JP2021020418A - 立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、及び立体造形物製造用吐出プログラム - Google Patents

立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、及び立体造形物製造用吐出プログラム Download PDF

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雄司 長友
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青蔵 佐倉
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輝樹 草原
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Abstract

【課題】造形材料を層状に付与し、それを積層して立体造形物を造形する方式、好ましくはマテリアルジェッティング方式による造形方法において、エッジ品質が向上した立体造形物を製造することができる立体造形物製造装置の提供。【解決手段】造形材料を吐出する吐出手段と、前記吐出手段により吐出された前記造形材料を硬化させるための硬化手段と、前記吐出手段及び前記硬化手段により所定の厚みに造形された造形層に対して、前記吐出手段が更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する制御を行う制御手段と、を有する立体造形物製造装置である。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、及び立体造形物製造用吐出プログラムに関する。
三次元の立体物を造形する技術としては、付加製造(Additive Manufacturing:AM)と呼ばれる技術が知られている。これらの中でも、インクジェット方式による造形技術として、マテリアルジェッティング(Material Jetting:MJ)方式が知られている。
一方、高い寸法精度を有する三次元造形物を製造するため、紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出し、層を形成する第1インク吐出工程と、前記層の厚さを計測する工程と、前記層の所定の層厚に達していない領域に前記硬化性インクを吐出し、当該領域の厚さを所定の厚さとする第2インク吐出工程と、前記層の所定の層厚を超える領域を除去する除去工程と、を有する三次元造形物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、造形材料を層状に付与し、それを積層して立体造形物を造形する方式、好ましくはマテリアルジェッティング方式による造形方法において、エッジ品質が向上した立体造形物を製造することができる立体造形物製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための手段としての本発明の立体造形物製造装置は、造形材料を吐出する吐出手段と、前記吐出手段により吐出された前記造形材料を硬化させるための硬化手段と、前記吐出手段及び前記硬化手段により所定の厚みに造形された造形層に対して、前記吐出手段が更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する制御を行う制御手段と、を有する。
本発明によると、造形材料を層状に付与し、それを積層して立体造形物を造形する方式、好ましくはマテリアルジェッティング方式による造形方法において、エッジ品質が向上した立体造形物を製造することができる立体造形物製造装置を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、立体造形物製造装置の制御手段の一例を示すブロック図である。 図3Aは、比較例1の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図3Bは、比較例1の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図3Cは、比較例1の立体造形方法における次の往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図3Dは、比較例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図4Aは、実施例1の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図4Bは、実施例1の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図4Cは、実施例1の立体造形方法における補修モデル層形成を示す概略図である。 図4Dは、実施例1の立体造形方法における次の往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図4Eは、実施例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図5Aは、実施例2の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図5Bは、実施例2の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図5Cは、実施例2の立体造形方法における往路での補修用モデル材を吐出した状態を示す概略図である。 図5Dは、実施例2の立体造形方法における補修モデル層形成を示す概略図である。 図5Eは、実施例2の立体造形方法における次の往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図5Fは、実施例2の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、立体造形物における「Xエッジ」と「Yエッジ」の位置を説明するための模式図である。 図7は、比較例1、実施例1、及び実施例2の立体造形物を上から見た状態を示す写真である。 図8は、比較例1、実施例1、及び実施例2の立体造形物を右側面から見た状態を示す写真である。 図9は、比較例1、実施例1、及び実施例2の立体造形物のエッジ角Rの測定結果を示すグラフである。 図10Aは、実施例3の立体造形方法における往路での未硬化のモデル層形成を示す概略図である。 図10Bは、実施例3の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図10Cは、実施例3の立体造形方法における補修モデル層形成を示す概略図である。 図10Dは、実施例3の立体造形方法における次の往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図10Eは、実施例3の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図11Aは、比較例2の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図11Bは、比較例2の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図11Cは、比較例2の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図11Dは、比較例2の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図11Eは、比較例2の立体造形方法における往路でのサポート層形成を示す概略図である。 図11Fは、比較例2の立体造形方法における復路でのサポート層形成を示す概略図である。 図11Gは、比較例2の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図12Aは、実施例4の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図12Bは、実施例4の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図12Cは、実施例4の立体造形方法における往路でのモデル層形成を示す概略図である。 図12Dは、実施例4の立体造形方法における復路でのモデル層形成を示す概略図である。 図12Eは、実施例4の立体造形方法における往路でのサポート層形成を示す概略図である。 図12Fは、実施例4の立体造形方法における復路でのサポート層形成を示す概略図である。 図12Gは、実施例4の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施例5における補修用モデル材とサポート材とを同一スキャンで吐出する時の制御条件を示す図である。
(立体造形物の製造方法及び立体造形物製造装置)
本発明の立体造形物製造装置は、造形材料を吐出する吐出手段と、前記吐出手段により吐出された前記造形材料を硬化させるための硬化手段と、前記吐出手段及び前記硬化手段により所定の厚みに造形された造形層に対して、前記吐出手段が更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する制御を行う制御手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の立体造形物の製造方法は、造形材料を吐出する吐出工程と、前記吐出工程において吐出された前記造形材料を硬化させる硬化工程とを含み、前記吐出工程及び硬化工程を複数回繰り返すことにより立体造形物を製造する方法において、少なくとも1回の前記硬化工程の後、前記吐出工程及び前記硬化工程において所定の厚みに造形された造形層に対して、補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する補修工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形物製造装置により好適に実施することができ、吐出工程は吐出手段により行うことができ、硬化工程は硬化手段により行うことができる。補修工程は制御手段により吐出手段及び平坦化手段を制御することで行うことができ、その他の工程は、その他の手段により及び/又は制御手段によって前記吐出手段、前記硬化手段及び前記平坦化手段を制御することにより行うことができる。
