JP6850425B2 - 蓄電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、電極板がセパレータを介在させて巻回された電極群と、電解液と、電極群及び電解液を封入する外装体とを備えた非水系二次電池が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の電池の電極板は、正極用または負極用の集電体と、集電体の表面に形成され活物質を含む合剤層と、合剤層の表面に形成されフィラーを含む表面層と、を有する。フィラーの合剤層への浸入深さは、1μm以上であり、且つ、活物質の平均粒子径以下である。
特許文献1に記載の電池では、充放電に伴って内部抵抗が上昇することを抑制できない場合がある。
特開2014−107172号公報
本実施形態は、充放電に伴って内部抵抗が上昇することを抑制できる蓄電素子を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、電解質塩を含有する電解液と、電極としての正極と負極とを含み、少なくともいずれか一方の電極は、電極基材と、該電極基材に重なり且つ活物質粒子を含む活物質層と、粒子を含み該粒子間の空隙によって多孔質に形成された多孔質体であって活物質層に重なる多孔質体と、を有し、多孔質体の一部は、活物質層の最も外側の活物質粒子よりも内側に延びている。
斯かる構成の蓄電素子では、多孔質体に電解液が含浸される。多孔質体の一部は、活物質層の最も外側の活物質粒子よりも内側に延びているため、活物質層の表面の活物質粒子だけでなく内側の活物質粒子にも、多孔質体を経て電解液が供給される。これにより、活物質層の内部に電解液が供給されやすくなっている。電解液が活物質層の内部に供給されることにより、比較的大きな電流で充放電を繰り返しても、活物質層において電解液の電解質塩の偏在が起こりにくいことから、充放電に伴って内部抵抗が上昇することを抑制できる。
上記の蓄電素子では、電極の厚み方向の断面にて、活物質層及び多孔質体の合計面積に対する多孔質体の面積の比率は、1/50以上1/10以下であってもよい。斯かる比率が1/50以上であることにより、多孔質体を経た電解液をより確実に活物質層に供給することができる。従って、内部抵抗が上昇することをより十分に抑制できる。一方、斯かる比率が1/10以下であることにより、活物質層における充放電に伴う反応が多孔質体によって妨げられることをより確実に抑制できる。
上記の蓄電素子は、正極と、負極と、正極及び負極の間に配置されたセパレータとを含む電極体を備え、電極体は、正極と負極とセパレータとの積層体が巻回された状態であり、電極体の巻回軸方向の長さは、電極体の巻回軸方向に垂直な方向の長さのうちの最も短い長さに対して、2倍以上であってもよい。斯かる構成の電極体では、上記長さの比が2倍以上であるため、電極体の内部に電解液が入りにくい。ところが、多孔質体の内側へ延びた部分によって上記のごとく電解液が活物質層に供給される。従って、活物質層において電解液の電解質塩が偏在することが抑制される。このように、電解液が内部に供給されにくい電極体を備えた蓄電素子であっても、内部抵抗が上昇することを抑制できる。
上記の蓄電素子では、多孔質体を有する電極が少なくとも負極であってもよい。
上記の蓄電素子では、負極の活物質粒子は、グラファイト粒子であってもよい。グラファイト粒子は、比較的硬度が小さく、充電によって膨張しやすい。従って、充電時に膨潤したグラファイト粒子によって、活物質層内を電解液が移動することが妨げられ、内部抵抗が上昇し得る。ところが、多孔質体の内側へ延びた部分によって上記のごとく電解液が活物質層に供給される。これにより、活物質粒子がグラファイト粒子であっても、上記と同様に、内部抵抗が上昇することを抑制できる。
本実施形態によれば、内部抵抗が上昇することが抑制された蓄電素子を提供できる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、同実施形態に係る蓄電素子の負極断面の模式図である。 図9は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。 図10は、実施例の電池の負極を厚み方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡によって観察した観察像である。 図11は、比較例の電池の負極を厚み方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡によって観察した観察像である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図8を参照しつつ説明する。蓄電素子には、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図8に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極基材)と、金属箔111表面に沿って配置され活物質を含む活物質層112と、を有する。本実施形態では、活物質層112は、金属箔111の両側にそれぞれ配置され、金属箔111の両方の面にそれぞれ重なる。なお、正極11の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
