JP6809073B2 - 立体造形材料セット、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形材料セット、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、立体造形材料セット、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置に関する。
従来、歯の補綴物(人工歯)は、コバルトクロム合金等の金属材料、ジルコニア等のセラミックス材料、フィラーを複合したハイブリッドレジン等の有機材料などから作られ使われてきた。これらの人工歯は機能不全の咬合機能を代行するものであるが、前記人工歯の材料の多くは、磨耗や腐食等の経時変化を起こすのみならず、天然歯に比べて白味が強いなど、審美性の観点でも問題点がある。この問題点を解消することが期待されている材料としては、例えば、ジルコニアが知られている。前記ジルコニアは透明性を持っており、色のグラデーションを付加すれば天然歯と並べても違和感の無い人工歯の作成が可能である。しかし、前記ジルコニアは極めて硬い材料であり、補綴物として扱うためには、所望の形状に成型加工する必要があるため、多くの時間を要するのみならず、特にCAD/CAMのような切削の場合であると内部構造を有した繊細な加工は不可能である。
一方、前記粉末積層造形においては内部構造を有した繊細な加工が可能であると期待され、レーザーや電子線を用いた方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、結合剤材料をインク中に添加した後、粉末成分上にインクジェット方式にてインクを着弾させることにより化学反応を起こさせて三次元形状を得るコンポーネントを作製する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、バインダー成分をインク中に添加した後、粉末粒子上にインクを着弾させることにより粒子をバインドする成形体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
本発明は、高融点かつ高硬度材料を用いた複雑な立体形状の立体造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で製造し得る立体造形材料セットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形材料セットは、溶媒、有機化合物A、及び無機粒子を含む第一の立体造形用液体材料と、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含む第二の立体造形用液体材料と、を有する。
本発明によると、高融点かつ高硬度材料を用いた複雑な立体形状の立体造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で製造し得る立体造形材料セットを提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す概略図である。
(立体造形材料セット)
本発明の立体造形材料セット(「積層造形材料セット」とも称することがある)は、溶媒、有機化合物A、及び無機粒子を含む第一の立体造形用液体材料(「第一の積層造形用液体材料」、「スラリー」とも称することがある)と、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含む第二の立体造形用液体材料(「第二の積層造形用液体材料」とも称することがある)と、を有し、前記有機化合物Aを溶解する立体造形用液体材料(「第三の積層造形用液体材料」とも称することがある)を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の材料を有してなる。
本発明の立体造形材料セットは、レーザーや電子線を用いた従来の方法においては粉末の搬送をしなければならず、ジルコニアのような焼結を必要とするセラミックスにおいては、焼結性を担保させるために小粒径化した場合に、ジルコニアの流動性が著しく悪化してしまい、搬送できなくなるという知見に基づくものである。
また、レーザーや電子線を用いた従来の方法では、人工歯に対して、グラデーションを付加することができないが、インクジェット方式であれば、第二の立体造形用液体材料側に色材を含有させることで造形時のグラデーション付加が可能であり、更なる高付加価値化が期待できる。
さらに、本発明の立体造形材料セットは、従来のコンポーネントを作製する方法では、積極的に架橋を起こさせる成分がインク側のみに入っているため、インクが着弾してから反応が終わるまである程度の時間を要するだけでなく、結合強度も十分得られないため、強度が高く高精度なグリン体を素早く得ることができないという問題があるという知見に基づくものである。
またさらに、本発明の立体造形材料セットは、従来の成形体の製造方法では、バインダーで粒子を相互に結合させるため、バインダーが乾燥しないと十分なバインド効果が得られないことや、バインダーが乾燥して固まっているだけであり、十分な結合強度も得られないため、強度が高く高精度なグリン体を素早く得ることができないという問題があるという知見に基づくものである。
一方、前記第一の立体造形用液体材料は、溶媒が揮発することにより、前記有機化合物Aと前記無機粒子とからなる乾固体になり、特に前記有機化合物Aがバインダーとしての機能を示す場合は、硬く強度のある乾固体になる。したがって、前記第二の立体造形用液体材料中の有機化合物Bが前記有機化合物Aと反応して硬化(領域Aとする)しても、第二の立体造形用液体材料が付与されていない乾固化した未反応領域(領域Bとする)が周囲に存在することにより、前記領域Aと領域Bの強度差が小さくなり、最終的に必要とする領域Aのみを取り出すことが困難となる。
しかし、前記領域Bは、前記有機化合物Aが未反応な状態にて存在しているため、前記有機化合物Aに対して塩を形成する材料を全体に付与すれば、領域Aの形状は保持したまま、領域Bのみを可溶化させ形状を崩壊することが可能となる。この前記有機化合物Aを可溶化する液体材料、即ち、前記領域Bのみを崩壊する液体材料が前記第三の立体造形用液体材料である。
<第一の立体造形用液体材料(第一の積層造形用液体材料)>
前記第一の立体造形用液体材料(第一の積層造形用液体材料)は、溶媒、有機化合物A、及び無機粒子を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<無機粒子>>
前記無機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セラミックス粒子、金属粒子などが挙げられる。
前記無機粒子としては、生体適合性を有することが好ましい。
<<<セラミックス粒子>>>
前記セラミックス粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子、二ケイ酸リチウム粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジルコニア粒子が好ましい。前記セラミックス粒子としてジルコニア粒子を用いる場合は、安定化剤としてのイットリアやセリア等を含有してもよい。
前記セラミックス粒子の体積平均粒径としては、前記第一の立体造形用液体材料中において、5μm未満が好ましく、1μm未満がより好ましい。前記体積平均粒径が5μm未満であると、グリンシート又はグリン体の密度が低くなることを防止し、良好に焼結することができ、力学的強度を向上できる。前記セラミックス粒子の体積平均粒子径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。なお、前記グリンシート又はグリン体は、スラリーとバインダーの混錬物であるコンパウンドを射出成型したシート又は成型体である。
前記ジルコニア粒子は、極めて高い融点を持つことから、体積平均粒径を小さくしないと焼結できない。理想とする体積平均粒径は数十nmオーダーであり、1μm以上になると粒子間隙が多く残存するため、焼結することが困難となる。通常の積層造形を行う上では、ジルコニア粒子を含む材料を供給槽から造形槽へ搬送する必要があるが、前記材料を構成する粒子のサイズが小さいと、粒子間力が強く働き、流動性が著しく悪化してしまう傾向にある。したがって、焼結性を保持しつつ流動性を向上させるためには、体積平均粒径を数百nmオーダー以下で維持しながらスラリー化し、ハンドリングできるようにする必要がある。
前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤(イットリア、セリア等)の含有量としては、前記第一の立体造形用液体材料全量に対して、2質量%以上6質量%以下が好ましく、3質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、2質量%以上6質量%以下であると、安定化剤としての機能が十分に発揮され、焼成時にクラックが生じることが少なくなる。
前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法により測定することができる。
前記ジルコニア粒子の単斜晶相率としては、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。前記単斜晶相率が、30%以下であると、正方晶相率が適切となり、力学的強度が良好である。前記無機粒子の単斜晶相率は、例えば、X線粉末回折装置を用いて、所定の条件で測定することができる。
前記セラミックス粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱分解法、共沈法、加水分解法などが挙げられる。これらの中でも、ジルコニア粒子においては熱分解法、共沈法が好ましい。
前記熱分解法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を所定量混合し、塩化ナトリウム(又は塩化カリウム)をオキシ塩化ジルコニウム全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下添加し、混合する方法などが挙げられる。この混合液を噴霧乾燥法等の瞬間乾燥を行い、乾燥粉末が得られる。
前記瞬間乾燥とは、10秒間以内に乾燥できる手法であり、乾燥温度は200℃以上の加熱空気中で行うことが好ましい。次に、前記乾燥粉末を空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で熱分解させることにより、酸化物仮焼粉末が得られる。前記酸化物仮焼粉末を湿式粉砕法で粉砕径を2μm以下になるように粉砕し、水洗する。
前記水洗の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メンブレンフィルターを使用した連続式洗浄ろ過法が好ましい。前記水洗により、無機粒子中のナトリウム(又はカリウム)濃度が酸化物に換算した量として10ppm以上100ppm以下の範囲になるように十分に水洗する。前記水洗後のスラリーを乾燥させることにより、無機粒子(ジルコニア粉末)が得られる。
前記共沈法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を混合する方法などが挙げられる。ここで特にオキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウムからのそれぞれの水和物が析出するpHを一定にするように金属錯体を形成させるため、硫酸ナトリウム(又は硫酸カリウム)をジルコニアに対しモル比が好ましくは0.3以上0.7以下となるように添加し、50℃以上100℃以下の温度で数時間以上反応させる。この混合液に水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリ水溶液を攪拌しながら加え、水溶液のpHを8以上10以下とする。得られた共沈水和物微粒子を十分水洗し、酸化物に換算したときのナトリウム(又はカリウム)が10ppm以上100ppm以下の範囲となっていることを確認する。水洗後の水和物微粒子を脱水及び乾燥させ、空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で焼成することで酸化物仮焼粉末を得る。得られた酸化物仮焼粉末を2μm以下まで湿式粉砕し、乾燥することにより無機粒子(ジルコニア粉末)が得られる。
