JP2015208904A - 三次元造形装置 - Google Patents

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邦章 柏倉
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太弥 宗仲
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Abstract

【課題】造形される三次元造形物の解像度を高くすることが可能な三次元造形装置を提供する。
【解決手段】三次元造形装置100は、造形ステージ140に対して相対的に第1走査方向及び第2走査方向に走査するヘッドユニット120と、ヘッドユニット120に配置され、造形ステージ140に向けて光硬化性のモデル材を吐出する第1吐出ヘッド121と、ヘッドユニット120に配置され、造形ステージ140に向けて光硬化性のサポート材を吐出する第2吐出ヘッド122と、第1および第2走査方向において第1吐出ヘッド121と第2吐出ヘッド122との間に配置され、第1吐出ヘッド121により吐出されたモデル材、および、第2吐出ヘッド122により吐出されたサポート材に光を照射することによって当該モデル材およびサポート材を硬化させる光源125とを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、三次元造形装置に関する。
三次元の立体物(以下「三次元造形物」)を造形する技術として、ラピッド・プロトタイピング(RP:Rapid Prototyping)と呼ばれる技術が知られている。この技術は、1つの三次元造形物の表面を3角形の集まりとして記述したデータ(STL(Standard Triangulated Language)フォーマットのデータ)により、積層方向について薄く切った断面形状を計算し、その形状に従って各層を形成して三次元造形物を造形する技術である。また、三次元造形物を造形する手法としては、溶融物堆積方式(FDM:Fused Deposition Molding)、インクジェット方式、インクジェットバインダ方式、光造形方式(SL:Stereo Lithography)、粉末焼結方式(SLS:Selective Laser Sintering)などが知られている。
インクジェット方式による三次元造形方法としては、例えば、造形ステージに対してインクジェットヘッドから選択的に、造形物となるモデル材として、例えば光硬化性樹脂を吐出する工程、その表面を平滑化する工程、および当該モデル材を硬化させる工程(光硬化性樹脂の場合は光源による光照射工程)によって1層分の造形材層(硬化層)を形成し、この造形材層を複数積層して三次元造形物を造形する技術が提供されている。このような方式によれば、造形対象物の三次元形状に基づいてモデル材を微小な液滴(液滴径:数十[μm])として吐出することにより高精細な造形材層が形成されるため、これを積層することにより高精細な三次元造形物を造形することができる。また、インクジェットヘッドとして、複数の吐出ノズルが配列され副走査を不要とする長さを有するインクジェットヘッド(いわゆるラインヘッド)を使用することによって、大きな三次元造形物であっても比較的短時間で造形できるように工夫がされている。
また、上記三次元造形方法では、造形ステージに対して、三次元造形物の造形中にモデル材を支持するためのサポート材を供給する。サポート材は、例えば造形対象物がオーバーハングする部分(張り出し部分)を有している場合に、モデル材の外周や内周に設けられ、三次元造形物の造形が完了するまでオーバーハング部分を支持する。サポート材は、三次元造形物の造形が完了した後に除去される。
近年、三次元造形物を高精細に造形すること、具体的には600[dpi](1インチ当たり600[ドット]、約42[μm]ピッチ)以上の解像度で造形することが求められている。三次元造形物の積層方向の高解像度化は、造形ステージの降下量あるいはインクジェットヘッドの上昇量(送りピッチ)を小さくしていくことで対応することができる。また、主走査方向(吐出ノズルの配列方向に直交する方向)の高解像度化は、インクジェットヘッドに印加する電圧の周波数(吐出周波数)を高くする、または造形ステージやインクジェットヘッドの走査速度を小さくすることで対応することができる。
また、副走査方向(吐出ノズルの配列方向に平行な方向)の高解像度化は、インクジェットヘッドのノズル解像度を大きくする、すなわちノズルピッチを小さくすることで対応することができる。しかしながら、インクジェットヘッドのノズル解像度を大きくするには限度があり、現在使用されているものはせいぜい100[dpi](1インチ当たり100個のノズル、約0.25[mm]ピッチ)程度である。このため、主走査方向に走査しながらモデル材を吐出する第1動作の終了後に、モデル材の吐出中心位置が重ならないようにノズルピッチ以下で副走査方向に走査する第2動作を行い(つまり、吐出位置をノズル間位置にずらし)、この第1動作および第2動作を繰り返すことによって副走査方向の解像度を高くすることが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
なお、三次元造形装置に関する技術として、1層分の造形材層を形成する時間、ひいては三次元造形物の造形時間を短縮するために、インクジェットヘッドを主走査方向に往復走査させ、往動時と復動時の両動作時にモデル材を吐出させる技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、インクジェットヘッドの目詰まりを防止するとともに、たれ等のない寸法精度に優れた三次元造形物を得るため、インクジェットヘッドから吐出された光硬化性樹脂液滴の飛翔中に当該光硬化性樹脂液滴に光を照射して部分的に硬化させる技術が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2004−130817号公報 特開2004−291625号公報 特開平2−307731号公報 特開2000−309703号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術のように、第1動作および第2動作を繰り返すことによって副走査方向の解像度を高くしようとしても、解像度の数値が示すような高解像度化には程遠い。例えば600[dpi]の解像度で造形する場合、1[ドット]当たり約42[μm]であるため、数値上は造形対象物の溝を数十[μm]で再現できるはずであるが、実際には数百[μm]程度でしか再現できない。これは、インクジェットヘッドにより吐出された液滴の着弾から光源による光の照射までの時間が長くなり液滴の接触角が変化するため、液滴の形状を保持しておくことができない、すなわち液滴の形状が崩れてしまうからである。図1は、25[℃]での表面張力が30[mN/m]の液滴が着弾した瞬間からの液滴の接触角の時間変化を示す図である。図2Aは、着弾直後(図1の点A)における液滴の状態を示す模式図である。図2Bは、着弾してから10秒後(図1の点B)における液滴の状態を示す模式図である。ここで、接触角とは、液滴が固体表面(造形ステージ表面)と接触した部分の固体表面との間の角度であり、いわゆる濡れ性を表した指標である。接触角は、液体(液滴)と固体表面の物性や固体表面の粗さに依存する値である。
図1に示すように、着弾直後(点A)の接触角は92[°]と比較的大きい値であるが、時間の経過とともに値が低下し、10秒後(点B)には80[°]まで低下している。接触角の低下とともに液滴径φは大きくなり(点Aにおける液滴径:φ<点Bにおける液滴径:φ)、液滴高さLは小さくなる(点Aにおける液滴高さ:L>点Bにおける液滴高さ:L)。液滴径φが大きくなると、造形される三次元造形物の主走査方向および副走査方向における精度、特に細かい部分の再現性(解像度)が低下する。また、液滴高さLが小さくなると、三次元造形物の積層方向における解像度が低下する。液滴の接触角が時間の経過とともに変化する現象は、吐出面となる液滴(モデル材)そのものの表面張力に依存し、表面張力が小さいほど液滴の形状が崩れる速度が速くなる。つまり、モデル材の表面張力を大きくすることでこの現象は改善できる。しかし、モデル材の表面張力を大きくすると、インクジェットヘッドで微小な液滴を吐出できなくなる。また、着弾後の隣接する液滴同士が合体してしまう現象(いわゆる液寄り現象)が発生し、造形材層の表面(造形面)を平面状に形成できず、むらのある造形面になってしまう。
