JP2003535712A - 三次元的印刷装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 三次元的モデルを三次元的印刷する装置及び方法が提供される。該装置は、複数のノズル１４を有するプリンティングヘッド１２を備えている。ディスペンサ２２は境界材料１６を層状態に選択的に分配し得るようプリンティングヘッド１２に接続されている。硬化手段１８が付着した層２０、２８の各々を選択的に硬化させる。付着した層２０、２８の各々の深さは複数のノズル１４の各々からの吐出量を選択的に調節することで制御可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の分野】

本発明は、全体として、三次元的印刷中、層の構成を制御する三次元的モデル
作成法及びその装置に関する。

【０００２】

【発明の背景】

部分を層に構成することで作用する三次元的（３−Ｄ）印刷は、三次元的モデ
ルを構成するために使用される方法である。３−Ｄ印刷は、原型部分及び道具を
例えば、ＣＡＤモデルから直接、作成することを許容する比較的速く且つ自由度
がある。

【０００３】 ３−Ｄ印刷を使用することは、道具よりも先に、任意の提案された製品の完全
な３−Ｄモデルを製造メーカが作成することを許容し、これにより、道具の作成
のコストを著しく削減し且つ設計と製造とを一層良く調和させることになる。製
造コストが安く且つ製品の質を改良することも可能となる。

【０００４】 コンピュータ利用の三次元的印刷用の色々な装置が開発されている。既知の装
置は、合焦させた極紫外線レーザが光重合化可能な液体ポリマープラスチック材
料の浴の頂部の上を走査する、立体リソグラフィに基づいて作動する、米国、カ
リフォルニア州の３Ｄ・システムズ・インコーポレーテッド（３Ｄ Ｓｙｓｔｅ
ｍｓ Ｉｎｃ．）が開発した装置を含む。その浴の表面は、ＵＶレーザと接触す
る状態で重合化され、その表面に又はその表面の丁度下方に、固体のプラスチッ
ク層を形成する。

【０００５】 シーマ（Ｃｉｍａ）らへの米国特許第５，３８７，３８０号には、粉体層を付
着させ、次に、接着剤材料を選んだ領域内で付着させて、その選んだ領域に接着
した粉体の層を形成することにより、層状化した部分を提供するための技術が記
載されている。これらのステップは、所望の構成要素を形成するため連続的な層
に対して繰り返される。熱処理後、製造した部分が残るようにして接着しなかっ
た粉体を除去する。

【０００６】 コーヘン（Ｃｏｈｅｎ）らへの米国特許第５，２８７，４３５号には、層毎に
、フォトポリマー材料を選択可能な形態に付着させる装置、及び後続の層を付着
する前に層の各々を硬化させる装置を含む三次元的モデルを作成する装置が記載
されている。

【０００７】 この装置の不利益な点は、層の各々に対し平坦で且つ均一な面を実現すること
が難しい点である。米国特許第５，２８７，４３５号は、余分な厚さを除去する
ため層の各々の表面をトリミングする機械加工装置を利用する。

【０００８】 標準的な二次元的印刷において、インクジェットプリンタがそのインクジェッ
トヘッドの作動中、そのプリントヘッドを一方向に向けて基板に対して変位させ
ることにより、平行なインクドット線を基板上に印刷する。

【０００９】 所望の線分解能の像を印刷するためには、インクジェットヘッド間の分離空隙
と所望の線分解能との比率に等しい数のインクドット線を印刷することが必要と
される。実際には、このことは、プリントヘッドを基板に対して１つ又はより多
くのステップを通じて第一の方向に対し垂直な第二の方向に間欠的に前進させる
と共に、プリントヘッドを基板に対して第一の方向に変位させつつ、その新たな
位置の各々にてインクジェットノズルを作動させることにより実現される。残念
なことに、１つ又はより多くのノズルが詰まったならば、像は不完全となり、印
刷されない帯域が残ることになろう。