正極11の金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、図7に示すように、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112は、活物質と、導電助剤と、バインダとを含む。例えば、正極活物質層112は、活物質を88質量%以上91.5質量%以下含み、導電助剤を4.5質量%以上9質量%以下含み、バインダを3質量%以上4.5質量%以下含む。なお、正極活物質層112の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。
正極11の活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質は、粒子状である。正極11の活物質の平均粒径D50は、通常、3μm以上20μm以下である。
正極11の活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極の活物質は、例えば、LiMeO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、又は、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。
本実施形態では、正極11の活物質は、LiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物(ただし、0<p≦1.3であり、q+r+s=1であり、0≦q≦1であり、0≦r≦1であり、0≦s≦1であり、1.7≦t≦2.3である)である。なお、0<q<1であり、0<r<1であり、0<s<1であってもよい。
上記のごときLiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi1/6Co2/3Mn1/6、LiNi1/6Co1/6Mn2/3、LiNi3/5Co1/5Mn1/5、LiCoO などである。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層112の導電助剤は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極12は、金属箔121(負極基材)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122と、負極活物質層122の上に形成された多孔質体123と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)非被覆部125を有する。なお、負極12の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
負極活物質層122は、活物質粒子と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極11と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。負極活物質層122の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。
負極活物質層122では、バインダの比率は、負極の活物質粒子とバインダとの合計質量に対して、1質量%以上10質量%以下であってもよい。
負極12の活物質粒子は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極12の活物質粒子は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料の粒子、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料の粒子である。本実施形態の負極の活物質粒子は、グラファイト粒子である。
負極活物質層122に用いられるバインダは、正極活物質層112に用いられたバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
多孔質体123は、負極活物質層122の一方の面に重なる。多孔質体123は、負極活物質層122と接しつつ負極活物質層122を覆っている。多孔質体123は、金属箔111に重なった負極活物質層122の外側の面を覆うように配置される。多孔質体123は、負極12の活物質粒子よりも硬度が大きい粒子を含む。粒子の硬度は、ISO 14577−1に従って測定される。測定機器としては、例えば、島津製作所社製 ダイナミック超微小硬度計 製品名「DUH−211」、Keysight Technologies社製 製品名「Nano Indenter G200」などを用いることができる。本実施形態では、斯かる粒子は、電気絶縁性を有する絶縁粒子である。多孔質体123は、バインダをさらに含む。
多孔質体123は、Liイオンなどが内部で移動できるように、絶縁粒子間の空隙によって多孔質に形成されている。絶縁粒子は、電気伝導率が10−6 S/m未満の絶縁材料を95質量%以上含むものである。
多孔質体123は、負極活物質層122の外側の面に重なるように配置される。多孔質体123は、負極活物質層122の外側の面に沿って広がる層状部123aと、層状部123aの一部から活物質粒子の間を通り活物質層に侵入する侵入部123bとを有する。
多孔質体123は、通常、絶縁粒子を30質量%以上99質量%以下含有する。多孔質体123は、50質量%以上98質量%以下含有することが好ましい。
多孔質体123は、通常、バインダを1質量%以上10質量%以下含有する。多孔質体123の電気絶縁性は、負極活物質層122の電気絶縁性よりも高い。多孔質体123の電気伝導度は、負極活物質層122の電気伝導度よりも低い。
