JP2019163473A - ハイドロゲル前駆体液及び立体造形用液体セット、並びに、それらを用いたハイドロゲル造形体及び立体造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、一つの造形体に弾性率の高いハイドロゲル造形体で造形された高弾性率の造形部、及び低弾性率の造形部を任意の部分に有する、複雑な内部構造もったハイドロゲル造形体を製造でき、保存安定性が良好なハイドロゲル前駆体液を提供することを目的とする。
本発明のハイドロゲル前駆体液は、無機鉱物、及びモノマーを少なくとも含有し、ホスホン酸化合物や溶媒を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記無機鉱物は、ハイドロゲル造形体の弾性率(80%歪み圧縮応力又は圧縮弾性率)を高めるために含まれる成分である。
前記無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状鉱物などが挙げられる。
前記層状鉱物は、単一層の状態で水に分散した図1の上図に示すように、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈しており、前記層状鉱物を水中で分散させると、図1の下図に示すように、各単一層状態で分離して円盤状の結晶となる。
前記水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高弾性のハイドロゲル造形体が得られる点から、水膨潤性ヘクトライトが好ましい。
前記水膨潤性ヘクトライトは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、ハイドロゲル造形体の弾性率の点から、合成ヘクトライトが好ましい。
前記水膨潤性とは、図1に示すように無機鉱物の層間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
前記モノマーとしては、前記無機鉱物と架橋することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性モノマーであることが好ましい。
前記水溶性モノマーの水溶性とは、例えば、30℃の水100gに前記水溶性モノマーのホモポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
前記モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物であり、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。更に、前記多官能モノマーとして、2官能モノマー、3官能モノマー、3官能以上のモノマーなどが挙げられる。
前記モノマーとしては、ハイドロゲル造形体の造形性の点から、活性エネルギー線重合型モノマーが好ましい。
前記アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、ハイドロゲル造形体の強度を保つために有利な構成成分である。
前記ホスホン化合物は、前記ハイドロゲル前駆体液の保存安定性を向上させる上で好適な材料である。
前記ホスホン酸化合物としては、ホスホン酸であってもよいし、ホスホン酸塩又はその中間体であってもよい。
前記ホスホン酸化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
前記R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基を表し、前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記アルキル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、アルキル基などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、−(OH)C(CH3)−が好ましい。
前記溶媒としては、前記ハイドロゲル前駆体液の材料を溶解可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、有機溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を並用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などを用いることができる。前記水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解乃至分散させてもよい。
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤としては、水性であることが好ましく、例えば、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクタム、エチレングリコール、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、プロピルプロピレンジグリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の含有量は、ハイドロゲル前駆体液の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の光重合開始剤、界面活性剤、着色剤、安定化剤、水溶性樹脂、低沸点アルコール、表面処理剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤などが挙げられる。
前記ハイドロゲル前駆体液の25℃での表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20mN/m以上45mN/m以下が好ましく、25mN/m以上34mN/m以下がより好ましい。
前記表面張力が、20mN/m以上であると、立体造形物の造形の際にハイドロゲル前駆体液の吐出性が良好であり、45mN/m以下であると、吐出ノズル等にハイドロゲル前駆体液を充填する際の充填性が良好である。
なお、前記表面張力は、例えば、表面張力計(自動接触角計DM−701、協和界面科学株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記粘度が、3mPa・s以上20mPa・s以下の範囲であると、立体造形物の造形の際のハイドロゲル前駆体液の吐出性が良好である。
なお、前記粘度は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)などを用いて25℃、常圧の環境下で測定することができる。
前記放置後粘度と前記初期粘度の比(放置後粘度/初期粘度)が、0.90〜1.10であると、前記ハイドロゲル前駆体液の保存安定性が適正であり、前記無機鉱物を多く含むハイドロゲル前駆体液の粘度が低く保たれ、立体造形用液体セットや立体造形物の製造方法に好適に用いられる。
前記放置後粘度と前記初期粘度の比(放置後粘度/初期粘度)は、以下のようにして算出することができる。
前記初期粘度は、ハイドロゲル前駆体液を調製後、前記ハイドロゲル前駆体液をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽に24時間放置した後、恒温槽から取り出して室温(25℃)に戻した後、常圧下で測定する。
前記放置後粘度は、前記ハイドロゲル前駆体液をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽に2週間放置した後、恒温槽から取り出して室温(25℃)に戻した後、常圧下で、測定する。
前記放置後粘度と前記初期粘度の値から、前記放置後粘度と前記初期粘度の比(放置後粘度/初期粘度)を算出する。
本発明の立体造形用液体セットは、第一のハイドロゲル前駆体液と、第二のハイドロゲル前駆体液とを含んでなり、硬質成形体(支持体)用液体を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分等を含んでなる。
前記立体造形用液体セットにより、一つのハイドロゲル造形体に異なる弾性率(80%歪み圧縮応力又は圧縮弾性率)を有し、臓器モデルに好適なハイドロゲル造形体を提供することができる。
前記第一のハイドロゲル前駆体液としては、本発明の前記ハイドロゲル前駆体液と同様のものを用いることができる。
前記第二のハイドロゲル前駆体液としては、前記第一のハイドロゲル前駆体液とは組成が異なるハイドロゲル前駆体液を用いることができる。
前記第一ハイドロゲル前駆体液の液体とは組成が異なるとは、前記第二のハイドロゲル前駆体液を構成する成分の種類及び含有量の少なくともいずれかが前記第一のハイドロゲル前駆体液とは異なることを意味する。
前記硬質成形体(支持体)用液体は、立体造形物の製造方法で使用される液体で、立体造形物の製造過程において、製造中のハイドロゲル造形体を支持する硬質成形体(支持体とも言う)となる液体である。前記硬質成形体(支持体)用液体は、硬化性材料を含有し、光重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなるが、水や無機鉱物は含まない。
前記硬化性材料としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)照射、加熱等により重合反応を生起し硬化する化合物であることが好ましく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性エネルギー線重合性化合物、熱硬化性化合物などが挙げられる。これらの中でも、常温(25℃)で液体の材料が好ましい。
前記硬化性材料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、水溶性樹脂、低沸点アルコール、界面活性剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
本発明の立体造形物の製造方法は、前記第一のハイドロゲル前駆体液、又は前記立体造形用液体セットを用いて、ハイドロゲル造形体を製造する方法である。
前記立体造形物の製造方法により、臓器モデル等に代表される複雑かつ精細な立体造形物を簡便に効率よく製造可能な、立体造形物の製造方法を提供することができる。
前記立体造形用液体を硬化させる工程は、前記第一のハイドロゲル前駆体液を硬化させる工程である。