従来のマテリアルジェッティング(MJ)方式の造形方法は、造形材料を吐出し、平坦化手段により平坦化し、紫外線(UV)光を照射して硬化させる方式であり、硬化前の造形材料は液滴であるために材料固有の表面張力を有するので、造形材料を吐出し、平坦化した後でも造形層端部が丸みを帯びてしまう。更に、造形層が積層されると造形層端部の丸みも積算され、立体造形物のエッジ品質が悪化してしまうという問題がある。
従来の特許文献1に記載の発明は、三次元造形物の寸法精度を向上させるため、硬化性インクを吐出して層を形成する工程と、前記層の厚さを計測する工程を有し、前記層の所定の層厚に達していない領域に硬化性インクを吐出し、当該領域の厚みを所定の厚みとする三次元造形物の製造方法であるところ、インクジェットのノズル間における吐出バラツキ(吐出量、飛行曲がり)や硬化収縮等に起因する厚みのバラツキを是正するためのものであって、例えば計測工程により厚みのバラツキが検出されない場合には再吐出が行われない。また、厚みのバラツキを是正する目的であるため、造形層(モデル層)かサポート層かに関係なく、どちらにも再吐出が行われる。
一方、造形層端部の丸みは、造形材料固有の表面張力に起因するため、吐出バラツキや硬化収縮などに関係なく生じるものである。そして仮に造形層が所定の厚みに達していない状態では、平坦化手段のZ方向位置(高さ)を固定して平坦化処理を繰り返しても、理想的な平坦化面に対する造形層内側の差分が小さくなるだけであり、造形層端部の丸みとの差分は依然として埋まらない。これは、造形層端部の丸みは、造形材料固有の表面張力に起因するので、直前のスキャンで硬化され、造形層端部の丸みという土台が確実に形成されていない限り、後続するスキャンで理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を埋めることはできないからである。
また、特許文献1に記載の発明は、層の厚さを計測して層の厚さが足りない時に硬化性インクを吐出するため、層の厚さを計測する工程が必須であり、そのためのハードウェア構成が必要である。本発明においては、理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を補修することを目的としているため、造形層の厚さを計測する必要がなく、特許文献1のような造形層の厚さを計測する工程やそのためのハードウェア構成は不要である。
本発明においては、造形材料を吐出する吐出手段と、吐出手段により吐出された造形材料を硬化させるための硬化手段と、吐出手段により所定の厚みに造形された、造形材料による造形層に対して、吐出手段が更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する制御を行う制御手段と、を有することによって、造形層を形成した後、平坦化手段のZ方向位置(高さ)を変えないで、再度同じ高さで補修用造形材料を吐出し、平坦化、硬化を行うので、理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を確実に埋めることができ、立体造形物のエッジ品質を向上させることができる。
本発明において「造形層」とは、造形材料を層状に付与し、それを平坦化及び硬化して形成される層を意味する。例えば、吐出手段が往復のスキャン時に造形材料を吐出して層状に付与する態様において、往路で造形材料の吐出、平坦化及び硬化を一度行う場合は、かかる往路で形成される層が造形層であり、往路で造形材料を吐出するが、平坦化はせず、任意に硬化を行い、復路で更に造形材料を吐出、平坦化及び硬化を行う場合、かかる往復により形成される層が造形層となる。「造形材料」は、造形物の製造において吐出手段から吐出される材料を意味し、典型的には立体造形物そのものを形成するためのモデル材や、オーバーハング部やディテール部などを造形する際に用いられるサポート材などが挙げられる。本発明においては、モデル材により形成された造形層を特に「モデル層」、サポート材により形成された造形層を特に「サポート層」という場合がある。
「所定の厚みに造形する」とは、所定の厚みとなるように平坦化及び硬化を実施することを意味する。
補修用造形材料を、「所定の厚みに造形された造形層」に対して、吐出し、前記所定の厚みになるように平坦化し、硬化させることにより、補修造形層が形成される。ここで吐出される「補修用造形材料」は、該補修用造形材料が吐出される造形層を形成する造形材料と同一のものが用いられる。
補修造形層とは、平坦化手段を上昇させない状態(平坦化手段の高さを変えない状態)で、補修用造形材料を吐出し、平坦化、硬化させて形成した造形層を意味し、主として造形層端部の差分を埋める役割を果たす。これにより立体造形物のエッジ品質を向上することができる。したがって補修造形層は、好ましくはモデル層に対して形成される。
補修用造形材料は、往路で吐出してもよいし、復路で吐出してもよいし、往路及び復路の両方で吐出してもよい。なお、補修用造形材料を往路で吐出する場合には、後続する復路で、平坦化手段が硬化した補修造形層に衝突して造形品質に悪影響を与えないように、往路では補修造形層を硬化させないことが好ましい。
本発明の一態様において、制御手段が、吐出手段及び硬化手段により所定の厚みに吐出された造形層の一部の領域に対して、吐出手段から更に補修用造形材料を吐出させる。造形層における補修が必要な一部の領域に対して補修用造形材料を吐出することにより、補修用造形材料の使用量を低減できる点で好ましい。
本発明の一態様において、前記造形層の一部の領域は、造形層のエッジ領域である。補修が必要とされている造形層のエッジ領域のみに対して補修用造形材料を吐出することにより、補修用造形材料の使用量を低減できると共に、立体造形物のエッジ品質を向上できる点で好ましい。ここで「エッジ領域」とは、モデル層又はサポート層それぞれの端部付近、即ち周縁部の領域を意味する。またモデル層のエッジ領域とサポート層のエッジ領域とが隣接する場合、かかるエッジ領域を特に「界面領域」と称し、モデル層側を「モデル層の界面領域」、サポート層側を「サポート層の界面領域」と称する。
本発明の別の態様においては、前記造形層の一部の領域が、モデル層の界面領域を含まない。例えば補修用造形材料とサポート材を同一スキャンで吐出する場合には、モデル層の界面領域に補修用造形材料(モデル材)を吐出しないことにより、補修造形層とサポート層との界面において未硬化の補修用造形材料とサポート材との混和を回避できると共に、補修用造形材料の使用量を低減させることで造形時間を短縮化でき、生産性を向上させることができる。
本発明の一態様において、制御手段が、1つの造形層(特にモデル層)が形成される毎に、補修造形層を形成するように各手段を制御することが好ましい。このように高頻度に補修造形層を形成することにより、立体造形物のエッジ品質を最大限に向上させることができる。本発明の別の一態様において、補修造形層の形成は造形層の複数層ごと、例えば造形層の2層ごとや3層ごとである。本発明の更に別の一態様において、補修造形層の形成は1つのスライスレイヤが形成されるごとに行われる。
本発明において「スライスレイヤ」とは、複数のモデル層及び任意に1以上のサポート層との組み合わせからなる積層ユニットを意味する。「積層ユニット」は、所定の吐出、平坦化及び硬化パターンにより形成され、かかる積層ユニットを繰り返すことにより、即ちかかる形成パターンの繰り返しにより、立体造形物が形成される。例示的な一態様においては、図11A〜図11Fで示される形成パターンによりスライスレイヤが形成される。かかる形成パターンにおいては、2層のモデル層及び1層のサポート層によりスライスレイヤが形成される。
本発明の一態様において、制御手段が、所定の厚みに造形された造形層により形成された造形物に対して、吐出手段から補修用造形材料を吐出させる。この態様によると、生産効率が向上する。なお、前記造形物としては、造形が完了した最終的な造形物以外にも、1スライスレイヤ、複数のスライスレイヤなども含まれる。好ましい一態様において、本発明の立体造形物製造装置は、スライスレイヤを複数積み重ねることにより、立体造形物を製造するものである。
本発明の一態様において、吐出手段が、主走査方向に往復動し、制御手段が、吐出手段の往動時及び復動時の少なくともいずれかにおいて制御を行うことが好ましい。補修用造形材料による補修を、吐出手段の往動時及び復動時の少なくともいずれかで行うことで、生産効率が向上する。この場合、立体造形物のエッジ品質の向上の点から、補修用造形材料は、往路で吐出されることが好ましい。
本発明の一態様において、補修用造形材料はモデル材であることが好ましい。補修用造形材料は、理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を補修するためのものである。
<吐出工程及び吐出手段>
吐出工程は、造形材料を吐出する工程であり、吐出手段により実施される。
吐出手段としては、造形材料を吐出することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出ヘッドなどが挙げられる。
吐出ヘッドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッド、熱膨張(サーマル)型ヘッドなどが挙げられる。これらの中でも、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッドが好ましい。
<<造形材料>>
造形層を造形する造形材料としては、特に制限はなく、立体造形物(モデル部)を造形する本体を構成する上で求められる性能に基づいて、適宜選択することができ、例えば、モデル材、補修用造形材料などが挙げられる。なお、立体造形物を造形する際に、必要に応じて形状支持用にサポート部を使用する場合には、前記サポート部を造形するためのサポート材も造形材料に含まれる。
