JP2021079592A - 立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、および立体造形物製造用プログラム - Google Patents

立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、および立体造形物製造用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】造形材料を層状に付与し、それを積層して立体造形物を造形する方式、好ましくはインクジェット方式、より好ましくはマテリアルジェッティング方式による造形方法において、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所の十分な隙間を確実に確保することができる立体造形物製造装置の提供。【解決手段】造形材料を吐出する吐出手段と、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行う制御手段と、を有する立体造形物製造装置である。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形物製造装置、立体造形物の製造方法、および立体造形物製造用プログラムに関する。
三次元の立体造形物を造形する技術として、付加製造(AM;Additive Manufacturing)と呼ばれる技術が知られている。この技術は、積層方向について薄く切った断面形状を計算し、その形状に従って各層を形成して積層することにより立体造形物を造形する技術である。
近年、前記付加製造の技術の中でも、硬化性樹脂を積層することにより立体造形物を造形するマテリアルジェッティング(MJ)方式が注目されている。このマテリアルジェッティング方式によると、立体造形物の本体であるモデル部を造形する場合に前記モデル部を支持するサポート部を造形することにより、原理的に造形が困難な形状(例えば、オーバーハング部を有する形状等)を造形することができる。
例えば、造形物の端部を正確に再現することを目的として、ディテール部がモデル部の支持が不要な面の少なくとも一面に接するように配置される立体造形物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、造形材料を層状に付与し、それを積層して立体造形物を造形する方式、好ましくはインクジェット方式、より好ましくはマテリアルジェッティング方式による造形方法において、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所の十分な隙間を確実に確保することができる立体造形物製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための手段としての本発明の立体造形物製造装置は、造形材料を吐出する吐出手段と、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行う制御手段と、を有する。
本発明によると、造形材料を層状に付与し、それを積層して立体造形物を造形する方式、好ましくはインクジェット方式、より好ましくはマテリアルジェッティング方式による造形方法において、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所の十分な隙間を確実に確保することができる立体造形物製造装置を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、立体造形物製造装置の制御手段の一例を示すブロック図である。 図3は、立体造形物を高さ方法から見た模式図であり、図3(A)は、モデル部の輪郭線同士が近接する箇所の隙間を説明する模式図を示し、図3(B)は、図3(A)の箇所の輪郭線の間にサポート材を配置した模式図である。 図4は、チェーン状の立体造形物を造形する状態を示す概略図である。 図5Aは、従来の立体造形物の製造方法によって得られた比較例1のチェーン状の立体造形物を示す図である。 図5Bは、図5AのX2部分の拡大図である。 図6は、本発明の立体造形物の製造方法によって得られた実施例1及び2のチェーン状の立体造形物を示す図である。 図7は、本発明の立体造形物の製造方法及び従来の立体造形物の製造方法で得られたチェーン状の立体造形物の全体図である。 図8Aは、従来の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のA部分の拡大図である。 図8Bは、本発明の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のA部分の拡大図である。 図9Aは、従来の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のB部分の拡大図である。 図9Bは、本発明の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のB部分の拡大図である。 図10Aは、従来の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のC部分の拡大図である。 図10Bは、本発明の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のC部分の拡大図である。 図11Aは、比較例1の立体造形物の製造方法における往路でのモデル層の形成を示す概略図である。 図11Bは、比較例1の立体造形物の製造方法における復路でのモデル層の形成を示す概略図である。 図12は、比較例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図14は、実施例2の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
(立体造形物製造装置および立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物製造装置は、造形材料を吐出する吐出手段と、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行う制御手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の立体造形物の製造方法は、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する隙間確保工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形物製造装置により好適に実施することができ、吐出工程は吐出手段により行うことができ、隙間確保工程は制御手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
従来技術では、対向する輪郭線同士が近接する箇所に微小な隙間を有する立体造形物を造形する場合に、造形材料の吐出量のバラツキによって、微小な隙間が埋められてしまって、立体造形物の微小な隙間を十分に確保できず、例えば、立体造形物がチェーン状の造形物の場合には、チェーンを構成する個々のリンク部品が直線状に固定されてしまい、動きの自由度がなくなり、チェーンとして機能を果たすことができないという問題がある。
