JP6720476B2 - 立体造形用液体セット、立体造形物の製造方法、及び立体造形物 - Google Patents
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Description
前記第一の工程で形成された膜を硬化させる第二の工程と、
を複数回繰り返すことを特徴とする。
本発明の立体造形用液体、即ち、本発明の立体造形物の製造方法で用いる第一の液体は、ハイドロゲル前駆体からなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ハイドロゲル前駆体は、多官能モノマーを少なくとも含み、水、有機溶剤、層状鉱物、単官能モノマー、及び重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記多官能モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を2つ以上有する化合物であり、活性エネルギー線硬化型モノマーが好ましく、例えば、2官能モノマー、3官能モノマー、3官能以上のモノマーなどが挙げられる。
前記多官能モノマーのホモポリマーは、水溶性であることが好ましい。本発明において、前記多官能モノマーのホモポリマーの水溶性は、例えば、30℃の水100gに前記ホモポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などを用いることができる。前記水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解乃至分散させてもよい。
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤としては、水性であることが好ましく、例えば、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクタム、エチレングリコール、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、プロピルプロピレンジグリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の含有量は、立体造形用液体の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記層状鉱物は、単一層の状態で水に分散した層状鉱物であることが好ましい。
ここで、図1の上図に示すように、前記層状鉱物は、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈しており、前記層状鉱物を水中で分散させると、図1の下図に示すように、各単一層状態で分離して円盤状の結晶となる。
前記層状鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。
前記水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。
前記水膨潤性とは、図1に示すように層状鉱物の層間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
前記水膨潤性層状粘土鉱物としては、前記例示したものを、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。
前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライト SWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、合成ヘクトライトが好ましい。
前記層状鉱物の含有量は、立体造形用液体の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上40質量%以下の範囲において、立体造形用液体の粘度が適正であり、インクジェットでの吐出性及び立体造形物の硬度が良好となる。
前記単官能モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ有する化合物であり、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、その他の単官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、ハイドロゲルの強度を保つために有利な構成成分である。
前記単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、立体造形用液体の全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上10質量%以下の範囲であると、立体造形用液体中の層状鉱物の分散安定性が保たれ、かつ立体造形物の延伸性を向上させるという利点がある。前記延伸性とは、立体造形物を引張った際に伸び、破断しない特性のことを言う。
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、着色剤、安定化剤、水溶性樹脂、低沸点アルコール、表面処理剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
前記立体造形用液体の表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20mN/m以上45mN/m以下が好ましく、25mN/m以上34mN/m以下がより好ましい。
前記表面張力が、20mN/m以上であると、立体造形の際に立体造形用液体の吐出性が良好であり、45mN/m以下であると、吐出ノズル等に立体造形用液体を充填する際の充填性が良好である。
なお、前記表面張力は、例えば、表面張力計(自動接触角計DM−701、協和界面科学株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記粘度が、3mPa・s以上20mPa・s以下の範囲であると、立体造形の際の立体造形用液体の吐出性が良好である。
なお、前記粘度は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)などを用いて25℃の環境下で測定することができる。
前記80%歪み圧縮応力は、例えば、万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)などを用いて測定することができる。
本発明の立体造形用液体セットは、第一の液体と、第二の液体とを含んでなり、第三の液体及び第四の液体を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分等を含んでなる。
前記第二の液体としては、ハイドロゲル前駆体を含み、前記第一の液体とは組成が異なる以外は同様のものを用いることができる。
前記第一の液体とは組成が異なるとは、前記第二の液体を構成する成分の種類及び含有量の少なくともいずれかが前記第一の液体とは異なることを意味する。
前記第三の液体は、重合開始剤を少なくとも含み、水、及び有機溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、多官能モノマー、単官能モノマー、及びその他の成分を含有してもよい。なお、前記第三の液体は、層状鉱物は含まない。
