JP6299412B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
Si(Silicon)、GaAs(Gallium Arsenide)、Ge(Germanium)、InP(Indium Phosphide)、GaN(Gallium Nitride)、SiC(Silicon Carbide)等を材料とする半導体基板は、半導体ウエハの状態で成膜、フォトリソ、エッチング、洗浄等の製造工程を経て表面に電極が設けられ、高周波デバイス、光デバイス、太陽電池、熱電素子、光センサなどの用途の半導体デバイスの構造が複数形成される。半導体デバイス構造が形成された半導体ウエハの裏面には、切削加工(ダイシング工程)用の粘着シートが貼り付けられ(マウント工程)、半導体ウエハの表面は個々の半導体デバイス構造(半導体チップ)のパターンに切削加工される。
その後、洗浄工程、粘着シートを拡張し、切削加工された半導体ウエハを半導体チップに分離するエキスパンド工程、半導体チップを粘着シートから剥離させるピックアップ工程などを経て、半導体チップが半導体ウエハから切り出され、半導体装置が提供される。
半導体ウエハから半導体チップが提供される際、ダイシング工程やピックアップ工程において半導体チップ端部に応力が発生し、チッピングと呼ばれる欠けが発生することがある。チッピングが、半導体基板の表面端部における角部で発生し、半導体基板と表面電極の界面まで伸展すると、半導体装置の電気的特性を劣化させるという問題がある。そこで、半導体ウエハに先端V形状のダイシングブレードを用いてV溝を形成した後、切り残された部分を極薄のダイシングブレードで完全切断することによって半導体チップを切り出し、半導体基板の表面側エッジ部を面取りしてチッピングを抑制する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−349275号公報
特許文献1に開示の方法によってチッピングを抑制する効果は幾分あるものの、ダイシング工程やピックアップ工程の際には半導体基板の表面端部における角部に高い応力が発生するので、当該箇所でチッピングが発生するのを十分に抑制できないという問題があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、半導体基板の表面端部におけるチッピングの発生が十分抑制された半導体装置を提供することを目的とする。
この発明に係る半導体装置は、表面端部が窪むことによって設けられた段差を有する半導体基板と、半導体基板の表面上に形成された電極と、段差の表面側角部を被覆する保護膜と、を備える。
この発明に係る半導体装置によれば、表面端部が窪むことによって設けられた段差を有する半導体基板と、半導体基板の表面上に形成された電極と、段差の表面側角部を被覆する保護膜とを備えるので、当該表面側角部におけるチッピングの発生を抑制し、半導体基板と電極との界面にチッピングが伸展することを抑制できる。
この発明の実施の形態1に係る半導体装置の一例を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置において、半導体基板の表面端部を拡大した断面図である。 この発明の実施の形態1に係る本実施の形態に係る半導体装置の上面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の上面拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、電極を形成するまでを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、段差を形成するためのレジストパターンを形成するまでを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、段差を形成するエッチングを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、レジストパターンを除去するまでを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、半導体装置の製造方法において、感光性ポリイミドを塗布するまでを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、感光性ポリイミド17がパターニングされるまでを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、半導体装置の製造方法において、感光性ポリイミドが熱処理されるまでを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法において、完成までを説明するための断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の比較例として、従来の場合を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る半導体装置の比較例として、外観不良の場合を示す上面図である。 