<<<金属粒子>>>
前記金属粒子としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン粒子、チタン合金粒子、コバルト/クロム合金粒子、ステンレス合金粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、チタン粒子、チタン合金粒子が好ましい。
前記金属粒子の体積平均粒径としては、50μm未満が好ましく、10μm未満がより好ましい。前記体積平均粒径が、50μm未満であると、粒子間隙を少なくでき、グリンシート又はグリン体の密度を高くできることにより、焼結時の焼成収縮を小さくでき、寸法精度を向上できる。前記金属粒子の体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記無機粒子の含有量としては、前記第一の立体造形用液体材料(スラリー)100質量部に対して、20質量部以上70質量部以下が好ましい。前記含有量が、20質量部以上であると、揮発する溶媒量が相対的に少なくでき、グリンシート又はグリン体の密度を高くすることができ、70質量部以下であると、スラリーとしての流動性を向上でき、ドクターブレード等によるスラリー搬送を良好に行うことができる。
<<有機化合物A>>
前記有機化合物Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記有機化合物Aとしては、塩基性官能基と反応性を有する酸性官能基を有することが好ましい。
前記酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。
前記酸性官能基を有する有機化合物Aとしては、例えば、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、塩基性官能基との反応性が高い点から、ポリアクリル酸が好ましい。
前記ポリアクリル酸の重量平均分子量(Mw)としては、400,000以上が好ましく、400,000以上1,000,000以下がより好ましく、600,000以上800,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、400,000以上であると、塩基性官能基を有する前記第二の立体造形用液体材料中の有機化合物Bとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、1,000,000以下であると、スラリーの粘度が適切であり、得られるスラリー中での無機粒子のバラツキが生じない傾向にある。前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、単離したポリアクリル酸の分子量分布を求めて、これを基に重量平均分子量を算出することができる。
前記有機化合物Aの含有量としては、前記無機粒子100質量部に対して、5質量部以上110質量部以下が好ましい。前記含有量が、5質量部以上であると、結着効果を十分に得ることができ、スラリー中での無機粒子の分散状態が良好になり、分散安定性を向上できる。一方、前記含有量が、110質量部以下であると、スラリーの粘度を低くでき、ドクターブレード等によるスラリーの搬送を良好に行うことができる。前記有機化合物Aの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
<<溶媒>>
前記溶媒としては、前記有機化合物Aを溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール、トルエン(沸点:110.6℃)等の極性溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリンシート又はグリン体造形の生産性を向上の点から、沸点が低い有機溶剤が好ましく、沸点が80℃以下である有機溶剤がより好ましい。
前記沸点が80℃以下である有機溶剤としては、例えば、エタノール(沸点:78.37℃)、メタノール(沸点:64.7℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、アセトン(沸点:56℃)、塩化メチレン(沸点:39.6℃)などが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脱水縮合剤、分散剤、可塑剤、焼結助剤などが挙げられ、特に脱水縮合剤を添加することが好ましい。前記第一の立体造形用液体材料が、前記分散剤を含むと、前記無機粒子の分散性を改善し、静止時の沈降を抑制することができる点で好ましく、グリンシート又はグリン体を造形する際に無機粒子が連続して存在しやすくなる。また、前記可塑剤を含むと、前記第一の立体造形用液体材料からなるグリンシート又はグリン体前駆体が乾燥した際に亀裂が入りにくくなる点で好ましい。前記焼結助剤を含むと、得られた積層造形物につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
<<<脱水縮合剤>>>
前記脱水縮合剤は、前記第一の立体造形用液体材料、及び前記第二の立体造形用液体材料の少なくともいずれかに添加することが好ましい。さらに、添加した場合において得られた立体造形物を加熱処理することがより好ましい。脱水縮合剤の添加や立体造形物の加熱により前記有機化合物Aと前記有機化合物Bの間の静電的な相互作用による架橋の一部に共有結合を形成することができ、静電相互作用の結合と共有結合が立体造形物中にて混在することになる。前記静電的な相互作用の結合は、水親和性が高いため吸水して膨潤することにより曲げ弾性率や硬度が低下する傾向にあるが、共有結合を有することにより立体造形物の硬度を一定以上保つことができる。その結果、後述する除去工程において立体造形物を取り出す際、変形や欠けなく容易に取り出すことができる。
前記脱水縮合剤とは、付加脱離反応によってエステル・アミド結合等のカルボン酸誘導体を合成するための反応試薬を意味する。
前記脱水縮合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボジイミド縮合剤、イミダゾール縮合剤、トリアジン縮合剤、ホスホニウム縮合剤、ウロニウム縮合剤、ハロウニウム縮合剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボジイミド縮合剤としては、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドなどが挙げられる。
前記イミダゾール縮合剤としては、N,N’−カルボニルジイミダゾール、1,1’−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)などが挙げられる。
前記トリアジン縮合剤としては、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリドn水和物、トリフルオロメタンスルホン酸(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−(2−オクトキシ−2−オキソエチル)ジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記ホスホニウム縮合剤としては、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、クロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オンなどが挙げられる。
前記ウロニウム縮合剤としては、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、O−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、O−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、O−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、S−(1−オキシド−2−ピリジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルチウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、O−[2−オキソ−1(2H)−ピリジル]−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、{{[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ]オキシ}−4−モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩などが挙げられる。
前記ハロウニウム縮合剤としては、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロリン酸塩、1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロリン酸塩、2−フルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロリン酸塩、フルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロリン酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、水やアルコール等の極性溶媒中にて反応が起こるトリアジン縮合剤として、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリドn水和物(DMT−MM)が好ましい。
前記脱水縮合剤の含有量としては、立体造形物の硬度の観点から、前記第一の立体造形用液体材料、及び前記第二の立体造形用液体材料の少なくともいずれか100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下が好ましい。
<第二の立体造形用液体材料(第二の積層造形用液体材料>
前記第二の立体造形用液体材料は、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含み、更に必要に応じて、水性媒体、その他の成分を含有してなる。
前記第二の立体造形用液体材料のアミン価としては、100mgKOH/g以上が好ましく、100mgKOH/g以上1,000mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以上300mgKOH/g以下が特に好ましい。前記アミン価が、100mgKOH/g以上であると、塩基性を示す部位が多いため、酸性官能基を持つ前記第一の立体造形用液体材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記アミン価が、1,000mgKOH/g以下であると、第二の立体造形用液体材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記アミン価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の滴定装置を選択することができ、例えば、自動滴定装置COM−1500(平沼産業株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
<<有機化合物B>>
前記有機化合物Bとしては、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記有機化合物Bとしては、酸性官能基と反応性を有する塩基性官能基を有することが好ましい。