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
前記熱重合開始剤及び光重合開始剤としては、本発明の前記立体造形用液体と同様のものを用いることができる。
前記第三の液体は、保存安定性の点から、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかよりも光重合開始剤の含有量が多いことが好ましく、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかが、光重合開始剤を含有しないことがより好ましい。
前記第三の液体は、50℃で2週間放置した前後の粘度変化率が20%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましい。
前記粘度変化率が、10%以下であると、前記第三の液体の保存安定性が適正であり、例えば、前記第三の液体の付与をインクジェット法により行った際に吐出安定性が良好となる。
前記第三の液体をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽中に2週間放置した後、恒温槽から取り出して室温(25℃)になるまで放置して、粘度測定を行う。恒温槽に入れる前の第三の液体の粘度を保存前粘度、恒温槽から取り出した後の第三の液体の粘度を保存後粘度とし、下記式により粘度変化率を算出する。なお、前記保存前粘度及び前記保存後粘度は、R型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
粘度変化率(%)=[(保存後粘度)−(保存前粘度)]/(保存前粘度)×100
前記第三の液体の保存後粘度は、25℃で、3mPa・s以上12mPa・s以下が好ましい。
前記第四の液体は、ハイドロゲル(軟質体)で構成される立体造形物を支持するための硬質成形体となる液体である(「硬質成形体用材料」ともいう)。前記第四の液体は、硬化性材料を含有し、重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなるが、水や層状鉱物は含まない。
前記硬化性材料としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)照射、加熱等により重合反応を生起し硬化する化合物であることが好ましく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性エネルギー線硬化性化合物、熱硬化性化合物などが挙げられる。これらの中でも、常温で液体の材料が好ましい。
前記硬化性材料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、水溶性樹脂、低沸点アルコール、界面活性剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
前記表面張力が、20mN/m以上であると、立体造形の際の吐出性が良好であり、45mN/m以下であると、立体造形用の吐出ノズル等に前記第四の液体を充填する際の充填性が良好である。
なお、前記表面張力は、例えば、表面張力計(自動接触角計DM−701、協和界面科学株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下の範囲において、立体造形の際の前記第四の液体の吐出性が良好である。
なお、前記粘度は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)などを用いて25℃の環境下で測定することができる。
<第一の形態>
本発明の第一の形態に係る立体造形物の製造方法は、第一の工程と、第二の工程とを含み、第五の工程及び第八の工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記第一の工程は、多官能モノマーを少なくとも含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体を付与して成膜する工程である。
前記第一の液体としては、本発明の前記立体造形用液体と同様のものを用いることができる。
これらの中でも、本発明においては、前記インクジェット方式が特に好ましい。前記インクジェット方式は、前記スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、前記ディスペンサー方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
前記第二の工程は、前記第一の工程で形成された膜を硬化させる工程である。
前記紫外線(UV)照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。
前記超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
前記メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものを使用することができる。
なお、前記加熱は、単独で行うことができるが、紫外線照射前、紫外線照射と同時、又は紫外線照射後に行うこともできる。
前記第五の工程は、重合開始剤を少なくとも含む第三の液体を、前記第一の液体と同じ位置に付与する工程である。
前記第五の工程は、前記第一の工程と前記第二の工程の間で行われることが好ましい。
前記第三の液体としては、重合開始剤を含み、前記第一の液体とは組成が異なる以外は同様のものを用いることができる。前記第一の液体と組成が異なるとは、前記第一の液体を構成する成分の種類及び含有量の少なくともいずれかが前記第三の液体とは異なることを意味する。
前記第三の液体を前記第一の液体と同じ位置に付与するとは、先に付与されている前記第一の液体の上に、重ねて前記第三の液体を付与することを意味する。前記第三の液体は、前記第一の液体と相溶可能であるため、前記第三の液体を前記第一の液体と同じ位置に付与することにより、前記第三の液体中に含まれている重合開始剤を前記第一の液体中に含まれるモノマーの重合開始剤として働かせることができる。
前記第三の液体を付与する方法としては、前記第三の液体からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記第八の工程は、前記ハイドロゲルで構成される立体造形物を支持するための硬質成形体となる第四の液体を、前記第一の液体とは異なる位置に付与して成膜する工程である。
前記第一の液体と異なる位置に付与するとは、前記第四の液体と前記第一の液体の付与位置が重ならないことを意味し、前記第四の液体と前記第一の液体とが隣接していても構わない。前記第四の液体は、前記第一の液体と組成が異なり混和しにくいため、前記第四の液体と前記第一の液体とが隣接する場合でも、硬化後の両者の境界は明瞭となる。
前記第四の液体を付与する方法としては、前記第四の液体からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三次元データの取得や加工を行うデータ処理工程、ハイドロゲルとその支持体(硬質成形体)を剥離する剥離工程、立体造形物の清浄工程、立体造形物の研磨工程などが挙げられる。
