JP2017213812A - 立体造形物の製造方法 - Google Patents

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義浩 法兼
Yoshihiro Norikane
義浩 法兼
新美 達也
Tatsuya Niimi
達也 新美
寛 岩田
Hiroshi Iwata
寛 岩田
松村 貴志
Takashi Matsumura
貴志 松村
寛之 内藤
Hiroyuki Naito
寛之 内藤
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Abstract

【課題】造形後のサポート部を容易に除去することができ、当該サポート部除去後のモデル部の表面性状に優れる立体造形物の製造方法の提供。【解決手段】硬化性液体材料及び/又は非硬化性液体材料を用いて、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜を成膜する成膜工程と、前記成膜した膜を硬化させる硬化工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、前記サポート部並びに前記境界部を構成する膜は、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を異なる比率で含む立体造形物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形物の製造方法に関する。
立体造形物を造形する技術として、付加製造(AM:Additive Manufacturing)と呼ばれる技術が知られている。
この技術は、積層方向について薄く切った断面形状を計算し、その形状に従って各層を形成して積層することにより立体造形物を造形する技術である。また、立体造形物を造形する手法としては、熱溶融積層法(FDM:Fused Deposition Molding)、液体ジェッティング、バインダージェッティング、マテリアルジェッティング、光造形(SLA:Stereo Lithography Apparatus)、粉末焼結積層造形(SLS:Selective Laser Sintering)などが知られている。
前記マテリアルジェッティングにおいては、立体造形物を形成するために、造形物であるモデル部と、これを支持するサポート部を形成し、これを一体造形後に除去することにより、モデル部で構成される立体造形物を得る方式が提案されている(例えば、特許文献1)。また、新たな第三の液体を用いて、モデル部とサポート部との間にリリース部を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、造形後のサポート部を容易に除去することができ、当該サポート部除去後のモデル部の表面性状に優れる立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造方法は、硬化性液体材料及び/又は非硬化性液体材料を用いて、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜を成膜する成膜工程と、前記成膜した膜を硬化させる硬化工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、前記サポート部並びに前記境界部を構成する膜は、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を異なる比率で含む。
本発明によると、造形後のサポート部を容易に除去することができ、当該サポート部除去後のモデル部の表面性状に優れる立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は、立体造形物を作製するための入力データから造形データへの展開フローである。 図2は、本発明に用いられる立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図3は、実施例1で得られた立体造形物の模式図である。
(立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造方法は、硬化性液体材料及び/又は非硬化性液体材料を用いて、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜を成膜する成膜工程と、前記成膜した膜を硬化させる硬化工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、前記サポート部並びに前記境界部を構成する膜は、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を異なる比率で含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、従来の立体造形物を得る方式では、立体造形物を水に浸漬することによりサポート部を溶解して除去することが可能であるが、モデル部を形成するための液体、サポート部を形成するための液体のいずれもが光硬化性材料を含み、これらが隣接した状態にて光により硬化させるため、サポート部を除去した際のモデル部の表面には一部除去されないサポート部の材料が、除去不可能な状態にて存在し、表面が粗く、白濁してしまうという問題があるという知見に基づくものである。また、本発明の立体造形物の製造方法は、従来のリリース部を形成する方法では、リリース部を形成するために第三の液体を専用のヘッドを用いて付与する必要があり、装置が大掛かりなものとなるという問題があるという知見に基づくものである。
<成膜工程>
前記成膜工程は、硬化性液体材料及び/又は非硬化性液体材料を用いて、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜を成膜する工程であり、更に必要に応じてその他の処理を含む。
前記成膜は、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜からなる。
前記成膜は、モデル部、サポート部、及び境界部を構成するそれぞれの膜に、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料をそれぞれ付与する。
