JP7106850B2 - 超音波検査用ファントム及びその製造方法 - Google Patents

超音波検査用ファントム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波検査用ファントム及び超音波検査用ファントムの製造方法に関する。
人体の臓器に生じた病変部を検査する際には、超音波検査装置が用いられている。また、事前に超音波検査装置を使った訓練のために、生体組織を模した超音波検査用ファントムが用いられている(例えば、特許文献1~3参照)。
超音波検査用ファントムを構成する材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(例えば、特許文献1参照)、ポリアクリルアミドを含むゲル(例えば、特許文献2参照)、透明性シリコーンゲルアクリル系樹脂を構成材料の1つとするゲル状材料(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
本発明は、超音波検査手技の訓練に適したリアルな触感を備え、かつ取り扱い性に優れた超音波検査用ファントムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の超音波検査用ファントムは、水と、ポリマーと、鉱物とを含むハイドロゲルを含む。
本発明によると、超音波検査手技の訓練に適したリアルな触感を備え、かつ取り扱い性に優れた超音波検査用ファントムを提供することができる。
図1は、鉱物としての水膨潤性層状粘土鉱物、及び水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させた状態の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の超音波検査用ファントムを成型するために使用する型の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の超音波検査用ファントムを成型するために使用する型の他の一例を示す概略図である。 図4は、型から取り出した本発明の超音波検査用ファントムの一例を示す概略図である。 図5は、本発明の超音波検査用ファントムの他の一例を示す概略図である。 図6は、超音波検査用ファントムを作製するための三次元プリンターの概略図である。 図7は、三次元プリンターで作製した超音波検査用ファントムをサポート材から剥離した概略図である。 図8は、超音波検査用ファントムを作製するための別方式の三次元プリンターの概略図である。 図9は、実施例1で作製した超音波検査用ファントムの超音波画像である。 図10は、人体の胃の内部に腫瘍ができた状態を示す超音波画像である。 図11は、三次元プリンターで直接造形した腎臓型超音波検査用ファントムである。 図12は、図11の腎臓型超音波検査用ファントムの超音波画像である。
(超音波検査用ファントム)
本発明の超音波検査用ファントムは、水と、ポリマーと、鉱物とを含むハイドロゲルを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
超音波検査装置は、一般的に、超音波を発生させ(送信し)、超音波が病変部で反射した超音波(エコー)を受信するプローブ(探触子)と、プローブを介して受信したデータを処理する処理部と、処理部によって処理されたデータを画像として表示するモニタ(ディスプレイ)とで構成されている。
超音波検査装置を用いた病変部検査では、モニタに表示された画像から病変部を観察しつつ、病変部に対し、例えば、穿刺針で穿刺する等の処理(処置)を施す。
穿刺針による穿刺処理は、事前に、生体組織を模した超音波検査用ファントムを用いて訓練することが望ましい。このような訓練に値する超音波検査用ファントムとしては、例えば、(1)超音波ガイド下の画像が、実際に生体組織を用いた場合の画像に類似していること、(2)正常部と病理部の明確な区別がつくこと、(3)穿刺針等によって病理部の成分が採取可能であること、(4)穿刺針等の穿刺に際して、人体の触感に近いこと、(5)可能であれば繰り返し使用ができること、などの特性及び機能を満たすことが必要である。
したがって、本発明においては、水と、ポリマーと、鉱物とを含むハイドロゲルを含み、超音波ガイド下で訓練を行う場合に必要な特性をすべて兼ね備え、かつ取り扱い性に優れた超音波検査用ファントムを提供することができる。また、本発明によると、穿刺処理などが繰り返し可能である超音波検査用ファントムを提供することができる。
超音波検査用ファントムは、溶媒に分散された鉱物と、重合性モノマーが重合したポリマーとが複合化して形成された三次元網目構造の中に、水が包含されているハイドロゲルからなることが好ましい。
<ポリマー>
ポリマーとしては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有するポリマーが挙げられ、水溶性であってもよい。
本発明において、ポリマーの水溶性とは、例えば、30℃の水100gに該ポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
ポリマーは、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、また、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよい。
ポリマーは、重合性モノマーを重合させることにより得られる。
<水>
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解乃至分散させてもよい。
<鉱物>
鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。例えば、図1は、鉱物としての水膨潤性層状粘土鉱物、及び水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させた状態の一例を示す模式図である。
図1の上図に示すように、水膨潤性層状粘土鉱物は、単一層の状態で水に分散されており、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈している。更に、図1の上図の水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させると、図1の下図に示すように、各単一層が分離して、複数の二次元円盤状の結晶となる。
