JP6961973B2 - 複合体、練習キット、及び複合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合体、練習キット、及び複合体の製造方法に関する。
従来、内視鏡、超音波メス、又は電気メス等のデバイスを用いた手術等の体内の処置が行われている。例えば、医師は、鼻、口、肛門、耳、又は尿路等から内視鏡を通し、食道、胃、大腸、耳道、又は尿道等の画像を確認しながら、腫瘍の除去等の処置を行う。また、医師は、超音波メス、又は電気メス等を用いて、血管のバイパス、切断、又は吻合等の処置を行う。臓器、及び血管等の組織の形状や、硬度は、患者に応じて、或いは患部に応じて異なる。
処置後の回復、及びQOL(Quality Of Life)は、医師による手技レベルに依存することがある。そのため、手技レベルの向上を目的として、ミニブタを用いたウェットラボと呼ばれる手術練習が行われている。しかし、ミニブタの臓器の形状や、硬度は、人間とは異なる。また、臓器に疾患を持ったミニブタを、所望のタイミングに提供することは難しい。更に、ミニブタを生育し、鮮度を維持し、管理できる環境を整備するためには、非常に高額なコストを要するので、何度もウェットラボを行うことはできない。そこで、難易度の高い腫瘍摘出手術の成功率を高めるため、外科手術等の手技練習用の血管モデル、及び臓器モデルが提案されている。
特許文献1には、ハイドロゲル材料からなる層が複数積層した積層体であり、前記層の1以上が、該層の内部であり且つ該層の平面方向に亘って繊維群が略連続的に偏在している繊維群含有層であることを特徴とする臓器モデルが開示されている。また、特許文献1には、この臓器モデルにおいて、前記繊維群含有層と隣接する層が、該繊維群含有層と該隣接する層との界面近傍で引き剥がし可能であることが開示されている。
しかしながら、上記の臓器モデルの引き剥がしに必要な力は、繊維群の配置によって変わるため、製品の品質のばらつきにより安定しない。このため、ハイドロゲルを用いた複合体を切開、又は剥離するときの触感、及び切れ味は、実際の組織を切開、又は剥離するときの触感、及び切れ味とは異なるという課題が生じる。
請求項1に係る発明の複合体は、2以上のハイドロゲル体が剥離可能に接着されており、接着界面で剥離したときの破断面に重量平均分子量8000以上の重合体を有する。
本発明によれば、切開、又は剥離するときの触感、及び切れ味が、実際の組織を切開、又は剥離するときの触感、及び切れ味に近い複合体が提供される。
図1は、一実施形態に係る造形装置を示す概略図である。 図2は、実施例で用いられる型、及びハイドロゲル体の斜視図である。 図3は、実施例で用いられる型、及びハイドロゲル体の斜視図である。 図4は、実施例で用いられる型、及びハイドロゲル体の斜視図である。 図5は、実施例で得られる複合体の斜視図である。 図6は、実施例において、複合体を製造する処理を説明するための概念図である。 図7は、実施例における造形の過程を説明するための図である。 図8は、実施例において得られる複合体の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明は本発明の実施形態を示したものにすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の実施形態に係る複合体(composite parts)は、2以上のハイドロゲル体が剥離可能に接着され、接着界面に重量平均分子量8000以上の重合体Aを有する。以下、複合体について説明する。
<<重合体A>>
重合体Aは、複合体に外力を加えて2つ以上のハイドロゲル体に分離したときに、接着界面に現れる重量平均分子量8000以上のポリマーである。なお、接着界面は、接着時に2つ以上のハイドロゲル体が接する界面であり、2つ以上のハイドロゲル体を該界面で分離したときの破断面を表すこともある。重合体Aは、主に接着界面に存在し、接着界面の摩擦性、付着性、帯電性、接触角、表面張力、及び形状変化等に影響する。
重合体Aは、好ましくはメタノールに可溶である。メタノールに可溶とは、例えば、25℃下、メタノールの質量に対し1質量%以上溶解し、好ましくは、3質量%以上50質量%以下溶解し、更に好ましくは、5質量%以上30質量%以下溶解する性質を示す。
メタノールに可溶な重合体Aを用いることで、重合体Aをハイドロゲル体の表面に付着させるときの溶媒としてメタノールを利用できるようになる。また、メタノールは、多くの他の有機溶剤とは異なり、親水性のハイドロゲル体の表面に対し濡れ性が高い。重合体Aのメタノール溶液をハイドロゲル体の表面に付着させた後、メタノールは、ハイドロゲル体から容易に除去される。重合体Aの溶媒として有機溶剤ではなく水を用いた場合には、重合体Aの水溶液をハイドロゲル体の表面に付着させた後、溶媒である水を除去すると、ハイドロゲル表面の一部の水も除去されてしまい、ハイドロゲルの物性に影響を与える。
重合体Aをハイドロゲル体に付着させるときに用いる溶液は、必要に応じて、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、及び分散剤等を含有してもよい。また、表面性や光沢を制御するため、溶液は、ワックス、樹脂微粒子、又は無機微粒子を分散させたエマルジョン、即ち、水分散体、オルガノゾル、又はオイル分散体を含有してもよい。
重合体Aは、ハイドロゲルとの密着性を持たせ、且つ、層内に疎水基同士が親和する部分を持たせることで破断を促すため、水酸基、及び水酸基よりも疎水性を有する水酸基以外の置換基を有し、水酸基と水酸基以外の置換基の比率が、1.0:99.0〜90.0:10.0の範囲にあることが好ましい。なお、本実施形態において「〜」の記号は、その前後に記載された値、割合、又は比率等を含む範囲を表す。水酸基よりも疎水性を有する置換基とは、末端に炭化水素基、ハロゲン基、芳香族基を有する置換基であり、具体的には、酢酸基やクロロ基等が例示される。
重合体Aとしては、低けん化のポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;水酸基を含むアクリレートモノマーの重合体;水酸基を含むアクリレートモノマーと塩化ビニル、酢酸ビニル、及びエチレンの少なくとも一つとの共重合体;若しくは、グルコース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、トレハロース、シクロデキストリン、グリコーゲン、アミロペクチン、アミロース、デンプン、又はセルロース等の糖類等が例示される。
これらのうち、けん化度が90mol%以下のポリビニルアルコールは好ましく、けん化度が5%以上50%以下のポリビニルアルコールはより好ましく、けん化度が10%以上25%以下のポリビニルアルコールは更に好ましい。重合体Aは、けん化度が90%以下であると、メタノール等の溶媒に溶解し易くなる点で好ましい。
上記の重合体のうち、重量平均分子量8000未満のものは、所望の機能を発揮しないことがあるため、重合体Aから除外される。重合体Aの重量平均分子量を8000以上、好ましくは、8000以上、100万以下、より好ましくは、14000以上、120000以下とすることで、剥離性、とくに剥離開始直後におけるハイドロゲルが引っ張られる感覚を作れる。また、重合体Aは0.01mg/cm〜100mg/cmの間で使用することが好ましく、接着面に層で存在するか、層の代わりに1cm未満の塊で存在することが好ましい。
<<ハイドロゲル体>>
ハイドロゲル体は、特に限定はなく、適宜選択されるが、例えば、水、ポリマー、及び鉱物を含む。ポリマー、及び鉱物は、複合化して三次元網目構造が形成され、この三次元網目構造の中に水が包含される。また、ハイドロゲル体は、有機溶媒、好ましくは、水溶性有機溶媒を含有してもよい。また、ハイドロゲル体は、水、ポリマー、鉱物、及び水溶性有機溶媒以外のその他の成分を含有してもよい。以下、ハイドロゲルの各成分について説明する。
<水>
水としては、純水、又は超純水としての、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、又は蒸留水等が例示される。保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、或いは硬度調整等の目的で、水には、有機溶媒等の成分が溶解乃至分散されていてもよい。
<ポリマー>
ポリマーとしては、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、又はエポキシ基等を有するポリマーが例示される。ポリマーは、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよいし、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよいし、塩の形態であってもよいが、ホモポリマーであることが好ましい。
ポリマーは、水溶性であることが好ましい。ポリマーが水溶性であるとは、例えば、30℃の水100gにポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解する性質を示す。ポリマーとしては、後述のモノマーを重合させたものを用いてもよい。
<鉱物>
鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択され、水膨潤性層状粘土鉱物等が例示される。水膨潤性とは、層状粘土鉱物の層間に水分子が挿入され、水中に分散される性質を示す。水膨潤性層状粘土鉱物は、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった構造を有し、水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させると、各単一層状態の円盤状の結晶に分離する。
水膨潤性層状粘土鉱物としては、水膨潤性スメクタイト、及び水膨潤性雲母等が例示され、より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、及び水膨潤性合成雲母等が例示される。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、高弾性のポーラスが得られる点から、水膨潤性ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性ヘクトライトは、市販品であってもよい。市販品の水膨潤性ヘクトライトとしては、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、及びフッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)等が例示される。これらの中でも、ポーラスの弾性率の点から、合成ヘクトライトが好ましい。
層状粘土鉱物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、ハイドロゲル体の弾性率及び硬度の点から、ハイドロゲル体の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましい。
<有機溶媒>
ハイドロゲル体は、保湿性を高めるため、有機溶媒を含有してもよい。
有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、及びtert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、及びジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、及びグリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、及びトリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルコールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;並びに、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が例示される。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコール等の水溶性有機溶媒が好ましく、グリセリン、及びプロピレングリコールがより好ましい。
有機溶媒の含有量は、ハイドロゲル体の全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。有機溶媒の含有量が、10質量%以上であると、乾燥防止の効果が十分に得られ、50質量%以下であると、層状粘土鉱物が均一に水中に分散される。
<<その他の成分>>
ハイドロゲル体に用いられるその他の成分としては、特に限定されないが、防腐剤、着色剤、香料、酸化防止剤、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、粘度調整剤、接着性付与剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、及び分散剤等が例示される。
防腐剤としては、デヒドロ酢酸塩、ソルビン酸塩、安息香酸塩、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、2,4−ジメチル−6−アセトキシ−m−ジオキサン、及び1,2−ベンズチアゾリン−3−オン等が例示される。
複合体、及びハイドロゲル体には、色及び硬度のいずれかが異なる構造が目的の位置に配置されていることが好ましい。色及び硬度のいずれかが異なる構造が配置された複合体は、手術前に手術用メスを入れる位置を確認するためのモデルとして好適である。構造としては、血管、管、及び疾患部等の模倣物;並びに空洞、及び襞(ひだ)等が例示される。各構造における硬度は、例えば、ハイドロゲル体に含まれる水膨潤性層状粘土鉱物の含有量を変化させることにより調製される。
色は、例えば、ハイドロゲル体に添加する着色剤により調整される。ハイドロゲル体に着色剤を含めることで、ハイドロゲル体を人体の臓器に近似した色に着色することができる。着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択され、染料、顔料が例示される。
染料としては、ブラック染料、マゼンタ染料、シアン染料、及びイエロー染料等が例示される。
ブラック染料としては、MS BLACK VPC(三井化学株式会社製)、AIZEN SOT BLACK−1、AIZEN SOT BLACK−5(保土谷化学株式会社製)、RESORIN BLACK GSN 200%、RESOLIN BLACK BS(バイエルジャパン社製)、KAYASET BLACK A−N(日本化薬株式会社製)、DAIWA BLACK MSC(ダイワ化成株式会社製)、HSB−202(三菱化成株式会社製)、NEPTUNE BLACK X60、NEOPEN BLACK X58(BASFジャパン社製)、Oleosol Fast BLACK RL(田岡化学工業株式会社製)、及びChuo BLACK80、Chuo BLACK80−15(中央合成化学株式会社製)等が例示される。
マゼンタ染料としては、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta Hso−147(三井化学株式会社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOT Red−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEHSPECIAL(保土谷化学株式会社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT 5B(バイエルジャパン社製)、KAYASET RedB、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(日本化薬株式会社製)、PHLOXIN,ROSE BENGAL、ACID Red(ダイワ化成株式会社製)、HSR−31、DIARESIN RedK(三菱化成株式会社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)、及びOil Pink330(中央合成化学株式会社製)等が例示される。
シアン染料としては、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan Hso−144、MS Cyan VPG(三井化学株式会社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学株式会社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES BlueGN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL330%(バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue Fr、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、LightBlue BGL−5 200(日本化薬株式会社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(ダイワ化成株式会社製)、DIARESINBlue P(三菱化成株式会社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue808、及びZAPON Blue 806(BASFジャパン社製)等が例示される。
イエロー染料としては、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井化学株式会社製)、AIZENSOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(保土谷化学株式会社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR、Yellow 10GN(バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(日本化薬株式会社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成株式会社製)、HSY−68(三菱化成株式会社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(BASFジャパン社製)、及びOil Yellow 129(中央合成化学株式会社製)等が例示される。