前記境界部を構成する膜としては、前記モデル部を構成する膜と前記サポート部を構成する膜との間に形成されていることが好ましい。前記境界部を構成する膜が、前記モデル部を構成する膜とサポート部を構成する膜との間に形成されることにより、得られる立体造形物におけるモデル部からサポート部の除去性を向上することができ、得られるモデル部の表面性状を向上できる。
前記境界部を構成する膜としては、前記モデル部を構成する膜と前記サポート部を構成する膜との間に形成することにより、得られる立体造形物において、前記境界部としては、前記モデル部と前記サポート部との間に形成することができる。
前記モデル部の表面としては、前記境界部により80%以上被覆されていることが好ましい。
前記被覆の割合は、サポート部を構成する膜を除去後、容易に剥離されなかった部分が残るため、剥離されなかった部分を目視で確認(又は画像取得して割合を算出)し、総表面積から剥離されなかった部分の割合を差し引くことにより、算出することができる。
前記モデル部の表面粗さとしては、例えば、表面粗さ測定器を用いて測定することができる。前記表面粗さ測定器としては、例えば、サーフテスト(SJ−210)(株式会社ミツトヨ製)などが挙げられる。
前記モデル部、前記サポート部、及び前記境界部を構成する膜としては、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を、それぞれに求められる性能に基づいて適宜選択して付与することにより得ることができる。また、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を同一位置に付与することにより、得られる膜中の前記硬化性液体材料の含有量を適宜調整することができる。
前記サポート部及び前記境界部を構成する膜における前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料の比率としては、異なっていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記境界部を構成する膜における非硬化性液体材料の割合が、前記サポート部を構成する膜における非硬化性液体材料の割合より多いことが好ましい。
各部を構成する膜において、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料の比率を変化させることにより、立体造形物の物理諸特性が異なる挙動を示す。
硬化性液体材料の割合が多い場合は、立体造形物の強度(ヤング率、圧縮応力)が高くなり、各種溶媒への溶解度は低下する。そのため、モデル部を構成する膜においては、硬化性液体材料の割合を多くすることにより、モデル部に必要な造形物強度、耐薬品性、及び耐熱性を向上できる。
一方、非硬化性液体材料の割合が多い場合、造形物強度は低下するが、各種溶媒への溶解度が高くなる。そのため、サポート部を構成する膜においては、そのサポート機能が確保される限りにおいて非硬化性液体材料の割合を多くすることにより、サポート部に必要な除去性を向上できる。
更に非硬化性液体材料の割合が80%以上の場合、硬化性が著しく低い流動性を有する状態となり、境界部に適している。
また、前記モデル部としては、ハイドロゲルとしても好適に用いることができる。
前記サポート部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量A(質量%)と非硬化性液体材料の含有量B(質量%)との比率[A/(A+B)]としては、0.2超0.8未満が好ましく、0.2超0.4未満がより好ましい。前記比率[A/(A+B)]が、0.2超0.8未満であると、造形時にモデル部を支持することができ、また、造形後にサポート部を除去することが容易となる。
前記サポート部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量(質量%)と、境界部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量(質量%)との質量比(サポート部/境界部)としては、4以上12以下が好ましく、6以上10以下がより好ましく、8以上10以下が特に好ましい。前記質量比(サポート部/境界部)が、4以上12以下であると、モデル部からのサポート部の除去性を向上できる。
前記硬化性液体材料の含有量としては、モデル部を構成する膜においてはモデル部を構成する膜全量に対して、80質量%以上100質量%以下が好ましく、サポート部を構成する膜としてはサポート部を構成する膜全量に対して、40質量%以上60質量%以下が好ましく、境界部を構成する膜としては境界部を構成する膜全量に対して、0質量%以上20質量%以下が好ましい。
−硬化性液体材料−
前記硬化性液体材料は、光や熱等のエネルギーを付与することにより硬化する液体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単官能モノマー、多官能モノマー等の重合性モノマー、オリゴマーを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。好ましくはインクジェット用プリンター等に用いられるインク吐出ヘッドで吐出できる粘度や表面張力等の液物性を有する。
また、前記硬化性液体材料としては、水、及び重合性モノマーを含むハイドロゲル前駆体液として好適に用いることができる。
前記ハイドロゲル前駆体液は、水、及び重合性モノマーを含み、鉱物を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−重合性モノマー−−
前記重合性モノマーとしては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−単官能モノマー−−−
前記単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単官能モノマーとしては、重合させることにより、有機ポリマーを得ることができる。
前記単官能モノマーの含有量としては、硬化性液体材料全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。