水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高弾性の超音波検査用ファントムが得られる点から、水膨潤性ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性ヘクトライトは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、超音波検査用ファントムの弾性率の点から、合成ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性とは、図1に示すように層状粘土鉱物の各単一層の間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
鉱物の含有量は、超音波検査用ファントムの弾性率及び硬度の点から、超音波検査用ファントムの全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましい。
<有機溶媒>
有機溶媒は、超音波検査用ファントムの保湿性を高めるために含有される。
有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等の炭素数1~4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルコールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコールが好ましく、グリセリン、プロピレングルコールがより好ましい。
有機溶媒の含有量は、超音波検査用ファントムの全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。有機溶媒の含有量が10質量%以上であると、乾燥防止の効果が十分に得られる。また、有機溶媒の含有量が50質量%以下であると、層状粘土鉱物が均一に分散される。
<金属酸化物>
本発明の超音波検査用ファントムは、超音波検査装置の超音波伝搬速度をコントロールするために、金属酸化物粒子を添加することが好ましい。金属酸化物粒子によって超音波を散乱させ、超音波映像(エコー像)にコントラスをつけるためである。
金属酸化物は散乱体として用いるため、粒子と周りの材料との接触界面が大きくなるほど有利であり、比表面積として50m/g以上の金属酸化物粒子を用いることが好ましい。金属酸化物の比表面積は、50m/g以上250m/g以下がより好ましい。
比表面積は、例えば、ガス吸着法(BET法)により測定することができる。
金属酸化物としては、比表面積が50m/g以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ含有シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア、又は金属酸化物の複合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリカ、アルミナ含有シリカが好ましい。
これら金属酸化物は、ハイドロゲル中に分散されるため、表面が親水性である粒子が有効に用いられる。
金属酸化物の含有量は、超音波検査用ファントムの全量に対して、1質量%~5質量%が好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸等のホスホン酸化合物、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
本発明で用いるハイドロゲルは、ポリマーと水を主成分として構成されることから、そもそも人体の組成に近いため、超音波の伝搬速度は人体の値に近い。
人体において、体液で満たされている空洞部や水組成がリッチな領域は、超音波映像(エコー像)では黒く映る。もちろん、ハイドロゲル単体でもこれらを再現して黒く映すことができる。骨や脂質領域は白く映り、各種臓器などは白と黒の中間になる。
ハイドロゲルに、適当量の金属酸化物を添加することにより、超音波伝搬速度を任意にコントロールでき、超音波映像にコントラストを付与できる。ハイドロゲルに金属酸化物を添加しない場合は黒いエコー像が得られるが、ハイドロゲルに金属酸化物の添加を増加させると共に、灰色~白色の方向にシフトする。
本発明の超音波検査用ファントムは、超音波検査の穿刺処理等の訓練に用いる点から、生体組織に生じた病変部を模した疑似病変部を備えることが好ましい。
疑似病変部は、超音波検査用ファントム本体よりも超音波伝達性が低いことが好ましい。
疑似病変部は、比表面積が150m/g以上である金属酸化物を含有することが好ましい。
金属酸化物としては、比表面積が150m/g以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ含有シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア、又は金属酸化物の複合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリカ、アルミナ含有シリカが好ましい。
本発明の超音波検査用ファントムは、ポリマーと水に鉱物を加えたハイドロゲルから構成される。この構成のハイドロゲルは、鉱物の添加により一般的なハイドロゲルに対して、下記2つの特徴を付与することができる。
1つは、強度や靱性をコントロールできる。本発明に含まれるハイドロゲルは、水に対するポリマーや鉱物の含有比率を変えられるので、対象とする臓器などの触感に近づけることができ、トレーニングの際にリアルな感覚を得ることができる。
もう1つは、自己治癒性の付与である。穿刺処理等のトレーニングに用いられる場合、穿刺処理等により検体が摘出された部分に穴が開いてしまうので、一般的なファントムは使い捨てにされる。一方、本発明に含まれるハイドロゲルは、鉱物の層間に形成されるポリマーネットワークの作用により、切断されたネットワークが時間の経過により修復される機能を有する。このため、一度使用したファントムも、繰り返しの使用が可能となる。
更に、本発明の超音波検査用ファントムは、前駆体を三次元プリンターにて直接造形することが可能である。このため、狙いの特定形状なども任意に造形することが可能である。