本発明の第二の形態に係る立体造形物の製造方法は、前記第一の工程と、第三の工程と、第四の工程とを含み、第六の工程及び第七の工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記第三の工程は、ハイドロゲル前駆体を含み、前記第一の液体とは組成の異なる第二の液体を前記第一の液体とは異なる位置に付与して成膜する工程である。
前記第一の液体とは異なる位置に付与するとは、前記第一の液体と前記第二の液体の付与位置が重ならないことを意味し、前記第一の液体と前記第二の液体とが隣接していても構わない。前記第二の液体は、前記第一の液体と組成が異なるが相溶可能であるため、前記第二の液体と前記第一の液体とが隣接する隣接部で両者は相溶し、硬化させると互いに弾性率が異なる1つのハイドロゲルを形成することができる。
前記第一の液体及び第二の液体としては、本発明の立体造形用液体セットにおける前記第一の液体及び前記第二の液体と同様のものを用いることができる。
前記第二の液体を付与する方法としては、前記第二の液体からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記第四の工程は、前記第一の工程及び前記第三の工程でそれぞれ形成された膜を硬化させる工程である。
前記第一の工程で形成された膜の硬化と、前記第三の工程で形成された膜の硬化とは、同時に行ってもよいし、別々に行ってもよいが、生産効率の点から同時に行うことが好ましい。
前記膜を硬化する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第一の形態の立体造形物の製造方法における前記第二の工程と同様である。
前記第六の工程は、重合開始剤を少なくとも含む第三の液体を、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与する工程である。
前記第六の工程は、前記第一の工程と前記第三の工程の間、又は前記第三の工程と前記第四の工程の間で行われることが好ましい。
前記第三の液体としては、重合開始剤を含み、前記第一の液体及び前記第二の液体とは組成が異なる以外は同様のものを用いることができる。前記第一の液体及び前記第二の液体とは組成が異なるとは、前記第一の液体及び前記第二の液体を構成する成分の種類及び含有量の少なくともいずれかが前記第三の液体とは異なることを意味する。
前記第三の液体を前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与するとは、先に付与されている前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかの上に、重ねて前記第三の液体を付与することを意味する。前記第三の液体は、前記第一の液体及び前記第二の液体と相溶可能であるため、前記第三の液体を前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与することにより、前記第三の液体中に含まれている重合開始剤を前記第一の液体及び前記第二の液体中に含まれるモノマーの重合開始剤として働かせることができる。
前記第三の液体を付与する方法としては、前記第三の液体からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記第七の工程は、前記ハイドロゲルで構成される立体造形物を支持するための硬質成形体となる第四の液体を、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかとは異なる位置に付与して成膜する工程である。
前記第一の液体及び第二の液体とは異なる位置に付与するとは、前記第四の液体と前記第一の液体及び第二の液体の付与位置が重ならないことを意味し、前記第四の液体と前記第一の液体及び第二の液体とが隣接していても構わない。前記第四の液体は、前記第一の液体及び前記第二の液体と組成が異なり混和しにくいため、前記第四の液体と前記第一の液体又は前記第二の液体とが隣接する場合でも、硬化後の両者の境界は明瞭となる。
前記第四の液体を付与する方法としては、前記第四の液体からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三次元データの取得や加工を行うデータ処理工程、ハイドロゲルとその支持体(硬質成形体)を剥離する剥離工程、立体造形物の清浄工程、立体造形物の研磨工程などが挙げられる。
従来の造形方法においては、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと前記第四の液体との接触部分が相溶し、光硬化時に境界が不鮮明になる。その結果、立体造形物の表面に微小な凹凸が残留する結果となるが、本発明の立体造形物の製造方法においては、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと前記第四の液体とが非相溶状態であることにより、光硬化後の境界が鮮明になる。更に、得られた立体造形物と支持体との硬度の差により、剥離性が向上する。これにより、立体造形物の表面平滑性が向上し、造形後の研磨工程を省略又は大幅に軽減することが可能となる。
図2は、本発明で用いられる立体造形装置の一例を示す概略図である。
図2の立体造形装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、造形物用噴射ヘッドユニット30から前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかを、支持体用噴射ヘッドユニット31、32から前記第三の液体を噴射し、隣接した紫外線照射機又は赤外線照射装置33、34で立体造形用液体セットの各液体を硬化しながら積層する。
なお、図2では、造形物用噴射ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。また、紫外線照射機33、34に隣接した位置に赤外線照射機(不図示)を増設して立体造形用液体セットの各液体を加熱硬化しながら積層することもできる。
前記第四の液体を支持体用噴射ヘッドユニット31、32から噴射し固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成し、前記第一の支持体層の溜部に前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかを造形物用噴射ヘッドユニット30から噴射し、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して第一の造形物層を形成して、前記第一の支持体層の上に前記第四の液体を噴射し固化させて溜部を有する第二の支持体層を積層し、前記第二の支持体層の溜部に前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかを噴射し、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して前記第一の造形物層の上に第二の造形物層を積層して立体造形物35を製作する。
本発明の立体造形物は、本発明の前記立体造形用液体を硬化させてなるハイドロゲルからなり、好ましくは、第一のハイドロゲルで構成された第一の領域と、前記第一のハイドロゲルとは異なる弾性率(80%歪み圧縮応力又は圧縮弾性率)を有する第二のハイドロゲルで構成された第二の領域とを少なくとも有し、用途にもよるが、前記第一のハイドロゲル及び前記第二のハイドロゲルのいずれか一方の80%歪み圧縮応力が0.4MPa以上であり、もしくは圧縮弾性率が0.3MPa以上が好ましい。これにより、1つの立体造形物中に弾性率が異なる領域を有する立体造形物(ハイドロゲル)が得られる。
