以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1及び図2を参照して、実施の形態1に係る半導体装置1を説明する。本実施の形態の半導体装置1は、基板11と、第1の絶縁膜16と、第1の非晶質絶縁膜24とを主に備えている。半導体装置1は、第2の絶縁膜13と、電極膜20と、第2の非晶質絶縁膜23をさらに備えてもよい。
基板11は、主面11aと、端面30とを有している。基板11は、特に限定されないが、Si基板のような半導体基板であってもよい。端面30は、主面11aに交差している。基板11の主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを含んでいる。素子領域2上には、能動素子が形成されている。
特定的には、素子領域2は、能動素子領域2aと、耐圧保持領域2bとを含んでもよい。能動素子領域2a上には、能動素子が形成されている。能動素子は、パワー半導体素子であってもよい。能動素子は、例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)またはダイオードであってもよい。能動素子領域2aは、耐圧保持領域2bによって囲まれている。耐圧保持領域2bは、周縁領域3に隣接している。耐圧保持領域2bには、耐圧保持構造が形成されている。耐圧保持構造の一例として、基板11の耐圧保持領域2bはp-型を有し、基板11の能動素子領域2aはn-型を有してもよい。耐圧保持構造の一例では、耐圧保持領域2bにガードリングが設けられてもよい。
第1の絶縁膜16は、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられている。周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16と一体化されてもよい。第1の絶縁膜16は、例えば、二酸化シリコン膜であってもよい。
第2の絶縁膜13は、周縁領域3から離れた素子領域2の一部の上に設けられている。素子領域2の一部では、第2の絶縁膜13は、基板11と第1の絶縁膜16との間に設けられている。第2の絶縁膜13は、フィールド酸化膜であってもよい。第2の絶縁膜13は、例えば、二酸化シリコン膜であってもよい。
第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられている。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3上に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。基板11の主面11aの平面視において、第1の非晶質絶縁膜24の長さは、端面30の長さの1/3以上であってもよく、1/2以上であってもよく、2/3以上であってもよく、3/4以上であってもよい。基板11の主面11aの平面視において、第1の非晶質絶縁膜24の長さは、端面30の長さに等しいか、または、端面30の長さよりも小さい。第1の非晶質絶縁膜24は、基板11の端面30と面一である。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の絶縁膜16と異なる材料で構成されてもよい。第1の非晶質絶縁膜24は、例えば、非晶質窒化シリコン膜であってもよい。
電極膜20は、素子領域2上に配置され、かつ、第1の絶縁膜16上に設けられている。電極膜20は、周縁領域3から離れていてもよい。電極膜20は、例えば、AlSi膜またはAl膜であってもよい。
第2の非晶質絶縁膜23は、素子領域2上に配置されている。第2の非晶質絶縁膜23は、第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第2の非晶質絶縁膜23は、電極膜20を覆ってもよい。第2の非晶質絶縁膜23は、電極膜20から露出している第1の絶縁膜16の部分上にも形成されてもよい。第2の非晶質絶縁膜23は、第1の非晶質絶縁膜24と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。第2の非晶質絶縁膜23は、例えば、非晶質窒化シリコン膜であってもよい。
図3から図7を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法を説明する。
図3から図5及び図7を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1)を備える。第1の非晶質絶縁膜24は、例えば、化学的気相成長法(CVD)、蒸着法または熱酸化法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。ウエハ10は、特に限定されないが、Siウエハのような半導体ウエハであってもよい。ウエハ10の主面10aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる複数の素子領域2とを含んでいる。周縁領域3は、ウエハ10の主面10aの複数の素子領域2の各々を囲んでいる。
周縁領域3の幅W1は、例えば、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。周縁領域3の幅W1は、互いに隣り合う素子領域2の間の間隔として定義される。周縁領域3の幅W1は、例えば、25μmより大きくてもよく、30μm以上であってもよい。周縁領域3の幅W1は、ウエハ10を切断する(S3)際に用いられるブレードの最大厚さとウエハ10に対するブレードの位置合わせ精度との和に等しいか、この和よりも大きい。周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1)は、複数の素子領域2上に第1の絶縁膜16を形成することと同じ工程で行われてもよい。
図3から図5及び図7を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)を備える。第1の非晶質絶縁膜24は、例えば、化学的気相成長法(CVD)、蒸着法またはスピンコート法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の方向(例えば、図3のy方向)に沿ってストライプ状に延在している。図3及び図5に示されるように、第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、第1の方向に直交する第2の方向(例えば、図3のx方向)における第1の非晶質絶縁膜24の長さとして定義される。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、45μm以下であってもよく、35μm以下であってもよい。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、25μm以上であってもよい。
図3に示されるように、第1の非晶質絶縁膜24は、第1の方向に直交する第2の方向にも沿ってストライプ状に延在してもよい。すなわち、第1の非晶質絶縁膜24は、第1の絶縁膜16上に、格子状に形成されてもよい。第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)は、電極膜20上に第2の非晶質絶縁膜23を形成することと同じ工程で行われてもよい。
図6及び図7を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3)を備える。具体的には、ウエハ10はダイシングテープ12に接着される。それから、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10は切断される。ウエハ10は、複数の基板11に分割されて、基板11の端面30が形成される。基板11の主面11aは、ウエハ10の主面10aの一部である。基板11の端面30は、ブレードによって切断された面である。複数の基板11がダイシングテープ12から剥離されて、複数の半導体装置1が得られる。
ウエハ10を切断する(S3)際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部が除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部が残存している。そのため、第1の非晶質絶縁膜24は、端面30に沿ってストライプ状に延在し、かつ、端面30と面一である。ブレードは、15μm以上の厚さを有してもよい。ブレードは、35μm以下の厚さを有してもよく、25μm以下の厚さを有してもよい。本実施の形態では、ステップカット法によってウエハ10は切断されている。ステップカット法は、第1のブレードによってウエハ10の一部を切削することと、その後、第1のブレードより小さな厚さを有する第2のブレードを用いて、ウエハ10を完全に切断することとを含んでいる。ウエハ10は、シングルカット法によって切断されてもよい。シングルカット法は、一つのブレードを用いてウエハ10を完全に切断する方法である。
ウエハ10を切断する(S3)際、ブレードは、最初に、第1の非晶質絶縁膜24に接触する。ブレードから第1の非晶質絶縁膜24に大きな機械的エネルギーが加わる。第1の非晶質絶縁膜24は第1の絶縁膜16よりも脆い。ブレードが第1の非晶質絶縁膜24に接触すると、第1の非晶質絶縁膜24の一部は第1の絶縁膜16から剥がれる。ブレードの機械的エネルギーの一部は、第1の非晶質絶縁膜24の一部を第1の絶縁膜16から剥がすために消費される。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の非晶質絶縁膜24の下に位置する第1の絶縁膜16及びウエハ10にブレードが接触するときにブレードから第1の絶縁膜16及びウエハ10に加わる機械的エネルギーを減衰させることができる。
そのため、図6の左側の半導体装置1に示されるように、ブレードがウエハ10に接触しても、基板11にチッピング32が発生することが抑制され得る。また、仮にブレードがウエハ10に接触したときに基板11の一部にクラックが発生したとしても、クラックの長さは減少され得て、クラックが素子領域2に達することが防止され得る。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、図6の右側の半導体装置1に示されるように、周縁領域3の一部にチッピング32は発生するかもしれないが、素子領域2にチッピング32が発生することは防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1の収率は増加し、半導体装置1の製造コストは減少する。
さらに、第1の非晶質絶縁膜24は、素子領域2から分離されている。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3)際に第1の非晶質絶縁膜24に損傷が発生しても、この損傷が、第1の非晶質絶縁膜24を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1及びその製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の半導体装置1は、基板11と、第1の絶縁膜16と、第1の非晶質絶縁膜24とを備える。基板11は、主面11aと、端面30とを有する。主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを含む。第1の絶縁膜16は、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の絶縁膜16上に設けられている。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3上に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30と面一である。周縁領域3の幅を狭くしても、第1の非晶質絶縁膜24は、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1は、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1の製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1)を備えている。周縁領域3は、ウエハ10の主面10aの複数の素子領域2の各々を囲んでいる。本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)を備えている。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3)をさらに備えている。ウエハ10を切断する際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部が除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部が残存している。
第1の非晶質絶縁膜24は、ブレードから第1の絶縁膜16及びウエハ10に加わる機械的エネルギーを減衰させることができる。そのため、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1の製造コストは低減され得る。
実施の形態2.
図8を参照して、実施の形態2に係る半導体装置1bを説明する。本実施の形態の半導体装置1bは、実施の形態1の半導体装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1bでは、素子領域2と第1の非晶質絶縁膜24との間において、第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16から分離されている。特定的には、第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16と素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16との間において、第1の絶縁膜16から基板11の主面11aは露出している。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16と素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16との間において、基板11は、露出された主面11aを有している。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30と面一である。
図9から図12を参照して、実施の形態2に係る半導体装置1bの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図9、図10及び図12を参照して、本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1b)を備える。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16から分離されている。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3は、第1の方向に直交する第2の方向における周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の長さとして定義される。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3は、45μm以下であってもよく、35μm以下であってもよい。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3は、25μm以上であってもよい。第1の絶縁膜16は、第1の方向に直交する第2の方向にも沿ってストライプ状に延在してもよい。すなわち、第1の絶縁膜16は、第1の絶縁膜16上に、格子状に形成されてもよい。
図9、図10及び図12を参照して、本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2b)を備える。本実施の形態における第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2b)は、実施の形態1における第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)と基本的に同様である。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3に等しくてもよいし、周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3より小さくてもよい。
図11及び図12を参照して、本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16とに沿ってウエハ10を切断すること(S3b)を備える。ウエハ10を切断する(S3b)際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の端部とが残存している。ウエハ10を切断した(S3b)後において、第1の非晶質絶縁膜24と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16とは、半導体装置1bの端面30に沿ってストライプ状に延在し、かつ、基板11の端面30と面一である。
本実施の形態の半導体装置1b及びその製造方法は、実施の形態1の半導体装置1及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1bでは、素子領域2と第1の非晶質絶縁膜24との間において、第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30と面一である。
本実施の形態の半導体装置1bでは、第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16から分離されている。そのため、第1の非晶質絶縁膜24の下に形成された第1の絶縁膜16に発生した損傷が、第1の絶縁膜16を通して、素子領域2に達することが防止され得る。本実施の形態の半導体装置1bは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1bの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1b)を備えている。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、素子領域2から分離されている。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16とは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)を備えている。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の半導体装置1bの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16とに沿ってウエハ10を切断すること(S3b)をさらに備えている。ウエハ10を切断する(S3b)際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部と周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の端部とが残存している。
本実施の形態の半導体装置1bの製造方法では、周縁領域3上にかつ第1の非晶質絶縁膜24の下に形成された第1の絶縁膜16は、素子領域2から分離されている。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3b)際に、第1の非晶質絶縁膜24の下に形成された第1の絶縁膜16に損傷が発生しても、この損傷が第1の絶縁膜16を通して素子領域2に達することが防止され得る。本実施の形態の半導体装置1bの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1bの製造コストは低減され得る。
実施の形態3.