前記塩基性官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基などが挙げられる。
前記アミノ基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基などが挙げられる。
前記アミノ基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミンなどが挙げられる。
前記ポリエチレンイミンとしては、分岐型であることが好ましい。
前記アミド基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリウレタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)としては、1,800以上が好ましく、1,800以上70,000以下がより好ましく、3,000以上20,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,800以上であると、酸性官能基を持つ前記第一の立体造形用液体材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、70,000以下であると、第二の立体造形用液体材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。
前記ポリアリルアミンの重量平均分子量(Mw)としては、1,600以上が好ましく、1,600以上50,000以下がより好ましく、1,600以上25,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,600以上であると、酸性官能基を持つ前記第一の立体造形用液体材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、50,000以下であると、第二の立体造形用液体材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。
前記有機化合物Bの含有量としては、前記第二の立体造形用液体材料100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下が好ましい。前記含有量が、3質量部以上であると、前記第一の立体造形用液体材料中の有機化合物Aとの架橋構造を十分に構築でき、得られるグリンシート又はグリン体の強度を向上できる。一方、前記含有量が、20質量部以下であると、第二の立体造形用液体材料の粘度を低くでき、吐出安定性を向上できる。
前記有機化合物Bの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記有機化合物Bのアミン価としては、300mgKOH/g以上1,500mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以上1,200mgKOH/g以下がより好ましく、400mgKOH/g以上1,200mgKOH/g以下が特に好ましい。前記アミン価が、300mgKOH/g以上であると、塩基性を示す部位が多いため、酸性官能基を持つ前記第一の立体造形用液体材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記アミン価が、1,500mgKOH/g以下であると、第二の立体造形用液体材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記アミン価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の滴定装置を選択することができ、例えば、自動滴定装置COM−1500(平沼産業株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
[有機化合物Aと有機化合物Bとの間の新規共有結合の確認方法]
前記有機化合物Aと前記有機化合物Bとの間の新規共有結合の確認は、固体高分解能13C−NMR(装置名:ECX−500 NMR、日本電子株式会社製)スペクトルを用いて、測定することにより確認することができる。なお、測定条件、及び測定試料は、下記の通りである。
−測定条件−
・積算回数40,000回
・C.T. =2msec
・SW =240ppm
・Offset =110ppm
・Rotation =16kHz(127.2ppm)
・X_amp_CP =52.7%
・X_amp_grad =22.0%
−測定試料−
・有機化合物A単独
・有機化合物B単独
・有機化合物Aと有機化合物Bとをモル比1:1になるように高純水中にて混合させて恒温槽により50℃条件下で24時間乾燥させた試料
・有機化合物Aと有機化合物Bと縮合剤とをモル比1:1:1になるように高純水中で混合させて、恒温槽により50℃条件下で24時間乾燥させた試料
・有機化合物Aと有機化合物Bとをモル比1:1になるように高純水中で混合させてホットプレートにより150℃条件下で加熱した試料
<<水性媒体>>
前記水性媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、脱水縮合剤、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記第二の立体造形用液体材料は、各種の積層造形物、構造体の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置に特に好適に用いることができる。
<第三の立体造形用液体材料(第三の積層造形用液体材料>
前記第三の立体造形用液体材料は、前記有機化合物Aを溶解するアルカリ金属水酸化物を含み、更に必要に応じて、水性媒体、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
<<アルカリ金属水酸化物>>
前記アルカリ金属水酸化物としては、前記有機化合物Aに対して反応性を示し、塩を形成すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記有機化合物Aと塩を形成する物質などが挙げられる。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。なお、前記反応性とは、前記有機化合物Aの酸性基に対してイオン的相互作用を示し、塩を形成することを意味する。
前記第三の立体造形用液体材料としては、複数のアルカリ金属水酸化物を含むことが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物の含有量としては、前記第三の立体造形用液体材料100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。前記含有量が1質量部以上であると、前記第一の立体造形用液体材料中の有機化合物Aとの塩が十分に形成でき、前記第二の立体造形用液体材料中の有機化合物Bと反応した有機化合物A以外の部位(未反応の有機化合物A)のみを溶解させることができるため、得られるグリンシート又はグリン体を損傷無く取り出すことができる。一方、前記含有量が、20質量部以下であると、前記第三の立体造形用液体材料の粘度を低くでき、前記グリン体の細かい部分まで液体材料が浸漬し、グリン体をより精度よく取り出すことができる。
<<水性媒体>>
前記水性媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤としては、前記有機化合物Aに対して反応性を示さなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、ジスルホン酸塩、コール酸塩、デオキシコール酸塩などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤などが挙げられる。
[立体造形物の焼結後密度]
前記立体造形物の焼結後密度としては、93%以上が好ましい。前記立体造形物の焼結後密度は、JIS−R−1634に基づいて、株式会社エー・アンド・デイ製のAD−1653を用いて測定することができる。
[立体造形物の焼結後のロックウェル硬度]
前記立体造形物の焼結後のロックウェル硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ジルコニア粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後のロックウェル硬度としては、70HRA以上が好ましく、80HRA以上がより好ましい。
前記二ケイ酸リチウム粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後のロックウェル硬度としては、50HRA以上が好ましく、60HRA以上がより好ましい。
前記チタン粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後のロックウェル硬度としては、50HRA以上が好ましく、60HRA以上がより好ましい。
前記窒化珪素粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後のロックウェル硬度としては、50HRA以上が好ましく、55HRA以上がより好ましい。
前記ロックウェル硬度は、例えば、JIS−Z−2245に基づいて、株式会社ミツトヨ製のHR−110MRを用いて測定することができる。
[立体造形物の焼結後の曲げ強度、又は耐力]
前記立体造形物の焼結後の曲げ強度、又は耐力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ジルコニア粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、400MPa以上が好ましく、800MPa以上がより好ましい。
前記二ケイ酸リチウム粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、200MPa以上が好ましく、350MPa以上がより好ましい。
前記チタン粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の耐力としては、240MPa以上が好ましく、400MPa以上がより好ましい。
前記窒化珪素粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、600MPa以上が好ましく、800MPa以上がより好ましい。
前記曲げ強度は、ISO−6871に基づいて、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いて測定することができ、前記耐力は、JIS−T6123に基づいて、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いて測定することができる。
(立体造形物(積層造形物)の製造方法、及び立体造形物(積層造形物)の製造装置、並びに歯科用補綴物の製造方法及び歯科用補綴物の製造装置)
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造方法は、層形成工程、液体材料付与工程を含み、層乾燥工程、未反応領域の除去工程、及び焼結工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明で用いられる立体造形物(積層造形物)の製造装置は、液体材料層保持手段、層形成手段、及び液体材料付与手段を有し、層乾燥手段、未反応領域の除去手段、及び焼結手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造方法は、本発明で用いられる立体造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記液体材料付与工程は、前記液体材料付与手段により好適に実施することができ、前記未反応領域の除去工程は、前記未反応領域の除去手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