吐出された液滴の形状が時間の経過とともに崩れる問題は、三次元造形装置の低コスト化のために、モデル材を硬化させるための光源を例えば主走査方向におけるインクジェットヘッドの片側にのみ配置した場合に顕著となる。図3は、モデル材として光硬化性樹脂を用いて造形を行うためのヘッドユニット1であって、光源を1つだけ備える場合の構成を概略的に示す図である。図3に示すように、ヘッドユニット1は図中左側から、モデル材の液滴を選択的に吐出するインクジェットヘッド3、サポート材の液滴を選択的に吐出するインクジェットヘッド4、インクジェットヘッド3,4により吐出された液滴表面7の凹凸を平滑化する均しローラー5および、造形ステージ8に向けて吐出されたモデル材およびサポート材の液滴に光を照射して硬化させる光源6(例えば、高圧水銀ランプ)を筐体2の内部に備える。
ヘッドユニット1は、主走査方向または副走査方向に走査しながら、モデル材および必要に応じてサポート材の液滴を各インクジェットヘッド3,4から所定の位置に吐出し、光源6の光照射によって硬化させる前に均しローラー5を当接させ液滴表面7の高さを均一にするとともに平滑に均していく。造形動作中、光源6は常時点灯しており、造形ステージ8上の造形材(モデル材、サポート材)に向けて継続的にエネルギーを付与する。これにより、吐出された液滴を光照射されて硬化する。1層分の造形材層の形成が終了した時点で、造形ステージ8が積層ピッチだけ鉛直方向下方に移動し、次の造形材層の造形が継続される。図4を参照し、例えば、主走査方向に走査しながらモデル材を吐出する第1動作を2往復(計4回)行うことによって1層分の造形材料層を形成する場合について説明する。
図4は、造形ステージ8上に1層分の造形材層を形成する場合のヘッドユニット1の動作を説明する図である。図4Aは、ヘッドユニット1が1回目の第1動作を行う前の状態、すなわち主走査方向における走査の起点となる基準位置に位置している状態を示している。図4Bは、1回目の第1動作および第2動作(モデル材の吐出中心位置が重ならないようにノズルピッチ以下で副走査方向に走査する)を行った後の状態を示している。図4Cは、ヘッドユニット1が2回目の第1動作および第2動作を行った後の状態を示している。図4Dは、ヘッドユニット1が3回目の第1動作および第2動作を行った後の状態を示している。図4Eは、ヘッドユニット1が4回目の第1動作を行った後の状態を示している。図4B〜図4Eにおいて、造形ステージ8上の太線は、ヘッドユニット1が第1動作を行った際に、インクジェットヘッド3により吐出されたモデル材の液滴を示している。以下、n回目の第1動作で、インクジェットヘッド3により吐出された液滴をそれぞれ「Line−n」と称する。
ヘッドユニット1が備えるインクジェットヘッド3は、複数の吐出ノズルが副走査方向に配列されたラインヘッドである。光源6は、最初の第1動作(図4Aを参照)の走査方向において、インクジェットヘッド3の前方に位置する。光源6は、造形ステージ8に向けて光10を照射する。ここでは、一例として、ノズル解像度が150[dpi](1インチ当たり150個のノズル、167[μm]ピッチ)のインクジェットヘッド3を用いて、副走査方向における解像度が600[dpi]の三次元造形物を造形する場合を想定している。この場合、600/150=4となるので、第2動作では、副走査方向にヘッドユニット1が、例えばインクジェットヘッド3のノズル解像度(167[μm])の1/4である42[μm]移動する。第1動作および第2動作を4回繰り返す(4回目の第2動作は基準位置への復帰動作)ことによって、副走査方向における解像度が600[dpi]である造形材層が形成される。
光源6による光の照射に着目すると、1回目の第1動作においては、光源6はインクジェットヘッド3よりも走査方向の前方に位置しているため、Line−1は、光源6による光10の照射を受けない。2回目の第1動作においては、光源6はインクジェットヘッド3よりも走査方向の後方に位置しているため、Line−1およびLine−2は、光源6による光10の照射を受ける。
同様に、3回目の第1動作においては、光源6はインクジェットヘッド3よりも走査方向の前方に位置しているため、Line−3は、光源6による光10の照射を受けない。4回目の第1動作においては、光源6はインクジェットヘッド3よりも走査方向の後方に位置しているため、Line−3およびLine−4は、光源6による光10の照射を受ける。
以上より、ヘッドユニット1を用いて1層分の造形材層を形成する場合、Line−1およびLine−3は、インクジェットヘッド3により液滴が吐出されてから光源6による光10の照射を受けるまでにタイムラグが生じる一方、Line−2およびLine−4は、インクジェットヘッド3により液滴が吐出された直後に光源6による光10の照射を受けて硬化する。例えば、1回目の第1動作および第2動作、2回目の第1動作および第2動作ともに5[秒]かかるとすると、Line−1のうちインクジェットヘッド3により最初に吐出された液滴が光源6による光10の照射を受けるまでに10[秒]かかることになる。したがって、Line−1およびLine−3を構成する各液滴は、光源6による光10の照射を受けるまでに形状が崩れてしまい、造形される三次元造形物の主走査方向、副走査方向および積層方向における解像度が低下する。
吐出された液滴の形状が時間の経過とともに崩れることを防止するため、主走査方向におけるインクジェットヘッドの両側に光源を配置したヘッドユニットとすることも考えられる。図5に、インクジェットヘッドの両側に光源を配置したヘッドユニットの一例を模式的に示す。図5に示すように、モデル材を用いて造形を行うためのヘッドユニット1は図中左側から、造形ステージ8に向けて吐出されたモデル材およびサポート材の液滴に光を照射して硬化させる光源9、モデル材の液滴を選択的に吐出するインクジェットヘッド3、サポート材の液滴を選択的に吐出するインクジェットヘッド4、インクジェットヘッド3,4により吐出された液滴表面7の凹凸を平滑化する均しローラー5および、造形ステージ8に向けて吐出されたモデル材およびサポート材の液滴に光を照射して硬化させる光源6を筐体2の内部に備える。このヘッドユニット1を用いて、図4に示すように造形ステージ8上に1層分の造形材層を形成する場合、Line−1およびLine−3を構成する各液滴は、着弾直後に光源9による光10の照射を受けて硬化し、Line−2およびLine−4を構成する各液滴は、着弾直後に光源6による光10の照射を受けて硬化する。よって、インクジェットヘッド3により吐出されたモデル材の液滴の形状が崩れることを防止することができ、造形される三次元造形物の解像度を高くすることができる。
しかしながら、インクジェットヘッド3,4の両側に配置された2つの光源6、9を有しているため、ヘッドユニット1が大きく重くなり、造形速度を大きくできなかったり、駆動のためのエネルギーが大きくなったりするという問題があった。また、光源6,9は常時点灯しているため、三次元造形物を造形する際における光源6,9の消費電力は大きくなるという問題があった。仮にインクジェットヘッド3によりモデル材の液滴(Line−1、Line−3)を吐出する際に光源6を消灯して光源9を点灯し、インクジェットヘッド3によりモデル材の液滴(Line−2、Line−4)を吐出する際に光源9を消灯して光源6を点灯するように制御した場合、光源6,9の消費電力は小さくなるものの、光源6,9は点灯と消灯とを多く繰り返す必要があり、光源6,9の寿命が極端に低下する。また、光源6,9に高圧水銀ランプあるいはメタルハライドランプを使用した場合には、点灯から安定した光量が得られるまでに数分かかるため、インクジェットヘッド3により吐出された液滴の着弾直後に光を照射しても当該液滴を十分に硬化させることができない。仮に光源6,9にLEDランプを使用した場合でも、上記した同様の課題(寿命、光量安定性)は発生し、また点灯から短い時間で安定した光量が得られるようにするためにはシステムの高コスト化を招いてしまう。
