JP7052397B2 - 立体造形物用組成物、立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形物用組成物、立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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本発明は、立体造形物用組成物、立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法に関する。
三次元の立体造形物を造形する方法として、付加製造(AM: Additive Manufacturing)が知られている。この方法では、三次元モデルを所定間隔で切断した断面形状の層を形成し、積層することにより立体造形物を造形する。立体造形物を造形する手法としては、インクジェット記録装置を用いたマテリアルジェット方式、熱溶融積層法(FDM:Fused Deposition Molding)、バインダージェット方式、光造形(SLA:Stereo Lithography Apparatus)、及び粉末焼結積層造形(SLS:Selective Laser Sintering)などが知られている。マテリアルジェット方式では、光硬化性の立体造形物用組成物等を吐出して液膜を形成し、液膜を硬化して一断面形状の層を形成し、これを積層して立体造形物を造形する。また、マテリアルジェット方式で、オーバーハング部のような造形が困難な部分を有する立体造形物を造形する場合、立体造形物の造形が困難な部分を、支持部材により支持しながら造形することが知られている。
特許文献1には、立体造形物の成形が完了した時点で、立体造形物であるモデル材、及び支持部材であるサポート材が一体的に形成された成形物となっていること、このサポート材は、水溶解性の材料からなるため、成形物を水に浸けることにより、モデル材のみが得られることが開示されている。
しかしながら、水を用いて立体造形物から支持部材を分離させる場合、立体造形物には耐水性が要求されるが、立体造形物の耐水性を高めることができる立体造形物用組成物は濡れ広がりが早いため、積層方向に向かって形成される鋭い形状の立体造形物における造形精度が劣る課題がある。また、耐水性を高めることができる立体造形物用組成物に含まれる光重合開始剤の量を増やして短時間で硬化させたとしても、立体造形物の黄色度が高まる課題がある。
請求項1に係る発明は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤と、を含む立体造形物用組成物であって、前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は、前記立体造形物用組成物に対して2質量%以上5質量%以下含まれ、前記α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤は、前記立体造形物用組成物に対して1質量%以上4質量%以下含まれ、前記α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンを含む立体造形物用組成物である。
本発明の立体造形物用組成物は、立体造形物の耐水性、及び積層方向に形成される鋭い形状の造形精度に優れ、立体造形物の黄色度が低くなる効果を奏する。
図1は、一実施形態に係る造形装置を示す概略図である。 図2は、立体造形物を製造する工程を説明するための概念図である。 図3は、造形物の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<<立体造形物用組成物>>
本実施形態の立体造形物用組成物は、硬化することで立体造形物を形成する活性エネルギー線硬化型組成物であり、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤と、を含む。また、本実施形態の立体造形物用組成物は、必要に応じて、重合性の化合物、界面活性剤、及びその他成分を含んでもよい。
<重合性の化合物>
重合性の化合物としては、次に説明する単官能モノマー、及び多官能モノマーが挙げられる。
-単官能モノマー-
単官能モノマーとしては特に限定はなく、光重合可能なモノマーが使用できる。単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート系モノマーやエポキシ系モノマーが挙げられる。なお、(メタ)アクリレート系モノマーは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーである。(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリイレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アルコキシ化ラウリル(メタ)アクリレート、アルコキシフェノール(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノールアクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち粘度、疎水性、収縮率の観点からイソボルニルアクリレート、アダマンチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノールアクリレートが好ましい。単官能モノマーが、疎水性であると、立体造形物用組成物と、硬化することで支持部材を形成する支持部材形成用組成物と、が接した場合において、界面における両組成物の混和を抑制することができる。これにより、立体造形物の界面における平滑性、透明性、及び寸法精度を向上させることができる。単官能モノマーが、疎水性であると、立体造形物用組成物の硬化物である立体造形物を疎水性にすることができる。これにより、立体造形物を支持部材用組成物の硬化物である支持部材で支持しながら製造し、その後、支持部材に水を付与することで支持部材を立体造形物から分離させて立体造形物を得る場合において、立体造形物の耐水性を高めることができ、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。なお、本実施形態において、単官能モノマーが「疎水性」であるとは、単官能モノマーの溶解パラメーター(以下、「SP値」とも称することがある)が12MPa1/2以下である場合をいう。疎水性である単官能モノマーは、脂肪族化合物であることが好ましい。また、イソボルニルアクリレート、アダマンチルアクリレート、及び3,3,5-トリメチルシクロヘキサノールアクリレートはいずれもSP値が12MPa1/2以下である。
また、単官能モノマーは、特に限定されないが、立体造形物用組成物に対して60質量%以上含まれることが好ましく、65質量%以上含まれることがより好ましい。また、単官能モノマーは、立体造形物用組成物に対して90質量%以下含まれることが好ましく、80質量%以下含まれることがより好ましく、70質量%以下含まれることが特に好ましい。