このように、本発明で用いられるハイドロゲルは、超音波検査用ファントムの材料として従来にない機能を有し、非常に最適な材料である。
(超音波検査用ファントムの製造方法)
本発明の超音波検査用ファントムの製造方法は、水、鉱物、及び重合性モノマーを含有するファントム形成用液体材料を用いて超音波検査用ファントムを製造するものである。
<ファントム形成用液体材料>
ファントム形成用液体材料は、水、鉱物、及び重合性モノマーを含有し、有機溶媒、金属酸化物を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
水、鉱物、有機溶媒、金属酸化物、及びその他の成分としては、上記超音波検査用ファントムと同様のものを用いることができる。
-重合性モノマー-
重合性モノマーは、不飽和炭素-炭素結合を1つ以上有する化合物であり、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。更に、多官能モノマーとして、2官能モノマー、3官能モノマー、4官能以上のモノマーなどが挙げられる。
単官能モノマーは、不飽和炭素-炭素結合を1つ有する化合物であり、例えば、アクリルアミド、N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体、その他の単官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、又はN,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、N-イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
その他の単官能モノマーとしては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単官能モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーが得られる。
アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、超音波検査用ファントムの強度を保つために有利な構成成分である。
単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ファントム形成用液体材料の全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。単官能モノマーの含有量が、1質量%以上10質量%以下の範囲であると、ファントム形成用液体材料中の層状粘土鉱物の分散安定性が保たれ、かつ超音波検査用ファントムの延伸性を向上させるという利点がある。延伸性とは、超音波検査用ファントムを引っ張った際に伸び、破断しない特性のことを言う。
2官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、トリアリルイソシアネート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
4官能以上のモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能モノマーの含有量は、ファントム形成用液体材料の全量に対して、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。多官能モノマーの含有量が、0.001質量%以上1質量%以下の範囲であると、得られる超音波検査用ファントムの弾性率や硬度を適正な範囲に調整することができる。
ファントム形成用液体材料は、重合開始剤を用いて硬化させることが好ましい。重合開始剤は、ファントム形成用液体材料中に添加して使用される。
-重合開始剤-
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA-044、VA-46B、V-50、VA-057、VA-061、VA-067、VA-086、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(いずれもDuPont Chemical社から入手可能)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレ-ト)(V-601)(和光純薬工業株式会社より入手可能)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobel社から入手可能)、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochem社から入手可能)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21-C50)(Akzo Nobel社から入手可能)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ、有機過酸化物と第3級アミンに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm~400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ジクロロベンゾフェノン、p,p-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾイルフォーメート、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、テトラメチルエチレンジアミンは、アクリルアミドをポリアクリルアミドゲルとする重合・ゲル化反応の開始剤として用いられる。
本発明の超音波検査用ファントムの製造方法としては、大きく分けて、型を用いて形成する方法と、三次元プリンターを用いて直接形成する方法との2つの方法がある。
<型を用いて形成する方法>
型を用いて形成する方法は、ファントム形成用液体材料を型に流し込み、硬化させる方法である。
所望の形状の超音波検査用ファントムを作製するために、狙いの形状の型を準備する。例えば、図2に示すような直方体101、又は図3に示すような円柱102の場合には、それに応じた型を準備して、ファントム形成用液体材料を注入する。
熱重合開始剤を用いて硬化する場合には、開始剤の種類に応じて反応温度を制御する。ファントム形成用液体材料を注入し、密閉して空気(酸素)を遮断した後、室温もしくは所定温度に加温して重合反応を進行させる。