この発明の実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る半導体装置の効果を説明するために、ブリードアウト現象を説明するための断面模式図である。 この発明の実施の形態2半導体装置のポリイミド膜付近を拡大した断面図である。
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1に係る半導体装置について説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る半導体装置を説明するための断面図である。
図1において、半導体基板1の表面上に表面電極3が形成されている。半導体基板1の表面端部には、保護膜であるポリイミド膜2が形成されている。本実施の形態では、図1で示される半導体基板1、表面電極3、ポリイミド膜2からなる構造を半導体チップ20と呼ぶ。
図2に、半導体基板1の表面端部を拡大した断面図を示す。半導体基板1の表面端部には、表面が窪んだ段差5が形成されている。図2において、段差5は一点鎖線で囲まれた部分に相当する。段差5によって、半導体基板1の表面側に形成される表面側角部6と、半導体基板1の側面4側に形成される側面側角部7と、が形成される。ここで、半導体基板1の側面4は、半導体チップ20が半導体ウエハ14の状態からダイシング加工して切り出される際のダイシング面となる。
段差5において、表面側角部6はポリイミド膜2に被覆される。ここで、段差5の表面側角部6とは、半導体基板1と表面電極3の界面を面内に有する半導体基板1の表面と、段差5の側壁と、が交わる角部である。図2において、ポリイミド膜2は、段差5の底面と側壁とが接する頂点である底面角部8を充填し、さらに、段差5の側壁から半導体基板1の表面までを連続して覆うように、すなわち、表面側角部6を被覆するように設けられている。
図3に、本実施の形態に係る半導体装置の上面図を示す。半導体基板1の周囲を取り囲むように、つまり、半導体基板1の外周縁に沿って段差5が形成され、当該段差5の位置に対応してポリイミド膜2が設けられている。
図4に、本実施の形態に係る半導体装置の上面拡大図を示す。図4は、半導体装置の端部を拡大した図であり、図中、点線と側面4で囲まれる領域が、半導体基板1の表面が窪んだ領域である段差5に相当する。
図1から図4において、半導体基板1とは、基板上にエピタキシャル層が成長されたエピタキシャル基板をも含む。エピタキシャル基板には、例えば、Si、GaAs、Ge、InP、GaN、SiC等の基板上にエピタキシャル層を形成したものが挙げられる。エピタキシャル層は、複数の層が形成された多層膜であっても良い。
また、半導体デバイス構造によっては、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect−Transistor)などのように、エピタキシャル基板と表面電極3との間に絶縁膜を設ける場合などもあるが、本実施の形態では、そのような場合はエピタキシャル基板上の絶縁膜も含めて半導体基板1とする。
次に、この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法について説明する。図5〜図12は、この発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための半導体装置の断面図である。
図5は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、表面電極3を形成するまでを説明するための断面図である。まず、エピタキシャル層が形成されたエピ基板からなる半導体ウエハ14は、フォトリソ、エッチング、洗浄等の製造工程を経て、表面に表面電極3が形成され、半導体デバイス構造が形成される。このとき、半導体ウエハ14には、複数の半導体デバイス構造が配設される。半導体デバイス構造としては、高周波デバイス、光デバイス、太陽電池、熱電素子、光センサなどの用途で用いられる集積回路などが挙げられる。