本発明においては、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行うことによって、造形材料の吐出量バラツキや着弾後の液滴の広がりにより狙いの微小な隙間が造形材料で埋められることを防止でき、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接している箇所に十分な隙間を確実に確保することができる。
本発明において「造形材料」は、造形物の製造において吐出手段から吐出される材料を意味し、典型的には立体造形物そのものを形成するためのモデル材、オーバーハング部やディテール部などを造形する際に用いられるサポート材、粉体材料を結合させるための結合剤などが挙げられる。本発明においては、モデル材により形成された造形層を特に「モデル層」、サポート材により形成された造形層を特に「サポート層」という場合がある。
本発明の一態様において、十分な隙間を確保する制御が、近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記輪郭線の間にサポート材を配置する制御である。前記箇所の輪郭線の間にサポート材を配置して埋め、造形終了後、サポート材を除去することによって、狙いの微小な隙間を十分に確保することができる。
ここで、近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値は、造形材料や吐出条件等によって異なり、所定の値を任意に設定してよいが、例えば150dpi(dots per inch)において0.5mm(3pixel)以下である。
本発明の一態様においては、サポート材が水溶性の造形材料である。サポート材が水溶性であることにより、サポート材により形成されたサポート層を造形終了後に水によって容易に除去することができる。
ここで、「サポート材が水溶性」であるとは、25℃の水1000mLにサポート材が100g以上溶解することをいう。サポート材が溶解したか否かは、水が透明か否かで判断でき、目視により確認することができる。
本発明の一態様において、十分な隙間を確保する制御が、近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きくする制御である。造形材料の吐出量バラツキや着弾後の液滴の広がりを事前に考慮して、近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きく設定することによって、立体造形物の微小な隙間が造形材料で埋められないように制御することができる。例えば、近接する箇所のモデル材の吐出量を少なくなるように制御することなどが挙げられる。
ここで、近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値は、造形材料や吐出条件等によって異なり、所定の値を任意に設定してよいが、例えば150dpi(dots per inch)において0.5mm(3pixel)以下である。
本発明の一態様においては、吐出された造形材料の表面を平坦化する平坦化手段を有する。平坦化手段によって造形材料を平坦化することにより、造形層の平均厚みの精度や平坦性を確保することができる。
<吐出工程および吐出手段>
吐出工程は、造形材料を吐出する工程であり、吐出手段により実施される。
吐出手段としては、造形材料を吐出することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出ヘッドなどが挙げられる。
吐出ヘッドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッド、熱膨張(サーマル)型ヘッドなどが挙げられる。これらの中でも、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッドが好ましい。
<<造形材料>>
造形材料としては、特に制限はなく、立体造形物(モデル部)を造形する本体を構成する上で求められる性能に基づいて、適宜選択することができ、例えば、モデル材などが挙げられる。なお、立体造形物を造形する際に、必要に応じて形状支持用にサポート部を使用する場合には、前記サポート部を造形するためのサポート材も造形材料に含まれる。
モデル材は、モデル部を構成する部分を造形する材料である。
本発明において、モデル部とは、立体造形物を造形する本体を構成する部を意味し、モデル層の積層により造形される。
本発明において、サポート部とは、モデル部が固化するまで、立体造形物を所定の位置に保持する部分を意味し、サポート層の積層により造形される。サポート部は、例えば、モデル部の重力方向に対し支持する部分に配置され、モデル部と接し、モデル部を下方向から支持する部を意味する。立体造形物の製造においては、通常サポート部はモデル部から最終的に剥離され、モデル部のみで立体造形物となる。
好ましい一態様において、サポート材は、モデル材とは異なる材質(組成、濃度等)であり、サポート材の硬化物は、より好ましくは、水溶性、潮解性、崩壊性などモデル部から剥離しやすい性質を有している。
造形材料としては、光や熱等のエネルギーを付与することにより硬化する液体材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマー、および重合性オリゴマーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。これらの中でも、造形材料ジェット用プリンター等に用いられる造形材料吐出ヘッドで吐出できる粘度や表面張力等の液物性を有する材料が好ましい。
−重合性モノマー−
重合性モノマーとしては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−単官能モノマー−−
単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、0.5質量%以上90質量%以下が好ましい。
上記以外の単官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−多官能モノマー−−
多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−重合性オリゴマー−
重合性オリゴマーとしては、上記単官能モノマーの低重合体や末端に反応性不飽和結合基を有するものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
−−界面活性剤−−
界面活性剤としては、例えば、分子量200以上かつ5,000以下、具体的には、PEG型非イオン界面活性剤[ノニルフェノールのエチレンオキサイド(以下、「EO」と略記)1〜40モル付加物、ステアリン酸EO 1〜40モル付加物等]、多価アルコール型非イオン界面活性剤(例えば、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルEO 1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、3質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−重合禁止剤−−
