JP2020074837A - 超音波伝搬部材及びその製造方法 - Google Patents

超音波伝搬部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査対象の表面に隙間なく密着させることができると共に、検査後の後処理を不要もしくは簡便にできる超音波伝搬部材の提供。【解決手段】被検査対象に接触させて用いる超音波伝搬部材であって、前記超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、前記被検査対象表面に沿った形状を有する超音波伝搬部材である。水とポリマーと鉱物とから構成されるハイドロゲルを含む態様などが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、超音波伝搬部材及び超音波伝搬部材の製造方法に関する。
超音波診断は、超音波受信機を人体表面に当接させて、人体内部からでてくる超音波を受信して行うものである。この際、超音波受信機をそのまま人体表面に当てると、超音波受信機と人体表面の間に空気が介在するので、超音波伝搬の障害となり、診断ができなくなる場合がある。
この点を防止するために、超音波受信機と人体表面の間に、人体と音響インピーダンスが近いゲル状物質(ゼリー)を介在させて診断を行っている。しかし、ゲル状物質は取り扱いが不便であり、一般的にはチューブなどに収納され、使用時に人体表面に直接付与する。このゲル状物質は非常に粘着質であり、被験者に不快感を与える。また、使用後の拭き取りも困難であり、非常に煩わしいという問題がある。
前記問題点を解決するため、例えば、高分子含水ゲルからなる超音波ゲルシートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、被検査対象の表面に隙間なく密着させることができると共に、検査後の後処理を不要もしくは簡便にできる超音波伝搬部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の超音波伝搬部材は、被検査対象に接触させて用いる超音波伝搬部材であって、前記超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、前記被検査対象表面に沿った形状を有する。
本発明によると、被検査対象の表面に隙間なく密着させることができると共に、検査後の後処理を不要もしくは簡便にできる超音波伝搬部材を提供することができる。
図1は、従来の超音波診断を実施する状態を示す概略図である。 図2は、平面構造のゲルシートを人体表面に接触させた場合の概略図である。 図3は、人体表面の形状に沿った構造を有する超音波伝搬部材を人体表面に接触させた場合の図である。 図4は、鉱物としての水膨潤性層状粘土鉱物、及び前記水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させた状態の一例を示す模式図である。 図5は、三次元プリンターで作製した乳房用超音波伝搬部材のオス型の概略図である。 図6は、三次元プリンターで作製した乳房用超音波伝搬部材のメス型の概略図である。 図7は、三次元プリンターで作製した乳房用超音波伝搬部材を組み合わせた概略図である。 図8は、型から取り出した乳房用超音波伝搬部材の概略図である。 図9は、超音波伝搬部材を作製するための三次元プリンターの概略図である。 図10は、三次元プリンターで作製した超音波伝搬部材を支持体から剥離した概略図である。 図11は、超音波伝搬部材を作製するための別の構成からなる三次元プリンターの概略図である。
(超音波伝搬部材)
本発明の超音波伝搬部材は、被検査対象に接触させて用いる超音波伝搬部材であって、超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、被検査対象表面に沿った形状を有する。
従来の超音波診断に用いられる超音波伝搬部材では、流動性ゲル(ゼリー)を被験者の皮膚表面に出し、これを超音波受信機で引き延ばし、皮膚表面に塗布して使用する。図1に示すように、流動性ゲル2を塗布した被験者の皮膚1の表面に超音波受信機3を当接させ、流動性ゲル2により両者の間に空気(空隙)が存在しないようにしながら診断を行う。このような流動性ゲルを用いる場合、被験者が変わるごとに、あるいは診断部位を変えるごとに流動性ゲルを塗布しなければならない。また、この流動性ゲルはベタベタした触感があり、被験者にとっては気持ち悪く感じる場合が多く、また、人体から拭き取る作業が必要になり、非常に煩雑であるという欠点がある。
また、従来技術では、図1に示すような流動性ゲル2を、図2に示すようなゲルシート5に変更した形態が知られている。この場合、ゲルシート5を被験者の皮膚1の表面に置いて、超音波受信機で押し付け、ゲルシート5を密着させるようにして診断を行う。
このゲルシート5は、型を用い作製した平板状の形状を有するものであるため、被験者の皮膚1の表面に隙間なく完全に密着させることは難しく、図2に示すように、皮膚表面に凸部4を有する場合には空隙6が生じ気泡が入りやすいという欠点がある。気泡を入りにくくするためには、超音波受信機を人体に強く押し付けることになるため、部位によっては被験者に苦痛を与えることもある。
したがって、本発明の超音波伝搬部材は、以上のような知見に基づき発明されたものであり、被検査対象に接触させて用いる超音波伝搬部材であって、前記超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、前記被検査対象表面に沿った形状を有することにより、被検査対象である被験者の不快感を解消し、検査後の後処理も不要とする。また、操作性においても、密着性に優れ、スムーズに超音波診断を行えるものである。
被検査対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超音波診断における被験者などが挙げられる。
本発明の超音波伝搬部材は、被験者の個人データに基づき、被検査対象である被験者の人体表面に沿った形状を有する。これにより、図3に示したように、人体表面に凸部4を有している場合でも被験者の皮膚に隙間なくフィットした超音波伝搬部材7が形成できる。