上記した一連の課題を解消するため、ゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材を使用して三次元造形物を造形することが行われている(例えば、特許文献4を参照)。例えば、常温(熱したり冷やしたりしない自然な温度)よりも高いゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材が使用される。ゾル−ゲル相転移温度とは、ゾル状態の液体の温度を下げていった場合に、当該液体の粘度の値が500[mPa・s]を超えたところの温度である。粘度の値が500[mPa・s]を超えると、大きさ数十[μm]の液滴は外力を加えない限り流動しない。すなわち、液滴は崩れず、当該液滴の形状を保持しておくことができる。
図6は、ゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材について粘度の温度依存性を示す図である。粘度の値は、レオメータMCR300(PaarPhysical社製)を用いて、剪断速度1000[1/s]の条件で測定した値である。図6において、L1は、ゾル−ゲル相転移温度を有しないモデル材について粘度の温度依存性を示している。L2は、常温よりも高いゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材について粘度の温度依存性を示している。
図6に示すように、ゾル−ゲル相転移温度を有しないモデル材(L1)は、温度を下げていくと粘度が線形に上昇していくが、10[℃]付近まで下げても500[mPa・s]を超えることはなく、ゾル状態からゲル状態に相転移しない。一方、常温よりも高いゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材(L2)は、およそ45[℃]付近で粘度の値が500[mPa・s]を超えて、ゾル状態からゲル状態に相転移する。
常温よりも高いゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材を使用する場合、インクジェットヘッド3を60[℃]に加熱することによって当該モデル材の液滴をゾル状態で吐出させることができ、吐出されて着弾した液滴は45[℃]以下まで瞬時に自然冷却されてゾル状態からゲル状態に相転移する。そのため、光源6,9による光の照射を受けて硬化反応が起こるまでにタイムラグが存在しても、液滴の形状が崩れることを防止することができ、造形される三次元造形物の解像度を高くすることができる。
しかしながら、ゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材を吐出するためにはインクジェットヘッド3を比較的高温に加熱する必要があり、その加熱によってモデル材の劣化が起こりやすい。特に、モデル材が光硬化性樹脂である場合、当該モデル材の劣化が起こりやすい。光硬化性樹脂は、主にモノマーと光重合開始剤で構成されており、光重合開始剤が紫外線光により励起されてラジカル化し、モノマーと反応する。そして、モノマーが連鎖的に反応を起こして高分子量化する。光重合開始剤は、紫外線光によって励起されるものであるが、熱によっても励起されて硬化反応が起こる可能性があり、加熱を継続すると粘度などの物性が変化してしまうおそれがある。また、モデル材を貯蔵するタンクからインクジェットヘッド3までの経路も加熱する必要があり、消費電力が非常に高くなり、また、その加熱手段を設けることによってシステムが高コスト化してしまう。
なお、特許文献2,3に記載の技術は、造形される三次元造形物の解像度を高くすることを目的としたものではなく、したがってそのための構成を有していない。特に、特許文献2には、光硬化性造形材をモデル材として吐出するヘッド30の移動方向前後に2つの紫外線照射機33、34を設け、マルチヘッドユニットが矢印A方向に移動するときは、造形物用インク噴射ヘッドユニット30、紫外線照射機34を用いて造形物35を形成し、マルチヘッドユニットが矢印B方向に移動するときは、造形物用インク噴射ヘッドユニット30、紫外線照射機33を用いて造形物35を形成することが記載されている。しかし、特許文献2に記載の技術では、上述した図5と同様に、光照射機を2台備えていることによってヘッドユニットの大型化の問題がある。また、マルチヘッドユニットの移動方向が変わる度に、紫外線照射機33,34は点灯と消灯とを繰り返すのであれば、紫外線照射機33,34の寿命が極端に低下するという問題があるし、仮に紫外線照射機33,34が常時点灯しているのであれば、消費電力や高コスト化の問題も生じる。
本発明の目的は、造形される三次元造形物の解像度を高くすることが可能な、エネルギー硬化性の造形材を用いる三次元造形装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、簡素な構成でありながら、造形材に対して安定してエネルギーを付与することができる三次元造形装置を提供することである。
本発明に係る三次元造形装置は、
造形ステージ上に造形材からなる造形材層を順に形成して積層することによって三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
前記造形ステージに対して相対的に第1走査方向及び前記第1走査方向と逆方向である第2走査方向に走査するキャリッジと、
前記キャリッジに配置され、前記造形ステージに向けてエネルギー硬化性の第1造形材を吐出する第1吐出部と、
前記キャリッジに配置され、前記造形ステージに向けてエネルギー硬化性の第2造形材を吐出する第2吐出部と、
前記キャリッジの、前記第1および第2走査方向において前記第1吐出部と前記第2吐出部との間に配置され、前記第1吐出部により吐出された前記第1造形材、および、前記第2吐出部により吐出された前記第2造形材にエネルギーを付与することによって当該第1造形材および当該第2造形材を硬化させる硬化部と、
前記キャリッジを前記第1走査方向に走査しながら、前記造形ステージに向けて前記第1吐出部から前記第1造形材を吐出させて前記硬化部によりエネルギーを付与し、前記キャリッジを前記第2走査方向に走査しながら、前記造形ステージに向けて前記第2吐出部から前記第2造形材を吐出させて前記硬化部によりエネルギーを付与するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡素な構成でありながら、造形材に対して安定してエネルギーを付与することができ、しかも、第1および第2吐出部から第1および第2造形材が吐出された後、当該第1および第2造形材に対してエネルギーが付与されるまでの時間が長くなることに起因して当該第1および第2造形材の形状が崩れることを防止することができ、ひいては、造形される三次元造形物の解像度を高くすることができる。