なお、疎水性の単官能モノマーの立体造形物用組成物に対する含有量が60質量%以上であると、立体造形物を疎水性にすることができる。これにより、立体造形物を支持部材で支持しながら製造し、その後、支持部材に水を付与することで支持部材を立体造形物から分離させて立体造形物を得る場合において、立体造形物の耐水性を高めることができ、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。また、疎水性の単官能モノマーの立体造形物用組成物に対する含有量は、65質量%以上がより好ましい。また、疎水性の単官能モノマーの立体造形物用組成物に対する含有量は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが特に好ましい。
-多官能モノマー-
単官能モノマーとしては特に限定はなく、光重合可能なモノマーが使用できる。二官能基のモノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1.3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1.4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1.6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどが挙げられる。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、トリアリルイソシアネート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち耐熱性、疎水性、収縮率の観点からトリシクロデカンメタノールジアクリレート、トリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
また、多官能モノマーは、立体造形物用組成物に対して10質量%以上含まれることが好ましく、12質量%以上含まれることがより好ましく、15質量%以上含まれることが更に好ましい。また、多官能モノマーは、立体造形物用組成物に対して40質量%以下含まれることが好ましく、30質量%以下含まれることがより好ましく、25質量%以下含まれることが更に好ましい。
また、本実施形態における立体造形物用組成物は、単官能モノマー、及び多官能モノマーをともに含有することが好ましい。多官能モノマーを単官能モノマーと併用することで、立体造形物用組成物の硬化物である立体造形物における強度が向上するためである。一方で、多官能モノマーの含有量が多くなりすぎると立体造形物に反りが発生する場合もある。そのため、多官能モノマーを単官能モノマーと併用させつつも、適当な比率で用いることが好ましい。すなわち、単官能モノマー、及び多官能モノマーをともに含有し、且つ単官能モノマーが疎水性である場合、立体造形物用組成物中における多官能モノマーの含有量に対する単官能モノマーの含有量の質量比(単官能モノマー/多官能モノマー)は、1.0以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。また、6.0以下であることが好ましく、5.5以下であることがより好ましい。これにより、立体造形物の強度向上と反りの抑制を両立しつつ、立体造形物を疎水性にすることができ、立体造形物を支持部材で支持しながら製造し、その後、支持部材に水を付与することで支持部材を立体造形物から分離させて立体造形物を得る場合においても、立体造形物の耐水性を高めることができ、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。
<光重合開始剤>
近年、重合性化合物の紫外線硬化用の光源として、従来のメタルハライドランプよりも低電力、高寿命のLED化が進められている。その中でも350nm以上400nm以下の波長にピークを有する紫外線を照射するLEDは安価で高出力である。そのため光重合開始剤としては、光(350nm以上400nm以下の波長にピークを有する紫外線であることが好ましく、365nm以上385nm以下の波長にピークを有する紫外線であることがより好ましい)の照射によりラジカルを生成する物質を用いることが好ましい。例えば、アセトフェノン、2、2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ジクロロベンゾフェノン、p,p-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾイルフォーメート、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドなどが挙げられる。このような光重合開始剤の中でも、本実施形態ではアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤を用いる。
-アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤-
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、公知の化合物がいずれも好ましく用いられるが、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製「イルガキュアTPO」等)、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア819」等)から選ばれる少なくとも1つが好ましく、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドがより好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤としては、公知の化合物がいずれも好ましく用いられるが、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア1173」等)、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア127」等)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア184」等)、及び1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア2959」等)から選ばれる少なくとも1つが好ましく、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、及び2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンから選ばれる少なくとも1つがより好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記以外のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤としては、Vicure10、30(Stauffer Chemical社製)、Irgacure500、651、907、369、379、754、1700、1800、1850、OXE01、ITX(チバスペシャルティケミカルズ社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)、Kayacure DETX-S(日本化薬社製)、ESACURE KIP150(Lamberti社製)の商品名で市販されている光重合開始剤も使用することができる。