モデル材は、モデル部を構成する部分を造形する造形材料である。
補修用造形材料は、所定の厚みに造形された造形層を補修する目的で吐出する造形材料である。好ましい一態様において、補修用造形材料はモデル材と同じ材質(組成、濃度等)である。
本発明において、モデル部とは、立体造形物を造形する本体を構成する部を意味し、モデル層の積層により造形される。
本発明において、サポート部とは、モデル部が固化するまで、立体造形物を所定の位置に保持する部分を意味し、サポート層の積層により造形される。サポート部は、例えば、モデル部の重力方向に対し支持する部分に配置され、モデル部と接し、モデル部を下方向から支持する部を意味する。立体造形物の製造においては、通常サポート部はモデル部から最終的に剥離され、モデル部のみで立体造形物となる。
好ましい一態様において、サポート材は、モデル材とは異なる材質(組成、濃度等)であり、サポート材の硬化物は、より好ましくは、水溶性、潮解性、崩壊性などモデル部から剥離しやすい性質を有している。
造形材料としては、光や熱等のエネルギーを付与することにより硬化する液体材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマー、及び重合性オリゴマーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。これらの中でも、造形材料ジェット用プリンター等に用いられる造形材料吐出ヘッドで吐出できる粘度や表面張力等の液物性を有する材料が好ましい。
−重合性モノマー−
重合性モノマーとしては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−単官能モノマー−−
単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、0.5質量%以上90質量%以下が好ましい。
上記以外の単官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−多官能モノマー−−
多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−重合性オリゴマー−
重合性オリゴマーとしては、上記単官能モノマーの低重合体や末端に反応性不飽和結合基を有するものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
−−界面活性剤−−
界面活性剤としては、例えば、分子量200以上かつ5,000以下、具体的には、PEG型非イオン界面活性剤[ノニルフェノールのエチレンオキサイド(以下、「EO」と略記)1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等]、多価アルコール型非イオン界面活性剤(例えば、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、3質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−重合禁止剤−−
重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−重合開始剤−−
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(以上、DuPont Chemical社製)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(以上、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(商品名:Perkadox 16S、Akzo Nobel社製)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(商品名:Lupersol 11、Elf Atochem社製)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名:Trigonox 21−C50、Akzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、有機過酸化物と第3級アミンとに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンとに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属とに基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートとに基づく系)などが挙げられる。
重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
−−着色剤−−
着色剤としては、造形材料中に溶解又は安定に分散し、更に熱安定性に優れた染料及び顔料が好適である。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種以上の着色剤を適時混合することが可能である。
<硬化工程及び硬化手段>
硬化工程は、前記吐出工程において吐出された前記造形材料を硬化させるための活性エネルギー線を照射する工程であり、硬化手段により実施される。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線などが挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。
硬化手段としては、吐出された造形材料を硬化することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線照射装置などが挙げられる。
紫外線照射装置としては、例えば、発光ダイオード(LED)、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。これらの中でも、LEDが照射強度を変更可能である点で特に好ましい。
高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものも使用することができる。
<補修工程及び制御手段>
本発明において「制御手段」は、吐出手段及び硬化手段、並びに他の手段(例えば平坦化手段など)の動作を制御するための手段を意味する。制御手段の機能ブロック図を図2に示し、制御手段の詳細については、特定態様の例に基づいて後述する。制御手段にはROMやRAMなどの記憶手段及びCPU、FPGAなどの計算手段を含んでよい。記憶手段には、吐出手段や硬化手段等の各手段に特定の動作を行わせるためのプログラムが記憶されていてよく、かかるプログラムに基づいて各手段の動作を制御する。本発明において、制御手段により吐出手段や硬化手段などの各手段を動作させる際に、前記各手段が所定の方向に運動する場合、かかる運動は、造形台(又は立体造形物)に対する相対的な移動を意味する。したがって、例えば「吐出手段が主走査方向に運動する」という場合、吐出手段自体が主走査方向に移動してもよいし、造形台(又は立体造形物)が主走査方向に移動することにより、吐出手段が相対的に主走査方向に運動するように制御してもよい。
補修工程は、前記吐出工程において所定の厚みに造形された造形層に対して、更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化を行う工程であり、制御手段が各手段の動作を制御することにより実施される。
制御手段の働きによって、造形層を造形した後、平坦化手段のZ方向位置(高さ)を変えないで、再度同じ高さで補修用造形材料を吐出し、平坦化、硬化を行うことにより、理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を確実に埋めることができ、立体造形物のエッジ品質を向上させることができる。
制御手段に含まれ得る記憶手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの主記憶装置の他、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)などの補助記憶装置なども挙げられる。
制御手段に含まれ得る計算手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平坦化工程、乾燥工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平坦化手段、乾燥手段、ステージなどが挙げられる。
−平坦化工程及び平坦化手段−
平坦化工程は、前記吐出工程により形成された造形層を平坦化する工程であり、平坦化手段により実施される。
平坦化手段としては、例えば、ローラ、ブラシ、ブレードなどが挙げられる。
平坦化手段が吐出された造形材料からなる造形層を平坦化することにより、造形層の平均厚みの精度や平坦性を確保することができる。
−ステージ−
ステージとは、造形層が積層されて立体造形物が造形される基台を意味する。
ステージは、モータなどにより移動可能であってもよく、上下動可能であってもよい。なお、「ステージ」を「造形ステージ」又は「造形台」と称することがある。
ステージの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平面状であることが好ましい。
ここで、本発明の立体造形物製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
立体造形物製造装置(以下、「立体造形装置」と称することがある)10は、材料噴射造形装置であり、層状造形物である造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形ステージであるステージ14と、ステージ14上に造形層30を順次積層しながら造形する造形ユニット20とを備えている。
