JP2017132172A - 三次元造形物及びその製造方法 - Google Patents

三次元造形物及びその製造方法 Download PDF

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嵩貴 平田
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Abstract

【課題】引張強度及び寸法精度に優れる三次元造形物を与えることのできる三次元造形物の製造方法及び、引張強度及び寸法精度に優れる三次元造形物を提供することを目的とする。【解決手段】粒子と水溶性樹脂を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する層形成工程と、前記層に、重合性化合物を含む紫外線硬化型インク組成物を吐出し付着させるインク吐出工程と、を有し、前記インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、前記層が有する空隙体積(ε)よりも多い、三次元造形物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、三次元造形物及びその製造方法に関する。
近年、三次元造形物の製造方法について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、吐出性が良好であり、かつ硬化性に優れた三次元造形物の製造方法を提供することを目的として、支持体上に粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する工程、及び造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように粉末材料層を紫外線硬化型インク組成物により結合させる工程を順次繰り返す工程を含む三次元造形物の製造方法において、25℃での紫外線硬化型インク組成物の粘度が5〜100mPa・sである三次元造形物の製造方法が開示されている。
特開2005−67138号公報
このような三次元造形物では、引張強度及び寸法精度などの三次元造形物特有の物性が求められる。しかしながら、特許文献1に記載の方法により得られる三次元造形物は、引張強度及び寸法精度に劣り、実用上問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、引張強度及び寸法精度に優れる三次元造形物を与えることのできる三次元造形物の製造方法及び、引張強度及び寸法精度に優れる三次元造形物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積を調整することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の三次元造形物の製造方法は、粒子と水溶性樹脂を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する層形成工程と、前記層に、重合性化合物を含む紫外線硬化型インク組成物を吐出し付着させるインク吐出工程と、を有し、前記インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、前記層が有する空隙体積(ε)よりも多い方法である。
また、本発明の三次元造形物の製造方法においては、前記インク打ち込み体積(w)/前記空隙体積(ε)が、1.2〜11であることが好ましく、前記インク吐出工程の後に、前記層に付着した前記紫外線硬化型インク組成物に対して、紫外線を照射する紫外線照射工程を有し、該紫外線照射工程において、前記紫外線硬化型インク組成物を半硬化させることが好ましく、前記重合性化合物が、親水性モノマーを含むことが好ましく、前記三次元造形用組成物が、親水性溶媒をさらに含むペーストである、ことが好ましい。
また、本発明の三次元造形物は、粒子を含む層と、粒子を含まない層と、を有する物であることが好ましい。
本実施形態の三次元造形物の製造方法の各工程を示す第1模式図である。 本実施形態の三次元造形物の製造方法の各工程を示す第2模式図である。 本実施形態の三次元造形物の製造方法のフロー図である。 本実施形態の三次元造形物の製造方法の概念を示す概略図である。 本実施形態の三次元造形物の製造方法の概念を示す概略図である。 本実施形態の三次元造形物を示す概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〔三次元造形物の製造方法〕
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、粒子と水溶性樹脂を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する層形成工程と、前記層に、重合性化合物を含む紫外線硬化型インク組成物を吐出し付着させるインク吐出工程と、を有し、前記インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、前記層が有する空隙体積(ε)よりも多い。ここで、前記層が有する空隙体積(ε)とは、層全体に含まれる空隙体積のことではなく、インク吐出工程によってインクが付着される領域に含まれる空隙体積のことである。
三次元造形物を形成する方法の一つとして、粒子を含む三次元造形用組成物に対し、紫外線硬化型インク組成物を付着させ、付着した紫外線硬化型インク組成物を硬化させ、硬化していない箇所を除去することで任意の形状を有する三次元造形物を製造する方法がある。この方法においては、三次元造形用組成物及び紫外線硬化型インク組成物の使用量が、得られる三次元造形物の物性に影響を与える。例えば、紫外線硬化型インク組成物の使用量が層が有する空隙体積よりも少ない場合、紫外線硬化型インク組成物は層中に吸収されるため、インク吐出工程後の層表面には紫外線硬化型インク組成物がほとんど存在しない状態になる(図4参照)。このような状態で、次の層を形成しようとすれば、既に形成した層の表面の粒子と、新たに形成しようとする層の粒子が混合され、結果として、得られる三次元造形物の寸法精度が害されるという問題がある。また、層間の密着性にも劣るため得られる三次元造形物の機械的強度が低下することも問題である。
