JP7086654B2 - モデル材用組成物およびそれを含む光造形用組成物セット - Google Patents

モデル材用組成物およびそれを含む光造形用組成物セット Download PDF

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Description

本発明は、三次元光造形法によりモデル材を造形するためのモデル材用組成物、および前記モデル材用組成物を含んでなるマテリアルジェット光造形用組成物セットに関する。
光硬化性組成物に紫外線等の光を照射して所定の形状を有する硬化層を連続的に形成することにより、立体造形物を作製する方法が広く知られている。中でも、マテリアルジェットノズルから光硬化性組成物を吐出させ、その直後に紫外線等の光を照射して組成物を硬化させることにより、所定の形状を有する硬化層を積層して立体造形物を作製するマテリアルジェット方式(インクジェット方式)による光造形法(以下、「マテリアルジェット光造形法」ともいう)は、微細な液滴を重ねて自由に立体造形物を作製でき、例えば複数の光硬化性組成物を組み合わせてカラフルで高精細な造形物を作製できるため広く注目されている。
近年、このような特徴を活かした光造形法により得られる立体造形物の活用が期待され、三次元光造形用の種々のモデル材用組成物が開発されている。例えば、特許文献1には、硬化性樹脂と、平均粒子径が1μm以上の蛍光体粒子とを含む立体造形用樹脂組成物が開示されている。
特開2016-164253号公報
上記特許文献1に開示される立体造形用樹脂組成物は、平均粒子径が1μm以上である蛍光体粒子を含んでおり、主に液槽光重合法による立体造形に用いられる組成物である。高い蛍光発光量を実現するためには立体造形用樹脂組成物中にある程度の蛍光物質を配合する必要が生じるが、平均粒子径が1μm以上である粒子を含む組成物をマテリアルジェット光造形法において採用した場合、蛍光体粒子がマテリアルジェットノズルに詰まりや吐出不良を生じやすい。このため、特許文献1に開示されるような、比較的大きな粒子形状の蛍光物質を含む立体造形用樹脂組成物は、長時間に渡り安定した連続吐出性能が必要とされるマテリアルジェット光造形法に用いることが困難である。
そこで、本発明は、高い蛍光発光量を実現することができる三次元光造形法に用いるためのモデル材用組成物、特に、マテリアルジェット方式による三次元光造形法に用いた場合にもノズル詰まりや吐出不良を生じ難いモデル材用組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]三次元光造形法によりモデル材を造形するためのモデル材用組成物であって、蛍光染料を含んでなるモデル材用組成物。
[2]25℃における粘度が30~200mPa・sである、前記[1]に記載のモデル材用組成物。
[3]三次元光造形法がマテリアルジェット光造形法である、前記[1]または[2]に記載のモデル材用組成物。
[4]蛍光染料が、エネルギー線の照射により蛍光を発する染料である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のモデル材用組成物。
[5]モデル材用組成物100質量部に対して0.1~10質量部の蛍光染料を含む、前記[1]~[4]のいずれかに記載のモデル材用組成物。
[6]少なくとも1種の単官能エチレン性不飽和単量体、少なくとも1種の多官能エチレン性不飽和単量体、少なくとも1種のオリゴマーおよび光重合開始剤を含む、前記[1]~[5]のいずれかに記載のモデル材用組成物。
[7]モデル材用組成物100質量部に対して19~49質量部の単官能エチレン性不飽和単量体を含む、前記[6]に記載のモデル材用組成物。
[8]モデル材用組成物100質量部に対して15~50質量部の多官能エチレン性不飽和単量体を含む、前記[6]または[7]に記載のモデル材用組成物。
[9]モデル材用組成物100質量部に対して10~45質量部のオリゴマーを含む、前記[6]~[8]のいずれかに記載のモデル材用組成物。
[10]モデル材用組成物の総質量に対して、40質量%以下の水溶性エチレン性不飽和単量体を含む、前記[6]~[9]のいずれかに記載のモデル材用組成物。
[11]モデル材用組成物100質量部に対して1~15質量部の光重合開始剤を含む、前記[6]~[10]のいずれに記載のモデル材用組成物。
[12]オリゴマーが、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される、前記[6]~[11]のいずれかに記載のモデル材用組成物。
[13]前記[1]~[12]のいずれかに記載のモデル材用組成物と水溶性サポート材用組成物とを有するマテリアルジェット光造形法に使用される光造形用組成物セットであって、
該水溶性サポート材用組成物が、ポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有する、マテリアルジェット光造形用組成物セット。
[14]前記ポリアルキレングリコールがオキシブチレン基を有するポリアルキレングリコールである、前記[13]に記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
[15]前記水溶性サポート材用組成物が、
前記サポート材用組成物100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下の量で前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを含有する、前記[13]または[14]に記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
[16]前記水溶性サポート材用組成物100質量部に対して、前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が19質量部以上80質量部以下であり、前記光重合開始剤の含有量が1質量部以上20質量部以下である、前記[13]~[15]のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
[17]前記水溶性サポート材用組成物が、
水溶性有機溶剤を更に含有し、
前記水溶性有機溶剤の含有量が、前記水溶性サポート材用組成物100質量部に対して、30質量部以下である、前記[13]~[16]のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
[18]マテリアルジェット光造形法により、前記[1]~[12]のいずれかに記載のモデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材を含む、光造形物。
[19]マテリアルジェット光造形法により前記[18]に記載の光造形物を製造する方法であって、
前記[1]~[12]のいずれかに記載のモデル材用組成物を光硬化させてモデル材を得るとともに、前記[13]~[17]のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セットの水溶性サポート材用組成物を光硬化させて水溶性サポート材を得る工程(I)と、
前記水溶性サポート材を除去する工程(II)と、
を有する、光造形物の製造方法。
本発明によれば、高い蛍光発光量を実現することができる三次元光造形法に用いるためのモデル材用組成物、特に、マテリアルジェット方式による三次元光造形法に用いた場合にもノズル詰まりや吐出不良を生じ難いモデル材用組成物を提供することができる。
本実施形態に係る光造形物の製造方法におけるモデル材用組成物およびサポート材用組成物を吐出してエネルギー線を照射している状態を示す模式側面図である。 本実施形態に係る光造形物の製造方法におけるモデル材用組成物およびサポート材用組成物を吐出している状態を示す模式側面図である。 本実施形態に係る光造形物の製造方法におけるモデル材用組成物およびサポート材用組成物にエネルギー線を照射している状態を示す模式側面図である。 サポート材とモデル材からなる光造形品前駆体(光造形物)の模式側面図である。 光造形品の模式側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
<モデル材用組成物>
本発明のモデル材用組成物は、蛍光染料を含んでなる。本発明においては、蛍光体として蛍光染料を用いており、蛍光体である蛍光染料がモデル材用組成物中に溶解しているため、蛍光体が粒子として組成物中に分散した状態で存在する先行技術の立体造形用樹脂組成物等と比較して、3Dプリンタなどの三次元光造形装置で吐出した場合にノズル詰まりや吐出不良を生じ難く、マテリアルジェット方式による三次元光造形法に用いるモデル材用組成物として好適である。また、蛍光染料は蛍光体粒子(顔料)に比べて吸光係数が大きいため、蛍光を発するエネルギーも大きくなり発光の効率が高くなることにより、蛍光体粒子を用いた組成物よりも得られる光造形物(モデル材)に高い発光量を付与することができる。さらに、蛍光染料が組成物中に溶解することにより、蛍光体粒子と比べ蛍光染料が組成物中に均一に存在しやすく、得られるモデル材の均一な発光を実現することができる。