上記以外の単官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
−−−多官能モノマー−−−
前記多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1.3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1.4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、トリアリルイソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−オリゴマー−−
前記オリゴマーとしては、上記モノマーの低重合体や末端に反応性不飽和結合基を有するものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−水−−
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
前記水は、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整等の目的に応じて、有機溶媒等のその他の成分を溶解又は分散させてもよい。
前記水の含有量としては、ハイドロゲル前駆体液全量に対して10質量%以上99質量%以下が好ましく、60質量%以上98質量%以下がより好ましく、70質量%以上97質量%以下が特に好ましい。
−−鉱物−−
前記鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状鉱物などが挙げられる。
前記層状鉱物は、単一層の状態にて水に分散した分散鉱物であることが好ましい。
前記層状鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。
前記水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。
前記水膨潤性とは、層状鉱物の層間に水分子が挿入され、水を吸収して体積が膨張することを意味する。
前記水膨潤性層状粘土鉱物としては、前記例示したものを、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。
前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライト SWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、合成ヘクトライトが好ましい。
前記鉱物の含有量としては、前記ハイドロゲル前駆体液全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上40質量%以下であると、ハイドロゲル前駆体液の粘度が適正であり、インクジェットノズルでの吐出性、及び立体造形物の硬度が良好となる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
−−−安定化剤−−−
前記安定化剤は、前記鉱物を分散安定させ、ゾル状態を保つために用いられる。また、インクジェット方式では液体としての特性安定化のために必要に応じて安定化剤が用いられる。
前記安定化剤としては、例えば、高濃度リン酸塩、グリコール、非イオン界面活性剤などが挙げられる。
−−−表面処理剤−−−
前記表面処理剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、脂肪酸エステル、グリセライド、ワックスなどが挙げられる。
−−−重合開始剤−−−
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
前記光重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
前記アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(以上、DuPont Chemical社製)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(以上、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S、Akzo Nobel社製)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11、Elf Atochem社製)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox 21−C50、Akzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
前記過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
前記レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、前記過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、前記有機過酸化物と第3級アミンとに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンとに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属とに基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートとに基づく系)などが挙げられる。
前記重合開始剤の含有量としては、硬化性液体材料全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、10質量%以下であると、硬化反応を阻害することを防止できる。
−着色剤−
前記着色剤としては、前記硬化性液体材料中に溶解又は安定に分散し、更に熱安定性に優れた染料及び顔料が適している。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種類以上の着色剤を適時混合することが可能である。