【００１０】 イスラエルのイダニット・テクノロジーズ・リミテッド（Ｉｄａｎｉｔ Ｔｅ
ｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ Ｌｔｄ．）に譲渡された国際出願第９７／３１７８１号
には、印刷される線に対し直角の方向に向けてプリントヘッドを基板に対して変
位させる、線形列のノズルを有する、インクジェットプリンタを作動させ且つそ
の印刷ステップを繰り返す方法が記載されている。この方法は、ノズルの詰まり
に起因して非印刷帯域が生ずるという視覚上の効果をプリントヘッドの動きによ
り少なくするが、ノズルの詰まりを完全に補償するものではない。

【００１１】

【発明の概要】

本発明は、境界材料を噴射する少なくとも１列のインクジェットノズルを有す
るプリントヘッドを使用して３−Ｄモデルを構成する３−Ｄ印刷装置を提供する
ものである。

【００１２】 本発明の更なる目的は、何れかのノズルの詰まりによる影響を受けない３−Ｄ
モデルを印刷する方法を提供することである。 本発明の更に別の目的は、何れかのノズルからの過剰及び不十分な付着を補償
する装置及び方法を提供することである。

【００１３】 このように、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、三次元的モデルの
三次元的印刷のための装置が提供される。この装置は、複数のノズルを有するプ
リンティングヘッドと、境界材料を層として選択的に分配すべくプリンティング
ヘッドに接続されたディスペンサと、付着させた層の各々を選択的に硬化させる
硬化手段とを備えている。付着させた層の各々の深さは、複数のノズルの各々か
らの吐出量を選択的に調節することにより制御可能である。

【００１４】 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、制御手段は、プリンティ
ングヘッドに接続されたディスペンサと、プリンティングヘッドに接続されたプ
ロセスコントローラと、該プロセスコントローラに接続されたコンピュータ支援
設計（ＣＡＤ）装置とを備えている。

【００１５】 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、複数のノズルは、１列の
ノズルを有している。 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、該装置は、プロセスコン
トローラからの命令によりプリンティングヘッドを選択的に位置決めすべくプロ
セスコントローラに接続された位置決め装置を更に備えている。

【００１６】 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、境界材料は、極紫外線又
は赤外線を照射することにより硬化可能なフォトポリマー材料である。 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、該装置は、プロセスコン
トローラに接続された基準センサと、センサを位置決めすべくプロセスコントロ
ーラに接続されたセンサの位置決め装置と、ノズルの各々からの付着層の高さの
相違を計算する手段とを更に備えている。

【００１７】 このように、本発明によれば、三次元的モデルの三次元的印刷方法が提供され
る。この方法は、 長手方向軸線に沿って複数のノズルを有するプリンティングヘッドを第一の
予め選んだ位置に位置決めするステップと、 境界材料をプリンティングヘッドから層状に選択関に分配するステップと、 プリンティングヘッドを第二の予め選んだ位置に再位置決めするステップと
、 選択的に分配することを繰り返すステップとを含む。

【００１８】 第二の予め選んだ位置は、第一の予め選んだ位置から長手方向軸線に沿って軸
方向に変位させる。 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、この方法は、 複数のノズルの各々から分配された境界材料の量を制御すべく複数のインク
ジェットノズルの各々からの吐出量を選択的に調節するステップを更に含む。

【００１９】 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、境界材料はフォトポリマ
ー材料であり、また、この方法は、極紫外線又は赤外線を照射することにより付
着した層を硬化させるステップを更に含む。

【００２０】 この方法は、ノズルを較正するステップを更に含む。 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、この較正ステップは、 境界材料を全てのノズルから選択的に分配することにより単一の層を付着す
るステップと、 ノズルの各々からの付着物の高さを基準レベルと比較するステップと、 基準レベルとの差を計算するステップと、 ノズルの各々からの境界材料の分配量を調節するステップとを含む。

【００２１】 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、この方法は、後続の層を
付着させる前に、層を各々の相違を補償するステップを更に含む。 更に、この補償ステップは、 直近に付着した層の高さを基準レベルと比較するステップと、 基準レベルとの差を計算するステップと、 ノズルの各々からの境界材料の分配量を調節するステップとを含む。

