JP5865672B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質を用いた二次電池に関する。
近年、二次電池は、携帯電話やノートPCだけでなく、電気自動車用バッテリーとしてもその用途を広げている。
二次電池は、一般に正極と負極と電解液から構成されており、正極には例えば遷移金属とLiの酸化物、負極には例えば黒鉛やハードカーボンなどの炭素系材料、そして電解液には有機系溶媒が用いられている。また、正極と負極の間にはセパレータと呼ばれるポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンを主成分とした、厚さが20〜30μmの有機多孔質膜が用いられている。
近年、セパレータの熱安定性を高めるといった観点から、有機成分だけでなく耐熱性粒子としてアルミナやシリカを用い、更に融点の低い有機微粒子を混合させることで、耐熱性を高めるとともにシャットダウン機能も持たせたセパレータや(特許文献1を参照)、有機多孔質セパレータに加えて別途、電極表面に無機酸化物フィラーおよび有機結着剤を含む多孔質膜を接着したもの(特許文献2を参照)が提案されている。
特開2008−27839号公報 国際公開2006/064775号パンフレット
しかしながら、エネルギー密度の観点からは、有機多孔質膜をセパレータとして用いる場合、耐熱性樹脂や無機フィラーと混合しても、ショート防止や強度、取り扱いの面から20μm以上の厚さが必要なため、エネルギー密度の向上が困難であった。また、特許文献2のように、セパレータに加えて別途、電極表面に耐熱性多孔質膜を設ける構成をとると、さらに正極と負極との間隔が大きくなり、エネルギー密度が低下するという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、有機多孔質膜をセパレータとして用いたものに対してエネルギー密度の高い二次電池を提供することを目的とする。
本発明の二次電池は、正極と負極との間に電解質層を有し、前記正極は、Li元素と、少なくとも1種の遷移金属とを含む酸化物である活物質の焼結体であって、70%以上の相対密度を有し、前記電解質層は、無機化合物からなる多孔質膜と、該多孔質膜の細孔に含まれ、リチウム塩を含む非水電解液により構成され、前記無機化合物は、絶縁性および前記非水電解液に対する耐食性を有するとともに、前記多孔質膜の一方の面に接する前記正極と他方の面に接する前記負極が、前記多孔質膜の両面に対向するように配置され、該多孔質膜の厚さが1μmより小さいことを特徴とする。
本発明によれば、有機多孔質膜をセパレータとして用いたものに対してエネルギー密度が高い二次電池を提供できる。
本発明の一実施形態である二次電池の断面図である。 図1における電極と多孔質膜との界面の拡大図である。
本発明の一実施形態である二次電池について、図1および図2に基づいて説明する。本実施形態の二次電池は、正極1Pと負極1Nとの間に電解質層2を有する発電要素3を、正極側電池ケース5と負極側電池ケース7とによって形成された電池ケース内の空間に収納することで形成されている。正極側電池ケース5と負極側電池ケース7とはガスケット6を介してかしめられており、電池ケース内の空間が気密に保たれている。
また、正極側電池ケース5と負極側電池ケース7との接触を良好に行うために正極1Pの正極側電池ケース5と対峙する面には正極側集電層4Pが、負極1Nの負極側電池ケース7と対峙する面には負極側集電層4Nがそれぞれ形成されており、電池ケースと発電要素3との接触抵抗の低減を図っている。
正極1Pおよび負極1Nは、少なくともいずれか一方が70%以上の相対密度を有する焼結体1であり、電解質層2は、無機化合物からなる多孔質膜2aと、その細孔中に含まれる非水電解質(図示せず)とを含んでいる。
正極1Pおよび負極1Nのいずれか一方を70%以上の相対密度を有する焼結体1とすることで、従来のバインダで固めた電極と比べてエネルギー密度が向上でき、機械強度が高く取り扱いが容易になる。さらに焼結体1の相対密度を80%以上とすることで、焼結体1の表面に液相合成や気相合成法により無機化合物からなる多孔質膜2aを形成しやすくなる。
電解質層2を、無機化合物からなる多孔質膜2aの細孔中に非水電解質が含まれている構成とすることで、有機多孔質膜のセパレータを使用する必要が無い。非水電解質は、多孔質膜2aの細孔中だけでなく、他方の電極と多孔質膜2aとの隙間や、発電要素3と電池ケースとの間に充填されていてもよいが、発電要素3の内部、すなわち発電要素3を構成する正極1P、負極1Nおよび多孔質膜2aがそれぞれ有する気孔または細孔の内部や、これらの構成要素間の間隙内部に留めることが安全性の面から好ましい。
