JP7423997B2 - 立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、および立体造形物製造用プログラム - Google Patents
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これまでのマテリアルジェッティング方式としては、例えば、一部のレイヤーにおいて造形材料の吐出を間引くことにより、間引いた層よりも上の層において平坦化手段の当接を回避し、結果として平坦化手段の当接に起因する造形面の荒れを防止する三次元造形方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の立体造形物製造装置は、造形材料を吐出する吐出手段と、吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化手段と、平坦化された前記造形材料を硬化する硬化手段と、平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが予測される領域に対して、高さを調整する制御を行う制御手段と、を有し、さらに必要に応じてその他の手段を有する。
本発明において「高さ増加領域」とは、平坦化手段で平坦化した場合に、平坦化平面よりもZ軸方向に意図しない増分が生じる領域を意味する。この増分は、例えば表面張力などによって生じると考えられる。かかる増分は一般的に、造形材料が吐出される造形領域の幅(主走査方向の幅及び/又は副走査領域の幅)が大きければ無視できるほど小さくなるが、前記幅が小さくなるにつれ、無視できないほど大きくなってしまう。本発明の高さ増加領域は、特に前記意図しない増分が無視できないほど大きくなる領域をいう。
ここで、「狙いの高さ」とは、「狙いの厚み」、「目標高さ」、「目標厚み」と称することもあり、造形データによって予め設計された高さ(厚み)を意味する。
高さ増分及び高さ増加領域が生じ得る前記所定の幅は、所定の組成の造形材料の有する表面張力から計算で求めてもよいし、実際に造形材料を吐出し平坦化ローラを用いて平坦化してみて高さ増分を計測することによって算出してもよい。
ここで、hは平坦化後のモデル材の1層の高さ(厚み)を表し、モデル材の液滴の粒径は50μmであり、このモデル材の液滴が着弾して広がった層の高さ(厚み)である。Δhは平坦化後のモデル材の高さ増分であり、平坦化後のモデル材の1層の厚みを100%としたときの割合である。
ここで、造形材料の吐出量を削減する制御としては、(1)1回の吐出液滴の量を削減する(例えば造形材料1滴の粒径を大径から中径に変えて吐出量を削減する)方法、(2)造形材料の吐出を行わない領域を設けて(吐出を間引く、間引き量の調整)、吐出領域全体の吐出量を削減する方法などが挙げられる。
吐出工程は、造形材料を吐出する工程であり、吐出手段により実施される。
吐出手段としては、造形材料を吐出することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出ヘッドなどが挙げられる。
吐出ヘッドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッド、熱膨張(サーマル)型ヘッドなどが挙げられる。これらの中でも、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッドが好ましい。
造形材料としては、特に制限はなく、立体造形物(モデル部)を造形する本体を構成する上で求められる性能に基づいて、適宜選択することができ、例えば、モデル材などが挙げられる。なお、立体造形物を造形する際に、必要に応じて形状支持用にサポート部を使用する場合には、前記サポート部を造形するためのサポート材も造形材料に含まれる。
モデル材は、モデル部を構成する部分を造形する材料である。
本発明において、モデル部とは、立体造形物を造形する本体を構成する部を意味し、モデル層の積層により造形される。
好ましい一態様において、サポート材は、モデル材とは異なる材質(組成、濃度等)であり、サポート材の硬化物は、より好ましくは、水溶性、潮解性、崩壊性などモデル部から剥離しやすい性質を有している。
重合性モノマーとしては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性オリゴマーとしては、上記単官能モノマーの低重合体や末端に反応性不飽和結合基を有するものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、分子量200以上かつ5,000以下、具体的には、PEG型非イオン界面活性剤[ノニルフェノールのエチレンオキサイド(以下、「EO」と略記)1~40モル付加物、ステアリン酸EO 1~40モル付加物等]、多価アルコール型非イオン界面活性剤(例えば、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルEO 1~50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、3質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,2-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm~400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ジクロロベンゾフェノン、p,p-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾイルフォーメート、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、造形材料中に溶解または安定に分散し、さらに熱安定性に優れた染料および顔料が好適である。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種以上の着色剤を適時混合することが可能である。