ここで、超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、前記被検査対象表面に沿った形状を有するとは、被検査対象表面の凹部又は凸部のそれぞれに対して凸部又は凹部となるような一定の形状を保持していることを意味し、被検査対象の凹凸に強く押付けて密着させる(凹凸に沿わせるように形状変化させる)ようなことは必要がない。例えば、超音波診断用途であれば、被験者となる人体の検査対象部位の凹凸に対応する形状を当初から有する超音波伝搬部材を用い、これを当該検査対象部位に位置合わせして配置するだけでよく、また診断時の多少の動きには追従するため、正確かつ迅速な超音波診断に寄与しうる。
本発明の超音波伝搬部材は、水と、ポリマーと、鉱物とを含み、有機溶媒を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記超音波伝搬部材は、有機溶媒に分散された鉱物と、重合性モノマーが重合したポリマーとが架橋して、複合化して形成された三次元網目構造の中に、溶媒が包含されているハイドロゲルからなることが好ましい。
−ポリマー−
ポリマーとしては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有するポリマーが挙げられ、水溶性であることが好ましい。
ポリマーは、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、また、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよいが、ホモポリマーが好ましい。
本発明において、ポリマーの水溶性とは、例えば、30℃の水100gに該ポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
ポリマーは、重合性モノマーを重合させることにより得られる。重合性モノマーについては、後述する超音波伝搬部材の製造方法において説明する。
−水−
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
水の含有量は、超音波伝搬性の点から、超音波伝搬部材の全量に対して、70質量%以上95質量%以下が好ましく、75質量%以上90質量%以下がより好ましい。
なお、水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整等の目的に応じて有機溶媒などの他の成分を溶解乃至分散させてもよい。
−鉱物−
前記鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。
前記水膨潤性層状粘土鉱物は、単一層の状態で水に分散した図4の上図に示すように、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈しており、前記水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させると、図4の下図に示すように、各単一層状態で分離して円盤状の結晶となる。
水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高弾性の超音波伝搬部材が得られる点から、水膨潤性ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性ヘクトライトは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、超音波伝搬部材の弾性率の点から、合成ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性とは、図4に示すように層状粘土鉱物の層間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
鉱物の含有量は、超音波伝搬部材の弾性率及び硬度の点から、超音波伝搬部材の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましい。
−有機溶媒−
有機溶媒は、超音波伝搬部材の保湿性を高めるために含有される。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルコールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコールが好ましく、グリセリン、プロピレングリコールがより好ましい。
有機溶媒の含有量は、超音波伝搬部材の全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、乾燥防止の効果が十分に得られる。また、50質量%以下であると、層状粘土鉱物が均一に分散される。
有機溶媒の含有量が、10質量%以上50質量%以下であると、人体の組成からのずれが小さく、超音波伝搬部材としての良好な機能が得られる。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸化合物、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
<皮膜>
超音波伝搬部材の表面には、下記3つの目的から皮膜を設けることが有効である。
(1)超音波伝搬部材の形状を維持する。
(2)超音波伝搬部材の保存性(耐乾燥性、防腐性)を向上する。
(3)超音波伝搬部材の外観性を改善する。
超音波伝搬部材の形状を維持するためには、当該超音波伝搬部材の自重による崩壊を防ぐため、皮膜に弾性力をもたせることが好ましい。皮膜の有無における超音波伝搬部材の硬度(ヤング率)の差が0.01MPa以上であることが好ましい。
前記皮膜形成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、PPS、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、セロハン、アセテート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリイミド、フッ素樹脂、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記皮膜形成材料としては、市販品を用いることができ、市販品として、例えば、プラスティコート#100(大京化学株式会社製)、ポバール205(株式会社クラレ製)などが挙げられる。