造形ユニット20は、ユニットホルダ21に、造形材料を吐出する吐出手段である第1ヘッド11と、活性エネルギー線としての紫外線を照射するUV照射ユニット13と、造形層30を平坦化する平坦化手段である平坦化ローラ16を備えている。なお、立体造形物を造形するモデル材としての造形材料だけでなく、立体造形物の造形を支持するサポート材を吐出させるための第2ヘッド12を備えることができる。
ここでは、X方向において、第1ヘッド11を挟んで2つの第2ヘッド12を配置し、2つの第2ヘッド12の外側にそれぞれUV照射ユニット13を配置し、更に、UV照射ユニット13の外側にそれぞれ平坦化部材として、平坦化ローラ16を配置している。
第1ヘッド11には、カートリッジ装着部に交換可能に装着されるカートリッジによって造形材料が供給チューブなどを介して供給される。なお、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラーの造形材料を使用する場合には、第1ヘッド11に各色の液滴を吐出する複数のノズル列を配置することができる。
UV照射ユニット13は、第1ヘッド11から吐出された造形材料を硬化する。また、UV照射ユニット13は、サポート材を含む場合は、第2ヘッド12から吐出されたサポート材からなる造形層30を硬化する。
UV照射ユニット13としては、発光ダイオード(LED)、紫外線照射ランプなどが挙げられる。紫外線照射ランプを使用する場合、紫外線照射により発生するオゾンを除去する機構を備えることが好ましい。
紫外線照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くした紫外線照射ランプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため着色物の硬化に効果的である。Pb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。
平坦化ローラ16は、回転されながら、ステージ14との相対移動により、ステージ14上で硬化された造形層30の表面を平坦化する。
なお、「ステージ14上」とは、特に限定しない限り、ステージ14及びステージ14上で積層させる造形層30上を含むことを意味する。
造形ユニット20のユニットホルダ21は、X方向に配置されたガイド部材に移動可能に保持されている。
また、造形ユニット20のX方向の一方側には、第1ヘッド11の維持回復を行うメンテナンス機構が配置されている。
また、造形ユニット20のユニットホルダ21を保持しているガイド部材は、両側の側板に保持されている。側板はベース部材上に配置されたガイド部材に移動可能に保持されたスライダ部を有し、造形ユニット20はX方向と直交するY方向に往復移動可能である。
ステージ14は、昇降手段15によってZ方向に昇降される。昇降手段15は、ベース部材上にX方向に配置されたガイド部材上に移動可能に配置される。
次に、この立体造形物製造装置10による造形動作の概要について、図1を参照して説明する。
まず、造形ユニット20をY方向に移動させてステージ14上に位置させる。次に、ステージ14を停止している造形ユニット20に対して移動させながら、第1ヘッド11からモデル材301を造形領域(立体造形物を構成する領域)に吐出させる。サポート材を用いる場合は、第2ヘッド12からサポート材302を造形領域以外のサポート領域(造形後除去する領域)に吐出させる。
次に、UV照射ユニット13によって、モデル材301及びサポート材302上に紫外線を照射して硬化させ、造形材料による造形物17とサポート材による造形物18を含む1層分の造形層30を形成する。
造形層30を形成した後、平坦化ローラ16のZ方向位置(高さ)を変えないで、もう一度同じ高さで補修用造形材料を吐出し、平坦化、硬化を行い、補修造形層を形成する。これにより、理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を確実に埋めることができ、立体造形物のエッジ品質を向上させることができる。
この造形層30及び補修造形層を繰り返し造形して順次積層し、モデル材301をサポート材302で支持しながらモデル材301からなる目的とする立体造形物を造形する。例えば、図1の例では、造形層30A〜30Eの5層を積層した状態を示している。
ここで、造形層30を複数層(固定値である必要はない。)積層する毎に、例えば、10層積層する毎に、平坦化ローラ16を最表面の造形層30に押し付けて平坦化することにより、造形層30の厚み精度や平坦性を確保する。
平坦化手段として、平坦化ローラ16のようなローラ形状の部材を使用する場合、X方向における移動方向に対して、平坦化ローラ16を逆転させる方向で回転させることにより、平坦化効果を向上させることができる。
また、造形ユニット20と最表面の造形層30とのギャップを一定に保つために、ここでは、1層の造形層30を形成する毎にステージ14を昇降手段15によって下降させている。なお、造形ユニット20を昇降させる構成でもよい。
立体造形装置は、モデル材301やサポート材302の回収部材、リサイクル機構などを備えてもよい。また、第1ヘッド11、第2ヘッド12の不吐出ノズルを検知する吐出状態検出手段を備えてもよい。更に、造形時の装置内の環境温度を制御してもよい。
(立体造形物製造用吐出プログラム)
本発明の立体造形物製造用吐出プログラムは、所定の厚みに造形された、造形材料による造形層に対して、更に補修用造形材料を吐出する処理をコンピュータに行わせる。
立体造形物製造用吐出プログラムは、所定の厚みに造形された、造形材料による造形層に対して、更に補修用造形材料を吐出する処理以外にも、その他の処理をコンピュータに行わせることができる。
その他の処理としては、例えば、吐出された造形材料の層を平坦化する処理、吐出された造形材料を硬化させるために活性エネルギー線照射する処理などが挙げられる。
本発明の立体造形物製造用吐出プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の立体造形物製造装置として実現させることから、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムにおける好適な態様は、例えば、本発明の立体造形物製造装置における好適な態様と同様とすることができる。
本発明の立体造形物製造用吐出プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
本発明の立体造形物製造用吐出プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記録媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記録媒体に記録しておいてもよい。これらの記録媒体は、制御手段に含まれる記憶手段であってよい。
更に、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムを、上記の記録媒体に記録する場合には、必要に応じて、コンピュータシステムが有する記録媒体読取装置を通じて、これを直接又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータなど)に本発明の立体造形物製造用吐出プログラムを記録しておいてもよい。この場合、外部記憶領域に記録された本発明の立体造形物製造用吐出プログラムは、必要に応じて、外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。
なお、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムは、複数の記録媒体に、任意の処理毎に分割されて記録されていてもよい。
<立体造形物製造装置>
本発明の立体造形物製造装置は、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムを搭載する。
本発明の立体造形物製造装置は、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムを搭載している以外は特に制限はなく、その他のプログラムなどを搭載することができる。
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムを記録してなる。
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
また、本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体であってもよい。
本発明の立体造形物製造用吐出プログラムによる処理は、本発明の立体造形物製造装置を構成する制御手段を有するコンピュータを用いて実行することができる。
コンピュータとしては、記憶、演算、制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
ここで、立体造形物製造装置の制御手段の概要について、図2を参照して説明する。図2は立体造形物製造装置の制御手段のブロック図である。
制御手段500は、立体造形物製造装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明の立体造形物製造用吐出プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御手段500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御手段500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他の装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
更に、制御手段500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)を造形層ごとにスライスしたスライスデータである造形データ(断面データ)を作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御手段500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備える。