重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−重合開始剤−−
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(以上、DuPont Chemical社製)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(以上、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(商品名:Perkadox 16S、Akzo Nobel社製)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(商品名:Lupersol 11、Elf Atochem社製)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名:Trigonox 21−C50、Akzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、有機過酸化物と第3級アミンとに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンとに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属とに基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートとに基づく系)などが挙げられる。
重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形材料の全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
−−着色剤−−
着色剤としては、造形材料中に溶解又は安定に分散し、更に熱安定性に優れた染料および顔料が好適である。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種以上の着色剤を適時混合することが可能である。
<硬化工程および硬化手段>
硬化工程は、前記吐出工程において吐出された前記造形材料を硬化させるための活性エネルギー線を照射する工程であり、硬化手段により実施される。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線などが挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。
硬化手段としては、吐出された造形材料を硬化することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線照射装置などが挙げられる。
紫外線照射装置としては、例えば、発光ダイオード(LED)、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。これらの中でも、LEDが照射強度を変更可能である点で特に好ましい。
高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Fe等の金属のハロゲン化物が用いられ、重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものも使用することができる。
<隙間確保工程および制御手段>
本発明において「制御手段」は、吐出手段及び硬化手段、並びに他の手段(例えば平坦化手段など)の動作を制御するための手段を意味する。制御手段の機能ブロック図を図2に示し、制御手段の詳細については、特定態様の例に基づいて後述する。制御手段にはROMやRAMなどの記憶手段及びCPU、FPGAなどの計算手段を含んでよい。記憶手段には、吐出手段や硬化手段等の各手段に特定の動作を行わせるためのプログラムが記憶されていてよく、かかるプログラムに基づいて各手段の動作を制御する。
本発明において、制御手段により吐出手段や硬化手段などの各手段を動作させる際に、前記各手段が所定の方向に運動する場合、かかる運動は、造形台(又は立体造形物)に対する相対的な移動を意味する。したがって、例えば「吐出手段が主走査方向に運動する」という場合、吐出手段自体が主走査方向に移動してもよいし、造形台(又は立体造形物)が主走査方向に移動することにより、吐出手段が相対的に主走査方向に運動するように制御してもよい。
隙間確保工程は、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する工程であり、制御手段が各手段の動作を制御することにより実施される。
制御手段の働きによって、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行うことによって、造形材料の吐出量バラツキや着弾後の液滴の広がりにより狙いの微小な隙間が造形材料で埋められることを防止でき、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接している箇所に十分な隙間を確実に確保することができる。
制御手段に含まれ得る記憶手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの主記憶装置の他、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)などの補助記憶装置なども挙げられる。
制御手段に含まれ得る計算手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
<その他の工程およびその他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平坦化工程、乾燥工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平坦化手段、乾燥手段、ステージなどが挙げられる。
−平坦化工程および平坦化手段−
平坦化工程は、前記吐出工程により形成された造形層を平坦化する工程であり、平坦化手段により実施される。
平坦化手段としては、例えば、ローラ、ブラシ、ブレードなどが挙げられる。
平坦化手段が造形材料を平坦化することにより、造形層の平均厚みの精度や平坦性を確保することができる。
−ステージ−
ステージとは、造形層が積層されて立体造形物が造形される基台を意味する。
ステージは、モータなどにより移動可能であってもよく、上下動可能であってもよい。なお、「ステージ」を「造形ステージ」又は「造形台」と称することがある。
ステージの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平面状であることが好ましい。