前記第一のハイドロゲル前駆体液を硬化する手段としては、例えば、紫外線(UV)照射ランプ、電子線照射装置などが挙げられる。前記第一のハイドロゲル前駆体液を硬化する手段には、オゾン除去機構を有していることが好ましい。
前記紫外線(UV)照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。
前記超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長造形部の照射が可能である。
前記メタルハライドは、波長造形部が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。
硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものを使用することができる。
前記第一の造形部形成工程は、前記第一のハイドロゲル前駆体液を基体上に配する工程と、前記基体上の前記第一のハイドロゲル前駆体液を硬化させる工程と、を含む。
前記第一のハイドロゲル前駆体液としては、本発明の立体造形用液体セットにおける前記第一のハイドロゲル前駆体液と同様のものを用いることができる。
前記第二の造形部形成工程は、前記第一のハイドロゲル前駆体液とは組成の異なる第二のハイドロゲル前駆体液を、前記第一のハイドロゲル前駆体液とは基体上の異なる位置に配する工程と、前記基体上に配した前記第二のハイドロゲル前駆体液を硬化させる工程を含む。
前記第一のハイドロゲル前駆体液とは基体上の異なる位置に配するとは、前記第一のハイドロゲル前駆体液と前記第二のハイドロゲル前駆体液を配する位置が重ならないことを意味し、前記第一のハイドロゲル前駆体液と前記第二のハイドロゲル前駆体液とが隣接していても構わない。
前記第二のハイドロゲル前駆体液を配する方法としては、前記第二のハイドロゲル前駆体液からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記立体造形体で構成される立体造形物を支持するための硬質成形体となる硬質成形体(支持体)用液体を、前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液とは基体上の異なる位置に配し、前記硬質成形体用液体を硬化させる工程、三次元データの取得や加工を行うデータ処理工程、立体造形体と硬質成形体を剥離する剥離工程、立体造形体の清浄工程、立体造形体の研磨工程などが挙げられる。
前記第一のハイドロゲル前駆体液及び第二のハイドロゲル前駆体液とは基体上の異なる位置に配するとは、前記硬質成形体(支持体)用液体と前記第一のハイドロゲル前駆体液及び第二のハイドロゲル前駆体液を配する位置が重ならないことを意味し、前記硬質成形体(支持体)用液体と前記第一のハイドロゲル前駆体液及び第二のハイドロゲル前駆体液とが隣接していても構わない。
前記硬質成形体(支持体)用液体を基体上に配する方法としては、前記硬質成形体(支持体)用液体からなる液滴が適切な精度で目的の場所に塗布できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
従来の造形方法においては、前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかと前記硬質成形体(支持体)用液体との接触部分が相溶し、光硬化時に境界が不鮮明になる。その結果、立体造形物の表面に微小な凹凸が残留する結果となるが、本発明の立体造形物の製造方法においては、前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかと前記硬質成形体(支持体)用液体とが非相溶状態であることにより、光硬化後の境界が鮮明になる。更に、得られた立体造形物と硬質成形体との硬度の差により、剥離性が向上する。これにより、立体造形物の表面平滑性が向上し、造形後の研磨工程を省略又は大幅に軽減することが可能となる。
図2は、本発明で用いられる立体造形装置の一例を示す概略図である。
図2の立体造形装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、造形物用噴射ヘッドユニット29、30から前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかを、支持体用噴射ヘッドユニット31、32から前記硬質成形体(支持体)用液体を噴射し、隣接した紫外線照射機33、34で立体造形用液体セットの各液体を硬化しながら積層する。
前記硬質成形体(支持体)用液体を支持体用噴射ヘッドユニット31、32から噴射し固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成し、前記第一の支持体層の溜部に前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかを造形物用噴射ヘッドユニット29、30から噴射し、前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して第一の造形物層を形成して、前記第一の支持体層の上に前記硬質成形体(支持体)用液体を噴射し固化させて溜部を有する第二の支持体層を積層し、前記第二の支持体層の溜部に前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかを噴射し、前記第一のハイドロゲル前駆体液及び前記第二のハイドロゲル前駆体液の少なくともいずれかに活性エネルギー線を照射して前記第一の造形物層の上に第二の造形物層を積層して立体造形物35を製作する。