また、制御手段500は、造形ユニット20の第1ヘッド11を駆動制御するヘッド駆動制御部508と、第2ヘッド12を駆動制御するヘッド駆動制御部509を備えている。
更に、制御手段500は、造形ユニット20をX方向に移動させるユニットX方向移動機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット20をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備える。
制御手段500は、ステージ14を昇降手段15とともにX方向に移動させるステージX方向走査機構553を構成するモータを駆動するモータ駆動部513と、ステージ14をZ方向に昇降させる昇降手段15を構成するモータを駆動するモータ駆動部514を備える。なお、Z方向への昇降は、前述したように造形ユニット20を昇降させる構成とすることもできる。
制御手段500は、平坦化ローラ16を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516、第1ヘッド11、第2ヘッド12のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備える。
制御手段500は、UV照射ユニット13による紫外線照射を制御する硬化制御部519を備える。
制御手段500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御手段500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御手段500は、上述したように、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の内の造形物17を形成するデータ(造形領域のデータ)である。
制御手段500は、造形層30を形成した後、平坦化ローラ16のZ方向位置(高さ)を変えないで、もう一度同じ高さで補修用造形材料を吐出及び平坦化する制御を行う。これにより、理想的な平坦化面と造形層端部の丸みとの差分を確実に埋めることができ、立体造形物のエッジ品質を向上させることができる。
主制御部500Aは、造形データ(造形領域データ)にサポート材を付与するサポート領域のデータを付加したデータを作成し、ヘッド駆動制御部508、509に与える。ヘッド駆動制御部508、509は、それぞれ、第1ヘッド11からモデル材301の液滴を造形領域に吐出させ、第2ヘッド12から液状のサポート材302の液滴をサポート領域に吐出させる。
なお、造形データ作成装置600と立体造形物製造装置10によって造形装置が構成される。
次に、本発明の立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順を示す。図4Eは、立体造形物製造装置10の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理手順を示すフローチャートである。この図4Eのフローチャートの詳細な説明は、以下の実施例1において詳細に説明する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下に示す実施例及び比較例においては、簡略化のため、Y方向(副走査方向、ノズル列に対して平行方向)に対する造形ユニットの動きを省略した。なお、造形エリアが造形ユニットの第1及び第2のヘッドの移動幅より大きい場合には、適宜Y方向への移動を行う。
以下の実施例及び比較例においては、「造形材料」を「モデル材」、「造形層」を「モデル層」、「補修用造形材料」を「補修用モデル材」、「補修造形層」を「補修モデル層」として説明する。
(比較例1)
図3Aに示す比較例1の立体造形物製造装置10は、ステージ14上を往復移動可能な造形ユニット20を有する。
造形ユニット20は、吐出手段としての第1ヘッド11、第2ヘッド12、照射手段としてのUV照射ユニット13、及び平坦化手段としての平坦化ローラ16を備えている。
比較例1では、以下のようにして、モデル層を1層形成するごとに造形ユニット20を上昇させて、立体造形物を製造する。
まず、図3Aに示すように、往路において、ステージ14上に造形ユニット20の第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層1を形成する。
次に、図3Bに示すように、復路において、モデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層2を形成する。
次に、図3Cに示すように、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇し、次の往路の造形処理を行う。これ以降、同様の操作を所定回数繰り返すことにより、立体造形物が得られる。
図3Dは、比較例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図3Aから図3Cを参照して、比較例1の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS1では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、繰返回数を入力すると、処理をS2に移行する。
ステップS2では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、k=0を入力すると、処理をS3に移行する。
ステップS3では、立体造形物製造装置10が、往路においてステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成すると、処理をS4に移行する。
ステップS4では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS5に移行する。
ステップS5では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS6に移行する。
ステップS6では、k+1=kとすると、処理をS7に移行する。
ステップS7では、kが繰返回数よりも小さいと処理をS3に移行し、kが繰返回数以上となると、本処理を終了する。
比較例1により得られた立体造形物は、エッジ角Rが大きく、エッジ品質が悪い。これは、モデル層端部に生じた丸みが、モデル層が積層するにつれ積算され、立体造形物のエッジ品質が悪化する。これは、平坦化ローラ下端部が通過する理想的な平坦化面に対してn層目のモデル層端部の丸みの差分がある状態で、n+1層目のモデル層を積層すると、n層目の丸みの差分にn+1層目のモデル層端部が落下し(=流れ落ち)、n+1層目のモデル層端部の丸みが更に増加するからである。
また、比較例1の立体造形方法では、液滴の着弾位置ばらつきに対し、造形物最表面の着弾領域の広さに余裕がない。このため、造形物最表面に着弾できなかった液滴が造形物側面又は底部に着弾してしまい、立体造形物の側面又は底面にトゲ状乃至ウロコ状の異常が発生する可能性がある。
(実施例1)
図4Aに示す実施例1の立体造形物の製造装置10は、図3Aの比較例1の立体造形物の製造装置10と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
実施例1では、以下のようにして、モデル層の1層ごとに補修用モデル材を復路で吐出し、補修モデル層を形成する。補修モデル層の形成はモデル層の1層ごとでなく、モデル層の2層ごとや3層ごとであっても構わない。
まず、図4Aに示すように、往路において、ステージ14上に造形ユニット20の第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層1を形成する。
次に、図4Bに示すように、復路において、モデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層2を形成する。
次に、往路において、何も吐出しないで空スキャンを行う。
次に、図4Cに示すように、復路において、モデル層2上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、補修モデル層2aを形成する。
次に、図4Dに示すように、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇し、次の往路の造形処理を行う。これ以降、同様の操作を所定回数繰り返すことにより、立体造形物が得られる。
図4Eは、実施例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図4Aから図4Dを参照して、実施例1の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS11では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、繰返回数を入力すると、処理をS12に移行する。
ステップS12では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、k=0を入力すると、処理をS13に移行する。
ステップS13では、立体造形物製造装置10が、往路においてステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成すると、処理をS14に移行する。
ステップS14では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS15に移行する。
ステップS15では、立体造形物製造装置10が、往路において空スキャンを行うと、処理をS16に移行する。
ステップS16では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層2上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて補修モデル層2aを形成すると、処理をS17に移行する。