前記歯科用補綴物の製造方法は、本発明で用いられる歯科用補綴物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記液体材料付与工程は、前記液体材料付与手段により好適に実施することができ、前記未反応領域の除去工程は、前記未反応領域の除去手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
<層形成工程及び層形成手段>
前記層形成工程は、本発明の前記第一の立体造形用液体材料を用いて第一の立体造形用液体材料層を形成する工程である。
前記層形成手段は、本発明の前記第一の立体造形用液体材料を用いて第一の立体造形用液体材料層を形成する手段である。
−支持体−
前記支持体(液体材料層保持手段)としては、前記第一の立体造形用液体材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第一の立体造形用液体材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記第一の立体造形用液体材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
−第一の立体造形用液体材料層の形成−
前記第一の立体造形用液体材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)を薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記スラリー材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記スラリー材料層の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記カウンター回転機構(カウンターローラ)、前記ブラシ乃至ブレード、前記押圧部材などを用いて、前記支持体上に前記スラリー材料を載置させるには、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称されることもある)内に、前記外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された前記支持体上に前記スラリー材料を、前記カウンター回転機構(カウンターローラ)、前記ブラシ、ローラ又はブレード、前記押圧部材などを用いて載置させる。このとき、前記支持体として、前記外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、前記支持体を前記外枠の上端開口部よりも少しだけ下方の位置に配し、即ち、前記第一の立体造形用液体材料層(スラリー材料層)の厚み分だけ下方に位置させておき、前記支持体上に前記スラリー材料を載置させる。以上により、前記スラリー材料を前記支持体上に薄層に載置させることができる。
なお、このようにして薄層に載置させた前記スラリー材料に対し、レーザーや電子線、或いは、第二の立体造形用液体材料を作用させると硬化が生ずる。ここで得られた薄層の硬化物上に、上記と同様にして、前記スラリー材料を薄層に載置させ、この薄層に載置された前記スラリー材料(層)に対し、前記レーザーや電子線、或いは第二の立体造形用液体材料を作用させると硬化が生ずる。このときの硬化は、前記薄層に載置された前記スラリー材料(層)においてのみならず、その下に存在する、先に硬化して得られた前記薄層の硬化物との間でも生ずる。その結果、前記薄層に載置された前記スラリー材料(層)の約2層分の厚みを有する硬化物(立体造形物)が得られる。
また、前記スラリー材料を前記支持体上に薄層に載置させるには、前記公知の粉末積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。前記粉末積層造形装置は、一般に、前記スラリー材料を積層するためのリコーターと、前記スラリー材料を前記支持体上に供給するための可動式供給槽と、前記粉末材料を薄層に載置し、積層するための可動式成形槽とを備える。前記粉末積層造形装置においては、前記供給槽を上昇させるか、前記成形槽を下降させるか、又はその両方によって、常に前記供給槽の表面は前記成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができ、前記供給槽側から前記リコーターを用いて前記粉末材料を薄層に配置させることができ、前記リコーターを繰り返し移動させることにより、薄層の前記スラリー材料を積層させることができる。この粉末積層造形装置をそのままスラリー積層用に置き換えてもよいし、リコーター部分をシート成形用のドクターブレードに変えてもよい。
前記スラリー材料層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一層当たりの平均厚みで、3μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、3μm以上であると、立体造形物が得られるまでの時間が適正であり、焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない。一方、前記平均厚みが、200μm以下であると、立体造形物の寸法精度が充分に得られる。なお、前記平均厚みは、公知の方法に従って測定することができる。
前記スラリー材料層から溶媒が揮発した後の表面粗さ(Ra)としては、0.1μm以上10μm以下が好ましい。前記表面粗さ(Ra)が、0.1μm以上であると、適度に表面が荒れることでインクの浸透性を促すことができ、10μm以下であると、第二の立体造形用液体材料の量が積層面に対して均一に付与することができる。また、前記スラリー材料層の表面粗さ(Ra)が上記範囲であると、造形で得られたグリン体における層間の接着力を十分に得ることができる。
また、スラリーが乾燥工程を経て乾燥して安定になった状態での表面粗さが0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。スラリーの状態が安定であると、積層時ごとのばらつきを小さくすることができる。
前記表面粗さ(Ra)の測定は、以下のようにして行うことができる。前記スラリー材料層は、第一の立体造形用液体材料(スラリー)を敷き、必要に応じて溶剤の除去などを施し、第二の立体造形用液体材料を付与する前の状態にする。このときの第一の立体造形用材料の層について、レーザー顕微鏡(装置名:VK−X250、株式会社キーエンス製)を用いて層表面の5箇所を任意に選択して測定する。対物レンズは20倍を用い、得られた測定値から平均値を求め、表面粗さ(Ra)とする。
<層乾燥工程及び層乾燥手段>
前記層乾燥工程は、前記層形成工程後、前記液体材料付与工程前において、得られたスラリー層を乾燥させる工程であり、層乾燥手段により行われる。もちろん自然乾燥を行ってもよい。前記層乾燥工程において、前記スラリー層中に含まれる水分(溶媒)を揮発させることができる。なお、前記層乾燥工程としては、スラリー層から溶媒をすべて除去せず、半乾燥状態とすることが好ましい。前記層乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
前記層乾燥工程における乾燥時間は適宜変更することができる。前記乾燥時間を長くすれば、前記層乾燥工程後の液体材料付与工程で付与される液体材料の横方向への染み出しが抑制され、造形精度が向上するが、層間の接着力が弱くなる傾向にある。一方、前記乾燥時間を短くすれば、層間での粒子移動が起こり、層間の接着力が強くなるが、前記層乾燥工程後の液体材料付与工程で付与される液体材料の横方向への染み出しが発生し、造形精度が悪化する傾向にある。これは用いる材料種によって適宜選択すればよい。
<液体材料付与工程及び液体材料付与手段>
前記液体材料付与工程は、前記スラリー材料層に、水性媒体を含む第二の立体造形用液体材料(積層造形用材料)を前記第一の立体造形用液体材料層の所定領域に付与する工程である。
前記液体材料付与手段は、前記スラリー材料層に、水性媒体を含む第二の立体造形用液体材料(積層造形用材料)を前記第一の立体造形用液体材料層の所定領域に付与する手段である。
前記第二の立体造形用液体材料の前記スラリー材料層への付与の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などで用いられている液体吐出手段などが挙げられる。本発明においては、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で、前記インクジェット方式で用いられる液体吐出手段(圧電アクチュエーター等の振動素子を用い、複数ノズルから液滴を吐出するもの)が好ましい。
<立体造形物(グリン体)の加熱工程>
前記立体造形物(グリン体)は、赤外線ヒーター、ホットプレート、高温加熱炉等により加熱することが好ましい。例えば、ポリアクリル酸とポリエチレンイミンとのポリイオンコンプレックスを150℃以上にて10分間〜15分間以上加熱することにより、静電的相互作用の架橋の一部を化学結合であるアミド結合(共有結合)にすることができることが知られている(Advances in Colloid and Interface Science 158 (2010) 84−93参照)。
前記加熱工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、繰り返し積層後、未反応スラリー材料の除去工程前に行うことが好ましく、また、ポリイオンコンプレックスの静電的相互作用による結合を脱水縮合反応させてアミド結合等の共有結合を形成することが可能になる温度から、完全に脱水縮合反応が進みすぎずに静電的相互作用による結合が存在する範囲にて行うことが好ましい。加熱による脱水反応が十分に進みすぎると立体造形物(グリン体)が脆くなることがある。立体造形物が脆くなると、欠けなどの不具合なく第二の立体造形用材料が付与された領域のみを立体造形物として取り出すことが難しくなる。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上300℃以下が好ましく、100℃以上200℃以下がより好ましい。
<除去工程及び除去手段>
前記除去工程は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物を前記第三の立体造形用液体材料に浸漬して未反応のスラリー材料を除去する工程である。前記除去工程において、前記未反応のスラリー層中に含まれる前記有機化合物Aを塩にし、水溶性を付与することができる。なお、前記除去手段としては、例えば、静置による崩壊、超音波照射による崩壊、液体攪拌による崩壊などが挙げられる。
前記除去工程における除去時間は適宜変更することができる。前記除去時間を長くすれば、前記有機化合物Aと前記有機化合物Bとの反応物中に含まれる微小の酸性基が反応し水溶性となるため、前記液体材料付与工程で得られた硬化物が崩壊する傾向にある。一方、前記除去時間を短くすれば、前記未反応のスラリー層中に含まれる酸性基が十分に反応しないため、除去が不十分になる傾向にある。これは用いる材料種によって適宜選択すればよい。
<焼結工程及び焼結手段>
前記焼結工程は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物(グリン体)を焼結する工程であり、焼結手段により行われる。前記焼結工程を行うことにより、前記硬化物を一体化された成形体(焼結体)とすることができる。
前記焼結手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
前記焼結工程としては、前記のように硬化物を得てから焼結する方法以外にも、第一の立体造形用液体材料を積層する段階で焼結する方法がある。前記第一の立体造形用液体材料を積層する段階で焼結する方法は、前記第一の立体造形用液体材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記第一の立体造形用液体材料層を焼結する方法である。