液滴が着弾した瞬間からの接触角の時間変化の一例を示す図である。 着弾直後、着弾してから10秒後における液滴の状態を示す模式図である。 光源を1つ備えるヘッドユニットの構成を示す図である。 造形ステージ上に1層分の造形材層を形成する場合のヘッドユニットの動作を説明する図である。 吐出ヘッドの両側に配置された2つの光源を有するヘッドユニットの構成を示す図である。 ゾル−ゲル相転移温度を有する造形材について粘度の温度依存性を示す図である。 本実施の形態における三次元造形装置の構成を概略的に示す図である。 本実施の形態における三次元造形装置の制御系の主要部を示す図である。 本実施の形態におけるヘッドユニットの構成を示す図である。 本実施の形態におけるヘッドユニットの動作を示す図である。 本実施の形態におけるヘッドユニットの構成の変形例を示す図である。 高速モードと高精細モードとの違いを説明する図である。 本実施の形態における三次元造形物の造形動作例を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図7は、本実施の形態における三次元造形装置100の構成を概略的に示す図である。図8は、本実施の形態における三次元造形装置100の制御系の主要部を示す図である。図7、8に示す三次元造形装置100は、造形ステージ140上に第1造形材であるモデル材と、三次元造形物200の造形動作中にモデル材に接してモデル材を支持及び/又は覆うための第2造形材であるサポート材とからなる造形材層を含む複数の造形材層を順に形成して積層することによって、三次元造形物200を造形する。サポート材は、例えば造形対象物がオーバーハングする部分(張り出し部分)を有している場合等に、モデル材の外周や内周に設けられ、三次元造形物200の造形が完了するまでオーバーハング部分(モデル材)を支持する。サポート材は、三次元造形物200の造形が完了した後に、ユーザーによって除去される。モデル材およびサポート材としては、光、熱、放射線等のエネルギーを付与することで硬化するエネルギー硬化性の材料が用いられる。光硬化性樹脂材料や熱硬化性樹脂材料などの、エネルギー硬化性の材料は比較的粘度が低く、後述するインクジェット方式の吐出ヘッドから吐出することで、精度の高い三次元造形物200を作製することができる。本実施の形態においては、モデル材およびサポート材として、光硬化性材料を用いるものとして説明する。なお、図7においては、理解を容易にするため、サポート材に相当する部分は破線で示してある。
三次元造形装置100は、各部の制御や3Dデータの取り扱いを行うための制御部110、制御部110の実行する制御プログラムを含む各種の情報を記憶する記憶部115、後述するモデル材を用いて造形を行うためのヘッドユニット120、ヘッドユニット120を移動させるための移動機構130、造形物が形成される造形ステージ140、各種情報を表示するための表示部145、外部機器との間で3Dデータ等の各種情報を送受信するためのデータ入力部150、および、ユーザーからの指示を受け付けるための操作部160を備える。三次元造形装置100には、造形対象物を設計するための、あるいは、三次元測定機を用いて実物を測定して得られた三次元情報に基づいて造形用のデータを生成するためのコンピューター装置155が接続される。
データ入力部150は、造形対象物の三次元形状を示す3Dデータ(CADデータやデザインデータなど)をコンピューター装置155から受け取り、制御部110に出力する。CADデータやデザインデータには、造形対象物の三次元形状だけに限らず、造形対象物の表面の一部または全面および内部におけるカラー画像情報が含まれている場合もある。なお、3Dデータを取得する方法は特に限定されず、有線通信や無線通信、Bluetooth(登録商標)などの短距離無線通信を利用して取得しても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体を利用して取得しても良い。また、この3Dデータは、当該3Dデータを管理および保存するサーバーなどから取得しても良い。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などの演算手段を有しており、データ入力部150から3Dデータを取得し、取得した3Dデータの解析処理や演算処理を行う。制御部110は、3Dデータを解析することによって、三次元造形物200を構成する領域を、モデル材を用いて形成するモデル材領域に設定する。また、制御部110は、三次元造形物200を構成するモデル材を支持する領域を、サポート材を用いて形成するサポート材領域に設定する。
制御部110は、データ入力部150から取得した3Dデータを、積層方向について薄く切った複数のスライスデータに変換する。スライスデータは、三次元造形物200を造形するための造形材層毎のデータである。各スライスデータに対しては、モデル材領域およびサポート材領域がそれぞれ設定されている。スライスデータの厚み、すなわち造形材層の厚みは、造形材層の1層分の厚さに応じた距離(積層ピッチ)と一致する。例えば、造形材層の厚みが0.05[mm]である場合、制御部110は、1[mm]の高さの積層に必要な連続した20[枚]のスライスデータを3Dデータから切り出す。
また、制御部110は、三次元造形物200の造形動作中、三次元造形装置100全体の動作を制御する。例えば、モデル材およびサポート材を所望の場所に吐出するための機構制御情報を移動機構130に対して出力するとともに、ヘッドユニット120に対してスライスデータを出力する。すなわち、制御部110は、ヘッドユニット120と移動機構130とを同期させて制御する。制御部110は、後述する光源125の制御も行う。
表示部145は、制御部110の制御を受けて、ユーザーに認識させるべき各種の情報やメッセージを表示する。操作部160は、テンキー、実行キー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種の入力操作を受け付けて、操作信号を制御部110に出力する。後述する、三次元造形物200を造形する造形モードの選択は、この操作部160の操作によって行われる。
図7に示すように、造形ステージ140は、ヘッドユニット120の下方に配置される。造形ステージ140には、ヘッドユニット120によって造形材層が形成され、この造形材層が積層されることにより、サポート材領域を含む三次元造形物200が造形される。
移動機構130は、ヘッドユニット120と造形ステージ140との相対位置を3次元で変化させる。具体的には、移動機構130は、図7に示すように、ヘッドユニット120に係合する主走査方向ガイド132と、主走査方向ガイド132を副走査方向に案内する副走査方向ガイド134と、造形ステージ140を鉛直方向に案内する鉛直方向ガイド136とを備え、さらに図示しないモーターや駆動リール等からなる駆動機構を備えている。
移動機構130は、制御部110から出力された機構制御情報に従って、図示しないモーターおよび駆動機構を駆動し、キャリッジを兼ねるヘッドユニット120を主走査方向および副走査方向に自在に移動させる(図7を参照)。なお、移動機構130は、ヘッドユニット120の位置を固定し、造形ステージ140を主走査方向および副走査方向に移動させるように構成しても良いし、ヘッドユニット120と造形ステージ140との双方を移動させるように構成しても良い。
また、移動機構130は、制御部110から出力された機構制御情報に従って、図示しないモーターおよび駆動機構を駆動し、造形ステージ140を鉛直方向下方に移動させてヘッドユニット120と三次元造形物200との間隔を調整する(図7を参照)。すなわち、造形ステージ140は、移動機構130によって鉛直方向に移動可能に構成されており、造形ステージ140上に、Nを自然数としたときに、N層目の造形材層が形成された後、積層ピッチだけ鉛直方向下方に移動する。そして、造形ステージ140上にN+1層目の造形材層が形成された後、積層ピッチだけ鉛直方向下方に再び移動する。なお、移動機構130は、造形ステージ140の鉛直方向位置を固定し、ヘッドユニット120を鉛直方向上方に移動させても良いし、ヘッドユニット120と造形ステージ140との双方を移動させても良い。
ヘッドユニット120は、図8,9に示すように、インクジェット方式の第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122、平坦化部として機能する平滑化装置123および平滑化装置124および光源125(硬化部として機能)を筐体120aの内部に備える。