図13を参照して、実施の形態3に係る半導体装置1cを説明する。本実施の形態の半導体装置1cは、実施の形態1の半導体装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1cは、実施の形態1の第1の非晶質絶縁膜24に代えて、第3の絶縁膜25を備えている。第3の絶縁膜25は、第1の絶縁膜16の一部上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の絶縁膜16の一部は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿って延在している。第3の絶縁膜25は、素子領域2から1μm以上離れていてもよい。第3の絶縁膜25は、素子領域2から5μm以下離れていてもよい。第3の絶縁膜25は、端面30から離れていてもよい。第3の絶縁膜25は、第1の絶縁膜16と異なる材料で構成されている。第3の絶縁膜25は、第2の非晶質絶縁膜23と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。第3の絶縁膜25は、例えば、非晶質窒化シリコン膜であってもよい。
本実施の形態の半導体装置1cは、第1のストライプ構造部6と、第2のストライプ構造部7とを備えている。第1のストライプ構造部6は、周縁領域3上に位置し、かつ、端面30に沿って延在している。第2のストライプ構造部7は、周縁領域3上に位置し、かつ、端面30に沿って延在している。第2のストライプ構造部7は、素子領域2と第1のストライプ構造部6との間に位置している。第1のストライプ構造部6は、第2のストライプ構造部7よりも厚い。第1のストライプ構造部6の幅W4は、第2のストライプ構造部7の幅W5より広くてもよい。第2のストライプ構造部7の幅W5は、例えば、1μm以上であってもよい。第2のストライプ構造部7の幅W5は、例えば、5μm以下であってもよい。
第1のストライプ構造部6は、第1の絶縁膜16の一部と、第1の絶縁膜16の一部上に設けられた第3の絶縁膜25とを含んでいる。第2のストライプ構造部7は、第1の絶縁膜16を含んでいるが、第3の絶縁膜25を含んでいない。第2のストライプ構造部7では、基板11の主面11aが第1の絶縁膜16から露出してもよく、第2のストライプ構造部7は第1の絶縁膜16を含んでいなくてもよい。第1の絶縁膜16の一部は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。
図14から図17を参照して、実施の形態3に係る半導体装置1cの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1cの製造方法は、実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1cの製造方法は、実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)に代えて、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4)を備えている。第3の絶縁膜25は、例えば、化学的気相成長法(CVD)、蒸着法またはスピンコート法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4)は、電極膜20上に第2の非晶質絶縁膜23を形成することと同じ工程で行われてもよい。
一対の第3の絶縁膜25は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。一対の第3の絶縁膜25は、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。一対の第3の絶縁膜25は、互いに、第1の方向に直交する第2の方向に離れている。一対の第3の絶縁膜25の間の間隔は、ウエハ10を切断する際(S3c)に用いられるブレードの厚さより広くてもよいし、ブレードの厚さに等しくてもよい。
第1のストライプ構造部6は、周縁領域3のうち、第1の絶縁膜16上に一対の第3の絶縁膜25が形成された部分である。第1のストライプ構造部6は、ウエハ10を切断する(S3c)際にブレードが接触する部分よりも厚い。第1のストライプ構造部6は、第1のストライプ構造部6の両側に位置し、かつ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在する部分よりも厚い。具体的には、第1のストライプ構造部6は、第2のストライプ構造部7及び一対の第3の絶縁膜25の間の周縁領域3の部分よりも厚い。例えば、第1のストライプ構造部6は、第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上の第3の絶縁膜25とを含んでいる。第2のストライプ構造部7及び一対の第3の絶縁膜25の間の周縁領域3の部分は、それぞれ、第1の絶縁膜16を含んでいるが、第3の絶縁膜25を含んでいない。第2のストライプ構造部7は、第1のストライプ構造部6と素子領域2との間に位置し、第1のストライプ構造部6に隣接している。
本実施の形態の半導体装置1cの製造方法は、ブレードを用いて、一対の第3の絶縁膜25に沿ってウエハ10を切断すること(S3c)をさらに備えている。ウエハ10を切断する(S3c)際、ブレードは一対の第3の絶縁膜25の間のウエハ10に接触して、一対の第3の絶縁膜25の間のウエハ10がブレードを用いて切断される。ウエハ10を切断する(S3c)際、ブレードの幅方向の両端に、一対の第3の絶縁膜25の少なくとも一部が残存している。特定的には、ウエハ10を切断する(S3c)際、ブレードの幅方向の両端に、一対の第3の絶縁膜25が全て残存してもよい。
ウエハ10を切断する(S3c)際、ブレードは、一対の第3の絶縁膜25の間に位置するウエハ10の主面10aに接触する。一対の第3の絶縁膜25の間に位置するウエハ10の主面10a上には、第1の絶縁膜16だけが形成されている。これに対し、第1のストライプ構造部6におけるウエハ10の主面10a上には、第1の絶縁膜16だけでなく、第1の絶縁膜16上に積層された第3の絶縁膜25も形成されている。第1のストライプ構造部6が形成されているウエハ10の部分を欠損させるために必要な機械的エネルギーは、一対の第3の絶縁膜25の間に位置しかつ第1の絶縁膜16だけが形成されているウエハ10の部分を欠損させるために必要な機械的エネルギーよりも大きい。そのため、仮にウエハ10を切断する(S3c)際にブレードが接触するウエハ10の部分の近傍にクラックが発生しても、第1のストライプ構造部6は、このクラックが素子領域2に達することを防止し得る。
こうして、図16の右側の半導体装置1cに示されるように、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1cの収率は増加し、半導体装置1cの製造コストは減少する。第2のストライプ構造部7の幅W5を5μm以下とすることによって、第1のストライプ構造部6の幅W4を拡げることができる。そのため、第1のストライプ構造部6は、素子領域2にチッピング32が発生することを一層防止し得る。
さらに、第3の絶縁膜25は、素子領域2から分離されている。第2のストライプ構造部7において、第3の絶縁膜25は形成されていない。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3c)際に第2のストライプ構造部7の間に設けられた第3の絶縁膜25に損傷が発生しても、この損傷が、第3の絶縁膜25を通して、素子領域2に達することが防止され得る。第2のストライプ構造部7の幅W5を1μm以上とすることによって、この損傷が素子領域2に達することが一層防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1c及びその製造方法は、実施の形態1の半導体装置1及びその製造方法と同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の半導体装置1cは、基板11と、第1のストライプ構造部6と、第2のストライプ構造部7とを備えている。基板11は、主面11aと、端面30とを有している。主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを含んでいる。第1のストライプ構造部6は、周縁領域3上に位置し、かつ、端面30に沿って延在している。第2のストライプ構造部7は、周縁領域3上に位置し、かつ、端面30に沿って延在している。第2のストライプ構造部7は、素子領域2と第1のストライプ構造部6との間に位置している。第1のストライプ構造部6は、第2のストライプ構造部7よりも厚い。周縁領域3の幅を狭くしても、第1のストライプ構造部6は、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1cは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1cの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1cでは、第1のストライプ構造部6は、第1の絶縁膜16の一部と、第1の絶縁膜16の一部上に設けられた第3の絶縁膜25とを含んでいる。第2のストライプ構造部7は、第1の絶縁膜16を含んでいる。第1の絶縁膜16は、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられている。第1の絶縁膜16の一部は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第2のストライプ構造部7は、第3の絶縁膜25を素子領域2から分離している。そのため、第3の絶縁膜25に損傷が発生しても、この損傷が、第3の絶縁膜25を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1cは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1cの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1cの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4)をさらに備えている。一対の第3の絶縁膜25は、素子領域2から分離されている。一対の第3の絶縁膜25は、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の半導体装置1cの製造方法は、ブレードを用いて、第3の絶縁膜25に沿ってウエハ10を切断すること(S3c)をさらに備えている。ウエハ10を切断する際、ブレードの幅方向の両端に、第3の絶縁膜25の少なくとも一部が残存している。
第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上の第3の絶縁膜25とを含む第1のストライプ構造部6は、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1cの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1cの製造コストは低減され得る。
一対の第3の絶縁膜25は、素子領域2から分離されている。そのため、第2のストライプ構造部7の間に設けられた第3の絶縁膜25に損傷が発生しても、この損傷が、第3の絶縁膜25を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1cの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1cの製造コストは低減され得る。
実施の形態4.