表面電極3形成後には、半導体ウエハ14を所定の厚さになるように裏面研削(バックグラインド)、必要に応じて裏面処理(エッチング、ポリッシング等)、さらに裏面電極などを成膜、フォトリソ、エッチング、洗浄する等のウエハプロセスを適宜行っても良い。
図6は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、段差5を形成するためのレジストパターン15を形成するまでを説明するための断面図を示す。半導体ウエハ14と表面電極3の表面を覆うようにレジストをスピンコートで塗布し、さらに、フォトリソグラフィ(露光及び現像)処理によって、図6で示すように、レジストパターン15を形成する。図6において、半導体ウエハ14がレジストパターン15によって覆われていない領域が、半導体ウエハ14が半導体チップ20に分割される際にダイシングされるダイシングラインの位置に対応する。
図7は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、段差5を形成するエッチングを説明するための断面図を示す。図6で説明された工程において形成されたレジストパターン15をマスクとして、半導体ウエハ14の表面に溝部16が形成される。本実施の形態ではCFガスを用いたドライエッチング処理を実施した。エッチングガスとしては、CFガス以外のガスを用いても良い。尚、溝部16を形成する際には、ドライエッチングでなくウェットエッチングを実施しても構わない。
尚、溝部16の深さは、例えば1μm以上20μm以下であれば良い。後述する、保護膜によって溝部16を充填する工程において、溝部16が深すぎると、保護膜の充填が困難になるためである。溝部16が浅すぎると、本実施の形態の効果が小さくなるためである。
図8は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、レジストパターン15を除去するまでを説明するための断面図である。図7のエッチング工程後、レジストパターン15を除去、洗浄することで、図8に示される溝部16が形成された半導体ウエハ14が得られる。
図9は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、感光性ポリイミド17を塗布するまでを説明するための断面図である。図9のように、図8で示される表面電極3と溝部16が表面に形成された半導体ウエハ14に感光性ポリイミド17を塗布する。このとき、感光性ポリイミド17は溝部16を充填するように塗布される。
図10は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、感光性ポリイミド17がパターニングされるまでを説明するための断面図である。図9で塗布された感光性ポリイミド17にフォトリソグラフィ工程を実施することで、溝部16の側壁から半導体ウエハ14の表面に跨る領域に感光性ポリイミド17を残し、溝部16の底面においてダイシングされる領域と表面電極3が形成された領域との感光性ポリイミド17が除去される。
図9、図10においては、感光性ポリイミド17を用いたフォトリソグラフィ工程によって、図10の構造を容易に形成することが可能となるが、非感光性ポリイミドを用いても良く、図9で非感光性ポリイミドを塗布した後、レジストマスクなどをパターニングし、ドライエッチングすることによっても図10の構造が得られる。
図11に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、感光性ポリイミド17が熱処理されるまでを説明するための断面図を示す。図10で得られた構造の、パターニングされた感光性ポリイミド17を熱処理することにより、感光性ポリイミド17を乾燥させる。ここでは、熱処理として300℃、1時間の処理を実施した。感光性ポリイミド17などの熱硬化性の樹脂は熱処理により溶媒が飛び、収縮が起きる。この収縮過程により、パターニングされた樹脂の角部が丸くなる。これにより、角部が丸まった構造、つまり外周面が曲面であるポリイミド膜2が形成される。樹脂の熱収縮性を利用すれば、樹脂の角部をパターニングによって丸く形成するという難易度の高いプロセスは必要なくなる。
なお、熱処理条件は感光性ポリイミド17の溶媒が飛んでイミド化されればよく、250〜350℃、10分〜3時間であることが望ましい。また、熱硬化性の樹脂以外に、UV硬化性の樹脂を用いても同様の効果が得られる。
