JP6809217B2 - ボーラスと保管用部材のセット、ボーラスと保管用部材の製造方法、及び保管用部材 - Google Patents

ボーラスと保管用部材のセット、ボーラスと保管用部材の製造方法、及び保管用部材 Download PDF

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Description

本発明は、ボーラスと保管用部材のセット、ボーラスと保管用部材の製造方法、及び保管用部材に関する。
X線、γ線、電子線、中性子線、α線等の放射線やレーザー光線を人体に照射して、癌等の病気治療に利用することが、広く行われている。一般に、物質に放射線を照射すると、人体の深部にいくにしたがって、放射線の量は指数関数的に減少するが、散乱線は深部ほど比較的増大し、その方向は様々である。
特に、高活性エネルギー線では、反跳電子(散乱線)の方向が主に前方にあるため、側方への散乱が少なくなり、表面線量よりもある深さのところでの線量が最大となる。このような放射線の皮膚中での性質を考慮しないで治療を行うと、ターゲット(患部)以外の正常組織に対して、不必要な放射線の照射による有害な作用を及ぼすことがある。
このことを防ぐため、ボーラス(Bolus)という、高活性エネルギー線の吸収が人体組織と等価又は類似である物質を用いて、人体等の不規則な表面を平坦に、又は欠損した部分を充填し、ターゲットのみに高活性エネルギー線を照射するという方法が行われている。
ここで、前記人体組織と等価な物質とは、放射線の吸収又は散乱について実質的に人体組織と同じ性質を示す物質を意味する。
一般に、実用に値するボーラスは、(1)人体組織と等価な物質であること、(2)均質なものであること、(3)可塑性に優れ、適当に弾力性を有し、生体への形状適合性及び密着性がよいこと、(4)毒性がないこと、(5)エネルギー変化等がないこと、(6)厚みが均一であること、(7)空気の混入がないこと、(8)透明性が高いこと、(9)消毒の容易性があること、などの特性及び機能を満たすことが望まれる。
特に、前記(3)「可塑性に優れ」ること、及び「密着性がよいこと」は、ボーラスの機能を果たすために重要となる。
この特性を有する材料としては、例えば、合成ゴム、シリコーン、ガムベース、寒天、アセトアセチル化水溶液高分子化合物(例えば、特許文献1参照)、特定のポリビニルアルコールを凍結乃至解凍操作を繰り返して作製した非流動性ゲル(例えば、特許文献2参照)、特定の天然有機高分子含水ゲル(例えば、特許文献3参照)、透明性シリコーンゲル(例えば、特許文献4参照)を用いたボーラスなどが提案されている。
本発明は、患者の皮膚表面への密着性に優れるボーラスと、前記ボーラスの成型形状を安定して維持することのできる保管用部材を有するボーラスと保管用部材のセットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明のボーラスと保管用部材のセットは、ボーラスと、前記ボーラスの保管用部材と、を有し、前記ボーラスが、患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有し、前記保管用部材が、前記ボーラスの形状に追従する形状を有する。
本発明によると、患者の皮膚表面への密着性に優れるボーラスと、前記ボーラスの成型形状を安定して維持することのできる保管用部材を有するボーラスと保管用部材のセットを提供することができる。
図1は、本発明のボーラスと保管用部材の表面形状の一例を示す概略図である。 図2は、本発明のボーラスにおける保管用部材との接触する領域の分布の一例を表す概念図である。 図3は、ボーラスにおける曲線部分の一例を説明する概略図である。 図4は、ボーラスの曲線部分の一例を表す概念図である。 図5は、本発明における第一の態様における乳房用ボーラスを組み合わせた一例を表す概略図である。 図6は、本発明の第一の態様における方法により保管用部材を作製する一例を表す概略図である。 図7は、本発明の第一の態様における方法により作製された造形物を取り出す一例を示す概略図である。 図8は、本発明の第一の態様における方法により作製された保管用部材の一例を示す概略図である。 図9は、ボーラスを作製するための三次元プリンターの一例を表す概略図である。 図10は、三次元プリンターで作製したボーラスを保管用部材から剥離した概略図である。 図11は、ボーラスを作製するための三次元プリンターのその他の例を表す概略図である。 図12は、保管用部材の識別部との対応箇所の一例を表す概略図である。
(ボーラスと保管用部材のセット)
本発明のボーラスと保管用部材のセットは、ボーラスと、前記ボーラスの保管用部材と、を有し、前記ボーラスが、患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有し、前記保管用部材が、前記ボーラスの形状に追従する形状を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明のボーラスと保管用部材のセットは、従来の可塑性に優れるボーラスでは、繰り返し使用すると、その特性により自立できず変形してしまい、初期の形状から変形して経時で密着性が悪くなり、照射する深さと狙いとする深さにズレが生じ、ボーラスとしての機能を著しく低下させるという知見に基づくものである。
前記患者の放射線照射対象となる体表面部とは、放射線照射源と患部を結んだ線が、患者の体表面部と交差する領域を意味する。前記領域において、ボーラス表面と患者の体表面部の形状が追従することにより、前記ボーラスが患者に密着した状態を形成できる。また、ボーラスに当接する前記保管用部材の表面形状が、当接するボーラスの表面形状に追従することにより、ボーラスの形状を保持することができる。
言い換えると、患者の体表面部と前記領域に該当する部分の保管用部材は、表面形状が同一であることが好ましい。
図1は、本発明のボーラスと保管用部材の表面形状の一例を示す概略図である。図2は、本発明のボーラスにおける保管用部材との接触する領域の分布の一例を表す概念図である。前記ボーラス11と前記保管用部材12が追従するとは、前記ボーラスの凸(convex)/凹(concave)形状が、前記保管用部材12の凹/凸形状に対応していることを意味し、前記ボーラス11の形状と前記保管用部材12の形状が追従している領域13が存在する。図2において前記ボーラス11と前記保管用部材12との接触する領域21と、前記ボーラス11と前記保管用部材12との接触しない領域22があり、図2においてボーラス21の保管状態における前記ボーラス21と前記保管用部材12との接触する領域の面積が、前記ボーラス21における前記保管用部材12へ対向する面の面積の少なくとも30%以上であり、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましく、90%以上が最も好ましい状態を意味する。このような状態であると、前記ボーラスの自重を前記保管用部材全体で支えることができるため、前記ボーラスの変形を抑制することができる。
前記保管状態とは、前記ボーラスと前記保管用部材を接触させることで、前記ボーラスと前記保管用部材が全体として1つの剛体として存在している状態を意味する。好ましくは静止しており、外部から前記保管用部材に力を加えても前記剛体は分離せず、前記ボーラスに力を加えると、前記ボーラスと前記保管用部材とに分離することが好ましい。また、前記保管用部材は、底面が平たく、保管状態では保管用部材の底面が水平な面を有する什器の上に保持されることが好ましい。
前記ボーラスと前記保管用部材が互いに対応する凸(convex)/凹(concave)形状で接している状態で、外周に囲まれた領域の中で前記ボーラスと前記保管用部材が接触している部分を接触面積と規定する。接触していることを確認する方法としては、前記ボーラス及び前記保管用部材の少なくともいずれかが透明である場合は、目視で接触している領域を確認し、デジタルカメラ等により撮影した画像を、画像処理ソフト(ソフト名:PhotoShop、アドビシステムズ株式会社製)等による2階調化を実施して接触面積を計算することができる。
前記ボーラス及び前記保管用部材が透明ではない場合、前記ボーラスと前記保管用部材の間にゼラチン溶液を挟み固化させ、膜厚が1mm以上になる領域を測定する方法や、レーザー顕微鏡などで表面の凹凸を観察し、接触している領域を算出する方法などがある。
前記ボーラス及び前記保管用部材の少なくともいずれかが透明である場合は、荷重をかけずに密着性を評価できるが、前記ボーラスと前記保管用部材の間に溶液を挟む場合は、必要に応じて荷重をかけてもよい。
前記ボーラスと前記保管用部材は、前記ボーラスを保管用部材上に保持させた保管状態において、前記ボーラスと、前記保管用部材との対向する面の平均距離が、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2.4mm以下が特に好ましく、1.5mm以下が最も好ましい。前記ボーラスと前記保管用部材との平均距離が、5mm以下であると、前記ボーラスと前記保管用部材の間に生じる空気の層が小さくなり、乾燥による変形を抑えることができる。
前記ボーラスを保管する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記保管用部材と接触した状態で保管する方法などが挙げられる。前記方法で保管する際には、垂直方向に対して前記保管用部材が前記ボーラスの真下にあり、且つ、垂直方向に対して、前記ボーラスが前記保管用部材からはみ出さないようにすると、前記ボーラスの自重による変形を抑制できるため好ましい。
さらに、前記ボーラスを保管する方法としては、保管用部材と接触した状態で、カバーで覆うこと、密閉性の高いチャック付ナイロン袋などで全体を覆うことがより好ましく、前記保管用部材によってボーラス全体を覆うことが特に好ましく、前記保管用部材によって、ボーラスの上部及び下部の底面を挟み込むことが最も好ましい。前記ボーラスを保管用部材で覆う構成とすることにより、外界と接する面積を小さくすることができ、変形や乾燥、外気浮遊物の付着などを防ぐことができる。また、前記保管用部材により前記ボーラスを挟み込む構成とすることにより、さらに、自重での変形を防ぐことができる。
<ボーラス>
前記ボーラスとしては、放射線治療を受ける患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有し、前記患者の患部に対応した放射線の透過率分布を有することが好ましい。
前記体表面部に沿った形状としては、患者個人の放射線照射対象となる体表面部の凹部及び凸部のそれぞれに対して、凹部及び凸部となるような一定の形状を有していることが好ましい。前記体表面部に沿った形状とすることにより、患者の体表面部に完全に追従する表面を持つ形状となるため、照射した放射線が目的の患部以外の組織に照射されるのを防ぐことができる。