本実施形態において、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は、立体造形物用組成物に対して2質量%以上5質量%以下含まれ、α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤は、立体造形物用組成物に対して1質量%以上4質量%以下含まれる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤およびα-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤を用い、且つそれぞれの含有量を上記の範囲にすることで、重合性の化合物に対して光照射した際における硬化速度を速めることができる。これにより、疎水性である重合性の化合物を含有し、表面自由エネルギーが低く濡れ広がりが早い立体造形物用組成物を用いた場合であっても、立体造形物用組成物を素早く硬化させることができる。すなわち、積層方向(高さ方向)に向かって形成される鋭い形状の立体造形物を形成する場合であっても、立体造形物の造形精度の課題(早い濡れ広がりによる高さ不足の課題、エッジ部が丸くなる課題など)を解決しながら立体造形物の耐水性を実現できる。
なお、単に光重合開始剤の量を増やすことで立体造形物用組成物を素早く硬化させることができる場合もある。しかし、この場合、立体造形物の黄色度が高まってしまい実用性に劣る課題や、立体造形物用組成物の硬化物の内部と表面部で硬化速度に差が生じて反りが生じる課題等が発生する。これらの改題を解決しつつ造形精度と耐水性を向上させることは上記光重合開始剤を上記含有量で用いなければ困難である。
また、立体造形物用組成物の硬化物の表面部は、光重合開始剤や光重合開始剤の分解物が存在するため、光重合開始剤の種類によっては、表面部に付与される立体造形物用組成物の濡れ広がりを促進し、立体造形物の造形精度に関する課題を発生させる。また、光重合開始剤の種類によっては、立体造形物用組成物の硬化物の表面部に存在する光重合開始剤や光重合開始剤の分解物が立体造形物の耐水性を低下させる。従って、上記光重合開始剤の組み合わせであることがこれらの課題解決に必要である。
なお、立体造形物用組成物中におけるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、全光重合開始剤の含有量に対し、50質量%以上であることが好ましい。また、立体造形物用組成物中におけるα-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤の含有量に対するアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の質量比(アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤/α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤)は、0.5以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましく、1.5以上であることが更に好ましく、3以上であることが特に好ましい。
<界面活性剤>
本発明における界面活性剤は(メタ)アクリレートなどの紫外線硬化性の官能基を有する界面活性剤であることが好ましい。紫外線硬化性を有さない場合、硬化後の立体造形物用組成物の硬化物からブリードアウトし、ベタツキや強度低下を生じさせる。紫外線硬化性を有する界面活性剤として特に限定はなく、一般的な界面活性剤が使用できる。紫外線硬化性を有する界面活性剤としては、例えば、BYK-UV3500、BYK-UV3505、BYK-UV3510、BYK-UV3535、BYK-UV3570、BYK-UV3570、BYK-UV3576などが挙げられる。また、紫外線硬化性を有する界面活性剤の含有量は、立体造形物用組成物に対して0.2質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましく、0.005質量%以下であることが更に好ましい。
<その他成分>
本実施形態の立体造形物用組成物は、目的に応じてその他の成分を含んでよく、例えば、重合禁止剤、熱重合開始剤、色材、酸化防止剤、連鎖移動剤などが挙げられる。
-重合禁止剤-
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,2-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン等のフェノール化合物、ジラウリルチオジプロピオネート等の硫黄化合物、トリフェニルフォスファイト等のリン化合物、フェノチアジン等のアミン化合物などが挙げられる。
重合禁止剤の使用量は、5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。
-熱重合開始剤-
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のアゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
-色材-
色材としては、顔料または染料が挙げられる、顔料には有機顔料および無機顔料が含まれる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、アジン顔料、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、カーボンブラック等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、金属酸化物(酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等)等が挙げられる。
-酸化防止剤-
酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等の単環フェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等のビスフェノール、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等の多環フェノールなどが挙げられる。また、ジラウリル3,3’-チオジプロピオネート等の硫黄化合物、トリフェニルホスファイト等のリン化合物、オクチル化ジフェニルアミン等のアミン化合物などが挙げられる。
-連鎖移動剤-