図18を参照して、実施の形態4に係る半導体装置1dを説明する。本実施の形態の半導体装置1dは、実施の形態3の半導体装置1cと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1dでは、第1のストライプ構造部6は、第4の絶縁膜14と、第4の絶縁膜14上に設けられた第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上に設けられた第1の導電性膜21とを含んでいる。第4の絶縁膜14は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の導電性膜21は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1のストライプ構造部6では、第4の絶縁膜14と第1の絶縁膜16と第1の導電性膜21とが互いに積層されている。
第4の絶縁膜14は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第4の絶縁膜14は、素子領域2から離れている。第4の絶縁膜14は、第2の絶縁膜13と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。第4の絶縁膜14は、例えば、二酸化シリコン膜であってもよい。
第1の導電性膜21は、第1の絶縁膜16上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の導電性膜21は、素子領域2から離れている。第1の導電性膜21は、第1の絶縁膜16よりも厚くてもよい。第1の導電性膜21は、電極膜20と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。第1の導電性膜21は、例えば、AlSi膜またはAl膜であってもよい。
第1のストライプ構造部6及び第2のストライプ構造部7は、第2の非晶質絶縁膜23をさらに備えてもよい。第2の非晶質絶縁膜23は、第1の導電性膜21を覆ってもよい。第1のストライプ構造部6では、第4の絶縁膜14と第1の絶縁膜16と第1の導電性膜21と第2の非晶質絶縁膜23とが互いに積層されてもよい。第2のストライプ構造部7では、第1の絶縁膜16と第2の非晶質絶縁膜23とが互いに積層されてもよい。
図19から図22を参照して、実施の形態4に係る半導体装置1dの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、実施の形態3の半導体装置1cの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に一対の第4の絶縁膜14を形成すること(S5)を備えている。一対の第4の絶縁膜14は、例えば、化学的気相成長法(CVD)、蒸着法または熱酸化法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。一対の第4の絶縁膜14は、素子領域2から分離されている。一対の第4の絶縁膜14は、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。一対の第4の絶縁膜14は、互いに、第1の方向に直交する第2の方向に離れている。一対の第4の絶縁膜14の間の間隔は、ウエハ10を切断する際(S3d)に用いられるブレードの厚さよりも広くてもよいし、等しくてもよい。周縁領域3上に一対の第4の絶縁膜14を形成すること(S5)は、複数の素子領域2上に第2の絶縁膜13を形成することと同じ工程で行われてもよい。
本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、素子領域2を囲む主面11aの周縁領域3上に、第1の絶縁膜16を形成すること(S1d)を備えている。本実施の形態における周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1d)は、実施の形態1における周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1)と基本的に同様である。第1の絶縁膜16は、一対の第4の絶縁膜14を覆っている。周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1d)は、ウエハ10の複数の素子領域2上に第1の絶縁膜16を形成することと同じ工程で行われてもよい。一対の第4の絶縁膜14において、ウエハ10の主面10aは、第1の絶縁膜16から露出してもよい。
本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に一対の第1の導電性膜21を形成すること(S6)を備えている。一対の第1の導電性膜21は、例えば、蒸着法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。一対の第1の導電性膜21は、素子領域2から分離されている。一対の第1の導電性膜21は、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。一対の第1の導電性膜21は、互いに、第1の方向に直交する第2の方向に離れている。主面11aの平面視において、一対の第1の導電性膜21は一対の第4の絶縁膜14と重なっている。一対の第1の導電性膜21の間の間隔は、ウエハ10を切断する際(S3d)に用いられるブレードの厚さよりも広くてもよいし、等しくてもよい。一対の第1の導電性膜21を形成すること(S6)は、複数の素子領域2上に電極膜20を形成することと同じ工程で行われてもよい。
第1のストライプ構造部6は、第4の絶縁膜14と、第4の絶縁膜14上の第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上の第1の導電性膜21とを含んでいる。第2のストライプ構造部7は、第1の絶縁膜16を含んでいるが、第4の絶縁膜14と第1の導電性膜21とを含んでいない。一対の第1の導電性膜21の間かつ一対の第4の絶縁膜14の間の周縁領域3の部分もまた、第4の絶縁膜14と第1の導電性膜21とを含んでいない。
本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、ブレードを用いて、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21に沿ってウエハ10を切断すること(S3d)とを備えている。ウエハ10を切断する(S3d)際、ブレードは、一対の第4の絶縁膜14と一対の第1の導電性膜21との間のウエハ10に接触する。一対の第4の絶縁膜14と一対の第1の導電性膜21との間のウエハ10が、ブレードを用いて切断される。ウエハ10を切断する(S3d)際、ブレードの幅方向の両端に、第4の絶縁膜14の少なくとも一部と第1の導電性膜21の少なくとも一部とが残存している。特定的には、ウエハ10を切断する(S3d)際、ブレードの幅方向の両端に、第4の絶縁膜14の全てと第1の導電性膜21の全てとが残存してもよい。
ウエハ10を切断する(S3d)際、ブレードは、一対の第1の導電性膜21の間かつ一対の第4の絶縁膜14の間に位置するウエハ10の主面10aに接触する。一対の第1の導電性膜21の間かつ一対の第4の絶縁膜14の間に位置するウエハ10の主面10a上には、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21が形成されていない。これに対し、第1のストライプ構造部6におけるウエハ10の主面10a上には、第1の絶縁膜16だけでなく第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21も形成されている。第1のストライプ構造部6が形成されているウエハ10の部分を欠損させるため必要な機械的エネルギーは、一対の第1の導電性膜21の間かつ一対の第4の絶縁膜14の間に位置するウエハ10の部分を欠損させるため必要な機械的エネルギーよりも大きい。そのため、仮にウエハ10を切断する(S3d)際にブレードが接触するウエハ10の部分の近傍にクラックが発生しても、第1のストライプ構造部6は、このクラックが素子領域2に達することを防止し得る。
こうして、図21の右側の半導体装置1dに示されるように、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1dの収率は増加し、半導体装置1dの製造コストは減少する。
さらに、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21は、素子領域2から分離されている。第2のストライプ構造部7において、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21は形成されていない。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3d)際に第2のストライプ構造部7の間に設けられた第4の絶縁膜14と第1の導電性膜21とに損傷が発生しても、この損傷が、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21を通して素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1d及びその製造方法は、以下のように、実施の形態3の半導体装置1c及びその製造方法と同様の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1dでは、第1のストライプ構造部6は、第4の絶縁膜14と、第4の絶縁膜14上に設けられた第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上に設けられた第1の導電性膜21とを含んでいる。第4の絶縁膜14は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の導電性膜21は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1のストライプ構造部6は、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1dは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1dの製造コストを低減し得る構造を有している。
第2のストライプ構造部7は、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21を素子領域2から分離している。そのため、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21に損傷が発生しても、この損傷が、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1dは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1dの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に一対の第4の絶縁膜14を形成すること(S5)をさらに備える。一対の第4の絶縁膜14は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。一対の第4の絶縁膜14は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第4の絶縁膜14上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1d)を備えている。第1の絶縁膜16は、第4の絶縁膜14を覆っている。本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、第1の絶縁膜16上に一対の第1の導電性膜21を形成すること(S6)を備えている。一対の第1の導電性膜21は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。一対の第1の導電性膜21は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。主面11aの平面視において、一対の第1の導電性膜21は一対の第4の絶縁膜14と重なっている。本実施の形態の半導体装置1dの製造方法は、ブレードを用いて、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21に沿ってウエハ10を切断すること(S3d)とを備えている。ウエハ10を切断する際(S3d)、ブレードの幅方向の両端に、第4の絶縁膜14の少なくとも一部と第1の導電性膜21の少なくとも一部とが残存している。
第4の絶縁膜14と、第4の絶縁膜14上の第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上の第1の導電性膜21とを含む第1のストライプ構造部6は、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1dの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1dの製造コストは低減され得る。
一対の第4の絶縁膜14及び一対の第1の導電性膜21は、素子領域2から分離されている。そのため、第2のストライプ構造部7の間に設けられた第4の絶縁膜14と第1の導電性膜21とに損傷が発生しても、この損傷が、第4の絶縁膜14及び第1の導電性膜21を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1dの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1dの製造コストは低減され得る。
実施の形態5.
図23を参照して、実施の形態5に係る半導体装置1eを説明する。本実施の形態の半導体装置1eは、実施の形態2の半導体装置1bと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1eは、周縁領域3上に設けれれた第1の絶縁膜16上に設けられた第3の絶縁膜25をさらに備えている。第3の絶縁膜25は、素子領域2と第1の非晶質絶縁膜24との間に設けられている。第3の絶縁膜25は、素子領域2及び第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の第3の絶縁膜25は、実施の形態3の第3の絶縁膜25と同様の材料で構成されている。
本実施の形態の半導体装置1eでは、第3の絶縁膜25と第1の非晶質絶縁膜24との間において、第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16から分離されてもよい。第3の絶縁膜25と第1の非晶質絶縁膜24との間において、基板11の主面11aは、第1の絶縁膜16、第1の非晶質絶縁膜24及び第3の絶縁膜25から露出してもよい。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16と第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16との間において、基板11は、露出された主面11aを有してもよい。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30に沿ってストライプ状に延在してもよい。第1の非晶質絶縁膜24の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30と面一であってもよい。
第1のストライプ構造部6は、第1の絶縁膜16の一部(16e)と、第1の絶縁膜16の一部(16e)上に設けられた第3の絶縁膜25とを含む。第1のストライプ構造部6は、第1のストライプ構造部6の両側に位置する第2のストライプ構造部7,7bよりも厚い。第2のストライプ構造部7は、第1のストライプ構造部6に隣接し、かつ、第1のストライプ構造部6と素子領域2との間に位置している。第2のストライプ構造部7は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16を含んでもよいが、第3の絶縁膜25を含んでいない。第2のストライプ構造部7は、第1の絶縁膜16を含んでいなくてもよく、主面11aが第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25から露出してもよい。
第2のストライプ構造部7bは、第1のストライプ構造部6に隣接し、かつ、第1のストライプ構造部6と端面30との間に位置している。第2のストライプ構造部7bは、第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25を含んでおらず、主面11aは第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25から露出している。第2のストライプ構造部7bは、第3の絶縁膜25を含まないが、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16を含んでもよい。
図24から図27を参照して、実施の形態5に係る半導体装置1eの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、実施の形態2の半導体装置1bの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図24、図25及び図27を参照して、本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1e)を備える。本実施の形態における第1の絶縁膜16を形成すること(S1e)は、実施の形態1における第1の絶縁膜16を形成すること(S1)と基本的に同様である。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している第1の絶縁膜部分(16)と、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している第2の絶縁膜部分16eとを含んでいる。第2の絶縁膜部分16eは、第1の絶縁膜部分(16)と素子領域2との間に配置されている。第1の絶縁膜部分(16)は、第2の絶縁膜部分16eから分離されてもよい。第2の絶縁膜部分16eは、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16と一体化されてもよい。第1の絶縁膜部分(16)の幅W3は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。
図24、図25及び図27を参照して、本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、第1の絶縁膜部分(16)上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)を備える。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)は、実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)と基本的に同様である。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、第1の絶縁膜部分(16)の幅W3に等しくてもよいし、第1の絶縁膜部分(16)の幅W3より小さくてもよい。第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)は、複数の素子領域2上に第2の非晶質絶縁膜23を形成することと同じ工程で行われてもよい。
本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、第2の絶縁膜部分16e上に一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4e)をさらに備えている。本実施の形態における第3の絶縁膜25を形成すること(S4e)は、実施の形態3における第3の絶縁膜25を形成すること(S4)と基本的に同様である。一対の第3の絶縁膜25は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2及び第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。一対の第3の絶縁膜25は、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。一対の第3の絶縁膜25は、互いに、第1の方向に直交する第2の方向に離れている。一対の第3の絶縁膜25の間の間隔は、ウエハ10を切断する際(S3e)に用いられるブレードの厚さよりも広い。第2の絶縁膜部分16e上に一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4e)は、第1の絶縁膜部分(16)上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)と同じ工程で行われてもよい。第2の絶縁膜部分16e上に一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4e)は、複数の素子領域2上に第2の非晶質絶縁膜23を形成することと同じ工程で行われてもよい。
本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24及び一対の第3の絶縁膜25に沿ってウエハ10を切断すること(S3e)をさらに備えている。ウエハ10を切断する(S3e)際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部と第1の絶縁膜部分(16)の中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部と第1の絶縁膜部分(16)の端部とが残存している。そのため、第1の非晶質絶縁膜24と第1の絶縁膜部分(16)とは、半導体装置1eの端面30に沿ってストライプ状に延在し、かつ、基板11の端面30と面一である。ウエハ10を切断する(S3e)際、ブレードの幅方向の両端に、一対の第3の絶縁膜25の少なくとも一部が残存している。特定的には、ウエハ10を切断する(S3e)際、ブレードの幅方向の両端に、一対の第3の絶縁膜25が全て残存してもよい。
本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24は、実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24と同様に、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。さらに、本実施の形態における第1のストライプ構造部6は、実施の形態3における第1のストライプ構造部6と同様に、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。
第1のストライプ構造部6の両側には、第1のストライプ構造部6よりも薄い第2のストライプ構造部7,7bが形成されている。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3e)際に第1の絶縁膜部分(16)及び第3の絶縁膜25の少なくとも1つに損傷が発生しても、この損傷が、第1の絶縁膜部分(16)及び第3の絶縁膜25の少なくとも1つを通して素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1e及びその製造方法は、以下のように、実施の形態1の半導体装置1及びその製造方法の効果に加えて、実施の形態3の半導体装置1c及びその製造方法の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1eは、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられた第3の絶縁膜25をさらに備えている。第3の絶縁膜25は、素子領域2と第1の非晶質絶縁膜24との間に設けられている。第3の絶縁膜25は、素子領域2及び第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の絶縁膜16と第1の絶縁膜16上に積層された第3の絶縁膜25とを含む第1のストライプ構造部6と、第1の非晶質絶縁膜24とは、周縁領域の幅を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1eは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1eの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1e)を備える。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している第1の絶縁膜部分(16)と、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している第2の絶縁膜部分16eとを含んでいる。第2の絶縁膜部分16eは、第1の絶縁膜部分(16)と素子領域2との間に配置されている。本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、第1の絶縁膜部分(16)上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)を備える。第1の非晶質絶縁膜24は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。
本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、第2の絶縁膜部分16e上に一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4e)をさらに備えている。一対の第3の絶縁膜25は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2及び第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第3の絶縁膜25は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の半導体装置1eの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24及び第3の絶縁膜25に沿ってウエハ10を切断すること(S3e)をさらに備えている。ウエハ10を切断する(S3e)際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部と第1の絶縁膜部分(16)の中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部と第1の絶縁膜部分(16)の端部とが残存している。
第1の絶縁膜16と第1の絶縁膜16上に積層された第3の絶縁膜25とを含む第1のストライプ構造部6と、第1の非晶質絶縁膜24とは、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、ウエハ10を切断する(S3e)際に素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1eの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1eの製造コストは低減され得る。
実施の形態6.