重合が完了した後、型から取り出すことにより、超音波検査用ファントム101が形成される(図4参照)。
また、内部に組成(超音波伝搬速度)の異なる部位を形成する場合には、別途、作製した部位104を図3に示すような型にセットして、ファントム形成用液体材料を注入し、硬化させることにより、図5に示すような内部に組成(超音波伝搬速度)の異なる部位を有する超音波検査用ファントム103が形成される。
光重合開始剤を用いて硬化する場合には、硬化手段として、紫外線等のエネルギー線をファントム形成用液体材料に照射する必要がある。このため、使用する型はエネルギー線に対して透明な材質で構成される。このような型に注入し、密閉して空気(酸素)を遮断した後、型の外側からエネルギー線を照射する。このようにして重合が完了した後、型から取り出すことにより、超音波検査用ファントムが形成される。
図4及び図5のように、比較的単純な形状の超音波検査用ファントムでなく、例えば、臓器の形状を模したような外観の超音波検査用ファントムを形成する場合、使用する型は、三次元プリンターを用いて作製することが好ましい。
三次元プリンターとしては、特に方式を限定するものではないが、ファントム形成用液体材料を注入して硬化させるものであるから、ファントム形成用液体材料の漏れの無いような材質や方式で形成することが好ましく、インクジェット(マテリアルジェット)方式、光造形方式、レーザー焼結方式などが好適に用いられる。
例えば、内蔵形状に合わせた型を作製する場合、内蔵のCTデータを取得し、これを元にオスメスの型を作製できるように三次元(3D)データに変換する。この3Dデータを基に、三次元プリンターにて直接、超音波検査用ファントムを作製する。
ファントム形成用液体材料を、所望の形状データに基づき、三次元プリンターにて作製した型に流し込み、硬化させて形成することが好ましい。
<三次元プリンターを用いて直接形成する方法>
三次元プリンターを用いた造形は、ファントム形成用液体材料を用い、三次元プリンターにて直接造形するものである。
三次元プリンターが、インクジェット方式の三次元プリンター、又は光造形方式の三次元プリンターであることが好ましい。これらの方法を用いると、組成分布や形状制御を行うことができ、所望の形状や物性を有する超音波検査用ファントムを形成することができる。
三次元プリンターは、ファントムの材料を印字できる方式が好ましく、インクジェット(マテリアルジェット)方式、あるいはディスペンサー方式にてインクを吐出し、UV光により硬化する方式が有効に用いられる。こちらの方法の場合、超音波検査用ファントムを形成する材料を複数用いることができるため、超音波検査用ファントム全体を同一組成ではなく、組成に分布を設けることが可能になる。特に、超音波の伝搬速度をコントロールできるような組成分布を設けることができる。これは、正常細胞でない部分を再現する場合に、有効な手法である。
例えば、図6は、インクジェット(IJ)方式の三次元プリンター10を示す。インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、造形体用液体材料噴射ヘッドユニット11からファントム形成用液体材料を、支持体用液体材料噴射ヘッドユニット12、12から支持体形成用液体材料を噴射し、隣接した紫外線照射機13、13でファントム形成用液体材料及び支持体形成用液体材料を硬化しながら積層する。更に、三次元プリンター10は、造形体支持基板14と、平滑化部材16が含まれる。
液体材料噴射ヘッドユニット11、12及び紫外線照射機13と、造形体(超音波検査用ファントム)17及び支持体18とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ15を下げながら積層する。
三次元プリンター10では、紫外線照射機13、13は矢印A、Bいずれの方向に移動する際も使用し、その紫外線照射に伴って発生する熱により、積層された支持体形成用液体材料表面が平滑化され、結果として超音波検査用ファントムの寸法安定性が向上できる。
造形終了後、図7に示すように超音波検査用ファントム17と支持体18を水平方向に引っ張り剥離したところ、支持体18は一体として剥離され、超音波検査用ファントム17を容易に取り出すことができる。
また、図8に示すような光造形方式の三次元プリンターでは、ファントム形成液体材料を液槽24に溜め、液槽の表面27にレーザー光源21により出射された紫外線レーザー光23をレーザースキャナー22から照射して、造形ステージ26上に硬化物を作製する。造形ステージ26はピストン25の作動により降下し、これを順次繰り返し、造形物(超音波検査用ファントム)28が得られる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
-ファントム形成用液体材料1の調製-
まず、純水700質量部を攪拌させながら、鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)13質量部を少しずつ添加し、更に1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸0.6質量部を添加し、攪拌して分散液を調製した。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したN,N-ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)7質量部、アクリロイルモルホリン(東京化成工業株式会社製)35質量部、及びメチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)0.5質量部、並びにグリセリン(東京化成工業株式会社製)120質量部を添加した。
次に、氷浴で冷却しながら、テトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)を1質量部添加して、攪拌混合の後減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、均質なファントム形成用液体材料1を得た。
(調製例2)
-シアン顔料分散液の調製-