ここで、本発明の立体造形物製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
図1は、本発明の立体造形物製造装置の一例を示す概略図である。この図1の立体造形物製造装置10は、層状造形物である造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形ステージであるステージ14と、ステージ14上に造形層30を順次積層しながら造形する造形ユニット20とを備えている。
造形ユニット20は、ユニットホルダ21に、造形材料を吐出する吐出手段である第1ヘッド11と、活性エネルギー線としての紫外線を照射するUV照射ユニット13と、造形層30を平坦化する平坦化手段である平坦化ローラ16を備えている。なお、立体造形物を造形するモデル材としての造形材料だけでなく、立体造形物の造形を支持するサポート材を吐出させるための第2ヘッド12を備えることができる。
ここでは、X方向において、第1ヘッド11を挟んで2つの第2ヘッド12を配置し、2つの第2ヘッド12の外側にそれぞれUV照射ユニット13を配置し、更に、UV照射ユニット13の外側にそれぞれ平坦化部材として、平坦化ローラ16を配置している。
第1ヘッド11には、カートリッジ装着部に交換可能に装着されるカートリッジによって造形材料が供給チューブなどを介して供給される。なお、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラーの造形材料を使用する場合には、第1ヘッド11に各色の液滴を吐出する複数のノズル列を配置することができる。
UV照射ユニット13は、第1ヘッド11から吐出された造形材料を硬化する。また、UV照射ユニット13は、サポート材を含む場合は、第2ヘッド12から吐出されたサポート材からなる造形層30を硬化する。
UV照射ユニット13としては、発光ダイオード(LED)、紫外線照射ランプなどが挙げられる。紫外線照射ランプを使用する場合、紫外線照射により発生するオゾンを除去する機構を備えることが好ましい。
紫外線照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くした紫外線照射ランプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため着色物の硬化に効果的である。Pb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。
平坦化ローラ16は、回転されながら、ステージ14との相対移動により、ステージ14上で硬化された造形層30の表面を平坦化する。
なお、「ステージ14上」とは、特に限定しない限り、ステージ14およびステージ14上で積層させる造形層30上を含むことを意味する。
造形ユニット20のユニットホルダ21は、X方向に配置されたガイド部材に移動可能に保持されている。
また、造形ユニット20のX方向の一方側には、第1ヘッド11の維持回復を行うメンテナンス機構が配置されている。
また、造形ユニット20のユニットホルダ21を保持しているガイド部材は、両側の側板に保持されている。側板はベース部材上に配置されたガイド部材に移動可能に保持されたスライダ部を有し、造形ユニット20はX方向と直交するY方向に往復移動可能である。
ステージ14は、昇降手段15によってZ方向に昇降される。昇降手段15は、ベース部材上にX方向に配置されたガイド部材上に移動可能に配置される。
次に、この立体造形物製造装置10による造形動作の概要について、図1を参照して説明する。
まず、造形ユニット20をY方向に移動させてステージ14上に位置させる。次に、ステージ14を停止している造形ユニット20に対して移動させながら、第1ヘッド11からモデル材301を造形領域(立体造形物を構成する領域)に吐出させる。サポート材を用いる場合は、第2ヘッド12からサポート材302を造形領域以外のサポート領域(造形後除去する領域)に吐出させる。
次に、UV照射ユニット13によって、モデル材301およびサポート材302上に紫外線を照射して硬化させ、造形材料による造形物17とサポート材による造形物18を含む1層分の造形層30を形成する。
この造形層30を繰り返し造形して順次積層し、モデル材301をサポート材302で支持しながらモデル材301からなる目的とする立体造形物を造形する。例えば、図1の例では、造形層30A〜30Eの5層を積層した状態を示している。
ここで、造形層30を複数層(固定値である必要はない。)積層する毎に、例えば、10層積層する毎に、平坦化ローラ16を最表面の造形層30に押し付けて平坦化することにより、造形層30の厚み精度や平坦性を確保する。
平坦化手段として、平坦化ローラ16のようなローラ形状の部材を使用する場合、X方向における移動方向に対して、平坦化ローラ16を逆転させる方向で回転させることにより、平坦化効果を向上させることができる。
また、造形ユニット20と最表面の造形層30とのギャップを一定に保つために、ここでは、1層の造形層30を形成する毎にステージ14を昇降手段15によって下降させている。なお、造形ユニット20を昇降させる構成でもよい。
立体造形物製造装置は、モデル材301やサポート材302の回収部材、リサイクル機構などを備えてもよい。また、第1ヘッド11、第2ヘッド12の不吐出ノズルを検知する吐出状態検出手段を備えてもよい。更に、造形時の装置内の環境温度を制御してもよい。
(立体造形物製造用プログラム)
本発明の立体造形物製造用プログラムは、立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する処理をコンピュータに行わせる。
立体造形物製造用プログラムは、上記処理以外にも、その他の処理をコンピュータに行わせることができる。
その他の処理としては、例えば、吐出された造形材料の層を平坦化する処理、吐出された造形材料を硬化させるために活性エネルギー線照射する処理、造形された造形物を洗浄する処理、造形された造形物を乾燥する処理などが挙げられる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の立体造形物製造装置として実現させることから、本発明の立体造形物製造用プログラムにおける好適な態様は、例えば、本発明の立体造形物製造装置における好適な態様と同様とすることができる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成およびオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
本発明の立体造形物製造用プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記録媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記録媒体に記録しておいてもよい。これらの記録媒体は、制御手段に含まれる記憶手段であってよい。