前記皮膜の膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。前記膜厚が100μm以下であると、超音波伝搬部材を構成するハイドロゲルの質感を保つことができる点で有利である。
前記超音波伝搬部材の表面に皮膜を形成することで、超音波伝搬部材の外観性を改善することができる。例えば、超音波伝搬部材の表面に傷や表面荒れが存在する場合には皮膜により外観性を補うことができる。また、表面の皮膜が犠牲層となることで、内部の超音波伝搬部材を保護することができる。
前記超音波伝搬部材の表面はマーキングなどの記入を行うことができないので、超音波伝搬部材の表面に皮膜を形成することにより、超音波診断時の手順や測定部位、被験者名などを書き込むことができるため、超音波伝搬部材に機能を付与することができる。
前記皮膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記皮膜形成材料を溶媒に溶解して、超音波伝搬部材の表面に塗布する方法などが挙げられる。前記塗布方法としては、例えば、刷毛、スプレー、浸漬塗工などが挙げられる。
また、前記皮膜形成材料として熱収縮フィルムを用い、超音波伝搬部材の表面にラミネートする方法が挙げられる。
また、前記皮膜形成材料を溶剤に溶解して、超音波伝搬部材形成用液体材料を用いて三次元プリンターで超音波伝搬部材を造形する際に同時に皮膜を形成してもよい。
いずれの場合も、皮膚への密着性が重要であるため、被験者個人の放射線照射対象となる体表面の三次元データに基づき作製した超音波伝搬部材表面形状を損ねることの無い皮膜を形成することが肝要である。
超音波伝搬部材の保存性を向上させるには、耐乾燥性及び防腐性を向上させる必要がある。
前記耐乾燥性を向上させるには皮膜の水蒸気透過度や酸素透過度を低減することが効果的である。具体的には、超音波伝搬部材の水蒸気透過度(JIS K7129)は500g/m・day以下であることが好ましい。また、超音波伝搬部材の酸素透過度(JIS Z1702)は100,000cc/m/hr/atm以下であることが好ましい。
前記防腐性を向上させるためには、前記皮膜に防腐剤を含有することが好ましい。前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デヒドロ酢酸塩、ソルビン酸塩、安息香酸塩、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、2,4−ジメチル−6−アセトキシ−m−ジオキサン、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
前記超音波伝搬部材は、その形状、大きさ、構造、物性などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の超音波伝搬部材に含まれるハイドロゲルは、ポリマーと水と鉱物から構成されることから、そもそも人体の組成に近いため、音響インピーダンスは人体の値に近い。このため、人体表面にハイドロゲルを配置した場合、両者の密着性が良ければ、体内から発せられる超音波を反射(減衰)させることなく、超音波受信機に伝えることができる。
また、密着度合いは、上述したように、人体表面側においては密着させるために十分な柔らかさを備える構造にすることにより十分に確保される。このように、ハイドロゲルを含む超音波伝搬部材は、超音波伝搬部材に必要な物性や特性を兼ね備えたものであり、超音波伝搬部材を構成する材料としてハイドロゲルは最も優れた材料の一つとして挙げられる。
−硬度(ヤング率)−
本発明の超音波伝搬部材は、ハンドリング性、及び人体への密着性などの点から、適度な硬さを有する必要がある。本発明の超音波伝搬部材のようにかなり柔かく、靭性を有するような材料(部材)の場合、硬度を定量化することが難しいが、ヤング率で規定することが可能である。
ヤング率は、機械的試験法、共振法、超音波パルス法などの方法により求めることができるが、本発明のようにかなり柔かい材料の場合には、簡便的に測定できる機械的試験法が有用である。
本発明の超音波伝搬部材の硬度は、ヤング率で0.5kPa以上100kPa以下が好ましく、1kPa以上50kPa以下がより好ましい。
前記ヤング率が小さすぎる場合、自重により形状を維持できなくなり、超音波伝搬部材としての機能を果たせず、逆にヤング率が大きすぎる場合には、人体への密着性が悪化することが起こり得る。
−透過率−
超音波伝搬部材は人体への密着が重要であり、気泡の有無など、その接触度合いを目視で確認できることが好ましい。このため、可視領域(400nm以上700nm以下)の範囲で、透過率は70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
透過率は、例えば、市販の分光光度計を用いて測定することができる。
−超音波伝搬速度−
超音波伝搬部材は人体と密着して、受信した信号をセンサーまで伝搬する必要がある。人体の組成(ほぼ水と考えてよい)から超音波信号を効率よく受け取るためには、超音波伝搬部材の超音波伝搬速度が水に近いことが好ましい。
超音波伝搬速度は温度依存性を有するが、室温(25℃)の水中ではおよそ1,500m/秒である。本発明の超音波伝搬部材は水を主成分とするハイドロゲルであるが、その組成によっては超音波伝搬速度が大きくなることがある。
人体(水)との差異が大きくなりすぎると、検出器におけるフォーカスのずれを生じ、結果として画像の解像度が劣るという不具合が生じるので好ましくない。このため、超音波伝搬部材の超音波伝搬速度は、同一条件で測定した水中の超音波伝搬速度に対して±5%以内であることが好ましい。
超音波伝搬速度は、例えば、JIS Z 2353に記載の方法に準拠して測定することができる。
(超音波伝搬部材の製造方法)
本発明の超音波伝搬部材の製造方法は、水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を用いて超音波伝搬部材を製造するものである。