図28を参照して、実施の形態6に係る半導体装置1fを説明する。本実施の形態の半導体装置1fは、実施の形態1の半導体装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1fでは、基板11は、主面11aと、端面30と、主面11aと端面30とに接続されている切欠部35とを含んでいる。切欠部35は、主面11aに接続されている側面36と、側面36と端面30とに接続されている底面37とを有する。切欠部35は、基板11の露出面のみで構成されている。
図29から図32を参照して、実施の形態6に係る半導体装置1fの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1fの製造方法は、実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1fの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に溝部35fを形成すること(S8)を備えている。溝部35fは、ウエハ10の周縁領域3の一部をエッチングすることによって形成されてもよい。溝部35fは、素子領域2から離れている。溝部35fは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。溝部35fは、主面11aに接続されている側面36fと、側面36fに接続されている底面37fとを有する。溝部35fは、基板11の露出面のみで構成されている。溝部35fの幅W6は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。溝部35fの幅W6は、ウエハ10を切断する(S3f)際に用いられるブレードの最大幅よりも広い。
本実施の形態の半導体装置1fの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1f)を備えてもよい。本実施の形態における第1の絶縁膜16を形成すること(S1f)は、実施の形態1における第1の絶縁膜16を形成すること(S1)と基本的に同様である。第1の絶縁膜16は、溝部35fの両側のウエハ10の主面10a上に設けられる。
本実施の形態の半導体装置1fの製造方法は、ブレードを用いて、溝部35fに沿ってウエハ10を切断すること(S3f)を備えている。ウエハ10を切断する(S3f)際、第1の方向に直交する溝部35fの幅方向における溝部35fの中央部が除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、溝部35fの一部が、切欠部35として残存している。
ウエハ10を切断する(S3f)際、ブレードは、溝部35fの底面37fに接触する。そのため、ブレードから基板11に加わる応力は、側面36fと底面37fとが交差する溝部35fの角部38fに集中する。そのため、仮に、図31の右側の半導体装置1fに示されるように、ウエハ10を切断する(S3f)際に基板11にチッピング32が発生しても、このチッピング32は、溝部35fの角部38f近傍の基板11の領域に選択的に発生する。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1fの収率は増加し、半導体装置1fの製造コストは減少する。
本実施の形態の半導体装置1f及びその製造方法は、実施の形態1の半導体装置1及びその製造方法と同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の半導体装置1fは、基板11を備えている。基板11は、主面11aと、端面30と、切欠部35とを有している。主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを含んでいる。切欠部35は、主面11aに接続されている側面36と、側面36と端面30とに接続されている底面37とを有する。切欠部35は、基板11の露出面のみで構成されている。周縁領域3の幅を狭くしても、切欠部35は、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1fは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1fの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1fの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に溝部35fを形成すること(S8)を備えている。溝部35fは、素子領域2から離れている。溝部35fは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。溝部35fは、主面11aに接続されている側面36fと、側面36fに接続されている底面37fとを有する。溝部35fは、基板11の露出面のみで構成されている。本実施の形態の半導体装置1fの製造方法は、ブレードを用いて、溝部35fに沿ってウエハ10を切断すること(S3f)を備えている。ウエハ10を切断する(S3f)際、第1の方向に直交する溝部35fの幅方向における溝部35fの中央部が除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、溝部35fの一部が、切欠部35として残存している。
ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、溝部35fは、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1fの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1fの製造コストは低減され得る。
実施の形態7.
図33を参照して、実施の形態7に係る半導体装置1gを説明する。本実施の形態の半導体装置1gは、実施の形態6の半導体装置1fと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1gは、第1の絶縁膜16と、第3の絶縁膜25とをさらに備えている。第1の絶縁膜16は、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられている。第3の絶縁膜25は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられている。第3の絶縁膜25は、素子領域2と切欠部35との間に設けられている。第3の絶縁膜25は、素子領域2から分離されている。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。本実施の形態の第3の絶縁膜25は、実施の形態3及び実施の形態5の第3の絶縁膜25と同じ材料で構成されている。
素子領域2と第3の絶縁膜25との間において、第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16から分離されてもよい。第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16と素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16との間において、基板11は第1の絶縁膜16から露出してもよい。第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16と素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16との間において、基板11は露出された主面11aを有してもよい。第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16は、切欠部35に沿ってストライプ状に延在してもよい。第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30と面一であってもよい。
第1のストライプ構造部6は、第2のストライプ構造部7よりも厚い。第1のストライプ構造部6は、第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16と、第3の絶縁膜25とを含む。第2のストライプ構造部7は、第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25を含んでいない。第2のストライプ構造部7では、基板11の主面11aが第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25から露出してもよい。第2のストライプ構造部7は、第3の絶縁膜25を含んでいないが、第1の絶縁膜16を含んでいてもよい。
図34から図37を参照して、実施の形態7に係る半導体装置1gの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1gの製造方法は、実施の形態6の半導体装置1fの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図34、図35及び図37を参照して、本実施の形態の半導体装置1gの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1g)を備える。本実施の形態における第1の絶縁膜16を形成すること(S1g)は、実施の形態6における第1の絶縁膜16を形成すること(S1f)と基本的に同様である。本実施の形態では、第1の絶縁膜16は、溝部35fの両側に設けられている。本実施の形態では、周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、素子領域2上に設けられた第1の絶縁膜16から分離されてもよい。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。
本実施の形態の半導体装置1gの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に、一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4g)を備えている。一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4g)は、実施の形態3における一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4)と基本的に同様である。一対の第3の絶縁膜25は、溝部35fの両側に形成されている。
本実施の形態における溝部35fは、実施の形態6における溝部35fと同様に、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態における第1のストライプ構造部6は、実施の形態3及び実施の形態5における第1のストライプ構造部6と同様に、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1gの収率は増加し、半導体装置1gの製造コストは減少する。
素子領域2と第3の絶縁膜25との間に位置する第2のストライプ構造部7には、第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25が形成されていない。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3f)際に第2のストライプ構造部7の間に設けられた第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25の少なくとも一つに損傷が発生しても、この損傷が、第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25の少なくとも一つを通して素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1g及びその製造方法は、実施の形態6の半導体装置1f及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1gは、第1の絶縁膜16と、第3の絶縁膜25とをさらに備えている。第1の絶縁膜16は、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられている。第3の絶縁膜25は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられている。第3の絶縁膜25は、素子領域2と切欠部35との間に設けられている。第3の絶縁膜25は、素子領域2から分離されている。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。
本実施の形態の半導体装置1gの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1g)と、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に、一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4g)とをさらに備えている。一対の第3の絶縁膜25は、素子領域2から分離されている。
本実施の形態の半導体装置1g及びその製造方法では、第1の絶縁膜16と第1の絶縁膜16上に積層された第3の絶縁膜25とを含む第1のストライプ構造部6は、周縁領域3の幅を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。また、仮に、第2のストライプ構造部7の間に設けられた第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25の少なくとも1つに損傷が発生しても、ウエハ10を切断する(S3f)際に、この損傷が、第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25の少なくとも1つを通して素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1gは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1gの製造コストを低減し得る構造を有している。本実施の形態の半導体装置1gの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1gの製造コストは低減され得る。
実施の形態8.
図38を参照して、実施の形態8に係る半導体装置1hを説明する。本実施の形態の半導体装置1hは、実施の形態6の半導体装置1fと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1hは、基板11と、第1の多結晶膜42とを備えている。基板11は、主面11aと、端面30と、切欠部11cとを有している。主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを含んでいる。切欠部11cは、主面11aと端面30とに接続されている。切欠部11cは、端面30に沿ってストライプ状に延在している。
第1の多結晶膜42は、切欠部11c上に設けられている。第1の多結晶膜42は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の多結晶膜42は、例えば、ポリシリコン膜であってもよい。切欠部11c上に第5の絶縁膜41が設けられており、この第5の絶縁膜41上に第1の多結晶膜42が設けられてもよい。第5の絶縁膜41は、例えば、二酸化シリコン膜であってもよい。第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞44を含んでもよい。第1の多結晶膜42は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16によって覆われてもよい。
図39から図42を参照して、実施の形態8に係る半導体装置1hの製造方法を説明する。
図39、図40及び図42を参照して、本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、第1の溝部10cと、第2の溝部10dとを形成すること(S10)を備える。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、ウエハ10の主面10aの周縁領域3の一部をエッチングすることによって形成されてもよい。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、素子領域2から離れている。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の間隔は、ウエハ10を切断する(S3h)際に用いられるブレードの最大厚さよりも狭い。
図39、図40及び図42を参照して、本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、第1の溝部10c及び第2の溝部10d内に第5の絶縁膜41を形成すること(S11)を備えてもよい。第5の絶縁膜41は、第1の溝部10c及び第2の溝部10dの表面を酸化することによって形成されてもよい。
図39、図40及び図42を参照して、本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、第1の溝部10c及び第2の溝部10d内に第1の多結晶膜42を形成すること(S12)を備えている。特定的には、第1の多結晶膜42は、第1の溝部10c及び第2の溝部10d内の第5の絶縁膜41上に形成されてもよい。第1の多結晶膜42は、例えば、化学的気相成長法(CVD)または蒸着法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞44を含んでもよい。ウエハ10のうち第1の多結晶膜42が形成された領域は、ウエハ10の脆弱領域8である。ウエハ10の脆弱領域8は、ウエハ10の他の領域よりも割れやすい。
図39、図40及び図42を参照して、本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1h)を備える。本実施の形態における第1の絶縁膜16を形成すること(S1h)は、実施の形態1における第1の絶縁膜16を形成すること(S1)と基本的に同様である。周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16は、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間のウエハ10の主面10a上と、第1の溝部10c及び第2の溝部10d内に形成された第1の多結晶膜42上とに形成されてもよい。
図41及び図42を参照して、本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、ブレードを用いて、第1の溝部10c及び第2の溝部10dに沿ってウエハ10を切断すること(S3h)を備える。ウエハ10を切断する(S3h)際、第1の溝部10cの一部と、第2の溝部10dの一部とが、切欠部11cとして残存している。ウエハ10を切断する(S3u)際、第1の多結晶膜42の少なくとも一部は残存している。
仮に、図41の右側の半導体装置1hに示されるように、ウエハ10を切断する際(S3h)に基板11にチッピング32が発生しても、このチッピング32は、脆弱領域8に選択的に発生する。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1hの収率は増加し、半導体装置1hの製造コストは減少する。
本実施の形態の半導体装置1h及びその製造方法の効果を、以下説明する。
本実施の形態の半導体装置1hは、基板11と、第1の多結晶膜42とを備えている。基板11は、主面11aと、端面30と、切欠部11cとを有している。主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを含んでいる。切欠部11cは、主面11aと端面30とに接続され、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の多結晶膜42は、切欠部11c上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。周縁領域3の幅を狭くしても、切欠部11c上に設けられた第1の多結晶膜42を含む脆弱領域8は、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1hは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1hの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、第1の溝部10cと、第2の溝部10dとを形成すること(S10)を備える。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、素子領域2から離れている。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。本実施の形態の半導体装置1hの製造方法は、第1の溝部10c及び第2の溝部10d内に第1の多結晶膜42を形成すること(S12)と、周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1h)と、ブレードを用いて、第1の溝部10cと第2の溝部10dとに沿ってウエハ10を切断すること(S3h)を備える。ウエハ10を切断する(S3h)際、第1の溝部10cの少なくとも一部と、第2の溝部10dの少なくとも一部とが残存している。
切欠部11c上に設けられた第1の多結晶膜42を含む脆弱領域8は、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、ウエハ10を切断する(S3h)際に素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1hの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1hの製造コストは低減され得る。
本実施の形態の半導体装置1h及びその製造方法では、第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞44を含んでもよい。第1の多結晶膜42は空洞44を含むため、ウエハ10の脆弱領域8に、より一層選択的にチッピング32が発生する。本実施の形態の半導体装置1hは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1hの製造コストを低減し得る構造を有している。本実施の形態の半導体装置1hの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1hの製造コストは低減され得る。
実施の形態9.