顔料としては、各種の有機及び無機顔料が例示され、具体的には、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、及びキレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料;ペリレン顔料;アントセキノン顔料;キナクリドン顔料;ジオキサジン顔料;チオインジゴ顔料;イソインドリノン顔料;並びにキノフタロン顔料等の多環式顔料等が例示される。上記の顔料としては、具体的には、カラーインデックスに記載される下記の番号の赤又はマゼンタ、青又はシアン、緑、黄、若しくは黒の有機又は無機顔料が例示される。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、及びPigment Orange 13、16、20、36等が例示される。
青又はシアン顔料としては、pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が例示される。
緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50等が例示される。黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が例示される。黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26等が例示される。
顔料は、市販品であってもよい。顔料の市販品としては、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(以上、大日精化工業株式会社製);KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(以上、DIC株式会社製);Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(以上、山陽色素株式会社製);Lionol Yellow 1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(以上、東洋インキ製造株式会社製);Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(以上、ヘキストインダストリ社製);カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(以上、三菱化学株式会社製)等が例示される。
着色剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、ハイドロゲル体の全量に対して、0.1質量%以上、5質量%以下が好ましい。
<<ハイドロゲル形成用液体>>
ハイドロゲル体は、ハイドロゲル形成用液体によって形成されてもよい。ハイドロゲル形成用液体は、ハイドロゲル体の成分として、上記の水、鉱物、有機溶媒、及びその他の成分を含み、ハイドロゲル体におけるポリマーを生成するための成分として、モノマー、及び重合開始剤を含有してもよい。
<モノマー>
ハイドロゲル形成用液体に用いられるモノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物であることが好ましく、単官能モノマー、多官能モノマー等が例示される。多官能モノマーとしては、2官能モノマー、3官能モノマー、3官能以上のモノマー等が例示される。モノマーは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
単官能モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ有する化合物である。単官能モノマーとしては、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、及びその他の単官能モノマー等が例示される。
N−置換アクリルアミド誘導体としては、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が例示される。N,N−ジ置換(メタ)アクリルアミド誘導体としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド(DMAA)が例示される。
その他の単官能モノマーとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が例示される。
単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、ハイドロゲル形成用液体の全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。単官能モノマーの含有量が、1質量%以上10質量%以下の範囲であると、ハイドロゲル形成用液体中の鉱物の分散安定性が保たれ、得られるハイドロゲル体の延伸性が向上するという利点がある。延伸性とは、ハイドロゲル体を引っ張った際に伸び、破断しない特性のことを言う。
これらの単官能モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、又はエポキシ基等を有する水溶性のポリマーが得られる。アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、又はエポキシ基等を有する水溶性のポリマーは、ハイドロゲルの強度を保つために有効である。
2官能モノマーとしては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、及びメチレンビスアクリルアミド等が例示される。
3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、トリアリルイソシアネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びプロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
3官能以上のモノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)等が例示される。
多官能モノマーの含有量としては、ハイドロゲル形成用液体の全量に対して、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。多官能モノマーの含有量が、0.001質量%以上1質量%以下の範囲であると、得られるハイドロゲル体の弾性率や硬度を適正な範囲に調整することができる。
<重合開始剤>
ハイドロゲル形成用液体は、重合開始剤を用いて硬化させてもよい。この場合、重合開始剤は、ハイドロゲル形成用液体中に添加して使用される。重合開始剤としては、光重合開始剤が例示される。
光重合開始剤としては、光、例えば、波長220nm乃至400nmの紫外線の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、及びベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド等が例示される。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
<<ハイドロゲル体の製造方法>>
ハイドロゲル体の製造方法は、目的に応じて適宜選択されるが、ハイドロゲル形成用液体を、平板等に一定の厚さでコートして硬化させる方法や、適切な加工方法で型を製作し、型にハイドロゲル形成用液体を注入し硬化させる方法(以下、「型による造型」と表す)、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、ハイドロゲル形成用液体を吐出したあと、可視光または紫外光を照射することでハイドロゲル形成用液体を硬化させながら積層する方法(以下、「マテリアルジェット造型」と表す)等がある。
生体組織には、複雑な形状且つ複数の性質の異なる部位が混在するため、ハイドロゲル体を用いて生体組織を再現する場合、型による造型、又はマテリアルジェット造型が好ましく、精度よく形状を成形する点からマテリアルジェット造型がより好ましい。
<型による造型>
型としては、あらかじめ所望の形状の内部空洞が形成されているものが用いられる。型は、単独で用いても、中子とセットで用いてもよい。ハイドロゲル形成用液体は、型へ注入された状態で、硬化される。これにより、硬化物として、型に応じた形状のハイドロゲル体が得られる。型は、1回限り使用する使い捨てでもよいし、再利用可能であってもよい。再利用可能な型としては、複数のパーツを組み合わせて用いられ、ハイドロゲル体を取り出すときに複数のパーツに分解されるものが例示される。型は、金属や樹脂を切削加工して、或いは3次元プリンターと呼ばれる造形装置を用いて製造されてもよい。
<マテリアルジェット造型>