焼結体1を形成する活物質は、相対密度70%以上に焼結することが可能であれば特に限定されるものではないが、600℃以上の耐熱性を有し、有機電解液に対する耐食性が高いという点から、無機酸化物を用いることが好ましい。たとえば焼結体1を正極1Pとして用い、その表面に多孔質膜2aを形成する場合は、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、酸化バナジウムなどが活物質として挙げられる。特に、Li元素と、少なくとも1種の遷移金属とを含む酸化物、たとえば、遷移金属としてCo、Ni、Mn、Feなどを含むLiCoO、LiNiO、LiNi Co Mn (x+y+z≒1)、LiNiMn(x=0.1
〜0.5、y=1.5〜1.9)、LiFePOなどは、二次電池の高容量化、高エネ
ルギー密度化や急速充放電を要求される用途に好適であり好ましい。
負極1Nの活物質としては、黒鉛やハードカーボンなどの炭素系材料や、LiTi12やVなどの酸化物、Siなどの合金を形成する金属、金属Liなどを用いればよい。焼結体1を負極1Nとして用い、その表面に多孔質膜2aを形成する場合には、負極1Nの活物質として、酸化チタン、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化鉄等およびこれら酸化物とリチウムからなるリチウム複合酸化物を用いることができる。特に、Li元素と、少なくとも1種の遷移金属とを含む酸化物、
たとえばチタン酸リチウム(LiTiおよびその類縁活物質)を用いることが好ましい。チタン酸リチウムは、酸化物の中では充放電電位が低く、充放電容量が大きいことから負極1Nの活物質として用いると電圧の高い二次電池を構成できる。
多孔質膜2aには、イオンを通し、かつ正極1Pと負極1Nのショートを防止することが求められる。非水電解質を介したイオンの通り道として、多孔質膜2aの気孔率は、たとえば10〜70%、さらには20〜50%であることが好ましい。多孔質膜2aの気孔率が10%未満であると、電解液のパスが遮断され電池として機能しない場合があるため、本明細書においては、気孔率が10%以上の場合を多孔質とする。また、70%を超えると機械的強度が低く多孔質膜2aとしての構造を保持できずにショートを起こす懸念がある。多孔質膜2aの厚さは、イオンの移動距離を短くするために薄ければ薄いほどよく、具体的には5μm以下とすることが好ましく、さらには3μm以下、より好ましくは1μm以下とするのがよい。多孔質膜2aの厚さが薄いほど、多孔質膜2aに起因する内部抵抗が減少し、出力特性などの電池性能が向上する。また、多孔質膜2aの厚さを薄くすることで、同一体積の発電要素3における活物質の含有比率が高くなるため、高容量化が進み、結果としてエネルギー密度向上にも寄与する。例えば正極1Pと負極1Nの厚さをそれぞれ40μmとすると、従来のセパレータの厚さが20μmであれば、発電要素3におけるセパレータの占める体積比率は20%となるが、セパレータに替えて用いる多孔質膜2aの厚さを5μmとすることで、その体積比率は6%以下となり、15%のエネルギー密度向上になる。また、多孔質膜2aの厚さを薄くして正極1Pと負極1Nの間隔を小さくすることで、非水電解質として可燃性の電解液を用いても、必要な電解液の量を大幅に低減でき、電池内の可燃物量が減少するため、安全性が高くなる。ただし、絶縁破壊やピンホールによるショートを起こさない必要最低限の厚さを確保する必要があり、0.1μm以上、更には0.5μm以上であることが好ましい。多孔質膜2aの厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて発電要素3や電解質層2の断面を観察、計測することで確認できる。また、多孔質膜2aの気孔率は、たとえば水銀または溶媒圧入法や、多孔質膜2aの気孔に例えばアクリル樹脂等を含浸して硬化した後、その断面を研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影した写真を画像解析することにより求めることができる。