図43を参照して、実施の形態9に係る半導体装置1iを説明する。本実施の形態の半導体装置1iは、実施の形態8の半導体装置1hと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。本実施の形態の半導体装置1iでは、第1の多結晶膜42は、第1の絶縁膜16から露出している。第1の絶縁膜16は、第1の多結晶膜42上に形成されていない。第1の多結晶膜42は、空洞44を含んでない。
図44から図47を参照して、実施の形態9に係る半導体装置1iの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1iの製造方法は、実施の形態8の半導体装置1hの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図44、図45及び図47を参照して、本実施の形態の半導体装置1iの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1i)を備える。周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16は、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間のウエハ10の主面10a上に形成されているが、第1の溝部10c及び第2の溝部10d内に形成された第1の多結晶膜42上には形成されていない。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16の幅W3は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間に形成された第1の絶縁膜16の幅W3は、ブレードの最大幅よりも小さい。
本実施の形態の半導体装置1i及びその製造方法は、実施の形態8の半導体装置1h及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。本実施の形態における脆弱領域8には、第1の絶縁膜16は形成されていない。そのため、実施の形態8における脆弱領域8に比べて、本実施の形態における脆弱領域8には、より一層選択的にチッピング32が発生する。本実施の形態の半導体装置1i及びその製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することがさらに防止され得る。本実施の形態の半導体装置1iは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1iの製造コストを低減し得る構造を有している。本実施の形態の半導体装置1iの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1iの製造コストは低減され得る。
実施の形態10.
図48を参照して、実施の形態10に係る半導体装置1jを説明する。本実施の形態の半導体装置1jは、実施の形態9の半導体装置1iと同様の構成を備えている。
図49から図52を参照して、実施の形態10に係る半導体装置1jの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1jの製造方法は、実施の形態9の半導体装置1iの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図49、図50及び図52を参照して、本実施の形態の半導体装置1jの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2j)を備える。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間に形成されている。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2j)は、実施の形態5における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)と基本的に同様である。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、ブレードの最大幅よりも小さい。
図51及び図52を参照して、本実施の形態の半導体装置1jの製造方法は、ブレードを用いて、第1の溝部10cと第2の溝部10dとに沿ってウエハ10を切断すること(S3j)を備える。本実施の形態における第1の溝部10cと第2の溝部10dとに沿ってウエハ10を切断すること(S3j)は、実施の形態9における第1の溝部10cと第2の溝部10dとに沿ってウエハ10を切断すること(S3h)と基本的に同様である。ウエハ10を切断する(S3j)際に、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間に形成されている第1の非晶質絶縁膜24と第1の絶縁膜16とは除去される。
本実施の形態の半導体装置1jの製造方法は、実施の形態9の半導体装置1i及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24と同様に、本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24は、ウエハ10を切断する(S3j)際に素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1jの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1jの製造コストは低減され得る。
実施の形態11.
図53を参照して、実施の形態11に係る半導体装置1kを説明する。本実施の形態の半導体装置1kは、実施の形態8の半導体装置1hと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1kでは、基板11は、主面11aと、端面30と、第1の溝部10cとを有している。第1の溝部10cは、周縁領域3に形成され、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の多結晶膜42は、第1の溝部10c内に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。特定的には、第1の溝部10c部上に第5の絶縁膜41が設けられており、この第5の絶縁膜41上に第1の多結晶膜42が設けられてもよい。第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞(図示せず)を含んでもよい。第1の多結晶膜42は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16によって覆われてもよい。
図54から図57を参照して、実施の形態11に係る半導体装置1kの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1kの製造方法は、実施の形態8の半導体装置1hの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図54、図55及び図57を参照して、本実施の形態の半導体装置1kの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、第1の溝部10cと第2の溝部10dとを形成すること(S10k)を備える。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、ウエハ10の周縁領域3の一部をエッチングすることによって形成されてもよい。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、素子領域2から離れている。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の間隔は、ウエハ10を切断する(S3k)際に用いられるブレードの最大厚さよりも広い。
図56及び図57を参照して、本実施の形態の半導体装置1kの製造方法は、ブレードを用いて、第1の溝部10c及び第2の溝部10dに沿ってウエハ10を切断すること(S3k)を備える。ウエハ10を切断する(S3k)際、第1の溝部10cと第2の溝部10dとはブレードに接触せず、少なくとも第1の溝部10cは残存している。
仮に、図56の右側の半導体装置1kに示されるように、ウエハ10を切断する際(S3k)に、基板11にチッピング32が発生しても、このチッピング32は、脆弱領域8に選択的に発生する。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1kの収率は増加し、半導体装置1kの製造コストは減少する。
本実施の形態の半導体装置1k及びその製造方法は、以下のように、実施の形態8の半導体装置1h及びその製造方法と同様の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1kは、基板11と、第1の多結晶膜42とを備えている。基板11は、主面11aと、端面30と、第1の溝部10cとを有している。第1の溝部10cは、周縁領域3に形成され、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の多結晶膜42は、第1の溝部10c内に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。周縁領域3の幅を狭くしても、第1の溝部10c内に設けられた第1の多結晶膜42を含む脆弱領域8は、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1kは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1kの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1kの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、第1の溝部10cと、第2の溝部10dとを形成すること(S10k)を備える。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、素子領域2から離れている。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cと第2の溝部10dとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。本実施の形態の半導体装置1kの製造方法は、ブレードを用いて、第1の溝部10c及び第2の溝部10dに沿ってウエハ10を切断すること(S3k)を備える。ウエハ10を切断する(S3k)際、第1の溝部10cと第2の溝部10dとはブレードに接触せず、少なくとも第1の溝部10cは残存している。
第1の溝部10c内に設けられた第1の多結晶膜42を含むウエハ10の脆弱領域8は、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、ウエハ10を切断する(S3k)際に素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1kの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1kの製造コストは低減され得る。
実施の形態12.
図58を参照して、実施の形態12に係る半導体装置1mを説明する。本実施の形態の半導体装置1mは、実施の形態11の半導体装置1kと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1mは、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられた第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上に設けられた第1の非晶質絶縁膜24とをさらに備えている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の溝部10cと端面30との間に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30と面一である。
図59から図62を参照して、実施の形態12に係る半導体装置1mの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1mの製造方法は、実施の形態11の半導体装置1kの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図59、図60及び図62を参照して、本実施の形態の半導体装置1mの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2m)をさらに備えている。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2m)は、実施の形態5における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2e)と基本的に同様である。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間に形成される。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、ウエハ10を切断する(S3m)際に用いられるブレードの最大幅よりも大きい。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の間隔に等しいか、または、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の間隔よりも小さい。
図61及び図62を参照して、本実施の形態の半導体装置1mの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3m)を備える。本実施の形態におけるウエハ10を切断すること(S3m)は、実施の形態11におけるウエハ10を切断すること(S3k)と基本的に同様である。ウエハ10を切断する(S3m)際、第1の非晶質絶縁膜24の中央部が除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜24の端部が残存している。そのため、第1の非晶質絶縁膜24は、端面30に沿ってストライプ状に延在し、かつ、端面30と面一である。
本実施の形態の半導体装置1m及びその製造方法は、実施の形態11の半導体装置1k及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1mは、素子領域2上と周縁領域3上とに設けられた第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上に設けられた第1の非晶質絶縁膜24とをさらに備えている。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の溝部10cと端面30との間に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜24は、端面30と面一である。
本実施の形態の半導体装置1mの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2m)をさらに備えている。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の間隔に等しいか、または、第1の溝部10cと第2の溝部10dとの間の間隔よりも小さい。本実施の形態の半導体装置1mの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3m)を備える。ウエハ10を切断する(S3m)際、第1の溝部10cと第2の溝部10dとはブレードに接触せず、少なくとも第1の溝部10cは残存している。
本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24は、実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24と同様に、ウエハ10を切断する(S3m)際に素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1mは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1mの製造コストを低減し得る構造を有している。本実施の形態の半導体装置1mの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1mの製造コストは低減され得る。
実施の形態13.