これに対し、本実施形態の三次元造形物の製造方法は、インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、層が有する空隙体積(ε)よりも多くなるようにすることにより、インク吐出工程後の層表面に過剰分の紫外線硬化型インク組成物が存在することになる(図5参照)。これにより、既に形成した層の表面の粒子と、新たに形成しようとする層の粒子が混合されることを抑制し、かつ、層間の密着性も向上させることがきる。以下、各工程について説明する。
以下、各工程について説明をする。図1及び図2は、本実施形態の三次元造形物の製造方法の各工程を示す模式図である。また、図3は、本実施形態の三次元造形物の製造方法のフロー図である。
〔層形成工程〕
層形成工程は、粒子を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する工程である(1a、1d)。層形成方法としては、特に限定されないが、例えば、スキージー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スピンコート法等が挙げられる。また、層1の形成は、支持体9上で行っても、すでに部分的に形成された三次元造形物上で行ってもよい。
形成される層1の厚さは、好ましくは10μm以上100μm以下であり、より好ましくは30μm以上75μm以下である。これにより、三次元造形物100の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
〔三次元造形用組成物〕
三次元造形用組成物は、粒子と水溶性樹脂を含み、必要に応じて、溶剤などその他成分を含むことができる。なお、本実施形態において、三次元造形用組成物は、パウダー状であっても、溶剤を含むペースト状であってもよい。特に、親水性溶媒を含むペースト状型三次元造形用組成物であることにより、粒子が飛散しにくく、装置の信頼性がより向上する傾向にある。
(粒子)
粒子は、無機粒子と、有機粒子に大別できる。以下、それぞれについて例示する。
無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の金属炭化物;硫化亜鉛等の金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の金属のホウ酸塩や、これらの複合化物が挙げられる。
また、有機粒子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリエステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアクリル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサンが挙げられる。
このなかでも、無機粒子が好ましく、金属酸化物粒子がより好ましく、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアがさらに好ましく、シリカが特に好ましい。このような比較的硬度の高い粒子を用いることにより、造形物の強度を粒子で底上げできる為、紫外線硬化型インク組成物(結着剤)のみで立体造形するのに比べ、三次元造形物の引張強度がより向上する傾向にある。なお、粒子は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
粒子の含有量は、三次元造形用組成物の総量に対して、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは15〜70質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%である。
(水溶性樹脂)
水溶性樹脂を含むことにより、粒子同士を結合(仮固定)し、粒子の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができる。水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコール、ナフタレンスルホン酸塩のホリマリン縮合物、スチレン・無水マレイン酸共重合物、オレフィン・無水マレイン酸共重合物、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸塩、アクリルアミド・アクリル酸共重合物、アルギン酸、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、アミノアルキル(メタ)アクリレート共重合物、ポリマーでんぷん、サトキンサン、これらの塩が挙げられる。このなかでも、相溶性の観点から、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩が好ましい。水溶性樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水溶性樹脂の含有量は、三次元造形用組成物の総量に対して、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。
(溶剤)
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、水及び親水性有機溶剤が挙げられる。親水性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶剤;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系溶剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが挙げられる。このなかでも、水が好ましい。溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
三次元造形用組成物中における溶剤の含有率は、好ましくは5質量%以上75質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上75質量%以下である。これにより、前述したような溶剤を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物100の製造過程において溶剤を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物100の生産性向上の観点から有利である。