図12に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、完成までを説明するための断面図を示す。図11で得られた半導体ウエハ14の裏面に、ダイシング用の粘着テープを貼付けた後、溝部16内の底面において、ポリイミド膜2が形成されていないダイシングラインに沿って、半導体ウエハ14の表面を切削加工(ダイシング)する。このとき、ポリイミド膜2はダイシングブレードが接触する領域には形成されていないので、ダイシングが阻害されることはない。
その後、マウント工程、ピックアップ工程を経て、図12で示されるように、半導体ウエハ14が半導体チップ20に分割される。つまり、図11で示される半導体ウエハ14の溝部16の底面において半導体チップ20に分割され、分割された溝部16によって、半導体チップ20の端部に段差5が形成される。すなわち、溝部16によって、半導体チップ20の状態となった半導体基板1の表面端部が窪んだ段差5が形成され、図1で示される本実施の形態に係る半導体装置の構造が得られる。
本実施の形態では、図1で示される半導体チップ20を半導体装置として説明するが、半導体チップ20をモジュール化したものも、半導体装置と呼ぶ。
図13に、従来の半導体チップ20の端部を拡大した断面図の例を示す。半導体ウエハ14からダイシング工程やピックアップ工程を経て半導体チップ20が提供される際、半導体基板1には応力が発生する。図13(a)で示される従来構造のように、半導体基板1の表面端部に角部が剥き出されている場合、この応力によってチッピングと呼ばれる欠けが半導体基板1の当該角部に発生してしまう。このチッピングが、半導体基板1中を横方向に伸展すると、半導体基板1と表面電極3との界面にまで、図13(a)で示されるようなチッピング領域9が発生してしまう。
図13(a)で示されるように、チッピングが半導体基板1と表面電極3との界面まで伸展すると、電流リーク不良や耐圧不良が発生するなど、半導体装置の電気的特性が劣化してしまうという問題が生じる。
従来構造において、図13(b)で示されるように半導体基板1の表面端部が面取りされていたとしても、ダイシングブレードによってV溝を切削加工する際、半導体基板1の表面端部における角部にダイシングブレードが接触し、高い応力が発生する。図13(b)で、半導体基板1の表面端部は点線で囲まれた部分である。ダイシング時の応力により当該箇所でチッピングが発生すると、半導体基板1と表面電極3との界面に伸展するのを十分に抑制できない。図13(b)では、チッピングが発生した領域の一例が、チッピング領域9で示されている。また、半導体基板1の表面端部における角部が剥き出しになっているため、ピックアップ工程やハンドリング時などにおいてチッピングが発生する場合がある。
図13で示されるようなチッピングは、半導体装置の電気的特性を劣化させるが、外観上の不良にもつながる。図14に、チッピングが発生し、外観不良となった半導体装置の上面図の一例を示す。図14では、表面電極3の領域にまでチッピング領域9が発生している様子を示している。
本実施の形態に係る半導体装置によれば、半導体基板1の表面端部が窪むことによって設けられた段差5の、表面側角部6を被覆するポリイミド膜2を備えたので、半導体ウエハ14から半導体チップ20が提供されるダイシング工程やピックアップ工程の際に、半導体基板1と表面電極3との界面の延長面である半導体基板1の表面に接する角部、すなわち、表面側角部6でのチッピングを抑制することができる。その結果、半導体基板1と表面電極3との界面にチッピングが伸展することを抑制できる。
すなわち、段差5の表面側角部6をポリイミド膜2によって保護し、表面側角部6におけるチッピングを抑制することが可能となるので、表面側角部6から半導体基板1と表面電極3との界面にチッピングが伸展し、半導体装置の電気的特性が劣化することを抑制できる。また、外観不良による歩留まりの低下を抑制することができる。
尚、半導体基板1の表面端部に段差5を設けずに、表面端部の角部をポリイミド膜2で被覆しようとした場合、ダイシング後にポリイミド膜2を被覆しなければならないため、ダイシング時に表面端部の角部にチッピングが生じてしまう。
本実施の形態に係る半導体装置によれば、半導体ウエハ14の溝部16の側面と半導体ウエハ14の表面との頂点である角部をポリイミド膜2で被覆し、溝部16の底面をダイシングする。その結果、段差5の表面側角部6にはダイシングブレードは接触せず、表面側角部6に発生する応力は、ダイシングブレードが接触する場合より小さくなるので、ダイシング工程の際に表面側角部6でチッピングが発生することを抑制できるという効果も得られる。