−非硬化性液体材料−
前記非硬化性液体材料は、硬化性液体材料に含まれる各種モノマーの一部と相溶可能な溶媒が主成分として好適に用いることができる。また、前記溶媒としては、常温において揮発性の低いことが、インクジェットヘッドのノズル部での耐乾燥性を確保するために好適である。
前記非硬化性液体材料としては、25℃において液体であることが好ましい。
前記各種モノマーと相溶可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶解性、及び結合形成の点から、1価アルコール、2価アルコール、炭素数8以上22以下の脂肪族高級アルコール等の水酸基を持つ有機溶媒、水酸基を多数有するポリオール、エーテル、エーテル結合を多数有するポリエーテルなどが挙げられる。
前記1価アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、3−メトキシ−1−ブタノール等の脂肪族低級アルコールなどが挙げられる。
前記炭素数8以上22以下の脂肪族高級アルコールとしては、例えば、カプリルアルコール(C8)、ドデカノール(C10)、ラウリルアルコール(C12)、ミリスチルアルコール(C14)、セチルアルコール(C16)、ステアリルアルコール(C18)、オレイルアルコール(C18、不飽和結合を含む)などが挙げられる。
これらの中でも、サポート部の溶解性、及び強度を確保する点から、炭素数10以上の高級アルコール類を一部含むことが好ましい。
前記エーテル結合を多数有するポリエーテルとしては、例えば、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、硬化性液体材料におけるその他の成分と同様のものを用いることができる。
前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、表面張力、粘度、液滴量等を選択することができる。
前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料の表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20mN/m以上45mN/m以下が好ましく、25mN/m以上34mN/m以下がより好ましい。前記表面張力が、20mN/m以上であると、造形の際に吐出性を向上でき、45mN/m以下であると、造形用の吐出ノズル等に液体を充填する際に、容易に充填することができる。
なお、前記表面張力は、例えば、表面張力計(装置名:自動接触角計DM−701、協和界面科学株式会社製)などを用いて測定することができる。
−粘度−
前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、温度を調整することで適宜利用可能であるが、25℃にて、3mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下がより好ましい。前記粘度が、3mPa・s以上20mPa・s以下であると、造形の際に吐出性を向上できる。
なお、前記粘度は、例えば、回転粘度計(装置名:VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)などを用いて25℃の環境下で測定することができる。
前記液滴量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2pL以上60pL以下が好ましく、15pL以上30pL以下がより好ましい。前記液滴量が、2pL以上であると、造形の際に吐出性を向上でき、60pL以下であると、造形用の吐出ノズル等に液体を充填する際に、容易に充填することができる。
前記成膜工程は、前記硬化性液体材料、及び前記非硬化性液体材料を用いて、これら複数の液体材料を所定の位置に所定の比率により付与することにより、部分的に液量比の異なる領域を持つ液膜を形成することができる。
前記硬化性液体材料、及び前記非硬化性液体材料を付与する方法としては、液滴が適切な精度で目的の場所に付与できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。
これらの中でも、前記ディスペンサー方式では、液滴の定量性に優れるが、付与面積が狭くなる。前記スプレー方式では、簡便に微細な吐出物を形成でき、付与面積が広く、付与性に優れるが、液滴の定量性が悪くなり、スプレー流による飛散が発生することがある。前記インクジェット方式では、前記スプレー方式に比べ、液滴の定量性がよいという利点があり、前記ディスペンサー方式に比べ、付与面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成することができる。このため、本発明においては、前記インクジェット方式を用いることが好ましい。
前記インクジェット方式の付与手段としては、前記硬化性液体材料、及び前記非硬化性液体材料を吐出可能なノズルなどが挙げられる。なお、前記ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができ、前記インクジェットプリンターとしては、例えば、リコーインダストリー株式会社製のMH5420/5440などが挙げられる。このインクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できる液滴量が多く、付与面積が広いため、付与の高速化を図ることができる点から好ましい。
複数の付与手段としては、2個以上の付与手段が好ましく、2個の付与手段がより好ましい。
<硬化工程>
前記硬化工程は、成膜工程において成膜した膜を硬化させる工程である。
前記硬化工程に用いられる前記硬化手段としては、例えば、紫外線(UV)照射ランプ、電子線などが挙げられる。前記膜を硬化する手段には、オゾンを除去する機構が具備されることが好ましい。
前記紫外線(UV)照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド、LEDなどが挙げられる。
前記超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