(その他の成分)
また、三次元造形用組成物は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
〔インク吐出工程〕
インク吐出工程は、層形成工程で得られた層に、重合性化合物を含む紫外線硬化型インク組成物を吐出し付着させる工程である(1b、1e)。付着方法としては、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型インク組成物をインクジェット方式により吐出して、粒子を含む三次元造形用組成物に付着させる方法;紫外線硬化型インク組成物をスプレーなどで噴射して粒子を含む三次元造形用組成物に付着させる方法が挙げられる。このなかでも、得られる三次元造形物の精度の観点から、インクジェット方式を用いることが好ましい。インクジェット方式としては、ピエゾ方式や、紫外線硬化型インク組成物を加熱して発生した泡(バブル)により紫外線硬化型インク組成物を吐出させる方式等を用いることができる。インクジェット方式を用いることにより、より精度の高い三次元造形物を得ることができる。なお、紫外線硬化型インク組成物が付着した三次元造形用組成物が後に、三次元造形物となる。
本実施形態において、インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)は、層形成工程で得られた層が有する空隙体積(ε)よりも多い。インク打ち込み体積(w)/空隙体積(ε)は、好ましくは1.2〜11であり、より好ましくは1.2〜3であり、さらに好ましくは1.2〜1.5である。インク打ち込み体積(w)/空隙体積(ε)が、1.2以上であることにより、得られる三次元造形物引張強度及び寸法精度がより向上する傾向にある。また、インク打ち込み体積(w)/空隙体積(ε)が、11以下であることにより、過剰な紫外線硬化型インク組成物が付着させた部分以外の三次元造形用組成物にまで浸出することをより抑制することができ、寸法精度がより向上する傾向にある。
紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)の調整方法は特に制限されず、上記紫外線硬化型インク組成物を付着させる方法の条件を適宜変更することにより、調整することができる。また、層が有する空隙体積(ε)は、層形成工程において用いる三次元造形用組成物の組成に応じて、調整することができる。例えば、三次元造形用組成物が溶媒を含む場合には、その溶媒を乾燥させることで空隙体積(ε)を増加させることが可能となる。また、粒子の粒径を調整することによっても、空隙体積(ε)を調整することが可能である。なお、空隙体積(ε)は、三次元造形用組成物が溶媒を含む場合には、その溶媒の乾燥率(揮発した量)として示すことが可能である。
〔紫外線硬化型インク組成物〕
紫外線硬化型インク組成物は、重合性化合物を含み、必要に応じて、重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、界面活性剤、分散剤、その他の成分を含んでいてもよい。
(重合性化合物)
本実施形態におけるインク組成物に含まれる重合性化合物としては、特に限定されないが、紫外線などの光の照射時に重合し、固化する光重合性化合物が好ましく、例えば、親水性モノマー及び疎水性モノマーが挙げられる。このなかでも、親水性モノマーが好ましい。得られる立体造形物の引張強度がより向上する傾向にある。なお、本実施形態において「親水性」とは、SP値が11以上であることをいう。SP値とは、相溶化パラメーター(Solubility Parameter)とも言い、以下に示されるSmallの式を用いて算出された値を意味する。
σ=ρ・(ΣFi)/M
(上記式中、σはSP値を表し、ρは密度を表し、Fiはモル吸引力定数を表し、かつ、
Mはポリマーの繰り返し単位(モノマー)の分子量を表す。)
親水性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基含有化合物、窒素原子を含む複素環を有する化合物、及びNビニルアミドが挙げられる。水酸基含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値11.3)、テトラヒドロフルフリルアルコール(SP値11.58)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(SP値11.8)、DA−141(ナガセケムテックス社(Nagase Chemtex Corporation)製商品名、SP値11.83)、及びヒドロキシエチルアクリルアミド(SP値15.63)が挙げられる。また、窒素原子を含む複素環を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクロイルモルホリン(SP値11.6)、が挙げられる。さらに、Nビニルアミドとしては、特に限定されないが、例えば、Nビニルアセトアミド(10.9)、Nビニルホルムアミド(SP値11)が挙げられる。このなかでも、4ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、及びアクロイルモルホリンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。このような親水性モノマーを用いることにより、得られる立体造形物の引張強度がより向上する傾向にある。
親水性モノマーの含有量は、紫外線硬化型インク組成物の総量に対して、15〜45質量%であり、好ましくは20〜40質量%であり、より好ましくは25〜35質量%である。親水性モノマーの含有量が15質量%以上であることにより、得られる三次元造形物の引張強度がより向上する傾向にある。また、親水性モノマーの含有量が45質量%以下であることにより、得られる三次元造形物の耐吸湿性がより向上する傾向にある。
また、重合性化合物としてSP値11未満の疎水性モノマーを用いてもよい。重合性化合物の官能基数としては、特に限定されないが、例えば、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能基を有する種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。以下、官能基数の観点から親水性モノマー及び疎水性モノマーに該当する重合性化合物を列挙する。