ステップS17では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS18に移行する。
ステップS18では、k+1=kとすると、処理をS19に移行する。
ステップS19では、kが繰返回数よりも小さいと処理をS13に移行し、kが繰返回数以上となると、本処理を終了する。
実施例1によると、モデル層の1層ごとに補修用モデル材を復路で吐出し、補修モデル層を形成することにより、比較例1に比べて、エッジ角Rが小さくなり、エッジ品質が向上した立体造形物が得られる。
(実施例2)
図5Aに示す実施例2の立体造形物の製造装置10は、図3Aの比較例1の立体造形物の製造装置10と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
実施例2では、以下のようにして、モデル層の1層ごとに、補修用モデル材を往路で吐出し、硬化させないで未硬化の補修モデル層を形成し、復路で未硬化の補修モデル層を平坦化し、硬化する。補修モデル層の形成はモデル層の1層ごとでなく、モデル層の2層ごとや3層ごとであっても構わない。
まず、図5Aに示すように、往路において、ステージ14上に造形ユニット20の第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層1を形成する。
次に、図5Bに示すように、復路において、モデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層2を形成する。
次に、図5Cに示すように、往路において、モデル層2上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、硬化させないで、未硬化の補修モデル層2bを形成する。
次に、図5Dに示すように、復路において、未硬化の補修モデル層2bを平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、補修モデル層2aを形成する。
次に、図5Eに示すように、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇し、次の往路の造形処理を行う。これ以降、同様の操作を所定回数繰り返すことにより、立体造形物が得られる。
図5Fは、実施例2の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図5Aから図5Eを参照して、実施例2の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS21では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、繰返回数を入力すると、処理をS22に移行する。
ステップS22では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、k=0を入力すると、処理をS23に移行する。
ステップS23では、立体造形物製造装置10が、往路においてステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成すると、処理をS24に移行する。
ステップS24では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS25に移行する。
ステップS25では、立体造形物製造装置10が、往路においてモデル層2上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、硬化させないで未硬化の補修モデル層2bを形成すると、処理をS26に移行する。
ステップS26では、立体造形物製造装置10が、復路において未硬化の補修モデル層2bを平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて補修モデル層2aを形成すると、処理をS27に移行する。
ステップS27では、立体造形物製造装置10の造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS28に移行する。
ステップS28では、k+1=kとすると、処理をS29に移行する。
ステップS29では、kが繰返回数よりも小さいと処理をS23に移行し、kが繰返回数以上となると、本処理を終了する。
実施例2は、往路で補修用モデル材を吐出し、硬化させないで、復路で平坦化し、硬化することにより、往路での補修用モデル材の濡れ広がりを促進でき、X、Y方向の寸法が増大するので、造形物最表面の着弾領域に余裕が生まれ、液滴が造形物最表面に着弾する確度を上げることができる。その結果、造形物側面や側面底部におけるトゲ状乃至ウロコ状の異常の程度を低減することができる。
(実験例)
下記のモデル材(補修用モデル材)を用いて、比較例1、実施例1、及び実施例2の方法により、25mm×12mm×10mmの大きさの直方体の立体造形物を作製し、以下のようにして、エッジ品質を評価した。
−モデル材(補修用モデル材)−
・イソボルニルアクリレート(共栄社化学株式会社製):60質量部
・アクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ株式会社製):10質量部
・ウレタンアクリレート(商品名:UV-1700B、日本合成化学工業株式会社製、重量平均分子量:2,000):30質量部
・光重合開始剤(商品名:イルガキュア819、BASF社製):2質量部
<エッジ品質評価>
図7に示すように、図7の左端の補修モデル層なし(比較例1)よりも、図7の中央の補修モデル層あり(実施例1)の方が、目視でエッジのシャープさを確認できる。
図7の右端(実施例2)は、補修用モデル材を往路で吐出し、硬化させないで、復路で平坦化し、硬化したものであり、実施例2のエッジ品質は、図7の左端(比較例1)と同レベルであるが、図8に示すように、実施例2は、比較例1及び実施例1に比べて、立体造形物の側面においてトゲ状乃至ウロコ状の異常が少ないという優れた効果が得られることがわかった。
図9は、図7の実施例1、実施例2、及び比較例1の3つの立体造形物について、三次元測定機(株式会社キーエンス製、VK−X1000)を用い、各エッジのプロファイルを取得し、仮想的な円をエッジのプロファイルにフィッティングし、該仮想円の半径Rを求め、エッジ角Rとした。なお、図9中のX、Yは、図6に示したように、立体造形物における「Xエッジ」と「Yエッジ」の位置を示す。「Xエッジ」については「Front:F」と「Rear:B」と「ALL」、「Yエッジ」については「Right:R」と「Left:L」と「ALL」をそれぞれ評価した。
「Front:F」とは「Xエッジ」における手前側のエッジ、即ち図7における1−4エッジであり、「Rear:B」とは「Xエッジ」における奥側のエッジ、即ち図7における2−3エッジであり、「ALL」は「Front:F」と「Rear:B」の平均値である。
「Right:R」とは「Yエッジ」における右側のエッジ、即ち図7における3−4エッジであり、「Left:L」とは「Yエッジ」における左側のエッジ、即ち図7における1−2エッジであり、「ALL」は「Front:F」と「Rear:B」の平均値である。
図9の結果から、実施例1における立体造形物のエッジ角Rは、比較例1における立体造形物のエッジ角Rより小さく、確かにエッジ品質が向上していることが確認できた。
実施例2は「Xエッジ」については比較例1より小さくなっているが、「Yエッジ」については比較例1と同レベルであった。
(実施例3)
図10Aに示す実施例3の立体造形物の製造装置10は、図7Aの比較例1の立体造形物の製造装置10と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
実施例3では、以下のようにして、モデル層の1層ごとに、補修用モデル材を復路で吐出し、補修モデル層を形成する。補修モデル層の形成はモデル層の1層ごとでなく、モデル層の2層ごとや3層ごとであっても構わない。なお、往路においてモデル層の硬化を行わない。このため、未硬化のモデル層がダレることでエッジ品質が低下するおそれがあるが、復路において、補修モデル層を設けることにより、エッジ品質を向上させることができる。
まず、図10Aに示すように、往路において、ステージ14上に造形ユニット20の第1ヘッド11からモデル材を吐出し、硬化しないで、未硬化のモデル層1aを形成する。
次に、図10Bに示すように、復路において、未硬化のモデル層1a上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層2を形成する。
次に、往路において、何も吐出しないで空スキャンを行う。
次に、図10Cに示すように、復路において、モデル層2上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、補修モデル層2aを形成する。
次に、図10Dに示すように、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇し、次の往路の造形処理を行う。これ以降、同様の操作を所定回数繰り返すことにより、立体造形物が得られる。
図10Eは、実施例3の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図10Aから図10Dを参照して、実施例3の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS31では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、繰返回数を入力すると、処理をS32に移行する。
ステップS32では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、k=0を入力すると、処理をS33に移行する。
ステップS33では、立体造形物製造装置10が、往路においてステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、硬化しないで未硬化のモデル層1aを形成すると、処理をS34に移行する。
