を含まないアクリルアミド化合物は多数市販されている(例えば、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等)が、上記の好ましい要件(粘度、色相、安全性、極性、分子量)をすべて満足するものを見出すことは困難である。本発明者は、本発明のアクリルアミド化合物(A1)が中性で適度な極性を有するエステル構造を含むことで、上記の好ましい要件への対応が可能となることを見出したものである。
アクリルアミド化合物(A1)は、活性エネルギー線硬化型インク中に20.0質量%以上98.0質量%以下含まれることが好ましく、40.0質量%以上97.0質量%以下含まれることがより好ましく、64.8質量%以上96.8質量%以下含まれることが更に好ましい。また、アクリルアミド化合物(A1)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<アクリルアミド化合物(A1)以外の重合性化合物(A2)>
アクリルアミド化合物(A1)以外の重合性化合物(A2)としては、(メタ)アクリル酸エステル類に代表される公知の重合性モノマーを適用できる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをいい、(メタ)アクリレート等についても同様の意味である。
アクリルアミド化合物(A1)以外の重合性化合物(A2)としては、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルにイソシアネート基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート誘導体や、(メタ)アクリル酸にエポキシ基を有する化合物を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート誘導体も例示できる。
また、(メタ)アクリル酸の誘導体以外にも、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド等のN-ビニル化合物類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類も用いることができる。
なお、上記のエステル構造を含まないアクリルアミド化合物についても、その他の重合性化合物(A2)として使用することができる。
アクリルアミド化合物(A1)以外の重合性化合物(A2)を含む場合、重合性化合物(A2)はインク中に1.0質量%以上60.0質量%以下含まれることが好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下含まれることがより好ましい。また、アクリルアミド化合物(A1)以外の重合性化合物(A2)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<重合開始剤(B1)>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、フェニルケトン構造と、ヒドロキシ基およびリン元素から選択された1種以上とを有し、かつアミノ基を有しない、重合開始剤(B1)を含有する。
このような重合開始剤(B1)は、黄変の抑制にとくに効果がある。重合開始剤(B1)としては皮膚感さ性が陰性であるもの、または陰性となる濃度範囲で用いることがさらに好ましい。
重合開始剤(B1)としては、活性エネルギー線の照射により重合性モノマーの重合反応を促進させることのできる公知の化合物を特に制限なく適用できる。例えば、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系重合開始剤;1-[4-(フェニルチオ)フェニル]オクタン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-O-アセチルオキシム等のオキシムエステル系重合開始剤;2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤;10-ブチル-2-クロロ-9(10H)-アクリドン等のアクリドン系重合開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい重合開始剤(B1)は下記の通りである。
Figure 0007110767000003
重合開始剤(B1)は、活性エネルギー線硬化型インク中に例えば1.0質量%以上20.0質量%以下含まれ、3.0質量%以上15.0質量%以下含まれることがより好ましく、4.0質量%以上15.0質量%以下含まれることが更に好ましい。また、重合開始剤(B1)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)インクであれば、当該インクを扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型インクの調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクの粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該インクをノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3~40mPa・sが好ましく、5~15mPa・sがより好ましく、6~12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
<活性エネルギー線>
活性エネルギー線硬化型インクを硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されないが、省エネルギー化や装置小型化の観点から、紫外線発光ダイオード(以下、UV-LEDともいう)から照射される波長285nm以下にピークを有する紫外線が好ましい。なお、重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであるが、低波長側に吸収域を有するものが多く、図4のような285nm以下にピークを有するUV-LEDを用いることは、インクの硬化性向上及び使用可能な重合開始剤が多岐に渡る点においても好ましい。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクの用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用下塗り材料としても用いることができる。この立体造形用下塗り材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型インクを所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型インク5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクを用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられる。
<<組成物収容容器>>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型インクが収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<<インクジェット記録方法および装置>>
