JP2022086720A - 立体造形物の製造方法、立体造形物製造用プログラム、および立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形物の製造方法、立体造形物製造用プログラム、および立体造形物の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度かつ安定に立体造形物を製造することができる立体造形物の製造方法の提供。【解決手段】モデル材1によるモデル部10を形成するモデル部形成工程と、前記モデル部を支持するための、サポート材2によるサポート部20を形成するサポート部形成工程と、を含み、前記サポート部形成工程において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する立体造形物の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、立体造形物の製造方法、立体造形物製造用プログラム、および立体造形物の製造装置に関する。
三次元の立体造形物を造形する技術として、付加製造(AM:Additive Manufacturing)と呼ばれる技術が知られている。この付加製造技術は、積層方向について薄く切った断面形状を計算し、その形状データに従って各層を形成して積層することにより立体造形物を造形する技術である。
近年、上記付加製造技術の中でも、硬化性樹脂を積層することにより立体造形物を造形するマテリアルジェッティング方式(MJ)が注目されている。このマテリアルジェッティング方式では、立体造形物の本体であるモデル部を造形する際に、このモデル部を支持するサポート部を造形することによって、原理的に造形が困難な形状(例えば、オーバーハング部を有する形状等)であっても造形することができる。
しかしながら、モデル部を形成するUV硬化樹脂は硬化収縮性を有するものが多く、造形後の硬化収縮により造形精度に影響が生じることがある。そこで、マテリアルジェッティング方式による立体造形物を造形する技術において、寸法精度を高めるための様々な技術が提案されている。
例えば、モデル部材料によるモデル部をステージ上に形成するモデル部形成工程と、平面視した前記モデル部の周縁部の一部又は全部に、かつ前記ステージの表面にサポート部材料を少なくとも形成するサポート部形成工程と、前記サポート部を貫通するように、前記モデル部材料によるアンカー部を少なくとも前記ステージの表面に形成するアンカー部形成工程を含む立体造形物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、高精度かつ安定に立体造形物を製造することができる立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造方法は、モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成工程と、前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成工程と、を含み、前記サポート部形成工程において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する。
本発明によると、高精度かつ安定に立体造形物を製造することができる立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図2Aは、三次元モデルの一例を示す斜視図である。 図2Bは、オーバーハング部のモデル部がサポート部によって支持された造形物の一例を示す斜視図である。 図2Cは、図2Bの造形物の一断面を示す概略断面図である。 図3は、図2Bの造形物についての概略断面図である。 図4は、図3のサポート部内に形成された柱状構造体を真上から見た状態を示す平面図である。 図5は、図2Bの造形物についての別の態様の概略断面図である。 図6は、実施例1で造形した造形物(球)を示す概略図である。 図7は、実施例1において造形物を造形した状態を示す概略断面図である。 図8は、実施例2において造形物を造形した状態を示す概略断面図である。 図9は、実施例3において造形物を造形した状態を示す概略断面図である。 図10は、実施例4において造形物を造形した状態を示す概略断面図である。 図11は、立体造形物の製造装置の制御手段の一例を示すブロック図である。 図12は、本発明の立体造形物の製造方法における造形処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造方法は、モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成工程と、前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成工程と、を含み、前記サポート部形成工程において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成し、さらに必要に応じてその他の工程を含む。
従来のマテリアルジェッティング方式により立体造形物を造形する技術では、造形層の造形直後の寸法精度を高めることができても、立体造形物全体の造形中又は造形後で立体造形物に反りおよび剥離が発生しやすいという問題がある。
具体的には、マテリアルジェッティング方式により立体造形物を造形する技術では、モデル材で形成した膜を硬化させる際に生じる内部応力が蓄積され、立体造形物に反りが発生しやすくなる。これは、モデル材で形成した膜の弾性率は、立体造形物の強度を確保するために高いからである。モデル材およびサポート材は、造形中又は造形後の硬化時と冷却時に収縮するが、このうちモデル材は硬化させると弾性率が高くなるため、収縮による内部応力が緩和されることなく蓄積され、結果としてモデル部に反りが発生してしまう。一方、サポート部はモデル部と比較すると弾性率が低いために、収縮による内部応力が緩和されやすく、結果として反りが発生しにくい。その結果、モデル部の反りによってモデル部がサポート部から剥離してしまう恐れがある。そのため、モデル部がサポート部から剥離しないようにサポート材との接着性が高いモデル材を選択すると、造形完了時にモデル部からサポート部を除去しにくくなり、造形物の外観性を損なう原因となる。また、モデル材の選択性の幅を狭めることになる。このように、硬化収縮性の高いモデル材を用いるとモデル部の反りによって、サポート部からモデル部が剥離してしまう場合がある。また、脆いサポート材を用いると、モデル部の反りによる歪みにより、サポート部が崩壊してしまう恐れがある。
したがって、本発明においては、モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成工程と、モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成工程と、を含み、サポート部形成工程において、サポート部内に、前記モデル材を配し、モデル部と連続してモデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成することにより、該剥離防止部がサポート部内に埋め込まれて形成されるのでアンカー効果によって、サポート部からモデル部が剥離することを防止でき、高精度かつ安定した造形が可能になる。