本発明のモデル材用組成物に含有し得る蛍光染料としては、エネルギー線を照射することにより蛍光を発する染料を用いることができる。具体的には、例えば、ペリレン系化合物、ペリルイミド系化合物、ビオラントロン系化合物、クマリン系化合物等が挙げられる。蛍光染料として市販品を用いてもよく、その例としては、田岡化学工業社製の塩基性染料“Rhodamine B”、住化ファインケム社製の“Sumiplast Yellow FL7G”、Bayer社製の“MACROLEX Fluorescent Red G”、“Yellow10GN”、有本化学社製のFluorescentシリーズ、BASF社製のLumogen Yellow 083、Lumogen Yellow 170、Lumogen Orange 240、Lumogen Pink285、Lumogen Red305、Lumogen Violet 570等が挙げられる。蛍光染料として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、発光が容易であることから、紫外線、可視光線等のエネルギー線の照射により蛍光を発する染料が好ましく、波長300~600nmのエネルギー線照射により蛍光を発する染料がより好ましい。
本発明のモデル材用組成物における蛍光染料の含有量は、用いる蛍光染料の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば、モデル材用組成物100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましい。蛍光染料の含有量が上記下限値以上であると、該モデル材用組成物を光硬化して得られるモデル材に高い蛍光発光量を付与することができ、上記上限値以下であると、モデル材用組成物中に蛍光染料が均一に溶解しやすくなる。本発明のモデル材用組成物における蛍光染料の含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、より好ましくは0.2質量部以上であり、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは8質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以下である。なお、蛍光染料として2種以上の蛍光染料を用いる場合は、それらの合計含有量が上記範囲内となることが好ましい。
本発明のモデル材用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、蛍光染料に加えて蛍光顔料を含んでいてもよい。蛍光顔料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ホルムアルデヒド重縮合物、ケトン樹脂、ビニル共重合物等の1種または複数種の合成樹脂に、着色剤として油性染料や塩基性染料を染着させたものが挙げられる。市販の蛍光顔料を用いてもよく、例えば、蛍光イエロー顔料として、シンロイヒ社製の“FM-15”、“FM-35N”、“FM-105”等が挙げられる。また、その他の有機蛍光顔料として、シンロイヒ社製の“FM-12”、“FM-13”、“FM-14”、“FM-16”、“FM-17”、“FM-27”、“FM-34N”、“FM-47”、“FM-103”、“FM-107”、“FM-109”等が挙げられる。いずれの顔料を用いる場合であっても、マテリアルジェット方式における吐出性の観点から、蛍光顔料の粒子径は1μm未満である必要がある。
本発明のモデル材用組成物が蛍光顔料を含む場合、その含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下であり、本発明の一実施態様において、本発明のモデル材用組成物は蛍光顔料を実質的に含まない(すなわち、0質量部)。
本発明のモデル材用組成物は、マテリアルジェット方式による三次元光造形法に用いた場合のノズル詰まりや吐出不良を防ぎ、長時間にわたり安定した連続吐出を実現するために、好ましくは粒径1μm以上、より好ましくは0.5μm以上の粒子状物質を含まないことが好ましい。
本発明のモデル材用組成物は、重合性化合物を含み、重合性化合物として単官能エチレン性不飽和単量体(A)を含むことが好ましい。単官能エチレン性不飽和単量体(A)は、紫外線等の活性エネルギー線の照射により重合して硬化する特性を有する成分であり、分子内にエチレン性二重結合を1つ有する重合性モノマーである。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方またはいずれかを表し、「(メタ)アクリルアミド」「(メタ)アクリロイル」等についても同様である。単官能エチレン性不飽和単量体(A)として1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、単官能エチレン性不飽和単量体(A)としては、直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、分子内に、脂環式構造、芳香環構造または複素環構造等の環状構造を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において、脂環式構造は炭素原子が環状に結合した脂肪族の環状構造を、芳香環構造は炭素原子が環状に結合した芳香族の環状構造を、複素環構造は炭素原子および1以上のヘテロ原子が環状に結合した構造をいう。
直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、好ましくは炭素数1~30の、より好ましくは炭素数4~20の直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートが好ましい。
脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、好ましくは炭素数6~20の、より好ましくは炭素数8~15の脂環式構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
芳香環構造を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、好ましくは炭素数6~20の、より好ましくは炭素数8~15の芳香環構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等が挙げられ、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
複素環構造を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、好ましくは炭素数5~20の、より好ましくは炭素数7~15の複素環構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジオキソラン等が挙げられ、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの中でも、モデル材用組成物が含む単官能エチレン性不飽和単量体(A)としては、モデル材用樹脂組成物の硬化性を向上させる観点から、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、および、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。さらに、モデル材用樹脂組成物が光硬化時の温度(50~90℃)に耐え得る耐熱性を有することにより、光造形物の寸法精度を向上させる観点から、イソボルニル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
本発明のモデル材用組成物における単官能エチレン性不飽和単量体(A)の含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは15~90質量部である。単官能エチレン性不飽和単量体(A)の含有量が上記範囲内であると、該モデル材用組成物を光硬化して得られるモデル材に適度な強度および硬度を付与することができるため、硬化収縮を抑制し、寸法精度を向上させることができる。本発明のモデル材用組成物における単官能エチレン性不飽和単量体(A)の含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、より好ましくは19質量部以上であり、さらに好ましくは22質量部以上であり、さらにより好ましくは25質量部以上であり、より好ましくは49質量部以下であり、さらに好ましくは48質量部以下であり、さらにより好ましくは47質量部以下である。なお、モデル材用組成物に2種類以上の単官能エチレン性不飽和単量体(A)が含まれる場合、それらの合計含有量が上記範囲内となることが好ましい。