前記メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。
硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販品を用いることができる。
また硬化性液体材料としてラジカル重合性モノマー、オリゴマーを使用する場合には、成膜、硬化工程を実施する環境における酸素濃度が低いことが好ましく、例えば、窒素等で置換された空間であることが特に好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去工程、成形体の研磨工程、成形体の清浄工程などが挙げられる。
前記除去工程は、水又は有機溶剤を満たした浴槽に浸漬し、除去する方法、温度を加える方法、超音波振動する方法、撹拌によるエネルギーを与える方法などの補助的処理を用いたり、これらの組合せを適宜用いることができる。
前記立体造形物の製造方法においては、前記各工程を複数回繰り返すものである。前記繰り返し回数としては、作製する立体造形物の大きさ、形状などに応じて異なり一概には規定できないが、1層あたりの平均厚みとしては、5μm以上50μm以下が好ましい。前記平均厚みが、5μm以上50μm以下であると、精度よく、剥離することもなく造形することが可能であり、立体造形物の高さ分だけ積層することができる。
以上説明したように、本発明の立体造形物の製造方法においては、インクジェット方式又はディスペンサー方式等の細孔より硬化性液体材料及び非硬化性液体材料を吐出することにより、1層ずつの像を形成できるように付与され、硬化する前の硬化性液体材料と非硬化性液体材料とが、所定領域に所定の比率で付与され、部分的に液量比の異なる領域を持つ液膜を形成するようにする。ここで、硬化性液体材料と非硬化性液体材料との吐出量比を変えることにより、膜中の含有量比を容易に変えることができ、一定の体積あたりの造形体の上記特性を調整することができる。そのため、モデル部を構成する膜の強度や溶解性等の特性を調整することが可能である。
以下、本発明の立体造形物の製造方法及び前記立体造形物の製造装置の具体的な実施形態について説明する。
まず、三次元CADで設計された三次元形状あるいは三次元キャナやディジタイザで取り込んだ三次元形状のサーフェイスデータあるいはソリッドデータを、STLフォーマットに変換して積層造形装置に入力する。
図1は、立体造形物を作製するための入力データから造形データへの展開フローである。
図1に示すように、この入力されたデータに基づいて、造形しようとする三次元形状の造形方向を決める。造形方向は特に制約はないが、通常はZ方向(高さ方向)が最も低くなる方向を選ぶ。
造形方向を確定したら、モデル部を定義し、次に、境界部とサポート部とを定義する。
次に、得られたブロック形状を一層の厚みでZ方向に輪切り(スライス)データに展開する。
輪切り面になったデータには、体積区画が定義されており、各体積領域毎に属性(モデル部、サポート部、境界部)が割り当てられる。
次に、その属性に応じた硬化性液体材料と非硬化性液体材料の混合比率を定義する。その後、各液体を吐出するためのインク吐出用ヘッドの印写データとして展開され、各層毎の印写が実施される。
一層の平均厚みは使用する材料によるが、通常は20μm以上60μm以下程度である。造形しようとする造形物が1個の場合はこのブロック形状がZステージ(一層造形毎に一層分ずつ下降する造形物をのせるテーブル)の真中に来るように配置される。また、複数個同時に造形する場合はブロック形状がZステージに配置されるが、ブロック形状を積み重ねることも可能である。これらブロック形状化や輪切りデータ(スライスデータ:等高線データ)やZステージへの配置は、使用材料を指定すれば自動的に作製することも可能である。
次に、造形工程を実施する。図2は、前記立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。図2に示すように、複数のヘッド11、12、13を双方向に動かして、硬化性液体材料と非硬化性液体材料とを所定領域に所定量比で吐出し、ドットを形成する。その際、ドットにおいて硬化性液体材料と非硬化性液体材料とを混合し、所定の混合比率にすることが可能である。
そして、成膜にした膜に紫外線(UV)光を照射することにより硬化して、所定の領域に所定のモデル部の混合比、サポート部の混合比、境界部の混合比を部分的に有する膜を形成することができる。
膜を一層形成した後に、前記ステージ16が一層分の高さだけ下降する。再度、膜上に連続したドットを形成することにより、所定の混合比が所定の領域にある硬化性液体材料及び非硬化性液体材料を構成される混合液膜を作製する。前記混合液膜に紫外(UV)光を照射することにより硬化して、膜を形成する。これらの積層を繰り返すことにより、立体造形物(モデル部19、サポート部18、及び境界部22)を造形することができる。
このように立体造形した立体造形物は、物理強度、及び溶解度を部分的に調整することができる。
また、噴射するインクジェットヘッドに紫外(UV)光照射機を隣接させることにより、平滑処理に要する時間を省くことができ、高速造形が可能である。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(硬化性液体材料の調製例A1)
<硬化性液体材料A1の調製>
アクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ株式会社製)40.0質量部、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA、KJケミカルズ株式会社製)20.0質量部、イソボルニルアクリレート(IBXA、商品名:SR506、巴工業株式会社製)35.0質量部、及び光重合開始剤(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、商品名:IRGACURE 819、BASF社製)5.0質量部を混合撹拌して硬化性液体材料A1を得た。組成を下記表1に示す。
(非硬化性液体材料の調製例B1)
<非硬化性液体材料B1の調製>