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃まで昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下し、65℃で1時間熟成した。更に、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、1時間熟成した後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、50質量%のポリマー溶液を800g得た。
ポリマー溶液28g、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15)42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練し、ペーストを得た。次に、ペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いて、メチルエチルケトン及び水を留去した。更に、平均孔径が5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターを用いて加圧濾過し、顔料の含有量が15質量%、固形分が20質量%のシアン顔料分散液を得た。
-ファントム形成用液体材料2の調製-
純水120質量部を攪拌させながら、鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)1.7質量部を少しずつ添加し、更に1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸0.1質量部を添加し、攪拌して分散液を調製した。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したN,N-ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)1質量部、アクリロイルモルホリン(東京化成工業株式会社製)5質量部、及びメチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)0.1質量部、並びにグリセリン(東京化成工業株式会社製)20質量部を添加した。
次に、氷浴で冷却しながら、テトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)を1質量部、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)を3質量部、及び上記調製したシアン顔料分散液0.2質量部を添加して、攪拌混合の後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、均質なファントム形成用液体材料2を得た。
(実施例1)
<超音波検査用ファントムの作製>
-ファントム(腫瘍部)の作製-
直径20mmの球状の腫瘍部が10個同時に造形可能な型を準備した(図示せず)。
50質量部のファントム形成用液体材料2に、ペルオキソ2硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)の純水2質量%水溶液を4質量部添加し、十分に攪拌を行った後、型に注ぎ込み、蓋をして密閉状態として、室温(25℃)で2時間硬化反応を行った。
硬化後、型から取り出し水洗して、直径20mmの球状の腫瘍部を得た。
-ファントム(正常部)の作製-
図3に示すような円筒状の型を準備して、上記で作製した腫瘍部が宙に浮くような状態でセットした。
30質量部のファントム形成用液体材料1に、ペルオキソ2硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)の純水2質量%水溶液を2.5質量部添加し、十分に撹拌を行った後、型に注ぎ込み、蓋をして密閉状態として、室温(25℃)で2時間硬化反応を行った。
硬化後、型から取り出し水洗して、直径20mmの球状の腫瘍部104を内包する円筒状の超音波検査用ファントム103を得た(図5参照)。
(実施例2)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200V)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
(実施例3)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジルOX50)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
(実施例4)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル90G)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
(実施例5)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル50)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
(実施例6)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、アルミナ含有シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジルMOX170)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
(実施例7)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、酸化チタン(日本アエロジル株式会社製、アエロジルP25)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
(実施例8)
実施例1において、ファントム形成用液体材料2に用いたシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)の代わりに、アルミナ(日本アエロジル株式会社製、アエロジルAluC)を用いた以外は、実施例1と同様にして、超音波検査用ファントムを作製した。
<評価1>
実施例1~8において作製した超音波検査用ファントムを、内視鏡用超音波観測装置(EU-ME2、オリンパス株式会社製)にてエコー像を観測した。
図9には、実施例1で作製した超音波検査用ファントムのエコー像を示す。図9から、正常部111と腫瘍部110とのコントラストが非常に大きく、明瞭な画像が得られている。