本発明のモデル材用組成物は、重合性化合物として多官能エチレン性不飽和単量体(B)を含むことが好ましい。多官能エチレン性不飽和単量体(B)は、活性エネルギー線の照射により重合して硬化する特性を有する成分であり、分子内にエチレン性二重結合を2つ以上有する重合性モノマーである。多官能エチレン性不飽和単量体(B)として1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能エチレン性不飽和単量体(B)としては、例えば、炭素数10~25の直鎖または分岐のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートまたはアルキレングリコールトリ(メタ)アクリレート、アルキレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、アルキレングリコールペンタ(メタ)アクリレート、アルキレングリコールヘキサ(メタ)アクリレートとして、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-nブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、炭素数10~30の環状構造含有ジ(メタ)アクリレートまたはトリ(メタ)アクリレートとして、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類、2官能以上のアミノアクリレート類等が挙げられる。中でも、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル等が挙げられる。
2官能以上のアミノアクリレート類は、空気中の酸素による重合阻害を抑制できると考えられ、紫外線照射時、特に、発光ダイオード(LED)を使用した低エネルギーの紫外線照射時における硬化速度を向上できる。2官能以上のアミノアクリレート類として、例えば、アミノ(メタ)アクリレート、アミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレート、アミン変性ポリエステル(メタ)アクリレート、アミン変性エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、モデル材用組成物の硬化性を向上させる観点から、(メタ)アクリレート系の単量体であることが好ましく、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートおよび2官能以上のアミノアクリレートがより好ましく、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよび2官能以上のアミノアクリレート類がさらに好ましく、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよび2官能以上のアミノアクリレート類が特に好ましい。
本発明のモデル材用組成物における多官能エチレン性不飽和単量体(B)の含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは5~60質量部であり、より好ましくは15質量部であり、さらに好ましくは17質量部以上であり、さらにより好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは50質量部以下であり、さらに好ましくは45質量部以下であり、さらにより好ましくは40質量部以下である。多官能エチレン性不飽和単量体(B)の含有量が上記上限下限の範囲内にあると、該モデル材用組成物を光硬化して得られるモデル材に適度な強度および硬度を付与することができるため、寸法精度や機械的特性を向上させることができる。
本発明のモデル材用組成物は、重合性化合物としてオリゴマー(C)を含むことが好ましい。オリゴマー(C)は、活性エネルギー線の照射により重合して硬化する特性を有する成分である。オリゴマー(C)を配合することにより、得られるモデル材の破断強度を高め、適度な靱性を有し、曲げても割れにくい光造形品を得ることができる。
ここで、本明細書中において「オリゴマー」とは、重量平均分子量Mwが800~10,000のものをいう。本発明のモデル材用組成物におけるオリゴマー(C)としては、重量平均分子量Mwの下限値が1,000を超えるものがより好ましい。重量平均分子量Mwは、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。オリゴマー(C)として1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
オリゴマー(C)としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。オリゴマー(C)としては、二官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、二官能オリゴマーがより好ましい。また、材料選択の幅が広く、様々な特性を有する材料を選択できる観点から、好ましくはウレタン基を有するオリゴマーであり、より好ましくはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであり、さらに好ましくはウレタンアクリレートオリゴマーである。
本発明のモデル材用組成物におけるオリゴマー(C)の含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは10~45質量部であり、より好ましくは12質量部以上であり、さらに好ましくは15質量部以上であり、より好ましくは40質量部以下であり、さらに好ましくは35質量部以下である。オリゴマー(C)の含有量が上記上限下限の範囲内にあると、モデル材用組成物の粘度を適度な範囲に維持したまま、得られるモデル材の破断強度を高め、適度な靱性を有し、曲げても割れにくい光造形品を得ることができる。
本発明のモデル材用組成物は、重合性化合物として、非水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(A)、多官能エチレン性不飽和単量体(B)およびオリゴマー(C)を含むことが好ましく、これらの重合性化合物をそれぞれ上述した含有量の範囲で含むことが好ましい。重合性化合物として上記3種類の配合量を調整することにより、モデル材用組成物から得られるモデル材の物性や機械的特性(強度や硬度、靱性等)を所望の範囲に制御しやすくなり、優れた機械的特性を有するモデル材を得ることができる。
本発明のモデル材用組成物は、水溶性エチレン性不飽和単量体を含んでいてもよい。本発明において「水溶性(親水性)」のエチレン性不飽和単量体とは、水と任意の割合で混合した際に溶解状態もしくは乳化状態を維持し分離することは無いことを意味する。水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド誘導体、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルラクタム類、N-ビニルホルムアミド等が挙げられ、より具体的には、後述するサポート材用組成物が含有し得る水溶性単官能エチレン性不飽和単量体として例示する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイルモルホリンはガラス転移温度が高く、得られるモデル材に高い硬度を付与することができるため好ましい。
本発明のモデル材用組成物が水溶性エチレン性不飽和単量体を含有する場合、その含有量は、モデル材用組成物の総質量に対して、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量が上記上限値以下であると、光硬化時や硬化後の水または吸湿によるモデル材(光造形品)の膨潤変形を抑制することができる。また、本発明の一実施態様において、本発明のモデル材用組成物は水溶性エチレン性不飽和単量体を含まなくてもよい。
本発明のモデル材用組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
上記光重合開始剤は、エネルギー線によって単量体の重合反応または架橋反応を開始させるものであり、本実施形態のモデル材用組成物が上記光重合開始剤を含むことにより、マテリアルジェット光造形法により吐出されたモデル材用組成物をエネルギー線の照射によって硬化させることができる。
上記光重合開始剤は、紫外線、近紫外線または可視光領域の波長の光を照射するとラジカル反応を促進する化合物であれば、特に限定されないが、具体的には、200~400nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線又はイオンビーム等から適宜選択して使用することができる。中でも低消費電力の観点からLED光線が望ましい。