3−メトキシ−1−ブタノール(商品名:セロトール、株式会社ダイセル製)60.0質量部、ポリプロピレングリコール400(山洋化成工業株式会社製)25.0質量部、及び非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、商品名:エマルゲン109P、花王株式会社製)15.0質量部を混合撹拌して非硬化性液体材料B1を得た。組成を下記表2に示す。
(非硬化性液体材料の調製例B2〜B3)
<非硬化性液体材料B2〜B3の調製>
非硬化性液体材料の調製例B1において、下記表2の組成に変更した以外は、非硬化性液体材料の調製例B1と同様にして、非硬化性液体材料B2〜B3を得た。組成を下記表2に示す。
なお、前記表2において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・3−メトキシ−1−ブタノール:株式会社ダイセル製、商品名:セロトール
・トリプロピレングリコールメチルエーテル:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:ダワノールTPM
・ポリプロピレングリコール400:山洋化成工業株式会社製
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル:花王株式会社製、商品名:エマルゲン109P、エーテル型非イオン性界面活性剤
(実施例1)
図2に示すインクジェット造形装置を用いて、20mm×20mm×高さ2mmのモデル部を硬化性液体材料A1と非硬化性液体材料B1との付与比率(A1:B1)が100:0となるように形成し、その上に20mm×20mm×高さ2mmのパターンの境界部を付与比率(A1:B1)が20:80となるように一層形成し、境界部の上に、20mm×20mm×高さ2mmのサポート部を付与比率(A1:B1)が60:40となるように形成し、図3に示すような立体造形物1を得た。図3中、Mはモデル部、Bは境界部、Sはサポート部を表す。
(実施例2〜9)
実施例1において、組成及び各部材の付与比率を下記表3のように変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物2〜9を得た。
(比較例1)
装置名:アジリスタ(株式会社キーエンス製)を用いて、商品名:AR−M1(株式会社キーエンス製、透明樹脂)により20mm×20mm×高さ2mmのモデル部を作製し、その上に商品名:AR−S1(株式会社キーエンス製、水溶性樹脂)により20mm×20mm×高さ2mmのサポート部を作製し、立体造形物10を得た。
得られた立体造形物1〜10を用いて、下記のようにして、サポート部の「除去性」、モデル部の「表面性状」を評価した。結果を下記表3に示す。
(除去性)
得られた立体造形物を20gの水が入ったビーカーに撹拌子が当たらないように網の中に入れて浸漬し、撹拌子により撹拌し、超音波をかけた。1時間後立体造形物を取り出し、25℃にて6時間乾燥させた後秤量した。同様にして、実施例1〜9及び比較例1におけるモデル部の作製と同様の条件により別途単独で造形したモデル部(20mm×20mm×高さ2mm)についても秤量し、サポート部を除去したモデル部の質量から別途単独で造形したモデル部の質量を引くことによりサポート部の残存量を算出し、下記評価基準に基づいて、サポート部の「除去性」を評価した。
−評価基準−
○:サポート部の残存量が、0質量%以上2.0質量%以下である
△:サポート部の残存量が、2.0質量%超8.0質量%以下である
×:サポート部の残存量が、8.0質量%超である
(表面性状)
除去性の評価において得られた乾燥後の立体造形物について、目視にてモデル部の表面を観察し、下記評価基準に基づいて、モデル部の「表面性状」を評価した。
−評価基準−
○:モデル部の表面が、サポート部の透明度が高く均一な光沢面である
△:境界面がざらついている
×:サポート部が全面に付着している
実施例1〜5、7、及び8は、サポート部の残留物がなく、モデル部の表面性状も透明度が高く均一な面を形成していた。
実施例6及び9は、サポート部の残留物が殆どなく、モデル部の表面性状は均一な面を形成していたが、やや濁りが確認された。
比較例1は、モデル部の表面が白濁し、サポート部が残存していることが目視で確認された。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 硬化性液体材料及び/又は非硬化性液体材料を用いて、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜を成膜する成膜工程と、
前記成膜した膜を硬化させる硬化工程と、
を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
前記サポート部並びに前記境界部を構成する膜は、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を異なる比率で含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記硬化性液体材料が、重合性モノマーを含み、
前記非硬化性液体材料が、前記重合性モノマーと相溶する溶媒を含む前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記境界部を構成する膜における非硬化性液体材料の割合が、前記サポート部を構成する膜における非硬化性液体材料の割合より多い前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記サポート部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量A(質量%)と非硬化性液体材料の含有量B(質量%)との比率[A/(A+B)]が、0.2超0.8未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記比率[A/(A+B)]が、0.2超0.4未満である前記<4>に記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 前記モデル部の表面が、前記境界部により80%以上被覆されている前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 