<超音波伝搬部材形成用液体材料>
前記超音波伝搬部材形成用液体材料は、水、鉱物、及び重合性モノマーを含有し、有機溶媒を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記水、前記鉱物、前記有機溶媒、前記その他の成分としては、前記超音波伝搬部材と同様のものを用いることができる。
−重合性モノマー−
前記重合性モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物であり、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
前記多官能モノマーとしては、例えば、2官能モノマー、3官能モノマー、3官能以上のモノマーなどが挙げられる。
前記単官能モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ有する化合物であり、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、又はその他の単官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、又はN,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、N−イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
前記その他の単官能モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単官能モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーが得られる。
前記アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、超音波伝搬部材の強度を保つために有利な構成成分である。
前記単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、超音波伝搬部材形成用液体材料の全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上10質量%以下であると、超音波伝搬部材形成用液体材料中の層状粘土鉱物の分散安定性が保たれ、かつ超音波伝搬部材の延伸性を向上させるという利点がある。前記延伸性とは、超音波伝搬部材を引っ張った際に伸び、破断しない特性のことを言う。
前記2官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、トリアリルイソシアネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3官能以上のモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの含有量は、超音波伝搬部材形成用液体材料の全量に対して、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.001質量%以上1質量%以下の範囲であると、得られる超音波伝搬部材の弾性率や硬度を適正な範囲に調整することができる。
前記超音波伝搬部材形成用液体材料は、重合開始剤を用いて硬化させることが好ましい。前記重合開始剤は、超音波伝搬部材形成用液体材料中に添加して使用される。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
前記アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(いずれもDuPont Chemical社から入手可能)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(和光純薬工業株式会社より入手可能)などが挙げられる。
前記過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobel社から入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochem社から入手可能)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox 21−C50)(Akzo Nobel社から入手可能)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
前記過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、前記過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ、前記有機過酸化物と第3級アミンに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系)などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光(波長220nm以上400nm以下の紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、テトラメチルエチレンジアミンは、アクリルアミドをポリアクリルアミドゲルとする重合・ゲル化反応の開始剤として用いられる。
本発明の超音波伝搬部材の製造方法としては、型を用いて形成する方法と、三次元プリンターを用いて直接形成する方法との2つの方法がある。
<型を用いて形成する方法>
前記型を用いて形成する方法は、水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を型に流し込み、硬化させる方法である。
本発明においては、超音波伝搬部材の被検査対象である人体への接触面が、被検査対象である人体表面に沿った形状を有する。このため、使用する型として、被験者の皮膚表面の形状データに基づき、三次元プリンターにて作製した型に流し込み、硬化させて形成することも有用である。