絶縁粒子の平均粒子径D50は、通常、0.1μm以上1μm以下である。絶縁粒子は、負極12の活物質粒子よりも小さい。絶縁粒子の平均粒子径D50に対する、負極12の活物質粒子の平均粒子径D50は、5倍以上200倍以下であってもよい。各粒子の平均粒子径D50は、レーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いた測定によって求められる。平均粒子径D50は、レーザ散乱方式によって、また、粒子の体積基準によって求められる。なお、製造された電池の絶縁粒子の平均粒子径D50を測定する場合、電極(負極12)を取り出して、負極活物質層122や多孔質体123のバインダを溶解させる溶媒(N−メチルピロリドン又は水など)に浸漬し、バインダを溶解させる。非溶解物をろ過によって分離して乾燥させる。その後、遠心分離機又は比重勾配管を用いて、活物質粒子と絶縁粒子とを分離する。分離された活物質粒子、絶縁粒子を超音波処理によって測定用溶媒中で分散させる。活物質粒子、絶縁粒子の粒径頻度分布を、それぞれ粒度分布測定装置を用いて測定することによって、平均粒子径D50をそれぞれ求める。
絶縁粒子としては、例えば、酸化物粒子、窒化物粒子、イオン結晶粒子、共有結合性結晶粒子、粘土粒子、鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物質の粒子などが挙げられる。酸化物粒子(金属酸化物粒子)としては、例えば、酸化鉄、SiO、Al、TiO、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物などの粒子が挙げられる。窒化物粒子としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの粒子が挙げられる。イオン結晶粒子としては、例えば、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの粒子が挙げられる。共有結合性結晶粒子としては、例えば、シリコン、ダイヤモンドなどの粒子が挙げられる。粘土粒子としては、例えば、タルク、モンモリロナイトなどの粒子が挙げられる。鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物質の粒子としては、例えば、ベーマイト(アルミナ水和物)、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカなどの粒子が挙げられる。なお、水和物を含む天然鉱物(例えば、上記の粘土、鉱物資源由来物質)を焼成した焼成体を採用することもできる。本実施形態では、絶縁粒子は、Al粒子である。
多孔質体123のバインダは、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートなどである。
多孔質体123の層状部123aの厚み(最も薄い部分の厚み)は、通常、セパレータ4の厚みの1/10以上である。層状部123aの厚み(最も薄い部分の厚み)は、層状部123aの内側にある活物質粒子の径(長径)の1/5以上3/5以下である。層状部123aの厚み(最も薄い部分の厚み)は、通常、0.1μm以上10μm以下である。層状部123aの厚みは、負極12の厚み方向の断面を電子顕微鏡で観察した観察像によって求める。
多孔質体123の侵入部123bは、負極活物質層122の最も外側の活物質粒子を超えて内側に延びている。詳しくは、侵入部123bは、負極活物質層122の厚み方向に、最も外側の活物質粒子よりも内側へ延びている。侵入部123bは、層状部123aの一部から金属箔121の方へ向かって曲がりつつ延びる。侵入部123bは、まっすぐな部分と曲がった部分とを有する。即ち、侵入部123bは、侵入方向が途中で曲がり、曲がりながら金属箔121の方へ近づく。侵入部123bは、活物質粒子の間を通って負極活物質層122に侵入している。
侵入部123bの侵入深さは、少なくとも負極活物質層122の厚みの半分である。侵入部123bの侵入深さは、負極活物質層122の厚みの3/5以上4/5以下であることが好ましい。なお、侵入深さは、下記のようにして決定する。即ち、まず、負極12の断面の電子顕微鏡の観察像において、金属箔121の表面に沿ってランダムに選んだ少なくとも50箇所を選ぶ。各箇所において、厚み方向における、金属箔表面から、最も外側の活物質粒子の最外部までの距離を測定する。測定値を平均した値を負極活物質層122の厚みとする。一方、侵入深さの基点は、上記のごとく求めた負極活物質層122の厚み分だけ金属箔表面から離れた部位とする。侵入深さの先端点は、複数の絶縁粒子が集まった状態で最も金属箔表面に近づいている部位とする。基点と先端点との厚み方向の距離を侵入深さとする。
負極12の厚み方向の断面にて、負極活物質層122及び多孔質体123の合計面積に対する多孔質体123の面積の比率は、1/50以上1/10以下である。斯かる面積の比率は、下記のようにして決定する。詳しくは、負極12の厚み方向の断面の電子顕微鏡写真像にて、負極活物質層122の厚みの2倍分の長さ(厚み方向に垂直な方向)で領域を区画し、区画した領域の負極活物質層122及び多孔質体123の各面積を求める。各面積は、画像処理によって求める。画像処理では、断面の電子顕微鏡観察画像を解析するために、コントラストを調整して二値化し、負極活物質層122と多孔質体123とを区別する。そして、解析ソフトによって、面積を求め、上記の面積の比率を決定する。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