前記80%歪み圧縮応力は、例えば、万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)などを用いて測定することができる。前記圧縮弾性率は、10%歪み圧縮応力と20%歪み圧縮応力の差分をとり10%変位時の傾きとして算出することができる。
前記水溶性有機ポリマーは、水系のゲルの強度を保つために有利な構成成分である。
前記有機ポリマーは、水溶性を示す限りにおいて、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、また、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよいが、ホモポリマーが好ましい。
本発明において、前記水溶性有機ポリマーの水溶性とは、例えば、30℃の水100gに該水溶性有機ポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
−硬質成形体用液体1の作製−
硬化性材料としてウレタンアクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名:ダイヤビームUK6038)10質量部、硬化性材料としてネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジメタクリレート(日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD MANDA)90質量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名:イルガキュア184)3質量部、及び着色剤として青顔料(東洋インキ株式会社製、商品名:Lionol Blue 7400G)2質量部からなる合計300gをホモジナイザー(日立工機株式会社製、HG30)を用いて、回転数2,000rpmで均質な混合物が得られるまで分散した。続いて、ろ過を行い不純物等を除去し、最後に真空脱気を10分間実施し、硬質成形体用液体1を得た。
得られた硬質成形体用液体1について、以下のようにして、表面張力及び粘度を測定したところ、表面張力は27.1mN/m、粘度は25℃で10.1mPa・sであった。
得られた硬質成形体用液体1について、表面張力計(自動接触角計DM−701、協和界面科学株式会社製)を用いて、懸滴法により表面張力を測定した。
得られた硬質成形体用液体1について、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)を用いて、25℃で粘度を測定した。
<立体造形用液体1(第一の液体又は第二の液体)の作製>
表1に示す組成に基づき、以下のようにして、立体造形用液体1を作製した。
減圧脱気を10分間実施したイオン交換水を純水として用いた。
・光重合開始剤液として、エタノール98質量部に対して光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)を2質量部の割合で溶解させ、水溶液として準備した。
・熱重合開始剤液1として、純水98質量部に対してペルオキソ2硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を2質量部の割合で溶解させ、水溶液として準備した。
・熱重合開始剤液2として、純水98質量部に対してVA−067(和光純薬工業株式会社製)を2質量部の割合で溶解させ、水溶液として準備した。
まず、前記純水195質量部を攪拌させながら、層状鉱物として[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na− 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)8質量部を少しずつ添加し、攪拌して分散液を作製した。
次に、得られた分散液に、単官能モノマーとして活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したN,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、DMAA)20質量部、及び多官能モノマーとしてメチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、MBAA)0.3質量部を添加した。更に、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)2質量部を添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、前記光重合開始剤液を0.5質量部、及び前記熱重合開始剤液1を5質量部添加し、攪拌混合後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い不純物等を除去し、立体造形用液体1を調製した。
得られた立体造形用液体1について、前記硬質成形体用液体1と同様にして測定した表面張力は31.1mN/mであり、前記硬質成形体用液体1と同様にして測定した粘度は25℃で9.8mPa・sであった。これらの結果を表1に示した。
次に、前記立体造形用液体1を型に流し込み、石英ガラスで蓋をして密閉状態とし、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)で350mJ/cm2の光量を照射して、10mm×10mm×10mmの立方体形状のハイドロゲル1を作製した。
得られたハイドロゲル1について、以下のようにして、圧縮試験を行った。結果を表1に示した。
万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)に、ロードセル1kN、1kN用圧縮治具を設け、10mm×10mm×10mmの形状のハイドロゲル1を設置した。前記ロードセルに掛かる圧縮に対する応力をコンピュータに記録し、変位量に対する応力をプロットした。
破断したハイドロゲルについては破断時の圧縮応力を最大値とし、破断しなかったハイドロゲルについては80%歪み圧縮応力を示す。
また、ハイドロゲルの圧縮弾性率も同じ万能試験機から得られる測定データより得た。圧縮弾性率としては、10%歪み圧縮応力と20%歪み圧縮応力との差分をとり10%変位時の傾きとして算出した。
<立体造形用液体2〜9の作製>
実施例1において、下記表1〜表3に示す組成及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形用液体2〜9を調製した。
得られた立体造形用液体2〜9について、実施例1と同様にして、表面張力、及び粘度を測定した。結果を表1〜表3に示した。
次に、得られた立体造形用液体2〜7、9を用い、前記ハイドロゲル1の作製と同様にして、ハイドロゲル2〜7、9を作製した。また、立体造形用液体8を用い、前記ハイドロゲル1の作製時に使用した紫外線照射機を赤外線照射機に変更して、80℃に加熱してハイドロゲル8を作製した。
得られたハイドロゲル2〜9について、前記ハイドロゲル1と同様にして、圧縮試験を行った。結果を表1〜表3に示した。