本発明のインクジェット記録方法は、被記録媒体上に下塗り層用インクをインクジェット方式により付与する下塗り層用インク付与工程と、前記付与された下塗り層用インクを硬化させることなく、前記下塗り層用インク上に画像形成用インクをインクジェット方式により付与する画像形成用インク付与工程と、前記下塗り層用インクおよび前記画像形成用インクに活性エネルギー線を照射して前記下塗り層用インクおよび前記画像形成用インクを硬化させる硬化工程と、を有し、前記下塗り層用インクが、前記本発明の活性エネルギー線硬化型インクであることを特徴とする。
インクジェット方式としては、特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット記録装置の一例である。
まず、供給ロール21から供給された被記録媒体22に、本発明の下塗り層用インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える印刷ユニット40により下塗り層用インクが吐出され、下塗り層用インク層を形成する。その後、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、被記録媒体22に設けられた下塗り層上に画像形成用インクが吐出される。その後、下塗り層用インクおよび画像形成用インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により被記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する被記録媒体に対し、ヘッドを移動させて被記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に被記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから被記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
とくに本発明では、被記録媒体22が非吸収性媒体であっても、硬化後のタック感、黄変が抑えられ、下塗り層用インクおよび画像形成用インクとの密着性を改善できる。
ここで非吸収性媒体とは、水透過性、吸収性及び/又は吸着性が低い表面を有する記録媒体を指しており、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれる。
より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である被記録媒体を指す。
前記非吸収性媒体としては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルムなどのプラスチック基材が挙げられる。
更に、光源41、24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明の印刷物(記録物)は、被記録媒体上に、本発明の活性エネルギー線硬化型インクの硬化物からなる下塗り層と、前記下塗り層上に設けられた画像層と、を備える。印刷物の形成方法は上述の通りである。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型インクを、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型インクとは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型インクを吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各インクを硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型インクを支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型インクを造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれら例に何ら限定されるものではない。
<活性エネルギー線硬化型インクの構成成分>
活性エネルギー線硬化型用インクの調製に用いた原材料の略号、化合物名、メーカー名及び製品名を表1に示した。
市販されていない原材料は、合成例1~6に示す方法で合成した。合成した化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製「JNM-ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製「GCMS-QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
Figure 0007110767000004
(合成例1)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)の合成>
N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製試薬)0.45モル、及び水400mLを0~10℃で攪拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下40℃で留去して、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)の分子量は157.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号72065-23-7)。
(合成例2)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル(A1-2)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンエチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製試薬)に変更した以外は合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル(A1-2)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル(A1-2)の分子量は171.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号170116-05-9)。
(合成例3)
<N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチル(A1-3)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン-4-カルボン酸メチル(東京化成工業株式会社製試薬)に変更した以外は合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチル(A1-3)0.25モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.6質量%であった。
なお、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチル(A1-3)の分子量は197.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号845907-51-9)。
(合成例4)