電極体2の巻回軸方向の長さは、電極体2の巻回軸方向に垂直な方向の長さのうちの最も短い長さに対して、2倍以上である。本実施形態では、図4等に示すように、電極体2の形状が扁平状である。斯かる扁平状の電極体2において、電極体2の巻回軸方向の長さ(巻回前の帯状の積層体22の幅)は、電極体2の厚み(後述するY軸方向の長さ)に対して、2倍以上である。斯かる長さの比は、通常、5倍以下である。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、少なくともセパレータ基材41を備える。セパレータ基材41は、多孔質な材料で形成される。本実施形態では、セパレータ4は、セパレータ基材41のみを有する。
セパレータ基材41は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜によって多孔質に構成される。セパレータ基材41の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒と電解質塩とを含む。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。
ケース3内には、上記の電極体2がケース本体31の内側の面と接した状態で収容される。電極体2は、充放電に伴い、膨張及び収縮を繰り返すことから、電極体2が膨張したときに、電極体2は、ケース本体31の内側の面によって外方から圧縮された状態になる。
ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、集電体5は、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、上記実施形態の蓄電素子の製造方法について説明する。
上記の製造方法では、活物質及びバインダを含む合剤を電極基材(金属箔)に塗布する。負極の作製では、塗布後の合剤に絶縁粒子を含む組成物をさらに塗布する。正極、セパレータ、及び負極を重ね合わせて電極体を形成する。電極体をケースに入れ、ケースに電解液を入れることによって蓄電素子を組み立てる。
正極11の作製では、まず、正極用の金属箔111の両方の面に、正極活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって正極活物質層112を形成する。正極活物質層112を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。
負極12の作製では、上記と同様にして形成した各負極活物質層122の外側の面に、絶縁粒子とバインダと溶媒とを含む組成物を塗布することによって多孔質体123を形成する。詳しくは、溶媒量の含有率を多くすることで活物質及びバインダの含有率を低下させた合剤を調整する。斯かる合剤を金属箔121に塗布し、溶媒を揮発させることによって、負極活物質の粒子間の空隙が比較的多い負極活物質層122を形成する。このようにして形成した負極活物質層122の上に、上記の多孔質体用の組成物を塗布し、塗布後の組成物をプレスする。プレスすることにより、組成物中の絶縁粒子の一部を負極活物質層122に侵入させる。多孔質体123を形成するための塗布方法、プレス方法としては、一般的な方法が採用される。
電極体2の形成では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回する。詳しくは、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。そして、積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
蓄電素子の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
本発明は、以下の形で実施することができる。
(1)電解質塩を含有する電解液と、電極としての正極と負極とを含み、少なくともいずれか一方の電極は、電極基材と、該電極基材に重なり且つ活物質粒子を含む活物質層と、粒子を含み該粒子間の空隙によって多孔質に形成された多孔質体であって活物質層に重なる多孔質体と、を有し、多孔質体の一部は、活物質層の最も外側の活物質粒子よりも内側に延びている、蓄電素子。

(2)電極の厚み方向の断面にて、活物質層及び多孔質体の合計面積に対する多孔質体の面積の比率は、1/50以上1/10以下である、(1)に記載の蓄電素子。
(3)正極と、負極と、正極及び負極の間に配置されたセパレータとを含む電極体を備え、電極体は、正極と負極とセパレータとの積層体が巻回された状態であり、電極体の巻回軸方向の長さは、電極体の巻回軸方向に垂直な方向の長さのうちの最も短い長さに対して、2倍以上である、(1)又は(2)に記載の蓄電素子。
(4)多孔質体を有する電極が少なくとも負極である、(1)乃至(3)のいずれかに記載の蓄電素子。
(5)負極の活物質粒子は、グラファイト粒子である、(4)に記載の蓄電素子。