図10は、人体の胃に腫瘍ができた患部のエコー像を示す。図10から、胃壁113、胃内部にできた腫瘍112と、胃内部114の空間(胃液が満たされている)にはエコー像上のコントラストが得られており、図9のファントムのエコー像はそれを再現している。
実施例2~8の超音波検査用ファントムにおいても同様なエコー像を観測し、コントラストを評価した。評価は画像のコントラストを以下の指標で行った。結果を表1に示した。
[評価指標]
◎:正常部と腫瘍部のコントラストが明瞭、腫瘍部が白~灰色の画像となる
○:正常部と腫瘍部の区別がつく程度、腫瘍部は淡い灰色の画像となる
×:正常部と腫瘍部の区別がつかない、腫瘍部が黒い画像となる
<評価2>
腫瘍部の穿刺による生検が可能か否か、穿刺吸引試験を実施した。評価は以下の指標で実施した。結果を表1に示した。
[評価指標]
○:十分量が採取できた
×:採取できなかった
Figure 0007106850000001
*金属酸化物の比表面積は、BET法により測定した値である。
(比較例1~3)
特許第4648310号公報の実施例1に準じて、超音波検査用ファントムを作製した。
-ファントム(腫瘍部)の作製-
ファントム内部に内包する腫瘍部を以下の3種類の組成にて、本発明の実施例1と同じ手法にて作製した。
(A)アクリルアミドストック溶液(390gのアクリルアミド、10gのN,N’-メチレンビスアクリルアミドを蒸留水で1,000mLとしたもの)9mL及び酸化チタン微粒子1gを蒸留水で25mLにメスアップした分散液
(B)アクリルアミドストック溶液9mL及び酸化チタン微粒子0.6gを蒸留水で25mLにメスアップした分散液分散液
(C)アクリルアミドストック溶液9mL及び酸化チタン微粒子0.01gを蒸留水で25mLにメスアップした分散液
これら3種類の分散液を各々5分間撹拌しながら脱気し、APS(Ammonium PerSulfite)0.25mL及びTEMDE(N,N,N’,N’,-Tetramethylethylenediamine)0.01mLを加え、実施例1で使用した直径20mmの型に注ぎ込み、蓋をしてゲル化させて、3種の腫瘍部を作製した。
-ファントム(正常部)の作製-
40質量%アクリルアミドストック溶液(390gのアクリルアミド、10gのN,N’-メチレンビスアクリルアミドを蒸留水で1,000mLとしたもの)80mL、及び酸化チタン微粒子(日本アエロジル株式会社製、P-25)12.5gを蒸留水で500mLにメスアップし、撹拌しながら脱気を30分間行った。
10質量%APS(Ammonium PerSulfite)水溶液5mL及びTEMED(N,N,N’,N’,-Tetramethylethylenediamine)0.2mLを加え、ファントム形成用液体材料を調製した。
実施例1で使用した図3に示すような円筒状の型102に先に作製した3種の腫瘍部をセットし、そこに調製したファントム形成用液体材料を注ぎ込み、蓋をしてゲル化させ、3種類のファントムをそれぞれ作製した。
<評価>
実施例1、7及び比較例1~3で作製したファントムを先の評価1、及び評価2と同様の評価を行った。
また、評価2の試験に供した後、1週間の保管(22℃、50%RH環境)にて密閉保管し、再度、評価1と同様にしてエコー像の観察を行った。保管後のエコー像の指標は以下の通りである。
[評価指標]
○:穿刺により生じた跡が消えている
×:穿刺により生じた跡が残っている
Figure 0007106850000002
(実施例9)
実施例9では、三次元プリンターによる直接造形の例を示す。
-ファントム形成用液体材料3の調製-
まず、純水165質量部を攪拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)17質量部を少しずつ添加し、3時間攪拌して分散液を作製した。その後、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(東京化成株式会社製)を0.7質量部添加し、更に1時間攪拌を行った。その後、グリセリン(坂本薬品工業株式会社製)30質量部を添加し、攪拌を10分間行った。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社製)を17質量部、N,N-ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を4質量部、メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)を0.7質量部添加した。更に、界面活性剤としてエマルゲンSLS-106(花王株式会社製)を1質量部添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を2.4質量部添加し、攪拌混合の後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、ファントム形成用液体材料3を得た。
-ファントム形成用液体材料4の調製-
まず、純水165質量部を攪拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)17質量部を少しずつ添加し、3時間攪拌して分散液を作製した。その後、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(東京化成株式会社製)を0.7質量部添加し、更に1時間攪拌を行った。その後、グリセリン(坂本薬品工業株式会社製)30質量部を添加し、攪拌を10分間行った。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社製)を17質量部、N,N-ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を4質量部、メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)を0.7質量部添加した。更に、界面活性剤としてエマルゲンSLS-106(花王株式会社製)を1質量部添加して混合した。