上記光重合開始剤としては、低エネルギーで重合を開始させることができれば特に限定されないが、アシルフォスフィンオキサイド化合物、α-アミノアルキルフェノン化合物、α-ヒドロキシキノン化合物、チオキサントン化合物、ベンゾイン化合物、アントラキノン化合物およびケタール化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、具体的には、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4-メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4-エチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4-イソプロピルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1-メチルシクロヘキサノイルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独でまたは複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、例えば、BASF社製の“DAROCURE TPO”等が挙げられる。
上記α-アミノアルキルフェノン化合物としては、具体的には、例えば、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メトキシチオ)-フェニル]-2-モルホリノプロパン-2-オン等が挙げられる。これらは単独でまたは複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なα-アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、BASF社製の“IRGACURE 369”、“IRGACURE 907”等が挙げられる。
上記α-ヒドロキシキノン化合物としては、具体的には、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチループロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル] -2-ヒドロキシ2-メチル-1-プロパン1-オン等が挙げられる。これらは単独でまたは複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なα-ヒドロキシキノン化合物としては“IRGACURE 184”、“DAROCURE 1173”“IRGACURE 2959”、“IRGACURE 127” 等が挙げられる。
上記チオキサントン化合物としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらは単独でまたは複数混合して使用してもよい。市場で入手可能なチオキサントン化合物としては、例えば、日本化薬社製の“MKAYACURE DETX-S”、ダブルボンドケミカル社製の“Chivacure ITX”等が挙げられる。
上記ベンゾイン化合物としては、具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
上記アントラキノン化合物としては、具体的には、例えば、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン等が挙げられる。
上記ケタール化合物としては、具体的には、例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等〕、炭素数13~21のベンゾフェノン化合物〔例えば、ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、4,4’-ビスメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
モデル材用組成物における光重合開始剤の含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは1~15質量部であり、より好ましくは3~12質量部である。光重合開始剤の含有量が上記下限値以上であると、未反応の重合成分を十分に低減させて、モデル材の硬化性を十分に高めることができる。一方、光重合開始剤の含有量が上記の上限以下であると、モデル材中に未反応のまま残存する光重合開始剤の量を低減することができ、未反応の光重合開始剤が残存することにより生じるモデル材の黄変を抑制することができる。
モデル材用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、保存安定剤、表面調整剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤、希釈溶媒、増粘剤等が挙げられる。
表面調整剤は、モデル材用組成物の表面張力を適切な範囲に調整する成分であり、その種類は特に限定されない。モデル材用組成物の表面張力を適切な範囲にすることで、吐出性を安定化させることができるとともに、モデル材用組成物とサポート材用組成物との界面混じりを抑制することができる。その結果、寸法精度が良好な造形物を得ることができる。
表面調整剤としては、例えば、シリコーン系化合物等が挙げられる。シリコーン系化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン構造を有するシリコーン系化合物等が挙げられる。具体的には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリアラルキル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。これらとして、商品名でBYK-300、BYK-302、BYK-306、BYK-307、BYK-310、BYK-315、BYK-320、BYK-322、BYK-323、BYK-325、BYK-330、BYK-331、BYK-333、BYK-337、BYK-344、BYK-370、BYK-375、BYK-377、BYK-UV3500、BYK-UV3510、BYK-UV3570(以上、ビックケミー社製)、TEGO-Rad2100、TEGO-Rad2200N、TEGO-Rad2250、TEGO-Rad2300、TEGO-Rad2500、TEGO-Rad2600、TEGO-Rad2700(以上、デグサ社製)、グラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、B-1484、ポリフローATF-2、KL-600、UCR-L72、UCR-L93(共栄社化学社製)等を用いてもよい。また、シリコーン系化合物以外の表面調整剤(例えば、フッ素系表面調整剤等、ノニオン系表面調整剤)を用いてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
モデル材用組成物が表面調整剤を含有する場合、その含有量は、モデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは0.005~3質量部であり、より好ましくは0.01~1質量部である。表面調整剤の含有量が上記の範囲内である場合、モデル材用組成物の表面張力を適切な範囲に調整しやすい。
保存安定剤は、モデル材用組成物の保存安定性を高めることができる成分である。また、熱エネルギーにより重合性化合物が重合することで生じるヘッド詰まりを防止することができる。保存安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ニトロソアミン系化合物等が挙げられる。具体的には、ハイドロキノン、メトキノン、ベンゾキノン、p-メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、TEMPO、4-ヒドロキシ-TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、IRGASTAB UV-10、IRGASTAB UV-22、FIRSTCURE ST-1(ALBEMARLE社製)、t-ブチルカテコール、ピロガロール、BASF社製のTINUVIN 111 FDL、TINUVIN 144、TINUVIN 292、TINUVIN XP40、TINUVIN XP60、TINUVIN 400等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
モデル材用組成物が保存安定剤を含有する場合、上記効果を得やすい観点から、その含有量はモデル材用組成物100質量部に対して、好ましくは0.05~3質量部であり、より好ましくは0.1~2質量部である。
本発明のモデル材用組成物は、蛍光染料に加えて着色剤をさらに含んでいてもよい。但し、本発明のモデル材用組成物が、無色透明のクリア組成物である場合には、着色剤は含まれない。上記着色剤としては特に限定されないが、本発明のモデル材用組成物は非水系であることから、非水溶性媒体に均一に分散しやすい顔料、溶解しやすい染料が好ましい。
本発明のモデル材用組成物の粘度は、マテリアルジェットノズルからの吐出性を良好にする観点から、25℃において30~200mPa・sであることが好ましく、より好ましくは35mPa・s以上、さらに好ましくは40mPa・s以上であり、より好ましくは170mPa・s以下、さらに好ましくは150mPa・s以下である。上記粘度の測定は、JIS Z 8803に準拠し、R100型粘度計を用いて行うことができる。モデル材用組成物の粘度は、重合性化合物の種類およびその配合比率、希釈溶媒や増粘剤の種類およびその添加量等を調整することにより制御することができる。