*層状鉱物:XLG:[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na− 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)
*単官能モノマー1:DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)
*単官能モノマー2:IPAM:N−イソプロピルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)
*多官能モノマー:MBAA:メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)
*光重合開始剤液(イルガキュア184を2質量部/エタノール98質量部)
*熱重合開始剤液1(ペルオキソ2硫酸Naを2質量部/水98質量部)
*熱重合開始剤液2(VA−067を2質量部/水98質量部)
表4に示す立体造形用液体セットを用い、図2に示す立体造形装置を用い、図4A及び図4Bに示すような立体造形物を作製した。
まず、第1の液体としての前記立体造形用液体1及び第2の液体としての前記立体造形用液体4を、立体造形装置のインクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、MH2420)に通じる2つのタンクに充填し、各インクジェットヘッドから前記2種の立体造形用液体をそれぞれ噴射させ、膜を製膜した。なお、前記第一の液体と前記第二の液体とは異なる位置に噴射されていた。
次に、前記膜に、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)で350mJ/cm2の光量を照射して、前記膜を硬化させた。これら一連の工程を繰り返すことにより、立体造形物1を造形した。
得られた立体造形物1は、図4A及び図4Bに示すように、内部にハイドロゲル4からなる領域B、該領域Bの外側に、ハイドロゲル1からなる領域Aを有していた。
得られた立体造形物1について、以下のようにして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
○:立体造形物が図4A及び図4Bに示す異なる弾性率の2つの領域A、Bから形成されている
△:立体造形物が図4A及び図4Bに示す異なる弾性率の2つの領域A、Bから形成されているが、搬送の際に崩れやすく、立体造形物として問題がある
×:立体造形物が図4A及び図4Bに示す異なる弾性率の2つの領域A、Bから形成されていない
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体2及び第2の液体としての立体造形用液体4を用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物2の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体3及び第2の液体としての立体造形用液体4を用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物3の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体1、第2の液体としての立体造形用液体4、及び第4の液体としての硬質成形体用液体1を用い、立体造形物4及び支持体の形成を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体5及び第2の液体としての立体造形用液体4を用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物5の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体6及び第2の液体としての立体造形用液体4を用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物6の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体7及び第2の液体としての立体造形用液体4を用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物7の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体として立体造形用液体1及び第2の液体として立体造形用液体8を用い、実施例8と同様にして、立体造形用液体1については紫外線照射機で照射して硬化させ、立体造形用液体8については赤外線照射機で80℃に加熱して硬化させ、これら一連の工程を繰り返すことにより、立体造形物8の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体として立体造形用液体8及び第2の液体として立体造形用液体1を用い、実施例9と同様にして、立体造形用液体1については紫外線照射機で照射して硬化させ、立体造形用液体8については赤外線照射機で80℃に加熱して硬化させ、これら一連の工程を繰り返すことにより、立体造形物9の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
実施例9において、表4に示すように第1の液体としての立体造形用液体9、第2の液体としての立体造形用液体4、及び第4の液体としての硬質成形体用液体1を用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物10の立体造形及び支持体の形成を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
第2の液体として立体造形用液体4を用い、予め内部構造体を型で形成し、それを型内に設置して第1の液体としての立体造形用液体1を更に型に流し込み、石英ガラスで蓋をして密閉状態とし、実施例9と同様にして、光硬化させたが、中心形状をなす、領域Bが所定位置に固定できず、下部に落下してしまい、立体造形物を作製できなかった。
実施例9において、表4に示すように立体造形用液体1を1種のみ用いた以外は、実施例9と同様にして、立体造形物11の立体造形を行い、実施例9と同様にして、立体造形物の構造を評価した。結果を表5に示した。
<第一の液体又は第二の液体(立体造形用液体)1−1の調製>
まず、前記純水195質量部を攪拌させながら、層状鉱物として[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na− 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)16質量部を少しずつ添加し、攪拌して分散液を作製した。
次に、得られた分散液に、単官能モノマーとして活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したN,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、DMAA)20質量部、及び多官能モノマーとしてメチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、MBAA)0.3質量部を添加した。更に、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)2質量部を添加して混合した後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、第一液体又は第二の液体(立体造形用液体)1−1を調製した。