前記ボーラスは、前記患者の患部に対応した放射線の透過率分布を有することにより、患部以外の正常組織への悪影響を低減することができる。例えば、X線照射による癌治療において、前記患者の患部に対応した放射線の透過率分布を有することにより、以下に示す問題を解決することができる。
・癌細胞以外の体表面部が、癌細胞よりも多くの放射線の影響を受け、さらに癌細胞より後ろにある細胞にも影響を及ぼす。
・生体に入射するX線の形を加工することができない。
・心臓や肺等の障害が発生すると致命的な臓器を避けて照射する必要がある。
前記X線の透過率分布を形成するためには、次に示す通り、ボーラスのX線透過率分布を設ける場合と、形状によりコントロールする(形状制御)場合の2通り、あるいは両者の組み合わせがある。
−X線透過率分布−
X線透過率分布の形成方法として例えば、インクジェット方式の三次元プリンターを用い、複数のボーラス形成用液体材料を用いることで達成可能である。特に、本発明で用いられるハイドロゲルは、組成(水分量)とX線透過率の関係が一義的に決まり、透過率のコントロールが容易であるため好ましい。
−形状制御−
X線の透過率分布をボーラスに付与する方法としては、前記ボーラスの膜厚を任意に変化させ、形状を制御する形状制御を用いることもできる。
このように、ボーラス組成分布、膜厚の任意なコントロール、及び両者の組合せは、三次元プリンターによる造形方法で行うことが好ましい。
前記ボーラスの形状としては、患者の体表面部の凹凸形状を再現できる曲線を有する。前記曲線としては、例えば、保管用部材上に保持させた保管状態において、前記ボーラスを保管用部材に対して垂直方向に切断したときの前記ボーラスの断面における前記保管用部材と対向する線が曲線であり、前記曲線が、前記ボーラスを前記保管状態で前記保管用部材に対して垂直方向に切断したときに、水平面と前記曲線の法線とのなす角が、5°以上85°未満となる曲線部分を有し、前記曲線部分の領域からなる面積が、前記ボーラスと保管用部材とが接触する領域の面積の10%以上であることなどが挙げられる。
前記水平面と前記曲線の法線とのなす角について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、ボーラスにおける曲線部分を説明する概略図である。図4は、ボーラスの曲線部分を表す概念図である。図3中、221、222、223は、水平面と曲線の法線とのなす角を示している。図4において、範囲224は水平面と曲線11の法線とのなす角が5°以上85°未満であり、範囲225は水平面と曲線11との法線とのなす角が5°未満又は85°超であることを示す。
前記ボーラスの曲線の曲率は連続的に変化し、水平面と曲線の法線がなす角が5°以上85°未満となる曲線部分からなる領域の面積が、前記ボーラスと保管用部材とが接触する領域の面積の10%以上であり、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上が特に好ましい。前記曲線部分からなる領域の面積が、10%以上であると、前記ボーラスと前記保管用部材の密着性が得られ、且つ、前記ボーラスが患者に密着した状態を形成できる。
更に、前記水平面と曲線の法線がなす角が10°以上85°未満の領域としては、例えば、30%以上含むことが好ましく、10°以上80°以下の領域を30%以上含むことがより好ましく、20°以上70°以下の領域を30%以上含むことがより好ましく、30°以上60°以下の領域を10%以上含むことが特に好ましい。
なお、剥離を目的とした微細な加工は曲線部分には含めないため、1mm以下の凹凸の箇所はパテなど埋めた状態で曲線を測定する。
ボーラスの断面形状を観察する方法としては、物理的にボーラスを切断して断面を見てもよく、三次元測定器(装置名:CNC三次元測定機CRYSTA−Apex S、株式会社ミツトヨ製)を用いてもよい。
前記曲線部分からなる領域の面積の測定方法としては、三次元測定器(装置名:CNC三次元測定機CRYSTA−Apex S、株式会社ミツトヨ製)に非接触ラインレーザプローブ(SuffaceMeasure1010、株式会社ミツトヨ製)などを用いて測定することができる。
前記ボーラスの硬度としては、アスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が80以下であることが好ましく、60以下であることがより好ましく、下限値としては20以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上が特に好ましい。前記硬度が80以下であると、前記ボーラスと患者の体表面部及び保管用部材とを十分に密着させることができ、60以下であることが特に好ましい。
前記ボーラスの構造としては、患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ボーラスの表面に皮膜を設けることが好ましい。前記皮膜を設けることにより、前記ボーラスの形状を維持でき、前記ボーラスの保存性(耐乾燥性及び防腐性)を向上することができ、前記ボーラスの外観性を改善することができる。
−−皮膜−−
前記皮膜としては、前記ボーラスの耐乾燥性及び防腐性を向上できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂などが挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、セロハン、アセテート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリイミド、フッ素樹脂、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、プラスティコート#100(大京化学株式会社製)などが挙げられる。
前記皮膜を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記皮膜の形成材料を溶剤に溶解してボーラスの表面に塗布する方法、前記皮膜の形成材料として熱収縮フィルムを用いボーラスとなる材料の表面にラミネート形成する方法などが挙げられる。前記塗布する方法、前記フィルムを用いてラミネート形成する方法を用いることにより、ボーラスの表面形状に沿った皮膜を形成することができるため好ましい。
前記塗布する方法としては、例えば、刷毛、スプレー、浸漬塗工などを用いる方法などが挙げられる。
さらに、前記皮膜の形成材料を溶剤に溶解して、ボーラス形成用液体材料を用いて前記三次元プリンターでボーラスを造形する際に同時に皮膜を形成してもよい。
いずれの場合も、皮膚への密着性が重要であるため、患者の放射線照射対象となる体表面部の三次元データに基づき、作製したボーラス表面形状を損ねることのない皮膜を形成することが好ましい。
前記皮膜の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。前記皮膜の平均厚みが100μm以下であると、ボーラスの質感を向上することができる。
前記耐乾燥性を向上させる方法としては、前記皮膜の水蒸気透過度(JIS K7129)が500g/m・d以下が好ましく、且つ、酸素透過度(JIS Z1702)が100,000cc/m/hr/atm以下であることが好ましい。前記皮膜の水蒸気透過度が500g/m・d以下、及び酸素透過度が100,000cc/m/hr/atm以下であることにより、前記ボーラスが水を含むゲルの場合に前記ボーラスの耐乾燥性及び防腐性を向上させることができる。
前記防腐性を向上させるためには、前記皮膜に防腐剤を添加することが好ましい。前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デヒドロ酢酸塩、ソルビン酸塩、安息香酸塩、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、2,4−ジメチル−6−アセトキシ−m−ジオキサン、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
前記ボーラスの形状を維持するためには、前記ボーラスの自重による崩壊を防ぐため、皮膜に弾性力をもたせることが好ましい。前記皮膜の有無におけるボーラスのヤング率の差が0.01MPa以上であることが好ましい。
前記ボーラスのヤング率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オートグラフ万能機(装置名:AG−IS型、株式会社島津製作所製)等を使用し測定することができる。
前記ボーラスの表面に皮膜を形成することで、ボーラスの外観性を改善することができる。例えば、ボーラスの表面に傷及び表面荒れが存在する場合、皮膜により外観性を補うことができる。また、表面の皮膜が犠牲層となることで、内部のボーラスを保護することができる。
さらに、前記ボーラスの表面にマーキングなどの記入を行うことができない場合には、ボーラスの表面に皮膜を形成することにより、放射線治療時の手順や、患者名などを書き込むことができるため、ボーラスとしての機能性を付与することができる。
前記ボーラスの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性エネルギー線照射時に、照射線と患部を結んだ軸から見て下限値としては、10mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましく、上限値としては、1,000mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましい。また、平均厚さの下限値としては、1mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、上限値としては、100mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましく、5mm±0.5mm又は10mm±0.5mmが特に好ましい。
前記ボーラスの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロゲル、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどのゴム、天然有機高分子由来の含水ゲル、アセトアセチル化水溶液高分子化合物、ポリビニルアルコールを凍結乃至解凍操作を繰り返して作製した非流動性ゲルなどが挙げられる。これらの中でも、ハイドロゲル、天然有機高分子由来の含水ゲルが好ましく、水を主成分とすることから、CT値が人体の値に近いハイドロゲルがより好ましい。