硬化工程は、前記吐出工程において吐出された前記造形材料を硬化させるための活性エネルギー線を照射する工程であり、硬化手段により実施される。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線などが挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。
硬化手段としては、吐出された造形材料を硬化することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線照射装置などが挙げられる。
高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、またはVランプ等のような市販されているものも使用することができる。
本発明において「制御手段」は、吐出手段及び硬化手段、並びに他の手段(例えば、平坦化手段など)の動作を制御するための手段を意味する。制御手段の機能ブロック図を図2に示し、制御手段の詳細については、特定態様の例に基づいて後述する。制御手段にはROMやRAMなどの記憶手段及びCPU、FPGAなどの計算手段を含んでよい。記憶手段には、吐出手段や硬化手段等の各手段に特定の動作を行わせるためのプログラムが記憶されていてよく、かかるプログラムに基づいて各手段の動作を制御する。
本発明において、制御手段により吐出手段や硬化手段などの各手段を動作させる際に、前記各手段が所定の方向に運動する場合、かかる運動は、造形台(又は立体造形物)に対する相対的な移動を意味する。したがって、例えば「吐出手段が主走査方向に運動する」という場合、吐出手段自体が主走査方向に移動してもよいし、造形台(又は立体造形物)が主走査方向に移動することにより、吐出手段が相対的に主走査方向に運動するように制御してもよい。
高さ調整制御は、前記吐出工程及び/又は前記平坦化工程において、平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが予測される領域に対して、高さを調整する制御であり、制御手段が各手段の動作を制御することにより実施される。
制御手段の働きによって、前記造形材料の高さ方向の増分を削減することができるので、硬化後の造形材料に対して平坦化手段が衝突することによる平坦化手段の故障および造形物の破損を防止でき、高さ方向の寸法精度に優れた立体造形物が得られる。
制御手段に含まれ得る計算手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平坦化工程、乾燥工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平坦化手段、乾燥手段、ステージなどが挙げられる。
平坦化工程は、前記吐出工程により形成された造形層を平坦化する工程であり、平坦化手段により実施される。
平坦化手段としては、例えば、ローラ、ブラシ、ブレードなどが挙げられる。
平坦化手段が造形材料を平坦化することにより、造形層の平均厚みの精度や平坦性を確保することができる。
ステージとは、造形層が積層されて立体造形物が造形される基台を意味する。
ステージは、モータなどにより移動可能であってもよく、上下動可能であってもよい。なお、「ステージ」を「造形ステージ」または「造形台」と称することがある。
ステージの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平面状であることが好ましい。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
UV照射ユニット13としては、発光ダイオード(LED)、紫外線照射ランプなどが挙げられる。紫外線照射ランプを使用する場合、紫外線照射により発生するオゾンを除去する機構を備えることが好ましい。
紫外線照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くした紫外線照射ランプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため着色物の硬化に効果的である。Pb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。
なお、「ステージ14上」とは、特に限定しない限り、ステージ14およびステージ14上で積層させる造形層30上を含むことを意味する。
また、造形ユニット20のX方向の一方側には、第1ヘッド11の維持回復を行うメンテナンス機構が配置されている。
ステージ14は、昇降手段15によってZ方向に昇降される。昇降手段15は、ベース部材上にX方向に配置されたガイド部材上に移動可能に配置される。
まず、造形ユニット20をY方向に移動させてステージ14上に位置させる。次に、ステージ14を停止している造形ユニット20に対して移動させながら、第1ヘッド11からモデル材301を造形領域(立体造形物を構成する領域)に吐出させる。サポート材を用いる場合は、第2ヘッド12からサポート材302を造形領域以外のサポート領域(造形後除去する領域)に吐出させる。
平坦化手段として、平坦化ローラ16のようなローラ形状の部材を使用する場合、X方向における移動方向に対して、平坦化ローラ16を逆転させる方向で回転させることにより、平坦化効果を向上させることができる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、平坦化後の造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることによって起こる、硬化後の前記造形材料からなる造形層と平坦化手段との衝突を回避する処理をコンピュータに行わせる。
この場合、前記平坦化手段が平坦化ローラであり、前記平坦化ローラの回転数を増加することが好ましい。
その他の処理としては、例えば、吐出された造形材料の層を平坦化する処理、吐出された造形材料を硬化させるために活性エネルギー線照射する処理、造形された造形物を洗浄する処理、造形された造形物を乾燥する処理などが挙げられる。
さらに、本発明の立体造形物製造用プログラムを、上記の記録媒体に記録する場合には、必要に応じて、コンピュータシステムが有する記録媒体読取装置を通じて、これを直接またはハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータなど)に本発明の立体造形物製造用プログラムを記録しておいてもよい。この場合、外部記憶領域に記録された本発明の立体造形物製造用プログラムは、必要に応じて、外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、またはハードディスクにインストールして使用することができる。