上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1は、電解質塩を含有する電解液と、電極としての正極11と負極12とを含む。少なくとも負極は、活物質粒子を含む負極活物質層122と、負極活物質層122の一方の面に重なった金属箔121と、活物質粒子よりも硬度が大きい粒子を含む多孔質体123であって負極活物質層122の他方の面に重なるように配置された多孔質体123と、を有する。多孔質体の一部は、負極活物質層122の最も外側の活物質粒子よりも内側に存在している(延びている)。即ち、多孔質体の一部は、負極活物質層122の最も外側の活物質粒子を超えて内側に延びている。詳しくは、多孔質体123の一部は、活物質粒子の間を通って負極活物質層122に侵入し負極活物質層122の厚み分の少なくとも半分深さまで侵入している。
斯かる蓄電素子1では、多孔質体123に電解液が含浸される。多孔質体123の一部は、負極活物質層122の最も外側の活物質粒子よりも内側に延び、活物質粒子の間を通り負極活物質層122に侵入しているため、侵入先端部にも電解液が含浸される。これにより、負極活物質層122の内部に電解液が供給されやすくなっている。電解液が負極活物質層122の内部に供給されることにより、比較的大きな電流で充放電を繰り返しても、負極活物質層122において電解液の電解質塩の偏在が起こりにくいことから、充放電に伴って内部抵抗が上昇することを抑制できる。
上記の蓄電素子1では、負極12の厚み方向の断面にて、負極活物質層122及び多孔質体123の合計面積に対する多孔質体123の面積の比率は、1/50以上1/10以下である。斯かる比率が1/50以上であることにより、多孔質体123を経た電解液をより確実に負極活物質層122に供給することができる。従って、内部抵抗が上昇することをより十分に抑制できる。一方、斯かる比率が1/10以下であることにより、負極活物質層122における充放電に伴う反応が多孔質体123によって妨げられることをより確実に抑制できる。
上記の蓄電素子1は、上記の電極体2を備える、電極体2の巻回軸方向の長さは、電極体2の巻回軸方向に垂直な方向の長さのうちの最も短い長さに対して、2倍以上である。斯かる構成の電極体2では、長さの比が2倍以上であるため、電極体2の内部に電解液が入りにくい。ところが、多孔質体123の侵入部123bによって上記のごとく電解液が負極活物質層122に供給される。従って、負極活物質層122において電解液の電解質塩が偏在することが抑制される。このように、電解液が内部に供給されにくい電極体2を備えた蓄電素子であっても、内部抵抗が上昇することを抑制できる。
上記の蓄電素子1では、負極12の活物質粒子は、グラファイト粒子である。グラファイト粒子は、比較的硬度が小さく、充電によって膨張しやすい。従って、充電時に膨潤したグラファイト粒子によって、負極活物質層122内を電解液が移動することが妨げられ、内部抵抗が上昇し得る。ところが、多孔質体123の侵入部123bによって上記のごとく電解液が負極活物質層122に供給される。これにより、活物質粒子がグラファイト粒子であっても、内部抵抗が上昇することを抑制できる。
上記の蓄電素子1は、電解液を含浸する多孔質のセパレータ4を備えるだけでなく、電解液を含浸する多孔質体123をも備える。従って、セパレータ4だけでなく、多孔質体123によっても、電極体2内部に電解液をより均一に供給することができる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の実施形態では、セパレータ基材41のみで構成されたセパレータ4について詳しく説明したが、本発明では、セパレータ4が、セパレータ基材41と、該セパレータ基材41の少なくとも一方の面に重なった絶縁性無機粒子を含む無機層を有してもよい。
上記の実施形態では、活物質を含む活物質層が金属箔に直接接した正極について詳しく説明したが、本発明では、正極が、バインダと導電助剤とを含む導電層を有し、導電層が、金属箔と活物質層との間に配置されてもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図9に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
以下に示すようにして、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。
(実施例1)
(1)正極の作製
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、平均粒径D50が10μmの活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の粒子とを、混合し、混練することで、正極用の合剤を調製した。導電助剤、バインダ、活物質の配合量は、それぞれ5質量%、5質量%、90質量%とした。調製した正極用の合剤を、アルミニウム箔(15μm厚み)の両面に、乾燥後の塗布量(目付量)が8mg/cmとなるようにそれぞれ塗布した。乾燥後、ロールプレスを行った。その後、真空乾燥して、水分等を除去した。活物質層(1層分)の厚みは、30μmであった。
(2)負極の作製
活物質としては、平均粒径D50が10μmの粒子状のグラファイト(黒鉛)を用いた。また、バインダとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)とを1対1の質量比で用いた。負極用の合剤は、溶剤として水と、バインダと、活物質とを混合、混練することで調製した。バインダは、活物質層中で2質量%となるように配合し、活物質は、98質量%となるように配合した。調製した負極用の合剤を、乾燥後の塗布量(目付量)が4mg/cmとなるように、銅箔(10μm厚み)の両面にそれぞれ塗布した。加熱乾燥後、真空乾燥によって水分等を除去した。活物質層(1層分)の厚みは、35μmであった。