本発明のモデル材用組成物の表面張力は、好ましくは24~30mN/mであり、より好ましくは24.5mN/m以上であり、さらに好ましくは25mN/m以上であり、より好ましくは29.5mN/m以下であり、さらに好ましくは29mN/m以下である。表面張力が上記範囲内であると、マテリアルジェットの高速吐出時においてもノズルからの吐出液滴を正常に形成することができ、適切な液滴量や着弾精度を確保することやサテライトの発生を抑制することが可能であり、造形精度を向上させやすくなる。モデル材用組成物の表面張力は、表面調整剤の種類や含有量を調整することにより制御することができる。なお、モデル材用組成物の表面張力は、JIS K2241に準拠したdu Nouey法やWilhelmy法に従い測定することができる。
本発明のモデル材用組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、混合攪拌装置、分散機等を用いて、モデル材用組成物を構成する成分を均一に混合することにより製造することができる。
<マテリアルジェット光造形用組成物セット>
本発明のモデル材用組成物は、例えば、タンクなどに満たして光照射を行うことにより組成物を硬化させて立体造形物を作製する液槽光重合法のような光造形方式において単独で用いることもできるが、マテリアルジェット光造形方式において、複雑な形状や緻密な形状を高い精度で造形するために立体造形中にモデル材を支持するためのサポート材と組み合わせて用いることができる。したがって、本発明は、本発明のモデル材用組成物と、マテリアルジェット光造形法によりサポート材を造形するためのサポート材用組成物とを含んでなるマテリアルジェット光造形用組成物セットも対象とする。
<サポート材用組成物>
サポート材用組成物は、光硬化によりサポート材を与える、サポート材用の光硬化性組成物である。モデル材を作成後、サポート材をモデル材から物理的に剥離することにより、または、サポート材を有機溶媒もしくは水に溶解させることにより、モデル材から除去することができる。本発明のモデル材用組成物は、サポート材用組成物として従来公知の種々の組成物との組み合わせにおいて用いることができるが、サポート材を除去する際にモデル材を破損することがなく、環境に優しく、細部まできれいにかつ容易にサポート材を除去することができるため、本発明の光造形用組成物セットを構成するサポート材用組成物は水溶性であることが好ましい。
本発明において、水溶性のサポート材用組成物は、少なくとも1種の水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(a)、少なくとも1種のポリアルキレングリコール(b)および光重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明のサポート材用組成物に含まれる水溶性の単官能エチレン性不飽和単量体としては、例えば、炭素数5~15の水酸基含有(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等〕、数平均分子量(Mn)200~1,000の水酸基含有(メタ)アクリレート〔例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(炭素数1~4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(炭素数1~4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、PEG-PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等〕、(メタ)アクリルアミド誘導体〔例えば(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等〕、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
サポート材用組成物に含まれる水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(a)の含有量は、上記サポート材用組成物100質量部に対して、19質量部以上80質量部以下であることが好ましく、より好ましくは22質量部以上であり、さらに好ましくは25質量部以上であり、より好ましくは76質量部以下であり、さらに好ましくは73質量部以下である。水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(a)の含有量が上記範囲内であると、サポート材のサポート力を低下させることなく、水によるサポート材の除去性を向上させることができる。
サポート材用組成物に含まれ得るポリアルキレングリコール(b)としては、直鎖型、多鎖型のいずれであってもよい。また、水に溶解するものであれば、末端にアルキル基を含んでいてもよく、例えば、好ましくは炭素数6以下のアルキル鎖を含んでいてもよい。このようなポリアルキレングリコール(b)として、例えば、オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
サポート材用組成物に含まれ得るポリアルキレングリコール(b)としては、特にそのアルキレン部分の構造は限定されず、例えば、オキシブチレン基(オキシテトラメチレン基)のみ有するポリブチレングリコール単体であってもよく、また、オキシブチレン基と他のオキシアルキレン基とを共に有するポリブチレンポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリブチレンポリエチレングリコール)であってもよい。例えば、上記ポリブチレングリコールは、下記化学式(1)で示され、上記ポリブチレンポリエチレングリコールは、下記化学式(2)で示される。
HO(CHCHCHCHO)H (1)
HO(CHCHCHCHO)(CO)H (2)
上記化学式(2)において、mは5~300の整数であることが好ましく、nは2~150の整数であることが好ましい。より好ましくは、mは6~200、nは3~100である。また、化学式(1)および化学式(2)中のオキシブチレン基は、直鎖であってもよいが、分岐していてもよい。
サポート材用組成物が、ポリアルキレングリコール(b)を含むことにより、サポート材のサポート力を低下させずに水による除去性をより向上させることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアルキレングリコール(b)の数平均分子量(M)は、100~5000であることが好ましい。ポリアルキレングリコール(b)の数平均分子量が上記範囲内であると、硬化前の組成物中では水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(a)と相溶しやすくなる一方、光照射後の水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の硬化物とは相溶し難くなり、サポート材の水または水溶性溶剤による除去が容易になる。
サポート材用組成物におけるポリアルキレングリコール(b)の含有量は、サポート材用組成物100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下であることが好ましく、より好ましくは17質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは72質量部以下であり、さらに好ましくは70質量部以下である。ポリアルキレングリコール(b)の含有量が、上記範囲内であると、サポート材のサポート力を低下させずにサポート材の水または水溶性溶媒による除去性を向上させることができる。
サポート材用組成物は、水溶性有機溶剤(c)を含んでいてもよい。水溶性有機溶剤(c)は、サポート材用組成物を光硬化させて得られるサポート材の水への溶解性を向上させる成分である。また、サポート材用組成物を低粘度に調整する機能も有する。
水溶性有機溶剤(c)としては、グリコール系溶剤を用いることが好ましく、具体的には、例えば、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールモノアセテート、トリプロピレングリコールモノアセテート、テトラエチレングリコールモノアセテート、テトラプロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテートなどのグリコールエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコールモノエーテルアセテート系溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、低粘度のサポート材組成物を調製しやすく、また、硬化して得られるサポート材が水溶解性に優れる点から、水溶性有機溶剤(c)としては、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