更に、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)を1質量部添加して、撹拌混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を2.4質量部添加し、攪拌混合の後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、ファントム形成用液体材料4を得た。
-ファントム形成用液体材料5の調製-
まず、純水165質量部を攪拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)17質量部を少しずつ添加し、3時間攪拌して分散液を作製した。その後、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(東京化成株式会社製)を0.7質量部添加し、更に1時間攪拌を行った。その後、グリセリン(坂本薬品工業株式会社製)30質量部を添加し、攪拌を10分間行った。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社製)を17質量部、N,N-ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を4質量部、メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)を0.7質量部添加した。更に、界面活性剤としてエマルゲンSLS-106(花王株式会社製)を1質量部添加して混合した。
更に、シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)を3質量部添加して、撹拌混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を2.4質量部添加し、攪拌混合の後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、ファントム形成用液体材料5を得た。
-支持体形成用液体材料の調製-
ウレタンアクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名:ダイヤビームUK6038)10質量部、重合性モノマーとしてネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD MANDA)90質量部、及び重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名:イルガキュア184)3質量部を、ホモジナイザー(日立工機株式会社製、HG30)を用いて、回転数2,000rpmで均質な混合物が得られるまで分散した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、最後に真空脱気を10分間実施し、均質な支持体形成用液体材料を得た。
-3Dプリンターによる造形-
図6に示すようなインクジェット方式の三次元プリンターに、ファントム形成用液体材料3、ファントム形成用液体材料4、ファントム形成用液体材料5、及び支持体形成用液体材料を充填し、インクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、GEN4)4個に充填し、噴射させ、製膜を行った。
造形は、人体の腎臓の内部に腫瘍ができた状態を示すCTデータを基に、3Dプリント用のデータに変換し、これを基に腎臓型ファントムを造形した。尿管部分はファントム形成用液体材料3、正常部分はファントム形成用液体材料4、腫瘍部分はファントム形成用液体材料5、及びこれらを支える部分を支持体形成用液体材料にて造形を行った。
紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5-250DB)で350mJ/cmの光量を照射して、ファントム形成用液体材料3、ファントム形成用液体材料4、ファントム形成用液体材料5、及び支持体形成用液体材料を硬化させながら、ファントム及び支持体の形成を行った。
造形後、図7示すようにファントム17と支持体18を剥離して、図11に示すような腎臓型ファントムを作製した。図11中120は腫瘍部、121は正常部、122は尿管を表す。
<評価>
先の評価1と同様にして、作製した腎臓型ファントムのエコー像を、内視鏡用超音波装置 EU-ME2(オリンパス株式会社製)を用いて観察した。結果を図12に示す。
図12から、腫瘍部と正常部のコントラストが得られ、腫瘍部の特定ができた。また、中空構造である尿管は人体と同様に黒く映され、リアルな腎臓型ファントムが形成できたことがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 水と、ポリマーと、鉱物とを含むハイドロゲルを含むことを特徴とする超音波検査用ファントムである。
<2> 前記ポリマーと、前記鉱物とが複合化して形成された三次元網目構造中に前記水が包含されているハイドロゲルを含む前記<1>に記載の超音波検査用ファントムである。
<3> 比表面積が50m/g以上である金属酸化物を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムである。
<4> 前記金属酸化物がシリカである前記<3>に記載の超音波検査用ファントムである。
<5> 前記金属酸化物がアルミナ含有シリカである前記<3>に記載の超音波検査用ファントムである。
<6> 生体組織に生じた病変部を模した疑似病変部を備える前記<1>から<5>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムである。
<7> 前記疑似病変部は、ファントム本体よりも超音波伝達性が低い前記<6>に記載の超音波検査用ファントムである。
<8> 前記疑似病変部が、比表面積が150m/g以上である金属酸化物を含有する前記<7>に記載の超音波検査用ファントムである。
<9> 前記金属酸化物がシリカである前記<8>に記載の超音波検査用ファントムである。
<10> 前記金属酸化物がアルミナ含有シリカである前記<8>に記載の超音波検査用ファントムである。
<11> 自己治癒性を有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムである。
<12> 超音波検査の穿刺処理の訓練に用いられる前記<1>から<11>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムである。