単官能モノマーとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物の含有量は、紫外線硬化型インク組成物の総質量に対し、好ましくは80〜95質量%以上であり、より好ましくは85〜95質量%である。
(重合開始剤)
本実施形態の紫外線硬化型インク組成物は、重合開始剤をさらに含んでもよい。重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。このなかでも、アシルホスフィン化合物が好ましい。このような重合開始剤を用いることにより、内部硬化性に優れるため粒子の結着性がより向上する傾向にあったり安価なLED光源での硬化が可能になる。
重合開始剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、Speedcure TPO(以上、Lambson社製)及びユベクリルP36(UCB社製)が挙げられる。重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の含有量は、紫外線硬化型インク組成物の総量に対して、好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2〜7.5質量%である。重合開始剤の含有量が上記範囲内であることにより、粒子の結着性がより向上する傾向にある。
(増感剤)
紫外線硬化型インク組成物は、増感剤をさらに含んでもよい。増感剤は、紫外〜短波可視である300〜450nm付近の波長を有する光を吸収可能であり、且つ400〜500nm付近の波長を有する蛍光を発光可能な無色ないし弱く着色した化合物である。蛍光増白剤は、蛍光性白化剤(Fluorescent Whitening Agent)としても知られている。蛍光増白剤の物理的原理及び化学性の記述は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,Electronic Release,Wiley-VCH 1998に示されている。本実施形態の紫外線硬化型インク組成物が増感剤を含むことにより、硬化度を一層優れたものとできる。
増感剤として、以下に限定されないが、例えば、1,4−ビス−(2−ベンゾオキサゾイル)ナフタレン等のナフタレンベンゾオキサゾイル誘導体、2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)等のチオフェンベンゾオキサゾイル誘導体、スチルベンベンゾオキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、スチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾールー2−イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン−5,5’−ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、及びピリドトリアゾールが挙げられる。このなかでも、Hostalux KCB(Clariant GmbH社製)が好ましい。このような増感剤を用いることにより、寸法精度及び硬化度がより向上する傾向にある。増感剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増感剤の含有量は、紫外線硬化型インク組成物の総量に対して、好ましくは0.5〜2質量%である。
(重合禁止剤)
本実施形態の紫外線硬化型インク組成物は、重合禁止剤をさらに含んでもよい。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、1−o−2,3,5−トリメチルヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノンに代表されるヒドロキノン類;カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコールに代表されるカテコール類;フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、p−メトキシフェノール、クレゾール、ピロガロール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)に代表されるフェノール類;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシルに代表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−アルキル骨格を有する化合物、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−アシル骨格を有する化合物に代表されるヒンダードアミン類が挙げられる。なお、重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤の含有量は、紫外線硬化型インク組成物の総量に対して、好ましくは0.10〜0.50質量%である。
(界面活性剤)
本実施形態の紫外線硬化型インク組成物は、界面活性剤をさらに含んでもよい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、BYK−3500、UV3570、BYK350(ビックケミー・ジャパン社製商品名)が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、紫外線硬化型インク組成物の総量に対して、好ましくは0.05〜0.5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.3質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、紫外線硬化型インク組成物の粒子に対する濡れ性がより向上し、結果として、粒子の結着性がより向上する傾向にある。
(分散剤)