本発明の一態様において、サポート部がステージ上に形成され、剥離防止部がステージに接していない。即ち、剥離防止部はサポート部を貫通するように形成されてなくてよく、剥離防止部を構成する柱状構造体がある程度の長さ(例えば、貫通時の柱状構造体の長さの1/2程度の長さ)でサポート部内に埋め込まれて形成されていればアンカー効果が得られ、サポート部からモデル部が剥離することを防止できる。
本発明の一態様において、剥離防止部はサポート部内において、モデル材からなり、モデル部と連続してモデル部の剥離を防止することができれば、その形状、大きさ、構造等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、柱状構造体であることが好ましい。
本発明の好ましい一態様として、剥離防止部としてモデル材からなる複数の柱状構造体をサポート部に設けることにより、柱状構造体がサポート部内に埋め込まれて形成されるのでアンカー効果が働いてモデル部がサポート部から剥離することを防止できる。また、細い柱状構造体はモデル部をサポート部から取り出す際に柱状構造体を手で折って容易に除去することができる。
本発明の一態様において、隣接する柱状構造体同士において橋渡し構造を形成することによって、柱状構造体の直径を小さくしてもアンカー効果を高くできるので、造形完了後の柱状構造体の除去を容易に行うことができる。
本発明の別の一態様において、モデル材およびサポート材が硬化型液体材料であることが好ましく、活性エネルギー線硬化型液体材料であることがより好ましい。モデル材およびサポート材が活性エネルギー線硬化型液体材料であると、一般的なマテリアルジェット方式の立体造形物の製造装置を用いて造形することができるので、工程が簡略化され、造形時間を短縮できる。
ここで、モデル部とは、本発明の立体造形物を形成する部であり、モデル材を硬化したものを意味する。モデル部の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択ことができ、例えば、膜、層状などが挙げられる。
また、サポート部は、モデル部が硬化するまでの時間、立体造形物を所定の位置に保持するために、モデル部の重力方向に対し支持する部分に配置され、モデル部と接し、モデル部を下方向から支持するように機能する。
サポート部とは、サポート材を硬化したものを意味する。サポート部の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膜、層状などが挙げられる。
<モデル部形成工程>
モデル部形成工程は、モデル材によるモデル部を形成する工程であり、モデル部形成手段により行われる。モデル部は、ステージ又はサポート部上に形成される。
-ステージ-
ステージには、モデル部およびサポート部が積層され、造形中又は造形後の立体造形物が造形される。
ステージの形状および大きさとしては、造形中あるいは造形後の立体造形物を支持することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形中あるいは造形後の立体造形物を安定して載置する観点から、水平面と平行に設置された平板状であることが好ましい。
<サポート部形成工程>
サポート部形成工程は、モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成する工程であり、サポート部形成手段により実施される。
サポート部形成工程において、サポート部内にモデル材を配し、モデル部と連続してモデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する。即ち、サポート部の形成と共に、所定の箇所に剥離防止部が形成される。具体的には、モデル部のSTL(Standard Triangulated Language)データに基づき、正射影部に形成されるサポート部が形成される箇所に対し、モデル部と連続して複数の柱状構造体が形成される。
サポート部は、サポート部のSTLデータに対して柱状構造体を付与したSTLデータを用い、モデル部の正射影になる部分に造形される。これにより、サポート部の造形の際に柱状構造体がサポート部内に埋め込まれるように造形され、モデル部の反りおよびモデル部のサポート部からの剥離を抑制することができ、高精度かつ安定した造形が可能になる。
柱状構造体は一本の柱状であるが、隣接する柱状構造体同士において橋渡し構造を形成してもよい。また、モデル部に対して垂直方向に柱状構造体を形成することが好ましく、モデル部に対して斜め方向に柱状構造体を形成してもよい。
柱状構造体としては、モデル部の形状に応じてその直径および密度を設定することができるが、高密度又は太い直径の柱状構造体とすると、さらに反りおよびサポート部からの剥離を抑制することができるが、造形終了後、柱状構造体をモデル部から除去するのに手間がかかり、表面処理も大変になる点を考慮して、柱状構造体の直径は50μm以上5mm以下が好ましく、100μm以上2mm以下がより好ましい。柱状構造体の密度は20本/cm以下が好ましく、10本/cm以下がより好ましく、1本/cm以上10本/cm以下がさらに好ましい。
モデル部形成工程およびサポート部形成工程において、モデル部およびサポート部を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モデル材およびサポート材を吐出して硬化する方法などが挙げられる。
モデル材およびサポート材を吐出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。これらの中でも、インクジェット方式が好ましい。
インクジェット方式による場合、モデル材を吐出可能なノズルを有する。なお、該ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができる。
モデル材およびサポート材を硬化する方法としては、例えば、モデル材およびサポート材が光硬化性又は熱硬化性を有していれば加熱硬化、又は活性エネルギー線による硬化が挙げられる。これらの中でも、活性エネルギー線による硬化が好ましい。
活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、活性エネルギー線硬化型液体中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV-LED)および紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化手段としては、例えば、紫外線(UV)照射ランプ、電子線などが挙げられる。なお、硬化手段には、オゾンを除去する機構が具備されることが好ましい。
紫外線(UV)照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。