連鎖移動剤としては、例えば、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)および不飽和脂肪族炭化水素(1-ブテン、1-ノネン等)等のC6~24の炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭素等のC1~24のハロゲン化炭化水素、メタノール、1-ブタノール等のC1~24のアルコール、エチルチオール、1-オクチルチオール等のC1~24のチオール、アセトン、メチルエチルケトン等のC3~24のケトン、2-メチル-2-プロピルアルデヒド、1-ペンチルアルデヒド等のC2~18のアルデヒド、フェノール、m-、p-およびo-クレゾール等のC6~36のフェノール、ヒドロキノン等のC6~24のキノン、ジエチルメチルアミン、ジフェニルアミン等のC3~24のアミン、ジエチルジスルフィド、ジ-1-オクチルジスルフィド等のC2~24のジスルフィドなどが挙げられる。
<立体造形物用組成物の物性>
-表面張力-
立体造形物用組成物の表面張力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、20mN/m以上45mN/m以下が好ましく、25mN/m以上34mN/m以下がより好ましい。
表面張力が、20mN/m未満であると、インクジェット方式で造形する際に吐出が不安定(吐出方向が曲がる、吐出しない)になることがあり、45mN/mを超えると、造形用の吐出ノズル等に液体を充填する際に、完全には充填できないことがある。
なお、表面張力は、例えば、表面張力計(自動接触角計DM-701、協和界面科学株式会社製)などを用いて測定することができる。
-粘度-
立体造形物用組成物の粘度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、温度を調整することで適宜利用可能であるが、例えば、25℃で、3mPa・s以上50mPa・s以下が好ましい。粘度が、3mPa・s未満であると、インクジェット方式で造形する際に吐出が不安定(吐出方向が曲がる、吐出しない)になることがあり、50mPa・sを超えると、ヘッドからの吐出量が減るため所望の膜厚を確保することが難しい。
なお、粘度は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM-150III、東機産業株式会社製)などを用いて25℃の環境下で測定することができる。
<<支持部材用組成物>>
本実施形態の立体造形物用組成物の硬化物である立体造形物は、支持部材用組成物の硬化物である支持部材で支持しながら製造されることが好ましい。また、製造後の立体造形物から支持部材を除去する際は、支持部材に水を付与することで支持部材を立体造形物から分離することが好ましい。そのため、支持部材には、立体造形物を支持する性質(圧縮応力)と、水を付与することで崩壊する性質(水崩壊性)の両方が求められる。
支持部材用組成物は、例えば、水素結合能を有するモノマーと、炭素数6以上の鎖状アルコール、炭素数6以上の環状アルコール、及び炭素数6以上のポリプロピレングリコールモノエーテルから選択される少なくとも1種と、を含み、更に必要に応じて、重合開始剤、その他の成分を含む。
<水素結合能を有するモノマー>
水素結合能を有するモノマーは、水素結合能を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりラジカル重合する重合性を有する単官能モノマーや多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水崩壊性を向上する点から、単官能モノマーが好ましい。
水素結合能を有するモノマーとしては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基、スルホ基等を有するモノマーなどが挙げられる。
水素結合能を有するモノマーの重合反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、配位重合、開環重合などが挙げられる。これらの中でも、重合反応の制御の点から、ラジカル重合が好ましい。そのため、水素結合能を有するモノマーとしては、エチレン性不飽和モノマーが好ましく、水溶性単官能エチレン性不飽和モノマー、水溶性多官能エチレン性不飽和モノマーがより好ましく、水素結合能が高い点から、水溶性単官能エチレン性不飽和モノマーが特に好ましい。
-水素結合能を有する水溶性単官能エチレン性不飽和モノマー-
水素結合能を有する水溶性単官能エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、単官能ビニルアミド基含有モノマー、単官能水酸基含有(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド誘導体、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光反応性の点から、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド誘導体が好ましく、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N-プロピルアクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N-ヒドロキシブチルアクリルアミドがより好ましく、人体への皮膚低刺激性の点から、アクリロイルモルホリン(分子量:141.17)、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(分子量:115.15)が特に好ましい。
-水素結合能を有する水溶性多官能エチレン性不飽和モノマー-
水素結合能を有する水溶性多官能エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、二官能基のモノマーとして、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート;三官能以上のモノマーとして、トリアリルイソシアネート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水素結合能を有するモノマーの含有量としては、支持部材用組成物全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましい。含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、支持部材として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<炭素数6以上の鎖状アルコール>
炭素数6以上の鎖状アルコールは、水素結合能を有するモノマーと水素結合能を有し、水素結合能を有するモノマーと水素結合を形成することにより、支持部材の機能を発揮することができる。