得られた第一の液体又は第二の液体1−1をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽に2週間放置し、前記恒温槽から取り出して室温(25℃)になるまで放置し、1気圧下で初期粘度(保存前粘度)を測定した。
前記第一の液体又は第二の液体1−1をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽に2週間放置した後、恒温槽から取り出した。恒温槽から取り出した前記第一の液体又は第二の液体1−1を、室温(25℃)になるまで放置した後、1気圧下で保存後粘度を測定した。前記保存前粘度及び前記保存後粘度は、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)を用いて測定した。
得られた測定結果から、下記の数式1により、粘度変化率を算出し、下記基準で保存安定性を評価した。
[数式1]
粘度変化率(%)=[(保存後粘度)−(保存前粘度)]/(保存前粘度)×100
[評価基準]
A:粘度変化率が10%以下である。
B:粘度変化率が10%を超え、20%以下である。
C:粘度変化率が20%を超えている。
前記保存前粘度、前記保存後粘度の測定結果、及び前記保存安定性の評価結果について表6に示した。
<第一の液体又は第二の液体(立体造形用液体)1−2、及び1−4〜1−5の調製>
前記調製例1において、下記表6に示す組成及び含有量に変更した以外は、前記調製例1と同様にして、第一又は第二の液体1−2、及び1−4〜1−5を調製した。
得られた第一の液体又は第二の液体1−2、及び1−4〜1−5について、調製例1と同様にして、保存安定性を評価した。結果を表6に示した。
<第一の液体又は第二の液体(立体造形用液体)1−3の調製>
まず、前記純水195質量部を攪拌させながら、層状鉱物として[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na− 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)8質量部を少しずつ添加し、攪拌して分散液を作製した。
次に、得られた分散液に、単官能モノマー2として活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したN−イソプロピルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、IPAM)20質量部、及び多官能モノマーとしてメチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、MBAA)0.3質量部を添加した。更に、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)2質量部を添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、前記光重合開始剤液を1質量部、及び前記熱重合開始剤液1を10質量部添加し、攪拌混合後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い不純物等を除去し、第一の液体又は第二の液体(立体造形用液体)1−3を調製した。
得られた第一の液体又は第二の液体1−3について、調製例1と同様にして、保存安定性を評価した。結果を表6に示した。
<第三の液体3−1〜3−3の調製>
前記調製例3において、下記表7に示す組成及び含有量に変更した以外は、前記調製例3と同様にして、第三の液体3−1〜3−3を調製した。
得られた第三の液体3−1〜3−3について、調製例1と同様にして、保存安定性を評価した。結果を表7に示した。
*層状鉱物:XLG:[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na− 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)
*単官能モノマー1:DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)
*単官能モノマー2:IPAM:N−イソプロピルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)
*多官能モノマー:MBAA:メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)
*光重合開始剤液(イルガキュア184を2質量部/エタノール98質量部)
*熱重合開始剤液1(ペルオキソ2硫酸Naを2質量部/水98質量部)
表8に示す立体造形用液体セットを用い、図2に示す立体造形装置を用いて、立体造形物を作製した。
具体的には、表8に示す前記第一液体又は第二の液体、及び前記第三の液体を、立体造形装置のインクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、MH2420)に通じる2つタンクに充填し、各インクジェットヘッドから前記2種の液体をそれぞれ噴射させ、膜を製膜した。なお、前記第三の液体は、前記第一の液体又は前記第二の液体と同一の位置に噴射した。
次に、前記膜に、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)で、表8に示す光量の紫外線を照射して、前記膜を硬化させた。これら一連の工程を繰り返すことにより、実施例18〜20、及び22の立体造形物を作製した。
下記表8に示すように立体造形用液体セットとして、図2の支持体用噴射ヘッドユニット31に硬質成形体用液体1を用い、立体造形物及び支持体を形成した以外は、実施例18〜20、及び22と同様にして、実施例21の立体造形物を作製した。
万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)に、ロードセル1kN、1kN用圧縮治具を設け、10mm×10mm×10mmの形状の立体造形物を設置した。前記ロードセルに掛かる圧縮に対する応力をコンピュータに記録し、変位量に対する応力をプロットした。
破断した立体造形物については破断時の圧縮応力を最大値とし、破断しなかった立体造形物については80%歪み圧縮応力とし、下記基準により評価した。
[評価基準]
○:立体造形物の80%歪み圧縮応力が1.0MPa以上である
△:立体造形物の80%歪み圧縮応力が0.4MPa以上1.0MPa未満である
×:立体造形物の80%歪み圧縮応力が0.4MPa未満である
実施例12の立体造形用液体セットと同じ立体造形用液体1、立体造形用液体4、及び硬質成形体用液体1を用い、図2に示す立体造形装置により、データ処理を特許第5239037号公報の記載に準じて行い得られた、肝臓の三次元モデルデータに基づき、ブタの肝臓の臓器モデルを造形した。
得られた肝臓の臓器モデルは、実際のブタの肝臓と形状、触感、及び弾力が近似していた。
<1> 多官能モノマーを少なくとも含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体を付与して成膜する第一の工程と、
前記第一の工程で形成された膜を硬化させる第二の工程と、