−レーザー照射−
前記レーザー照射におけるレーザーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、COレーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。前記レーザー照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、小型レーザーを用いる場合、前記粉末材料を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、レーザー照射により接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、COレーザーを用いることが好ましい。照射条件としては、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mm程度が好ましい。
−電子線照射−
前記電子線照射としては、前記第一の立体造形用液体材料中の無機粒子が溶融するエネルギーの電子線を照射すること以外の制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記第一の立体造形用液体材料は真空環境下で扱われる必要がある。前記電子線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、表面保護工程、塗装工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、表面保護手段、塗装手段などが挙げられる。
−表面保護工程及び表面保護手段−
前記表面保護工程は、前記液体材料付与工程、又は前記焼結工程において形成した立体造形物に保護層を形成する工程である。前記表面保護工程を行うことにより、前記立体造形物を、例えば、そのまま使用等することができる耐久性等を前記立体造形物の表面に与えることができる。
前記保護層としては、例えば、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。
前記表面保護手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
−塗装工程及び塗装手段−
前記塗装工程は、前記立体造形物に塗装を行う工程である。この塗装工程を行うことにより、前記立体造形物に所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
ここで、図1に本発明で用いられる立体造形物の製造装置の一例を示す。この図1の立体造形物の製造装置は、造形側スラリー貯留槽1と供給側スラリー貯留槽2とを有し、これらのスラリー貯留槽は、それぞれ上下に移動可能なステージ3を有し、該ステージ上にスラリー材料からなる層を形成する。
造形側スラリー貯留槽1の上には、該スラリー貯留槽内の第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)に向けて第二の立体造形用液体材料4を吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給側スラリー貯留槽2から造形側スラリー貯留槽1にスラリー材料を供給すると共に、造形側スラリー貯留槽1のスラリー材料層表面を均す、均し機構6(以下、リコーターということがある)を有する。
造形側スラリー貯留槽1のスラリー材料上にインクジェットヘッド5から第二の立体造形用液体材料4を滴下する。このとき、第二の立体造形用液体材料4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
一層分の描画が終了した後、供給側スラリー貯留槽2のステージ3を上げ、造形側スラリー貯留槽1のステージ3を下げる。その差分のスラリー材料を、前記均し機構6によって、造形側スラリー貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画したスラリー材料層面上に、新たなスラリー材料層が一層形成される。このときのスラリー材料層一層の厚みは、数十μm以上100μm以下程度である。前記新たに形成されたスラリー材料層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して立体造形物が得られる。
図2に、本発明で用いられるスラリー積層造形装置の他の一例を示す。図2の立体造形物の製造方法は、原理的には図1と同じものであるが、第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の供給機構が異なる。即ち、供給側スラリー貯留槽2は、造形側スラリー貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形側スラリー貯留槽1のステージ3が所定量降下し、供給側スラリー貯留槽2が移動しながら、所定量のスラリー材料を造形側スラリー貯留槽1に落下させ、新たなスラリー材料層を形成する。その後、均し機構6で、第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、スラリー材料層の高さを均一に均す。
図2に示す構成の立体造形物の製造装置によれば、2つのスラリー貯留槽を平面的に並べる図1の構成に比べて、装置をコンパクトにできる。
<立体造形物(焼結体)>
前記立体造形物(焼結体)は、本発明の前記立体造形物の製造方法により製造される。
前記立体造形物(焼結体)としては、口腔内の咀嚼力に長期間耐えることができ、審美性を有している点から、人工歯であることが好ましい。
前記人工歯は、う蝕、外傷、歯周病などにより失った天然歯の代わりに、その機能を回復するために作られた人工の歯であり、ブリッジ、クラウン等の歯科用補綴物も含まれる。
本発明の立体造形物の製造方法及び本発明の立体造形物の製造装置によれば、複雑な立体形状の造形物を、本発明の立体造形材料セットを用いて、簡便かつ効率良く、焼結等の前に型崩れが生ずることなく、寸法精度良く製造することができる。こうして得られた立体造形物は、細胞毒性がなく、充分な強度を有し、寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、各種用途に好適に使用される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、型を用いないで積層造形物を製造した例を示したが、これらに制限されるものではない。
(第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の調製例1)
<無機粒子1の合成>
20質量%のオキシ塩化ジルコニウム水溶液に、イットリア及びジルコニアの換算モル比(イットリア:ジルコニア)が2.8:97.2となるように、18質量%の塩化イットリウム水溶液を混合した。これに、塩化ナトリウムをオキシ塩化ジルコニウム全量に対して、0.5質量%添加し溶解した。
次いで、得られた水溶液に塩化アルミニウムをジルコニア全量に対して、アルミナとして0.4質量%となるように添加し溶解した。この水溶液を200℃の温度の空気内で噴霧乾燥し、乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を、空気中で1,000℃の温度で焼成し、仮焼粉末を合成した。得られた仮焼粉末の単斜晶相率は8.2%であった。この仮焼粉末を、湿式アトライターで粉砕して30質量%スラリーを得た。次に、得られたスラリーを、目開き0.5μmのメンブレンフィルターにて希釈・ろ過濃縮を繰り返し、ろ過水の電気伝導度が20μS以下になるまで繰り返し洗浄して、無機粒子1(ジルコニア粒子)を合成した(生体適合性あり)。なお、前記仮焼粉末の単斜晶相率は下記のようにして同定した。
[無機粒子1(ジルコニア粒子)の結晶相率の同定]
合成した無機粒子1としてのジルコニアの結晶相の同定を、X線粉末回折装置(リガク電機株式会社製、RINT1100)を用いて以下の条件で実施した。
[測定条件]
・管球:Cu
・電圧:40kV
・電流:40mA
・開始角度:3°
・終了角度:80°
・スキャンスピード:0.5°/min
なお、ジルコニアの単斜晶相率(%)は、粉末X線回折測定により単斜晶相の111面及び11−1面、正方晶相の111面及び立方晶相の111面の反射ピーク強度Im(111)、Im(11−1)、It(111)、Ic(111)より、下記式(1)により算出した。
[式(1)]
単斜晶相率(%)=[Im(111)+Im(11−1)]/[Im(111)+Im(11−1)+It(111)+Ic(111)]
<第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)1の調製>
無機粒子1(ジルコニア粒子)30.0質量部、重量平均分子量(Mw)が800,000であるポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、AS−58)13.0質量部、可塑剤としてのフタル酸ベンジルブチル(和光純薬工業株式会社製)10.0質量部、セラミックス分散剤(マリアリム、日油株式会社製、AKM−0531)1.5質量部、及びエタノール60.0質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することで第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)1を得た。
得られた第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)1中の無機粒子の体積平均粒径について、以下のように測定した。
−無機粒子の体積平均粒径−
前記第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)1中における前記無機粒子の体積平均粒径は、装置名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver.3.32)(株式会社堀場製作所製)を用いて解析を行った。具体的にはクロロホルムにて光軸調整した後、バックグラウンドを測定した。その後、循環を開始し前記第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)を滴下した。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射した。照射した後に透過率の値が70%以上95%以下の範囲となる条件で体積平均粒径を測定した。体積平均粒径の測定再現性の点から、前記LA−920の透過率の値が70%以上95%以下となる条件で測定した。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行った。前記透過率の値を得るために前記第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の滴下量を調節した。なお、測定及び解析条件は、以下のように設定した。
[測定及び解析条件]
・データ取り込み回数:15回
・相対屈折率:1.20
・循環:5
・超音波強度:7
(第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の調製例2〜26)
<第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)2〜26の調製>
第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の調製例1において、下記表1〜表4の組成、及び含有量に変更した以外は、第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして、第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)2〜26を得た。また、前記無機粒子の体積平均粒径を、第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして測定した。