<<天然有機高分子由来のゲル>>
前記天然有機高分子由来の含水ゲルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カラギーナン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、デンプン、カードラン、グアーガム、寒天、カシアガム、デキストラン、アミロース、ゼラチン、ペクチン、キサンタンガム、タラガム、ジェランガムなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記天然有機高分子由来の含水ゲルの含有量としては、前記ボーラスが含有する水に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。前記含有量が、10質量%以下であると、ゲル化を起こし、かつ、適度な硬さのボーラスを得ることができる。
前記天然有機高分子由来の含水ゲルは、更に必要に応じてカルシウム、カリウム、ナトリウム、バリウムなどの金属塩、pH調整剤を添加してもよい。前記カルシウム、カリウム、ナトリウム、バリウムなどの金属塩、pH調整剤を添加することにより、ゲル化の促進、強度上昇の抑制、ゲル化した物質の経時安定性を向上させることができる。
<<ハイドロゲル>>
前記ハイドロゲルとしては、水、ポリマー、鉱物、有機溶媒を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記ハイドロゲルは、溶液中に分散された前記鉱物と、重合性モノマーが重合した前記ポリマーとが複合化して形成された三次元網目構造の中に、前記水が包含されている。前記ハイドロゲルであると、優れた可塑性、適度な弾力性、及び密着性の高いボーラスを得ることができるため好ましい。
さらに、前記ハイドロゲルは、ポリマーと水を主成分として構成されていることから、前記CT値は人体の値に近いため好ましい。
−ポリマー−
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有するポリマーが挙げられ、ホモポリマー(単独重合体)及びヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、ホモポリマーが好ましい。さらに、前記ポリマーとしては、変性されていてもよく、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよいが、水溶性であることが好ましい。
本発明において、前記水溶性とは、例えば、30℃の水100gに前記ポリマーを1g混合して撹拌したとき、90質量%以上が溶解するものを意味する。
−水−
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解及び分散させてもよい。
−鉱物−
前記鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。
前記水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高弾性のボーラスが得られる点から、水膨潤性ヘクトライトが好ましい。
前記水膨潤性ヘクトライトは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、ボーラスの弾性率の点から、合成ヘクトライトが好ましい。
前記水膨潤性とは、層状粘土鉱物の層間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
前記鉱物の含有量は、ボーラスの弾性率及び硬度の点から、ボーラスの全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましい。
−有機溶媒−
前記有機溶媒は、ボーラスの保湿性を高めるために含有される。
前記有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルコールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコールが好ましく、グリセリン、プロピレングリコールがより好ましい。
前記有機溶媒の含有量は、ボーラスの全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、乾燥防止の効果が十分に得られる。また、50質量%以下であると、層状粘土鉱物が均一に分散される。
前記有機溶媒の含有量が、10質量%以上50質量%以下であると、人体の組成からのずれが小さく、ボーラスとしての良好な機能が得られる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸化合物、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
本発明のボーラスは、コンピュータ断層撮影法で測定したCT値(HU)が、−100以上100以下であり、0以上100以下であることが好ましく、0以上70以下がより好ましい。
前記CT値とは、コンピュータ断層撮影装置で骨1,000、水0、空気−1,000としてキャリブレーションされた値である。
本発明のボーラスは放射線治療に供されるものであり、体組成に近いことが好ましい。前記体組成におけるCT値は身体の部位によって異なり、筋肉では35〜50程度、内臓も部位により異なり、肝臓は45〜75程度、膵臓では25〜55程度、脂肪は−50〜−100程度、血液は10〜30程度であることが知られている。
このため、照射する部位にもよるが、概ね前記CT値が、−100以上100以下であると、放射線の吸収、又は散乱について実質的な人体組織と同じ性質を示すボーラスが得られる。より望ましくは0以上100以下であり、更に0以上70以下であると、非常に近い性質であると言える。
<保管用部材>
前記保管用部材としては、前記ボーラスの形状に追従する形状を有し、更に必要に応じてその他の部材を含む。
前記保管用部材において、前記ボーラスの形状に追従する形状とは、前記ボーラスの表面の凹凸に対応する凸凹の表面形状を有する形状であることを意味し、前記ボーラスの表面の凹凸に対応する凸凹の表面形状を有する形状であれば、特に制限はない。前記保管用部材としては、ボーラスが患者の体表面部に接しない面と対向する保管用部材(o)であってもよく、ボーラスが患者の体表面部に接する面と対向する保管用部材(u)であることが好ましく、前記保管用部材(o)および前記保管用部材(u)の両方を有することがより好ましい。
本発明の保管用部材は、保管用部材形成用液体材料を硬化させてなり、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記保管用部材形成用液体材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、寒天、パラフィンワックス(合成WAX)、ポリメタクリルメチルアクリレートなどが挙げられる。さらに、熱溶融又は溶媒に溶解したプラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。
前記熱溶融又は溶媒に溶解したプラスチックを用いる場合、放冷及び脱溶剤によって固化させてもよいし、石膏及び砂のような無機微粒子を成型した後に固化させる方法、若しくは樹脂に無機微粒子を加えて成型してもよい。
(ボーラスと保管用部材の製造方法)
本発明の第一の態様のボーラスと保管用部材の製造方法としては、例えば、前記ボーラス形成用液体材料を型に注入する工程を含み、前記保管用部材形成用液体材料を型に注入する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の第二の態様のボーラスと保管用部材の製造方法としては、立体造形装置を用いた立体造形方法において、ボーラスの形状に基づく3Dデータを用いて前記ボーラスを造形するボーラス造形工程と、前記ボーラスの保管用部材の形状に基づく3Dデータを用いて前記保管用部材を造形する保管用部材造形工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のボーラスと保管用部材の製造方法は、本発明のボーラスと保管用部材のセットの製造に好適に用いることができる。
−ボーラス形成用液体材料−
前記ボーラス形成用液体材料は、水、鉱物、及び重合性モノマーを含有し、有機溶媒、を含有することが好ましく、更に必要に応じて重合開始剤及びその他の成分を含有する。
前記水、前記鉱物、前記有機溶媒、及び前記その他の成分としては、前記ボーラスと同様のものを用いることができる。
−−重合性モノマー−−
前記重合性モノマーとしては、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
−−−単官能モノマー−−−
前記単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、その他の単官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記N−置換アクリルアミド誘導体、前記N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、前記N−置換メタクリルアミド誘導体、及び前記N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、N−イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
前記その他の単官能モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記単官能モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーが得られる。
前記アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、ボーラスの強度を保つために有利な構成成分である。
前記単官能モノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボーラス形成用液体材料の全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上10質量%以下の範囲であると、ボーラス形成用液体材料中の層状粘土鉱物の分散安定性が保たれ、かつボーラスの延伸性を向上させることができる。前記延伸性とは、ボーラスを引っ張った際に伸び、破断しない特性のことを意味する。
−−−多官能モノマー−−−
前記多官能モノマーとしては、2官能モノマー、3官能モノマー、4官能以上のモノマーなどが挙げられる。