マテリアルジェット造型において、上記のハイドロゲル形成用液体はモデル材として、造形装置に搭載される。また、必要に応じて、任意のモデル材は、造形装置に搭載される。以下、本実施形態の製造方法において好適に用いられる造形装置として、UV硬化性のモデル材、及びサポート材を搭載した一般的なマテリアルジェット方式の造形装置について説明する。以下の造形装置により、二以上のハイドロゲル体の少なくとも一つを形成することができる。また、造形装置は、形成したハイドロゲル体の表面に、重合体を含む液体をすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る造形装置を示す概略図である。造形装置30は、ヘッドユニット31,32、紫外線照射機33、ローラ34、キャリッジ35、及びステージ37を有する。ヘッドユニット31は、モデル材1を吐出する。ヘッドユニット32は、サポート材2を吐出する。紫外線照射機33は、吐出されたモデル材1、及びサポート材2に紫外線を照射して硬化する。ローラ34は、モデル材1、及びサポート材2の液膜を平滑化する。キャリッジ35は、ヘッドユニット31,32等の各手段を、図1におけるX方向に往復移動させる。ステージ37は、基板36を、図1に示すZ方向、及び図1の奥行方向であるY方向に移動させる。
モデル材が色ごとに複数ある場合、造形装置30には、各色のモデル材を吐出するための複数のヘッドユニット31が設けられていてもよい。
ヘッドユニット31,32におけるノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができる。
ローラ34に使用できる金属としては、SUS300系、400系、600系、六価クロム、窒化珪素、及びタングステンカーバーイド等が例示される。また、これらのいずれかをフッ素やシリコーン等で被膜コーティングした金属を、ローラ34に使用してもよい。これらの金属のなかでも、強度、加工性の面から600系が好ましい。なお、ローラ34を用いる場合、キャリッジ35の走査方向に対して、ローラ34を逆転させる方向で回転させると平滑化の効果がより発揮される。
ローラ34を使用する場合、造形装置30は、ローラ34と造形物の面とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ37を下げながら積層する。ローラ34は紫外線照射機33に隣接している構成が好ましい。
また、休止時のインクの乾燥を防ぐため、造形装置30には、ヘッドユニット31,32におけるノズルを塞ぐキャップ等の手段が設けられていてもよい。また、長時間連続使用時のノズルの詰まりを防ぐため、造形装置30には、ヘッドをメンテナンスするためのメンテナンス機構が設けられていてもよい。
造形装置30は、モデル材1、及びサポート材2を回収、又はリサイクルするための機構等を有していてもよい。造形装置30は、ヘッドユニット31,32のノズル面に付着したモデル材1、又はサポート材2を除去するブレード、或いは不吐出のノズルの検出する機構を有していてもよい。更に、造形装置30は、造形時の温度等の装置内環境を制御する機構を有していてもよい。
モデル材1、及びサポート材2の硬化に用いられる紫外線照射機33としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択され、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、LED、及びメタルハライド等が例示される。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択される。紫外線照射機33としては、具体的には、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものが例示される。
造形装置30は、ヘッドユニット31からモデル材1としてのハイドロゲル形成用液体を吐出し、ヘッドユニット32からサポート材2を吐出し、紫外線照射機33でハイドロゲル形成用液体を硬化しながら積層する。
即ち、造形装置30は、サポート材2を、ヘッドユニット32から吐出し硬化させて溜部を有する1層目のサポート部20を形成し、1層目のサポート部20の溜部にハイドロゲル形成用液体をヘッドユニット31から吐出し硬化させて1層目のモデル部10を形成する。更に、造形装置40は、ローラ34を用いてモデル部10、及びサポート部20の表面を平滑化して、第1の造形層を形成する。
次いで、造形装置30は、第1の造形層の上にサポート材2を吐出し硬化させて溜部を有する2層目のサポート部20を積層し、2層目のサポート部20の溜部にハイドロゲル形成用液体を吐出し、硬化して、第1の造形層の上に2層目のモデル部10を積層する。更に、造形装置40は、ローラ34を用いてモデル部10、及びサポート部20の表面を平滑化して、第2の造形層を形成する。造形装置30は、上記の積層を繰り返すことで、モデル部10、及びサポート部20が一体化した立体造形物が得られる。
造形装置30は、例えば、患者個人の治療部位の状態に合わせて、組成分布、及び形状が制御されたハイドロゲル体を形成することができる。この場合、造形装置30は、患者の血管の形状、及び患部の硬度等の個人データを用い、例えば、カテーテル治療対象となる患部の血管形状の立体造形物を造形し、必要に応じ部分ごとに硬度分布を設けることができる。
この場合、造形装置30は、硬化物の硬度の異なる複数種のハイドロゲル形成用液体を用いて、個人データに基づいて、部分ごとに配置するハイドロゲル形成用液体を分けることで、ハイドロゲル体の硬度に分布を設けることが可能になる。特に、患者の治療すべき患部に合わせ、硬度分布を設けることができる。
複数種のハイドロゲル形成用液体の溶媒の量は、それぞれ、異なっていてもよい。或いは、造形装置30は、ハイドロゲル形成用液体の組成ごとにそれぞれ吐出する機構を有し、それぞれの機構から吐出する組成の比率を変えることで、上記の溶媒の量を調整してもよい。
ハイドロゲル形成用液体の組成ごとに吐出する機構として、ハイドロゲル形成用液体を吐出するための第一ヘッド、ハイドロゲル形成用液体を希釈する液体として、例えば、水、及び水に可溶な溶媒からなる希釈液を吐出するための第二ヘッドが例示される。ハイドロゲル形成用液体、及び希釈液は各ヘッドより所定量、同じ箇所に吐出される。これにより、各箇所で各液が混合され、ハイドロゲル形成用液体、及び希釈液の量比は精密にコントロールされる。更に、造形装置30は、重合体Aを吐出するためのヘッドユニットを有していてもよい。
<<複合体>>
複合体は、2以上のハイドロゲル体が分離可能に接着され形成される。2以上のハイドロゲル体を接着する方法としては、2つのハイドロゲル体間に、重合体Aを含む任意の物質を介在させる方法や、ハイドロゲル体を造形した後、ハイドロゲル体の表面の少なくとも一部にハイドロゲル形成用液体を接触させて硬化させる方法、重合体Aを含む任意の物質が介在した状態で2つのハイドロゲル形成用液体を同時に硬化させる方法等が例示される。
2つのハイドロゲル体を接着する際に、それぞれを型や枠に収めて形を整えたり、必要に応じて、外部から加圧または減圧したり、加熱または冷却したりしてもよい。また、接着後、得られた複合体の不要となる部分を切除したり、表面に着色や光沢付与等の修飾を行ったりしてもよい。
複合体を、2以上のハイドロゲル体に分離したとき、接着界面は、重量平均分子量8000以上の重合体Aを有する。第一のハイドロゲル体、及び第二のハイドロゲル体を分離可能に接着する方法としては、特に限定されないが、以下の方法が例示される。
・ハイドロゲル体(第一のハイドロゲル体の一例)の表面の少なくとも一部に重合体Aを含む液体を付着させた後、液体が付着した表面に別のハイドロゲル体(第二のハイドロゲル体の一例)を接触させる方法
・ハイドロゲル体の表面の少なくとも一部に重合体Aを含む液体を付着させた後、液体が付着した表面に別のハイドロゲル体を形成するためのハイドロゲル形成用液体を接触させ、ハイドロゲル形成用液体を硬化する方法
・重合体Aと2つ以上のハイドロゲル体を配置する方法
・重合体Aと2つ以上のハイドロゲル形成用液体をそれぞれ吐出して液膜を形成し、硬化する方法
・ハイドロゲル体、又は複合体の内部に重合体A、又は重合体Aを含む混合物を注入する方法
・ハイドロゲル体、又は複合体の内部に重合体Aの前駆体、又は重量体Aの前駆体を含む混合物をシリンジ等で注入して、内部で重量体Aを生成する方法
・一方のハイドロゲル体に重合体Aの前駆体a1、他方のハイドロゲル体に重合体Aの前駆体a2を入れ、一方のハイドロゲル体と他方ハイドロゲル体とを接着させたときに、前駆体a1と前駆体a2が反応させることで重量体Aを生成する方法
上記の方法で、有機溶媒に重合体Aを溶解乃至分散させた液体を、ハイドロゲル体に付着させてもよい。この場合、ハイドロゲル体に付着した液体から有機溶媒を除去する処理が行われてもよい。
<<破断面抽出物>>
重合体Aがメタノールに可溶である場合、複合体の接着界面に存在する重合体Aは、複合体を接着界面で剥離したときの破断面から、メタノールによって抽出することができる。以下、特に指定がない場合、破断面抽出物は、破断面から、メタノールにより抽出されたものを表す。
破断面抽出物を得る条件としては、複合体から剥離されたハイドロゲル体を、破断面の面積1cmあたり0.5gのメタノール中で10分間撹拌することにより洗浄し、抽出液を50℃の温浴で加温しながらエバポレータ等でメタノールを減圧除去する方法が例示される。得られた抽出物の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等を用いて測定される。
<<複合体の用途>>
複合体の用途は、特に限定されないが、生体組織モデル、及び臓器モデル等が例示される。生体組織モデル、及び臓器モデルは、血管モデル内包構造体であってもよい。これらは、例えば、内視鏡操作、カテーテル挿管等の手技練習を目的とした練習キットの一部として、好適に用いられる。