超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効的であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものを使用することができる。
また、硬化型液体材料としてラジカル重合性モノマー、オリゴマーを使用する場合には、成膜、硬化工程を実施する環境における酸素濃度が低いことが好ましく、例えば、窒素等で置換された空間であることがより好ましい。
<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去工程、土台形成工程、立体造形物の研磨工程、立体造形物の清浄工程などが挙げられる。
-除去工程-
除去工程は、造形されたモデル部およびサポート部からなる立体造形物からサポート部を除去すると共に、モデル部から柱状構造体を除去する工程であり、除去手段により実施される。
除去方法としては、例えば、トリミングする方法、液体に溶解させる方法、液体に浸漬して除去する方法、温度を加える方法、超音波振動する方法、撹拌によるエネルギーを与える方法などを用いることができ、これらを適宜組み合せて用いてもよい。
モデル部から柱状構造体を除去する方法としては、例えば、手で柱状構造体を折る方法、ニッパーで切断する方法などが挙げられる。
-土台形成工程-
土台形成工程は、モデル部とステージの表面との間に、モデル材による土台をステージ上に形成する。このとき、サポート部形成工程によりモデル部と土台との間にサポート部がさらに形成される。即ち、ステージ上に、土台、サポート部、立体造形物の順に積層されると、立体造形物をステージから剥離するとき、立体造形物を保護することができ、かつ立体造形物ごとステージから簡易に剥離することができる。
土台は、モデル材を硬化したものであり、へらなどを用いてステージから容易に剥離することができる。
土台の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膜状あるいは層状の形状などが挙げられる。
以下、モデル部形成工程およびサポート部形成工程で用いられる造形材料であるモデル材およびサポート材の詳細について説明する。
造形材料としては、特に制限はなく、立体造形物(モデル部)を造形する本体を構成する上で求められる性能に基づいて、適宜選択することができ、例えば、モデル材などが挙げられる。なお、立体造形物を造形する際に、必要に応じて形状支持用にサポート部を使用する場合には、前記サポート部を造形するためのサポート材も造形材料に含まれる。
モデル材は、モデル部を構成する部分を造形する材料である。
本発明において、モデル部とは、立体造形物を造形する本体を構成する部を意味し、モデル層の積層により造形される。
本発明において、サポート部とは、モデル部が固化するまで、立体造形物を所定の位置に保持する部分を意味し、サポート層の積層により造形される。サポート部は、例えば、モデル部の重力方向に対し支持する部分に配置され、モデル部と接し、モデル部を下方向から支持する部を意味する。立体造形物の製造においては、通常サポート部はモデル部から最終的に剥離され、モデル部のみで立体造形物となる。
好ましい一態様において、サポート材は、モデル材とは異なる材質(組成、濃度等)であり、サポート材の硬化物は、より好ましくは、水溶性、潮解性、崩壊性などモデル部から剥離しやすい性質を有している。
モデル材およびサポート材である造形材料としては、光又は熱等のエネルギーを付与することにより硬化する液体材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーおよび重合性オリゴマーを含み、さらに必要に応じてその他の成分を含む。これらの中でも、造形材料ジェット用プリンター等に用いられる造形材料吐出ヘッドで吐出できる粘度又は表面張力等の液物性を有する材料が好ましい。
<重合性モノマー>
重合性モノマーとしては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-単官能モノマー-
単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニルアクリレートが好ましい。
単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、0.5質量%以上90質量%以下が好ましい。
上記以外の単官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-多官能モノマー-
多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-重合性オリゴマー-
重合性オリゴマーとしては、上記単官能モノマーの低重合体又は末端に反応性不飽和結合基を有するものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-その他の成分-
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
--界面活性剤--
界面活性剤としては、例えば、分子量200以上かつ5,000以下、具体的には、PEG型非イオン界面活性剤[ノニルフェノールのエチレンオキサイド(以下、「EO」と略記)1~40モル付加物、ステアリン酸EO 1~40モル付加物等]、多価アルコール型非イオン界面活性剤(例えば、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルEO 1~50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、3質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
--重合禁止剤--
重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,2-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
--重合開始剤--