本実施形態の紫外線硬化型インク組成物は分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アビシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ(DISPERBYK 168、180等)、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
〔紫外線照射工程〕
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、紫外線照射工程を有し、該紫外線照射工程において、紫外線硬化型インク組成物を半硬化させてもよい。半硬化させることにより、層形成工程で得られた層が有する空隙体積(ε)を超える量の紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、付着させた箇所以外の部分に浸出することを抑制でき、さらに、新たに形成する層と既に形成した層の層間密着性が向上するため、得られる三次元造形物の寸法精度及び引張強度がより向上する傾向にある。紫外線照射工程は、インク吐出工程の後に、層形成工程で得られた層に付着した紫外線硬化型インク組成物に対して、紫外線を照射して、三次元造形用組成物の粒子を結着させて、三次元造形物3を形成する工程である(1c、1f)。紫外線硬化型インク組成物は粒子の間隙を埋めるように存在し、紫外線硬化型インク組成物中の重合性化合物を重合させることにより、粒子を結着させることができる。また、紫外線硬化型インク組成物は、隣接する層の結合にも寄与する。具体的には、既に形成された層(三次元造形物)の一部と結着前の粒子との間隙を埋めるように存在し、紫外線硬化型インク組成物中の重合性化合物を重合させることにより、層間を結着させることができる。
なお、「半硬化」とは、インクによる粒子の仮留めを意味し、紫外線硬化型インク組成物を完全に硬化させない状態を言う。
結着方法としては、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型インク組成物が付着した粒子に対し、光照射及び加熱の少なくともいずれかを行う方法又は両方を行う方法が挙げられる。例えば、紫外線硬化型インク組成物が付着した粒子に対し光を照射することにより、又は、紫外線硬化型インク組成物が付着した粒子を加熱することによって、紫外線硬化型インク組成物に含まれる重合性化合物の重合反応が開始し、粒子が決着する。なお、光源(放射線源)としては、水銀ランプやガス・固体レーザー、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、及び紫外線レーザーダイオード(UV−LD)が挙げられる。
(積層)
結着工程後、得られた三次元造形物上に、層形成工程、インク吐出工程、及び紫外線照射工程を繰り返すことにより、任意の形状の三次元造形物3を形成することができる(1g)。これにより、前記各層1のうち、三次元造形用組成物2が付与された部位の粒子が結合した状態となり、このような状態の層1が複数積層された積層体としての三次元造形物100が得られる(1h)。
〔除去工程〕
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、紫外線硬化型インク組成物により結着されていない粒子を除去する除去工程を有していてもよい(1h)。粒子の除去方法としては、特に限定されないが、例えば、刷毛等で未結合粒子を払い除ける方法、未結合粒子を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与する方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。
〔三次元造形物〕
本実施形態の三次元造形物は、粒子を含む層と、粒子を含まない層と、を有する。上記の製造方法により得られた三次元造形物は、インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、層が有する空隙体積(ε)よりも多いため、粒子と紫外線硬化型インク組成物の硬化物が混在する層と、粒子を含まず紫外線硬化型インク組成物の硬化物のみからなる層を有することとなる。図6に、本実施形態の三次元造形物を示す概略図を示す。図6に示されるように、本実施形態の三次元造形物は、粒子を含む三次元造形用組成物及び紫外線硬化型インク組成物からなる層101と、紫外線硬化型インク組成物が硬化した層102とが交互に積層されたものとなる。これにより、X方向には特に引張強度に優れ、Y方向には紫外線硬化型インク組成物の特性に応じて、例えば引張伸度などに優れる三次元造形物を得ることができる。すなわち、本実施形態の三次元造形物の製造方法によれば、異なる方向に対し異なる物性を発揮し得る造形物を得ることが可能となる。より具体的には、層の形成方向については比較的柔軟性を有し、層の面方向については比較的高い機械的強度を有するような三次元造形物を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[紫外線硬化型インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用した紫外線硬化型インク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔重合性化合物〕
フェノキシエチルアクリレート
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
4−ヒドロキシブチルアクリレート
ジエチレングリコールジアクリレート
〔重合開始剤〕
Irgacure 819(BASF社製商品名、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
Speedcure TPO(Lambson社製商品名、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
〔増感剤〕
Speedcure DETX(Lambson社製商品名、チオキサントン系化合物)
Hostalux KCB(Clariant GmbH社製商品名)
〔重合禁止剤〕
MEHQ(p− メトキシフェノール、東京化成工業社製)
〔界面活性剤〕
BYK−3500(ビックケミー・ジャパン社製商品名)
〔分散剤〕