前記2官能性モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記3官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、トリアリルイソシアネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記4官能以上のモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの含有量は、ボーラス形成用液体材料の全量に対して、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.001質量%以上1質量%以下の範囲であると、得られるボーラスの弾性率や硬度を適正な範囲に調整することができる。
−−重合開始剤−−
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
前記アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(いずれもDuPont Chemical社から入手可能)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(いずれも和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobel社から入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochem社から入手可能)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox 21−C50)(いずれもAkzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
前記過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、前記過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ、前記有機過酸化物と第3級アミンに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系)などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、テトラメチルエチレンジアミンは、アクリルアミドをポリアクリルアミドゲルとする重合・ゲル化反応の開始剤として用いられる。
<第一の態様>
前記第一の態様は、前記ボーラス形成用液体材料を型に注入する工程を含み、前記ボーラス形成用液体材料から得た形状を用いて、前記ボーラスと同一形状の造形物Bを形成する工程と、前記造形物Bを用いて保管用部材を得る工程と、を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<<型>>
前記型としては、前記ボーラス形成用液体材料に侵されない材質で構成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記ボーラス形成用液体材料の液漏れしないものを用いることが好ましい。
前記型としては、印象材、機械研磨、切削、材料押出堆積法(FDM)、マテリアルジェッティング、バインダージェッティング、粉末焼結積層造形(SLS/SLM)などにより作製することができるが、公知のインクジェット光造形装置(例えば、三次元プリンター、装置名:アジリスタ、株式会社キーエンス製)で作製することが好ましい。
前記ボーラス形成用液体材料を型に注入し、硬化させる方法としては、前記型を患者の治療すべき部位の皮膚表面に固定し、前記ボーラス形成用液体材料を前記型に流し込み、硬化させることが好ましい。これにより、患者の放射線照射対象となる体表面部(治療すべき部位;患部)に沿った形状のボーラスを作製することができる。
ここで、前記体表面部に沿った形状を有するとは、患者の放射線照射対象となる体表面部における、身体の凹部又は凸部のそれぞれに対して凸部又は凹部となるような一定の形状を保持していることを意味する。これにより、患者の皮膚に完全に追従する表面形状をもつボーラスが形成される。
光重合開始剤を用いて硬化する場合には、硬化手段として、紫外線等のエネルギー線をボーラス形成用液体材料に照射する必要があるため、使用する型はエネルギー線に対して透明な材質であることが好ましい。前記型にボーラス形成用液体材料を注入し、密閉して空気(酸素)を遮断した後、型の外側からエネルギー線を照射する。重合が完了した後、型から取り出すことにより、ボーラスが形成される。
ここで、図5は乳房形状に合わせた型を作製する場合の概略図である。乳房形状に合わせた型を作製する場合、患者の乳房のCTデータを取得し、これを元にオスメスの型を作製できるように三次元(3D)データに変換する。この3Dデータを基に、三次元プリンターにより、患者の乳房用三次元ボーラスを形成するためのオス型101を作製する。患者個人データを用い三次元プリンターにより、乳房用三次元ボーラスを形成するためのメス型102を作製する。作製したオス型101とメス型102とを組み合わせることにより、両者の間に隙間103が形成される。この隙間103に本発明のボーラス形成用液体材料を注入し、硬化すると、乳房用三次元ボーラスを形成することができる。
図6〜図8は、型を用いて保管用部材を作製する方法を表す概略図である。アルジネート(アルギン酸塩とゲル化反応剤を主成分とする硬化ペースト)を用いて、ボーラスと同一形状の造形物Bである造形物141を形成する。前記造形物141が収まる床面積を持つ容器140を準備する。容器140に、保管用部材形成用液体材料142を入れ、容器の底に触れない高さに造形物141を保持して保管用部材を固化させる。固化した後、造形物141を取り出し、必要に応じて表面を切削して、保管用部材143を得ることができる。
図8は造形物141と同形状のボーラス148と、ボーラスが患者の体表面部に接する面と対向する保管用部材145を表し、ボーラスが患者の体表面部に接しない面と対向する保管用部材144を用いた保管状態を表す。
<第二の態様>
前記第二の態様としては、前記ボーラス形成用液体材料を吐出して成膜し、前記成膜した膜を硬化させ前記ボーラスを造形するボーラス造形工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
また、第二の態様は、前記保管用部材形成用液体材料を吐出して成膜し、前記成膜した膜を硬化させ前記保管用部材を造形する保管用部材造形工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<<ボーラス造形工程>>
前記ボーラス造形工程は、立体造形装置を用いた立体造形方法において、ボーラスの形状の3Dデータに基づきボーラス形成用液体材料を吐出し、前記ボーラス形成用液体材料を硬化させ前記ボーラスを造形する工程であり、ボーラス造形手段により実施される。
前記ボーラス造形手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記ボーラス形成用液体材料を適切な精度で目的の場所に付与することができる方式であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。これらの方式を実施するには、公知の装置を好適に使用することができる。
これらの中でも、液滴の定量性が良く、塗布面積を広くでき、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点からインクジェット方式が好ましい。
前記インクジェット方式による場合、前記ボーラス形成用液体材料を吐出可能なノズルを有する。なお、前記ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができ、前記インクジェットプリンターとしては、例えば、リコーインダストリー株式会社製のMH5420/5440などが挙げられる。前記インクジェットプリンターであると、ヘッド部から一度に吐出できるインク量が多く、塗布面積が広く、塗布の高速化を図ることができる点から好ましい。
前記三次元プリンターを用いて直接ボーラスを形成する方法としては、例えば、インクジェット方式の三次元プリンター、光造形方式の三次元プリンターを用いる方法などが挙げられる。これらの方法を用いることにより、患者個人の治療部位の状態に合わせて、組成分布や形状制御を行うことができ、放射線透過率の分布を持たせたボーラスを形成することができる。
例えば、患者の個人データを用い、放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有することは勿論、必要に応じて放射線の透過率分布を設けることができる。また、乳房形状に合わせた型を作製する場合、乳房のCTデータを取得し、これを元にオスメスの型を作製できるように三次元(3D)データに変換する。この3Dデータを基に、三次元プリンターにて直接ボーラスを作製する。
前記三次元プリンターは、ボーラスの材料を印字できる方式が好ましく、インクジェット(マテリアルジェット)方式、あるいはディスペンサー方式によりボーラス形成用液体材料を吐出し、UV光により硬化する方式が有効に用いられる。こちらの方法の場合、ボーラスを形成する材料を複数用いることができるため、ボーラス全体を同一組成ではなく、組成に分布を設けることが可能になる。特に、患者の治療すべき患部に合わせ、X線透過率をコントロールできるようなX線透過率分布を設けることができる。これは、癌細胞以外の正常細胞に与えるダメージを極力減少させることができる有効な手法である。
<<保管用部材造形工程>>
前記保管用部材造形工程は、立体造形装置を用いた立体造形方法において、ボーラスの形状の3Dデータに基づき保管用部材形成用液体材料を吐出し、前記保管用部材形成用液体材料を硬化させ前記保管用部材を造形する工程であり、保管用部材造形手段により実施される。
前記保管用部材造形手段としては、前記ボーラス造形手段に用いた手段と同様の手段を用いることができる。
例えば、図9に示すようなインクジェット(IJ)方式の三次元プリンター110は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、造形体用液体材料吐出ヘッドユニット111からボーラス形成用液体材料を、保管用部材形成用液体材料吐出ヘッドユニット112から保管用部材形成用液体材料を吐出し、隣接した紫外線照射機113でボーラス形成用液体材料及び保管用部材形成用液体材料を硬化させ、更に平滑化部材116を用いて平滑化を行いながら積層する。