無機化合物からなる多孔質膜2aは、正極1Pと負極1Nとが互いに接触してショートしないように、正極1Pと負極1Nとの間に設けられていればよいが、正極1Pまたは負極1Nである焼結体1の表面に形成されていることが好ましい。このとき、多孔質膜2aは、他方の電極とは接触していればよい。また、正極1P及び負極1Nがいずれも焼結体1である場合は、正極1Pおよび負極1Nの両方の表面に形成されていてもよく、形成された多孔質膜2a同士が接合されていてもよい。それにより、たとえそれぞれの多孔質膜2aにピンホール等の欠陥や厚さのばらつきがあったとしても、そのような欠陥を正極1Pおよび負極1Nの表面にそれぞれ形成された多孔質膜2aでカバーしあうことで、さらに確実に正極1Pと負極1Nとの短絡の可能性を低減できる。なお、多孔質膜2aは、正極1Pまたは負極1Nである焼結体1の、少なくとも対向する電極に面する側の表面に形成されていればよいが、焼結体1の表面全面に形成されていても構わない。
焼結体1の表面に多孔質膜2aを形成する方法としては、ゾルゲル法などの液相合成法や、反応性スパッタリング法などの気相合成法を用いることができる。気相合成法は、薄く均一な膜を形成し易く、液相合成法では簡便に薄膜を形成できる。また、周知のテープ成形法により無機化合物粉末を含むグリーンシートを作製し、焼結体電極に貼り付けて熱処理することで形成することもでき、焼結体1の相対密度が比較的低く液相合成や気相合成による多孔質膜2aの形成が難しい場合に有効である。
無機化合物からなる多孔質膜2aを得るためには、たとえば300℃以上という高温での熱処理が必要なため、通常用いられている活物質を導電剤やバインダとともに成形した
電極表面に多孔質膜2aを形成しようとすると、熱処理する際に導電剤やバインダが溶融・分解して電極の強度が低下したり、形状の維持ができない懸念がある。一方、活物質を焼成した焼結体1を電極として用いた場合、高温での熱処理においても電極が変質することなく、無機化合物からなる多孔質膜2aを電極表面に形成することができる。なお、焼結体1の相対密度を80%以上とすることで、その表面に液相合成や、気相合成法により、無機化合物からなる多孔質膜2aを形成しやすくなる。また、活物質の成形体やグリーンシートの表面に、無機化合物の層やグリーンシートを積層した後、焼成することにより、焼結体1と多孔質膜2aとを同時に作製しても構わない。
多孔質膜2aを構成する無機化合物としては、正極1Pと負極1Nとのショートを防ぐ絶縁性と非水電解質に対する耐食性を有し、電池の電圧範囲において分解せず、焼結体1を構成する活物質の焼成温度未満の温度で多孔質膜2aを形成可能な材料、たとえばアルミナ、マグネシア、シリカ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素などが挙げられるが、特に限定するものではなく、また、結晶化していても非晶質であっても構わない。中でもSiを含む無機化合物は、アモルファスシリカやゼオライトの成分として分離膜などの多孔質材料に用いられており、多孔質膜2aを形成しやすく、細孔径の調整が容易で、耐熱性に優れるという点から、有機系セパレータの代替として好ましい。
また、無機化合物としてイオン伝導性を有するもの、たとえばイオン伝導性酸化物や、Liを含むガラス系固体電解質等を用いてもよい。イオン伝導性を有する無機化合物としては、例えばLiLaZr13、Li1+xZrSi3−x12、Li1+xZr2−x/3Si3−x12−2x/3(1.5<x<2.2)、Li1+xTi2−x(PO(M=Al、Sc、Y、またはLa、0<x<2)、Li0.5−3x0.5+xTiO(M=La、Pr、Nd、またはSm、0<x<1/6)、LiSO、LiSiO、LiPO、LiGeO、LiVO、LiMoO、LiZrO、LiCO、LiO、LiPON、SiO、ZrO、V、P、B、Al、TiO、ZnGeO、LiS、SiS、LiSe、SiSe、B、P、GeS、LiI、LiW、LiNbO等が挙げられる。イオン伝導性を有する無機化合物を多孔質膜2aとして用いることにより、多孔質膜2a自体がイオン伝導性を有するため、多孔質膜2aの気孔率が小さく電解液のパスが遮断されている場合でも、イオン伝導パスが確保される。
非水電解質は、有機溶媒に電解質塩を溶解した有機電解液、イオン液体等を用いることができる。有機電解液に用いる有機溶媒には、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、メチルエチルカーボネートから選ばれる1種もしくは2種以上を混合した溶媒が挙げられる。電解質塩としては、例えばLiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiN(C
SO)、LiN(CSO)などのリチウム塩が挙げられる。
正極側集電層4P、負極側集電層4Nには、たとえば、カーボンブラック、グラファイト、金、銀、ニッケル、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、チタン酸化カリウムや、これらの導電性フィラーと高分子粘着剤を含む導電性接着剤などを用いることができる。高分子粘着剤としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