<<血管モデル内包構造体>>
本実施形態において、血管モデル内包構造体は、血管を模した円筒状の中空管(以下、『血管モデル』と表す)を内包する複合体を示す。本実施形態の血管モデル内包複合体において、ハイドロゲル体で形成される中空形状の血管モデルの少なくとも一部は、重合体Aを介して、ハイドロゲル体で形成される生体組織モデルに覆われている。或いは、本実施形態の血管モデル内包複合体において、ハイドロゲル体で形成される生体組織モデルの少なくとも一部は、重合体Aを介して、ハイドロゲル体で形成される中空形状の血管モデルに覆われていてもよい。また、血管モデルの中空管内部に血液を模した媒質を流してもよい。これにより、血管モデル内包構造体の触感、及び質感を、実際の臓器に近づけることができる。また、これにより、血管モデルを切開した際に、中空管内に流れる媒質を、あたかも血液が流出するように、血管モデルの外に流出させることができる。また、血管モデルを生体組織モデルで覆うことで取り扱い性や保存性を向上させることができる。
血管モデルは、単純な直方体のような生体組織モデルに覆われるように接着されていてもよいが、例えば臓器を模した形状の生体組織モデルに覆われるように接着されていてもよい。血管モデルが臓器を模した形状の生体組織モデルに配置された臓器モデルは、手技トレーニングや術前シミュレーションに好適に使用される。
<<生体組織モデル>>
生体組織モデルは、血管モデルを覆うハイドロゲル体、又は複合体である。生体組織モデルは、血管モデルを固定化しカテーテル挿管等を行う際の取り扱い性を向上させ、血管モデルの保存性を向上させ、カテーテル挿管等を行う際の触感を実際の血管に近づける。実際の生体組織と組成、及び触感が近いハイドロゲルを用いて生体組織モデルを形成することで、よりリアルな生体組織モデル、および臓器モデルが得られる。
<<硬質体のカバー>>
本実施形態のハイドロゲル体、又は複合体には、取り扱い性を向上させるため、カバーとして光を透過する透過性の硬質体が取り付けられることが好ましい。これを取り付けることにより、以下の3つの機能を向上させることが出来る。
(1)ハイドロゲル体、又は複合体の形状を維持し、手技練習等に際しての取り扱い性が向上する。
(2)ハイドロゲル体、又は複合体の保存性、耐乾燥性、及び防腐性を向上する。
(3)ハイドロゲル体、又は複合体の外観性を改善する。
硬質体を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透過性のプラスチック材料、ガラス等の透過性の無機材料等が例示される。硬質体の形状、厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
複合体の耐乾燥性、及び防腐性を向上させることで、複合体の保存性は向上する。例えば、血管モデルの防腐性を向上させるため、血管モデルを、硬質体により形成されるカバーで覆い、外気と触れさせないようにしてもよい。このとき、水蒸気透過度、及び酸素透過度の低い、硬質体を用いることで、血管モデルの耐乾燥性は向上する。硬質体の水蒸気透過度(JIS K7129)は、500g/m・d以下であることが好ましい。硬質体の酸素透過度(JIS Z1702)は、100,000cc/m/hr/atm以下であることが好ましい。
<<手技練習用臓器モデル>>
上記の臓器モデルは、手技練習用臓器モデルとして利用できる。手技練習用臓器モデルとしては、特に制限はないが、脳、心臓、食道、胃、膀胱、小腸、大腸、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、又は子宮等の人体の任意の部位を再現したものが例示される。
本実施形態の手技練習用臓器モデルは、血管や疾患部等の内部構造が忠実に再現され、臓器の触感、及び切れ味が実際の臓器に極めて近く、更に手術用メスで切開可能である。このため、手技練習用臓器モデルは、例えば、大学の医学部、病院等において、医師、研修医、又は医学生等による手技練習用に好適に用いられる。また、手技練習用臓器モデルは、手術用メスの製造者による切れ味の検査に好適に用いられる。
手技練習用の臓器モデルの一例として、肝臓モデルについて説明する。肝臓は、上腹部の右側で肋骨の下にある人体最大の臓器である。成人の肝臓の重さは、1.2kg〜1.5kgである。肝臓は、食べ物から摂取した栄養素を体が利用できる形にしたり、貯蔵・供給したりする「代謝」、有害物質を無毒化する「解毒」、或いは、脂肪等の分解、又は吸収を助ける胆汁の分泌等の働きをしている。
肝臓は、胆嚢と下大静脈を結ぶ主分割面によって左葉と右葉に分割される。この肝臓の一部を切り取る手術が肝切除術である。肝切除術の適応となる病気としては、肝臓がん(原発性肝がん)が大部分であり、その他に転移性肝がん、肝良性腫瘍、及び肝外傷等がある。
肝切除術は、切り方によって部分切除、亜区域切除、区域切除、葉切除、拡大葉切除、3区域切除等の種類がある。肝臓に印が付いているわけではないので、手術に際して、上記の各部分の境界は、門脈や肝動脈を縛ったり、血管に色素を注入したりして色の変化によって見極められる。そして、肝臓の切除には、電気メス、ハーモニックスカルペル(超音波振動手術器具)、CUSA(超音波外科用吸引装置)、マイクロターゼ(マイクロ波手術器)等、様々な機械が用いられる。
本実施形態の手技練習用臓器モデルは、血管や疾患部等の内包物が忠実に再現され、触感、及び切れ味が実物に近く、手術用メスでの切開可能であるので、肝臓の手術シミュレーション用として、好適に用いられる。
<<内視鏡練習キット、カテーテル送管キット>>
上記の血管モデル内包構造体、及び手技練習用臓器モデルは、内視鏡挿入トレーニング、カテーテル挿管手技トレーニング、又は手術前のシミュレーションに好適に用いられる。
内視鏡挿入トレーニングとは、手技練習用臓器モデルに内視鏡を挿入し、目的の場所に到達させるまでの手技、挿入された内視鏡による検査、又は治療を訓練するものである。手技練習用臓器モデルと、手技練習用臓器モデルにおける中空、即ち血管モデルにおける中空に挿管可能なカテーテルに挿入可能な内視鏡と、を有するセットは、内視鏡練習キットとして好適に用いられる。内視鏡は、任意の市販品であってもよい。
カテーテル挿管手技トレーニングとは、血管モデル内包構造体にカテーテルを挿管し、目的の場所に到達させるまでの手技を訓練するものである。カテーテル挿管手技トレーニングには、目的に応じて使用するカテーテルの太さを変更したり、先端にステントやワイヤー、バルーン等を設け、患部想定箇所にて処置したり、設置するようなトレーニングも含まれる。すなわち、血管形状に応じて最適なカテーテルを選択することもトレーニングの一環である。このため、血管モデル内包構造体と、血管モデル内包構造体における中空に挿管可能なカテーテルと、を有するセットは、カテーテル送管キット(練習キットの一例)として好適に用いられる。カテーテルは、任意の市販品であってもよい。
血管モデル内包構造体の血管モデル内の状態は、実際の血管内の状態に似ていることが好ましい。本実施形態の血管モデル内包構造体は、ハイドロゲルによって形成され、その触感が生体に極めて似ていることから、上記のトレーニングに好適に用いられる。また、血管モデル内包構造体に液体を流す機構を設け、血流を生じさせた状態でトレーニングしてもよい。
従来は透明な血管モデルが少なかったため、血管モデルにX線を照射して可視化してトレーニングが行われていた。本実施形態の血管モデル内包構造は、透過性の材料によって形成されていてもよく、この場合、X線暴露を伴わない状態でトレーニングを実施できる。
上記の複合体としての血管モデル内包構造体、又は臓器モデルは、上記の立体造形の技術により、患者の患部データに基づいて、造形されてもよい。これにより、患者の患部が再現された血管モデル内包構造体、又は臓器モデルが得られるので、難手術前のシミュレーションに好適である。
従来の瘤部へのステント挿入による手術においては、患部のX線画像から瘤部の形状を読み取り、適切な形状と思われるステントが術中に選択されていた。しかしながら、この選択は、医師の経験により行われるものであり、判断に時間がかかる場合がある。上記の血管モデル内包構造を用いることで、術前に検討しておくことができるので、瘤部の形状や物性に応じて、どの様な形状の部材(ステント等)を選択すべきか術前に特定可能となり、手術の成功率の向上が期待される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(ポリビニルアルコール溶液1の作製方法)
ジメチルスルホキシド45部、及びイオン精製水135部の混合液を90℃に加温し、この混合液にPVA117(クラレ株式会社製、ポリビニルアルコール、けん化度98.0〜99.0mol%、重合度1700)20部を入れて90℃を保ちながら3時間撹拌させ、ポリビニルアルコール溶液1を得た。
(ハイドロゲル体1及び2の作製方法)
ポリビニルアルコール溶液1を大きさ100mm×100mm、厚さ8mmの内部形状を有する直方体型1に入れ25℃まで冷却し、直方体形状のポリビニルアルコールゲルを得た。メタノール250gが入った内寸120mm×120mm×50mmの容器にゲルを入れ2時間放置した。ゲルを取り出し、容器内のメタノールを捨てた後、容器に250gのイオン精製水を入れて、再度ゲルを入れて2時間放置した。これにより、ポリビニルアルコールゲル内のジメチルスルホキシドがメタノール、更に水に置換されたハイドロゲル体1が得られた。得られた直方体形状のハイドロゲル体1を容器から取り出した。同様の方法で、同じ組成の直方体形状のハイドロゲル体2も得た。