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm~400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ジクロロベンゾフェノン、p,p-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾイルフォーメート、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA-044、VA-46B、V-50、VA-057、VA-061、VA-067、VA-086、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(以上、DuPont Chemical社製)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレ-ト)(V-601)(以上、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(商品名:Perkadox 16S、Akzo Nobel社製)、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシピバレート(商品名:Lupersol 11、Elf Atochem社製)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(商品名:Trigonox 21-C50、Akzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、有機過酸化物と第3級アミンとに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンとに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属とに基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートとに基づく系)などが挙げられる。
重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
--着色剤--
着色剤としては、造形材料中に溶解又は安定に分散し、さらに熱安定性に優れた染料および顔料が好適である。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種以上の着色剤を適時混合することが可能である。
本発明の立体造形物の製造方法においては、造形材料としてハイドロゲル前駆体液を用いることが、医療用臓器モデルおよび細胞の足場材料に使用できる軟質構造体を造形する点から特に好ましい。
<ハイドロゲル前駆体液>
ハイドロゲル前駆体液は、水、およびハイドロゲル前駆体を含有し、水に分散可能な鉱物を含有することが好ましく、さらに必要に応じてその他の成分を含む。
-水-
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解乃至分散させてもよい。
-ハイドロゲル前駆体-
ハイドロゲル前駆体は、活性エネルギー線(例えば、紫外線など)の照射により重合し、三次元網目状構造を有するポリマーを形成し得る重合性モノマーを含有する。したがってハイドロゲル前駆体液に活性エネルギー線を照射することにより、ポリマーの三次元網目状構造内に溶媒の水を取り込み、ハイドロゲルを形成する。
重合性モノマーとしては、上述したものと同様のものであってよく、例えば、アクリルアミド、N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体などが挙げられ、具体的には、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。一態様において、上記単官能モノマーと上記多官能モノマーとが併用される。
前記重合性モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーが得られる。前記アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、水系のゲルの強度を保つために有利な構成成分である。
前記重合性モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
きるが、ハイドロゲル前駆体液の全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。
-水に分散可能な鉱物-
水に分散可能な鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状粘土鉱物などが挙げられる。
前記層状粘土鉱物とは、結晶構造が層状となる粘土鉱物であり、望ましくは水中で一次結晶のレベルで均一に分散可能な材料であり、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。
前記層状粘土鉱物としては、前記例示したものを、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。
前記市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、Rockwood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライト SWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。
前記水に分散可能な鉱物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ハイドロゲル前駆体液の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましい。
-その他の成分-
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、安定化剤、表面処理剤、光重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
安定化剤は、上記水膨潤性層状粘土鉱物を分散安定させ、ゾル状態を保つために用いられる。また、インクジェット方式では液体としての特性安定化のために必要に応じて安定化剤が用いられる。
安定化剤としては、例えば、高濃度リン酸塩、グリコール、非イオン界面活性剤などが挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、脂肪酸エステル、グリセライド、ワックスなどが挙げられる。
以下、本発明の立体造形物の製造方法、および該製造方法を実施する立体造形物の製造装置について説明する。
上述したモデル材およびサポート材を含む造形材料は、立体造形物の製造装置に搭載される。
本発明に用いられる立体造形物の製造装置は、UV硬化性を有するモデル材およびサポート材を用いる一般的なマテリアルジェット方式の立体造形物の製造装置である。
ここで、図1は、立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。この図1の立体造形物の製造装置30は、ヘッドユニット31,32、紫外線照射機33、ローラー34、キャリッジ35、およびステージ37を有する。ヘッドユニット31は、モデル材1を吐出する。ヘッドユニット32は、サポート材2を吐出する。紫外線照射機33は、吐出されたモデル材1、およびサポート材2に紫外線を照射して硬化する。ローラー34は、モデル材1、およびサポート材2の液膜を平滑化する。キャリッジ35は、ヘッドユニット31,32等の各手段を、図1におけるX方向に往復移動させる。ステージ37は、基板36を、図1に示すZ方向、および図1の奥行方向であるY方向に移動させる。なお、Y方向への移動は、ステージ37ではなくキャリッジ35において行ってもよい。
モデル材が色ごとに複数ある場合、立体造形物の製造装置30には、各色のモデル材を吐出するための複数のヘッドユニット31が設けられていてもよい。