ここで、人体表面に沿った形状を有するとは、被験者個人の超音波診断対象となる体表面における、身体の凹部又は凸部のそれぞれに対して凸部又は凹部となるような一定の形状を保持していることを意味する。これにより、被験者の皮膚にピッタリとフィットした超音波伝搬部材が形成される。
前記三次元プリンターとしては、特に方式を限定するものではないが、超音波伝搬部材形成用液体材料を注入して硬化させるものであるから、超音波伝搬部材形成用液体材料の漏れの無いような材質や方式で形成することが好ましく、インクジェット(マテリアルジェット)方式、光造形方式、レーザー焼結方式などが有効に用いられる。
熱重合開始剤を用いて硬化する場合には、開始剤の種類に応じて反応温度を制御する。超音波伝搬部材形成用液体材料を注入し、密閉して空気(酸素)を遮断した後、室温もしくは所定温度に加温して重合反応を進行させる。重合が完了した後、型から取り出すことにより、超音波伝搬部材が形成される。
光重合開始剤を用いて硬化する場合には、硬化手段として、紫外線等のエネルギー線を超音波伝搬部材形成用液体材料に照射する必要がある。このため、使用する型はエネルギー線に対して透明な材質で構成される。このような型に注入し、密閉して空気(酸素)を遮断した後、型の外側からエネルギー線を照射する。このようにして重合が完了した後、型から取り出すことにより、超音波伝搬部材が形成される。
例えば、乳房形状に合わせた型を作製する場合、被験者の乳房のCTデータを取得し、これを元にオスメスの型を作製できるように三次元(3D)データに変換する。この三次元データを基に、三次元プリンターにより、図5に示す被験者の乳房用三次元超音波伝搬部材を形成するためのオス型121を作製する。被験者個人データを用い三次元プリンターにより、図6に示す乳房用三次元超音波伝搬部材を形成するためのメス型122を作製する。図7に示すように、作製したオス型121とメス型122とを組み合わせることにより、両者の間に隙間123が形成される。この隙間123に超音波伝搬部材形成用液体材料を注入し、硬化すると、図8に示す乳房用三次元超音波伝搬部材124を形成することができる。
<三次元プリンターを用いて直接形成する方法>
前記三次元プリンターを用いた造形は、超音波伝搬部材形成用液体材料を用い、三次元プリンターにて直接造形するものである。
前記三次元プリンターとしては、インクジェット方式の三次元プリンター、又は光造形方式の三次元プリンターであることが好ましい。これらの方法を用いると、被験者個人の診断部位の状態に合わせて、組成分布及び形状制御を行うことができる。
また、被験者の個人データに基づき、超音波診断対象となる人体表面に沿った形状を有することができる。この場合も被験者個人のデータを基に作製する。
例えば、乳房形状に合わせた型を作製する場合、乳房のCTデータを取得し、これを元にオスメスの型を作製できるように三次元(3D)データに変換する。この3Dデータを基に、三次元プリンターにて直接超音波伝搬部材を作製する。
前記三次元プリンターは、超音波伝搬部材形成用液体材料を印字できる方式が好ましく、インクジェット(マテリアルジェット)方式、又はディスペンサー方式にてインクを吐出し、UV光により硬化する方式が有効に用いられる。
ここで、図9に示すようなインクジェット(IJ)方式の三次元プリンター10は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、超音波伝搬部材形成用液体材料噴射ヘッドユニット11から超音波伝搬部材形成用液体材料を、支持体形成用液体材料噴射ヘッドユニット12、12から支持体形成用液体材料を噴射し、隣接した紫外線照射機13、13で超音波伝搬部材形成用液体材料及び支持体形成用液体材料を硬化しながら積層する。
超音波伝搬部材形成用液体材料噴射ヘッドユニット11、支持体形成用液体材料噴射ヘッドユニット12、及び紫外線照射機13と、超音波伝搬部材17及び支持体18とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ15を下げながら積層する。
前記三次元プリンター10では、紫外線照射機13、13は矢印A、Bいずれの方向に移動する際も使用し、その紫外線照射に伴って発生する熱により、積層された支持体形成用液体材料表面が平滑化され、その結果、超音波伝搬部材の寸法安定性が向上できる。
造形終了後、図10に示すように超音波伝搬部材17と支持体18を水平方向に引っ張り剥離したところ、支持体18は一体として剥離され、超音波伝搬部材17を容易に取り出すことができる。
また、図11に示すように、光造形方式の三次元プリンターでは、超音波伝搬部材形成用液体材料を液槽24に溜め、液槽の表面27にレーザー光源21により出射された紫外線レーザー光をレーザースキャナー22から照射して、造形ステージ26上に硬化物を作製する。造形ステージ26はピストン25の作動により降下し、これを順次繰り返すことにより、超音波伝搬部材が得られる。
<超音波伝搬部材の用途>
本発明の超音波伝搬部材は、超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、被検査対象表面に沿った形状を有しており、被検査対象に密着させ非破壊・非侵襲で検査する用途に好適である。例えば、被検査対象である被験者の皮膚表面に隙間なく密着できると共に、超音波診断を行う際に被験者が感じる不快感を解消し、診断後の後処理を不要もしくは簡便にできるので、人間ドック等で行われる腹部エコー検査のような超音波診断などに好適に用いられる。
通常の超音波診断装置のように、超音波発振器と超音波受信機が一体となっているようなプローブを用いる方法に有用である。
この他に、超音波発振器と超音波受信機が別の装置になっている形態、あるいは人体から超音波を発信させるために何らかのエネルギーを入力する装置との併用であっても構わない。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−型の作製−
患者(被治療者)の乳房表面のCTデータを用い、これを元に三次元(3D)プリント用のデータに変換した。このデータを基に、インクジェット光造形装置としてのキーエンス社製アジリスタを用い、図5及び図6に示すような乳房用三次元超音波伝搬部材用のオス型121及びメス型122を作製した。