図63を参照して、実施の形態13に係る半導体装置1nを説明する。本実施の形態の半導体装置1nは、実施の形態12の半導体装置1mと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1nは、第1の絶縁膜16上に設けられた第3の絶縁膜25をさらに備えている。第3の絶縁膜25は、素子領域2と第1の溝部10cとの間に配置されている。第3の絶縁膜25は、素子領域2及び第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cは、第1の非晶質絶縁膜24と第3の絶縁膜25との間に位置している。本実施の形態の第3の絶縁膜25は、実施の形態3、実施の形態5及び実施の形態7の第3の絶縁膜25と同じ材料で構成されている。
第1のストライプ構造部6は、第2のストライプ構造部7よりも厚い。第1のストライプ構造部6は、第3の絶縁膜25の下に設けられた第1の絶縁膜16と、第3の絶縁膜25とを含む。第2のストライプ構造部7は、第3の絶縁膜25を含んでいないが、第1の絶縁膜16を含んでもよい。第2のストライプ構造部7では、基板11の主面11aが第1の絶縁膜16及び第3の絶縁膜25から露出してもよい。
図64から図67を参照して、実施の形態13に係る半導体装置1nの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1nの製造方法は、実施の形態12の半導体装置1mの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図64、図65及び図67を参照して、本実施の形態の半導体装置1nの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に、一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4n)をさらに備えている。一対の第3の絶縁膜25は、第1の溝部10cと第1の溝部10cに対向する素子領域2との間と、第2の溝部10dと第2の溝部10dに対向する素子領域2との間とに形成される。本実施の形態における一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4n)は、実施の形態7における一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4g)と基本的に同様である。
本実施の形態における第1のストライプ構造部6は、実施の形態7における第1のストライプ構造部6と同様に、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1nの収率は増加し、半導体装置1nの製造コストは減少する。また、本実施の形態における第2のストライプ構造部7は、実施の形態7における第2のストライプ構造部7と同様に、ウエハ10を切断する(S3m)際に第2のストライプ構造部7の間に設けられた第3の絶縁膜25に発生した損傷が、第3の絶縁膜25を通して素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1n及びその製造方法は、実施の形態12の半導体装置1m及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1nは、第1の絶縁膜16上に設けられた第3の絶縁膜25をさらに備えている。第3の絶縁膜25は、素子領域2と第1の溝部10cとの間に配置されている。第3の絶縁膜25は、素子領域2及び第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の溝部10cは、第1の非晶質絶縁膜24と第3の絶縁膜25との間に位置している。
本実施の形態の半導体装置1nの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に、一対の第3の絶縁膜25を形成すること(S4n)をさらに備えている。一対の第3の絶縁膜25は、第1の溝部10cと第1の溝部10cに対向する素子領域2との間と、第2の溝部10dと第2の溝部10dに対向する素子領域2との間とに形成される。
本実施の形態における第1のストライプ構造部6は、実施の形態7における第1のストライプ構造部6と同様に、周縁領域3の幅を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。また、本実施の形態における第2のストライプ構造部7は、実施の形態7における第2のストライプ構造部7と同様に、素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することを抑制し得る。本実施の形態の半導体装置1nは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1nの製造コストを低減し得る構造を有する。本実施の形態の半導体装置1nの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1nの製造コストは低減され得る。
実施の形態14.
図68を参照して、実施の形態14に係る半導体装置1pを説明する。本実施の形態の半導体装置1pは、実施の形態12の半導体装置1mと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。本実施の形態の半導体装置1pは、複数の第1の溝部10cを含んでいる。第1の多結晶膜42は、複数の第1の溝部10cのそれぞれに設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。互いに隣り合う第1の溝部10cの間の間隔dは、複数の第1の溝部10cの各々の幅W7以下であってもよい。複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10d内に第5の絶縁膜41が設けられてもよい。
図69から図72を参照して、実施の形態14に係る半導体装置1pの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、実施の形態12の半導体装置1mの製造方法と同様の工程を備えるが、ウエハ10に形成される第1の溝部10cの数と第2の溝部10dの数とにおいて異なる。
図69、図70及び図72を参照して、本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとを形成すること(S10p)を備える。本実施の形態における複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとを形成すること(S10p)は、実施の形態12における第1の溝部10cと第2の溝部10dとを形成すること(S10)と基本的に同様である。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、素子領域2から離れている。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとの間の最短間隔は、ウエハ10を切断する(S3p)際に用いられるブレードの最大厚さよりも広い。
図69、図70及び図72を参照して、本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10d内に第5の絶縁膜41を形成すること(S11p)を備えてもよい。特定的には、第5の絶縁膜41は、複数の第1の溝部10cの全てと複数の第2の溝部10dの全てに形成されてもよい。本実施の形態における第5の絶縁膜41を形成すること(S11p)は、実施の形態12における第5の絶縁膜41を形成すること(S11)と、基本的に同様である。
図69、図70及び図72を参照して、本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10d内に第1の多結晶膜42を形成すること(S12p)を備えている。本実施の形態における第1の多結晶膜42を形成すること(S12p)は、実施の形態12における第1の多結晶膜42を形成すること(S12)と基本的に同様である。ウエハ10のうち、第1の多結晶膜42が形成された領域と、複数の第1の溝部10cによって挟まれた領域と、複数の第2の溝部10dによって挟まれた領域とは、ウエハ10の脆弱領域8である。ウエハ10の脆弱領域8は、ウエハ10の他の領域よりも割れやすい。
図69、図70及び図72を参照して、本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1p)を備える。本実施の形態における第1の絶縁膜16を形成すること(S1p)は、実施の形態12における第1の絶縁膜16を形成すること(S1h)と基本的に同様である。周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16は、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとの間のウエハ10の主面10a上と、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10d内に形成された第1の多結晶膜42上とに形成されてもよい。
図69、図70及び図72を参照して、本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2p)をさらに備えている。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2p)は、実施の形態12における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2m)と同様である。第1の非晶質絶縁膜24は、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとの間に形成される。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、ウエハ10を切断する(S3p)際に用いられるブレードの最大幅よりも大きい。第1の非晶質絶縁膜24の幅W2は、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとの間の間隔に等しいか、または、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとの間の間隔よりも小さい。
図71及び図72を参照して、本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、ブレードを用いて、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10dに沿ってウエハ10を切断すること(S3p)を備える。ウエハ10を切断する(S3p)際、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとはブレードに接触しなくてもよい。ウエハ10を切断する(S3p)際、ブレードは、複数の第1の溝部10cの一部に接触してもよいし、複数の第2の溝部10dの一部に接触してもよい。ウエハ10を切断する(S3p)際、第1の多結晶膜42の少なくとも一部は残存している。
仮に、図71の右側の半導体装置1pに示されるように、ウエハ10を切断する際(S3p)に、基板11にチッピング32が発生しても、このチッピング32は、脆弱領域8に選択的に発生する。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、ブレードから基板11に加えられる機械的エネルギーを段階的に減衰させることができる。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1pの収率は増加し、半導体装置1pの製造コストは減少する。
互いに隣り合う第1の溝部10cの間の間隔dは、複数の第1の溝部10cの各々の幅W7以下であってもよい。そのため、互いに隣り合う第1の溝部10cの間のウエハ10の機械的強度は減少する。チッピング32は、脆弱領域8に選択的に発生しやすくなる。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。互いに隣り合う第2の溝部10dの間の間隔dは、複数の第2の溝部10dの各々の幅W7以下であってもよい。そのため、互いに隣り合う第2の溝部10dの間のウエハ10の機械的強度は減少する。チッピング32は、脆弱領域8に選択的に発生しやすくなる。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することが防止され得る。
本実施の形態の半導体装置1p及びその製造方法の効果を以下説明する。
本実施の形態の半導体装置1pは、基板11と、第1の多結晶膜42とを備えている。基板11は、主面11aと、端面30と、複数の第1の溝部10cとを含む。主面11aは、周縁領域3と、周縁領域3によって囲まれる素子領域2とを有している。複数の第1の溝部10cは、周縁領域3に形成され、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の多結晶膜42は、複数の第1の溝部10cのそれぞれに設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。複数の第1の溝部10c内に設けられた第1の多結晶膜42を含む脆弱領域8は、素子領域2にチッピング32が発生することを一層防止し得る。本実施の形態の半導体装置1pは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1pの製造コストを低減し得る構造を有する。
本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、複数の第1の溝部10cと、複数の第2の溝部10dとを形成すること(S10p)を備える。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、素子領域2から離れている。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。本実施の形態の半導体装置1pの製造方法は、ブレードを用いて、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10dに沿ってウエハ10を切断すること(S3p)を備える。ウエハ10を切断する(S3p)際、複数の第1の溝部10cと複数の第2の溝部10dとはブレードに接触せず、少なくとも第1の溝部10cは残存している。
複数の第1の溝部10c内と複数の第2の溝部10d内とに設けられた第1の多結晶膜42を含む脆弱領域8は、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、ウエハ10を切断する(S3p)際に素子領域2にチッピング32が発生することを一層防止し得る。本実施の形態の半導体装置1pの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1pの製造コストは低減され得る。
実施の形態15.
図73を参照して、実施の形態15に係る半導体装置1qを説明する。本実施の形態の半導体装置1qは、実施の形態14の半導体装置1pと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。本実施の形態の半導体装置1qでは、第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞44を含んでいる。複数の第1の溝部10cは、第1の絶縁膜16によって覆われていない。
図74から図77を参照して、実施の形態15に係る半導体装置1qの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1qの製造方法は、実施の形態14の半導体装置1pの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図74、図75及び図77を参照して、本実施の形態の半導体装置1qの製造方法は、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10d内に第1の多結晶膜42を形成すること(S12q)を備えている。特定的には、第1の多結晶膜42は、複数の第1の溝部10c及び複数の第2の溝部10d内の絶縁膜上に形成されてもよい。第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞44を含んでいる。ウエハ10のうち第1の多結晶膜42が形成された領域は、ウエハ10の脆弱領域8である。ウエハ10の脆弱領域8は、ウエハ10の他の領域よりも割れやすい。
図74、図75及び図77を参照して、本実施の形態の半導体装置1qの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1q)を備える。周縁領域3上に形成された第1の絶縁膜16は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の絶縁膜16は、第1の多結晶膜42上に形成されていない。第1の絶縁膜16の幅W3は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。第1の絶縁膜16の幅W3は、ブレードの最大幅よりも小さくてもよい。
本実施の形態の半導体装置1q及びその製造方法は、実施の形態14の半導体装置1p及びその製造方法の効果に加えて以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1q及びその製造方法では、第1の多結晶膜42は、第1の多結晶膜42の内部に空洞44を含んでいる。そのため、実施の形態14におけるウエハ10の脆弱領域8に比べて、本実施の形態におけるウエハ10の脆弱領域8には、より一層選択的にチッピング32が発生する。本実施の形態の半導体装置1q及びその製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することがさらに防止され得る。本実施の形態の半導体装置1qは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1qの製造コストを低減し得る構造を有する。本実施の形態の半導体装置1qの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1qの製造コストは低減され得る。
本実施の形態における脆弱領域8には、第1の絶縁膜16は形成されていない。そのため、実施の形態14におけるウエハ10の脆弱領域8に比べて、本実施の形態におけるウエハ10の脆弱領域8には、より一層選択的にチッピング32が発生する。本実施の形態の半導体装置1q及びその製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することがさらに防止され得る。本実施の形態の半導体装置1qは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1qの製造コストを低減し得る構造を有する。本実施の形態の半導体装置1qの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1qの製造コストは低減され得る。
実施の形態16.