炭素数6以上の鎖状アルコールとしては、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよく、炭素数6以上の直鎖アルコールが好ましい。炭素数の上限は特に限定されず、水崩壊性の観点で適宜選択すればよいが、好ましくは20以下、より好ましくは12以下である。
炭素数6以上の鎖状アルコールとしては、水溶性アクリルモノマーと反応性がないこと、光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないこと、常温にて流動性があることが好ましい。
炭素数6以上の鎖状アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級アルコール(例えば、1-ヘキサノール、1-デカノール、1-ドデカノール等)、オキシプロピレン基やオキシエチレン基を有し、鎖状アルコールのアルキレンオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数6以上の鎖状アルコールの含有量としては、支持部材用組成物全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましい。含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、支持部材として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<炭素数6以上の環状アルコール>
環状アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノールなどが挙げられる。
炭素数6以上の環状アルコールの含有量としては、支持部材用組成物全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましい。含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、支持部材として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<炭素数6以上のポリプロピレングリコールモノエーテル>
炭素数6以上のポリプロピレングリコールモノエーテルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
炭素数6以上のポリプロピレングリコールモノエーテルの含有量としては、支持部材用組成物全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましい。含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、支持部材として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、紫外線照射装置の紫外線波長に合わせた公知の光重合開始剤を適宜選択することができる。
重合開始剤の含有量としては、支持部材用組成物全量に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、重合禁止剤、支持部材用組成物に分散可能な鉱物、重合性モノマー、熱重合開始剤、色材、酸化防止剤、連鎖移動剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
<<立体造形物の製造装置>>
本実施形態において、立体造形物用組成物(以下、「モデル材」とも称する)、及び支持部材用組成物(以下、「サポート材」とも称する)は、それぞれ立体造形物の製造装置(以下、「造形装置」とも称する)に搭載される。以下、本実施形態の製造方法において好適に用いられる造形装置として、UV硬化性を有するモデル材、及びサポート材を用いる一般的なマテリアルジェット方式の造形装置について説明する。このような造形装置としては、Agilista(キーエンス社製)やObjet30(Stratasys社製)などが例示される。ただし、本発明の造形装置は、これらに限定されない。例えば、マテリアルジェット方式の造形装置に代えて、ディスペンサー方式の造形装置を用いてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る造形装置を示す概略図である。造形装置30は、ヘッドユニット31,32、紫外線照射機33、ローラ34、キャリッジ35、及びステージ37を有する。ヘッドユニット31は、モデル材1を吐出する。ヘッドユニット32は、サポート材2を吐出する。紫外線照射機33は、吐出されたモデル材1、及びサポート材2に紫外線を照射して硬化する。ローラ34は、モデル材1、及びサポート材2の液膜を平滑化する。キャリッジ35は、ヘッドユニット31,32等の各手段を、図1におけるX方向に往復移動させる。ステージ37は、基板36を、図1に示すZ方向、及び図1の奥行方向であるY方向に移動させる。
モデル材が色ごとに複数ある場合、造形装置30には、各色のモデル材を吐出するための複数のヘッドユニット31が設けられていてもよい。
ヘッドユニット31,32には、それぞれ立体造形物用組成物、又は支持部材用組成物を収容するサブタンク等の収容部が設けられている。ヘッドユニット31,32に収容される立体造形物用組成物、又は支持部材用組成物は、他の収容部から、それぞれ送液されたものであってもよい。他の収容部としては、立体造形物用組成物、又は支持部材用組成物を収容し、樹脂等でケーシングされたカートリッジや、ボトル等が例示される。カートリッジにおいて、立体造形物用組成物、又は支持部材用組成物は、内袋がポリエチレン等の樹脂製のアルミパウチに収容されていてもよい。ヘッドユニット31,32におけるノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができる。
ローラ34に使用できる金属としては、SUS300系、400系、600系、六価クロム、窒化珪素、及びタングステンカーバーイドなどが例示される。また、これらのいずれかをフッ素やシリコーンなどで被膜コーティングした金属を、ローラ34に使用してもよい。これらの金属のなかでも、強度、加工性の面から600系が好ましい。
ローラ34を使用する場合、造形装置30は、ローラ34と立体造形物の面とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ37を下げながら積層する。ローラ34は紫外線照射機33に隣接している構成が好ましい。
また、休止時のインクの乾燥を防ぐため、造形装置30には、ヘッドユニット31,32におけるノズルを塞ぐキャップなどの手段が設けられていてもよい。また、長時間連続使用時のノズルの詰まりを防ぐため、造形装置30には、ヘッドをメンテナンスするためのメンテナンス機構が設けられていてもよい。