−超音波伝搬部材形成用液体材料の調製−
まず、純水200質量部を撹拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)15質量部を少しずつ添加し、更に1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸0.8質量部を添加し、撹拌して分散液を作製した。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)を20質量部、ライトアクリレート9EG−A(共栄社化学株式会社製)1質量部を添加した。
次に、氷浴で冷却しながら、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)の純水2質量%水溶液を15質量部添加し、更にテトラメチルエチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)を1質量部添加して、撹拌混合の後、減圧脱気を10分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、均質な超音波伝搬部材用液体材料を得た。
−乳房用三次元超音波伝搬部材の作製−
先に作製したオス型121及びメス型122を図7に示すように組み合わせ、前記超音波伝搬部材形成用液体材料を型に流し込み、蓋をして密閉状態として、室温で6時間硬化反応を行った。硬化後、型から取り出し水洗して、乳房用三次元超音波伝搬部材を得た。厚みは概ね1cmである。
(実施例2)
実施例1において、純水200質量部を400質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例3)
実施例1において、純水200質量部を660質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例4)
実施例1において、純水200質量部を2,000質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例5)
実施例1において、純水200質量部を170質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例6)
実施例2において、純水400質量部のうち、100質量部をグリセリンに置き換えた以外は、実施例2と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例7)
実施例6において、重合性モノマーとして、アクリロイルモルホリン20質量部のうち、10質量部を、N,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)に置き換えた以外は、実施例6と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例8)
実施例2で作製した超音波伝搬部材表面に、プラスティコート#100(大京化学株式会社製)を浸漬塗工法により塗布し、厚み30μmの皮膜を形成した以外は、実施例2と同様にして、超音波伝搬部材を作製した。
(比較例1)
特開平3−272750号公報の実施例の記載に準じて超音波伝搬部材を作製した。即ち、イオン交換水にポリビニルアルコール(PVA)粉末(重合度1,700、ケン化度99.5%)を加えて60℃に加熱して、PVA濃度10重量%のPVA水溶液を作製した。この水溶液を一辺の長さが6cmで、厚さ4mmの型に注入し、−20℃で凍結した後に室温で解凍することにより含水率90%の柔軟性を有するゲルシートを作製した。
(比較例2)
比較例2として一般的に用いられる超音波診断用ゲル(ジェクス社製、プロゼリー)を用いて、以下の(6)、(7)の項目のみについて評価を行った。
次に、実施例1〜8及び比較例1で作製した超音波伝搬部材の硬度(ヤング率)、透過率、及び超音波伝搬速度を以下のようにして測定した。結果を表1に示した。
<硬度(ヤング率)>
柔さ測定システム(株式会社堀内電機製作所製、SOFTMEASURE ハンディタイプ HG1003)を用いて、25℃、50%RHの条件で硬度(ヤング率)を3回測定し、平均値を求めた。
<透過率>
分光光度計(株式会社日立製作所製、UV−3100)を用いて、25℃、50%RHの条件で透過率を測定した。波長400nm以上700nm以下の範囲における透過率の平均値を求め、各超音波伝搬部材の透過率とした。
<超音波伝搬速度>
JIS Z 2353に記載の方法に準拠して超音波伝搬速度を測定した。なお、測定温度は22℃に固定した。
<他の諸特性評価>
実施例1〜8及び比較例1で作製した乳房用三次元超音波伝搬部材、並びに比較例2の乳房用三次元超音波診断用ゲルについて、以下の試験項目を評価した。結果を表2に示した。
(1)外観性
各乳房用三次元超音波伝搬部材の外観性について、下記の基準で評価した。
[評価基準]
○:透明性が高く、気泡の混入もない
△:透明性がやや低い
×:透明性が低い
(2)寸法性
各乳房用三次元超音波伝搬部材の寸法性について、下記の基準で評価した。
[評価基準]
○:厚み及び長さが均一である
×:厚み及び長さが不均一である
(3)弾性
各乳房用三次元超音波伝搬部材の弾性について、下記の基準で評価した。
[評価基準]
◎:適度な弾性を有し、180度まで折り曲げても裂けるなどの変化はない
○:適度な弾性を有する
×:弾性が低く、180度まで折り曲げると裂ける
(4)耐熱性
各乳房用三次元超音波伝搬部材を60℃の熱水中で30分間加熱した後、形状及び物性を測定し、下記基準で評価した。
[評価基準]
○:形状及び物性に変化なし
×:形状及び物性が劣化する
(5)耐溶剤性
各乳房用三次元超音波伝搬部材を、エタノールを用いて洗浄した後、形状及び物性を測定し、下記基準で評価した。
[評価基準]
○:形状及び物性に変化なし
△:やや膨潤する
×:形状及び物性が劣化する
(6)人体表面への密着性
各乳房用三次元超音波伝搬部材を、被験者の皮膚表面に接触させ、その密着度合いについて、下記基準で評価した。
[評価基準]
○:人体における凹凸部の皮膚に、気泡の存在なく密着している。