ステップS34では、立体造形物製造装置10が、復路において未硬化のモデル層1a上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS35に移行する。
ステップS35では、立体造形物製造装置10が、往路において空スキャンを行うと、処理をS36に移行する。
ステップS36では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層2上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて補修モデル層2aを形成すると、処理をS37に移行する。
ステップS37では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS38に移行する。
ステップS38では、k+1=kとすると、処理をS39に移行する。
ステップS39では、kが繰返回数よりも小さいと処理をS33に移行し、kが繰返回数以上となると、本処理を終了する。
実施例2では、モデル層は往路で吐出し硬化させているため、後続の復路で平坦化ローラが造形物に衝突するリスクがある。造形物への平坦化ローラの衝突は、造形物の寸法精度や表面の波うちなど、造形品質に対し様々な影響を与える。
そこで、実施例3では、往路でモデル層を硬化させていないので、復路での平坦化ローラの造形物への衝突リスクを低減できる。また、造形物最表面の着弾領域に余裕を持たせることにより、吐出された液滴が最表面に着弾しない確率が下がり、造形物側面や側面底部におけるトゲ状乃至ウロコ状の異常の程度が低減する。
(比較例2)
同一スキャンでモデル材とサポート材を吐出する場合、モデル材とサポート材が混和し、造形物表面の品質が悪化する。このため、モデル材とサポート材とは互いに異なるスキャンで吐出し、硬化する必要がある。
比較例2は、モデル層の2層とサポート層の1層からなる積層単位(「スライスレイヤ」)を1つ形成するごとに造形ユニット20をZ方向に上昇させて、立体造形物を製造する。
図11Aに示す比較例2の立体造形物の製造装置10は、図3Aの比較例1の立体造形物の製造装置10と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
まず、図11Aに示すように、往路において、ステージ14上に造形ユニット20の第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層1を形成する。
次に、図11Bに示すように、復路において、モデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層2を形成する。
次に、図11Cに示すように、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇する。この状態で、往路において、モデル層2上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層3を形成する。
次に、図11Dに示すように、復路において、モデル層3上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層4を形成する。
次に、図11Eに示すように、往路において、ステージ14上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S1を形成する。
次に、図11Fに示すように、復路において、サポート層S1上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S2を形成する。
次に、図示を省略しているが、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇し、次の往路の造形処理を行う。これ以降、同様の操作を所定回数繰り返すことにより、立体造形物が得られる。
図11Gは、比較例2の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図11Aから図11Fを参照して、比較例2の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS41では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、繰返回数を入力すると、処理をS42に移行する。
ステップS42では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、k=0を入力すると、処理をS43に移行する。
ステップS43では、立体造形物製造装置10が、往路においてステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成すると、処理をS44に移行する。
ステップS44では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS45に移行する。
ステップS45では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS46に移行する。
ステップS46では、立体造形物製造装置10が、往路において、モデル層2上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層3を形成すると、処理をS47に移行する。
ステップS47では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層3上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層4を形成すると、処理をS48に移行する。
ステップS48では、立体造形物製造装置10が、往路において、ステージ14上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S1を形成すると、処理をS49に移行する。
ステップS49では、立体造形物製造装置10が、復路において、サポート層S1上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S2を形成すると、処理をS50に移行する。
ステップS50では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS51に移行する。
ステップS51では、k+1=kとすると、処理をS52に移行する。
ステップS52では、kが繰返回数よりも小さいと処理をS43に移行し、kが繰返回数以上となると、本処理を終了する。
比較例2では、同一レイヤにモデル領域とサポート領域が存在する場合には、モデル材とサポート材の混和を防ぐため、モデル材とサポート材を異なるスキャンで吐出しなければならない。このため、モデル材とサポート材を同時にスキャンする場合に比べて、造形時間は最大1.5倍に増大する。一方、補修用モデル材専用のスキャンを採用すると、更に造形時間が長時間化するという課題がある。
(実施例4)
実施例4は、比較例2において、補修用モデル材とサポート材とを同一スキャンで吐出する以外は、比較例2と同様であるため、共通する説明については省略する。具体的には、図12Aから図12Eは、比較例2の図11Aから図11Eと同じであるため、その説明を省略する。
次に、図12Fに示すように、復路において、サポート層S1上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、平坦化ローラにより平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S2を形成する。続いて同一スキャンで、モデル層4上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、補修モデル層4aを形成する。
次に、図示を省略しているが、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇し、次の往路の造形処理を行う。これ以降、同様の操作を所定回数繰り返すことにより、立体造形物が得られる。
図12Gは、実施例4の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用吐出プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図12Aから図12Fを参照して、実施例4の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS61では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、繰返回数を入力すると、処理をS62に移行する。
ステップS62では、使用者が、立体造形物製造装置10に対して、k=0を入力すると、処理をS63に移行する。
ステップS63では、立体造形物製造装置10が、往路においてステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成すると、処理をS64に移行する。
ステップS64では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS65に移行する。
ステップS65では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS66に移行する。
ステップS66では、立体造形物製造装置10が、往路において、モデル層2上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層3を形成すると、処理をS67に移行する。
ステップS67では、立体造形物製造装置10が、復路においてモデル層3上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層4を形成すると、処理をS68に移行する。
ステップS68では、立体造形物製造装置10が、往路において、ステージ14上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S1を形成すると、処理をS69に移行する。