を複数回繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 多官能モノマーを少なくとも含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体を付与して成膜する第一の工程と、
ハイドロゲル前駆体を含み、前記第一の液体とは組成の異なる第二の液体を前記第一の液体とは異なる位置に付与して成膜する第三の工程と、
前記第一の工程及び前記第三の工程でそれぞれ形成された膜を硬化させる第四の工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<3> 重合開始剤を少なくとも含む第三の液体を、前記第一の液体と同じ位置に付与する第五の工程を更に含む前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 重合開始剤を少なくとも含む第三の液体を、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与する第六の工程を更に含む前記<2>に記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記第三の液体における重合開始剤の含有量が、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかにおける重合開始剤の含有量よりも多い前記<4>に記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかが、重合開始剤を含有しない前記<2>及び<4>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかが、重合開始剤を含有する前記<2>及び<4>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 前記重合開始剤が、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれかである前記<3>から<5>及び<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 前記ハイドロゲル前駆体が、単一層の状態で水に分散した層状鉱物を少なくとも含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記第一の液体及び第二の液体の少なくともいずれかが単官能モノマーを含む前記<2>及び<4>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記第二の液体が多官能モノマーを含む前記<2>及び<4>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記層状鉱物が合成ヘクトライトである前記<9>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記多官能モノマーが、活性エネルギー線硬化型モノマーである前記<1>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記単官能モノマー又は多官能モノマーが、そのホモポリマーが水溶性である前記<10>から<13>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 前記第一の液体の付与方法が、インクジェット法及びディスペンサー法のいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<16> 前記第二の液体の付与方法が、インクジェット法及びディスペンサー法のいずれかである前記<2>に記載の立体造形物の製造方法である。
<17> 前記第三の液体の付与方法が、インクジェット法及びディスペンサー法のいずれかである前記<3>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<18> 第一の液体を付与して成膜する第一の工程と、
第二の液体を前記第一の液体とは異なる位置に付与して成膜する第三の工程と、
前記第一の工程及び前記第三の工程でそれぞれ形成された膜を硬化させる第四の工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
前記第一の液体及び前記第二の液体は、硬化させると互いに弾性率が異なるハイドロゲルとなるものであることを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<19> 重合開始剤を少なくとも含む第三の液体を、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与する第六の工程を更に含む前記<18>に記載の立体造形物の製造方法である。
<20> 前記ハイドロゲルの一方の80%歪み圧縮応力が0.4MPa以上である前記<18>から<19>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<21> 前記ハイドロゲルで構成される立体造形物を支持するための硬質成形体となる第四の液体を、前記第一の液体及び第二の液体の少なくともいずれかとは異なる位置に付与して成膜する第七の工程を更に含む前記<18>から<20>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<22> 多官能モノマーを少なくとも含むハイドロゲル前駆体であることを特徴とする立体造形用液体である。
<23> 粘度が25℃で3mPa・s以上20mPa・s以下であり、かつ硬化させて得られるハイドロゲルの80%歪み圧縮応力が0.4MPa以上である前記<22>に記載の立体造形用液体である。
<24> 多官能モノマーを少なくとも含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体と、ハイドロゲル前駆体を含み前記第一の液体とは組成の異なる第二の液体と、を含むことを特徴とする立体造形用液体セットである。
<25> 前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかよりも重合開始剤の含有量が多い第三の液体を更に有する前記<24>に記載の立体造形用液体セットである。
<26> 前記第三の液体の50℃で2週間放置した前後の粘度変化率が20%以下である前記<25>に記載の立体造形用液体セットである。
<27> 前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかが、重合開始剤を含有しない前記<24>から<26>のいずれかに記載の立体造形用液体セットである。
<28> 前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかが、重合開始剤を含有する前記<24>から<26>のいずれかに記載の立体造形用液体セットである。
<29> 前記重合開始剤が、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれかである前記<25>から<26>及び<28>のいずれかに記載の立体造形用液体セットである。
<30> 前記第一の液体及び前記第二の液体が、硬化させると互いに弾性率が異なるハイドロゲルとなるものである前記<24>から<29>のいずれかに記載の立体造形用液体セットである。