×:人体における凹凸部の皮膚に、完全には密着せず、空隙を生じる。
(7)密着時の状態、及び評価後の後処理
各乳房用三次元超音波伝搬部材の密着時の状態、評価後の後処理について、下記の基準で評価した。
[評価基準]
〇:ぴったりとフィットするため、押し付ける必要なく、被験者の苦痛なし、残存物が無いため、拭き取りは不要である
△:凹凸部のフィットが弱く、超音波検出器を強く押し付ける必要あり、被験者に違和感あり、残存物が無いため、拭き取りは不要である
×:評価後、皮膚に残存物があり、拭き取りが必要であり、被験者に違和感あり
(8)保存性
各乳房用三次元超音波伝搬部材を密閉した状態(25℃、50%RH)で7日間保存した後、形状及び物性を測定し、下記基準で保存性を評価した。
[評価基準]
◎:形状及び物性の変化なし
○:形状変化はなし、ごくわずかに乾燥(重量変化率3%以内)
×:形状及び物性が劣化する
(9)画像評価
実施例1〜8で作製した超音波伝搬部材を用い、超音波診断装置により画像診断を行った。いずれの超音波伝搬部材を用いた場合にも、鮮明な画像が得られた。
ただし、実施例4の場合、少しだけ残存物があり、拭き取りを要した。
また、実施例5の場合、超音波検出器を強く押し付けないと画像が撮りにくい部分があった。更に画像細部まで比較すると、ごく僅か解像度が劣る部分があった。
(実施例9)
−超音波伝搬部材形成用液体材料の調製−
まず、純水330質量部を撹拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)16質量部を少しずつ添加し、3時間撹拌して分散液を作製した。その後、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(東京化成株式会社製)を0.6質量部添加し、更に1時間撹拌を行った。その後、グリセリン(坂本薬品工業株式会社製)60質量部を添加し、撹拌を10分間行った。
次に、得られた分散液に、重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社製)を16質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を4質量部、ライトアクリレート9EG−A(共栄社化学株式会社製)を1質量部添加した。更に、界面活性剤としてエマルゲンSLS−106(花王株式会社製)を1質量部添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を2.2質量部添加し、撹拌混合の後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、超音波伝搬部材形成用液体材料を得た。
−支持体形成用液体材料の調製−
ウレタンアクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名:ダイヤビームUK6038)10質量部、重合性モノマーとしてネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD MANDA)90質量部、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名:イルガキュア184)3質量部を、ホモジナイザー(日立工機株式会社製、HG30)を用いて、回転数2,000rpmで均質な混合物が得られるまで分散した。続いてろ過を行い、不純物等を除去し、最後に真空脱気を10分間実施し、均質な支持体形成用液体材料を得た。
−3D超音波伝搬部材の形成−
図9に示すようなインクジェット方式の三次元プリンターに、前記超音波伝搬部材形成用液体材料、及び支持体形成用液体材料を充填し、インクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、GEN4)2個に充填し、噴射させ、製膜を行った。
造形は、実施例1の場合と同様に、患者(被治療者)の乳房表面のCTデータを用い、これを元に3Dプリント用のデータに変換した。このデータを基に、超音波伝搬部材を造形した。
紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)で350mJ/cmの光量を照射して前記超音波伝搬部材形成用液体材料、及び前記支持体形成用液体材料を硬化させながら、超音波伝搬部材及び支持体の形成を行った。
造形後、図10に示すように超音波伝搬部材17と支持体18を水平方向に引っ張り剥離したところ、支持体18は一体として剥離され、超音波伝搬部材17を容易に取り出すことができた。このようにして、乳房用三次元超音波伝搬部材を形成した。
(実施例10)
実施例9において、超音波伝搬部材形成用液体材料におけるライトアクリレート9EG−A(共栄社化学株式会社製)1質量部のうち、0.5質量部をN,N−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)に置き換えた以外は、実施例9と同様にして、乳房用三次元超音波伝搬部材を作製した。
(実施例11)
実施例9で作製した乳房用三次元超音波伝搬部材表面に、ポバール205(株式会社クラレ製)を浸漬塗工法により塗布し、厚み30μmの皮膜を形成した。
(実施例12)
実施例9で作製した 超音波伝搬部材形成用液体材料を用い、図11に示す光造形方式の三次元プリンターにて、レーザー(COHERENT社製、波長375nm)により、350mJ/cmの光量を照射して、前記超音波伝搬部材形成用液体材料を硬化させることにより、乳房用三次元超音波伝搬部材を形成した。
次に、実施例9〜12で作製した各乳房用三次元超音波伝搬部材について、実施例1と同様にして、硬度(ヤング率)、透過率、超音波伝搬速度、及び他の諸特性を評価した。結果を表3及び4に示した。
(9)画像評価
実施例9〜12で作製した超音波伝搬部材を用い、超音波診断装置により画像診断を行った。いずれの超音波伝搬部材を用いた場合にも、細部まで鮮明な画像が得られた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 被検査対象に接触させて用いる超音波伝搬部材であって、