<N-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸エチル(A2-1)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン-3-カルボン酸エチル(東京化成工業株式会社製試薬)に変更した以外は合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸エチル(A2-1)0.26モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.2質量%であった。
なお、N-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸エチル(A2-1)の分子量は211.3であり、公知の化合物である(CAS登録番号1156229-85-4)。
(合成例5)
<N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A2-2)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン-4-カルボン酸エチル(東京化成工業株式会社製試薬)に変更した以外は合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A2-2)0.27モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は99.2質量%であった。
なお、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A2-2)の分子量は211.3であり、公知の化合物である(CAS登録番号845907-79-1)。
N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A2-2)は、アクリルアミド基、及びエステル構造を有するが、分子量が211.3であるため、本発明のアクリルアミド化合物(A1)には該当しない化合物である。
<N-(ブトキシメチル)アクリルアミド(A2-3)>
N-(ブトキシメチル)アクリルアミド(A2-3)は、市販品(東京化成工業株式会社製試薬)を用いた。
N-(ブトキシメチル)アクリルアミド(A2-3)は、分子量が157.2であり、アクリルアミド基を有するが、エステル構造を有さないため、本発明のアクリルアミド化合物(A1)には該当しない化合物である。
(合成例6)
<N-メタクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A2-4)の合成>
合成例1において、アクリル酸クロリドをメタクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製試薬)に変更した以外は合成例1と同様にして、目的のN-メタクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A2-4)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は97.2%であった。
N-メタクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A2-4)は、分子量が171.2であり、エステル構造を有するが、アクリルアミド基を有さないため、本発明のアクリルアミド化合物(A1)には該当しない化合物である。
皮膚感さ性が低い光重合性モノマーとは、次の(1)~(3)の少なくとも一つに該当する化合物を言う。
(1)LLNA法(Local Lymph Node Assay)による皮膚感さ性試験において、感さ性の程度を示すStimulation Index(SI値)が3未満である化合物
(2)MSDS(化学物質安全性データシート)において、「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物
(3)文献〔例えば、Contact Dermatitis 8 223-235(1982)〕において「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物
(1)については、例えば「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55にも示されるように、SI値が3未満の場合に皮膚感さ性が陰性であると判断される。SI値が低いほど皮膚感さ性が低いことになるから、本発明ではSI値がなるべく低いモノマーを用いることが好ましく、3未満、好ましくは2以下、更に好ましくは1.6以下のものを用いる。
(実施例1)
<活性エネルギー線硬化型インク組成物の作製>
A1-1:95.8質量%、B1-1:4.0質量%、重合禁止剤:0.1質量%、界面活性剤:0.1質量%を順に添加して2時間撹拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した後、メンブランフィルターでろ過して粗大粒子を除去し、活性エネルギー線硬化型インクを作製した。
(実施例2~10、及び比較例1~9)
実施例1において、下記表2、表3の組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ活性エネルギー線硬化型インクを作製した。
また比較例9はトルエンを10%配合した。
Figure 0007110767000005
Figure 0007110767000006
<インクジェットによる層の形成>
活性エネルギー線硬化型インクをプラスチック製の組成物収容容器に充填し、吐出手段としてのインクジェットヘッド(株式会社リコー製「MH5440」)、活性エネルギー線照射手段としてのUV-LED(シーシーエス社製、波長285nm、照射面における照度30mW/cm)、吐出を制御するコントローラー、及び組成物収容容器からインクジェットヘッドへの供給経路を備えた像形成装置に組み込んだ。活性エネルギー線硬化型インクの粘度が10~12mPa・sとなるように適宜インクジェットヘッドの温調を行い、汎用的なフィルム材料である市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製「コスモシャインA4100」、厚み188μm)及びガラス基材上に活性エネルギー線硬化型インクを膜厚5μmでインクジェット吐出し、UV-LEDで紫外線照射を行って印刷画像を作製した。このとき、紫外線照射の積算光量を1000mJcmとしたものと、10000mJcmとしたものを作成した。
[硬化性(タック感)の判定]
上記の方法で作製された印刷画像を指触して、粘着感の状態を以下の4段階の基準で評価し、下記表4、5に併せて示した。なお、B以上が、実用可能である。なお、積算光量を10000mJcmとした際に硬化しなかった場合、「-」と表示した。
A:積算光量1000mJcmにおいて、表面も内部も粘着感がない。
B:積算光量10000mJcmにおいて、表面も内部も粘着感がない。
C:積算光量10000mJcmにおいて、表面または内部のいずれか一方に粘着感がある。
D:積算光量10000mJcmにおいて、表面および内部ともに粘着感がある。
[硬化物の黄変の判定]
印刷画像を以下の3段階の基準で評価し、下記表4、5に併せて示した。なお、△以上が、実用可能である
○:目視で黄変がわからない。
△:わずかに黄変がわかる。
×:明確に黄変がわかる。