【００２２】 更に、本発明の１つの好ましい実施の形態によれば、補償するステップは、 境界材料を全てのノズルから選択的に分配することにより基準壁を構成し、
該基準壁が複数の基準層を有し、複数の基準層の各々が相応するモデル層を付着
する過程中に付着されるようにするステップを含む。

【００２３】 本発明は、添付図面に関する以下の詳細な説明からより完全に理解されよう。

【００２４】

【本発明の詳細な説明】

本発明の１つの好ましい実施の形態による構造及び作用可能とされた三次元的
印刷装置を全体として参照番号１０で示す図１に関して説明する。

【００２５】 三次元的印刷装置１０は、境界材料１６が噴射されるときに通る複数のインク
ジェットノズル１４を有するプリンティングヘッド１２と、参照番号２０で示し
た三次元的構成要素を形成すべく境界材料１６を硬化する硬化装置１８とを備え
ている。境界材料１６はドイツ、タムのマラブヴェルケ Ｇｍｂｈ ＆ Ｃｏ．
（Ｍａｒａｂｕｗｅｒｋｅ Ｇｍｂｈ ＆ Ｃｏ．）が製造するＤＩ ７０９０
透明被覆のようなフォトポリマーであることが好ましい。好ましくは、フォトポ
リマーは極紫外線（ＵＶ）又は赤外線（ＩＲ）硬化性材料を含むことが好ましい
。例えば、反応性アクリレート系の材料は、硬化装置１８から紫外線を照射する
ことにより紫外線硬化させ又は固化させるのに適している。三次元的構成要素２
０は層状に構成され、層の各々の深さは、複数のインクジェットノズル１４の各
々からの吐出量を選択的に調節することにより、制御可能である。

【００２６】 本出願の明細書において、「インクジェットノズル」という語は、便宜上、当
該技術分野で既知のインクジェットノズルと同様のノズルを含むべく使用するが
、インクを噴射するノズルにのみ限定されるものではなく、三次元的モデルを構
成する境界材料を噴射するノズルも含むものであることを理解すべきである。

【００２７】 三次元的印刷装置１０は、ディスペンサ２２と、プロセスコントローラ２４と
、コンピュータ支援設計（ＣＡＤ）装置２６とを更に備えている。プロセスコン
トローラ２４は、ＣＡＤ装置２６、硬化装置１８及びプリンティングヘッド１２
に接続されている。

【００２８】 境界材料１６を含むディスペンサ２２はプリンティングヘッド１２に適宜に接
続されている。 好ましくは、三次元構成要素２０は、位置決め装置（図示せず）によりＸ軸及
びＹ軸に選択的に配置可能である支持面２８の上に形成されるようにする。

【００２９】 図２は、モデル２０の印刷及び硬化状態を示す概略図的な等寸法図である。こ
の実施の形態において、プリンティングヘッド１２の各側部に一対の硬化装置１
８が配置されている。

【００３０】 層の各々の品質及び均一さは、印刷の質に依存する一方、この印刷の質は複数
のインクジェットノズル１４の数及びその間隔に依存する。１つの好ましい実施
の形態において、プリンティングヘッド１２は少なくとも１列のノズル１４を備
えている。

【００３１】 次に、図３Ａ及び図３Ｂに関して説明する。図３Ａは、１、２等の番号を付し
た１列のノズル１４を有するプリンティングヘッド１２の概略図的な平面図であ
る。図３Ｂは、図３Ａのプリンティングヘッド１２により作成された三次元的物
体の平面図である。

【００３２】 プリンティングヘッド１２が参照番号Ｌ１で示した外形線で示すように整合さ
れたとき、インクジェットノズル１乃至１８は、境界材料（列１０２）を付着す
るように作動させ、ノズル１は最左側位置にある。プリンティングヘッド１２の
１回の通過厚さは約１０μである。図３Ｂに図示するように、ノズル９（例えば
詰まる可能性がある）を除く全てのノズルが材料を付着している。材料を受け取
った箇所はその番号で表示されており、材料を受け取らないノズル９はブランク
で示してある。詰まったノズルの効率の低下を解消するため、プリンティングヘ
ッド１２は、次の通過の間ずらして、ノズル９の位置が別のノズルにより占めら
れるようにする。例えば、図３Ａを再度参照すると、プリンティングヘッド１２
は左方向に２つの間隔だけずらされており（外形線の位置Ｌ２）、ノズル３は、
それ以前にノズル１が位置していた位置の真上に配置される最左側位置にある。
この場合にも、１８個のノズル（３乃至２１の番号で表示）を作動させる。非効
率的なノズル９はインクを付着せず、この時点で、ブランク箇所はそれ以前にイ
ンクを付着させた箇所７（列１０４）の上方にある。