前記ハイドロゲル造形体は、無機鉱物と、ホスホン酸化合物と、ポリマーとを含み、溶媒を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記無機鉱物としては、前記ハイドロゲル前駆体液に含有される無機鉱物と同様のものを用いることができる。
前記無機鉱物の含有量は、ハイドロゲル造形体全量に対して、15質量%以上であり、15質量%以上40質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましい。前記含有量が、15質量%以上であると、ハイドロゲル造形体の弾性率を高くすることができる。
前記無機鉱物の含有量は、熱分析装置(TG/DTA リガク社製)で前記ハイドロゲル造形体を500℃まで昇温乾燥させ、昇温乾燥後の残留分を分析することで求めることができる。
前記ポリマーとしては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有するポリマーが挙げられ、水溶性であることが好ましい。
前記ポリマーは、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、また、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよいが、ホモポリマーが好ましい。
本発明において、前記ポリマーの水溶性とは、例えば、30℃の水100gに該ポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
前記ホスホン酸化合物としては、前記ハイドロゲル前駆体液に含まれるホスホン酸と同様のものを用いることができる。
前記溶媒としては、前記ハイドロゲル造形体で使用できる前記溶媒と同様のものを使用できる。これらの中でも、水が好ましい。
本発明のハイドロゲル造形体の80%歪み圧縮応力は、1.0MPa以上が好ましく、2.0MPa以上がより好ましく、3.0MPa以上が特に好ましい。上限は用途に応じ適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、臓器モデル等の場合には、10MPa以下が好ましい。前記80%歪み圧縮応力が1.0MPa以上であると、高弾性であり、生体質感に近い硬さを再現でき、よりリアルな臓器モデルが提供できる。
前記ハイドロゲル造形体の圧縮弾性率は、0.1MPa以上1.0MPa以下が好ましく、0.3MPa以上0.8MPa以下であることがより好ましい。前記圧縮弾性率が前記好ましい数値範囲であると、高弾性であり、生体質感に近い硬さを再現でき、リアルな臓器モデルが提供できる。
前記80%歪み圧縮応力、及び前記圧縮弾性率は、例えば、万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)などを用いて測定することができる。前記万能試験機では、ロードセル1kN、1kN用圧縮治具を設けて測定する。前記万能試験機の測定に用いるサンプルは、10mm×10mm×10mmの立方体の形状のものを用いる。
これにより、1つのハイドロゲル造形体中に弾性率(80%歪み圧縮応力又は圧縮弾性率)が異なる造形部を有するハイドロゲル造形体が得られる。前記ハイドロゲル造形体は、前記第一の造形部が、前記第二の造形部を完全に包含していてもよいし、その逆の包含関係でもよく、前記第一もしくは第二の造形部が露出していてもよい。一方が他方の造形部を完全に包含するような立体造形物は、インクジェット法により各前駆体液を吐出、硬化させてなるハイドロゲル薄層を積層する方式により特に効率的に製造可能である。
<ハイドロゲル前駆体液1の作製>
表1に示す組成に基づき、以下のようにして、ハイドロゲル前駆体液1を作製した。
減圧脱気を10分間実施したイオン交換水を純水とする。
・開始剤液1として、エタノール96質量部に対して光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)を4質量部の割合で溶解させ、水溶液として準備した。
・開始剤液2として、純水98質量部に対してペルオキソ2硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を2質量部の割合で溶解させ、水溶液として準備した。
・開始剤液3として、テトラエチルメチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)を用いた。
まず、前記純水165質量部を攪拌させながら、層状鉱物として[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na− 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)20質量部を少しずつ添加し、攪拌して分散液を作製した。