前記第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)1〜26の組成、及び無機粒子の体積平均粒径を下記表1〜表4に示した。
なお、前記表1〜表4において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA):株式会社日本触媒製、商品名:AS−58
・重量平均分子量(Mw)が400,000のポリアクリル酸B(PAA)、重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解することで得た。
・重量平均分子量(Mw)が300,000のポリアクリル酸C(PAA)は、重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解することで得た。
・重量平均分子量(Mw)が100,000であるポリビニルピロリドン(PVP):株式会社日本触媒製、商品名:K―30
・二ケイ酸リチウム粒子:合成品、生体適合性あり
・チタン粒子:株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ製、生体適合性あり
・窒化珪素粒子:デンカ株式会社製、商品名:SN−9FWS
・4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリドn水和物:和光純薬工業株式会社製
・N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド:和光純薬工業株式会社製
(第二の立体造形用液体材料の調製例1)
<第二の立体造形用液体材料1の調製>
水88.0質量部と、重量平均分子量(Mw)が10,000であるポリエチレンイミンA(PEI、株式会社日本触媒製、SP−200)12.0質量部と、界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)0.5質量部とを、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、第二の立体造形用液体材料1を調製した。前記第二の立体造形用液体材料1のアミン価は、自動滴定装置COM−1500(平沼産業株式会社製)を用いて測定した。
(第二の立体造形用液体材料の調製例2〜19)
<第二の立体造形用液体材料2〜19の調製>
第二の立体造形用液体材料の調製例1において、下記表5〜表7の組成、及び含有量に変更した以外は、第二の立体造形用液体材料の調製例1と同様にして、第二の立体造形用液体材料2〜19を得た。
前記第二の立体造形用液体材料1〜19の組成、及び含有量を下記表5〜表7に示した。
なお、前記表5〜表7において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・重量平均分子量(Mw)が10,000であるポリエチレンイミンA(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP−200、アミン価:1,103mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,800であるポリエチレンイミンB(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP018、アミン価:1,316mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,500であるポリエチレンイミンC(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP015、アミン価:1,377mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が8,000のポリアリルアミンA(PAA):株式会社ニットーボーメディカル製、商品名:PAA−08、アミン価:1,032mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,600のポリアリルアミンB(PAA):株式会社ニットーボーメディカル製、商品名:PAA−01、アミン価:1,238mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,200のポリアリルアミンC(PAA)は、重量平均分子量(Mw)が1,600のポリアリルアミンB(PAA、株式会社ニットーボーメディカル製、商品名:PAA−01)を、超音波装置で分解して得た。アミン価:1,314mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が10,000のポリアクリル酸(PAA)は、重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解して得た。アミン価:0mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が10,000のポリアクリルアミド(PAAm):株式会社ポリサイエンス製、アミン価:274mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が5,000のポリウレタン(PU)は、自社にて合成した。重量平均分子量:5,000、アミン価:281mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,500であるポリビニルピロリドン(PVP):株式会社日本触媒、商品名:K−30、アミン価:306mgKOH/g
・4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリドn水和物:和光純薬工業株式会社製
(第三の立体造形用液体材料の調製例1)
<第三の立体造形用液体材料1の調製>
水89.0質量部と、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)10.0質量部と、界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)1.0質量部とを、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、第三の立体造形用液体材料1を調製した。
(第三の立体造形用液体材料の調製例2〜5)
<第三の立体造形用液体材料2〜5の調製>
第三の立体造形用液体材料の調製例1において、下記表8の組成、及び含有量に変更した以外は、第三の立体造形用液体材料の調製例1と同様にして、第三の立体造形用液体材料2〜5を得た。
前記第三の立体造形用液体材料1〜5の組成、及び含有量を下記表8に示した。
(実施例1)
得られた第一の立体造形用液体材料(スラリー材料)1と、前記第二の立体造形用液体材料1と、前記第三の立体造形用液体材料1とを用いて立体造形材料セット1とし、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、立体造形物(積層造形物)1を以下(1)〜(3)のようにして作製した。
(1)まず、図1に示したような立体造形物の製造装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記スラリー材料1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmのスラリー材料1からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成したスラリー材料1からなる薄層の表面に、前記第二の立体造形用液体材料1を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いてノズルから付与(吐出)し、前記スラリー材料1を硬化させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記スラリー材料1からなる薄層を順次積層して硬化物を得た。得られた硬化物を常温放置にて乾燥し、溶媒を揮発させて、立体造形物1を製造した。得られた立体造形物1を第三の立体造形用液体材料1中に浸漬することにより、硬化していないスラリー材料成分を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。立体造形物1は強度、及び寸法精度に優れていた。
(実施例2〜37、及び比較例1〜7)
実施例1において、下記表9及び10に示すように第一の立体造形用液体材料と第二の立体造形用液体材料と第三の立体造形用液体材料とを組み合わせて立体造形材料セット2〜37を作製した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物2〜37を作製した。
<寸法精度>
次に、得られた立体造形物について、目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、寸法精度を評価した。結果を下記表9及び表10に示した。
[評価基準]
○:得られた立体造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
△:得られた立体造形物の表面に若干の歪みと僅かに反りが生じている状態
×:得られた立体造形物の表面に歪みが生じており、激しく反りが生じている状態
前記(3)で得られた立体造形物について、前記寸法精度を評価した後、以下(4)のようにして焼結処理を行い、焼結後の立体造形物の焼結体を作製した。
(4)無機粒子としてジルコニア粒子を用いた実施例1〜8、及び実施例14〜37における立体造形物は、焼結炉内で空気環境下、1,500℃での焼結処理を行った。
無機粒子として二ケイ酸リチウム粒子を用いた実施例9、及び実施例12における立体造形物は、空気環境下、900℃での焼結処理を行った。
無機粒子としてチタン粒子を用いた実施例10、及び実施例13における立体造形物は、真空環境下、1,100℃での焼結処理を行った。
無機粒子として窒化珪素粒子を用いた実施例11における立体造形物は、真空環境下、1,850℃での焼結処理を行った。
これらの立体造形物の焼結体は完全に一体化された構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
<焼結後の曲げ強度又は耐力、焼結後ロックウェル硬度、焼結後密度、及び焼結性>
次に、得られた焼結後の立体造形物の焼結体について、以下のようにして、焼結性、焼結後ロックウェル硬度、及び焼結後密度を以下の基準にて評価した。結果を下記表9及び表10に示した。
(焼結後の曲げ強度又は耐力)
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、二ケイ酸リチウム粒子、及び窒化珪素粒子)を用いた立体造形物の曲げ強度は、ISO−6871に基づいて、「焼結後の曲げ強度」を測定し、金属粒子(チタン粒子)を用いた立体造形物はJIS−T6123に基づいて、「耐力」を測定して、焼結後の曲げ強度、又は耐力を測定した。なお、前記測定は、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いた。
また、前記焼結後の曲げ強度、及び耐力の測定結果から、下記評価基準に基づいて、立体造形物の「焼結性」を評価した。結果を下記表9及び表10に示した。
[ジルコニア粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、800MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、400MPa以上800MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、400MPa未満