なお、本発明の立体造形物製造用プログラムは、複数の記録媒体に、任意の処理毎に分割されて記録されていてもよい。
本発明の立体造形物製造装置は、本発明の立体造形物製造用プログラムを搭載する。
本発明の立体造形物製造装置は、本発明の立体造形物製造用プログラムを搭載している以外は特に制限はなく、その他のプログラムなどを搭載することができる。
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用プログラムを記録してなる。
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
また、本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用活性エネルギー線照射プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体であってもよい。
コンピュータとしては、記憶、演算、制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
また、制御手段500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御手段500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他の装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
さらに、制御手段500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータおよび信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)を造形層ごとにスライスしたスライスデータである造形データ(断面データ)を作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
また、制御手段500は、造形ユニット20の第1ヘッド11を駆動制御するヘッド駆動制御部508と、第2ヘッド12を駆動制御するヘッド駆動制御部509を備えている。
さらに、制御手段500は、造形ユニット20をX方向に移動させるユニットX方向移動機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット20をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備える。
制御手段500のI/O507には、装置の環境条件としての温度および湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御手段500には、この装置に必要な情報の入力および表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御手段500は、上述したように、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の内の造形物17を形成するデータ(造形領域のデータ)である。
なお、造形データ作成装置600と立体造形物製造装置10によって製造装置が構成される。
図3に示す比較例1で用いる立体造形物製造装置200は、立体造形物110が載置される造形ステージ111と、造形ステージ111上に造形物110を順次積層しながら造形する造形ユニット120とを備えている。
図5は、比較例1の平坦化後のモデル材におけるX方向厚みtと高さ増分Δhとの関係を示すグラフであり、モデル層のX方向の厚みtが0.8mmに高さ増分のピークを持ち、X方向厚みtが0.5mm~1.2mmの範囲で0.5%以上2.2%以下の高さ増分が生じることがわかった。
実施例1では、比較例1と同様に図3に示す立体造形物製造装置200を用い、図7に示す形状のモデル層を造形した。
高さ増加領域に吐出するモデル材の吐出量の削減は、モデル材の吐出液滴量を減らす、またはモデル材の吐出を所定の間引き量で間引くことにより行うことができる。
図8は、実施例1の平坦化後のモデル材におけるX方向厚みhと高さ増分Δhとの関係を示し、点線は比較例1、実線は実施例1である。実施例1では、平坦化後のモデル材の高さ増加領域が生じないので、比較例1のような高さ増分のピークが生じない。
実施例1では、高さ増加領域に吐出するモデル材の吐出量を削減する制御を行うことによって、モデル材の表面張力によって高さ増加領域が生じることを防止でき、硬化後のモデル材からなるモデル層に平坦化手段が衝突することによる衝突音の発生、平坦化手段の故障、および造形物の破損を防止でき、高さ方向の寸法精度に優れた立体造形物が得られる。
実施例2では、比較例1と同様に図3に示す立体造形物製造装置200を用い、図7に示す形状のモデル層を造形した。
図8は、実施例2の平坦化後のモデル材におけるX方向厚みhと高さ増分Δhとの関係を示し、点線は比較例1、実線は実施例2である。実施例2では、平坦化後のモデル材の高さ増加領域が生じないので、比較例1のような高さ増分のピークが生じない。
実施例2では、高さ増加領域における平坦化ローラによる掻取り量を増加する制御を行うことによって、モデル材の表面張力によって高さ増加領域が生じることを防止でき、硬化後のモデル材からなるモデル層に平坦化手段が衝突することによる衝突音の発生、平坦化手段の故障、および造形物の破損を防止でき、高さ方向の寸法精度に優れた立体造形物が得られる。
<1> 造形材料を吐出する吐出手段と、
吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化手段と、
平坦化された前記造形材料を硬化する硬化手段と、
平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが予測される領域に対して、高さを調整する制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とする立体造形物製造装置である。