また、本実施の形態に係る半導体装置によれば、半導体基板1の表面のみ、あるいは側面のみにポリイミド膜2を設ける場合に比べて、表面側角部6を半導体基板1の表面と段差5の側壁との双方から連続して被覆するため、チッピングの発生を抑える効果が大きい。
半導体基板1の表面のみ、あるいは側面のみにポリイミド膜2を設けた場合には、高温高湿試験などの信頼性試験の際に熱歪によってポリイミド膜2が剥離しやすいが、本実施の形態によれば、半導体基板1の表面から段差5まで表面側角部6を被覆しているので、ポリイミド膜2の剥離を抑制できる効果が得られる。
本実施の形態によれば、上述したように、段差5によって形成される表面側角部6にはポリイミド膜2が被覆されているのでチッピングを抑制できる。段差5の底面と半導体基板1の側面とからなる側面側角部7にはポリイミド膜2が形成されていないため、ダイシングの際にチッピングが発生してしまう場合がある。しかしながら、側面側角部7でチッピングが発生しても、チッピングの発生箇所が段差5の深さ分、半導体基板1と表面電極3との界面から縦方向に深くなるため、チッピングが半導体基板1と表面電極3との界面まで伸展しにくく、半導体装置の電気的特性の劣化にはつながりにくいという効果が得られる。
半導体基板1と表面電極3との界面にチッピングが伸展しなくても、側面側角部7で発生したチッピングによるクラック、欠けなどが、半導体装置の電流経路に発生すると、電気的特性がある程度劣化する場合がある。しかしながら、半導体基板1内のエピタキシャル層中に電流を横方向に流す半導体装置である場合、段差5の深さを、電流経路であるエピタキシャル層の厚さよりも大きくしておくことによって、側面側角部7で発生したチッピングが電気的特性に与える影響をより低減することができる。そのため、段差5の深さは半導体基板1のエピタキシャル層の厚さよりも深いことが望ましい。
段差5の深さが、エピタキシャル層の厚さよりも浅い場合、あるいは縦方向に電流を流す半導体装置であったとしても、図1で説明した本実施の形態に係る構造によれば、段差5の底面角部8にポリイミド膜2が形成され、つまり、段差5の底面にもポリイミド膜2が形成されているため、側面側角部7でのチッピングの発生を抑制する効果がある程度得られる。また、側面側角部7でチッピングが発生したとしても、ポリイミド膜2で覆われている段差5の底面の下方にまでチッピングが伸展することを抑制する効果が得られるので、電流経路となる表面電極3の下方までチッピングが伸展するのを抑制できる。
尚、本実施の形態では段差5の底面角部8に保護膜が充填される構造を説明したが、充填されていなくても、表面側角部6を被覆していれば、表面側角部6のチッピングを抑制する効果が得られるのは言うまでもない。
尚、段差5の底面横方向の幅は、2μm以上20μm以下が望ましい。狭すぎると、ポリイミド膜2のパターニングが困難となり、表面側角部6を被覆することができず、あるいはダイシングラインまでポリイミド膜2がはみ出してダイシングを阻害してしまう。広すぎると、半導体チップ20の電流経路以外の領域が増大するため、チップコストが増加してしまう。
図13(b)で示される従来構造は、先端V形状のダイシングブレードによって半導体ウエハ14の表面を切削した後、切り残された部分を極薄のダイシングブレードで完全切断して形成される。この場合、2種類のダイシングブレードによる2回のダイシングを、同一のダイシングライン上で実施する必要が有るため、極めて高い精度が必要となる。また、少なくとも2種類のダイシングブレードを必要とする。従って、従来の方法では生産性やコストに問題があった。
本実施の形態に係る半導体装置は、簡単なプロセスにより製造できるので、生産性良く実現できる。
半導体ウエハ14から半導体チップ20を切り出す際、通常、半導体ウエハ14のオリフラと呼ばれるオリエンテーションフラットに水平及び垂直な方向にダイシングラインが設けられる。オリフラは結晶方位に合わせて形成されるので、ダイシングラインの方向も結晶方位に沿って設けられることになる。本実施の形態に係る半導体装置に、GaAs系材料やInP系材料などの脆性材料を半導体基板1として用いた場合、結晶方位に沿ったダイシングはチッピングが発生しやすいことが知られており、これらの脆性材料では本実施の形態の効果が特に大きい。