第1吐出ヘッド121(第1吐出部として機能)は、長手方向(副走査方向)に列状に配列された複数の吐出ノズルを有する。第1吐出ヘッド121は、長手方向に直交する主走査方向に走査しながら、造形ステージ140に向けて複数の吐出ノズルからモデル材の液滴を選択的に吐出する。第1吐出ヘッド121は、1層分の造形材層が形成される際、その造形材層に対応するスライスデータに対してモデル材領域が設定された領域に、モデル材の液滴を吐出する。この吐出動作を、副走査方向にずらしながら複数回繰り返すことにより、造形ステージ140上の所望の領域に造形材層のモデル材領域を形成する。モデル材領域は、光エネルギーの照射による硬化処理が施されることにより硬化する。硬化の度合いは照射されるエネルギー量によって異なり、半硬化の状態にすることもできるし、実質的に完全に硬化した状態にすることもできる。ここで、半硬化とは、モデル材が、層(造形材層)として形状を維持することができる程度の粘度を有するように完全硬化よりも低い度合いで硬化された状態を言うものとする。
第2吐出ヘッド122(第2吐出部として機能)は、長手方向(副走査方向)に列状に配列された複数の吐出ノズルを有する。第2吐出ヘッド122は、長手方向に直交する主走査方向に走査しながら、造形ステージ140に向けて複数の吐出ノズルからサポート材の液滴を選択的に吐出する。第2吐出ヘッド122は、1層分の造形材層が形成される際、その造形材層に対応するスライスデータに対してサポート材領域が設定された領域に、サポート材の液滴を吐出する。この吐出動作を、副走査方向にずらして複数回繰り返すことにより造形ステージ140上の所望の領域に造形材層のサポート材領域を形成する。
このように、制御部110からの制御信号によって移動機構130が作動するとともに、制御部110から送られるスライスデータに基づいて、第1吐出ヘッド121からはモデル材が選択的に造形ステージ140に供給され、第2吐出ヘッド122からはサポート材が選択的に造形ステージ140に供給されることで三次元造形物200の造形が行われる。
第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122としては、従来公知の画像形成用のインクジェットヘッドが用いられる。なお、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122が有する複数の吐出ノズルは、列状に配列されていれば良く、直線状に並んでいても良いし、ジグザグ配列で全体として直線状になるように並んでいても良い。
第1吐出ヘッド121は、モデル材を吐出可能な状態で貯留する。本実施の形態では、第1吐出ヘッド121として、例えば、粘度が5〜15[mPa・s]の範囲でモデル材を吐出できるものを採用することができる。モデル材としては、特定波長の光(光エネルギー)が照射されることにより硬化する光硬化性材料が用いられる。光硬化性材料としては、例えば、紫外線硬化性樹脂が挙げられ、アクリル酸エステルまたはビニルエーテル等のラジカル重合系紫外線硬化性樹脂や、エポキシまたはオキセタン等のモノマーやオリゴマーと、樹脂に応じた重合開始剤(反応開始剤)としてアセトフェノンやベンゾフェノン等とを組み合わせて使用するカチオン重合系紫外線硬化性樹脂を用いることができる。光硬化性材料は、硬化を進行させ得る特定波長の光を遮光部材やフィルターなどにより遮断しておくことで、吐出可能な状態で貯留することができる。なお、モデル材として、熱エネルギーが付与されることにより硬化する熱硬化性材料を用いても良いし、放射線の照射により硬化する放射線硬化材料を用いても良い。
第2吐出ヘッド122は、サポート材を吐出可能な状態で貯留する。サポート材としては、特定波長の光が照射されることにより硬化する光硬化性材料がモデル材と配合比率を変えて用いられる。サポート材には、ポリエチレングリコール、部分的にアクリル化された多価アルコール・オリゴマー、親水性置換基を有するアクリル化オリゴマーやそれらを組み合わせた材料を添加することで水との接触に対して膨潤する機能を持たせても良い。これにより、サポート材の除去を行いやすくすることができる。なお、サポート材として、熱エネルギーが付与されることにより硬化する熱硬化性材料を用いても良いし、放射線の照射により硬化する放射線硬化材料を用いても良いし、これらに水膨潤性を持たせた材料を用いても良い。
モデル材およびサポート材は、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により造形ステージ140上にそれぞれ吐出されて造形材層(モデル材領域およびサポート材領域)を形成する。造形材層は、光エネルギーの照射による硬化処理が施されることにより、十分な強度が得られる程度の硬度になるまで硬化が進められる。
平滑化装置123は、均しローラー123A、掻き取り部材123B(ブレード)および回収部材123Cを筐体120aの内部に備える。均しローラー123Aは、制御部110の制御下において図9中の反時計回り方向に回転駆動可能であり、第1吐出ヘッド121により吐出されたモデル材表面に接触してモデル材表面の凹凸を平滑化する。その結果、均一な層厚を有する造形材層(モデル材領域)が形成される。造形材層の表面が平滑化されることにより、次の造形材層を精度良く形成して積層することができるので、高精度の三次元造形物200を造形することができる。均しローラー123Aの表面に付着したモデル材は、均しローラー123Aの近傍に設けられた掻き取り部材123Bによって掻き取られる。掻き取り部材123Bによって掻き取られたモデル材は、回収部材123Cによって回収される。なお、掻き取り部材123Bによって掻き取られたモデル材は、第1吐出ヘッド121に供給されて再利用されるものとしても良いし、廃タンク(図示せず)に輸送されるものとしても良い。
平滑化装置124は、均しローラー124A、掻き取り部材124B(ブレード)および回収部材124Cを筐体120aの内部に備える。均しローラー124Aは、制御部110の制御下において図9中の時計回り方向に回転駆動可能であり、第2吐出ヘッド122により吐出されたサポート材表面に接触してサポート材表面の凹凸を平滑化する。均しローラー124Aの表面に付着したサポート材は、均しローラー124Aの近傍に設けられた掻き取り部材124Bによって掻き取られる。掻き取り部材124Bによって掻き取られたサポート材は、回収部材124Cによって回収される。なお、掻き取り部材124Bによって掻き取られたサポート材は、第2吐出ヘッド122に供給されて再利用されるものとしても良いし、廃タンク(図示せず)に輸送されるものとしても良い。なお、均しローラー123A、123Bに代えて、他の回転体、例えば、無端ベルトを用いるようにしても構わない。
光源125は、主走査方向において第1吐出ヘッド121と第2吐出ヘッド122との間に配置され、造形ステージ140に向けて吐出された光硬化性樹脂のモデル材およびサポート材に硬化処理(光エネルギー照射処理)を施して、半硬化させる。モデル材として紫外線硬化性材料を用いる場合は、光源125として、紫外線を放射するUVランプ(例えば、高圧水銀ランプ)が好適に用いられる。なお、光源125としては、高圧水銀ランプの他に、低圧水銀灯、中圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプまたは紫外線LEDランプ等を用いることができる。光源125は、制御部110からの制御信号によって、照射タイミングや露光量が制御される。露光量の制御は、光源125に加える電圧や電流等を調整して光源125の発光強度を変化させることで行うようにしても良いし、光源125と造形材(モデル材およびサポート材)との間に、光学的なフィルターを挿抜できるように配置したり、複数種類のフィルターを切り替えられるように構成して、これらを挿抜したり切り替えたりすることで行うようにしても良い。光源125は、造形に先立って点灯され、光源125の光量が安定した後、造形が開始される。また、造形動作中、光源125は常時点灯され、造形ステージ140に向けて継続的にエネルギーを付与するように制御される。