【００３３】 プリンティングヘッド１２を不規則にずらすことにより、インクジェットノズ
ルが通過する毎にこの過程を繰り返すことができる。例えば、ノズル６が最左側
位置（列１０６）になるようにプリンティングヘッド１２を位置Ｌ３までずらし
、次に、ノズル２が最左側位置（列１０８）となるように位置Ｌ４までずらす。
このようにして、その層の品質に影響を与えずに、１つ又はより多くのノズルの
効率の悪さを補償することが可能である。

【００３４】 １つの代替的な好ましい実施の形態において、プリンティングヘッド１２（図
４に図示）は、ｍ個の横列及びｎ個の縦列を有するノズルマトリックスを備えて
いる。これらのノズルは、参照番号Ｍ₁Ｎ₁（左上方）からマトリックスの右下方
までＭ_nＮ_nで表示してある。三次元的印刷に適した一例としてのプリンティング
ヘッドは３６×１２のノズルマトリックスを含む。

【００３５】 第二の位置決め装置３０（図１）に接続されたプリンティングヘッド１２は、
プロセスコントローラ２４からの命令によりＸ軸及びＹ軸に選択的に位置決め可
能である。

【００３６】 次に、ノズル１４のマトリックスを有するプリンティングヘッドを使用する三
次元的構成要素２０の構成を示すフローチャートである図５に関して説明する。
作成すべきモデルのファイルはＣＡＤ装置２６にダウンロードされ（ステップ２
０２）、オペレータがそのモデルを見て且つ作動方法を制御することを許容する
。

【００３７】 完成した製品を規定する、オペレータが選択可能な幾つかの変数がある。第一
に、オペレータはジェットヘッドの所望の分解能を選択する（ステップ２０４）
。プリンティングヘッドの形態の選択に影響を与えるファクタの１つは、インチ
当たりのドット数（ｄｐｉ）により規定される所望の線の質である。線の質の典
型的な工業的標準は、２４０乃至７４０ｄｐｉである。このファクタは作成され
るモデルに依存して加減可能であり、プリンティングヘッドの能力によってのみ
制限される。例えば、１０ｃｍモデルの三次元的印刷のための典型的な許容公差
は１００μである。

【００３８】 オペレータはまた、連続的なインクドット線の間の所望の間隔を選び（ステッ
プ２０６）及びモデルを構成するときに使用すべき層の数（ｈ）も選ぶ（ステッ
プ２０８）ことができる。

【００３９】 次に、単一の層を印刷するために（ｘ−ｙ軸で）プリンティングヘッド１２を
変位させる（ステップ２１０）ステップの数（ｊ）を計算し、モデルを印刷する
ためのｚ軸における垂直方向ステップ（ｉ）の数を計算する（ステップ２１２）
。

【００４０】 プリンティングヘッド１２は、第一の層及び第一の層を印刷するときに作動さ
せることを必要とするインクジェットノズル１４の開始位置に配置する（ステッ
プ２１４）。

【００４１】 次に、プリンティングヘッド１２を計算したように変位させ（ステップ２１０
）、次に、変位ステップ（ｊ）の各々に対しステップ２１４を繰り返す（ステッ
プ２１６）。

【００４２】 １つの層を完成した後、プリンティングヘッド１２を次の層に対する開始位置
に戻し且つ第一の層の上方の垂直位置（ｚ軸）内に再位置決めする（ステップ２
１８）。１つの層の厚さは約１０μであるため、各層の後にプリンティングヘッ
ドをモデルに対して再位置決めすることは必須ではないが、このステップはオペ
レータの判断で遅らせてもよい。