次に、得られた分散液に、0.8質量部のエチドロン酸水溶液(キレストPH−210 有効成分含有量60質量%、キレスト社製)を添加し、30分間分散の後、更に前記合成ヘクトライト20質量部を少しずつ添加し、30分間攪拌した。前記合成ヘクトライトは、合計で40質量部添加した。その後、前記分散液を、50℃の恒温槽で10時間保管し、分散を安定化させた。
次に、得られた分散液に、モノマーとして活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ社製)20質量部、グリセリン30質量部を添加した。更に、界面活性剤として、エマルゲンSLS−106(花王株式会社製)1.0質量部を添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、前記開始剤液1を2.2質量部、及び前記開始剤液3を0.15質量部添加し、攪拌混合後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過により不純物等を除去し、ハイドロゲル前駆体液1を調製した。
得られたハイドロゲル前駆体液1をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽に24時間放置し、前記恒温槽から取り出して室温(25℃)になるまで放置し、1気圧下で初期粘度を測定した。
前記ハイドロゲル前駆体液1をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽に2週間放置した後、恒温槽から取り出した。恒温槽から取り出したハイドロゲル前駆体液1を、室温(25℃)になるまで放置した後、1気圧下で放置後粘度を測定した。前記放置後粘度と前記初期粘度の比(放置後粘度/初期粘度)を算出した。
初期粘度、及び放置後粘度の測定結果、前記放置後粘度と前記初期粘度の比の計算結果について表1に示した。
前記初期粘度及び前記放置後粘度は、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)を用いて測定した。
得られたハイドロゲル前駆体液1に対し、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)で350mJ/cm2の光量を照射して、ハイドロゲル造形体1を作製した。得られたハイドロゲル造形体1について、以下のようにして80%歪み圧縮応力、及び圧縮弾性率を測定した。結果を表1に示した。
万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)に、10mm×10mm×10mmの形状のハイドロゲル造形体1を設置した。前記ロードセルに掛かる圧縮に対する応力をコンピュータに記録し、変位量に対する応力をプロットした。
破断したハイドロゲル造形体については破断時の圧縮応力を最大値とし、破断しなかったハイドロゲル造形体については80%歪み圧縮応力を示した。
また、ハイドロゲル造形体の圧縮弾性率も同じ万能試験機から得られる測定データより得た。圧縮弾性率としては、10%歪み圧縮応力と20%歪み圧縮応力との差分をとり10%変位時の傾きとして算出した。
実施例1において、表1に示す組成及び配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、ハイドロゲル前駆体液2〜7を作製した。
得られたハイドロゲル前駆体液2〜7について、前記ハイドロゲル前駆体液1と同様にして、初期粘度、放置後粘度を測定し、前記放置後粘度と前記初期粘度の比を算出した。結果を表1に示した。
次に、得られたハイドロゲル前駆体液2〜7を用い、前記ハイドロゲル造形体1と同様にして、ハイドロゲル造形体2〜7を作製した。
得られたハイドロゲル造形体2〜7について、前記ハイドロゲル造形体1と同様にして、圧縮試験を行った。結果を表1に示した。
・エチドロン酸2Na(キレスト社製)
・エチドロン酸4Na(キレスト社製)
・アレンドロン酸(東京化成工業社製)
・メチレンジホスホン酸(東京化成工業社製)
実施例1において、表2に示す組成及び配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、ハイドロゲル前駆体液8〜12を調製した。
次に、得られたハイドロゲル前駆体液8〜12を用い、前記ハイドロゲル造形体1の作製と同様にして、ハイドロゲル造形体8〜12を作製した。
得られたハイドロゲル造形体8〜12について、前記ハイドロゲル造形体1と同様にして、圧縮試験を行った。結果を表2に示した。
−**は、測定不能を表す。
・ピロリン酸(シグマアルドリッチ社製)
・フィチン酸(東京化成工業社製)
・NTMP(キレスト社製)
表2から、比較例2及び3のハイドロゲル前駆体液9及び10は、初期粘度が高過ぎたため、ハイドロゲルを造形することができなかった。また、比較例4及び5のハイドロゲル前駆体液11及び12は、ハイドロゲル前駆体液の調製時にゲル化し、ハイドロゲル前駆体液を調製することができず、粘度は測定不能であった。
前記ハイドロゲル前駆体液1及び2を用い、図2に示す立体造形装置を用い、図4A及び図4Bに示すような立体造形物1を作製した。初めに、図4A及び図4Bに示すような立体造形物の3Dデータを立体造形装置に入力した。
前記ハイドロゲル前駆体液1及び2を、立体造形装置のインクジェットヘッド(MH2420、リコーインダストリー株式会社製)に通じる2つのタンクに充填し、各インクジェットヘッドから前記2種のハイドロゲル前駆体液をそれぞれ噴射させ、基体上に前記ハイドロゲル前駆体液1及び2を配した。