ヘッドユニット31,32におけるノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができる。
ローラー34に使用できる金属としては、SUS300系、SUS400系、SUS600系、六価クロム、窒化珪素、タングステンカーバーイドなどが挙げられる。また、これらのいずれかをフッ素又はシリコーンなどで被膜コーティングした金属を、ローラー34に使用してもよい。これらの金属の中でも、強度、加工性の面から、SUS600系が好ましい。
ローラー34を使用する場合、立体造形物の製造装置30は、ローラー34と造形物の面とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ37を下げながら積層する。ローラー34は紫外線照射機33に隣接している構成が好ましい。
また、休止時のインクの乾燥を防ぐため、立体造形物の製造装置30には、ヘッドユニット31,32におけるノズルを塞ぐキャップなどの手段を設置してもよい。また、長時間連続使用時のノズルの詰まりを防ぐため、立体造形物の製造装置30には、ヘッドをメンテナンスするためのメンテナンス機構を設置してもよい。
<立体造形物の製造データの作成方法>
立体造形物を製造するための製造データ(以下、「造形データ」と称することもある)は、例えば、造形データ作成装置で作成される。
以下、造形データを作成する方法について、概略説明する。なお、造形データを作成する造形データ作成装置、および作成方法についてのさらなる詳しい説明は、下記(立体造形物の造形データの作成方法)の欄で行う。
図2Aは、造形しようとする立体造形物を三次元モデルで表した、三次元モデルの一例を示す模式図である。三次元モデル100は、例えば、三次元CADで設計された三次元形状、あるいは三次元スキャナやディジタイザで取り込んだ三次元形状のサーフェイスデータ、ソリッドデータ等の三次元データである。三次元データは、例えば、三次元モデルの表面が三角形の集合体として表現されたSTLフォーマット(Standard Triangulated Language)に変換されていてもよい。
造形データ作成装置では、入力された三次元データから底面を特定する。底面を特定する方法は、特に限定されない。例えば、三次元モデルを三次元座標系に配置したときに、長さが最も短くなる方向をZ軸とし、Z軸に直交する面と三次元モデルとの接点を底面とする方法などが挙げられる。
造形データ作成装置では、Z軸方向の所定間隔ごとに、底面と平行方向に三次元モデルがスライスされた切断面を示す二次元データを生成する。この場合、造形データ作成装置では、三次元モデルのX-Y面、X-Z面、Y-Z面への投影面積を求める。造形データ作成装置では、得られた投影面積が収まるブロック形状を一層の厚みでX-Y面と平行に輪切り(スライス)にする。
一層の厚みは、使用する材料によるが、通常は20μm以上60μm以下程度である。
二次元データの生成などのデータ処理は、使用材料の指定に応じて、造形データ作成装置において自動的に設定されるようにしてもよい。
なお、図2Aにおけるグラデーションで示された曲面のように、三次元モデルがオーバーハング部を有する場合、造形データ作成装置は、オーバーハング部のモデル部をサポート部で支持しながら造形するようデータを作成する。
図2Bは、モデル部とサポート部で形成しようとする造形物の一例を示す概略図であり、より具体的には、オーバーハング部のモデル部10がサポート部20によって支持された造形物の一例を示す概略図である。
造形データ作成装置では、生成された各二次元データに対し、オーバーハング部の底面側に、サポート部を示す画素を追加する。最終的に生成される二次元データは、造形物の一断面を示し、モデル部を示す画素、およびサポート部を示す画素が含まれている。
図2Cは、図2Bの造形物の一断面を示す概略図を示す。
ここで、図3は図2Bの造形物の概略断面図を示し、オーバーハング部に形成されるサポート部20を貫通するように埋め込まれた柱状構造体21が形成されている。サポート部20に埋め込まれた柱状構造体21について真上から見た状態は図4に示すとおりである。
図5は、図2Bの造形物の概略断面図を示し、オーバーハング部に形成されるサポート部20内の途中(例えば、図3の貫通時の柱状構造体の長さの1/2程度の長さ)まで埋め込まれるように柱状構造体21が形成されている。
上述した製造データをもとに、立体造形物の製造装置は、立体造形物を造形する。立体造形物の製造装置で行われる各製造工程について、以下説明する。
-吐出工程-
立体造形物の製造装置30のエンジンは、キャリッジ35、又はステージ37を移動させながら、入力された二次元データのうち最も底面側の断面を示す二次元データに基づいて、ヘッドユニット31からモデル材1の液滴を吐出させ、ヘッドユニット32からサポート材2の液滴を吐出させる。
これにより、最も底面側の断面を示す二次元データにおけるモデル部を示す画素に対応する位置にモデル材1の液滴が配され、サポート部を示す画素に対応する位置にサポート材2の液滴が配され、隣り合う位置の液滴同士が接した液膜が形成される。
なお、造形する造形物が1個の場合は、ステージ37の真中に断面形状の液膜が形成される。造形する造形物が複数個の場合、立体造形物の製造装置30は、ステージ37に複数個の断面形状の液膜を形成してもよいし、先に造形された造形物に液膜を積み重ねてもよい。
ヘッドユニット31,32にはヒータ設置することが好ましい。さらに、ヘッドユニット31にモデル材を供給する経路およびヘッドユニット32にサポート材を供給する経路にプレヒータを設置することが好ましい。
-平滑化工程-
平滑化工程において、ローラー34は、ステージ37上に吐出されたモデル材、およびサポート材のうち余剰な部分を掻き取ることで、モデル材、およびサポート材からなる液膜、又は層の有する凸凹を平滑化する。平滑化工程はZ軸方向へ積層毎に1回行われてもよいし、2乃至50回の積層毎に1回行われてもよい。
平滑化工程において、ローラー34は停止していてもよいし、ステージ37の進行方向に対して正もしくは負の相対速度で回転していてもよい。またローラー34の回転速度は定速でも一定加速度、一定減速度でもよい。ローラー34の回転数は、ステージ37との相対速度の絶対値として、50mm/s以上400mm/s以下が好ましい。相対速度が小さすぎる場合、平滑化が不十分で平滑性が損なわれる。また相対速度が大きすぎる場合、装置が大型化を要し、振動などによって、吐出された液滴の位置ずれなどが発生しやすく、結果として平滑性が低下することがある。
平滑化工程において、ローラー34の回転方向はヘッドユニット31,32の進行方向と逆向きであることが好ましい。
-硬化工程-
硬化工程は、モデル部形成工程、およびサポート部形成工程において形成した造形層を硬化させる工程である。
硬化工程において、立体造形物の製造装置30のエンジンは、キャリッジ35により紫外線照射機33を移動させて、液膜形成工程で形成された液膜に、モデル材、およびサポート材に含まれる光重合開始剤の波長に応じた紫外線を照射する。これにより、立体造形物の製造装置30は、液膜を硬化して、層を形成する。
-積層工程-