ヘッドユニット120は、1層分の造形材層を形成する際、主走査方向に造形ステージ140上の一方の端部から他方の端部まで走査しながら、モデル材を吐出する(第1動作)。次に、ヘッドユニット120は、モデル材の吐出を一旦停止し、所定の領域に対してサポート材の吐出を行いながら、主走査方向に造形ステージ140上の他方の端部から一方の端部まで走査する(第2動作)。次に、ヘッドユニット120は、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122による造形材(モデル材およびサポート材)の吐出位置が重ならないように副走査方向に走査する(第3動作)。これらの第1動作〜第3動作を繰り返すことにより、造形ステージ140上の所定の領域を走査し、1層分の造形材料層を形成することができる。
本実施の形態では、ノズル解像度が150[dpi]の第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122を用いて、副走査方向における解像度が600[dpi]の三次元造形物200を造形する。この場合、ノズルピッチよりも小さい距離を単位として、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122を副走査方向に移動させることで副走査方向における解像度をノズル解像度よりも高くすることができる。本実施の形態では、解像度の比は600/150=4となるので、第3動作では、副走査方向にヘッドユニット120が、例えば第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122のノズル解像度の1/4である42[μm]移動する。第1動作〜第3動作を4回繰り返す(4回目の第3動作は基準位置への復帰動作)ことによって、副走査方向における解像度が600[dpi]である造形材層が形成される。
このように主走査方向の走査を4回行うことによって造形ステージ140上に1層分の造形材層を形成する場合におけるヘッドユニット120の動作を説明する。図10は、ヘッドユニット120の動作を示す図である。
図10Aは、ヘッドユニット120が1回目の第1動作(1往路)を行う前の状態、すなわち主走査方向における走査の起点となる基準位置に位置している状態を示している。図10Bは、ヘッドユニット120が1回目の第1動作(1往路)、第2動作(1復路)および第3動作を行った後の状態を示している。図10Cは、ヘッドユニット120が2回目の第1動作(2往路)、第2動作(2復路)および第3動作を行った後の状態を示している。図10Dは、ヘッドユニット120が3回目の第1動作(3往路)、第2動作(3復路)および第3動作を行った後の状態を示している。図10Eは、ヘッドユニット120が4回目の第1動作(4往路)および第2動作(4復路)を行った後の状態を示している。図10B〜図10Eにおいて、造形ステージ140上の太線は、ヘッドユニット120が第1動作および第2動作を行った際に、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出された造形材の液滴を示している。以下、n回目の第1動作および第2動作で、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出された液滴をそれぞれ「Line−n」と称する。
本実施の形態では、光源125は、ヘッドユニット120が1回目の第1動作の実行前から4回目の第2動作の実行後まで点灯している。
1回目の第1動作(1往路)では、走査方向(図10中の右方向、本発明の「第1走査方向」に対応)において光源125は第1吐出ヘッド121よりも後方に位置しており、第1吐出ヘッド121により吐出された液滴(Line−1のモデル材領域)は、着弾後に均しローラー123Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
1回目の第2動作(1復路)では、走査方向(図10中の左方向、本発明の「第2走査方向」に対応)において光源125は第2吐出ヘッド122よりも後方に位置しており、第2吐出ヘッド122により吐出された液滴(Line−1のサポート材領域)は、着弾後に均しローラー124Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
2回目の第1動作(2往路)では、走査方向(図10中の右方向)において光源125は第1吐出ヘッド121よりも後方に位置しており、第1吐出ヘッド121により吐出された液滴(Line−2のモデル材領域)は、着弾後に均しローラー123Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
2回目の第2動作(1復路)では、走査方向(図10中の左方向、本発明の「第2走査方向」に対応)において光源125は第2吐出ヘッド122よりも後方に位置しており、第2吐出ヘッド122により吐出された液滴(Line−2のサポート材領域)は、着弾後に均しローラー124Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
3回目の第1動作(3往路)では、走査方向(図10中の右方向)において光源125は第1吐出ヘッド121よりも後方に位置しており、第1吐出ヘッド121により吐出された液滴(Line−3のモデル材領域)は、着弾後に均しローラー123Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
3回目の第2動作(3復路)では、走査方向(図10中の左方向)において光源125は第2吐出ヘッド122よりも後方に位置しており、第2吐出ヘッド122により吐出された液滴(Line−3のサポート材領域)は、着弾後に均しローラー124Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
4回目の第1動作(4往路)では、走査方向(図10中の右方向)において光源125は第1吐出ヘッド121よりも後方に位置しており、第1吐出ヘッド121により吐出された液滴(Line−4のモデル材領域)は、着弾後に均しローラー123Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
4回目の第2動作(4復路)では、走査方向(図10中の左方向)において光源125は第2吐出ヘッド122よりも後方に位置しており、第2吐出ヘッド122により吐出された液滴(Line−4のサポート材領域)は、着弾後に均しローラー124Aにより表面の凹凸が平滑化され、直ちに光源125による光40の照射を受けて硬化する。
上記したように、1層分の造形材層を形成する際、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出された各液滴は、着弾直後に光源125による光40の照射を受けて硬化する。よって、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出された液滴の形状が崩れることを防止することができ、ひいては造形される三次元造形物200の解像度を高くすることができる。
なお、第1動作において均しローラー124Aが第1吐出ヘッド121により吐出された液滴(モデル材)の表面に接触するが、この接触は当該液滴の硬化後に生じるため、特に問題は起こらない。第1吐出ヘッド121により吐出された液滴(モデル材)の表面に対して均しローラー124Aが摺擦することを防止する観点から、均しローラー124Aの線速度(回転速度)をヘッドユニット120の線速度(走査速度)と同等に設定することが好ましい。