本実施形態の二次電池の製造方法の一例について説明する。まず、焼結体1を作製するための原料粉末として、回折散乱法による粒度分布測定におけるD50が1.0μm以下のLiNiCoMn(x=0.1〜0.8、y=0.1〜0.5.z=0.1〜
0.5、ただしx+y+z≒1)粉末を準備する。回折散乱法による粒度分布測定におけるD50が1.0μm以下の原料粉末を用いることにより、焼結体の嵩密度を高めてエネルギー密度を向上させることができる。
準備した原料粉末に、バインダと分散剤を溶媒とともに添加、混合してスラリーを作製する。なお、スラリーにはさらに焼結助剤として、例えばBやLi、Siの酸化物などを5質量%以下の範囲で添加しても良い。
作製したスラリーを、ドクターブレード法などの周知のシート成形法により所定形状に成形してグリーンシートを作製し、必要に応じて所望の形状に切り出した後、900℃以上、さらには1000℃以上の最高温度で焼成することで焼結体1が得られる。
次に、得られた焼結体1の表面に、無機化合物からなる多孔質膜2aを形成する。ここでは、比較的作製が簡単なゾルゲル法によるSiOの多孔質膜2aの形成について説明する。出発原料としてテトラエトキシシランなどの金属アルコキシド原料を用い、溶媒としてアルコールを、触媒として酸もしくはアルカリを用い、加水分解・縮重合を行うことでゾルを得る。得られたゾルを、スピンコートやディップ法などの周知の成膜法により、焼結体1の一方の表面に多孔質膜前駆体層を形成する。多孔質膜前駆体層を十分乾燥した後、たとえば300〜800℃の温度範囲で熱処理することによって、焼結体1の表面にSiOの多孔質膜2aを形成できる。このとき、熱処理温度が低すぎると、多孔質膜2a中に有機成分が残留し、二次電池を形成した際に電極間の絶縁が確保できなくなる懸念があり、熱処理温度が高すぎると、SiOの焼結が進んで気孔が減少し、電解液のパスが遮断されてしまう。
表面に多孔質膜2aを形成した焼結体1を正極1Pとし、多孔質膜2aを形成していない面に正極側集電層4Pとして、Al金属層をスパッタにより形成する。また、負極1Nとして黒鉛板を用い、その一方の表面に負極側集電層4Nとして、Cu金属層をスパッタにより形成する。正極1Pおよび負極1Nを、正極側集電層4Pおよび負極側集電層4Nがそれぞれ正極側電池ケース5および負極側電池ケース7と対峙するように各電池ケース内に設置し、多孔質膜2aに電解液を含浸させた後、正極側電池ケース5と負極側電池ケース7とを、正極1Pと負極1Nとが有機電解液を含んだ多孔質膜2aを介して対向するように配置して、ガスケット8を介してかしめ合わせて封口することで、二次電池を得ることができる。
なお、本発明の二次電池の形状は角型、円筒型、ボタン型、コイン型、扁平型などに限定されるものではなく、また、正極側電池ケース5及び負極側電池ケース7に換えて、正極端子および負極端子を備える絶縁性の容器を用いてもよい。
まず、正極として用いるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の焼結体を作製した。原料粉末として、LiNi0.33Co0.33Mn0.33粉末を周知の手段により平均粒径1μm以下に粉砕したものを用いた。原料粉末100質量%に対して5質量%のブチラール系バインダおよび4質量%の分散剤を添加し、トルエンを溶媒として作製したスラリーを用いて、ドクターブレード法によって厚さが50μmの正極用グリーンシートを作製した。
得られた正極用グリーンシートを円形状にカットし、1000℃で5時間焼成して、直
径15mm、厚さ40μm、相対密度85%の焼結体を得た。
次に、作製した焼結体の一方の表面に、ゾルゲル法により多孔質膜を形成した。1モルのテトラエトキシシランに対して、50モルのエタノール、6モルの水および0.14モルのアンモニア水を混合して、SiOゾルとした。このとき、アンモニア水の濃度は29%とした。このSiOゾルを焼結体の表面にスピンコーターにて塗布し、120℃で乾燥した後熱処理した。多孔質膜の熱処理温度を表1に示す。なお、多孔質膜の厚さは、成膜回数により調整した。
焼結体表面に形成した多孔質膜の厚さは、多孔質膜を焼結体とともにアクリル樹脂に埋め込んだ観察用試料を用いて、多孔質膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、5ヶ所の厚さの平均値として求めた。多孔質膜の気孔率は、観察用試料の断面の顕微鏡写真を画像解析して、多孔質膜断面における気孔の面積占有率を求め、気孔率に換算した。多孔質膜の結晶相は、X線回折(XRD)における回折パターンの解析により確認した。焼成後の多孔質膜の厚さ、気孔率および結晶相を表1に示す。