DISPERBYK−180(ビックケミー・ジャパン社製商品名)
[紫外線硬化型インク組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各紫外線硬化型インク組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
[三次元造形用組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用した三次元造形用組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔粒子〕
多孔質シリカ(東ソー・シリカ社製、製品名ニップシールE75)
真球状シリカ(デンカ社製、製品名FB−5D)
〔水溶性樹脂〕
ポリアクリル酸アンモニウム(東亞合成社製、製品名AS−1100)
〔溶媒〕
[三次元造形用組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各三次元造形用組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔寸法精度〕
上記のようにして得られた紫外線硬化型インク組成物及び三次元造形用組成物を用いて、厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの直方体形状である三次元造形物を、以下のようにして製造した。まず、造形ステージ上にスキージ方式で三次元造形用組成物を塗布した後、塗布された三次元造形用組成物中に含まれる溶媒を揮発除去し、50μmの膜厚で製膜した(層形成工程)。なお、膜厚はステージ台とスキージの高さで制御することができる。次いで、上記のようにして得られた紫外線硬化型インク組成物を、積層装置(セイコーエプソンにて内製)に充填し、結着させたい部分にピエゾ式インクジェット方式により吐出して、各組成の三次元造形用組成物に付着させた(インク吐出工程)。
紫外線硬化型インク組成物の打ち込み条件を表1に示す。ここで、空隙体積(ε)は、三次元造形物の層形成工程における、溶媒の揮発量(=重量変化)と製膜体積から計算により求めた。なお、初めの1層目のみ表1の条件で行い、後の層はw/ε=1となるような条件で行った。なお、εとWの値は造形物体積に対する体積%であり、実際の体積値は表のε又はWの値に1層当たりの造形物の体積である40mm3(=50μm×10mm×80mm)をかけた値となる。
その後、紫外線硬化型インク組成物が付着した三次元造形用組成物に対して、UVランプを照射して硬化させ、ステージを50μm下降した(紫外線照射工程)。層形成工程から紫外線照射工程までを繰り返し、すべての積層が終わったら、三次元造形物を装置から取り出し、取り出し、オーブンでポストキュア(熱処理)した。
前記各実施例および各比較例の三次元造形物について、厚さ、幅、長さを測定し、設計値からのずれ量を求め、以下の基準に従い評価した。
A:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%未満である。
B:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%以上2.0%未満である。
C:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が2.0%以上4.0%未満である。
D:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が4.0%以上7.0%未満である。
E:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が7.0%以上である。
〔引張強度〕
上記と同様の方法により、JIS K 7161に則った、4mm厚のダンベル型構造を有する三次元造形物を形成した。その後、得られた三次元造形物を80℃で1時間アニール処理をした。このようにして得られた三次元造形物の引張強度を、JIS K 7161:1994(ISO 527:1993)に準拠して、引張降伏応力:50mm/分という条件で測定した。評価基準を以下に示す。
(引張強度の評価基準)
A:引張強度が12MPa以上。
B:引張強度が8MPa以上12MPa未満。
C:引張強度が6MPa以上8MPa未満。
D:引張強度が6MPa未満。
1…三次元造形用組成物、1…層、2…紫外線硬化型インク組成物、3…三次元造形物、100…三次元造形物、101…粒子を含む三次元造形用組成物及び紫外線硬化型インク組成物からなる層、102…紫外線硬化型インク組成物が硬化した層、9…支持体(ステージ)

Claims (6)

  1. 粒子と水溶性樹脂を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する層形成工程と、
    前記層に、重合性化合物を含む紫外線硬化型インク組成物を吐出し付着させるインク吐出工程と、を有し、
    前記インク吐出工程における紫外線硬化型インク組成物打ち込み体積(w)が、前記層が有する空隙体積(ε)よりも多い、
    三次元造形物の製造方法。
  2. 前記インク打ち込み体積(w)/前記空隙体積(ε)が、1.2〜11である、
    請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記インク吐出工程の後に、前記層に付着した前記紫外線硬化型インク組成物に対して、紫外線を照射する紫外線照射工程を有し、
    該紫外線照射工程において、前記紫外線硬化型インク組成物を半硬化させる、
    請求項1又は2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記重合性化合物が、親水性モノマーを含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記三次元造形用組成物が、親水性溶媒をさらに含むペーストである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 粒子を含む層と、
    粒子を含まない層と、を有する、
    三次元造形物。
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