更に、本発明の立体造形物製造用プログラムを、上記の記録媒体に記録する場合には、必要に応じて、コンピュータシステムが有する記録媒体読取装置を通じて、これを直接又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータなど)に本発明の立体造形物製造用プログラムを記録しておいてもよい。この場合、外部記憶領域に記録された本発明の立体造形物製造用プログラムは、必要に応じて、外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。
なお、本発明の立体造形物製造用プログラムは、複数の記録媒体に、任意の処理毎に分割されて記録されていてもよい。
<立体造形物製造装置>
本発明の立体造形物製造装置は、本発明の立体造形物製造用プログラムを搭載する。
本発明の立体造形物製造装置は、本発明の立体造形物製造用プログラムを搭載している以外は特に制限はなく、その他のプログラムなどを搭載することができる。
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用プログラムを記録してなる。
本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
また、本発明におけるコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、本発明の立体造形物製造用活性エネルギー線照射プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体であってもよい。
本発明の立体造形物製造用プログラムによる処理は、本発明の立体造形物製造装置を構成する制御手段を有するコンピュータを用いて実行することができる。
コンピュータとしては、記憶、演算、制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
ここで、立体造形物製造装置の制御手段の概要について、図2を参照して説明する。図2は立体造形物製造装置の制御手段のブロック図である。
制御手段500は、立体造形物製造装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明の立体造形物製造用プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御手段500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御手段500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他の装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
更に、制御手段500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータおよび信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)を造形層ごとにスライスしたスライスデータである造形データ(断面データ)を作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御手段500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備える。
また、制御手段500は、造形ユニット20の第1ヘッド11を駆動制御するヘッド駆動制御部508と、第2ヘッド12を駆動制御するヘッド駆動制御部509を備えている。
更に、制御手段500は、造形ユニット20をX方向に移動させるユニットX方向移動機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット20をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備える。
制御手段500は、ステージ14を昇降手段15とともにX方向に移動させるステージX方向走査機構553を構成するモータを駆動するモータ駆動部513と、ステージ14をZ方向に昇降させる昇降手段15を構成するモータを駆動するモータ駆動部514を備える。なお、Z方向への昇降は、前述したように造形ユニット20を昇降させる構成とすることもできる。
制御手段500は、平坦化ローラ16を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516、第1ヘッド11、第2ヘッド12のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備える。
制御手段500は、UV照射ユニット13による紫外線照射を制御する硬化制御部519を備える。
制御手段500のI/O507には、装置の環境条件としての温度および湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御手段500には、この装置に必要な情報の入力および表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御手段500は、上述したように、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の内の造形物17を形成するデータ(造形領域のデータ)である。
主制御部500Aは、造形データ(造形領域データ)にサポート材を付与するサポート領域のデータを付加したデータを作成し、ヘッド駆動制御部508、509に与える。ヘッド駆動制御部508、509は、それぞれ、第1ヘッド11からモデル材301の液滴を造形領域に吐出させ、第2ヘッド12から液状のサポート材302の液滴をサポート領域に吐出させる。
なお、造形データ作成装置600と立体造形物製造装置10によって製造装置が構成される。
ここで、立体造形物を高さ方向から見た模式図であり、図3(A)は、モデル部の輪郭線同士が近接する箇所の隙間を説明する模式図を示し、図3(B)は、図3(A)の近接する箇所の輪郭線の間にサポート材を配置した模式図である。
本発明において、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の隙間としては、図3(A)に示すように、円形の造形物と長方形の造形物の輪郭線の間と、円形の造形物自身の中心部分の小さな穴(隙間)とがある。
いずれの場合でも、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間が閾値未満である場合には、モデル材の吐出量バラツキや着弾後の液滴の広がりによって、近接する箇所の輪郭線間の隙間がモデル材で埋められてしまうおそれがある。
ここで、近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値は、造形材料や吐出条件等によって異なり、所定の値を任意に設定してよいが、例えば150dpi(dots per inch)において0.5mm(3pixel)以下である。