[二ケイ酸リチウム粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、350MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、200MPa以上350MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、200MPa未満
[チタン粒子を用いた場合の評価基準]
○:耐力が、400MPa以上
△:耐力が、240MPa以上400MPa未満
×:耐力が、240MPa未満
[窒化珪素粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、600MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上600MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
(焼結後ロックウェル硬度)
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、二ケイ酸リチウム粒子、及び窒化珪素粒子)、及び金属粒子(チタン粒子)を用いた立体造形物のロックウェル硬度は、JIS−Z−2245に基づいて、「焼結後ロックウェル硬度」を測定した。なお、前記測定は、株式会社ミツトヨ製のHR−110MRを用いた。
また、前記焼結後ロックウェル硬度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、立体造形物の焼結性を評価した。結果を下記表9及び表10に示した。
[ジルコニア粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後のロックウェル硬度が、80HRA以上
△:焼結後のロックウェル硬度が、70HRA以上80HRA未満
×:焼結後のロックウェル硬度が、70HRA未満
[二ケイ酸リチウム粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後のロックウェル硬度が、60HRA以上
△:焼結後のロックウェル硬度が、50HRA以上60HRA未満
×:焼結後のロックウェル硬度が、50HRA未満
[チタン粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後のロックウェル硬度が、60HRA以上
△:焼結後のロックウェル硬度が、50HRA以上60HRA未満
×:焼結後のロックウェル硬度が、50HRA未満
[窒化珪素粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後のロックウェル硬度が、50HRA以上
△:焼結後のロックウェル硬度が、45HRA以上50HRA未満
×:焼結後のロックウェル硬度が、45HRA未満
(焼結後密度)
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、二ケイ酸リチウム粒子、及び窒化珪素粒子)、及び金属粒子(チタン粒子)を用いた立体造形物の焼結後密度は、JIS−R−1634に基づいて、「密度」を測定した。なお、前記測定は、株式会社エー・アンド・デイ製のAD−1653を用いた。
また、前記焼結後密度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、立体造形物の焼結性を評価した。
[評価基準]
○:焼結後密度が、93%以上
△:焼結後密度が、88%以上93%未満
×:焼結後密度が、88%未満
(実施例38)
実施例1において、スラリー材料1をスラリー材料3に、第二の立体造形用液体材料1を第二の立体造形用液体材料18に変更し、第三の立体造形用液体材料1を用いず、立体造形材料セット38とし、さらに、立体造形物1の作製における(1)〜(4)中の(3)を、以下の(3’)に変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物38を得た。
(3’)前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した前記スラリー材料3からなる薄層を順次積層してグリン体の立体造形物を得た。前記グリン体立体造形物を150℃、15分間ホットプレートで加熱した後、グリン体の立体造形物を得た。得られたグリン体の立体造形物を25℃の高純水に30分間浸漬し、取り出しキムタオルで表面の水分を除くことにより、硬化していないスラリー材料成分を除去した。立体造形が硬度としなやかさを両立することにより、欠けなどの形状変形を生ずることなく取り出すことができた。
(実施例39〜48)
実施例38において、下記表11に示すように第一の立体造形用液体材料と第二の立体造形用液体材料とを組み合わせて立体造形材料セット39〜48とした以外は、実施例38と同様にして、立体造形物39〜48を作製した。
[有機化合物Aと有機化合物Bとの間の新規共有結合の確認]
前記有機化合物Aと前記有機化合物Bとの間の新規共有結合の確認は、固体高分解能13C−NMR(装置名:ECX−500 NMR、日本電子株式会社製)スペクトルを用いて測定を行った。その結果、本実施例において、有機化合物Aと有機化合物Bとの間に新規共有結合が形成されることがグリン体を測定することにより確認できた。
−測定条件−
・積算回数40,000回
・C.T. =2msec
・SW =240ppm
・Offset =110ppm
・Rotation =16kHz(127.2ppm)
・X amp CP =52.7%
・X amp grad =22.0%
−測定試料−
・有機化合物A単独
・有機化合物B単独
・有機化合物Aと有機化合物Bとをモル比1:1になるように高純水中にて混合させて恒温槽50℃条件下で24時間乾燥させた試料
・有機化合物Aと有機化合物Bと縮合剤とをモル比1:1:1になるように高純水中で混合させて、恒温槽50℃条件下で24時間乾燥させた試料
・有機化合物Aと有機化合物Bとをモル比1:1になるように高純水中で混合させてホットプレート150℃条件下で加熱した試料
次に、前記(3’)において得られたグリン体の立体造形物を用いて、下記のようにして、「焼結前の硬化部の硬度」、「焼結前の曲げ弾性率」、「焼結後の曲げ強度」、及び「焼結後の寸法精度」を評価した。結果を下記表11に示した。
(焼結前の硬化部の硬度)
グリン体の立体造形物を水中に浸漬することにより、硬化していないスラリー成分を除去する必要があるが、第二の立体造形用液体材料を用いて硬化している部分が水中に浸漬してもある程度の硬さを維持している必要がある。得られたグリン体の立体造形物について、マイクロゴム硬度計(装置名:MD−1 capa、Asker社製)を用いて、硬化部の硬度を測定し、下記評価基準に基づいて、「焼結前の硬化部の硬度」を評価した。なお、測定は、試料を台の上に載せ、圧子を試料から15mm程度の位置まで近づけて測定を開始した。
−評価基準−
◎:60度以上
○:45度以上60度未満
△:30度以上45度未満
×:30度未満
グリン体の立体造形物を25℃で高純水に浸漬して、硬度の測定と分離工程を行った。硬度が30度未満の値を示す立体造形物試料においては分離工程での物理的な力により容易に変形してしまい、所望の形状を得ることが困難となる。
(焼結前の曲げ弾性率)
AUTOGRAPH−AG−1(株式会社島津製作所製)を用いて、3点曲げ強度を測定した。グリン体の立体造形物の寸法をノギスで測定し、支点間距離を24mmに設定し、ヘッドのストローク速度を0.02mm/sにて測定し、下記評価基準に基づいて、「焼結前の曲げ弾性率」を評価した。なお、曲げ弾性率の計算は、下記の式を使用した。
E=(Lv×m)/(4×W×h
E :曲げ弾性率[kgf/mm
Lv:支点間距離[mm]
W:試験片幅[mm]
h:試験片高さ[mm]
m:荷重−たわみ曲線の直線部の勾配[kgf/mm]
−評価基準−
○:曲げ弾性率が、500Pa未満
△:曲げ弾性率が、500Pa以上2,000Pa未満
×:曲げ弾性率が、2,000Pa以上
立体造形物試料を25℃で純水に浸漬して、曲げ弾性率の測定と分離工程を行った。硬度が2,000Pa以上の値を示す立体造形物試料においては分離工程での不必要な物理的な力により立体造形物の一部まで同時に欠けてしまい、所望の形状を得ることが困難であった。
(焼結後の曲げ強度)
前記焼結後の曲げ強度について、実施例1における焼結後の曲げ強度と同様にして、焼結後の曲げ強度を測定し、実施例1における焼結後の曲げ強度のジルコニア粒子を用いた場合の評価基準に基づいて、「焼結後の曲げ強度」を評価した。
(焼結後の寸法精度)
次に、得られた焼結後の立体造形物について、実施例1と同様にして、「焼結後の寸法精度」を評価した。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 溶媒、有機化合物A、及び無機粒子を含む第一の立体造形用液体材料と、
前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含む第二の立体造形用液体材料と、を有する立体造形材料セットである。
<2> 前記有機化合物Aを溶解する第三の立体造形用液体材料をさらに有する前記<1>に記載の立体造形材料セットである。
<3> 前記第一の立体造形用液体材料、及び前記第二の立体造形用液体材料の少なくともいずれかが、脱水縮合剤をさらに含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<4> 前記有機化合物Aが、酸性官能基を有し、
前記有機化合物Bが、塩基性官能基を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<5> 前記酸性官能基が、カルボキシル基であり、
前記塩基性官能基が、アミノ基又はアミド基である前記<4>に記載の立体造形材料セットである。
<6> 前記第二の立体造形用液体材料のアミン価が、100mgKOH/g以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<7> 前記有機化合物Aが、ポリアクリル酸である前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<8> 前記有機化合物Aの含有量が、前記無機粒子100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<9> 前記有機化合物Bのアミン価が、300mgKOH/g以上1,500mgKOH/g以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<10> 前記有機化合物Bが、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、及びアミド基のいずれかを有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<11> 前記有機化合物Bが、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<12> 前記有機化合物Bが、ポリエチレンイミン及びポリアリルアミンの少なくともいずれかである前記<11>に記載の立体造形材料セットである。
<13> 前記ポリエチレンイミンが、分岐型である前記<12>に記載の立体造形材料セットである。