モデル材1、及びサポート材2の硬化に用いられる紫外線照射機33としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、LED、及びメタルハライドなどが例示される。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択される。紫外線照射機33としては、具体的には、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものが例示される。本実施では、モデル材1の硬化物における黄変を抑制するために、350nm以下の短波長領域にスペクトルを持たないLEDが好ましく、特に365nm以上385nm以下の波長にピークを有する紫外線を照射するLEDであることが好ましい。なお、紫外線照射機33は、吐出された立体造形物用組成物を硬化する手段の一例であり、且つ吐出された支持部材用組成物を硬化する手段の一例である。すなわち、吐出された立体造形物用組成物を硬化する手段、及び吐出された支持部材用組成物を硬化する手段は、別の独立した手段であってもよいが、同一の手段であってもよい。
なお、造形装置30としては、ヒーターレスであることが好ましく、常温にて造形可能であることが好ましい。
<<立体造形物の製造方法>>
図2は、立体造形物を製造する工程を説明するための概念図である。図2の(A)は、三次元モデルの一例を示す斜視図である。三次元モデル100は、例えば、三次元CADで設計された三次元形状、或いは三次元スキャナやディジタイザで取り込んだ三次元形状のサーフェイスデータ、ソリッドデータ等の三次元データである。三次元データは、例えば、三次元モデルの表面が三角形の集合体として表現されたSTLフォーマット(Standard Triangulated Language)に変換されていてもよい。三次元データは、例えば、造形装置に設けられた情報処理装置に入力される。
情報処理装置は、入力された三次元データから底面を特定する。底面を特定する方法は、特に限定されないが、三次元モデルを三次元座標系に配置したときに、長さが最も短くなる方向をZ軸とし、Z軸に直交する面と三次元モデルとの接点を底面とする方法が例示される。
情報処理装置は、Z軸方向の所定間隔ごとに、底面と平行方向に三次元モデルがスライスされた切断面を示す二次元データを生成する。この場合、情報処理装置は、三次元モデルのX-Y面、X-Z面、Y-Z面への投影面積を求める。情報処理装置は、得られた投影面積が収まるブロック形状を一層の厚みでX-Y面と平行に輪切り(スライス)にする。一層の厚みは使う材料によるが、通常は20μm以上60μm以下程度である。二次元データの生成などのデータ処理は、使用材料の指定に応じて、情報処理装置において自動的に実行されてもよい。
なお、図2の(A)におけるグラデーションで示された曲面のように、三次元モデルがオーバーハング部を有する場合、造形装置は、立体造形物(以下、「モデル部」とも称する)のオーバーバング部を支持部材(以下、「サポート部」とも称する)で支持しながら造形する。図2の(B)は、オーバーハング部のモデル部10がサポート部20によって支持された立体造形物の一例を示す斜視図である。
情報処理装置は、生成された各二次元データに対し、オーバーハング部の底面側に、サポート部を示す画素を追加する。最終的に生成される二次元データは、立体造形物の一断面を示し、モデル部を示す画素、及びサポート部を示す画素が含まれている。図2の(C)は、図2の(B)の立体造形物の一断面を示す断面図である。
<吐出工程>
造形装置30のエンジンは、情報処理装置によって生成された二次元データを入力する。造形装置30のエンジンは、キャリッジ15、又はステージ17を移動させながら、入力された二次元データのうち最も底面側の断面を示す二次元データに基づいて、ヘッドユニット31からモデル材1の液滴を吐出させ、ヘッドユニット32からサポート材2の液滴を吐出させる。これにより、最も底面側の断面を示す二次元データにおけるモデル部を示す画素に対応する位置にモデル材1の液滴が配され、サポート部を示す画素に対応する位置にサポート材2の液滴が配され、隣り合う位置の液滴同士が接した液膜が形成される。
なお、造形する立体造形物が1個の場合は、ステージ37の真中に断面形状の液膜が形成される。造形する立体造形物が複数個の場合、造形装置30は、ステージ37に複数個の断面形状の液膜を形成してもよいし、先に造形された立体造形物に液膜を積み重ねてもよい。
<平滑化工程>
平滑化工程において、ローラ34は、ステージ37上に吐出されたモデル材、及びサポート材のうち余剰な部分を掻き取ることで、モデル材、及びサポート材からなる液膜、又は層の有する凸凹を平滑化する。平滑化工程はZ軸方向へ積層毎に1回行われてもよいし、2乃至50回の積層毎に1回行われてもよい。平滑化工程において、ローラ34は停止していてもよいし、ステージ37の進行方向に対して正もしくは負の相対速度で回転していても良い。またローラ34の回転速度は定速でも一定加速度、一定減速度でもよい。ローラ34の回転数は、ステージ37との相対速度の絶対値として、50mm/s以上、400mm/s以下が好ましい。相対速度が小さすぎる場合、平滑化が不十分で平滑性が損なわれる。また相対速度が大きすぎる場合、装置が大型化を要し、振動などによって、吐出された液滴の位置ずれなどが発生しやすく、結果として平滑性が低下することがある。
<硬化工程>
硬化工程において、造形装置30のエンジンは、キャリッジ15により紫外線照射機33を双方向に移動させて、液膜形成工程で形成された液膜に、モデル材、及びサポート材に含まれる光重合開始剤の波長に応じた紫外線を照射する。これにより、造形装置30は、液膜を硬化して、層を形成する。なお、本実施形態における硬化工程のように、吐出された立体造形物用組成物を硬化する工程、及び吐出された支持部材用組成物を硬化する工程は、同時に行われてもよいし、それぞれ別のタイミングで行ってもよい。
<積層>
最も底面側の層の形成後、造形装置30のエンジンは、ステージを一層分、下降させる。造形装置30のエンジンは、キャリッジ15、又はステージ17を移動させながら、底面側から二つ目の断面を示す二次元画像データに基づいて、モデル材1の液滴を吐出させ、サポート材2の液滴を吐出させる。吐出方法は、最も底面側の液膜を形成するときと同様である。これにより、最も底面側の層上に、底面側から二つ目の二次元データが示す断面形状の液膜が形成される。更に、造形装置30のエンジンは、キャリッジ15により紫外線照射機33を移動させて、液膜に紫外線を照射することにより、液膜を硬化して、最も底面側の層上に、底面側から二つ目の層を形成する。
造形装置30のエンジンは、入力された二次元データについて、底面側に近いものから順に利用して、上記と同様に、液膜の形成と、硬化と、を繰り返し、層を積層させる。繰り返しの回数は、入力された二次元画像データの数、或いは三次元モデルの高さ、形状などに応じて異なる。すべての二次元画像データを用いた造形が完了すると、サポート部に支持された状態のモデル部の立体造形物が得られる。
<除去>
造形装置30により造形された立体造形物は、モデル材の硬化物、及びサポート材の硬化物の界面を有する。硬化物としてのサポート部は、造形後に立体造形物から除去される。除去方法には、物理的除去、及び化学的除去がある。物理的除去には、立体造形物に機械的な力を加え、モデル部からサポート部を剥がす操作が行われる。この操作には、人の手を要するため、サポート部を除去する方法として、特に制限はないが、水や溶媒を利用した化学的除去が好ましい。水を利用した除去が採用される場合、サポート材の硬化物は、水溶性を有するものが選択される。一方で、モデル材の硬化物は、耐水性を有するものが選択される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<立体造形物用組成物の調整>