そこで、本発明においては、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間の距離が閾値未満である場合には、(1)対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間にサポート材を配置すること、即ち、近接する箇所の輪郭線の間にサポート材を配置し、造形終了後に、サポート材からなるサポート部を除去することによって、近接する箇所の輪郭線の間がモデル材で埋まらないので、近接する箇所の隙間を確実に十分確保することができる。
また、本発明においては、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間の距離が閾値未満である場合には、(2)モデル材の吐出量バラツキや着弾後の液滴の広がりを事前に把握しておき、モデル材の吐出量のばらつきをフィードバックして、当該箇所の輪郭線の間の設定距離を近接する箇所の輪郭線の間の距離の閾値よりも大きく設定することによって、当該箇所の輪郭線の間がモデル材で埋まらないので、近接する箇所の隙間を確実に十分確保することができる。
ここで、図4は造形中の立体造形物の様子を表す概略斜視図である。図4中X部分の造形では、従来は造形に当たってサポート材を用いないで造形を行っていたが、本発明の立体造形物の製造方法では近接する箇所の輪郭線の間にサポート材を配置して造形を行っている。
図5Aは従来の立体造形物の製造方法によって造形されたチェーン状の造形物を示し、図5Bは図5AのX1部分の拡大図である。図6は、本発明の立体造形物の製造方法によって得られたチェーン状の造形物を示す。
従来の立体造形物の製造方法では、図5A中のX1部分の造形において、チェーン状の造形物の連接部分の輪郭線の間が造形材料で埋まってしまい、チェーンを構成する個々のリンク部品が直線状に固定されてしまい、動きの自由度がなくなり、チェーンとして機能を果たすことができない。これに対して、図6に示す本発明の立体造形物の製造方法により得られたチェーン状の造形物は、図6中X3部分においても近接する箇所の隙間が十分に確保されており、チェーンを構成する個々のリンク部品が自由に動き、チェーンとしての機能が担保されている。
図7は、本発明の立体造形物の製造方法及び従来の立体造形物の製造方法で得られたチェーン状の立体造形物の全体図である。図8Aは、従来の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のA部分の拡大図である。図8Bは、本発明の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のA部分の拡大図である。図9Aは、従来の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のB部分の拡大図である。図9Bは、本発明の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のB部分の拡大図である。図10Aは、従来の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のC部分の拡大図である。図10Bは、本発明の立体造形物の製造方法で得られた図7のチェーン状の造形物のC部分の拡大図である。
本発明の立体造形物の製造方法で得られたチェーン状の造形物は、いずれも近接する箇所の隙間が十分に確保されているので、従来の立体造形物の製造方法で造形したチェーン状の造形物と比較して、チェーンを構成する個々のリンク部品の自由度が担保されており、チェーンとしての良好な機能を備えていることがわかる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(比較例1)
図11Aに示す比較例1の立体造形物製造装置10は、ステージ14上を往復移動可能な造形ユニット20を有する。
造形ユニット20は、吐出手段としての第1ヘッド11、第2ヘッド12、照射手段としてのUV照射ユニット13、および平坦化手段としての平坦化ローラ16を備えている。
比較例1では、以下のようにして、モデル層を1層形成するごとに造形ユニット20を上昇させて、立体造形物を造形する。
まず、図11Aに示すように、往路において、ステージ14上に造形ユニット20の第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層1を形成する。
次に、図11Bに示すように、復路において、モデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させて、モデル層2を形成する。
ここで、図12は、比較例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図11Aおよび図11B、図4、図5Aおよび図5Bを参照して、比較例1の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS1では、立体造形物製造装置10の制御手段が、往路においてモデルスキャン1によりステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、復路においてモデルスキャン2によりモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS2に移行する。
ステップS2では、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所において、往路でモデルスキャン3によりステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層3を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所において、復路でモデルスキャン4によりモデル層3上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層4を形成すると、処理をS3に移行する。
ステップS3では、立体造形物製造装置10の制御手段が、Z方向に造形ユニット20を所定量上昇させると、本処理を終了する。これ以降、ステップS1からステップS3の一連の処理を所定回数繰り返すことにより、図5Aおよび図5Bに示す比較例1の立体造形物が得られる。
比較例1では、図5Aおよび図5Bに示すように、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間がモデル材で埋まってしまうので、チェーンの機能を果たすことができない。即ち、図5Aに示すようなチェーン状の立体造形物において、図5Bに示すように、プレートとプレートの狭い隙間(0.5mm以下)がモデル材で埋まってしまい、本来はリンク部品ごとに自在に動くはずの近接する箇所が動かないというチェーンの機能を失った立体造形物となってしまった。
(実施例1)
実施例1では、比較例1と同様に図11Aおよび図11Bに示す立体造形物製造装置200を用い、図6に示すチェーン状の立体造形物を造形した。