次に、焼結体の多孔質膜を形成していない面に、スパッタによりAl金属層を集電層として形成した。また、負極としては黒鉛板を用い、一方の表面にスパッタによりCu金属層を集電層として形成した。その際、金属成分が焼結体の側面に回りこむのを防ぐため、焼結体および黒鉛板の表面に、直径14mmの開口部を持ったマスクを載せてスパッタを行った。
多孔質膜を形成した焼結体を正極、黒鉛板を負極として、電解液を含んだ多孔質膜を介して正極と負極の集電層を形成していない側の電極面が向かい合うように配置し、発電要素を作製した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7の比率で混合した有機溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムLiPFを1モル/Lで溶解したものを用いた。
また、多孔質膜を形成していない焼結体を正極、黒鉛板を負極として、前記と同様な方法でそれぞれに集電層を形成し、ポリエチレン製の不織布をセパレータとして用いた発電要素(試料No.10)および正極と負極の電極面がセパレータを介さず直接接するように配置した発電要素(試料No.11)を、前記と同様にして作製した。
これらの発電要素をコイン型電池評価セルにセットし、電解液をケース内に充填し、以下のような条件で充放電試験を行って電池特性を確認した。
充放電電圧範囲:上限4.6V、下限2.8V
充放電電流値 :1mA/cm(定電流充放電)
測定温度 :30℃
なお、エネルギー密度は以下のようにして算出した。
エネルギー密度=電流値×平均電圧×放電時間/発電要素の体積
Figure 0005865672
試料No.1〜3、5〜9は、良好な充放電挙動を示し、高いエネルギー密度が得られた。一方、試料No.4ではSiOの焼結が進み、SiO膜に電解液をほとんど含浸できず、充放電ができなかった。有機多孔質膜をセパレータとして用いた試料No.10は、エネルギー密度が低く、また、試料No.11は、正極と負極が直接接しているため、充電時にショートした。
このように、無機化合物からなる多孔質膜がセパレータとして機能し、従来の有機多孔質膜のセパレータに比べ薄膜化できるため、高いエネルギー密度を有する二次電池を得ることができた。
1・・・焼結体
1P・・正極
1N・・負極
2・・・電解質層
2a・・多孔質膜
3・・・発電要素
4P・・正極側集電層
4N・・負極側集電層
5・・・正極側電池ケース
6・・・ガスケット
7・・・負極側電池ケース

Claims (6)

  1. 正極と負極との間に電解質層を有し、
    前記正極は、Li元素と、少なくとも1種の遷移金属とを含む酸化物である活物質の焼結体であって、70%以上の相対密度を有し、
    前記電解質層は、無機化合物からなる多孔質膜と、該多孔質膜の細孔に含まれ、リチウム塩を含む非水電解液により構成され、前記無機化合物は、絶縁性および前記非水電解液に対する耐食性を有するとともに、
    前記多孔質膜の一方の面に接する前記正極と他方の面に接する前記負極が、前記多孔質膜の両面に対向するように配置され、該多孔質膜の厚さが1μmより小さいことを特徴とする二次電池。
  2. 前記非水電解液が、有機電解液およびイオン液体のうち少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記無機化合物が、アルミナ、マグネシア、シリカ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、炭化珪素および窒化珪素のうち少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記無機化合物が、Siを含んでいることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の二次電池。
  5. 前記無機化合物が、イオン伝導性を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の二次電池。
  6. 前記焼結体の厚さが、40μm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の二次電池。
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