同様に、第2動作において均しローラー123Aが第2吐出ヘッド122により吐出された液滴(サポート材)の表面に接触するが、この接触は当該液滴の硬化後に生じるため、特に問題は起こらない。第2吐出ヘッド122により吐出された液滴(サポート材)の表面に対して均しローラー123Aが摺擦することを防止する観点から、均しローラー123Aの線速度(回転速度)をヘッドユニット120の線速度(走査速度)と同等に設定することが好ましい。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、三次元造形装置100は、造形ステージ140に対して相対的に第1走査方向に走査しながら、造形ステージ140に向けて光硬化性のモデル材を吐出する第1吐出ヘッド121と、造形ステージ140に対して相対的に第1走査方向と逆方向である第2走査方向に走査しながら、造形ステージ140に向けて光硬化性のサポート材を吐出する第2吐出ヘッド122と、第1および第2走査方向において第1吐出ヘッド121と第2吐出ヘッド122との間に配置され、第1吐出ヘッド121により吐出されたモデル材、および、第2吐出ヘッド122により吐出されたサポート材に光を照射することによって当該モデル材およびサポート材を硬化させる光源125とを備える。
このように構成した本実施の形態によれば、第1および第2吐出ヘッド121,122からモデル材およびサポート材が吐出された後、当該モデル材およびサポート材に対して光が照射されるまでの時間が長くなることに起因して当該モデル材およびサポート材の形状が崩れることを防止することができ、ひいては、造形される三次元造形物200の解像度を高くすることができる。また、モデル材が吐出されて硬化した後に、サポート材は吐出されるため、当該モデル材と当該サポート材との硬化前の混合を防止することができる。よって、三次元造形物200の造形が完了しサポート材が除去された後、モデル材のうち当該モデル材と当該サポート材との界面部分が粗くなってしまうことを防止することができる。また、従来技術のように、ゾル−ゲル相転移温度を有するモデル材を使用する必要がない。また、従来技術のように、光源を複数設ける必要がなくなるため、光源の消費電力を最小限に抑えることができる。また、三次元造形物200の造形動作中に光源125を常時点灯しておくことによって、光源125の寿命を向上させることができるとともに、光源125から硬化に必要な光量を安定して得ることができる。
なお、上記実施の形態では、第1吐出ヘッド121がモデル材を第1造形材として吐出し、第2吐出ヘッド122がサポート材を第2造形材として吐出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1吐出ヘッド121がサポート材を第1造形材として吐出し、第2吐出ヘッド122がモデル材を第2造形材として吐出しても良い。また、第1吐出ヘッド121が吐出する第1造形材と、第2吐出ヘッド122が吐出する第2造形材とは、それぞれ異なる種類のモデル材でも良い。具体的には、第1造形材と第2造形材とは、それぞれ色(例えば、白、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)が異なるモデル材でも良い。白色のモデル材は主に三次元造形物200の内部に使用され(ただし、三次元造形物200の外部に使用される場合もあり)、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー色のモデル材は三次元造形物200の外部に使用される。白色のモデル材の代わりにクリア色(透明色)のモデル材を使用し、当該白色のモデル材をカラー色のモデル材の1つとして使用しても良い。また、第1造形材と第2造形材とは、色の違いだけでなく、それぞれ物性(例えば、硬化後の硬度)が異なるモデル材でも良い。
また、上記実施の形態では、ヘッドユニット120は、主走査方向における光源125の両側に第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122をそれぞれ備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、ヘッドユニット120は、主走査方向における光源125の一方側(図中右側)に第1吐出ヘッド121を備え、他方側に第2吐出ヘッド122および第3吐出ヘッド126を備えても良い。この場合、第1吐出ヘッド121は、第1動作において例えばカラー色のモデル材を吐出する一方、第2吐出ヘッド122および第3吐出ヘッド126は、第2動作において例えば白色のモデル材およびサポート材をそれぞれ吐出する。また、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122は、同じ種類のモデル材(第1造形材、第2造形材)を吐出するように構成しても良い。この構成により、三次元造形装置100は、三次元造形物200を造形するための造形モードとして、第1および第2動作の両方(第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122)によって1層分の造形材層を形成する高精細モード(第1モード)と、造形ステージ140に向けて吐出されるモデル材が高精細モードより多く、第1および第2動作の一方(第1吐出ヘッド121)によって1層分の造形材層を形成する高速モード(第2モード)とを選択的に実行することができる。高精細モードは、三次元造形物200の造形時間を短縮することよりも、三次元造形物200の解像度を高くすることを優先した造形モードである。高速モードは、三次元造形物200の解像度を高くすることよりも、三次元造形物200の造形時間を短縮することを優先した造形モードである。
まず、図12Aを参照し、高速モードについて説明する。高速モードで三次元造形物200を造形する場合に使用される第1吐出ヘッド121は、長手方向(副走査方向)に吐出ノズル121aが高密度に配置されたものである。第1吐出ヘッド121のノズル解像度は、600[dpi](1インチ当たり600個の吐出ノズル121a、42.3[μm]ピッチ)である。第1吐出ヘッド121を使用することによって、1回の第1動作で副走査方向における解像度が600[dpi]である1層分の造形材層を形成することができる。そして、第2吐出ヘッド122も第1吐出ヘッド121と同様の構成で使用することによって、1回の第1および第2動作(往復)で2層分の造形材層を形成することができる。第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出される液滴量を24[pl]として液滴210が着弾してちょうど半円になったと想定すると、液滴210の直径は45.1[μm]であり、吐出ノズル121aのノズルピッチ(42.3[μm])に対して3[μm]弱のオーバーラップ部分が生じ、1回の第1動作で1層分の造形材層を形成することができる。そのときの液滴高さは、22.5[μm]である。つまり、均しローラー123A,124Aで10[%]液滴高さを低く均一化すると、積層方向における三次元造形物200の解像度は1250[dpi]となる。ただし、第1動作(往路)でサポート材を吐出しないと隔層でサポート材の存在しない部分ができやすくなるため、往路でもサポート材を吐出することが好ましい。サポート材は三次元造形物200の造形に直接関係ないので、ある程度、液滴の崩れがあっても問題はない。もし、第1動作(往路)でサポート材の液滴を吐出して着弾直後に硬化させる場合には、第1吐出ヘッド121の図11中右側にサポート材を吐出する吐出ヘッドを設けても良い。
次に、図12Bを参照し、高精細モードについて説明する。高精細モードは1回の第1および第2動作(1往復)で1層分の造形材層を形成する造形モードである。副走査方向(第3走査方向)において、第1吐出ヘッド121と第2吐出ヘッド122とは、吐出ノズル121a,122aが互いに重ならないように配置され、第1吐出ヘッド121の吐出ノズル121aのちょうど間に第2吐出ヘッド122の吐出ノズル122aが配置される構成(いわゆる千鳥配置)となっている。言い換えると、副走査方向において、第1吐出ヘッド121によるモデル材(第1造形材)の吐出位置と、第2吐出ヘッド122によるモデル材(第2造形材)の吐出位置とは異なる。