(複合体1の作製方法)
内寸173mm×173mm×400mmの容器に、酢酸ビニル(ポリマー)(50質量%酢酸エチル溶液、平均分子量42000、昭和化学製)9000gを入れ、吊るした状態のハイドロゲル体1を容器内の溶液に浸漬させた。続いて、吊るした状態のハイドロゲル体1を引き上げて、乾燥させることで表面の被膜から、酢酸ビニル(ポリマー)の溶媒である酢酸エチルを除去し、被膜ハイドロゲル体1を得た。
被膜ハイドロゲル体1に、ハイドロゲル体2を重ね合わせ、被膜ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の接触面に対して垂直方向に1.2kg(0.12N/cm)の圧縮加重をかけて1時間保管後、得られたゲルを冷凍庫(GS−1356HC、ヤマト科学株式会社製)により−18℃で1時間冷却して、複合体1を得た。
得られた複合体1について、剥離開始後の引張強度、剥離開始前の引張強度、再粘着性、造形物硬さ、及び接着界面のメタノール抽出結果を、以下の評価方法により評価した。
破断面のメタノール抽出結果:
複合体を接着面に対し垂直方向に引っ張り、接着面でハイドロゲル体を剥離させ、上記実施形態に記載の方法により、破断面をメタノールで洗浄し、抽出液を減圧除去して抽出物を得た。得られた抽出物を、GPC(Gel permeation chromatography)により測定し、重量平均分子量8000以上に検出物が現れるか評価した。
○:検出される
×:検出されない
剥離開始後の引張強度、剥離開始前の引張強度、再粘着性、造形物硬さは、外科医によるヒューリスティック評価を実施した。
剥離開始後の引張強度、剥離開始前の引張強度:
複合体1を、メッツェンバウム(MZS−1、アズワン製)を用いて剥離させて、剥離が開始するまでの固さ(引張強度)と剥離が開始してから(剥離している最中)の固さ、を腎臓線維皮膜と類似するかという視点で5段階評価した。
▲▲:腎臓線維皮膜と比較すると、明らかに剥離しにくい。
▲:腎臓線維皮膜と比較すると、やや剥離しにくい。
○:腎臓線維皮膜とほぼ同等。
▼:腎臓線維皮膜と比較すると、やや剥離しやすい。
▼▼:腎臓線維皮膜と比較すると、明らかに剥離しやすい。
再粘着性:
複合体1を剥離させたあと、各ハイドロゲル体の破断面を密着させ界面に対し垂直方向に1.2kg(0.12N/cm)の圧縮加重を1分間かけた。その後、再度界面を剥離させ、剥離している最中の固さを腎臓線維皮膜と類似するかという視点で評価した。
▲▲:腎臓線維皮膜と比較すると、明らかに剥離しにくい。
▲:腎臓線維皮膜と比較すると、やや剥離しにくい。
○:腎臓線維皮膜とほぼ同等。
▼:腎臓線維皮膜と比較すると、やや剥離しやすい。
造形物硬さ:
複合体1の硬さが、腎臓と類似するかという視点で評価した。
▲▲:腎臓と比較すると、明らかに硬い。
○:腎臓の硬さとほぼ同等。
[実施例2]
(複合体2の作製方法)
ハイドロゲル体1に、ハイドロゲル体2を重ね合わせ、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の接触面に対して垂直方向に1.2kg(0.12N/cm)の圧縮加重をかけて1時間保管後、得られたゲルを冷凍庫(GS−1356HC、ヤマト科学株式会社製)を用い−18℃で1時間冷却した。得られたゲル接着物におけるハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の界面に、酢酸ビニル(ポリマー)(50wt%酢酸エチル溶液、平均分子量42000、昭和化学製)1.0gを、マイクロシリンジ(MS−UNFX00、アズワン製)で注入し、常温で30分間保管して、複合体2を得た。複合体2について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例3]
(ハイドロゲル形成用液体1の調製)
まず、高純水を撹拌させながら、層状粘土鉱物としてラポナイトXLGを少しずつ添加し、撹拌して分散液を作製した。次に、ラポナイトXLGの分散剤としてエチドロン酸(東京化成工業株式会社製)を添加した。
次に、得られた分散液に、モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクリロイルモルホリンを添加した。更に、分散液に、有機架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミドを添加し、界面活性剤としてLS106を添加して混合した。続いて、混合液に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを重合促進剤として添加して撹拌混合した。撹拌混合の後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、混合液のろ過を行うことで、不純物等を除去し、均質なハイドロゲル形成用液体1を得た。
(ハイドロゲル形成用液体1の構成成分)
ハイドロゲル形成用液体1の構成成分は以下の通りである。
高純水70.2質量%、層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si0(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)6質量%、硬化性材料としてアクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)22質量%、有機架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)0.2質量%、ラポナイトXLGの分散剤としてエチドロン酸(東京化成工業株式会社製)0.3質量%、重合促進剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)を4質量%、界面活性剤としてLS106(花王株式会社)を0.3質量%含む。
(ハイドロゲル体3及び4の作製方法)
イオン精製水98質量部にペルオキソ二硫酸カリウム(東京化成工業株式会社製)2質量部を添加し、十分に溶解させて、2質量%ペルオキソ二硫酸カリウム水溶液を得た。100質量部のハイドロゲル形成用液体1を撹拌しているところに、ペルオキソ二硫酸カリウム水溶液(2質量%水溶液)を12質量部添加し、10秒撹拌したあと、混合液を、大きさ100mm×100mm、厚さ8mmの内部形状を有する直方体型1に入れ、上から塩化ビニリデンフィルム(ニュークレラップ、株式会社クレハ製)で密閉し25℃下、12時間保管すると液体は硬化した。硬化したハイドロゲル体3を取り出して得た。同様の方法で同じ組成のハイドロゲル体4を得た。
(複合体3の作製方法)
内寸173mm×173mm×400mmの容器に、酢酸ビニル(ポリマー)(50質量%酢酸エチル溶液、平均分子量42000、昭和化学製)9000gを入れ、吊るした状態のハイドロゲル体3を容器内の溶液に浸漬させた。続いて、吊るした状態のハイドロゲル体3を引き上げて、乾燥させることで表面の被膜から、酢酸ビニル(ポリマー)の溶媒である酢酸エチルを除去し、被膜ハイドロゲル体3を得た。
被膜ハイドロゲル体3に、ハイドロゲル体4を重ね合わせ、被膜ハイドロゲル体3とハイドロゲル体4の接触面に対して垂直方向に1.2kg(0.12N/cm)の圧縮加重をかけて1時間保管して、複合体3を得た。複合体3について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例4]
(塗工液1の作製)
メチルエチルケトン(和光純薬化学株式会社製)45質量部、トルエン(和光純薬化学株式会社製)45質量部の混合溶媒に、VINNOL E15/A48(分子量:22000、塩化ビニル:ヒドロキシプロピルアクリレート=83.5:16.5[質量%]、巴化学工業株式会社製)10質量部を撹拌しながら少量ずつ入れ、25℃で2時間撹拌した。得られた溶液を、ろ紙(No.5C、アドバンテック製)で濾過し、減圧脱気をして、無色透明な塗工液1を得た。
(複合体4の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を、塗工液1に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体4を得た。複合体4について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例5]
(塗工液2の作製)
メチルエチルケトン(和光純薬化学株式会社製)45質量部、トルエン(和光純薬化学株式社製)45質量部の混合溶媒に、ソルバインTA5R(分子量:18000、塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール=88:1:11[質量%]、日信化学工業株式会社製)10質量部を撹拌しながら少量ずつ入れ、25℃で2時間撹拌した。得られた溶液を、ろ紙(No.5C、アドバンテック製)で濾過し、減圧脱気をして、淡黄色透明な塗工液2を得た。
(複合体5の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を、塗工液2に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体5を得た。複合体5について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例6]