(実施例1)
イソボニルアクリレート(東京化成工業社製)60質量%、トリシクロデカンメタノールジアクリレート(ダイセル・オルネルク社製)23質量%、UB-6600(日本合成社製)10質量%、IRUGACURE TPO(BASF社製)3質量%、及びIRUGACURE 184(BASF社製)4質量%を、ビーカーで30分間撹拌して実施例1の立体造形物用組成物を得た。
次に、得られた実施例1の立体造形物用組成物の粘度を測定した。粘度は、回転粘度計(VISCOMATE VM-150III、東機産業株式会社製)を用いて25℃の環境下で測定した。
(実施例2~10、及び比較例1~10)
実施例1において、下記表1及び表2の組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~10、及び比較例1~10の立体造形物用組成物を作製した。また、実施例2~10、及び比較例1~10の立体造形物用組成物の粘度を実施例1と同様にして測定した。
Figure 0007052397000001
Figure 0007052397000002
なお、上記表1及び表2において、各組成の商品名及び製造会社名は下記の通りである。
・イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製)
・3,3,5トリメチルシクロヘキサノールアクリレート(サートマー社製)
・トリシクロデカンメタノールジアクリレート(ダイセル・オルネクス社製)
・トリプロピレングリコール(ダイセル・オルネクス社製)
・N-ビニルカプロラクトン(東京化成工業社製)
・UV-6630(日本合成社製)
・IRUGACURE TPO(BASF社製)
・IRUGACURE 819(BASF社製)
・IRUGACURE 184(BASF社製)
・IRUGACURE 1173(BASF社製)
・IRUGACURE 2959(BASF社製)
・IRUGACURE 127(BASF社製)
・IRUGACURE 907(BASF社製)
・IRUGACURE MBF(BASF社製)
・BYK-UV3510(ビックケミー社製)
・t-ヒドロキシキノン(東京化成工業株式会社製)
・AEROXIDE TiO2 T805(アエロジル社製)
次に、上記実施例1~10、比較例1~10の立体造形物用組成物に関し、下記の特性を、下記の方法及び評価基準に従って評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[立体造形物の造形精度]
密閉されたカバー内において図1に示す造形装置を用い、立体造形物を形成した。立体造形物を作成する際に用いた立体造形物の三次元データは、直径が0.5mm、高さが10.0mmの円柱体とした。また、立体造形物を作成する際は、円柱体の高さ方向が積層方向(ステージ37の上面に対して垂直な方向)と一致するように配置した。
また、図1のマテリアルジェット方式の造形装置30において、ヘッドはGEN4ヘッド(リコー社製)を用い、電圧周波数1kHz、1滴あたりの吐出量を20乃至25pLに調整し、上記の立体造形物用組成物を用いて、造形を行った。1滴あたりの吐出量は、8kHzで5分間吐出された質量から、1滴当たりの質量を算出した。
造形装置30におけるローラ34の回転数は、ステージ37に対する相対速度が500mm/sとなるように設定した。更に、吐出された上記の立体造形物用組成物により形成される液膜に対し、紫外線照射装置(装置名インテグレーション・テクノロジー社製)により、1スキャン(すなわち、一層)あたりの単位質量における積算光量が3mJ/mgとなるように紫外線を照射して硬化した。上記の液膜の形成と硬化を繰り返して立体造形物を得た。このとき、1スキャン(すなわち、一層)あたりの硬化量は27mg/cmであった。
得られた立体造形物の高さを測定し、以下の基準で評価した。評価がB以上である場合を実用可能であると判断した。
-評価基準-
A:立体造形物の高さが9.9mm以上である
B:立体造形物の高さが9.6mm以上9.9mm未満である
C:立体造形物の高さが9.6mm未満である
[立体造形物の黄色度]
上記の[立体造形物の造形精度]における立体造形物の作製工程において、立体造形物の三次元データを、縦×横×高さのサイズが100mm×100mm×2mmとなるように変更した以外は同様にして立体造形物を得た。
得られた立体造形物のXY面(ステージ37の上面と平行な面)における5点を、分光測色計(エックスライト社製Model-938)を用いて測定し、イエローインデックスの平均値を、以下の基準で評価した。評価がB以上である場合を実用可能であると判断した。
-評価基準-
A:イエローインデックスの平均値が0.01未満である
B:イエローインデックスの平均値が0.01以上0.02未満である
C:イエローインデックスの平均値が0.02以上である
[立体造形物の耐水性]
上記の[立体造形物の造形精度]における立体造形物の作製工程において、立体造形物の三次元データを、縦×横×高さのサイズが120mm×100mm×2mmとなるように変更した以外は同様にして立体造形物を得た。
得られた立体造形物を50℃の水に20時間浸漬して処理し、処理前後の質量変化率(%)を耐水性の判断対象とし、以下の基準で評価した。評価がB以上である場合を実用可能であると判断した。なお、質量変化率は次式により求めた。
質量変化率(%)={(処理後の立体造形物の質量-処理前の立体造形物の質量)/処理前の立体造形物の質量}×100
-評価基準-
A:処理前後の質量変化率が0.5%未満である
B:処理前後の質量変化率が0.5%以上1.0%未満である
C:処理前後の質量変化率が1.0%以上である
[立体造形物の反り]
上記の[立体造形物の造形精度]における立体造形物の作製工程において、立体造形物の三次元データを、縦×横×高さのサイズが120mm×100mm×2mmとなるように変更した以外は同様にして立体造形物を得た。
得られた立体造形物において、高さ方向(積層方向)に反る長さをスキマゲージにより測定し、以下の基準で評価した。評価がB以上である場合を好ましい場合であると判断した。
-評価基準-
A:測定値が0.1mm未満である
B:測定値が0.1mm以上0.5mm未満である
C:測定値が0.5mm以上である
[立体造形物の強度]
上記の[立体造形物の造形精度]における立体造形物の作製工程において、立体造形物の三次元データを、JIS K 6251のダンベル6号試験片の形状となるように変更した以外は同様にして立体造形物を得た。
得られた立体造形物に対し、万能試験機(島津製作所社製AGS-X)を用い、試験速度10mm/minで引張試験を行い、最大応力における強度を評価した。また、測定値は以下の基準で評価した。評価がAである場合を好ましい場合であると判断した。