最も底面側の層の形成後、立体造形物の製造装置30のエンジンは、ステージを一層分、下降させる。
立体造形物の製造装置30のエンジンは、キャリッジ35、又はステージ37を移動させながら、底面側から二つ目の断面を示す二次元画像データに基づいて、モデル材1の液滴を吐出させ、サポート材2の液滴を吐出させる。吐出方法は、最も底面側の液膜を形成するときと同様である。これにより、最も底面側の層上に、底面側から二つ目の二次元データが示す断面形状の液膜が形成される。さらに、立体造形物の製造装置30のエンジンは、キャリッジ35により紫外線照射機33を移動させて、液膜に紫外線を照射することにより、液膜を硬化して、最も底面側の層上に、底面側から二つ目の層を形成する。
立体造形物の製造装置30のエンジンは、入力された二次元データについて、底面側に近いものから順に利用して、上記と同様に、液膜の形成と、硬化と、を繰り返し、層を積層させる。繰り返しの回数は、入力された二次元画像データの数、あるいは三次元モデルの高さ、形状などに応じて異なる。すべての二次元画像データを用いた造形が完了すると、サポート部に支持された状態のモデル部の造形物が得られる。
-除去工程-
立体造形物の製造装置30により造形された造形物は、モデル部およびサポート部を有する。サポート部は、造形後に造形物から除去される。除去方法としては、物理的除去、および化学的除去がある。物理的除去では、機械的な力を加えて除去する。一方、化学的除去では、溶媒に浸漬し、サポート部を崩壊させて除去する。サポート部の除去方法としては、特に制限はないが、物理的除去では造形物が破損する可能性があるため、化学的除去がより好ましい。さらに、コストを考慮すると水に浸漬して除去する方法がより好ましい。水に浸漬して除去る方法が採用される場合、サポート材の硬化物は、水崩壊性を有するものが選択される。
ハイドロゲルのようにモデル部が柔らかく、水により形状に影響を受ける場合は、相変化型サポート材を用い、熱により溶解する方法が好ましい。
(立体造形物製造用プログラム)
本発明の立体造形物製造用プログラムは、モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成処理と、前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成処理と、前記サポート部形成処理において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する処理をコンピュータに行わせる。
立体造形物製造用プログラムは、上記処理以外にも、その他の処理をコンピュータに行わせることができる。
その他の処理としては、例えば、吐出された造形材料の層を平坦化する処理、吐出された造形材料を硬化させるために活性エネルギー線照射する処理、造形された造形物を洗浄する処理、造形された造形物を乾燥する処理などが挙げられる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の立体造形物の製造装置として実現させることから、本発明の立体造形物製造用プログラムにおける好適な態様は、例えば、本発明の立体造形物の製造装置における好適な態様と同様とすることができる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成およびオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記録媒体に記録しておいてもよいし、CD-ROM、DVD-ROM、MOディスク、USBメモリなどの記録媒体に記録しておいてもよい。これらの記録媒体は、制御手段に含まれる記憶手段であってよい。
さらに、本発明の立体造形物製造用プログラムを、上記の記録媒体に記録する場合には、必要に応じて、コンピュータシステムが有する記録媒体読取装置を通じて、これを直接又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータなど)に本発明の立体造形物製造用プログラムを記録しておいてもよい。この場合、外部記憶領域に記録された本発明の立体造形物製造用プログラムは、必要に応じて、外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。
なお、本発明の立体造形物製造用プログラムは、複数の記録媒体に、任意の処理毎に分割されて記録されていてもよい。
(立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形物製造用プログラムを搭載する。
本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形物製造用プログラムを搭載している以外は特に制限はなく、その他のプログラムなどを搭載することができる。
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用プログラムを記録してなる。
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
また、本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体であってもよい。
本発明の立体造形物製造用プログラムによる処理は、本発明の立体造形物の製造装置を構成する制御手段を有するコンピュータを用いて実行することができる。
コンピュータとしては、記憶、演算、制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
ここで、立体造形物の製造装置の制御手段の概要について、図11を参照して説明する。図11は立体造形物の製造装置の制御手段のブロック図である。
制御手段500は、立体造形物の製造装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明の立体造形物製造用プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御手段500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御手段500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理およびその他の装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
さらに、制御手段500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータおよび信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)を造形層ごとにスライスしたスライスデータである造形データ(断面データ)を作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御手段500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備える。