<14> 前記ポリアリルアミンの重量平均分子量が、1,600以上である前記<11>から<13>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<15> 前記有機化合物Bが、水溶性である前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<16> 前記有機化合物Bの含有量が、前記第二の立体造形用液体材料100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下である前記<1>から<15>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<17> 前記無機粒子が、セラミックス粒子、及び金属粒子の少なくともいずれかである前記<1>から<16>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<18> 前記無機粒子が、生体適合性を有する前記<1>から<17>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<19> 前記立体造形物の焼結後密度が93%以上である前記<17>から<18>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<20> 前記セラミックス粒子の前記第一の立体造形用液体材料中における体積平均粒径が、5μm未満である前記<17>から<19>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<21> 前記セラミックス粒子の焼結後曲げ強度が1,500MPa以上、及びロックウェル硬度が80HRA以上の少なくともいずれかである前記<17>から<20>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<22> 前記金属粒子の前記第一の立体造形用液体材料中における体積平均粒径が、50μm未満である前記<17>から<21>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<23> 前記無機粒子の含有量が、前記第一の立体造形用液体材料100質量部に対して、20質量部以上70質量部以下である前記<1>から<22>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<24> 前記第三の立体造形用液体材料が、前記有機化合物Aと塩を形成する物質を含む前記<2>から<23>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<25> 前記有機化合物Aと塩を形成する物質が、塩基性を示すアルカリ金属水酸化物である前記<24>に記載の立体造形材料セットである。
<26> 前記有機化合物Aと塩を形成する物質が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選択される少なくとも1種である前記<24>から<25>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<27> 前記第三の立体造形用液体材料が、複数の前記アルカリ金属水酸化物を含む前記<25>から<26>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<28> 前記第三の立体造形用液体材料が、界面活性剤をさらに含む前記<2>から<27>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<29> 前記溶媒が、有機溶剤である前記<1>から<28>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<30> 前記有機溶剤が、極性溶媒である前記<29>に記載の立体造形材料セットである。
<31> 前記<1>から<30>のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第一の立体造形用液体材料を用いて第一の立体造形用液体材料層を形成する層形成工程と、前記第一の立体造形用液体材料層の所定領域に、前記<1>から<30>のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第二の立体造形用液体材料を付与する液体材料付与工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<32> 前記層形成工程後に、前記溶媒を揮発させる層乾燥工程を含む前記<31>に記載の立体造形物の製造方法である。
<33> 造形後に、液体浸漬により未硬化の第一の立体造形用液体材料を除去する除去工程を含む前記<31>から<32>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<34> 前記層形成工程及び液体材料付与工程を繰り返して立体造形物を得た後、前記除去工程の前に加熱工程を含む前記<31>から<33>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<35> 造形後に、焼成する工程を含み、
前記焼成後の立体造形物の密度が93%以上、曲げ強度が1,500MPa以上、及びロックウェル硬度が80HRA以上から選択される1つ以上を満たす前記<31>から<34>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<36> 歯科用補綴物を製造する前記<31>から<35>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<37> 第一の立体造形用液体材料層を保持するための液体材料層保持手段と、
前記<1>から<30>のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第一の立体造形用液体材料を用いて第一の立体造形用液体材料層を形成する層形成手段と、前記第一の立体造形用液体材料層の所定領域に、前記<1>から<30>のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第二の立体造形用液体材料を付与する液体材料付与手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<38> 前記<36>に記載の立体造形物の製造方法により製造されたことを特徴とする歯科用補綴物である。
前記<1>から<30>のいずれかに記載の立体造形材料セット、前記<31>から<36>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、前記<37>に記載の立体造形物の製造装置、及び前記<38>に記載の歯科用補綴物は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特表2003−531034号公報 特開2011−21218号公報 特開平6−218712号公報 特表2014−522331号公報
4 第二の立体造形用液体材料

Claims (19)

  1. 溶媒、有機化合物A、及び無機粒子を含む第一の立体造形用液体材料と、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物Bを含む第二の立体造形用液体材料と、を有し、
    前記有機化合物Aが変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、及びポリビニルピロリドンから選択されるいずれかであり、
    前記有機化合物Bがポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、及びポリウレタンから選択されるいずれかであり、
    前記第二の立体造形用液体材料のアミン価が、100mgKOH/g以上300mgKOH以下である、ことを特徴とする立体造形材料セット。
  2. 前記有機化合物Aを溶解する第三の立体造形用液体材料をさらに有する請求項1に記載の立体造形材料セット。
  3. 前記第三の立体造形用液体材料が、前記有機化合物Aと塩を形成する物質を含む請求項2に記載の立体造形材料セット。
  4. 前記第一の立体造形用液体材料、及び前記第二の立体造形用液体材料の少なくともいずれかが、脱水縮合剤をさらに含む請求項1から3のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  5. 前記有機化合物Aが、ポリアクリル酸である請求項1から4のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  6. 前記有機化合物Bのアミン価が、300mgKOH/g以上1,500mgKOH/g以下である請求項1から5のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  7. 前記有機化合物Bが、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、及びポリウレタンから選択されるいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  8. 前記有機化合物Bが、ポリエチレンイミン、及びポリアリルアミンから選択されるいずれかである請求項7に記載の立体造形材料セット。
  9. 前記無機粒子が、セラミックス粒子、及び金属粒子から選択されるいずれかである請求項1から8のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  10. 前記セラミックス粒子の前記第一の立体造形用液体材料中における体積平均粒径が、5μm未満である請求項9に記載の立体造形材料セット。
  11. 前記金属粒子の前記第一の立体造形用液体材料中における体積平均粒径が、50μm未満である請求項9から10のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  12. 前記無機粒子が、生体適合性を有する請求項1から11のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  13. 前記無機粒子の含有量が、前記第一の立体造形用液体材料100質量部に対して、20質量部以上70質量部以下である請求項1から12のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第一の立体造形用液体材料を用いて第一の立体造形用液体材料層を形成する層形成工程と、
    前記第一の立体造形用液体材料層の所定領域に、請求項1から13のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第二の立体造形用液体材料を付与する液体材料付与工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  15. 前記層形成工程後に、前記溶媒を揮発させる層乾燥工程を含む請求項14に記載の立体造形物の製造方法。
  16. 造形後に、液体浸漬により未硬化の第一の立体造形用液体材料を除去する除去工程を含む請求項14から15のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  17. 前記層形成工程及び液体材料付与工程を繰り返して立体造形物を得た後、前記除去工程の前に加熱工程を含む請求項16に記載の立体造形物の製造方法。
  18. 造形後に、焼成する工程を含み、
    前記焼成後の立体造形物の密度が93%以上、曲げ強度が1,500MPa以上、及びロックウェル硬度が80HRA以上から選択される1つ以上を満たす請求項14から17のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  19. 第一の立体造形用液体材料層を保持するための液体材料層保持手段と、
    請求項1から13のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第一の立体造形用液体材料を用いて第一の立体造形用液体材料層を形成する層形成手段と、
    前記第一の立体造形用液体材料層の所定領域に、請求項1から13のいずれかに記載の立体造形材料セットにおける第二の立体造形用液体材料を付与する液体材料付与手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
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