次に、前記基体上に配したハイドロゲル前駆体液1及び2に、紫外線照射機(SubZero055、インテグレーションテクノロジー社製)で1,000mJ/cm2の光量を照射して、前記基体上のハイドロゲル前駆体液1及び2を硬化させた。これら一連の工程を繰り返すことにより、立体造形物1を造形した。
得られた立体造形物1を切断し、造形部B及び造形部Aにあたる部分からそれぞれ10mm×10mm×10mmの立方体を取得し、それぞれの弾性率(80%歪み圧縮応力及び圧縮弾性率)を測定した。前記造形部Aはハイドロゲル造形体1の、前記造形部Bはハイドロゲル造形体2の弾性率(80%歪み圧縮応力及び圧縮弾性率)と同程度の前記弾性率を示した。
<硬質成形体(支持体)用液体の作製>
硬化性材料としてウレタンアクリレート(商品名:ダイヤビームUK6038、三菱レイヨン株式会社製)10質量部、硬化性材料としてネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジメタクリレート(商品名:KAYARAD MANDA、日本化薬株式会社製)90質量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製)3質量部、及び着色剤として青顔料(商品名:Lionol Blue 7400G、東洋インキ製造株式会社製)2質量部からなる合計300gをホモジナイザー(HG30、日立工機株式会社製)を用いて、回転数2,000rpmで均質な混合物が得られるまで分散した。続いて、ろ過を行い不純物等を除去し、最後に真空脱気を10分間実施し、支持体用液体を得た。
得られた肝臓の臓器モデルは、実際のブタの肝臓と形状、触感、及び弾力が近似していた。
<1> 無機鉱物と、モノマーと、を含有するハイドロゲル前駆体液であって、前記無機鉱物の含有量が15質量%以上であり、前記ハイドロゲル前駆体液の25℃での初期粘度が20mPa・s以下であり、50℃で2週間放置した後の25℃の粘度である放置後粘度と前記初期粘度の比(放置後粘度/初期粘度)が0.90〜1.10であることを特徴とするハイドロゲル前駆体液である。
<2> 前記ハイドロゲル前駆体液が、更にホスホン酸化合物を含有する前記<1>に記載のハイドロゲル前駆体液である。
<3> 前記ホスホン酸化合物が、下記一般式(1)で表される前記<2>に記載のハイドロゲル前駆体液である。
〔一般式(1)〕
<4> 前記一般式(1)中のRが、―(R1)C(R2)−(ただし、R1及びR2は置換及び非置換のいずれかのアルキル基を表す)である前記<3>に記載のハイドロゲル前駆体液である。
<5> 前記一般式(1)中のRが、−(OH)C(CH3)−である前記<3>から<4>のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液である。
<6> 前記モノマーが、活性エネルギー線重合型モノマーである前記<1>から<5>のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液を用いてハイドロゲル造形体を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液としての第一のハイドロゲル前駆体液と、無機鉱物と、モノマーと、を少なくとも含有し、前記第一のハイドロゲル前駆体液と組成の異なる第二のハイドロゲル前駆体液と、を少なくとも有することを特徴とする立体造形用液体セットである。
<9> 前記<8>に記載の立体造形用液体セットを用いて、ハイドロゲル造形体を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<10> 第一のハイドロゲル前駆体液を基体上に配する第一の造形部形成工程と、第二のハイドロゲル前駆体液を前記第一のハイドロゲル前駆体液とは前記基体上の異なる位置に配する第二の造形部形成工程と、を複数回繰り返すことを含む請求項9に記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記第一のハイドロゲル前駆体液、及び前記第二のハイドロゲル前駆体液のいずれかを配する工程が、インクジェット法及びディスペンサー法のいずれかで行われる前記<10>に記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記<7>、及び<9>から<11>のいずれかに記載の製造方法で製造され、80%歪み圧縮応力が1.0MPa以上であることを特徴とするハイドロゲル造形体である。
<13> 無機鉱物と、ホスホン酸化合物と、ポリマーと、を含むハイドロゲル造形体であって、前記無機鉱物の含有量が15質量%以上であることを特徴とするハイドロゲル造形体である。
<14> 80%歪み圧縮応力が、1.0MPa以上である前記<13>に記載のハイドロゲル造形体である。
<15> 前記無機鉱物が、層状鉱物である前記<13>から<14>のいずれかに記載のハイドロゲル造形体である。
<16> 前記ホスホン酸化合物が、下記一般式(1)で表される前記<13>から<15>のいずれかに記載のハイドロゲル造形体である。
〔一般式(1)〕