前記モデル部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量が、80質量%以上100質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 前記サポート部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量が、40質量%以上60質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 前記境界部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量が、0質量%以上20質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記モデル部が、ハイドロゲルである前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記ハイドロゲルが、水、及び重合性モノマーを含む前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記ハイドロゲルが、鉱物をさらに含む前記<11>に記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記鉱物が、層状鉱物である前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記層状鉱物が、水膨潤性層状粘土鉱物である前記<13>に記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 前記重合性モノマーが、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、及びイソボルニル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種である前記<2>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<16> 前記非硬化性液体材料中の前記重合性モノマーと相溶する溶媒が、3−メトキシ−1−ブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、及びポリプロピレングリコールから選択される少なくとも1種である前記<2>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<17> 前記成膜工程と前記硬化工程を複数回繰り返して製造された立体造形物における前記サポート部を除去する工程をさらに含む前記<1>から<16>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<17>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2012−111226号公報 米国特許出願公開第2002/0171177号明細書

Claims (10)

  1. 硬化性液体材料及び/又は非硬化性液体材料を用いて、モデル部、サポート部、及び境界部を構成する膜を成膜する成膜工程と、
    前記成膜した膜を硬化させる硬化工程と、
    を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
    前記サポート部並びに前記境界部を構成する膜は、前記硬化性液体材料及び前記非硬化性液体材料を異なる比率で含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記硬化性液体材料が、重合性モノマーを含み、
    前記非硬化性液体材料が、前記重合性モノマーと相溶する溶媒を含む請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 前記境界部を構成する膜における非硬化性液体材料の割合が、前記サポート部を構成する膜における非硬化性液体材料の割合より多い請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  4. 前記サポート部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量A(質量%)と非硬化性液体材料の含有量B(質量%)との比率[A/(A+B)]が、0.2超0.8未満である請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記比率[A/(A+B)]が、0.2超0.4未満である請求項4に記載の立体造形物の製造方法。
  6. 前記モデル部の表面が、前記境界部により80%以上被覆されている請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  7. 前記モデル部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量が、80質量%以上100質量%以下である請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  8. 前記サポート部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量が、40質量%以上60質量%以下である請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  9. 前記境界部を構成する膜における硬化性液体材料の含有量が、0質量%以上20質量%以下である請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  10. 前記成膜工程と前記硬化工程を複数回繰り返して製造された立体造形物における前記サポート部を除去する工程をさらに含む請求項1から9のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
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