液体材料吐出ヘッドユニット111、112及び紫外線照射機113と、ボーラス117及び保管用部材118とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、造形物支持基板114及びステージ115を下げながら積層する。
前記三次元プリンター110では、紫外線照射機113は矢印A、Bいずれの方向に移動する際も使用し、その紫外線照射に伴って発生する熱により、積層された保管用部材形成用液体材料表面が平滑化され、結果としてボーラスの寸法安定性が向上できる。
造形終了後、図10に示すようにボーラス117と保管用部材118を垂直方向に引っ張り剥離したところ、保管用部材118は一体として剥離され、ボーラス117を容易に取り出すことができる。
なお、保管用部材形成用液体材料を用いて保管用部材を形成した後に、保管用部材上にボーラス形成用液体材料を吐出し、硬化することにより、連続的に造形することもできるが、111及び112を同時に用いることにより、保管用部材部分及びボーラス部分を同時に造形していくことも可能である。つまり、保管用部材部分をサポート部として、ボーラス部分をモデル部として製造することも可能である。
また、ボーラス及び保管用部材を別々に成型する場合は、図11に示すように、光造形方式の三次元プリンターでは、ボーラス形成用液体材料を液槽134に溜め、液槽134の表面137にレーザー光源131により出射された紫外線レーザー光133をレーザースキャナー132から照射して、造形ステージ136上に硬化物を作製する。造形ステージ136はピストン135の作動により降下し、これを順次繰り返し、ボーラスが得られる。ボーラス形成用液体材料を保管用部材形成用液体材料に置き換えることで同様の処理を行うと、保管用部材138を得ることができる。
前記三次元プリンターを用いた造形は、前記保管用部材形成用液体材料を用い、三次元プリンターにて直接造形するものである。
前記三次元プリンターとしては、インクジェット方式の三次元プリンター、又は光造形方式の三次元プリンターであることが好ましい。これらの三次元プリンターを用いると、保管用部材を生成する中間体となる造形物Bを作製する必要がなくなり、造形による誤差を小さくすることができ、前記ボーラスの凹凸形状に合わせた微細な精度を有する保管用部材を得ることができる。
例えば、患者の個人データを用いて得られたボーラスのデータに基づき保管用部材を作製する。
前記三次元プリンターは、保管用材料を印字できる方式が好ましく、インクジェット(マテリアルジェット)方式、ディスペンサー方式が好ましい。印字した保管用部材形成用液体材料を固化する方法は、印字前に予め保管用部材形成用液体材料を加温し印字後に放冷して固化させる方法、保管用部材形成用液体材料に揮発成分を含有し印字後に揮発して固形分濃度を高めることで固化させる方法、重合可能なモノマーと熱重合開始剤を含む保管用部材形成用液体材料を印字し、印字面を加温することで固化させる方法、重合可能なモノマーを含む保管用部材形成用液体材料を印字し、印字面にUV光を照射することで固化させる方法、などが有効である。
前記重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル系モノマー、アクリル系オリゴマーなどが挙げられる。 前記アクリル系モノマーとしては、例えば、多官能性のアクリル系モノマーであるトリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。 また、前記アクリル系オリゴマーとしては、例えば、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレートなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、第二の態様において、前記ボーラス及び前記保管用部材を連続して造形してもよい。
前記ボーラス及び前記保管用部材を連続して造形する方法(以下、連続造形と称することがある)について、図9及び図10に表される概略図を用いて説明する。まず、保管用部材118を造形し、保管用部材の上にボーラス117を乗せるシステムが考えられる。こうすることで、ボーラス単独での型崩れをなくすことができ、また製造現場の省スペース化にも寄与する。また、同一の三次元プリンター上で、保管用部材及びボーラスを連続して造形することが好ましく、保管用部材、ボーラス、保管用部材の順番で連続して造形することがより好ましい。このような方法で造形することにより、最初に造形した保管用部材は底面が平らになり、ボーラスを安定して保持する形状となる。また、ボーラスと保管用部材の間に生ずる空間を極力小さくすることができるため、十分に密着した前記ボーラスと保管用部材を得ることができる。
前記連続造形をすることにより、前記ボーラスと、前記ボーラスの凹凸に対応する保管用部材を一度に造形できるため、別々に造形する場合と比べ、適合し損ねるリスクを著しく減少できる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、離型部造形工程をさらに含んでもよい。
前記離型部造形工程としては、前記保管用部材と前記ボーラスの間に、さらに離型剤を印字することにより、離型部を設ける工程である。前記離型剤を印字することにより、保管用部材とボーラスの界面に空隙を設けることができ、保管時のボーラスと保管用部材の密着性、及び使用時の外しやすさを両立することができる。
前記離型剤としては、前記保管用部材と前記ボーラスの付着を制御できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、三次元プリンターで印字できるように、常温及び加温の状態で液体であることが好ましく、例えば、ワックスや、シリコーンオイル、フッ素コーティング剤、シリコーンコーティング剤、水に難溶〜不溶、且つアルコールに可溶な樹脂などが挙げられる。
前記水に難溶〜不溶、且つアルコールに可溶な樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、塩ビ-酢ビ共重合体、及びエチレン-酢ビ共重合体などが挙げられる。前記水に難溶〜不溶、且つアルコールに可溶な樹脂を用いることにより、造形後の離型性を向上させることができる。
前記離型剤は、造形後に完全に除去してもよいし、除去しなくてもよい。
前記保管用部材の硬度としては、アスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が、70以上であることが好ましく、90以上が特に好ましい。前記硬度とすることにより、前記ボーラスの形状を保持するために十分なボーラスと保管用部材との硬度差を得ることができる。
前記ボーラスと保管用部材との硬度差としては、下限値としては10以上が好ましく、30以上がより好ましく、40以上が特に好ましく、上限値としては60以下が好ましく、50以下がより好ましい。
(ボーラス及び保管用部材の加工処理)
本発明のボーラス及び保管用部材には、更に必要に応じて識別部を設けてもよい。前記識別部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、英数字や名前などを表す文字や記号、マークでもよいし、バーコードや、QRコード(登録商標)、CPコード、SPコード、カメレオンコードなどの2次元コード、3次元コードなどが挙げられる。また、前記識別部は、立体形状であってもよい。前記識別部を設けることにより、前記ボーラスが前記保管用部材に対して正しい位置で設置されているかの判別や、他人の患者のボーラスと識別できる。これにより、前記ボーラスが可塑性を有する場合、前記保管用部材に正しく収まっていないと、前記ボーラスは変形してしまい、ボーラスとしての機能を著しく低下することを防止することができる。また、他の患者のボーラスと取り違えが生じないよう識別することができる。
前記識別部を設ける場所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ボーラスの外層や内部に他の部分とは異なる色の部分を設け、上面から透過した際に、前記保管用部材の任意の場所、例えば体のパーツの一部や、ほくろや吹き出物、腫瘍の陰影、と重ね合わせることにより、ボーラスの位置が正しいかが判別できるようにする。
図12は、保管用部材の識別部との対応箇所の一例を表す概略図である。識別部(目の陰影)175をつけた保管用部材170の上に、識別部171をつけたボーラス172を配置すると、識別部が保管用部材にある目の陰影と重なることで、保管用部材とボーラスが正しい位置で設置されているかどうかが確認できる。また、保管用部材170につけた識別部(突起部)176と、ボーラスにつけた識別部(空孔部)177を合わせることで、保管用部材上の正しい位置にボーラスを配置することが可能となる。
前記識別部の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2つ以上設けることが好ましく、3つ以上設けることがより好ましい。前記識別部が、2つ以上設けられていると、ボーラスが保管用部材及び患者の患部に正しく設置されているかを判断しやすくなる。
前記識別部は、造形時に設けても、造形後に設けてもよく、目視やエネルギー光をもちいて読み取れる場所に設けられていれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボーラスに設けた識別部と保管用部材に設けた識別部を上面から透過して重ね合わせることが好ましい。このような態様にすることにより、保管用部材同士の位置、保管用部材とボーラスの位置、すべての位置が正しいかどうかを判断できる。
位置が正しいか判断する方法としては、識別部を重ね合わせて目視で確認する方法、重ね合わせることで新たに別の識別部を得られることを目視で確認する方法、レーザー光及び電子線などを照射し遮蔽及び透過の部分を検知する方法などが挙げられる。
(保管用部材)
本発明の保管用部材は、ボーラスを保管する部材であって、前記部材が、前記ボーラスの表面形状に追従し、前記ボーラスとの接触する領域の面積が大きいことにより前記ボーラスの形状を維持する形状保持部と、
前記ボーラスを外界から閉鎖する構造と、を有することが好ましい。
前記形状保持部としては、前記ボーラスの表面形状に追従する形状を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記ボーラスと保管用部材のセットに用いた保管用部材と同様な形状とすることができる。
なお、表面形状に追従するとは、本発明のボーラスと保管用部材のセットと同義である。
前記ボーラスを外界から閉鎖する構造としては、保管するボーラスを外界から孤立させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、箱、樹脂フィルムなどが挙げられる。