[密着性の評価]
硬化させたベタ塗膜に対して、JIS-K-5600-5-6に示されるクロスカット法による付着性を評価し、はがれが見られなかったり、カットの交差点における小さなはがれのみの場合は○とし、カット部周辺が少しはがれが見られた場合は△、明確にはがれが見られた場合は×とした。実用上△以上が問題ないとした。
Figure 0007110767000007
Figure 0007110767000008
次に画像形成用インクとして以下のインクを用意した。
<画像形成用インク>
プラスチック製ビンに、着色剤、分散剤、および重合性化合物(A1-1又はA2-5又は両者)を表6に示す配合量(質量%)で計り取り、これに0.1mmジルコニアビーズ100部を加えて、この混合物をペイントコンディショナーにより2時間分散処理して、一次分散体を得た。次に、得られた一次分散体に、表6の配合量で残りの成分を加え、マグネチックスターラーにより混合物を30分攪拌した。攪拌後、グラスフィルターを用いて、この混合物を吸引濾過し、各画像形成用インクを調製した。なお、表6中、HDDAは1,6-ヘキサンジオールジアクリレートであり、TMPTAはトリメチロールプロパントリアクリレートである。また、重合禁止剤および界面活性剤は表1に記載のものと同様である。
Figure 0007110767000009
<インクジェットによる画像形成1>
実施例1の活性エネルギー線硬化型インク及び各画像形成用インク(G1インク)をプラスチック製の組成物収容容器にそれぞれ充填し、吐出手段としてのインクジェットヘッド(株式会社リコー製「MH5440」)、活性エネルギー線照射手段としてのUV-LED(シーシーエス社製、波長285nm、照射面における照度30mW/cm)、吐出を制御するコントローラー、及び組成物収容容器からインクジェットヘッドへの供給経路を備えた像形成装置に組み込んだ。実施例1の活性エネルギー線硬化型インクの粘度が10~12mPa・sとなるように適宜インクジェットヘッドの温調を行い、汎用的なフィルム材料である市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製「コスモシャインA4100」、厚み188μm)及びガラス基材上に実施例1の活性エネルギー線硬化型インクを膜厚5μmでインクジェット吐出し、UV-LEDで1000mJcmの紫外線照射を行って下塗り層を形成後、下塗り層上に、G1の画像形成用インクを7μmの膜厚でインクジェット吐出、紫外線硬化し、ベタ画像を作製し、前記の[硬化性(タック感)の判定]、[硬化物の黄変の判定]、[密着性の評価]を行った。また、下記のように画質評価を行った。結果を表7の実施例11として示す。また実施例11において、表7、8に示すように各インク組成を変更したこと以外は、実施例11を繰り返した。結果を実施例12~19および比較例10~18として表7、8に示す。
[画質評価]
形成した画像を目視観察して、はじき、にじみ、色むらのない場合を○、少し認められるが実施上問題ない場合は△、いずれか一つでもはっきり認められた場合は×とした。
Figure 0007110767000010
Figure 0007110767000011
<インクジェットによる画像形成2>
前記インクジェットによる画像形成1において、下塗り層を形成する活性エネルギー線硬化型インクの硬化を行わないこと以外は、前記インクジェットによる画像形成1を繰り返し、同様の評価を行った。結果を表9、10に示す。
Figure 0007110767000012
Figure 0007110767000013
上記実施例および比較例の結果から、エステル構造を有し、150以上200以下の分子量を有するアクリルアミド化合物(A1)と、フェニルケトン構造と、ヒドロキシ基およびリン元素から選択された1種以上とを有し、かつアミノ基を有しない、重合開始剤(B1)とを含む本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、比較例に比べて、硬化後のタック感、黄変を抑え、非吸収性媒体に対する密着性が改善され、かつ皮膚感さ性も低いものである。また、本発明では、ウェットな状態の下塗り層上に、ウェットな画像形成用インクを印字し、硬化させても同等の効果が得られることが分かった。
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型インク
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
40 印刷ユニット
特開2015-13980号公報 特開2018-90679号公報

Claims (6)

  1. エステル構造を有し、150以上200以下の分子量を有するアクリルアミド化合物(A1)と、
    フェニルケトン構造と、ヒドロキシ基およびリン元素から選択された1種以上とを有し、かつアミノ基を有しない、重合開始剤(B1)と
    を含み、
    前記アクリルアミド化合物(A1)が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
    Figure 0007110767000014
    (一般式(1)中、R は水素原子または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、R は炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、R は炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R はR と結合して、窒素原子を含んだ環構造を形成してもよい。)
  2. 前記アクリルアミド化合物(A1)において、Rが炭素数1~2のアルキル基である請求項に記載の組成物を含む活性エネルギー線硬化型インク。
  3. 有機溶剤を含まない請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  4. 被記録媒体上に下塗り層用インクをインクジェット方式により付与する下塗り層用インク付与工程と、
    前記付与された下塗り層用インクを硬化させることなく、前記下塗り層用インク上に画像形成用インクをインクジェット方式により付与する画像形成用インク付与工程と、
    前記下塗り層用インクおよび前記画像形成用インクに活性エネルギー線を照射して前記下塗り層用インクおよび前記画像形成用インクを硬化させる硬化工程と、
    を有するインクジェット記録方法であって、
    前記下塗り層用インクが、請求項1~のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクである、
    インクジェット記録方法。
  5. 前記硬化工程において、紫外線発光ダイオード(UV-LED)を用い、前記下塗り層用インクおよび前記画像形成用インクに、波長285nm以下にピークを有する紫外線を照射する請求項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 被記録媒体上に、請求項1~のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクの硬化物からなる下塗り層と、前記下塗り層上に設けられた画像層と、を備える印刷物。
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