また、制御手段500は、造形ユニット20の第1ヘッド11を駆動制御するヘッド駆動制御部508と、第2ヘッド12を駆動制御するヘッド駆動制御部509を備えている。
さらに、制御手段500は、造形ユニット20をX方向に移動させるユニットX方向移動機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット20をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備える。
制御手段500は、ステージ14を昇降手段15とともにX方向に移動させるステージX方向走査機構553を構成するモータを駆動するモータ駆動部513と、ステージ14をZ方向に昇降させる昇降手段15を構成するモータを駆動するモータ駆動部514を備える。なお、Z方向への昇降は、前述したように造形ユニット20を昇降させる構成とすることもできる。
制御手段500は、平坦化ローラー16を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516、第1ヘッド11、第2ヘッド12のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備える。
制御手段500は、UV照射ユニット13による紫外線照射を制御する硬化制御部519を備える。
制御手段500のI/O507には、装置の環境条件としての温度および湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御手段500には、この装置に必要な情報の入力および表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御手段500は、上述したように、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の内の造形物17を形成するデータ(造形領域のデータ)である。
主制御部500Aは、造形データ(造形領域データ)にサポート材を付与するサポート領域のデータを付加したデータを作成し、ヘッド駆動制御部508、509に与える。ヘッド駆動制御部508、509は、それぞれ、第1ヘッド11からモデル材301の液滴を造形領域に吐出させ、第2ヘッド12から液状のサポート材302の液滴をサポート領域に吐出させる。
なお、造形データ作成装置600と立体造形物の製造装置10によって製造装置が構成される。
ここで、図12は、本発明の立体造形物製造用プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図11を参照して、立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS1では、立体造形物の製造装置10が、繰り返し数を受け付けると、処理をS2に移行する。
ステップS2では、立体造形物の製造装置10の制御手段500が、N=0を設定すると、処理をS3に移行する。
ステップS3では、立体造形物の製造装置10の制御手段500が、N=N+1を設定すると、処理をS4に移行する。
ステップS4では、立体造形物の製造装置10の制御手段500が、モデル層を形成すると、処理をS5に移行する。造形データに基づき、立体造形物の製造装置の吐出手段により、モデル材を吐出し、UV照射ユニットから紫外線を照射し硬化させてモデル層を形成する。
ステップS5では、立体造形物の製造装置10の制御手段500が、サポート層および剥離防止部を形成すると、処理をS6に移行する。造形データに基づき、立体造形物の製造装置の吐出手段により、サポート材を吐出し、UV照射ユニットから紫外線を照射し硬化させてサポート層を形成する。サポート層の形成と共に、造形データに基づき所定の箇所に、モデル材を吐出し、モデル部と連続する剥離防止部を構成する層を形成する。
ステップS6では、立体造形物の製造装置10の制御手段500が、繰り返し数=Nでないと処理をS3に移行し、繰り返し数=Nであると、処理をS7に移行する。Nが繰り返し数となると、造形終了となる。
ステップS7では、造形終了後、除去工程を行うと、本処理を終了する。除去工程においては、造形終了後のモデル部およびサポート部からサポート部を除去すると共に、柱状構造体をモデル部から除去する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(モデル材の調製例)
以下では、減圧脱気を10分間実施したイオン交換水を、「純水」という。
まず、開始剤液として、純水98質量部に対して1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、BASF株式会社製)2質量部を溶解させた水溶液を準備した。
次に、純水195質量部を撹拌させながら、層状粘土鉱物として合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、Rockwood社製)8質量部を少しずつ添加し、撹拌して分散液を作製した。
次に、前記分散液に重合性モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させて重合禁止剤を除去したN,N-ジメチルアクリルアミド(富士フイルム和光純薬株式会社製)を20質量部添加した。
次に、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)を0.2質量部添加し、混合した。
次に、前記開始剤液を5質量部添加して撹拌混合した後、減圧脱気を10分間実施し、モデル材を調製した。
(サポート材の調製例)
モノマーとしてドデシルアクリレート(東京化成工業株式会社製)29質量部、およびステアリルアクリレート(東京化成工業株式会社製)29質量部を撹拌した後、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2質量部添加し、撹拌した。さらに1-ドデカノールを添加することにより、サポート材を調製した。
(実施例1)
マテリアルジェッティング方式の立体造形物の製造装置において、インクジェットヘッド(商品名:MH2420、リコーインダストリー株式会社製)に接続されているタンクに、得られたモデル材およびサポート材を充填した。
<試験条件>
試験条件として、モデル材およびサポート材の吐出における解像度を1,200dpi×300dpiとし、積層ピッチ(一層あたりの膜厚)を20μmとした。
図6に示すような直径100mmの球をモデル材により造形した。球の半球の正射影部にサポート部20を形成した。このサポート部20内にモデル材に接続するように正射影部に対し、直径1mm、密度10本/cmで柱状構造体21を形成した。高さ50mmまで造形した際の断面図を図7に示す。なお、図7に示すように、実施例1では、柱状構造体21がサポート部20を貫通して形成されている。
(実施例2)
実施例1において、図8に示すように、隣接する柱状構造体同士において、直径1mmの柱状構造体により橋渡し構造を形成した以外は、実施例1と同様にして、サポート部を形成し、半球モデル(立体造形物)を造形した。
(実施例3)