ここで、図13は、実施例1の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図11Aおよび図11B、図4、図6を参照して、実施例1の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS11では、立体造形物製造装置10の制御手段が、往路においてモデルスキャン1によりステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、復路においてモデルスキャン2によりモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS12に移行する。
ステップS12では、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満であるか否かを判断し、近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満であると処理をS13に移行し、近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値以上であると、処理をS14に移行する。ここで、近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値は、造形材料や吐出条件等によって異なり、所定の値を任意に設定してよいが、例えば150dpi(dots per inch)において0.5mm(3pixel)以下である。
ステップS13では、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所において、往路でサポートスキャン1によりステージ14上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてサポート層1を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所において、復路でサポートスキャン2によりサポート層1上に第2ヘッド12からサポート材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてサポート層2を形成すると、処理をS14に移行する。
ステップS14では、立体造形物製造装置10の制御手段が、ステップS13で形成したサポート層2上において、往路でモデルスキャン3によりステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層3を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、復路においてモデルスキャン4によりモデル層3上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層4を形成すると、処理をS15に移行する。
ステップS15では、立体造形物製造装置10の制御手段が、Z方向に造形ユニット20を所定量上昇させると、本処理を終了する。これ以降、ステップS11からステップS15の一連の処理を所定回数繰り返すことにより、図6に示す実施例1のチェーン状の立体造形物が得られる。
実施例1では、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間がモデル材で埋まることがないので、図6に示すように、チェーン状の立体造形物のプレートとプレートの狭い隙間が確実に十分確保でき、チェーンの個々のリンク部品を自在に動かすことができ、チェーンとしての機能を備えたチェーン状の立体造形物が得られた。
(実施例2)
実施例2では、比較例1と同様に図11Aおよび図11Bに示す立体造形物製造装置200を用い、図6に示すチェーン状の立体造形物を造形した。
ここで、図14は、実施例2の立体造形物製造装置の制御手段における立体造形物製造用プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図11Aおよび図11B、図4、および図6を参照して、実施例2の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS21では、立体造形物製造装置10の制御手段が、往路においてモデルスキャン1によりステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層1を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、復路においてモデルスキャン2によりモデル層1上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層2を形成すると、処理をS22に移行する。
ステップS22では、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満であるか否かを判断し、近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満であると処理をS23に移行し、近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値以上であると、処理をS24に移行する。ここで、近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値は、造形材料や吐出条件等によって異なり、所定の値を任意に設定してよいが、例えば150dpi(dots per inch)において0.5mm(3pixel)以下である。
ステップS23では、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の近傍に吐出するモデル材の吐出量を削減すると、処理をS24に移行する。
近接する箇所の近傍に吐出するモデル材の吐出量を削減することにより、近接する箇所の隙間を十分確保することができる。
ステップS24では、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所において、往路でモデルスキャン3によりステージ14上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層3を形成する。引き続き、立体造形物製造装置10の制御手段が、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所において、復路でモデルスキャン4によりモデル層3上に第1ヘッド11からモデル材を吐出し、平坦化ローラ16により平坦化を行い、UV照射ユニット13から紫外線を照射し硬化させてモデル層4を形成すると、処理をS25に移行する。
ステップS25では、立体造形物製造装置10の制御手段が、Z方向に造形ユニット20を所定量上昇させると、本処理を終了する。これ以降、ステップS21からステップS25の一連の処理を所定回数繰り返すことにより、図6に示すようなチェーン状の立体造形物が得られる。
実施例2では、モデル材の吐出量バラツキや着弾後の液滴の広がりを事前に考慮しており、対向するモデル材からなるモデル部の輪郭線同士が近接する箇所の輪郭線の間がモデル材で埋まることがないので、図6に示すように、チェーン状の立体造形物のプレートとプレートの狭い隙間が確実に十分確保でき、チェーンの個々のリンク部品を自在に動かすことができ、チェーンとしての機能を備えたチェーン状の立体造形物が得られた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 造形材料を吐出する吐出手段と、