図78及び図79を参照して、実施の形態16に係る半導体装置1rを説明する。本実施の形態の半導体装置1rは、実施の形態1の半導体装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1rは、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられた第2の導電性膜50をさらに備えている。第2の導電性膜50は、第1の方向において、第1の非晶質絶縁膜24から分離されている。第2の導電性膜50は、図80及び図81に示されるアライメントマーク51の一部である。第2の導電性膜50は、基板11の端面30に面一であってもよい。第2の導電性膜50は、第1の絶縁膜16よりも厚くてもよい。第2の導電性膜50は、電極膜20と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。第2の導電性膜50は、例えば、AlSi膜またはAl膜であってもよい。
第1の非晶質絶縁膜24は、第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとを含んでいる。第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとは、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとは、第1の方向において互いに離れている。基板11の主面11aの平面視において、第1の非晶質絶縁膜部分24aの長さは、端面30の長さの1/6以上であってもよく、1/4以上であってもよく、1/3以上であってもよく、3/8以上であってもよい。基板11の主面11aの平面視において、第1の非晶質絶縁膜24の長さは、端面30の長さの1/2よりも小さい。基板11の主面11aの平面視において、第2の非晶質絶縁膜部分24bの長さは、端面30の長さの1/6以上であってもよく、1/4以上であってもよく、1/3以上であってもよく、3/8以上であってもよい。基板11の主面11aの平面視において、第2の非晶質絶縁膜23の長さは、端面30の長さの1/2よりも小さい。
第1の方向における第2の導電性膜50の長さは、第1の方向における第1の非晶質絶縁膜部分24aの長さよりも短い。第1の方向における第2の導電性膜50の長さは、第1の方向における第2の非晶質絶縁膜部分24bの長さよりも短い。第2の導電性膜50と、第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとは、基板11の端面30に沿って配置されている。第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとは、基板11の端面30に面一である。第2の導電性膜50は、第1の非晶質絶縁膜部分24aと第2の非晶質絶縁膜部分24bとに挟まれている。
図80から図83を参照して、実施の形態16に係る半導体装置1rの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1rの製造方法は、実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図80、図81及び図83を参照して、本実施の形態の半導体装置1rの製造方法は、第1の絶縁膜16上に第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2r)を備える。第1の非晶質絶縁膜24は、第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとを含んでいる。第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとは、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第1の非晶質絶縁膜部分24aと、第2の非晶質絶縁膜部分24bとは、第1の方向において互いに離れている。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2r)は、実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24を形成すること(S2)と基本的に同様である。
図80、図81及び図83を参照して、本実施の形態の半導体装置1rの製造方法は、第1の非晶質絶縁膜部分24aと第2の非晶質絶縁膜部分24bとの間にアライメントマーク51を形成すること(S13)を備える。第2の導電性膜50は、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。アライメントマーク51は、周縁領域3に配置され、かつ、素子領域2から分離されている。アライメントマーク51の幅W8は、周縁領域3の幅W1よりも小さい。アライメントマーク51の幅W8は、ウエハ10を切断する際(S3r)に用いられるブレードの厚さよりも広い。アライメントマーク51は、例えば、AlSi膜またはAl膜であってもよい。アライメントマーク51を形成すること(S13)は、複数の素子領域2上に電極膜20を形成することと同じ工程で行われてもよい。
図82及び図83を参照して、本実施の形態の半導体装置1rの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3r)を備える。ウエハ10を切断する(S3r)際、第1の非晶質絶縁膜部分24aの中央部と第2の非晶質絶縁膜部分24bの中央部とアライメントマーク51の中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜部分24aの端部と第2の非晶質絶縁膜部分24bの端部とアライメントマーク51の端部とが残存している。アライメントマーク51の端部は、第2の導電性膜50に対応する。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3r)は、実施の形態1における第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3)と同様である。
本実施の形態の半導体装置1r及びその製造方法は、実施の形態1の半導体装置1及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1r及びその製造方法では、第1の非晶質絶縁膜24は、第2の導電性膜50またはアライメントマーク51を挟んでいる。第1の非晶質絶縁膜24が形成されている周縁領域3では素子領域2にチッピング32が発生することが抑制される。そのため、第2の導電性膜50またはアライメントマーク51が形成されている周縁領域3においても、素子領域2にチッピング32が発生する可能性を低くすることができる。本実施の形態の半導体装置1rは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1rの製造コストを低減し得る構造を有している。本実施の形態の半導体装置1rの製造方法によれば、ウエハ10の周縁領域3に第2の導電性膜50またはアライメントマーク51が形成されていても、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1rの製造コストは低減され得る。
実施の形態17.
図84を参照して、実施の形態17に係る半導体装置1sを説明する。本実施の形態の半導体装置1sは、実施の形態16の半導体装置1rと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。本実施の形態の半導体装置1sでは、素子領域2と第2の導電性膜50との間において、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16は、端面30に沿ってストライプ状に延在する貫通孔52を有している。貫通孔52において、基板11は、露出された主面11aを有している。第1の方向における貫通孔52の長さは、第1の方向における第2の導電性膜50の長さより大きくてもよい。
図85から図88を参照して、実施の形態17に係る半導体装置1sの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1sの製造方法は、実施の形態16の半導体装置1rの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図85、図86及び図88を参照して、本実施の形態の半導体装置1sの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16に、一対の貫通孔52を形成すること(S14)を備える。一対の貫通孔52は、それぞれ、アライメントマーク51と素子領域2との間に位置している。第1の絶縁膜16の一部をエッチングすることによって、一対の貫通孔52が形成されてもよい。一対の貫通孔52は、それぞれ、第1の方向に沿って延在している。一対の貫通孔52は、第1の方向に直交する第2の方向において互いに離れている。一対の貫通孔52の間の間隔は、ウエハ10を切断する際(S3s)に用いられるブレードの厚さより広い。第1の方向における一対の貫通孔52の長さは、第1の方向におけるアライメントマーク51の長さより大きくてもよい。一対の貫通孔52は、各々、例えば、1μm以上の幅を有してもよい。一対の貫通孔52は、各々、例えば、5μm以下の幅を有してもよい。一対の貫通孔52の各々の幅は、第1の方向に直交する第2の方向における一対の貫通孔52の各々の長さとして定義される。
図87及び図88を参照して、本実施の形態の半導体装置1sの製造方法は、ブレードを用いて、第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3s)を備える。本実施の形態における第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3s)は、実施の形態16における第1の非晶質絶縁膜24に沿ってウエハ10を切断すること(S3r)と基本的に同様である。ウエハ10を切断する(S3s)際、第1の非晶質絶縁膜部分24aの中央部と第2の非晶質絶縁膜部分24bの中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜部分24aの端部と第2の非晶質絶縁膜部分24bの端部と一対の貫通孔52とが残存している。
本実施の形態の半導体装置1s及びその製造方法は、実施の形態16の半導体装置1r及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1sでは、第1の絶縁膜16は、素子領域2と第2の導電性膜50との間において、貫通孔52を有している。そのため、第2の導電性膜50の下に形成された第1の絶縁膜16に損傷が発生しても、貫通孔52は、この損傷が第1の絶縁膜16を通して素子領域2に達することを抑制し得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1sは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1sの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1sの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16に、一対の貫通孔52を形成すること(S14)をさらに備えている。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3r)際に、アライメントマーク51の下に形成された第1の絶縁膜16に損傷が発生しても、一対の貫通孔52は、この損傷が第1の絶縁膜16を通して素子領域2に達することを抑制し得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1sの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1sの製造コストは低減され得る。
実施の形態18.
図89を参照して、実施の形態18に係る半導体装置1tを説明する。本実施の形態の半導体装置1tは、実施の形態16の半導体装置1rと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1tは、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられた第6の絶縁膜55をさらに備えている。第6の絶縁膜55は、素子領域2と第2の導電性膜50との間に設けられ、かつ、素子領域2及び第2の導電性膜50から分離されている。第6の絶縁膜55は、基板11の端面30に沿ってストライプ状に延在している。第1の方向における第6の絶縁膜55の長さは、第1の方向における第2の導電性膜50の長さより大きくてもよい。第6の絶縁膜55は、素子領域2から1μm以上離れていてもよい。第6の絶縁膜55は、素子領域2から5μm以下離れてもよい。第6の絶縁膜55は、第1の絶縁膜16と異なる材料で構成されてもよい。第6の絶縁膜55は、第2の非晶質絶縁膜23と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。第6の絶縁膜55は、例えば、非晶質窒化シリコン膜であってもよい。
本実施の形態の半導体装置1tは、第3のストライプ構造部6tと、第4のストライプ構造部7tとを備えている。第3のストライプ構造部6tは、周縁領域3上に位置し、かつ、端面30に沿って延在している。第4のストライプ構造部7tは、周縁領域3上に位置し、かつ、端面30に沿って延在している。第3のストライプ構造部6tは、素子領域2と第2の導電性膜50との間に位置している。第4のストライプ構造部7tは、素子領域2と第3のストライプ構造部6tとの間に位置している。第3のストライプ構造部6tは、第4のストライプ構造部7tよりも厚い。第3のストライプ構造部6tの幅は、第4のストライプ構造部7tの幅より広くてもよい。第4のストライプ構造部7tの幅は、例えば、1μm以上であってもよい。第4のストライプ構造部7tの幅は、例えば、5μm以下であってもよい。
第3のストライプ構造部6tは、第1の絶縁膜16の一部と、第1の絶縁膜16の一部上に設けられた第6の絶縁膜55とを含んでいる。第4のストライプ構造部7tは、第1の絶縁膜16を含んでいるが、第6の絶縁膜55を含んでいない。第4のストライプ構造部7tは第1の絶縁膜16を含んでいなくてもよく、基板11の主面11aが第1の絶縁膜16から露出してもよい。第4のストライプ構造部7tでは、基板11は露出された主面11aを有してもよい。
図90から図93を参照して、実施の形態18に係る半導体装置1tの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1tの製造方法は、実施の形態16の半導体装置1rの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図90、図91及び図93を参照して、本実施の形態の半導体装置1tの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に一対の第6の絶縁膜55を形成すること(S15)をさらに備えている。一対の第6の絶縁膜55は、例えば、化学的気相成長法(CVD)、蒸着法またはスピンコート法などを用いて、第1の絶縁膜16上に形成されてもよい。一対の第6の絶縁膜55を形成すること(S15)は、電極膜20上に第2の非晶質絶縁膜23を形成することと同じ工程で行われてもよい。
一対の第6の絶縁膜55は、素子領域2とアライメントマーク51との間に設けられ、かつ、素子領域2とアライメントマーク51とから分離されている。一対の第6の絶縁膜55は、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。一対の第6の絶縁膜55は、互いに、第1の方向に直交する第2の方向に離れている。第1の方向における第6の絶縁膜55の長さは、第1の方向におけるアライメントマーク51の長さより大きくてもよい。一対の第6の絶縁膜55は、互いに、第1の方向に直交する第2の方向に離れている。一対の第6の絶縁膜55の間の間隔は、ウエハ10を切断する際(S3t)に用いられるブレードの厚さより広い。
第3のストライプ構造部6tは、周縁領域3のうち、第1の絶縁膜16上に一対の第6の絶縁膜55が形成された部分である。第3のストライプ構造部6tは、第3のストライプ構造部6tの両側に位置し、かつ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在する部分よりも厚い。具体的には、第3のストライプ構造部6tは、第4のストライプ構造部7tよりも厚い。第3のストライプ構造部6tは、第3のストライプ構造部6tとアライメントマーク51との間に位置しかつ第1の方向に沿ってストライプ状に延在する部分よりも厚い。例えば、第3のストライプ構造部6tは、第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上の第6の絶縁膜55とを含んでいる。第4のストライプ構造部7tは、第1の絶縁膜16を含んでいるが、第6の絶縁膜55を含んでいない。第4のストライプ構造部7tは、第3のストライプ構造部6tと素子領域2との間に位置し、第3のストライプ構造部6tに隣接している。第3のストライプ構造部6tとアライメントマーク51との間に位置しかつ第1の方向に沿ってストライプ状に延在する部分は、第1の絶縁膜16を含んでいるが、第6の絶縁膜55を含んでいない。