高精細モードでは、まず第1動作(往路)で第1吐出ヘッド121からモデル材を吐出し、第2動作(復路)で第2吐出ヘッド122からモデル材を吐出して液滴220の間を埋める。これにより、1回の第1および第2動作(1往復)で1層分の造形材層を形成できるが、高速モードよりも2倍の高精細(1200[dpi])な造形を行うことができる。そのためには、液滴220の大きさを、高速モード時の1/2(直径で22.5[μm])にする必要があり、そのときの液滴高さは11[μm]で約2500[dpi]相当となる。また、第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出される液滴量は1/2=1/8の3[pl](=24[pl]×1/8)となる。
第1吐出ヘッド121および第2吐出ヘッド122により吐出される液滴量は、高精細モード時に3[pl]、高速モード時に24[pl]となるが、一般的な吐出ヘッドは、複数の液滴を連続的に吐出して着弾までに当該液滴を合体させる制御(いわゆるマルチドロップ制御)が可能である。そこで、1滴が3[pl]である液滴を吐出することが可能であり、ノズル解像度が600[dpi]である吐出ヘッドを使用し、高精細モード時は1滴だけで1つのドットを形成し、高速モード時は8滴のマルチドロップを行って1つのドットを形成するように構成しても良い。
図13は、制御部110が実行する、三次元造形装置100における三次元造形物200の造形モードを選択的に実行するための制御フローチャートである。ステップS100の処理は、操作部160を介したユーザー操作によって、三次元造形物200の造形モードを選択する造形モード選択画面の表示が要求されることにより開始する。
まず、制御部110は、造形モード選択画面を表示部145に表示させる(ステップS100)。次に、制御部110は、操作部160を介したユーザー操作によって、高速モードが選択されたか否かについて判定する(ステップS120)。この判定の結果、高速モードが選択された場合(ステップS120、YES)、制御部110は、三次元造形装置100の各部を制御し、三次元造形物200を高速モードで造形させる(ステップS160)。ステップS120の処理が完了することによって、三次元造形装置100は、図13における処理を終了する。
一方、高速モードが選択されていない場合(ステップS120、NO)、制御部110は、操作部160を介したユーザー操作によって、高精細モードが選択されたか否かについて判定する(ステップS140)。この判定の結果、高精細モードが選択された場合(ステップS140、YES)、制御部110は、三次元造形装置100の各部を制御し、三次元造形物200を高精細モードで造形させる(ステップS180)。ステップS180の処理が完了することによって、三次元造形装置100は、図13における処理を終了する。一方、高精細モードが選択されていない場合(ステップS140、NO)、処理は、ステップS120の前に戻る。
また、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 三次元造形装置
110 制御部
115 記憶部
120 ヘッドユニット(キャリッジ)
120a 筐体
121 第1吐出ヘッド
121a,122a 吐出ノズル
122 第2吐出ヘッド
123,124 平滑化装置
123A,124A 均しローラー
123B,124B 掻き取り部材
123C,124C 回収部材
125 光源
126 第3吐出ヘッド
130 移動機構
132 主走査方向ガイド
134 副走査方向ガイド
136 鉛直方向ガイド
140 造形ステージ
145 表示部
150 データ入力部
155 コンピューター装置
160 操作部
200 三次元造形物
210,220 液滴

Claims (12)

  1. 造形ステージ上に造形材からなる造形材層を順に形成して積層することによって三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
    前記造形ステージに対して相対的に第1走査方向及び前記第1走査方向と逆方向である第2走査方向に走査するキャリッジと、
    前記キャリッジに配置され、前記造形ステージに向けてエネルギー硬化性の第1造形材を吐出する第1吐出部と、
    前記キャリッジに配置され、前記造形ステージに向けてエネルギー硬化性の第2造形材を吐出する第2吐出部と、
    前記キャリッジの、前記第1および第2走査方向において前記第1吐出部と前記第2吐出部との間に配置され、前記第1吐出部により吐出された前記第1造形材、および、前記第2吐出部により吐出された前記第2造形材にエネルギーを付与することによって当該第1造形材および当該第2造形材を硬化させる硬化部と、
    前記キャリッジを前記第1走査方向に走査しながら、前記造形ステージに向けて前記第1吐出部から前記第1造形材を吐出させて前記硬化部によりエネルギーを付与し、前記キャリッジを前記第2走査方向に走査しながら、前記造形ステージに向けて前記第2吐出部から前記第2造形材を吐出させて前記硬化部によりエネルギーを付与するように制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする三次元造形装置。
  2. 前記制御部は、造形中、前記造形ステージに向けて継続的にエネルギーを付与するように前記硬化部を制御することを特徴とする請求項1に記載の三次元造形装置。
  3. 前記第1造形材はモデル材であり、前記第2造形材はサポート材であることを特徴とする請求項1または2に記載の三次元造形装置。
  4. 前記第1および第2造形材は、同じ種類のモデル材であることを特徴とする請求項1または2に記載の三次元造形装置。
  5. 前記第1および第2走査方向と直交する第3走査方向において、前記第1吐出部による前記第1造形材の吐出位置と、前記第2吐出部による前記第2造形材の吐出位置とは異なることを特徴とする請求項4に記載の三次元造形装置。
  6. 前記制御部は、前記三次元造形物を造形するための造形モードとして、第1モードと第2モードとで造形が実行されるように制御を行い、前記第1モードでは、前記第1および第2吐出部の両方の吐出動作によって前記第2モードよりも高精細に1層分の造形材層を形成し、前記第2モードでは、前記造形ステージに向けて吐出される前記第1または第2造形材の量が前記第1モードより多く、前記第1および第2吐出部のうちの一方の吐出動作によって1層分の造形材層を形成することを特徴とする請求項5に記載の三次元造形装置。
  7. 前記第1および第2造形材は、それぞれ異なる種類のモデル材であることを特徴とする請求項1または2に記載の三次元造形装置。
  8. 前記第1および第2造形材は、それぞれ色が異なるモデル材であることを特徴とする請求項7に記載の三次元造形装置。
  9. 前記第1および第2造形材は、それぞれ物性が異なるモデル材であることを特徴とする請求項7に記載の三次元造形装置。
  10. 前記第1および第2造形材は、光硬化性樹脂であり、
    前記硬化部は、光を照射することによって前記エネルギーを前記第1および第2造形材に付与することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の三次元造形装置。
  11. 前記第1および第2吐出部により吐出された前記第1および第2造形材の表面を平滑化する平坦化部を備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の三次元造形装置。
  12. 前記平坦化部は、前記キャリッジに配置された第1および第2の回転体を含み、
    前記第1の回転体は、前記第1および第2走査方向において、前記第1吐出部と前記硬化部との間にあり、
    前記第2の回転体は、前記第1および第2走査方向において、前記第2吐出部と前記硬化部との間にあることを特徴とする請求項11に記載の三次元造形装置。
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