前記超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、前記被検査対象表面に沿った形状を有することを特徴とする超音波伝搬部材である。
<2> 水とポリマーと鉱物とから構成されるハイドロゲルを含む前記<1>に記載の超音波伝搬部材である。
<3> 前記超音波伝搬部材の超音波伝搬速度が、同じ温度で測定した水中の超音波伝搬速度と±5%の範囲である前記<1>又は<2>に記載の超音波伝搬部材である。
<4> 前記超音波伝搬部材の硬度が、ヤング率で0.5kPa以上100kPa以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の超音波伝搬部材である。
<5> 前記超音波伝搬部材の透過率が、70%以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の超音波伝搬部材である。
<6> 表面に皮膜を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の超音波伝搬部材である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法であって、
水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を、被検査対象表面の形状データに基づき、三次元プリンターにて作製した型に流し込み、硬化させて形成することを特徴とする超音波伝搬部材の製造方法である。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法であって、
水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を、被検査対象表面の形状データに基づき、インクジェットヘッドにて吐出し、紫外線光を照射して硬化させるインクジェット方式の三次元プリンターにて形成することを特徴とする超音波伝搬部材の製造方法である。
<9> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法であって、
水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を用い、被検査対象表面の形状データに基づき、光造形方式の三次元プリンターにて形成することを特徴とする超音波伝搬部材の製造方法である。
<10> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造装置であって、
水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を、被検査対象表面の形状データに基づき、インクジェットヘッドにて吐出する吐出手段と、
吐出した超音波伝搬部材形成用液体材料に紫外線光を照射して硬化させる硬化手段と、
を有することを特徴とする超音波伝搬部材の製造装置である。
<11> インクジェット方式の三次元プリンターを用いる前記<10>に記載の超音波伝搬部材の製造装置である。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の超音波伝搬部材、前記<7>から<9>のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法、及び前記<10>から<11>のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 三次元プリンター
11 超音波伝搬部材形成用液体材料噴射ヘッドユニット
12 支持体形成用液体材料噴射ヘッドユニット
13 紫外線照射機
14 造形体支持基板
15 ステージ
16 平滑化部材
17 超音波伝搬部材
18 支持体
121 オス型
122 メス型
123 隙間
124 乳房用三次元超音波伝搬部材
特開平3−272750号公報

Claims (9)

  1. 被検査対象に接触させて用いる超音波伝搬部材であって、
    前記超音波伝搬部材の被検査対象への接触面が、前記被検査対象表面に沿った形状を有することを特徴とする超音波伝搬部材。
  2. 水とポリマーと鉱物とから構成されるハイドロゲルを含む請求項1に記載の超音波伝搬部材。
  3. 前記超音波伝搬部材の超音波伝搬速度が、同じ温度で測定した水中の超音波伝搬速度と±5%の範囲である請求項1又は2に記載の超音波伝搬部材。
  4. 前記超音波伝搬部材の硬度が、ヤング率で0.5kPa以上100kPa以下である請求項1から3のいずれかに記載の超音波伝搬部材。
  5. 前記超音波伝搬部材の透過率が、70%以上である請求項1から4のいずれかに記載の超音波伝搬部材。
  6. 表面に皮膜を有する請求項1から5のいずれかに記載の超音波伝搬部材。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法であって、
    水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を、被検査対象表面の形状データに基づき、三次元プリンターにて作製した型に流し込み、硬化させて形成することを特徴とする超音波伝搬部材の製造方法。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法であって、
    水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を、被検査対象表面の形状データに基づき、インクジェットヘッドにて吐出し、紫外線光を照射して硬化させるインクジェット方式の三次元プリンターにて形成することを特徴とする超音波伝搬部材の製造方法。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の超音波伝搬部材の製造方法であって、
    水、鉱物、及び重合性モノマーを含有する超音波伝搬部材形成用液体材料を用い、被検査対象表面の形状データに基づき、光造形方式の三次元プリンターにて形成することを特徴とする超音波伝搬部材の製造方法。

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