図92及び図93を参照して、本実施の形態の半導体装置1tの製造方法は、ブレードを用いて、一対の第6の絶縁膜55に沿ってウエハ10を切断すること(S3t)をさらに備えている。ウエハ10を切断する(S3t)際、第1の非晶質絶縁膜部分24aの中央部と第2の非晶質絶縁膜部分24bの中央部とアライメントマーク51の中央部とが除去されるとともに、ブレードの幅方向の両端に、第1の非晶質絶縁膜部分24aの端部と第2の非晶質絶縁膜部分24bの端部とアライメントマーク51の端部と一対の第6の絶縁膜55の少なくとも一部とが残存している。特定的には、ウエハ10を切断する(S3t)際、ブレードの幅方向の両端に、一対の第6の絶縁膜55が全て残存してもよい。
第3のストライプ構造部6tは、第1の絶縁膜16と第1の絶縁膜16上に積層された第6の絶縁膜55とを含んでいる。第3のストライプ構造部6tは、第3のストライプ構造部6tの両側に位置し、かつ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在する部分よりも厚い。第3のストライプ構造部6tが形成されているウエハ10の部分を欠損させるために必要な機械的エネルギーは、第3のストライプ構造部6tの両側に位置するウエハ10の部分を欠損させるために必要な機械的エネルギーよりも大きい。そのため、仮にウエハ10を切断する(S3t)際にアライメントマーク51の下に位置するウエハ10の部分にクラックが発生しても、第1のストライプ構造部6は、このクラックが素子領域2に達することを防止し得る。
こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピングが発生することが防止され得る。ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くすることができるため、1枚のウエハ10から得られる半導体装置1tの収率は増加し、半導体装置1tの製造コストは減少する。第4のストライプ構造部7tの幅を5μm以下とすることによって、第3のストライプ構造部6tの幅を拡げることができる。そのため、第3のストライプ構造部6tは、素子領域2にチッピングが発生することを一層防止し得る。
さらに、第6の絶縁膜55は、素子領域2から分離されている。第4のストライプ構造部7tにおいて、第6の絶縁膜55は形成されていない。そのため、仮に、ウエハ10を切断する(S3t)際に第4のストライプ構造部7tの間に設けられた第6の絶縁膜55に損傷が発生しても、この損傷が、第6の絶縁膜55を通して、素子領域2に達することが防止され得る。第4のストライプ構造部7tの幅を1μm以上とすることによって、この損傷が素子領域2に達することが一層防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。
本実施の形態の半導体装置1t及びその製造方法は、実施の形態16の半導体装置1r及びその製造方法の効果に加えて以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1tは、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に設けられた第6の絶縁膜55をさらに備えている。第1の絶縁膜16と第1の絶縁膜16上に積層された第6の絶縁膜55とを含む第3のストライプ構造部は、周縁領域3の幅を狭くしても、素子領域2にチッピングが発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1tは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1tの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1tでは、第3のストライプ構造部6tは、第1の絶縁膜16の一部と、第1の絶縁膜16の一部上に設けられた第6の絶縁膜55とを含んでいる。第4のストライプ構造部7tは、第1の絶縁膜16を含んでいる。第1の絶縁膜16の一部は、周縁領域3上に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第3の絶縁膜25は、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第4のストライプ構造部7tは、第6の絶縁膜55を素子領域2から分離している。そのため、第6の絶縁膜55に損傷が発生しても、この損傷が、第6の絶縁膜55を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1tは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1tの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1tの製造方法は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16上に一対の第6の絶縁膜55を形成すること(S15)をさらに備えている。一対の第6の絶縁膜55は、素子領域2とアライメントマーク51との間に設けられ、かつ、素子領域2とアライメントマーク51とから分離されている。一対の第6の絶縁膜55は、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。
第1の絶縁膜16と、第1の絶縁膜16上の第6の絶縁膜55とを含む第3のストライプ構造部6tは、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピング32が発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1tの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1tの製造コストは低減され得る。
一対の第6の絶縁膜55は、素子領域2から分離されている。そのため、第4のストライプ構造部7tの間に設けられた第6の絶縁膜55に損傷が発生しても、この損傷が、第6の絶縁膜55を通して、素子領域2に達することが防止され得る。素子領域2の表面に形成された構造体(例えば、電極膜20)が破損することが抑制され得る。本実施の形態の半導体装置1tの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1tの製造コストは低減され得る。
実施の形態19.
図94を参照して、実施の形態19に係る半導体装置1uを説明する。本実施の形態の半導体装置1uは、実施の形態16の半導体装置1rと同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1uは、第2の多結晶膜62をさらに備えている。基板11は、周縁領域3における主面11aに形成され、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している第3の溝部10fを含んでいる。第2の多結晶膜62は、第3の溝部10f内に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第2の多結晶膜62と第3の溝部10fとは、素子領域2と第2の導電性膜50との間に位置している。第3の溝部10f内に第7の絶縁膜61が設けられており、この第7の絶縁膜61上に第2の多結晶膜62が設けられてもよい。第7の絶縁膜61は、例えば、二酸化シリコン膜であってもよい。第2の多結晶膜62は、第2の多結晶膜62の内部に空洞(図示せず)を含んでもよい。第2の多結晶膜62は、周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16によって覆われてもよい。
図95から図98を参照して、実施の形態19に係る半導体装置1uの製造方法を説明する。本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、実施の形態16の半導体装置1rの製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図95、図96及び図98を参照して、本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、第3の溝部10fと第4の溝部10gとを形成すること(S16)をさらに備えている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、ウエハ10の主面10aの周縁領域3の一部をエッチングすることによって形成されてもよい。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、素子領域2とアライメントマーク51との間に位置し、かつ、素子領域2及びアライメントマーク51から離れている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、それぞれ、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとの間の間隔は、ウエハ10を切断する(S3u)際に用いられるブレードの最大厚さよりも広くてもよい。
図95、図96及び図98を参照して、本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、第3の溝部10f及び第4の溝部10g内に第7の絶縁膜61を形成すること(S17)を備えてもよい。第7の絶縁膜61は、第3の溝部10f及び第4の溝部10gの表面を酸化することによって形成されてもよい。
図95、図96及び図98を参照して、本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、第3の溝部10f及び第4の溝部10g内に第2の多結晶膜62を形成すること(S18)を備えている。特定的には、第2の多結晶膜62は、第3の溝部10f及び第4の溝部10g内の第7の絶縁膜61上に形成されてもよい。第2の多結晶膜62は、例えば、化学的気相成長法(CVD)または蒸着法などを用いて、第7の絶縁膜61上に形成されてもよい。第2の多結晶膜62は、第2の多結晶膜62の内部に空洞(図示せず)を含んでもよい。ウエハ10のうち第2の多結晶膜62が形成された領域は、ウエハ10の脆弱領域8uである。ウエハ10の脆弱領域8uは、ウエハ10の他の領域よりも割れやすい。
図95、図96及び図98を参照して、本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3上に第1の絶縁膜16を形成すること(S1u)を備える。本実施の形態における第1の絶縁膜16を形成すること(S1u)は、実施の形態11における第1の絶縁膜16を形成すること(S1h)と基本的に同様である。周縁領域3上に設けられた第1の絶縁膜16は、第3の溝部10fと第4の溝部10gとの間のウエハ10の主面10a上と、第3の溝部10f及び第4の溝部10g内に形成された第1の多結晶膜42上とに形成されてもよい。
図95、図96及び図98を参照して、本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、第1の非晶質絶縁膜部分24aと第2の非晶質絶縁膜部分24bとの間にアライメントマーク51を形成すること(S13u)を備える。本実施の形態におけるアライメントマーク51を形成すること(S13u)は、実施の形態16におけるアライメントマーク51を形成すること(S13)と基本的に同様である。ウエハ10の主面10aの平面視において、アライメントマーク51は、周縁領域3上に、かつ、第3の溝部10fと第4の溝部10gとの間に形成されている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、それぞれ、素子領域2とアライメントマーク51との間に位置し、かつ、素子領域2及びアライメントマーク51から分離されている。第1の方向におけるアライメントマーク51の長さは、第1の方向における第3の溝部10fの長さよりも小さくてもよい。第1の方向におけるアライメントマーク51の長さは、第1の方向における第4の溝部10gの長さよりも小さくてもよい。
図97及び図98を参照して、本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、ブレードを用いて、第3の溝部10f及び第4の溝部10gに沿ってウエハ10を切断すること(S3u)を備える。ウエハ10を切断する(S3u)際、第3の溝部10fと第4の溝部10gとはブレードに接触せず、少なくとも第3の溝部10fは残存している。特定的には、ウエハ10を切断する(S3u)際、第3の溝部10f及び第4の溝部10gは残存してもよい。ウエハ10を切断する(S3u)際、第2の多結晶膜62の少なくとも一部は残存している。
ウエハ10の脆弱領域8uは、ウエハ10の他の領域よりも割れやすい。仮に、ウエハ10を切断する際(S3u)にアライメントマーク51の下に位置するウエハ10にチッピングが発生しても、このチッピングは、脆弱領域8uに選択的に発生する。こうして、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、素子領域2にチッピングが発生することが防止され得る。1枚のウエハ10から得られる半導体装置1uの収率は増加し、半導体装置1uの製造コストは減少し得る。
本実施の形態の半導体装置1u及びその製造方法は、実施の形態16の半導体装置1r及びその製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体装置1uは、第2の多結晶膜62をさらに備えている。基板11は、周縁領域3における主面11aに形成され、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している第3の溝部10fを含んでいる。第2の多結晶膜62は、第3の溝部10f内に設けられ、かつ、端面30に沿ってストライプ状に延在している。第2の多結晶膜62と第3の溝部10fとは、素子領域2と第2の導電性膜50との間に位置している。第3の溝部10f内に設けられた第2の多結晶膜62を含む脆弱領域8uは、素子領域2にチッピングが発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1uは、素子領域2にチッピング32が発生することを抑制し得て、かつ、半導体装置1uの製造コストを低減し得る構造を有している。
本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、ウエハ10の主面10aの周縁領域3に、第3の溝部10fと第4の溝部10gとを形成すること(S16)をさらに備えている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、素子領域2から離れている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、第1の方向に沿ってストライプ状に延在している。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、第1の方向に直交する第2の方向に互いに離れている。本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、第3の溝部10f及び第4の溝部10g内に第2の多結晶膜62を形成すること(S18)と、第1の非晶質絶縁膜部分24aと第2の非晶質絶縁膜部分24bとの間にアライメントマーク51を形成すること(S13u)とをさらに備える。ウエハ10の主面10aの平面視において、アライメントマーク51は、周縁領域3上に、かつ、第3の溝部10fと第4の溝部10gとの間に形成されている。第3の溝部10fと第4の溝部10gとは、素子領域2とアライメントマーク51との間に位置し、かつ、アライメントマーク51から離れている。本実施の形態の半導体装置1uの製造方法は、ブレードを用いて、第3の溝部10f及び第4の溝部10gに沿ってウエハ10を切断すること(S3u)を備える。
第3の溝部10f内と第4の溝部10g内とに設けられた第2の多結晶膜62を含む脆弱領域8uは、ウエハ10の周縁領域3の幅W1を狭くしても、ウエハ10を切断する際(S3u)に素子領域2にチッピングが発生することを防止し得る。本実施の形態の半導体装置1uの製造方法によれば、素子領域2にチッピング32が発生することが抑制され得て、かつ、半導体装置1uの製造コストは低減され得る。
今回開示された実施の形態1−19はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1−19の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。