(塗工液3の作製)
メタノール(和光純薬化学株式会社製)90部に、JMR−8M(分子量:8000、けん化度68(mol%)、日本酢ビポバール株式会社製)10質量部を撹拌しながら少量ずつ入れ、25℃で2時間撹拌した。得られた溶液を、ろ紙(No.5C、アドバンテック製)で濾過し、減圧脱気をして、無色透明な塗工液3を得た。
(複合体6の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を、塗工液3に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体6を得た。複合体6について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例7]
(塗工液4の作製)
塗工液3の作製方法における、JMR−8MをJMR−150L (分子量:120000、けん化度22(mol%)、日本酢ビポバール株式会社製)に変更する以外は、塗工液3と同様の作製方法で無色透明な塗工液4を得た。
(複合体7の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を、塗工液4に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体7を得た。複合体7について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例8]
(塗工液5の作製方法)
塗工液3の作製方法における、JMR−8MをJMR−8L(分子量:14000、けん化度1.5(mol%)、日本酢ビポバール株式会社製)に変更する以外は、塗工液3と同様の作製方法で無色透明な塗工液5を得た。
(複合体8の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を、塗工液5に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体8を得た。複合体8について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例9]
(塗工液6の作製方法)
塗工液3の作製方法における、JMR−8MをJMR−10L(分子量:18000、けん化度37(mol%)、日本酢ビポバール株式会社製)に変更する以外は、塗工液3と同様の作製方法で無色透明な塗工液6を得た。
(複合体9の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を、塗工液6に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体9を得た。複合体9について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例10]
(複合体10の作製方法)
複合体3の作製方法において、ハイドロゲル体3をハイドロゲル体1、酢酸ビニル(ポリマー)を塗工液6、ハイドロゲル体4をハイドロゲル体2に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体10を得た。複合体10について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例11]
(ハイドロゲル体5)
70gのハイドロゲル形成用液体1を撹拌したところに、2質量%ペルオキソ二硫酸カリウム8.4gを入れ、10秒撹拌した。図2の(A)は実施例11で用いられる型の斜視図である。図2の(B)は、型により得られるハイドロゲル体の斜視図である。上記撹拌して得られた液を内寸105mm×105mm、厚さ13mmの型51に入れ、更に外寸100mm×100mm、厚さ8mmの中子52を組み合わせて密閉した。密閉後、25℃12時間保管したところ液体は硬化した。硬化したハイドロゲル体5を取り出することにより、ハイドロゲル体5を得た。
(複合体11の作製方法)
複合体3の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)を塗工液6、ハイドロゲル体4をハイドロゲル体5に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体11を得た。複合体11について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例12]
(ハイドロゲル体6)
10gのハイドロゲル形成用液体1を撹拌したところに、2質量%ペルオキソ二硫酸カリウム1.22gを入れ、10秒撹拌した。図3の(A)は実施例12で用いる型の斜視図である。図3の(B)は、ゲルの斜視図である。上記撹拌して得られた液を、型61に入れ、中子62を配置して密封した。密封後、25℃12時間保管したところ液体は硬化して、内径5mm外径7.5mm、長さ100mmの筒状のゲルが得られた。硬化したハイドロゲル体6を取り出すことで、ハイドロゲル体6を得た。
(ハイドロゲル体7)
900gのハイドロゲル形成用液体1を撹拌したところに、2質量%ペルオキソ二硫酸カリウム108gを入れ、15秒撹拌した。図4の(A)は実施例12で用いる型の斜視図である。図4の(B)は、ゲルの斜視図である。得られた液を内寸100mm立方の容器71に入れ、更に外径7.5mm長さ100mmの円柱形の中子72を入れて密閉し、25℃12時間保管したところ液体は硬化した。硬化したゲルを取り出し、ハイドロゲル体7を得た。
(複合体12の作製方法)
複合体3の作製方法において、ハイドロゲル体3をハイドロゲル体6、酢酸ビニル(ポリマー)を塗工液6、ハイドロゲル体4をハイドロゲル体7に置き換える以外は、複合体3の作製方法と同様の方法で、複合体12を得た。図5は、実施例12で得られる複合体12の斜視図である。複合体12について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例13]
(複合体13の作製方法)
内寸173mm×173mm×400mmの容器に、塗工液6を9000g入れ、ハイドロゲル体6に外径5mm長さ100mmの円筒形の中子を入れたものを吊るして容器内の溶液に浸漬させた後引き上げたあと、乾燥させることで被膜ハイドロゲル体6´を得た。乾燥により、被膜ハイドロゲル体6´の表面の被膜から、JMR−10Lの溶媒であるメタノールを除去した。
図6は、実施例13において、複合体を製造する処理を説明するための概念図である。中子83が入った状態の被膜ハイドロゲル体6´を内寸100mm立方の容器71に固定し、ハイドロゲル形成用液体1を900gと2質量%ペルオキソ二硫酸カリウム108gとを15秒撹拌した液1´を容器71に入れて密閉した。密封後25℃下、12時間保管したところ液体は硬化した。硬化後、中子83を外し、硬化したゲルを立方体から取り出し、複合体13を得た。複合体13について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例14]
−ハイドロゲル形成用液体2の調製−
まず、純水を撹拌させながら、層状粘土鉱物としてラポナイトXLGを少しずつ添加し、撹拌して分散液を作製した。次に、ラポナイトXLGの分散剤としてエチドロン酸(東京化成工業株式会社製)を添加した。
次に、得られた分散液に、モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクリロイルモルホリンを添加した。更に、有機架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミドを添加した。界面活性剤としてLS106を添加して混合した。次に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを重合促進剤として添加した後に光重合開始剤としてIrgacure184を4質量%メタノール溶液にして添加し、撹拌混合した。撹拌混合の後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ紙(No.5C、アドバンテック製)用いて分散液を濾過することで、不純物等を除去し、均質なハイドロゲル形成用液体2を得た。
<ハイドロゲル形成用液体2の構成成分>
ハイドロゲル形成用液体2の構成成分は以下の通りである。
高純水60質量%、層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)6質量%、乾燥防止剤としてグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)10.2質量%、硬化性材料としてアクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)22質量%、有機架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)0.2質量%、ラポナイトXLGの分散剤としてエチドロン酸(東京化成工業株式会社製)0.3質量%、光重合開始剤としてIrgacure184(BASF社製)(4質量%メタノール溶液)0.6質量%、重合促進剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)を0.4質量%、界面活性剤としてLS106(花王株式会社)を0.3質量%含む。