<17> 前記一般式(1)中のRが、―(R1)C(R2)−(ただし、R1及びR2は置換又は非置換のアルキル基を表す)である前記<16>に記載のハイドロゲル造形体である。
<18> 前記一般式(1)中のRが、−(OH)C(CH3)−である前記<16>から<17>のいずれかに記載のハイドロゲル造形体である。
<19> 前記<12>から<18>のいずれかに記載のハイドロゲル造形体を含む第一の造形部と、前記第一の造形部のハイドロゲル造形体とは異なる圧縮弾性率を有する第二のハイドロゲル造形体を含む第二の造形部と、を有し、前記第一の造形部が前記第二の造形部を包含しているか、又は前記第二の造形部が前記第一の造形部を包含していることを特徴とするハイドロゲル造形体である。
<20> 臓器モデルとして用いられる前記<12>から<19>のいずれかに記載のハイドロゲル造形体である。
31、32 支持体用液体噴射ヘッドユニット
33、34 紫外線照射機
35 ハイドロゲル造形物
36 支持体
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 ハイドロゲル造形装置
Claims (20)
- 無機鉱物と、モノマーと、を含有するハイドロゲル前駆体液であって、
前記無機鉱物の含有量が15質量%以上であり、
前記ハイドロゲル前駆体液の25℃での初期粘度が20mPa・s以下であり、
50℃で2週間放置した後の25℃の粘度である放置後粘度と前記初期粘度の比(放置後粘度/初期粘度)が0.90〜1.10であることを特徴とするハイドロゲル前駆体液。 - 前記ハイドロゲル前駆体液が、更にホスホン酸化合物を含有する請求項1に記載のハイドロゲル前駆体液。
- 前記ホスホン酸化合物が、下記一般式(1)で表される請求項2に記載のハイドロゲル前駆体液。
〔一般式(1)〕
- 前記一般式(1)中のRが、―(R1)C(R2)−(ただし、R1及びR2は置換及び非置換のいずれかのアルキル基を表す)である請求項3に記載のハイドロゲル前駆体液。
- 前記一般式(1)中のRが、−(OH)C(CH3)−である請求項3から4のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液。
- 前記モノマーが、活性エネルギー線重合型モノマーである請求項1から5のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液。
- 請求項1から6のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液を用いてハイドロゲル造形体を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載のハイドロゲル前駆体液としての第一のハイドロゲル前駆体液と、
無機鉱物と、モノマーと、を少なくとも含有し、前記第一のハイドロゲル前駆体液と組成の異なる第二のハイドロゲル前駆体液と、を少なくとも有することを特徴とする立体造形用液体セット。 - 請求項8に記載の立体造形用液体セットを用いて、ハイドロゲル造形体を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法。
- 第一のハイドロゲル前駆体液を基体上に配する第一の造形部形成工程と、
第二のハイドロゲル前駆体液を前記第一のハイドロゲル前駆体液とは前記基体上の異なる位置に配する第二の造形部形成工程と、
を複数回繰り返すことを含む請求項9に記載の立体造形物の製造方法。 - 前記第一のハイドロゲル前駆体液、及び前記第二のハイドロゲル前駆体液のいずれかを配する工程が、インクジェット法及びディスペンサー法のいずれかで行われる請求項10に記載の立体造形物の製造方法。
- 請求項7、及び9から11のいずれかに記載の製造方法で製造され、80%歪み圧縮応力が1.0MPa以上であることを特徴とするハイドロゲル造形体。
- 無機鉱物と、ホスホン酸化合物と、ポリマーと、を含むハイドロゲル造形体であって、
前記無機鉱物の含有量が15質量%以上であることを特徴とするハイドロゲル造形体。 - 80%歪み圧縮応力が、1.0MPa以上である請求項13に記載のハイドロゲル造形体。
- 前記無機鉱物が、層状鉱物である請求項13から14のいずれかに記載のハイドロゲル造形体。
- 前記ホスホン酸化合物が、下記一般式(1)で表される請求項13から15のいずれかに記載のハイドロゲル造形体。
〔一般式(1)〕
- 前記一般式(1)中のRが、―(R1)C(R2)−(ただし、R1及びR2は置換又は非置換のアルキル基を表す)である請求項16に記載のハイドロゲル造形体。
- 前記一般式(1)中のRが、−(OH)C(CH3)−である請求項16から17のいずれかに記載のハイドロゲル造形体。
- 請求項12から18のいずれかに記載のハイドロゲル造形体を含む第一の造形部と、
前記第一の造形部のハイドロゲル造形体とは異なる圧縮弾性率を有する第二のハイドロゲル造形体を含む第二の造形部と、を有し、
前記第一の造形部が前記第二の造形部を包含しているか、又は前記第二の造形部が前記第一の造形部を包含していることを特徴とするハイドロゲル造形体。 - 臓器モデルとして用いられる請求項12から19のいずれかに記載のハイドロゲル造形体。
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