本発明の保管用部材は、本発明のボーラスと保管用部材のセットに用いられる保管用部材に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いたボーラスと保管用部材との距離を以下のようにして測定した。さらに、ボーラスと保管用部材及び患者の体表面部との接触する領域の面積(接触面積)を測定し、前記接触面積から、ボーラスの保管用部材又は患者の体表面部との接触する側の面(下底面)の面積、撮影画像から測定したボーラスと患者の体表面部又は保管用部材との接触面積の比率(接触面積比率)(%)以下ようにして算出した。
<ボーラスと保管用部材との距離の測定>
ボーラスを保管用部材に設置した状態で、X線検査装置(装置名:Xslicer SMX−6000、株式会社島津製作所製)などにより測定することができる。
<ボーラスと保管用部材及び患者の体表面部との接触面積比率の算出方法>
ボーラスを保管用部材に設置し、デジタルカメラ(装置名:CX6、株式会社リコー製)により撮影し、撮影画像を画像処理ソフト(ソフト名:PhotoShop、アドビシステムズ株式会社製)により解析することにより接触面積を測定した。測定した接触面積の値から、下記式にしたがって接触面積比率(%)を算出した。
・接触面積比率(%)={(接触面積(mm))/(ボーラスの下底面の面積(mm))}×100・・・式1
なお、(u)は、ボーラスが患者の体表面部に接する面と対向する保管用部材(下)を表し、(o)は、ボーラスが患者の体表面部に接しない面と対向する保管用部材(上)を表す。
なお、実施例において作製したボーラスと保管用部材の組合せにおいては、前記ボーラスと前記保管用部材の表面形状は追従していたことを目視にて確認した。
(実施例1)
−ボーラス1の作製−
特公平6−047030号公報の実施例2に記載の方法に基づき、ポリビニルアルコール(平均重合度:約1,000、ケン化度:88モル%)800gを水3,200gに入れ、60℃に加熱しながら溶解し、20%水溶液のボーラス形成用液体材料1を調製した。
次に、油粘土(商品名:KY油粘土、株式会社デビカ製)の上に塩化ビニリデンフィルム(商品名:ヒタチラップ、日立化成株式会社製)を載せ、その上にピンアート(ピンインプレッション製)を用いて患者の体表面部(顔)をおしつけることで、患者の体表面を模倣した型1を作製した。前記ボーラス形成用液体材料1を前記型1に流し込み、25℃、30分間放置することにより固化させ、液体固化物1を得た。前記液体固化物1を真空凍結乾燥機(DFR−5N−B、株式会社ULVAC製)で−30℃に冷却(凍結)後、解凍する操作を7回繰り返し、前記型1の形状を有する縦200mm×横200mm×厚さ10mmのボーラス1を得た。
−保管用部材1の作製−
純水400gに、寒天(和光純薬工業株式会社製)を4.0g加え、撹拌しながら70℃まで加熱した。寒天水溶液をフィルター(商品名:定量ろ紙No.3、ADVANTEC株式会社製)でろ過し、50℃まで冷却して保管用部材用液体材料1を調製した。前記保管用部材用液体材料1を200mm四方の型に流し込み、液面にマネキン頭部A(株式会社大創産業販売製)の顔部分を入れ、マネキン頭部Aの水平方向の断面積が最大になる高さで保持する。常温(25℃)まで冷却し、前記保管用部材用液体材料1が固化したら、マネキン頭部を取り出し、保管用部材1を得た。
なお、前記ボーラス1と前記保管用部材1とを組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
作製したボーラス1を、保管用部材1の上部に載せて1週間、常温(25℃)下で放置した。その結果、放置後のボーラス1は、作製直後のボーラス1と比べて形状の変化が小さく、ボーラスの機能を十分得ることができた。
また、ボーラス1と保管用部材1との距離を測定した結果、平均距離は11.8mm、最大距離は36.2mmであった。ボーラス1と患者の表面部との接触面積比率は78.9%、ボーラス1と保管用部材1との接触面積比率は、75.2%であった。
(実施例2)
−ボーラス2の作製−
高純水900gを、アルジネート(有限会社浅草ギ研製)450gに加え、均一なクリーム状の液体になるように撹拌する。次に、前記液体を患者の体表面部(顔)に塗布し、15分間、25℃にて放置し、前記液体を固化させ、液体固化物2を得た。前記液体固化物2を取り出し、型の内側の寸法が、縦200mm×横200mm×厚さ10mmの型2を得た。
次に、実施例1において、型1を型2に変更した以外は、実施例1のボーラスの作製と同様にして、ボーラス2を得た。
前記ボーラス2と前記保管用部材1を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
ボーラス2と保管用部材1の平均距離は8.2mm、最大距離は20.3mmであった。また、ボーラス2と患者の体表面部との接触面積比率は82.3%、ボーラス2と保管用部材1との接触面積比率は81.1%であった。
(実施例3)
−保管用部材2の作製−
蒸留水100gに、低膨張硬質模型用石膏(商品名:ハイストーンB型、吉野石膏販売株式会社製)238g加え、8分間撹拌することにより石膏溶解液を調製した。前記石膏溶解液をボーラス2の作製に用いた前記型2に流し込み、1時間、25℃にて放置した。その後、50℃に設定した恒温槽に24時間保管し、前記石膏溶解液を固化させ、ボーラス同一造形物Bを得た。
実施例1において、マネキン頭部をボーラス同一造形物Bに変更した以外は、実施例1と同様にして保管用部材2を得た。
前記ボーラス2と前記保管用部材2を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
ボーラス2と保管用部材2の平均距離は2.3mm、最大距離は6.5mmであった。ボーラス2と患者の体表面部との接触面積比率は82.4%、ボーラス2と保管用部材2との接触面積比率は81.3%であった。
(実施例4)
−ボーラス3の作製−
ポリビニルアルコール(平均重合度:約500、ケン化度:92モル%)800gを水3,200gに加え、60℃に加熱しながら溶解し、25%水溶液のボーラス形成用液体材料2を調製した。次に、実施例2で製造された型2に前記ボーラス形成用液体材料2を流し込み、25℃、30分間放置することにより固化させ、液体固化物2を得た。前記液体固化物2を真空凍結乾燥機(装置名:DFR−5N−B、株式会社ULVAC製)で−30℃に冷却(凍結)後、解凍する操作を7回繰り返し、前記型2の形状を有する縦200mm×横200mm×厚さ10mmのボーラス3を得た。
前記ボーラス3と前記保管用部材2を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
ボーラス3と保管用部材2の平均距離は2.1mm、最大距離は6.0mmであった。ボーラス3と患者の体表面部との接触面積比率は87.8%、ボーラス3と保管用部材2との接触面積比率は86.9%であった。
(実施例5)
−保管用部材3の作製−
パラフィンワックス(商品名:パラフィンワックス115、日本精鑞株式会社製)400gを攪拌しながら70℃まで加温し、前記パラフィンワックスの溶解液をフィルター(商品名:定量ろ紙No.3、ADVANTEC株式会社製)でろ過し、保管用部材用液体材料2を調製した。
実施例3において、保管用部材用液体材料1を保管用部材用液体材料2に変更した以外は、実施例3と同様にして、保管用部材3を得た。
前記ボーラス3と前記保管用部材3を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
ボーラス3と保管用部材3の平均距離は2.4mm、最大距離は6.8mmであった。ボーラス3と患者の体表面部との接触面積比率は88.3%、ボーラス3と保管用部材3との接触面積比率は87.9%であった。
(実施例6)
−ボーラス4の作製−
純水165質量部を撹拌させながら、水膨潤性層状粘土鉱物として[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na 0.66の組成を有する合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)17質量部を少しずつ添加し、3時間撹拌した後、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(東京化成株式会社製)0.7質量部添加し、更に1時間撹拌を行った。その後、グリセリン(坂本薬品工業株式会社製)30質量部を添加し、撹拌を10分間行うことにより分散液を得た。
次に、得られた分散液に重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したアクロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社製)を17質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を4質量部、ライトアクリレート9EG−A(共栄社化学株式会社製)を1質量部添加した。更に、界面活性剤としてエマルゲンLS−106(花王株式会社製)を1質量部添加して混合した。次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤として1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を2.4質量部添加し、撹拌混合の後、減圧脱気を20分間実施し、ろ過により不純物等を除去し、ボーラス形成用液体材料3を得た。
実施例4において、ボーラス形成用液体材料3をボーラス形成用液体材料4に変更した以外は、実施例4と同様にしてボーラス4を得た。
前記ボーラス4と前記保管用部材3を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
ボーラス4と保管用部材3の平均距離は1.5mm、最大距離は6.5mmであった。また、ボーラス4と患者の体表面部、及びボーラス4と保管用部材3との接触面積比率は94.6%であった。
(実施例7)
−保管用部材4(u)の作製−
実施例5の保管用部材3を作製した保管用部材用液体材料2を用いた。
前記保管用部材用液体材料2の半分量を、型の内側の寸法が、縦200mm×横200mm×高さ50mmの型に流し込み、保管用部材2の作製に用いたボーラス同一造形物Bを用いて、液面に入れ、水平方向で最大面積になる高さで保持する。常温まで冷却し、前記保管用部材用液体材料3が固化したら、前記ボーラス同一造形物Bを取り出し、保管用部材4(u)を得た。
前記保管用部材4(u)の凹凸がボーラス4の表面の凹凸に対応するようにボーラス4を設置し、接触面が密着することを確認した。