立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行う制御手段と、
を有することを特徴とする立体造形物製造装置である。
<2> 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記輪郭線の間にサポート材を配置する制御である、前記<1>に記載の立体造形物製造装置である。
<3> 前記サポート材が、水溶性の造形材料である、前記<2>に記載の立体造形物製造装置である。
<4> 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きくする制御である、前記<1>に記載の立体造形物製造装置である。
<5> 吐出した造形材料を硬化させる硬化手段を有する、前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<6> 吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化手段を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物製造装置である。
<7> 立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用プログラムである。
<8> 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記輪郭線の間にサポート材を配置する処理をコンピュータに行わせる前記<7>に記載の立体造形物製造用プログラムである。
<9> 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きくする処理をコンピュータに行わせる前記<7>に記載の立体造形物製造用プログラムである。
<10> 前記<7>から<9>のいずれかに記載の立体造形物製造用プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物製造装置である。
<11> 立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する隙間確保工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<12> 前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記輪郭線の間にサポート材を配置する前記<11>に記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記サポート材が、水溶性の造形材料である、前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きくする、前記<11>に記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 吐出した造形材料を硬化させる硬化工程を含む、前記<11から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<16> 吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化工程を含む前記<11>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<6>および<10>のいずれかに記載の立体造形物製造装置、前記<7>から<9>のいずれかに記載の立体造形物製造用プログラム、ならびに前記<11>から<16>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 立体造形物製造装置
11 第1ヘッド
12 第2ヘッド
13 UV照射ユニット
14 ステージ
16 平坦化ローラ
20 造形ユニット
特開2018−154091号公報

Claims (11)

  1. 造形材料を吐出する吐出手段と、
    立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する制御を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする立体造形物製造装置。
  2. 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記輪郭線の間にサポート材を配置する制御である、請求項1に記載の立体造形物製造装置。
  3. 前記サポート材が、水溶性の造形材料である、請求項2に記載の立体造形物製造装置。
  4. 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きくする制御である、請求項1に記載の立体造形物製造装置。
  5. 吐出した造形材料を硬化させる硬化手段を有する、請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  6. 吐出された前記造形材料の表面を平坦化する平坦化手段を有する請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物製造装置。
  7. 立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする立体造形物製造用プログラム。
  8. 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記輪郭線の間にサポート材を配置する処理をコンピュータに行わせる請求項7に記載の立体造形物製造用プログラム。
  9. 前記十分な隙間を確保する制御が、前記近接する箇所の輪郭線間の距離が閾値未満である場合に、前記近接する箇所の輪郭線間の設計距離を前記近接する箇所の輪郭線間の距離の閾値よりも大きくする処理をコンピュータに行わせる請求項7に記載の立体造形物製造用プログラム。
  10. 請求項7から9のいずれかに記載の立体造形物製造用プログラムを搭載したことを特徴とする立体造形物製造装置。
  11. 立体造形物の対向する輪郭線同士が近接する箇所において、前記輪郭線の間に十分な隙間を確保する隙間確保工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。

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JP2002248692A (ja) * 2001-02-23 2002-09-03 Minolta Co Ltd 三次元造形システム、三次元造形センター、プログラム、記憶媒体および三次元造形の発注方法
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