(複合体14の作製方法)
<積層造形>
ハイドロゲル形成用液体2および塗工液6を、造形装置のそれぞれインクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、GEN4)2個に充填し、吐出した。吐出されたハイドロゲル形成用液体2に、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)で350mJ/cmの光量を照射してハイドロゲル形成用液体2を硬化させ、モデル部及びサポート部を形成した。
図7は、実施例14における造形の過程を説明するための図である。図7の(A)に示すように、造形装置は、先ず、ハイドロゲル形成用液体2を吐出し、且つ硬化させて、100mm×100mm、厚さ5mmのハイドロゲル体8を形成する。続いて、図7の(B)に示すように、造形装置は、ハイドロゲル体の上に塗工液6を100mm×100mm、厚さ0.1mmで吐出し、乾燥させる。図7の(C)に示すように、造形装置は、塗工液6の乾燥物Dの上に、ハイドロゲル形成用液体2を吐出し、且つ硬化させて、100mm×100mm、厚さ5mmのハイドロゲル体9を形成して、100×100mm、厚さ10mmの複合体14を得た。複合体14について、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例15]
(複合体15の作製方法)
図8は、実施例15で製造される複合体15の斜視図である。複合体14の作製方法において、造形物を図8に示すように、ハイドロゲル形成用液体2と塗工液6とを同じパスで吐出し、吐出後ハイドロゲル形成用液体2を硬化させる以外は複合体14の作製方法と同様に複合体15を作製した。複合体15は、積層方向に塗工液6の界面を有し、そのサイズは10mm×10mm、厚さ50mmである。複合体15について、実施例1と同様の評価を行った。
[比較例1]
(複合体101の作製方法)
ハイドロゲル体1に、ハイドロゲル体2を重ね合わせ、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の接触面に対して垂直方向に1.2kg(0.12N/cm)の圧縮加重をかけて1時間保管後、得られたゲルを冷凍庫(GS−1356HC、ヤマト科学株式会社製)を用い−18℃で1時間冷却して、複合体101を得た。複合体101について、実施例1と同様の評価を行った。
ハイドロゲル体1は、実施例1のように酢酸ビニル(ポリマー)に浸漬する工程を経ていない。よって、複合体101は、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2が過剰に接着することで剥離強度が強くなってしまった。
[比較例2]
(複合体102の作製方法)
ハイドロゲル体3に、ハイドロゲル体4を重ね合わせ、ハイドロゲル体3とハイドロゲル体4の接触面に対して垂直方向に1.2kg(0.12N/cm)の圧縮加重をかけて1時間保管して、複合体102を得た。複合体101について、実施例1と同様の評価を行った。
ハイドロゲル体2は、実施例3のように酢酸ビニル(ポリマー)に浸漬する工程を経ていない。よって、複合体102は、ハイドロゲル体3とハイドロゲル体4が過剰に接着することで剥離強度が強くなってしまった。
[比較例3]
(複合体103の作製方法)
実施例1における複合体1の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)の代わりに酢酸ビニル(モノマー)を用いる以外は、複合体1の作製方法と同様の方法で、複合体103を得た。複合体101について、実施例1と同様の評価を行った。
ハイドロゲル体103には、酢酸ビニル(ポリマー)の代わりに酢酸ビニル(モノマー)を用いてられているため、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の接着を阻害してしまった。よって、複合体103は、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の剥離強度が弱くなってしまった。
[比較例4]
(複合体104の作製方法)
実施例1における複合体1の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)の代わりに酢酸エチルを用いる以外は、複合体1の作製方法と同様の方法で、複合体104を得た。
ハイドロゲル体104には、酢酸ビニル(ポリマー)の代わりに酢酸エチルを用いられているため、乾燥時にすべての酢酸エチルが除去されてしまった。よって、複合体104は、比較例1と同様、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2との剥離強度が強くなってしまった。
[比較例5]
(複合体105の作製方法)
実施例1における複合体1の作製方法において、酢酸ビニル(ポリマー)の代わりに10質量%ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ株式会社製、分子量75000、けん化度、98.5(mol%))を用いる以外は、複合体1の作製方法と同様の方法で、複合体105を得た。
複合体105には、酢酸ビニル(ポリマー)の代わりに完全けん化されたポリビニルアルコールを用いてられている。完全けん化されたポリビニルアルコールは、水との親和性が高いため十分に乾燥されず、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の密着が阻害された。よって、複合体105は、ハイドロゲル体1とハイドロゲル体2の剥離強度が弱くなってしまった。また、完全けん化されたポリビニルアルコールは常温メタノールへの溶解性が低いため、破断面をメタノール洗浄したときに洗浄液からポリビニルアルコールは検出されなかった。
各実施例、及び比較例における複合体の製造方法を表1に示す。各実施例、及び比較例における複合体の評価結果を表2に示す。
Figure 0006961973
Figure 0006961973
1 モデル材
2 サポート材
10 モデル部
20 サポート部
30 造形装置
31 ヘッドユニット
32 ヘッドユニット
33 紫外線照射機
34 ローラ
35 キャリッジ
36 基板
37 ステージ
100 三次元モデル
特許5759055号公報

Claims (11)

  1. 2以上のハイドロゲル体が剥離可能に接着されており、接着界面で剥離したときの破断面に重量平均分子量8000以上の重合体を有する複合体であって、
    前記2以上のハイドロゲル体が鉱物を有し、
    前記重合体は、けん化度90mоl%以下のポリビニルアルコールであることを特徴とする複合体
  2. 前記重合体は、メタノールに可溶である請求項1に記載の複合体。
  3. 前記重合体は、水酸基、及び水酸基よりも疎水性を有する水酸基以外の置換基を有し、
    前記水酸基と、前記水酸基以外の置換基との、比率が、1.0:99.0〜90.0:10.0の範囲にある
    請求項1又は2に記載の複合体
  4. 前記2以上のハイドロゲル体における第一のハイドロゲル体の少なくとも一部は、前記2以上のハイドロゲル体における第二のハイドロゲル体に覆われている
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. 前記2以上のハイドロゲル体における第一のハイドロゲル体、及び第二のハイドロゲル体の少なくとも一つは、中空形状を有している
    請求項1に記載の複合体。
  6. 前記第一のハイドロゲル体は、血管モデルであり、
    前記第二のハイドロゲル体は、生体組織モデルである
    請求項5に記載の複合体。
  7. 光を透過する透過性の被覆部材で覆われている請求項6に記載の複合体。
  8. 請求項5に記載の複合体と、
    前記ハイドロゲル体における中空に挿入可能な内視鏡、又は、カテーテルと、
    を有する練習キット。
  9. 鉱物を含有する第一のハイドロゲル体の表面に、重量平均分子量8000以上かつけん化度90mоl%以下のポリビニルアルコールの重合体を含む液体を付着させる工程と、
    前記第一のハイドロゲル体における前記液体が付着した表面に、鉱物を含有する、第二のハイドロゲル体、又は前記第二のハイドロゲル体を形成するための液体を接触させて、前記第一のハイドロゲル体、及び前記第二のハイドロゲル体が剥離可能に接着された複合体を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする複合体の製造方法。
  10. 水、モノマー及び鉱物を含有する硬化性の液体を吐出して、液膜を形成する工程と、
    前記液膜を硬化して、層を形成する工程と、を繰り返し、前記層を積層させることにより、前記第一のハイドロゲル体、及び前記第二のハイドロゲル体の少なくとも一つを形成する
    請求項9に記載の複合体の製造方法。
  11. 前記第一のハイドロゲル体の表面に、重量平均分子量8000以上の重合体を含む液体を付着させる工程において、前記重量平均分子量8000以上の重合体を含む液体を前記第一のハイドロゲル体の表面に吐出する
    請求項9又は10に記載の複合体の製造方法。
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