−保管用部材4(o)の作製−
前記保管用部材用液体材料2の残りの半分を、型の内側の寸法が、縦200mm×横200mm×高さ50mmの型に流し込み、保管用部材2の作製に用いたボーラス同一造形物Bを液面に入れた。この際、前記ボーラス同一造形物Bは、保管用部材4(u)を作製した時とは反対側の面を液面に入れた。常温まで冷却し、前記保管用部材用液体材料2が固化したら、前記ボーラス同一造形物Bを取り出し、保管用部材4(o)を得た。
前記ボーラス4と前記保管用部材4を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
前記保管用部材4(u)及び4(o)の凹凸がボーラス4の表面の凹凸に対応するようにボーラス4を設置し、接触面が密着することを確認した。さらに、ボーラス4と患者の体表面部との接触面積比率は96.4%、ボーラス4と保管用部材4(u)及び4(o)との接触面積比率は96.3%であった。
ここで得られた保管用部材4(u)及び4(o)は、ボーラス4の表面の凹/凸と対応する凸/凹の表面を有しており、ボーラスの変形を抑止できる。また、保管用部材4(u)及び4(o)は接する部分の凹凸が組み合わさるため、ボーラス4が外界に露出せず密閉された状態になる。これにより、乾燥や形状変化、浮遊物の付着などを抑制できる。
(実施例8)
−保管用部材5(u)及び(o)の作製−
実施例5の保管用部材3を作製した保管用部材用液体材料2を用いた。
前記保管用部材用液体材料2の半分量を、型の内側の寸法が、縦200mm×横200mm×高さ50mmの型に流し込み、ボーラス同一造形物Bを液面に入れ、水平方向で最大面積になる高さで保持する。常温まで冷却し、前記保管用部材用液体材料2が固化したことを確認した。固化した前記保管用部材用液体材料2の表面に界面活性剤(商品名:フタージェントFT710FL、株式会社ネオス製)を薄く塗布し、塗布面側に、前記保管用部材用液体材料3の残り半分を入れ、常温まで冷却し、前記保管用部材用液体材料2が固化したことを確認し、ボーラス同一造形物Bを取り出して、2つの保管用部材用液体材料固化物を得た。
得られた2つの保管用部材用液体材料固化物のうち、最初に固化したもの(下)を保管用部材5(u)、最後に固化したもの(上)を保管用部材5(o)とした。
前記ボーラス4と前記保管用部材5(u)及び5(o)を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
前記保管用部材5(u)及び5(o)の凹凸がボーラス4の表面の凹凸に対応するようにボーラス4を設置し、接触面が密着することを確認した。さらに、ボーラス4と患者の体表面部との接触面積比率は96.0%、ボーラス4と保管用部材5(u)及び5(o)との接触面積比率は95.8%であった。
ここで得られた保管用部材5(u)及び5(o)は、ボーラス4の表面の凹/凸と対応する凸/凹の表面を有しており、ボーラスの変形を抑止できる。また、保管用部材5(u)及び5(o)は接する部分の凹凸が組み合わさるため、ボーラスが外界に露出せず密閉された状態になる。これにより、乾燥や形状変化、浮遊物の付着などを抑制できる。
(実施例9)
実施例8において、ボーラス同一造形物Bをボーラス4に変更した以外は、実施例8と同様にして、保管用部材6(u)及び6(o)を得た。
前記ボーラス4と前記保管用部材6(u)及び6(o)を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
前記保管用部材6(u)及び6(o)の凹凸がボーラス4の表面の凹凸に対応するようにボーラス4を設置し、接触面が密着することを確認した。さらに、ボーラス4と患者の体表面部との接触面積比率は96.8%、ボーラス4と保管用部材6(u)及び6(o)との接触面積比率は97.0%であった。
ここで得られた保管用部材6(u)及び6(o)は、ボーラス4の表面の凹/凸と対応する凸/凹の表面を有しており、ボーラスの変形を抑止できる。また、保管用部材6(u)及び6(o)は接する部分の凹凸が組み合わさるため、ボーラスが外界に露出せず密閉された状態になり、乾燥や形状変化、浮遊物の付着などを抑制できる。加えて、保管用部材にボーラスを収めて造形するため、作業スペースの軽減や造形中に紛失する可能性を低くできる。
(実施例10)
<保管用部材用液体材料3の調製>
重合性モノマーとしてメタクリル酸メチル(東京化成工業株式会社製)100質量部に対して、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、BASF社製)3質量部を、ホモジナイザー(日立工機株式会社製、HG30)を用いて、回転数2,000rpmで均質な混合物が得られるまで分散した。続いてろ過を行い、不純物等を除去し、最後に真空脱気を10分間実施し、均質な保管用部材用液体材料3を得た。
<ボーラス5並びに保管用部材7(u)及び7(o)の作製>
図11に示すようなインクジェット方式の三次元プリンターに、前記ボーラス形成用液体材料3、及び保管用部材用液体材料3を充填し、インクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、GEN4)2個に充填し、吐出させ、製膜を行った。
造形は患者の乳房表面のCTデータを用い、これを元に3Dプリント用のデータに変換した。このデータを基に、ボーラス及び保管用部材を造形した。
紫外線照射機(装置名:SPOT CURE SP5−250DB、ウシオ電機株式会社製)を用いて紫外光を照射して前記ボーラス形成用液体材料3、及び保管用部材用液体材料3を硬化させながら、ボーラス及び保管用部材の形成を行い、ボーラス5と保管用部材7(u)、7(o)を作製した。
前記ボーラス5と前記保管用部材7(u)及び7(o)を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
(実施例11)
<ボーラス6及び保管用部材8(u)、8(o)の作製>
図11に示すようなインクジェット方式の三次元プリンターに、前記ボーラス形成用液
体材料3、保管用部材用液体材料3、及び離型剤としてシリコーンオイルを充填し、インクジェットヘッド(リコーインダストリー株式会社製、GEN4)3個に充填し、吐出させ、製膜を行った。
上記の点以外は、実施例10と同様にして、ボーラス6並びに保管用部材8(u)及び8(o)を作製した。
前記ボーラス6と前記保管用部材8(u)及び8(o)を組み合わせ、ボーラスと保管用部材のセットとした。
(比較例1)
<ボーラス101の作製>
前記ボーラス形成用液体材料1を、型の内側の寸法が、縦200mm×横200mm×高さ50mmの型3に流し込み、放冷してボーラス101を得た。
ボーラス101は平板で、平面においている状態で形状が変化することはなかったが、患者とボーラスの密着性が悪く、ボーラスの機能としては十分ではなかった。
(比較例2)
<保管用部材201の作製>
前記保管用部材用液体材料1を用いて、縦200mm×横200mm×高さ50mmの内部形状を持つ型に保管用部材用液体材料1を流し込み、常温まで冷却する。固化した保管用部材用液体材料1を型から取り出し保管用部材201を得た。
実施例1で得られたボーラス1を保管用部材201の上に置き、1週間、常温(25℃)下で保管した。
1週間保管後のボーラス1は、作製直後のボーラス1の形状から変形を生じており、ボーラスの機能が著しく低下した。
(比較例3)
<保管用部材202の作製>
前記保管用部材用液体材料1を用いて、直径200mm、高さ50mmの円錐をかたどった内部形状を持つ型に保管用部材用液体材料1を流し込み、常温まで冷却する。固化した保管用部材用液体材料1を型から取り出し保管用部材202を得た。
その結果、保管用部材202はボーラス1の形状に追従しておらず、1週間保管後のボーラス1は、作製直後のボーラス1の形状から変形を生じており、ボーラスの機能が低下した。
次に得られたボーラスと保管用部材を用いて、「密着性」、「形状保持性」、及び「生産性」を評価した。結果を下記表2に示す。
<密着性>
実施例及び比較例において測定したボーラスと患者の体表面部における接触面積比率(%)を用いて、下記評価基準に基づき評価した。なお、「密着性」が「D」以上であれば使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:90%以上
B:85%以上90%未満
C:80%以上85%未満
D:75%以上80%未満
E:75%未満
<形状保持性>
作製したボーラス及び保管用部材を、表面凹凸が対応するように設置し、前記密着性を測定した後、25℃、相対湿度65%環境下において、1週間保管し、再度密着性を測定する。10個のサンプルについて、同様の手順で処理し、下記式を用いて形状保持率を求め10個のサンプルの平均値を算出し、下記評価基準に基づき評価した。また、実施例1から6及び比較例2から3に関しては、ボーラスを保管用部材の上に載せて保管し、実施例7から11に関しては、ボーラスを下部保管用部材と上部保管用部材で挟み込むように設置し保管した。比較例2および3はボーラス形状に追従しない表面形状を有する保管用部材で保管した。なお、「形状保持性」が「D」以上であれば使用上問題のないレベルである。
・形状保持率(%)={(1週間保管後の密着度)/(作製直後の密着度)}×100
[評価基準]
A:96%以上
B:93%以上96%未満
C:90%以上93%未満
D:85%以上90%未満
E:85%未満
<生産性>
ボーラス及び保管用部材の造形において、下記評価基準に基づき、「生産性」を評価した。
A:型が不要で、保管用部材(u)、ボーラス、及び保管用部材(o)を連続して造形できる。造形したボーラスは容易に取り外せる。
B:保管用部材(u)、ボーラス、及び保管用部材(o)を連続して造形できる。
C:ボーラス及び保管用部材の型が必要になる
Figure 0006809217
Figure 0006809217
実施例1〜11の結果から、ボーラスが患者の体表面部に追従する形状を有し、前記ボーラスの保管用部材を前記ボーラスの形状に追従する形状とし保管することにより、形状保持性に優れることがわかった。
また、実施例4〜11の結果から、ボーラス硬度を小さくすることにより、患者の体表面部との密着性が向上することがわかった。
さらに、実施例10及び11の結果から、前記ボーラスと前記保管用部材を三次元プリンターにより造形することにより、前記密着性、及び前記形状保持性に優れ、さらに生産性に優れるボーラスと保管用部材のセットを得ることができることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> ボーラスと、前記ボーラスの保管用部材と、を有し、