ステップS69では、立体造形物製造装置10が、復路において、サポート層S1上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、サポート層S2を形成する。続いて、モデル層4上に第1ヘッド11から補修用モデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、補修モデル層4aを形成すると、処理をS70に移行する。
ステップS70では、造形ユニット20がZ方向に所定量上昇すると、処理をS71に移行する。
ステップS71では、k+1=kとすると、処理をS72に移行する。
ステップS72では、kが繰返回数よりも小さいと処理をS73に移行し、kが繰返回数以上となると、本処理を終了する。
実施例4によると、補修用モデル材とサポート材とを同一スキャンで吐出し、サポート層と補修モデル層を一緒に形成することにより、比較例2に比べて造形時間の増加を防止でき、生産効率を向上させることができる。
(実施例5)
実施例4では、補修用モデル材とサポート材を同一スキャンで吐出して造形を行う。補修用モデル材は、すでに所定の厚みに形成されたモデル層上に吐出して造形する。このため、サポート層と隣接して形成される界面の面積は僅かであるとはいえ、補修用モデル材とサポート材が混和すると、造形物表面のヒビ割れや粗さなどが生じ、造形物表面の品質が悪化しておそれがある。
一方、補修用モデル材を吐出した未硬化の補修モデル層は、該未硬化の補修モデル層の大部分が平坦化ローラで掻き取られてしまうため、補修用モデル材の使用効率が低いという問題がある。
そこで、実施例5では、補修用モデル材とサポート材を同一スキャンで吐出する場合には、以下の(i)及び(ii)の制御を行う。
(i)サポート材と補修用モデル材の界面は所定間隔離間させて吐出する(サポート材と補修用モデル材とを非接触状態とする)。
(ii)モデル層のエッジ領域にのみ補修用モデル材を吐出する。
例えば、エッジ領域において、X、Y方向に20ピクセル分だけ補修用モデル材を吐出する場合、図13の(3)に示すようになる。これと同時に、サポート材と補修用モデル材の所定間隔離間の設定を導入すると、上記(i)と(ii)の条件が競合する場合がある。
その場合には、図13の(9)に示すように、上記(i)の条件を優先する。即ち、サポート材と補修用モデル材とが混和し、造形物表面の品質が悪化しないようにする。
これにより、サポート領域と隣接するモデル領域には補修用モデル材は形成されなくなるが、サポート領域が隣接している場合には、造形物のエッジ品質は、モデル材単独の場合ほど悪くはないため、問題はない。
なお、図13の(4)から(8)に示す場合にも、上記(i)と(ii)の条件が競合するが、上記(i)の条件を優先する。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 造形材料を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段により吐出された前記造形材料を硬化させるための硬化手段と、
前記吐出手段及び前記硬化手段により所定の厚みに造形された造形層に対して、前記吐出手段が更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とする立体造形物製造装置である。
<2> 前記制御手段が、前記吐出手段及び前記硬化手段により前記所定の厚みに造形された造形層の一部の領域に対して、前記吐出手段から前記補修用造形材料を吐出させる、前記<1>に記載の立体造形物製造装置である。
<3> 前記造形層の一部の領域がモデル層のエッジ領域である、前記<2>に記載の立体造形物製造装置である。
<4> 前記制御手段が、前記吐出手段及び前記硬化手段により前記所定の厚みに造形された、前記造形材料による造形層毎に前記造形層に対して、前記吐出手段から前記補修用造形材料を吐出させる、前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<5> 前記制御手段が、前記吐出手段及び前記硬化手段により前記所定の厚みに造形された、前記造形材料による前記造形層により形成された造形物に対して、前記吐出手段から前記補修用造形材料を吐出させる、前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<6> 前記造形材料がモデル材である、前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<7> 前記造形層の一部の領域が、前記造形層とサポート層との界面に隣接する領域を含まない、前記<2>から<6>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<8> 前記吐出手段が、主走査方向に往復動し、
前記制御手段が、前記吐出手段の往動時及び復動時の少なくともいずれかにおいて前記制御を行う、前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<9> 所定の厚みに造形された、造形材料による造形層に対して、更に補修用造形材料を吐出する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用吐出プログラムである。
<10> 前記<9>に記載の立体造形物製造用吐出プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物製造装置である。
<11> 造形材料を吐出する吐出工程と、
前記吐出工程において吐出された前記造形材料を硬化させる硬化工程とを含み、
前記吐出工程及び硬化工程を複数回繰り返すことにより立体造形物を製造する方法において、
少なくとも1回の前記硬化工程の後、前記吐出工程及び前記硬化工程において所定の厚みに造形された造形層に対して、補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する補修工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<8>及び<10>のいずれかに記載の立体造形物製造装置、前記<9>に記載の立体造形物製造用吐出プログラム、及び前記<11>に記載の立体造形物の製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 立体造形物製造装置
11 第1ヘッド
12 第2ヘッド
13 UV照射ユニット
14 ステージ
16 平坦化ローラ
20 造形ユニット
30 造形層
特開2016−087832号公報

Claims (11)

  1. 造形材料を吐出する吐出手段と、
    前記吐出手段により吐出された前記造形材料を硬化させるための硬化手段と、
    前記吐出手段及び前記硬化手段により所定の厚みに造形された造形層に対して、前記吐出手段が更に補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する制御を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする立体造形物製造装置。
  2. 前記制御手段が、前記吐出手段及び前記硬化手段により前記所定の厚みに造形された造形層の一部の領域に対して、前記吐出手段から前記補修用造形材料を吐出させる、請求項1に記載の立体造形物製造装置。
  3. 前記造形層の一部の領域がモデル層のエッジ領域である、請求項2に記載の立体造形物製造装置。
  4. 前記制御手段が、前記吐出手段及び前記硬化手段により前記所定の厚みに造形された、前記造形材料による造形層毎に前記造形層に対して、前記吐出手段から前記補修用造形材料を吐出させる、請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  5. 前記制御手段が、前記吐出手段及び前記硬化手段により前記所定の厚みに造形された、前記造形材料による前記造形層により形成された造形物に対して、前記吐出手段から前記補修用造形材料を吐出させる、請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  6. 前記造形材料がモデル材である、請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  7. 前記造形層の一部の領域が、前記造形層とサポート層との界面領域を含まない、請求項2から6のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  8. 前記吐出手段が、主走査方向に往復動し、
    前記制御手段が、前記吐出手段の往動時及び復動時の少なくともいずれかにおいて前記制御を行う、請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  9. 所定の厚みに造形された、造形材料による造形層に対して、更に補修用造形材料を吐出する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用吐出プログラム。
  10. 請求項9に記載の立体造形物製造用吐出プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物製造装置。
  11. 造形材料を吐出する吐出工程と、
    前記吐出工程において吐出された前記造形材料を硬化させる硬化工程と、を含み、
    前記吐出工程及び硬化工程を複数回繰り返すことにより立体造形物を製造する方法において、
    少なくとも1回の前記硬化工程の後、前記吐出工程及び前記硬化工程において所定の厚みに造形された造形層に対して、補修用造形材料を吐出し、平坦化手段により前記所定の厚みに平坦化する補修工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。

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