<13> 水、鉱物、及び重合性モノマーを含有するファントム形成用液体材料を用いてファントムを製造することを特徴とする超音波検査用ファントムの製造方法である。
<14> 前記ファントム形成用液体材料が、比表面積が50m/g以上である金属酸化物を含有する前記<13>に記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
<15> 前記金属酸化物がシリカである前記<14>に記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
<16> 前記金属酸化物がアルミナ含有シリカである前記<14>に記載の超音波検査用ファントムである。
<17> 前記ファントム形成用液体材料が、重合開始剤を含有する前記<13>から<16>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
<18> 前記ファントム形成用液体材料を型に流し込み、硬化させて形成する前記<13>から<17>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
<19> 前記型を、三次元プリンターを用いて作製する前記<18>に記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
<21> 前記ファントム形成用液体材料を用い、三次元プリンターにてファントムを造形する前記<13>から<17>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
<22> 前記三次元プリンターが、インクジェット方式の三次元プリンター、及び光造形方式の三次元プリンターのいずれかである前記<18>に記載の超音波検査用ファントムの製造方法である。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の超音波検査用ファントム、及び前記<13>から<22>のいずれかに記載の超音波検査用ファントムの製造方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
10 造形装置
11 造形体用インク噴射ヘッドユニット
12 支持体用インク噴射ヘッドユニット
13 UV照射機
14 造形体支持基板
15 ステージ
16 平滑化部材
17 造形体(超音波検査用ファントム)
18 支持体(サポート材)
21 レーザー光源
22 レーザースキャナー
23 レーザービーム
24 浴槽
25 ピストン
26 造形ステージ
27 インク液面
28 作製中の造形物(超音波検査用ファントム:レーザーにて硬化された部分)
100、102 超音波検査用ファントムを形成するための型
101、103 超音波検査用ファントム
104 超音波検査用ファントムに内包される超音波伝搬速度の異なる領域
110 超音波検査用ファントムに内包される腫瘍部
111 超音波検査用ファントム外側に形成された正常部
112 胃内部に存在する腫瘍部
113 胃壁
114 胃内部
120 腫瘍部
121 正常部
122 尿管
特開平8-10254号公報 特許第4648310号公報 特許第5214733号公報

Claims (13)

  1. 水と、ポリマーと、鉱物と、比表面積が50m/g以上である金属酸化物とを含むハイドロゲルを含 み、
    生体組織に生じた病変部を模した疑似病変部を備え、前記疑似病変部はファントム本体よりも超音波伝達性が低く、かつ比表面積が150m/g以上である金属酸化物を含有する ことを特徴とする超音波検査用ファントム。
  2. 前記比表面積が50m /g以上である金属酸化物がシリカである請求項1に記載の超音波検査用ファントム。
  3. 前記比表面積が50m /g以上である金属酸化物がアルミナ含有シリカである請求項1に記載の超音波検査用ファントム。
  4. 前記比表面積が150m/g以上である金属酸化物がシリカである請求項1に記載の超音波検査用ファントム。
  5. 前記比表面積が150m/g以上である金属酸化物がアルミナ含有シリカである請求項1に記載の超音波検査用ファントム。
  6. 自己治癒性を有する請求項1から5のいずれかに記載の超音波検査用ファントム。
  7. 超音波検査の穿刺処理の訓練に用いられる請求項1から6のいずれかに記載の超音波検査用ファントム。
  8. 水と、ポリマーと、鉱物と、比表面積が50m/g以上であるアルミナ含有シリカとを含むハイドロゲルを含むことを特徴とする超音波検査用ファントム。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の超音波検査用ファントムを製造する方法であって、
    水、鉱物、比表面積が50m/g以上である金属酸化物及び重合性モノマーを含有するファントム形成用液体材料を用いて超音波検査用ファントムを製造することを特徴とする超音波検査用ファントムの製造方法。
  10. 水、鉱物、比表面積が50m/g以上であるアルミナ含有シリカ、及び重合性モノマーを含有するファントム形成用液体材料を用いて超音波検査用ファントムを製造することを特徴とする超音波検査用ファントムの製造方法。
  11. 前記ファントム形成用液体材料を型に流し込み、硬化させて形成する請求項9から10のいずれかに記載の超音波検査用ファントムの製造方法。
  12. 前記ファントム形成用液体材料を用い、三次元プリンターにて超音波検査用ファントムを造形する請求項9から10のいずれかに記載の超音波検査用ファントムの製造方法。
  13. 前記三次元プリンターが、インクジェット方式の三次元プリンター、及び光造形方式の三次元プリンターのいずれかである請求項12に記載の超音波検査用ファントムの製造方法。
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高強度で自己修復性のあるアクアマテリアルの開発に成功,科学技術振興機構報 第707号,2010年03月02日,URL<https://web.archive.org/web/20100302064300/http://www.jst.go.jp/pr/info/info707/index.html>,特に本文、図を参照,[2021年6月22日検索]

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