【００４３】 次に、後続の層に対しステップ２１４、２１６を繰り返す（ステップ２２０）
。モデルが完成する迄、後続の層の各々に対しステップ２１８、２２０を繰り返
す（ステップ２２２）。層が完成する迄、各通過の後、プリンティングヘッドを
変位させる（ステップ２１５）。層の各々に対し、その特定の層を印刷するのに
必要なインクジェットノズル１４のみを作動させる。

【００４４】 プロセスコントローラ２４を使用して第二の位置決め装置３０を位置決めする
ことにより、プリンティングヘッド１２の再位置決めが行われる。 各層を付着した後に硬化を行うことが好ましい。しかし、これと代替的に、１
つ以上の層を付着した後に硬化が生ずるように硬化を選択的に遅らせてもよい。

【００４５】 次に、三次元的モデル２０を作成する更に好ましい実施の形態の概略図的な等
寸法図である図６に関して説明する。この実施の形態において、三次元的印刷装
置は、プロセスコントローラ２４に接続されたモデルセンサ４０と、基準センサ
４２とを更に備えている。三次元的印刷装置のオペレータの命令に従ってセンサ
４０、４２を位置決め可能であるセンサ位置決め装置（図示せず）にセンサ４０
、４２が接続される。

【００４６】 この実施の形態において、参照番号４４で示した基準壁は、三次元的モデル２
０の構造に対し平行に且つ該構造に隣接して層毎に構成される。基準壁４４は「
Ｙ」軸線に沿って構成され、「Ｘ」軸線に沿ったその幅はプリンティングヘッド
１２の幅である、すなわち、ノズルのマトリックスを有する（単一の軸線に沿っ
て）幅である。このように、基準壁４４に各層が複製される。同様に、プリンテ
ィングヘッド１２が二次元的マトリックスを備える場合、基準壁の幅はＸ軸線及
びＹ軸線の双方に沿ってノズルのマトリックスを含む。次に、基準壁４４の単一
の層の異なる例を示す拡大断面図である図７Ａ乃至図７Ｃに関して説明する。図
７Ｂには、材料が余分に構成された場合を示し、図７Ｃは、付着された材料が不
十分な場合を示す。

【００４７】 参照番号４６で示した層の正確な寸法は、実線４８で示してある。層４６は、
単に一例としての目的のため、矩形の層として図示されている。層４６の寸法は
プリンティングヘッド１２を形成するノズルのマトリックスにより表示される。
層４６の隅部は、図３に図示するようにＭ₁Ｎ₁乃至Ｍ_nＮ_nで表示してある。

【００４８】 破線５０は、全体として凹状の外観を呈する、印刷したときの層を示す。座標
Ｍ_aＮ₁−Ｍ_aＮ_nで示した点Ａ（例えば、Ｍ₁₇、Ｎ₁）の断面である切断部分が図
７Ｂに図示されている。

【００４９】 １つの層を構成した後、基準センサ４２を層４６の頂部に配置し、層４６の頂
部にてノズルの各位置を測定する。次に、それら測定値を実際のモデルと比較す
る。例えば、矩形の層４６の高さはｈである。１つの隅部（Ｍ₁₇Ｎ_n）にて、層
の高さはｈよりも高いｈ１である。参照番号５２で示した最高点（例えば、Ｍ₁₇ Ｎ₁₂）の高さは、ｈ２＋である。

【００５０】 座標Ｍ_nＮ₁−Ｍ_nＮ_nで示した層の端縁における線Ｂ−Ｂに沿った断面図が図７
Ｃに図示されている。付着した材料が存在しないことを示す凹所５４（例えば、
ノズルＭ＝３６、Ｎ＝１９）の高さは、ｈではなくてｈ３である。

【００５１】 米国特許第５，２８７，４３５号（上述）のような、既知の従来技術において
、後続の層を堆積する前に機械によって余剰な層の厚さをトリミングする。次の
層を印刷する前に１つの層をトリミングするステップが不要である点が本発明の
１つの特徴である。それに代えて、各ノズルに対し基準センサ４２により記憶さ
れたデータを利用して、余剰な材料（図７Ｂ）又は不十分な材料（図７Ｃ）の付
着を補償するため、プリンティングヘッド１２の個々のノズルを調節することが
できる。