<31> 第一のハイドロゲルで構成された第一の領域と、前記第一のハイドロゲルとは異なる弾性率を有する第二のハイドロゲルで構成された第二の領域と、を少なくとも有し、
前記第一のハイドロゲル及び前記第二のハイドロゲルのいずれか一方の80%歪み圧縮応力が0.4MPa以上であることを特徴とする立体造形物である。
<32> 前記第一のハイドロゲル及び第二のハイドロゲルのいずれか一方の圧縮弾性率が0.3MPa以上である前記<31>に記載の立体造形物である。
<33> 前記第一の領域が、第二の領域を完全に包含している前記<31>から<32>のいずれかに記載の立体造形物である。
<34> 前記ハイドロゲルが、水溶性有機ポリマーと、層状鉱物の単一層分散体とが複合化して形成された三次元網目構造中に水が包含されているハイドロゲルである前記<31>から<33>のいずれかに記載の立体造形物である。
<35> 臓器モデルとして用いられる前記<31>から<34>のいずれかに記載の立体造形物である。
31、32 支持体用噴射ヘッドユニット
33、34 紫外線照射機又は赤外線照射装置
35 立体造形物
36 支持体
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 立体造形装置
Claims (15)
- 多官能モノマー、水膨潤性の層状鉱物、及び単官能モノマーを含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体を付与して成膜する第一の工程と、
前記第一の工程で形成された膜を硬化させる第二の工程と、
を複数回繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 多官能モノマー、単官能モノマー、及び水膨潤性の層状鉱物を含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体を付与して成膜する第一の工程と、
多官能モノマー、単官能モノマー、及び水膨潤性の層状鉱物を含むハイドロゲル前駆体を含み、前記第一の液体とは組成が異なり、かつ前記第一の液体と相溶可能な組成である第二の液体を前記第一の液体とは異なる位置に付与して成膜する第三の工程と、
前記第一の工程及び前記第三の工程でそれぞれ形成された膜を硬化させる第四の工程と、を複数回繰り返し、前記第一の液体と前記第二の液体を硬化させた硬化体の弾性率が異なることを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 重合開始剤を少なくとも含み、かつ前記第一の液体と相溶可能な組成である第三の液体を、前記第一の液体と同じ位置に付与する第五の工程を更に含む請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
- 重合開始剤を少なくとも含み、かつ前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと相溶可能な組成である第三の液体を、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与する第六の工程を更に含む請求項2に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記第三の液体における重合開始剤の含有量が、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかにおける重合開始剤の含有量よりも多い請求項4に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記ハイドロゲル前駆体が、単一層の状態で水に分散した層状鉱物を少なくとも含む請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 多官能モノマー、単官能モノマー、及び水膨潤性の層状鉱物を含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体を付与して成膜する第一の工程と、
多官能モノマー、単官能モノマー、及び水膨潤性の層状鉱物を含むハイドロゲル前駆体を含み、前記第一の液体とは組成が異なり、かつ前記第一の液体と相溶可能な組成である第二の液体を前記第一の液体とは異なる位置に付与して成膜する第三の工程と、
前記第一の工程及び前記第三の工程でそれぞれ形成された膜を硬化させる第四の工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
前記第一の液体及び前記第二の液体は、硬化させると互いに弾性率が異なるハイドロゲルとなるものであることを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 重合開始剤を少なくとも含み、かつ前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと相溶可能な組成である第三の液体を、前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと同じ位置に付与する第六の工程を更に含む請求項7に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記ハイドロゲルで構成される立体造形物を支持するための硬質成形体となる第四の液体を、前記第一の液体及び第二の液体の少なくともいずれかとは異なる位置に付与して成膜する第七の工程を更に含む請求項7から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 多官能モノマー、水膨潤性の層状鉱物、及び単官能モノマーを含むハイドロゲル前駆体としての第一の液体と、多官能モノマー、単官能モノマー、及び水膨潤性の層状鉱物を含むハイドロゲル前駆体を含み、前記第一の液体とは組成が異なり、かつ前記第一の液体と相溶可能な組成である第二の液体と、を含み、
前記第一の液体と前記第二の液体を硬化させた硬化体の弾性率が異なることを特徴とする立体造形用液体セット。 - 前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかよりも重合開始剤の含有量が多く、かつ前記第一の液体及び前記第二の液体の少なくともいずれかと相溶可能である第三の液体を更に有する請求項10に記載の立体造形用液体セット。
- 第一のハイドロゲルで構成された第一の領域と、前記第一のハイドロゲルとは異なる弾性率を有する第二のハイドロゲルで構成された第二の領域と、を少なくとも有し、
前記第一のハイドロゲル及び前記第二のハイドロゲルが、水溶性有機ポリマーと、層状鉱物の単一層分散体とが複合化して形成された三次元網目構造中に水が包含されているハイドロゲルであり、
前記第一のハイドロゲル及び前記第二のハイドロゲルのいずれか一方の80%歪み圧縮応力が0.4MPa以上であることを特徴とする立体造形物。 - 前記第一のハイドロゲル及び前記第二のハイドロゲルのいずれか一方の圧縮弾性率が0.3MPa以上である請求項12に記載の立体造形物。
- 前記第一の領域が、前記第二の領域を完全に包含している請求項12から13のいずれかに記載の立体造形物。
- 臓器モデルとして用いられる請求項11から14のいずれかに記載の立体造形物。
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