<2> 平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じる場合には、前記高さ増加領域に吐出する前記造形材料の吐出量を削減する前記<1>に記載の立体造形物製造装置である。
<3> 平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じる場合には、前記高さ増加領域を平坦化する平坦化手段による前記造形材料の掻取り量を増加する前記<1>に記載の立体造形物製造装置である。
<4> 前記平坦化手段が平坦化ローラであり、前記平坦化ローラの回転数を増加する前記<3>に記載の立体造形物製造装置である。
<5> 前記高さ増加領域が、平坦化後の前記造形材料の主走査方向の両端部である前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<6> 主走査方向の厚みが3mm以下である造形材料からなる造形層の造形に用いられる前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<7> 前記吐出手段が主走査方向に往復動し、
前記制御手段が、前記吐出手段の往動時および復動時のそれぞれにおいて前記制御を行う前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<8> 平坦化後の造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが予測される領域に対して、高さを調整する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用プログラムである。
<9> 前記<8>に記載の立体造形物製造用プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物製造装置である。
<10> 造形材料を吐出する吐出工程と、
吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化工程と、
平坦化された前記造形材料を硬化する硬化工程と、を含む立体造形物の製造方法であって、
前記吐出工程及び/又は前記平坦化工程において、平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが予測される領域に対して、高さを調整する高さ調整制御
を行うことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
122 第2ヘッド
124A、124B UV照射ユニット
111 ステージ
123 平坦化ローラ
120 造形ユニット
200 立体造形物製造装置
Claims (10)
- 造形材料を吐出する吐出手段と、
吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化手段と、
平坦化された前記造形材料を硬化する硬化手段と、
平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが、前記造形材料の表面張力に基づいて事前に予測される領域に対して、高さを調整する制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とする立体造形物製造装置。 - 平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じる場合には、前記高さ増加領域に吐出する前記造形材料の吐出量を削減する請求項1に記載の立体造形物製造装置。
- 平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じる場合には、前記高さ増加領域を平坦化する平坦化手段による前記造形材料の掻取り量を増加する請求項1に記載の立体造形物製造装置。
- 前記平坦化手段が平坦化ローラであり、平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じる場合には、前記高さ増加領域における前記平坦化ローラの回転数を増加させることによって前記造形材料の掻取り量を増加する、請求項3に記載の立体造形物製造装置。
- 前記高さ増加領域が、平坦化後の前記造形材料の主走査方向の両端部である請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
- 主走査方向の厚みが3mm以下である造形材料からなる造形層の造形に用いられる請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
- 前記吐出手段が主走査方向に往復動し、
前記制御手段が、前記吐出手段の往動時および復動時のそれぞれにおいて前記制御を行う請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物製造装置。 - 平坦化後の造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが、前記造形材料の表面張力に基づいて事前に予測される領域に対して、高さを調整する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用プログラム。
- 請求項8に記載の立体造形物製造用プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物製造装置。
- 造形材料を吐出する吐出工程と、
吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化工程と、
平坦化された前記造形材料を硬化する硬化工程と、を含む立体造形物の製造方法であって、
前記吐出工程及び/又は前記平坦化工程において、平坦化後の前記造形材料の高さが狙いの高さより高くなる高さ増加領域が生じることが、前記造形材料の表面張力に基づいて事前に予測される領域に対して、高さを調整する高さ調整制御
を行うことを特徴とする立体造形物の製造方法。
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