【００５２】 プリンティングヘッド１２のノズルを較正し且つオンラインの作動及び正確な
制御のため基準壁４４を使用することができる。次に、プリンティングヘッド１
２のノズルマトリックスの較正状態を示すフローチャートである図８に関しても
説明する。ノズルを較正するため、ノズルの完全なマトリックスに対する試験層
を付着させ（ステップ３０２）及び各ノズル点における層の高さを基準センサ４
２を利用して測定する（ステップ３０４）。ノズルの各々に対し、基準点との差
を計算する（ステップ３０６）。次に、全ての余剰／不十分な付着を補償し得る
ようこれらノズルのディスペンサを調節する（ノズルの各々に必要な補償プラス
／マイナスの程度を計算することにより）（ステップ３０８）。

【００５３】 ノズルを較正した後、三次元的構成要素２０を構成する間、オンラインの作動
及び補正制御のため基準壁４４が使用される（図５に関して上述）。モデルの作
成はオペレータが制御可能である。

【００５４】 次に、三次元的モデルを構成するときのオンラインの作動制御を示すフローチ
ャートである図９に関して説明する。各層を構成した後（ステップ３１８）、モ
デルセンサ４０を層の頂部に配置し（ステップ３２０）、層の頂部で各ノズルの
位置を測定することにより層の外形を点検する（ステップ３２２）。ノズルの各
々に対し基準点との差を計算する（ステップ３２４）。

【００５５】 次に、層をトリミングすべきか否かの決定を為す（質問ボックス３２６）。従
来技術によるモデルの作成の場合と相違して、各層の後でトリミングは不要であ
るが、オペレータの選択によりトリミングしてもよい。トリミングが選ばれるな
らば、適当なトリミング装置により余剰な材料は除去される（ステップ３２８）
。

【００５６】 何れかのノズルによるインクの分配が不正確であるならば（質問ボックス３３
０）、全ての余剰／不十分な付着を補償し得るようこれらノズルのディスペンサ
を調節する（ステップ３３２）。

【００５７】 次に、次の層を付着させ、必要に応じて上記のステップ（３１８乃至３３２）
を繰り返す。 本発明は上述した内容に限定されず、その全てが本発明の範囲に属する多数の
改変例が存在することが理解されよう。本発明の範囲は特許請求の範囲によって
規定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の１つの好ましい実施の形態による構造及び作用可能とされた３−Ｄ印
刷装置の概略図である。

【図２】 図１の３−Ｄモデルの印刷及び硬化状態を示す概略図的な等寸法図である。

【図３】 ３Ａは、図１の３−Ｄ印刷装置と共に利用されるプリンティングヘッドの概略
図的な平面図である。 ３Ｂは、図３Ａのプリンティングヘッドにより作成される三次元的物体の一部
の平面図である。

【図４】 図１の三次元的印刷装置と共に利用される、ノズルマトリックスを有するプリ
ンティングヘッドの代替的な実施の形態の詳細図である。

【図５】 ５Ａは、図１の３−Ｄモデルの構成状態を示すフローチャートである。 ５Ｂは、図１の３−Ｄモデルの構成状態を示すフローチャートである。

【図６】 三次元的印刷装置の更に好ましい実施の形態の概略図的な等寸法図である。

【図７】 ７Ａは、図６の三次元的印刷装置により構成される基準壁の層を示す拡大断面
図である。 ７Ｂは、図７Ａの基準壁の層を示す拡大断面図である。 ７Ｃは、図７Ａの基準壁の層を示す拡大断面図である。

【図８】 図６の三次元的印刷装置を構成するプリンティングヘッドのノズルマトリック
スの較正状態を示すフローチャートである。

【図９】 図６の三次元的モデルのオンラインの作動制御状態を示すフローチャートであ
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ゴットハイト，ハナン イスラエル国 76248 レホボト，パルデ ィ・ストリート ３ Ｆターム(参考） 4F213 WA25 WL03 WL10 WL12 WL22 WL43 WL67 WL85 WL87 WL95 WL96