サポート材用組成物における水溶性有機溶剤(c)の含有量は、サポート材用組成物100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは28質量部以下であり、さらに好ましくは25質量部以下である。水溶性有機溶剤(c)の含有量が、上記範囲内であると、サポート材のサポート力を低下させずにサポート材の水または水溶性溶媒による除去性を向上させることができる。
光重合開始剤としては、モデル材用組成物に含有され得る光重合開始剤として上記に述べた化合物を同様に使用することができる。サポート材用組成物における光重合開始剤の含有量は、サポート材用組成物100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上18質量部以下である。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であると、未反応の重合成分を十分に低減させて、サポート材の硬化性を十分に高めやすい。
本発明の好適な一実施態様において、サポート材用組成物は、サポート材用組成物100質量部に対して、
19質量部以上80質量部以下の水溶性単官能エチレン性不飽和単量体(a)、
15質量部以上75質量部以下のポリアルキレングリコール(b)、
30質量部以下の水溶性有機溶剤(c)、および、
1質量部以上20質量部以下の光重合開始剤
を含む。上記各成分を上記範囲の含有量で含むことにより、優れた水溶解性とサポート力とを兼ね備えたサポート材用組成物を得ることができる。特に、サポート力に優れるため造形中に空気中の水分を取り込みサポート力が低下するという懸念がなく、寸法精度が良好な光造形品が得られる。
上記サポート材用組成物には、必要により、その他の添加剤を含有させることができる。その他の添加剤としては、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、着色剤、顔料分散剤、保存安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。
サポート材用組成物に、表面調整剤を配合することによりサポート材用組成物の表面張力を適当な範囲に制御することができ、モデル材用組成物とサポート材用組成物がその界面で混合することを抑制することができる。これにより、寸法精度の良好な光造形物を得ることができる。サポート材用組成物が含み得る表面調整剤としては、本発明のモデル材用組成物に用い得る表面調整剤として例示したものと同様のものを用いることができ、その含有量は、サポート材組成物100質量部に対して0.005~3質量部であることが好ましい。
また、サポート材用組成物に保存安定剤を配合することにより保存安定性を向上させることができる。サポート材用組成物が含み得る保存安定剤としては、本発明のモデル材用組成物に用い得る保存安定剤として例示したものと同様のものを用いることができ、その含有量は、サポート材組成物100質量部に対して0.05~3質量部であることが好ましい。
本発明において、サポート材用組成物の粘度は、マテリアルジェットノズルからの吐出性を良好にする観点から、25℃において30~200mPa・sであることが好ましく、より好ましくは35mPa・s以上、さらに好ましくは40mPa・s以上であり、より好ましくは170mPa・s以下、さらに好ましくは150mPa・s以下である。なお、上記粘度の測定は、JIS Z 8803に準拠し、R100型粘度計を用いて行うことができる。
本発明において、サポート材用組成物の表面張力は、好ましくは24~30mN/mであり、より好ましくは24.5~29.5mN/mであり、さらに好ましくは25~29mN/mである。表面張力が上記範囲内であると、ノズルからの吐出液滴を正常に形成することができ、適切な液滴量や着弾精度を確保することやサテライトの発生を抑制することが可能であり、高い造形精度を確保しやすくなる。なお、サポート材用組成物の表面張力は、モデル材用組成物における表面張力の測定方法と同様の方法に従い測定することができる。
本発明のサポート材用組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、混合攪拌装置等を用いて、サポート材用組成物を構成する成分を均一に混合することにより製造することができる。
本発明のモデル材用組成物は、例えば、タンクなどに満たして光照射を行うことにより組成物を硬化させて立体造形物を作製する液槽光重合法のような光造形方式やマテリアルジェット方式による光造形法による立体造形物の作製等、種々の三次元光造形法に用いることができる。特に、モデル材用組成物中に蛍光体(蛍光染料)が溶解した状態で存在していることにより、ノズル詰まりや吐出不良を抑制する効果が高いため、マテリアルジェット方式による光造形法に用いるモデル材用組成物として特に好適である。マテリアルジェット方式により本発明のモデル材用組成物を用いて立体造形物を作製する場合、例えば、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータに接続される三次元造形装置とを少なくとも備える三次元造形システムを用いてもよい。
<光造形物およびその製造方法>
本実施形態の光造形物の製造方法は、前述の実施形態で説明したマテリアルジェット光造形用組成物セットを用いた光造形物の製造方法であり、マテリアルジェット(インクジェット)方式プリンタを用いて上記マテリアルジェット光造形用組成物セットからモデル材用組成物およびサポート材用組成物を吐出した後、エネルギー線を照射することを繰り返して、サポート材およびモデル材からなる光造形品前駆体を形成する工程と、上記光造形品前駆体を水に浸漬することによりサポート材を溶解して除去する工程とを備えている。
本実施形態の光造形物の製造方法は、上記マテリアルジェット光造形用組成物セットを用いているため、造形精度に優れた光造形物を形成することができる。
以下、本実施形態の光造形物の製造方法について図面に基づき説明する。図1は、マテリアルジェット光造形法によりサポート材用組成物およびモデル材用組成物を吐出してエネルギー線を照射している状態を示す模式側面図である。図1において、三次元造形装置10は、インクジェットヘッドモジュール11と、造形テーブル12とを備えている。また、インクジェットヘッドモジュール11は、光造形用インクユニット11aと、ローラー11bと、光源11cとを備えている。更に、光造形用インクユニット11aは、モデル材用組成物13が充填されたモデル材用インクジェットヘッド11aMと、サポート材用組成物14が充填されたサポート材用インクジェットヘッド11aSとを備えている。
モデル材用インクジェットヘッド11aMからは、モデル材用組成物13が吐出され、サポート材用インクジェットヘッド11aSからは、サポート材用組成物14が吐出され、光源11cからエネルギー線15が照射され、吐出されたモデル材用組成物13およびサポート材用組成物14を硬化させて、モデル材13PMとサポート材14PSを形成している。図1では、一層目のモデル材13PMおよびサポート材14PSを形成する状態を示している。
次に、本実施形態の光造形物の製造方法について図面に基づき更に詳細に説明する。本実施形態の光造形物の製造方法では、先ず、図2に示すように、インクジェットヘッドモジュール11を造形テーブル12に対してX方向(図2では右方向)に走査させる共に、モデル材用インクジェットヘッド11aMからモデル材用組成物13を吐出し、サポート材用インクジェットヘッド11aSからサポート材用組成物14を吐出する。これにより、造形テーブル12の上に、モデル材前駆体13Mからなる層とサポート材前駆体14Sからなる層とを、それぞれの界面同士が接触するように隣接して配置する。
次に、図3に示すように、インクジェットヘッドモジュール11を造形テーブル12に対して逆X方向(図3では左方向)に走査させると共に、ローラー11bでモデル材前駆体13Mおよびサポート材前駆体14Sからなる層の表面を平滑にした後、光源11cからエネルギー線15を照射し、モデル材前駆体13Mおよびサポート材前駆体14Sからなる層を硬化させて、一層目のモデル材13PMおよびサポート材14PSからなる層を形成する。
続いて、造形テーブル12をZ方向に一層分だけ下降させて、上記と同様の工程を行い、二層目のモデル材およびサポート材からなる層を形成する。その後、上記の工程を繰り返すことにより、図4に示すように、モデル材13PMとサポート材14PSからなる光造形品前駆体16が形成される。
最後に、図4に示した光造形品前駆体16を水に浸漬することによりサポート材14PSを溶解して除去し、図5に示すような光造形品17が形成される。
本発明の製造方法において、例えば、作製する物体の3次元CADデータをもとに、マテリアルジェット方式で積層して立体造形物を構成するモデル材用組成物のデータ、および、作製途上の立体造形物を支持するサポート材用組成物のデータを作製し、さらにマテリアルジェット方式の3Dプリンタで各組成物を吐出するスライスデータを作製し、作製したスライスデータに基づきモデル材用およびサポート材用の各組成物を吐出後、光硬化処理を層ごとに繰り返し、モデル材用組成物の硬化物(モデル材)およびサポート材用組成物の硬化物(サポート材)からなる光造形物を作製することができる。