前記ボーラスが、患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有し、
前記保管用部材が、前記ボーラスの形状に追従する形状を有することを特徴とするボーラスと保管用部材のセットである。
<2> 前記ボーラスを保管用部材上に保持させた保管状態において、
前記ボーラスと、前記保管用部材との対向する面の平均距離が、5mm以下である前記<1>に記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<3> 前記ボーラスを保管用部材上に保持させた保管状態において、
前記ボーラスと、前記保管用部材との対向する面の平均距離が、2mm以上5mm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<4> 前記ボーラスを保管用部材上に保持させた保管状態において、
前記ボーラスと、前記保管用部材との接する面積が、30%以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<5> 前記ボーラスを保管用部材上に保持させた保管状態において、
前記ボーラスと、前記保管用部材との接する面積が、90%以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<6> 前記ボーラスを保管用部材上に保持させた保管状態において、
前記ボーラスと、前記保管用部材との対向する面の最大距離が10mm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<7> 前記ボーラスと、前記保管用部材との硬度差が、10以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<8> 前記ボーラスの硬度が、60以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<9> 前記保管用部材の硬度が、90以上である前記<1>から<8>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<10> 前記ボーラスが、ハイドロゲルを含む前記<1>から<9>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<11> 前記保管用部材が、前記ボーラスを外界から閉鎖する構造を有する前記<1>から<10>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<12> 前記ボーラスが、前記保管用部材との組合せであることを識別する識別部を有する前記<1>から<11>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<13> 前記保管用部材が、前記ボーラスとの組合せであることを識別する識別部を有する前記<1>から<11>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<14> 前記ボーラスを前記保管用部材上に保持させた保管状態において、
前記ボーラスを前記保管用部材に対して垂直方向に切断したときの前記ボーラスの断面における前記保管用部材と対向する線が曲線を有し、
前記曲線が、前記ボーラスを前記保管状態で前記保管用部材に対して垂直方向に切断したときに、
水平面と前記曲線の法線とのなす角が5°以上85°未満となる曲線部分を有し、
前記曲線部分からなる領域の面積が、前記ボーラスと前記保管用部材とが接触する領域の面積に対して、10%以上である前記<1>から<13>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセットである。
<15> 立体造形装置を用いた立体造形方法において、
ボーラスの形状に基づく3Dデータを用いて前記ボーラスを造形するボーラス造形工程と、
前記ボーラスの保管用部材の形状に基づく3Dデータを用いて前記保管用部材を造形する保管用部材造形工程と、を含むことを特徴とするボーラスと保管用部材の製造方法である。
<16> 前記ボーラス造形工程と、前記保管用部材造形工程と、を連続又は同時に行う前記<15>に記載のボーラスと保管用部材の製造方法である。
<17> サポート部を造形する工程と、
モデル部を造形する工程と、を有し、
前記サポート部を前記保管用部材として製造し、前記モデル部を前記ボーラスとして製造する前記<15>から<16>のいずかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法である。
<18> インクジェット方式または光硬化方式により造形する前記<15>から<17>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法である。
<19> 前記保管用部材と、前記ボーラスとの間に離型部を造形する離型部造形工程をさらに含む前記<15>から<18>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法である。
<20> ボーラスを保管する部材であって、
前記部材が、前記ボーラスの表面形状に追従し、前記ボーラスとの接触面積が大きいことにより前記ボーラスの形状を維持する形状保持部を有することを特徴とする保管用部材である。
<21> 前記ボーラスを外界から閉鎖する構造をさらに有する前記<20>に記載の保管用部材である。
前記<1>から<14>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセット、前記<15>から<19>のいずれかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法、及び前記<20>から<21>のいずれかに記載の保管用部材によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特公平3−26994号公報 特公平6−47030号公報 特許2999184号公報 特開平3−115897号公報
11、21、117、148、172、190:ボーラス
12、118、138、143、144、145、170、191、192:保管用部材
13:ボーラスの凹凸形状に保管用部材の凹凸形状が追従するする形状
171、175、176、177:識別部
173、174、193:ボーラスと保管用部材のセット
221、222、223:水平面と曲線部分の法線とのなす角
224:水平面と曲線の法線とのなす角が5°以上85°未満となる曲線部分

Claims (13)

  1. ボーラスと、前記ボーラスの保管用部材と、を有し、
    前記ボーラスが、患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有し、
    前記保管用部材が、前記ボーラスの前記患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状に追従する形状を有することを特徴とするボーラスと保管用部材のセット。
  2. 前記ボーラスと前記保管用部材とのアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度の硬度差が、10以上である請求項1に記載のボーラスと保管用部材のセット。
  3. 前記ボーラスのアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が、60以下である請求項1から2のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセット。
  4. 前記ボーラスが、ハイドロゲルを含む請求項1から3のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセット。
  5. 前記保管用部材が、前記ボーラスを外界から閉鎖する構造を有する請求項1から4のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセット。
  6. 前記ボーラス及び前記保管用部材の少なくともいずれかが、識別部を有する請求項1から5のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセット。
  7. 前記ボーラスを前記保管用部材上に保持させた保管状態において、
    前記ボーラスを前記保管用部材に対して垂直方向に切断したときの前記ボーラスの断面における前記保管用部材と対向する線が曲線を有する請求項1から6のいずれかに記載のボーラスと保管用部材のセット。
  8. 立体造形装置を用いた立体造形方法において、
    患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有するボーラスの形状に基づく3Dデータを用いて前記ボーラスを造形するボーラス造形工程と、
    前記ボーラスの前記患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状に追従する形状を有する保管用部材の形状に基づく3Dデータを用いて前記保管用部材を造形する保管用部材造形工程と、を含むことを特徴とするボーラスと保管用部材の製造方法。
  9. 前記ボーラス造形工程と、前記保管用部材造形工程と、を連続又は同時に行う請求項8に記載のボーラスと保管用部材の製造方法。
  10. サポート部を造形する工程と、
    モデル部を造形する工程と、を有し、
    前記サポート部を前記保管用部材として製造し、前記モデル部を前記ボーラスとして製造する請求項8から9のいずれかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法。
  11. インクジェット方式または光硬化方式により造形する請求項8から10のいずれかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法。
  12. 前記保管用部材と、前記ボーラスとの間に離型部を造形する離型部造形工程をさらに含む請求項8から11のいずれかに記載のボーラスと保管用部材の製造方法。
  13. 患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状を有するボーラスを保管する部材であって、
    前記部材が、前記ボーラスの前記患者の放射線照射対象となる体表面部に沿った形状に追従し、前記ボーラスとの接触する領域の面積が大きいことにより前記ボーラスの形状を維持する形状保持部を有することを特徴とする保管用部材。
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