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三次元的モデルの三次元的印刷装置において、 複数のノズルを有するプリンティングヘッドと、 前記複数のノズルの各々からの境界材料の吐出量を選択的に制御し、これによ
   り、前記三次元的モデルを層状態で構成し得るように前記プリンティングヘッド
   に接続された、制御手段と、 付着された前記層の各々を選択的に硬化させる硬化手段とを備える、装置。
2. 【請求項２】 請求項１による装置において、前記制御手段が、 前記プリンティングヘッドに接続されたディスペンサと、 前記プリンティングヘッドに接続されたプロセスコントローラと、 前記プロセスコントローラに接続されたコンピュータ支援設計（ＣＡＤ）装
   置とを備える、装置。
3. 【請求項３】 請求項１による装置において、前記複数のノズルが１列のノ
   ズルを備える、装置。
4. 【請求項４】 請求項２による装置において、前記プロセスコントローラか
   らの命令により前記プリンティングヘッドを選択的に位置決めし得るよう前記プ
   ロセスコントローラに接続された位置決め装置を更に備える、装置。
5. 【請求項５】 請求項１による装置において、前記境界材料が極紫外線又は
   赤外線の照射により硬化可能なフォトポリマー材料である、装置。
6. 【請求項６】 請求項１による装置において、 前記プロセスコントローラに接続された基準センサと、 前記センサを位置決めし得るように前記プロセスコントローラに接続されたセ
   ンサの位置決め装置と、 前記ノズルの各々からの前記付着した層の高さの差を計算する手段とを更に備
   える、装置。
7. 【請求項７】 三次元的モデルの三次元的印刷方法において、 長手方向軸線に沿って複数のノズルを有するプリンティングヘッドを予め選ん
   だ第一の位置に位置決めするステップと、 前記プリンティングヘッドから境界材料を層状態に選択的に分配するステップ
   と、 前記プリンティングヘッドを予め選んだ第二の位置に再位置決めするステップ
   と、 前記選択的な分配ステップを繰り返すステップと、 前記予め選んだ第二の位置が予め選んだ前記第一の位置から前記長手方向軸線
   に沿って軸方向に変位されるようにすることとを備える、方法。
8. 【請求項８】 請求項７による方法において、 前記複数のノズルの各々から分配された前記境界材料の量を制御し得るよう前
   記複数のインクジェットノズルの各々からの吐出量を選択的に調節するステップ
   を更に備える、方法。
9. 【請求項９】 請求項７による方法において、前記境界材料がフォトポリマ
   ー材料であり、前記付着した層を極紫外線又は赤外線の照射により硬化させるス
   テップを更に備える、方法。
10. 【請求項１０】 請求項７による方法において、 前記複数のノズルを較正するステップを更に備える、方法。
11. 【請求項１１】 請求項１０による方法において、前記較正するステップが
    、 前記複数のノズルの全てから境界材料を選択的に分配することにより単一の層
    を付着するステップと、 前記複数のノズルの各々からの付着分の高さを基準レベルと比較するステップ
    と、 前記基準レベルとの差を計算するステップと、 前記複数のノズルの各々からの前記境界材料の分配量を調節するステップとを
    備える、方法。
12. 【請求項１２】 請求項７による方法において、 後続の層を付着する前に前記層の各々における差を補償するステップを更に備
    える、方法。
13. 【請求項１３】 請求項１２による方法において、前記補償ステップが、 直近に付着した層の高さを基準レベルと比較するステップと、 前記基準レベルとの差を計算するステップと、 前記複数のノズルの各々からの前記境界材料の分配を調節するステップとを
    備える、方法。
14. 【請求項１４】 請求項１３による方法において、前記比較するステップが
    、 前記複数のノズルの全てから境界材料を選択的に分配することにより基準壁
    を構成し、該基準壁が複数の基準層を備え、該複数の基準層の各々が前記相応す
    るモデル層を付着する過程の間に付着されるようにするステップを含む、方法。