光源11cからモデル材用組成物およびサポート材用組成物を硬化させるために照射するエネルギー線15としては、例えば、遠赤外線、赤外線、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、α線、γ線およびエックス線等の活性エネルギー線が挙げられる。これらの中でも、硬化作業の容易性および効率性の観点から、近紫外線または紫外線であることが好ましい。
光源11cとしては、従来公知の高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UV-LEDなどが挙げられる。これらの中でも、設備を小型化することができ、かつ、消費電力が小さいという観点からは、LED方式であることが好ましい。光量は、造形品の硬度および寸法精度の観点から、200~500mJ/cm2が好ましい。光源としてUV-LEDを用いる場合、光が深層まで届きやすくなり、造形品の硬度および寸法精度を向上させることができることから、中心波長が385~415nmのものを用いることが好ましい。
立体造形物を構成する各層の厚みは、造形精度の観点からは薄いほうが好ましいが、造形速度とのバランスからは5~30μmが好ましい。
得られた光造形物は、モデル材とサポート材とが組み合わされたものである。かかる光造形物からサポート材を除去してモデル材である光造形品を得る。サポート材の除去は、例えば、サポート材を溶解させる除去溶剤に得られた光造形物を浸漬し、サポート材を柔軟にした後、ブラシなどでモデル材表面からサポート材を除去して行うことが好ましい。サポート材の除去溶剤には水、水溶性溶剤、例えばグリコール系溶剤、アルコール系溶剤などを用いてもよい。これらは、単独で、あるいは複数用いてもよい。
上記光造形品は、水に接触した場合の吸水及び膨潤が抑制されており、微細構造部分の破損及び変形を起こしにくいものである。また、上記光造形品は撥水撥油性に優れ、汚染されにくいものである。
以下、本実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
1.モデル材用組成物
実施例において用いたモデル材用組成物を構成する成分の詳細および略号を表1に示す。
Figure 0007086654000001
(1)モデル材用組成物の調製
表2および表3に示す配合で、各モデル材用組成物を構成する成分を、それぞれ、混合攪拌装置を用いて均一に混合し、実施例M1~M21および比較例mのモデル材用組成物を製造した。なお、各モデル材用組成物における水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量は、アクリロイルモルホリン(ACMO)の含有量と同一である。
Figure 0007086654000002
Figure 0007086654000003
(2)モデル材用組成物の物性
得られた各モデル材用組成物を用いて、発光特性、硬化性、硬化収縮、破断強度および水膨潤率の各評価を、下記方法に従い行った。
なお、蛍光染料の代わりに蛍光顔料を含む比較例mのモデル材用組成物については、インクジェットヘッドからの吐出不良を生じたため、以下の評価は全て行わなかった。
<粘度の測定>
各モデル材用組成物の粘度は、R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃、コーン回転数5rpmの条件下で測定した。各モデル材用組成物の粘度は、30~200mPa・sの範囲内(最も高いM12のモデル材用組成物で162.9mPa・s)であり、いずれもインクジェットヘッドからの吐出に適した粘度を示した。
<発光の強さ評価>
各モデル材用組成物を、インクジェット方式プリンタのインクジェットヘッドから吐出して波長385nmのLEDで硬化させて得られたモデル材に、蛍光染料がもつ励起光を照射してモデル材の発光を目視で評価した。結果を表4に示す。
○:強い発光が見られた。
△:発光しているが弱い発光であった。
×:発光がほとんど確認できなかった。
<硬化性の評価>
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム(A4300、東洋紡社製、100mm×150mm×厚さ188μm)上に、各モデル材用組成物を、それぞれバーコーター(#4)により印刷して、厚さ3μmの印字膜を形成した。この印字膜に、照射手段として紫外線LED(NCCU001E、日亜化学工業株式会社製)を用い、全照射光量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させた。このようにして硬化させた印字膜を指で触り、指へのインクの付着の有無を目視で調べ、下記の基準において硬化性を評価した。なお、評価は、画像部分から非印刷部分に向かって指で画像を擦って行った。結果を表4に示す。
○:表面はさらさらしており、指への付着感は無かった。
△:表面はややしっとりとしており、指への付着感はペタペタ感が有った。
×:表面はべたべたしており、指に未硬化インクの一部が付着した。
<試験片の作製>
ガラス板(商品名「GLASS PLATE」、アズワン社製、200mm×200mm×厚さ5mm)の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切った。該正方形内に各モデル材用組成物を注型した後、別の上記ガラス板を重ねて載せた。次いで、照射手段として紫外線LED(NCCU001E、日亜化学工業株式会社製)を用い、全照射光量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させた。その後、硬化物をガラス板から離型し、カッターで幅5mm、長さ50mmの形状に切り出して、試験片を得た。該試験片について、下記の方法で性能評価を行った。なお、評価結果は、試験片5枚について評価して得られた結果の平均結果を示す。
<硬化収縮の評価>
28%ヨウ化カリウム水溶液中に、各モデル材用組成物から得られた試験片を浸した。その際、上記試験片は、水溶液中に浮かんでいた。次に、上記試験片が水浴内中層部に浮遊する状態になるまで、上記水溶液に純水を加えた。この際のヨウ化カリウム水溶液の比重を計算し、試験片の比重とした。また、各モデル材用組成物の比重は、密度比重計DA-130(京都電子工業社製)で測定した。硬化収縮は、下記(i)式により求め、下記の基準において評価した。結果を表4に示す。
○:硬化収縮 ≦ 10%
△:10% < 硬化収縮 < 13%
×:硬化収縮 ≧ 13%
Figure 0007086654000004
<破断強度の評価>
オートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて、各モデル材用組成物から得られた試験片を試験速度50mm/分で引張り、JIS K7113に準じて引張破断強度を測定し、破断強度とした。破断強度は、下記の基準において評価した。結果を表4に示す。
○:破断強度 ≧ 30MPa
×:破断強度 < 30MPa
<水膨潤率の評価>
各モデル材用組成物から得られた試験片の水膨潤率は、ASTM D570の吸水率測定法に準じて測定した。膨潤率は、下記(ii)式により求め、下記の基準において評価した。なお、水はイオン交換水を用い、水温は25℃で測定した。
○:水膨潤率 ≦ 0.65%
△:0.65% < 水膨潤率 ≦ 1%
×:水膨潤率 > 1%
Figure 0007086654000005
Figure 0007086654000006
本発明の要件を全て満たす実施例M1~M21のモデル材用組成物は、インクジェットヘッドから良好に吐出することができ、該モデル材用組成物から得られたモデル材は強い発光を示した。これに対して、蛍光染料の代わりに蛍光顔料を含む比較例mのモデル材用組成物は、インクジェットヘッドに根詰まりを生じて吐出することができず、モデル材を得ることができなかった。また、該モデル材用組成物を光硬化させて得られるモデル材は、優れた硬化性を示し、かつ、硬化収縮が抑制されたことから、寸法精度が良好となる。さらに、該モデル材は、破断強度が高かった。
また、多官能エチレン性不飽和単量体(B)の含有量が45質量部以下、かつ、オリゴマー(C)の含有量が15質量部以上である実施例M1~M10、M12およびM14~M21のモデル材用組成物から得られるモデル材は、硬化収縮がより抑制された。さらに、光重合開始剤の含有量が3質量部以上である実施例M1~M13およびM15~M21のモデル材用組成物から得られるモデル材は、より優れた硬化性を示した。
2.サポート材用組成物
(1)サポート材用組成物
サポート材用組成物を構成する成分の詳細および略号を表5に示す。
Figure 0007086654000007
(2)サポート材用組成物の調製
プラスチック製ビンに、表6に示す配合でサポート材用組成物を構成する各成分を量り取り、これらを混合することにより、実施例S1~S10のサポート材用組成物を調製した。
Figure 0007086654000008