例えば、GaAsデバイスでは主にダイヤモンドブレードを使用したダイシングが行われている。GaAsウエハは脆性材のためSiよりも脆く、ダイシング工程中にチッピングが発生しやすい。そのためダイシング速度の上昇が困難であり、スループットが向上できないという問題があった。この問題に対し、本実施の形態を用いれば、チッピング発生を抑制できるので、GaAsデバイスのスループットを向上することが可能となる。
本実施の形態では、図3の上面視において、半導体基板1の外周縁に沿って段差5が設けられ、段差5の表面側角部6がポリイミド膜2で被覆された場合について説明した。図3のように、半導体基板1の外周縁に沿って段差5が連続して設けられていれば、効果的にチッピング発生を抑制できるが、半導体基板1の外周縁の一部に段差5が設けられている場合であっても本実施の形態の一定の効果は得られる。
例えば、上面視において、半導体基板1の外周縁のうち、頂点ではチッピングが発生しやすいため、この頂点を含む領域のみに段差5を形成した表面側角部6をポリイミド膜2で被覆してもよい。あるいは、上面視において半導体基板1の外周縁に沿って段差5を設けるが、そのうち、頂点を含む表面側角部6の領域のみをポリイミド膜2で被覆してもよい。
また、本実施の形態ではダイシング工程を行うために、半導体ウエハ1の溝部16の底面のダイシングラインにはポリイミド膜2を設けないので、ダイシング直後には、ダイシング面に相当する位置の、段差5の側面側角部7および半導体チップ20の側面4にはポリイミド膜2は設けられていない。しかしながら、ピックアップ工程や、半導体装置をモジュールにする際のワイヤボンディング工程、ハンドリングなどの際にチッピングが発生するのをより抑制するために、ダイシング後に段差5の側面側角部7および半導体チップ20の側面4に、さらにポリイミド膜2を形成してもよい。
尚、本実施の形態では保護膜としてポリイミド膜2を用いたが、BCB(Benzocyclobutene)やPBO(Polybenzoxazole)などの樹脂であっても良いし、金、白金、パラジウム、銅、などの金属であっても良い。
保護膜として樹脂を用いた場合には、厚膜を形成することができるので、チッピング抑制効果が大きくなる。また、樹脂を熱処理する工程で保護膜の外周面を容易に曲面にすることができるので、ピックアップ工程時に引っかかりによる保護膜の剥離を抑制する効果が得られる。
保護膜としてポリイミド膜2を用いた場合には、耐熱性が大きいので、半導体装置を高温で用いることができる。
尚、本実施の形態では、段差5は一段としたが、複数の段数であっても本実施の形態の効果は得られる。
実施の形態2.
図15は、本実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。本実施の形態における半導体装置においては、半導体ウエハ14から切り出された半導体チップ20がプリント配線基板11へ実装されている。本実施の形態における半導体装置では、ポリイミド膜2が撥水化処理されていることを特徴としている。それ以外については、実施の形態1と同様である。本実施の形態によれば、半導体チップ20を実装する際のダイボンド樹脂10の這い上がり(ブリードアウト現象)を抑制する効果が得られる。
図15において、半導体基板1の裏面は、ダイボンド樹脂10を介してプリント配線基板11と接続される。ダイボンド樹脂10は半導体材料からなる半導体基板1に対して濡れ性が良好であるため、半導体基板1の側面4を伝って這い上がってきたダイボンド樹脂10がポリイミド膜2を超えて表面電極3まで到達する場合がある。ダイボンド樹脂10などの低分子樹脂や溶剤の浸み出しをブリードアウト現象と呼び、ブリードアウト現象はワイヤボンディング性を悪化させる等の問題を生じさせる。
図16に、ブリードアウト現象を説明するための断面模式図を示す。特に、ダイシング面となる半導体基板1の側面4においては、ダイシングによる表面粗さが残るため、毛細管現象によってダイボンド樹脂10の上昇を促進する力が働く。その結果、半導体基板1の側面4を伝って表面電極3までダイボンド樹脂10が這い上がる場合がある。なお、ダイボンド樹脂10がダイシング面を這い上がる高さ(距離)は、ダイボンド樹脂に働く表面張力、ダイシング面の濡れやすさ、ダイボンド樹脂の密度によって決まる。
従来、図16のように、ダイボンド樹脂10が這い上がり、表面電極3にまで達する場合があり、ダイボンド樹脂10が表面電極3のうち、ワイヤボンディングを行うパッド電極等に付着してワイヤ不着が起きたり、ダイボンド樹脂10が外観上の不良と判定されたりする原因となっていた。