実施例1において、図9に示すように、柱状構造体をサポート部内の途中(実施例1の柱状構造体の長さの1/2の長さ)まで形成した以外は、実施例1と同様にして、サポート部を形成し、半球モデル(立体造形物)を造形した。
(実施例4)
実施例1において、図10に示すように、柱状構造体をモデル部に対して斜め方向に形成した以外は、実施例1と同様にして、サポート部を形成し、半球モデル(立体造形物)を造形した。
(比較例1)
実施例1において、柱状構造体を形成しない以外は、実施例1と同様にして、サポート部を形成し、半球モデル(立体造形物)を造形した。
次に、実施例1~4および比較例1について、以下のようにして、「造形中および造形後の立体造形物における反りの外観評価」、ならびに「すきまゲージを用いた立体造形物の反りの評価」を行った。結果を表1に示した。
<造形中および造形後の立体造形物における反りの外観評価>
造形開始から積層高さが5mmになった時に立体造形物の製造装置を停止させ、造形中の立体造形物の反りの外観を目視で確認すると共に、造形後の立体造形物の反りの外観を目視で確認し、下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
〇:モデル部の反りは確認できなかった
×:モデル部の反りが確認できた
<すきまゲージを用いた立体造形物の反りの評価>
造形後にサポート部を除去した立体造形物の反りの度合いを、すきまゲージ(すきまゲージA型、株式会社永井ゲージ製作所製)を用い、立体造形物の短辺側に差し込んで計測し、下記の評価基準で評価した。
[評価基準]
〇:すきまが0.1mm以下である
×:すきまが0.1mmを超える
Figure 2022086720000002
表1の結果から、実施例1~4の反りの外観評価では、造形中および造形後に立体造形物に反りがないことが確認できた。また、実施例1~4の立体造形物のすきまゲージ評価では、反りが少ない立体造形物が造形できていることがわかった。
これに対して、比較例1は造形中にそりが発生し、モデル部がサポート部から剥離してしまった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成工程と、
前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成工程と、を含み、
前記サポート部形成工程において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する
ことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記サポート部がステージ上に形成され、前記剥離防止部が前記ステージに接していない、前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記剥離防止部が複数の柱状構造体である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 隣接する柱状構造体同士において橋渡し構造を形成する、前記<3>に記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記モデル材および前記サポート材が、硬化型液体材料である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6> モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成処理と、
前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成処理と、
前記サポート部形成処理において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する処理
をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用プログラムである。
<7> 前記<6>に記載の立体造形物製造用プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物の製造装置である。
前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、前記<6>に記載の立体造形物製造用プログラム、および前記<7>に記載の立体造形物の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 モデル材
2 サポート材
10 モデル部
20 サポート部
30 立体造形物の製造装置
31 ヘッドユニット(吐出手段の一例)
32 ヘッドユニット(吐出手段の一例)
33 紫外線照射機(硬化手段の一例)
34 ローラー
35 キャリッジ
36 基板
37 ステージ
100 立体造形物
特開2019-151097号公報

Claims (7)

  1. モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成工程と、
    前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成工程と、を含み、
    前記サポート部形成工程において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する
    ことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記サポート部がステージ上に形成され、前記剥離防止部が前記ステージに接していない、請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 前記剥離防止部が複数の柱状構造体である、請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  4. 隣接する柱状構造体同士において橋渡し構造を形成する、請求項3に記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記モデル材および前記サポート材が、硬化型液体材料である、請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  6. モデル材によるモデル部を形成するモデル部形成処理と、
    前記モデル部を支持するための、サポート材によるサポート部を形成するサポート部形成処理と、
    前記サポート部形成処理において、前記サポート部内に、前記モデル材を配し、前記モデル部と連続して前記モデル部の剥離を防止する剥離防止部を形成する処理
    をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用プログラム。
  7. 請求項6に記載の立体造形物製造用プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物の製造装置。

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