得られたサポート材用組成物について、サポート材用組成物の低温安定性、サポート材用組成物を硬化したサポート材の高温高湿条件安定性(サポート力)および水除去性を、以下の方法に従い評価を行った。
(3)サポート材用組成物の物性
<サポート材用組成物の低温安定性>
低温でのサポート材用組成物の安定性について評価した。低温安定性は、具体的には、各サポート材用組成物をガラス瓶に入れ、そのサポート材用組成物入りのガラス瓶を温度10℃に設定した恒温槽中で24時間保管した。その後、保管後のサポート材用組成物の状態を目視で確認して、下記基準でサポート材用組成物の低温安定性を評価した。結果を表7に示す。
サポート材用組成物が液体状を維持している場合:低温安定性A(優良)
サポート材用組成物が一部凝固(固化)している場合:低温安定性B(良)
サポート材用組成物が凝固(固化)している場合:低温安定性C(不良)
<サポート材(硬化物)のサポート力>
ガラス板上に、縦30mm、横30mm、厚さ5mmの額縁状のシリコンゴムにより枠を形成し、その枠の中に各サポート材用組成物を流し込み、メタルハライドランプにより積算光量500mJ/cmの紫外線を照射し、サポート材(硬化物)を作製した。続いて、上記硬化物をガラス製シャーレに入れ、その硬化物入りシャーレを温度40℃、相対湿度90%の恒温槽中に2時間放置した。放置後の上記硬化物の状態を目視で確認して、下記基準でサポート材のサポート力を評価した。結果を表7に示す。
硬化物の表面に液体状物質の発生がなく、硬化物の軟化も確認されない場合:サポート力A(優良)
硬化物の表面に液体状物質がわずかに発生し、硬化物の軟化が若干確認された場合:サポート力B(良)
硬化物の表面に液体状物質が発生し、硬化物の軟化が確認された場合:サポート力C(不良)
<サポート材硬化物の水除去性>
上記サポート材のサポート力の評価の場合と同様にして、サポート材(硬化物)を作製した。次に、上記硬化物を、50mLのイオン交換水を満たしたビーカーに入れ、水温を25℃に維持しながら超音波洗浄機で処理し、上記硬化物が溶解するまでの時間を測定し、下記基準でサポート材硬化物の水除去性を評価した。結果を表7に示す。
硬化物が完全に溶解するまでに30分を要した場合:水除去性A(優良)
硬化物が完全に溶解するまでに1時間を要した場合:水除去性B(良)
硬化物が完全に溶解するまでに2時間を要した場合:水除去性C(不良)
Figure 0007086654000009
実施例S1~S10のサポート材用組成物については、全ての評価項目で満足できる結果が得られた。
3.光造形品
<密着性の評価>
ガラス板(商品名「GLASS PLATE」、アズワン社製、200mm×200mm×厚さ5mm)の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切った。該正方形内に表8に示す各サポート材用組成物を注型した後、照射手段として紫外線LED(NCCU001E、日亜化学工業株式会社製)を用い、全照射光量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させ、サポート材を得た。
次に、上記サポート材の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切った。該正方形内に、表8に示すサポート材用組成物との組み合わせで各モデル材用組成物を注型した後、照射手段として紫外線LED(NCCU001E、日亜化学工業株式会社製)を用い、全照射光量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させ、モデル材を得た。
この状態で30℃の恒温槽に12時間放置し、モデル材とサポート材との密着性の様子を目視にて確認し、下記の基準において評価した。結果を表8に示す。
○:モデル材とサポート材とは密着していた。
△:モデル材とサポート材とは密着していたが、モデル材とサポート材との界面を爪でひっかくと剥がれが生じた。
×:モデル材とサポート材との界面で剥がれが生じ、モデル材の硬化収縮でモデル材が反るように剥がれた。
Figure 0007086654000010
10 三次元造形装置
11 インクジェットヘッドモジュール
11a 光造形用インクユニット
11aM モデル材用インクジェットヘッド
11aS サポート材用インクジェットヘッド
11b ローラー
11c 光源
12 造形テーブル
13 モデル材用組成物
13M モデル材前駆体
13PM モデル材
14 サポート材用組成物
14S サポート材前駆体
14PS サポート材
15 エネルギー線
16 光造形品前駆体(光造形物)
17 光造形品

Claims (17)

  1. マテリアルジェット光造形法によりモデル材を造形するためのモデル材用組成物であって、
    モデル材用組成物100質量部に対して0.1~10質量部の蛍光染料、および、少なくとも1種の単官能エチレン性不飽和単量体を含みかつ、少なくとも1種の多官能エチレン性不飽和単量体または少なくとも1種のオリゴマーを含んでなるモデル材用組成物。
  2. 25℃における粘度が30~200mPa・sである、請求項1に記載のモデル材用組成物。
  3. 蛍光染料が、エネルギー線の照射により蛍光を発する染料である、請求項1または2に記載のモデル材用組成物。
  4. 少なくとも1種の単官能エチレン性不飽和単量体、少なくとも1種の多官能エチレン性不飽和単量体、少なくとも1種のオリゴマーおよび光重合開始剤を含む、請求項1~3のいずれかに記載のモデル材用組成物。
  5. モデル材用組成物100質量部に対して19~49質量部の単官能エチレン性不飽和単量体を含む、請求項1~4のいずれかに記載のモデル材用組成物。
  6. モデル材用組成物100質量部に対して15~50質量部の多官能エチレン性不飽和単量体を含む、請求項4または5に記載のモデル材用組成物。
  7. モデル材用組成物100質量部に対して10~45質量部のオリゴマーを含む、請求項4~6のいずれかに記載のモデル材用組成物。
  8. モデル材用組成物の総質量に対して、40質量%以下の水溶性エチレン性不飽和単量体を含む、請求項1~7のいずれかに記載のモデル材用組成物。
  9. モデル材用組成物100質量部に対して1~15質量部の光重合開始剤を含む、請求項4~8のいずれに記載のモデル材用組成物。
  10. オリゴマーが、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される、請求項4~9のいずれかに記載のモデル材用組成物。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載のモデル材用組成物と水溶性サポート材用組成物とを有するマテリアルジェット光造形法に使用される光造形用組成物セットであって、
    該水溶性サポート材用組成物が、ポリアルキレングリコールと、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含有する、マテリアルジェット光造形用組成物セット。
  12. 前記ポリアルキレングリコールがオキシブチレン基を有するポリアルキレングリコールである、請求項11に記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
  13. 前記水溶性サポート材用組成物が、
    前記サポート材用組成物100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下の量で前記オキシブチレン基を含むポリアルキレングリコールを含有する、請求項11または12に記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
  14. 前記水溶性サポート材用組成物100質量部に対して、前記水溶性単官能エチレン性不飽和単量体の含有量が19質量部以上80質量部以下であり、前記光重合開始剤の含有量が1質量部以上20質量部以下である、請求項11~13のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
  15. 前記水溶性サポート材用組成物が、
    水溶性有機溶剤を更に含有し、
    前記水溶性有機溶剤の含有量が、前記水溶性サポート材用組成物100質量部に対して、30質量部以下である、請求項11~14のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セット。
  16. 求項1~10のいずれかに記載のモデル材用組成物光硬化物である、光造形物。
  17. マテリアルジェット光造形法により請求項16に記載の光造形物を製造する方法であって、
    請求項1~10のいずれかに記載のモデル材用組成物を光硬化させてモデル材を得るとともに、請求項11~15のいずれかに記載のマテリアルジェット光造形用組成物セットの水溶性サポート材用組成物を光硬化させて水溶性サポート材を得る工程(I)と、
    前記水溶性サポート材を除去する工程(II)と、
    を有する、光造形物の製造方法。
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