実施の形態1において、保護膜としてポリイミド膜2などの樹脂を用いた場合、ダイボンド樹脂10に対する濡れ性が良いので、ダイボンド樹脂はポリイミド膜2上も這い上がり、ブリードアウト現象を防止できない場合があった。
図17に、本実施の形態に係る半導体装置において、ポリイミド膜2付近を拡大した断面図を示す。本実施の形態では、ポリイミド膜2の表面にフッ化処理を実施して撥水化する。撥水化されたポリイミド膜2はダイボンド樹脂10に対する濡れ性が低下するので、図17で示すように、ポリイミド膜2上をダイボンド樹脂10が這い上がるのを抑制し、表面電極3にまで達することを抑制することができる。
本実施の形態において、保護膜として用いる樹脂の撥水化処理であるフッ化処理では、例えばCF、C、CHF、SFなどのフッ化ガスを導入したチャンバー内をプラズマ雰囲気にし、当該チャンバー内で樹脂表面を改質する。すなわち、ポリイミド膜2等の高分子膜を形成するC−CあるいはC−H結合を分離し、その最表面にFラジカルを供給し、F終端させることで撥水性を持たせることができる。
フッ化処理はプリント配線基板11への実装時にダイボンド樹脂10の這い上がりを抑制できれば良いので、半導体ウエハ14から半導体チップ20を切り出す前でも後でも、実装前に行えばいつでも良い。
本実施の形態を用いれば、チッピングの抑制と同時に、撥水化処理によってブリードアウト現象を抑制する効果が容易に得られる。
尚、本実施の形態では、樹脂を撥水化処理してブリードアウト現象を抑制する効果が得られたが、保護膜に金属を用いた場合には、金属は撥水性を有するため、特別な撥水化処理をしなくても、本実施の形態と同じ効果がある程度得られる。
本実施の形態では、半導体基板1の裏面はダイボンド樹脂10を介してプリント配線板11と接続されるが、半導体基板1の裏面に裏面電極が形成されていても良いことは言うまでもない。
尚、本発明の実施の形態2では本発明の実施の形態1と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略した。
1 半導体基板、2 ポリイミド、3 表面電極、4 側面、5 段差、6 表面側角部、7 側面側角部、8 底面角部、9 チッピング領域、10 ダイボンド樹脂、11 プリント配線基板、14 半導体ウエハ、15 レジストパターン、16 溝部、17 感光性ポリイミド、20 半導体チップ。

Claims (7)

  1. ダイボンド樹脂を介して基板に実装される半導体装置であって、
    表面端部が窪むことによって設けられた段差を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の表面上に形成された電極と、
    前記段差の表面側角部を被覆する保護膜と、
    を備え、
    前記保護膜は、樹脂からなり撥水性を有する、半導体装置。
  2. 前記保護膜は、前記段差の底面まで被覆するように設けられたこと
    を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体基板は、エピタキシャル層を有するエピタキシャル基板であり、
    前記段差の深さが、前記エピタキシャル層の厚さよりも深いこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記保護膜は、前記半導体基板の外周縁に沿って設けられていること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記保護膜は、ポリイミド膜であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. ダイボンド樹脂を介して基板に実装される半導体装置を製造する方法であって、
    半導体ウエハに溝部を形成する工程と、
    前記半導体ウエハの表面から前記溝部の側壁に跨って、前記ウエハの表面及び前記溝部の内部に樹脂からなる保護膜を形成する工程と、
    前記溝部の底面の前記保護膜を除去するようにパターニングする工程と、
    前記溝部の前記保護膜が除去された領域をダイシングする工程と、
    前記保護膜を撥水化する工程と、
    を備えた半導体装置の製造方法。
  7. 前記撥水化する工程は、フッ化処理を実施すること
    を特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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