さらに、アルミナ粒子(平均粒径D50が0.5μm)30質量部と、バインダ(アクリロニトリル構造を有する共重合体)0.9質量部と、溶媒(NMP)69.1質量部と、を含む組成物を、各活物質層に重なるように塗布した。塗布は、ドライコート法(静電塗工法)によって行った。塗布後の組成物から溶媒を揮発させ、50kg/cmの線圧でロールプレスを行った。これにより、活物質層を覆いつつ一部が活物質層に入り込んだ多孔質体を形成した。
(3)セパレータ
セパレータ基材として厚みが22μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。ポリエチレン製微多孔膜の透気度は、100秒/100ccであった。
(4)電解液の調製
電解液としては、以下の方法で調製したものを用いた。非水溶媒として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、いずれも1容量部ずつ混合した溶媒を用い、この非水溶媒に、塩濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
(5)ケース内への電極体の配置
上記の正極、上記の負極、上記の電解液、セパレータ、及びケースを用いて、一般的な方法によって電池を製造した。
まず、セパレータが上記の正極および負極の間に配されて積層されてなるシート状物を巻回した。次に、巻回されてなる電極体を、ケースとしてのアルミニウム製の角形電槽缶のケース本体内に配置した。続いて、正極及び負極を2つの外部端子それぞれに電気的に接続させた。さらに、ケース本体に蓋板を取り付けた。上記の電解液を、ケースの蓋板に形成された注液口からケース内に注入した。最後に、ケースの注液口を封止することにより、ケースを密閉した。
(実施例2)
ロールプレスの線圧を20kg/cmに変更した点以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例)
アルミナ粒子を含む組成物の塗布を湿式法(液式塗工法)で行った点、アルミナ粒子を含む組成物を塗布後にプレスしなかった点以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
<製造後の負極の観察>
各電池の負極を厚み方向に切断した断面を、走査型電子顕微鏡によって観察した。実施例1の電池の負極の観察像を図10に示す。図10にて、多孔質体の一部は、活物質層の最も外側の活物質粒子よりも内側に延びていた。一方、比較例の電池の負極の観察像を図11に示す。図11にて、多孔質体を構成するアルミナ粒子は、活物質層の最も外側の活物質粒子よりも内側には、入り込んでいなかった。
<電池の内部抵抗の評価>
製造した各電池について、満充電から放電を開始した直後の電圧降下量を電流値で除することによって、内部抵抗値を求めた。次に、3.0V〜4.2V間で3CAでの充放電を100サイクル繰り返し、その後、同様の手段で内部抵抗値を求めた。
サイクル前後での各電池の内部抵抗の上昇率は、実施例1で10%、実施例2で15%、比較例1で50%であった。なお、サイクル前の内部抵抗値はいずれの電池でも同じであった。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:面、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極基材)、 112:正極活物質層、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極基材)、 122:負極活物質層、
123:多孔質体、
91:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (5)

  1. 電解質塩を含有する電解液と、電極としての正極と負極とを含み、
    少なくともいずれか一方の電極は、電極基材と、該電極基材に重なり且つ活物質粒子を含む活物質層と、粒子およびバインダを含み該粒子間の空隙によって多孔質に形成された多孔質体であって前記活物質層に重なる多孔質体と、を有し、
    前記多孔質体における前記バインダの含有量は、1質量%以上10質量%以下であり、
    前記多孔質体の一部は、前記活物質層の最も外側の活物質粒子よりも内側に延びており、かつ、前記活物質層の厚みの3/5以上4/5以下の深さまで侵入している、蓄電素子。
  2. 前記電極の厚み方向の断面にて、前記活物質層及び前記多孔質体の合計面積に対する前記多孔質体の面積の比率は、1/50以上1/10以下である、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記正極と、前記負極と、前記正極及び前記負極の間に配置されたセパレータとを含む電極体を備え、
    前記電極体は、前記正極と前記負極と前記セパレータとの積層体が巻回された状態であり、
    前記電極体の巻回軸方向の長さは、前記電極体の巻回軸方向に垂直な方向の長さのうちの最も短い長さに対して、2倍以上である、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記多孔質体を有する前記電極が少なくとも負極である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記負極の活物質粒子は、グラファイト粒子である、請求項4に記載の蓄電素子。

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