-評価基準-
A:測定値が30MPa以上である
C:測定値が30MPa未満である
Figure 0007052397000003
Figure 0007052397000004
次に、立体造形物用組成物の硬化物である立体造形物を支持部材用組成物の硬化物である支持部材で支持しながら立体造形物を作製した場合について説明する。立体造形物の作製にあたっては、実施例1~10の立体造形物用組成物、及び次の支持部材用組成物を用いる。
<支持部材用組成物の調整>
アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)25.0質量%、1-ヘキサノール(東京化成工業株式会社製)72.0質量%、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、BASF社製)2.9質量%、及びフェノチアジン(東京化成工業株式会社製)0.1質量%を添加し、撹拌混合して支持部材用組成物を得た。
<立体造形物の作製>
密閉されたカバー内において図1に示す造形装置を用い、図3に示す立体造形物を形成した。図3は、立体造形物の一例を示す斜視図である。図3において、モデル部10は、立体造形物用組成物の硬化物によって形成され、サポート部20は、支持部材用組成物の硬化物によって形成される。立体造形物のサイズは、10mm×100mm×5mmであり、モデル部10の縦×横×高さのサイズは、5mm×100mm×4mmである。
また、図1のマテリアルジェット方式の造形装置30において、ヘッドはGEN4ヘッド(リコー社製)を用い、電圧周波数1kHz、1滴あたりの吐出量を20乃至25pLに調整し、上記の立体造形物用組成物、及び支持部材用組成物を用いて、造形を行った。1滴あたりの吐出量は、8kHzで5分間吐出された質量から、1滴当たりの質量を算出した。
造形装置30におけるローラ34の回転数は、ステージ37に対する相対速度が500mm/sとなるように設定した。更に、吐出された上記の立体造形物用組成物により形成される液膜に対し、紫外線照射装置(装置名インテグレーション・テクノロジー社製)により、1スキャン(すなわち、一層)あたりの単位質量における積算光量が3mJ/mgとなるように紫外線を照射して硬化した。上記の液膜の形成と硬化を繰り返してモデル部10とサポート部20が一体化した成形物を得た。このとき、1スキャン(すなわち、一層)あたりの硬化量は27mg/cmであった。
次に、得られた成形物を60℃の水に入れ、超音波(アズワン株式会社製、ASU-6D)で1時間処理した後で取り出し、モデル部10を得た。取り出したモデル部10から水をふき取り、目視にてモデル部10を観察した。実施例1~10の立体造形物用組成物いずれを用いた場合においても、モデル部10に残存するサポート部20は観察されず、またモデル部10のサポート部20と接触していた面における欠け等も観察されなかった。
1 モデル材
2 サポート材
10 モデル部
20 サポート部
30 造形装置
31 ヘッドユニット(吐出手段の一例)
32 ヘッドユニット(吐出手段の一例)
33 紫外線照射機(硬化手段の一例)
34 ローラ
35 キャリッジ
36 基板
37 ステージ
100 三次元モデル
特開2012-111226号公報

Claims (11)

  1. アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤と、を含む立体造形物用組成物であって、
    前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は、前記立体造形物用組成物に対して2質量%以上5質量%以下含まれ、
    前記α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤は、前記立体造形物用組成物に対して1質量%以上4質量%以下含まれ
    前記α-ヒドロキシフェノン系光重合開始剤は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンを含む立体造形物用組成物。
  2. 更に、単官能モノマー、及び多官能モノマーを含む請求項1に記載の立体造形物用組成物。
  3. 前記単官能モノマーは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する疎水性の化合物であり、
    前記単官能モノマーは、前記立体造形物用組成物に対して60質量%以上含まれる請求項2に記載の立体造形物用組成物。
  4. 前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤は、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の立体造形物用組成物。
  5. 更に、紫外線硬化性を有する界面活性剤を含む請求項1乃至のいずれか一項に記載の立体造形物用組成物。
  6. 前記紫外線硬化性を有する界面活性剤は、前記立体造形物用組成物に対して0.2質量%以下含まれる請求項に記載の立体造形物用組成物。
  7. 立体造形物用組成物の粘度は、50mPa・s以下である請求項1乃至のいずれか一項に記載の立体造形物用組成物。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の立体造形物用組成物の硬化物である立体造形物を支持部材用組成物の硬化物である支持部材で支持しながら製造する立体造形物の製造装置であって、
    前記立体造形物用組成物が収容された手段と、
    前記支持部材用組成物が収容された手段と、
    前記立体造形物用組成物を吐出する手段と、
    前記支持部材用組成物を吐出する手段と、
    吐出された前記立体造形物用組成物を硬化する手段と、
    吐出された前記支持部材用組成物を硬化する手段と、
    を有する立体造形物の製造装置。
  9. 吐出された前記立体造形物用組成物を硬化する手段は、365nm以上385nm以下の波長にピークを有する紫外線を前記立体造形物用組成物に対し照射する請求項に記載の立体造形物の製造装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の立体造形物用組成物の硬化物である立体造形物を支持部材用組成物の硬化物である支持部材で支持しながら製造する立体造形物の製造方法であって、
    前記立体造形物用組成物を吐出する工程、前記支持部材用組成物を吐出する工程、吐出された前記立体造形物用組成物を硬化する工程、及び吐出された前記支持部材用組成物を硬化する工程、を繰り返すことにより、前記立体造形物及び前記支持部材を形成する工程と、
    形成された前記支持部材を除去する工程と、
    を有する立体造形物の製造方法。
  11. 前記支持部材を除去する工程は、前記支持部材に水を付与する工程である請求項10に記載の立体造形物の製造方法。
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