JP2018158564A - 立体造形物の製造方法、立体造形材料セット、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
近年では、グラデーション付きのCAD/CAM用ジルコニアディスクが提案されており、隣接歯とより近い色味の再現ができてきている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の立体造形物の製造方法は、セラミックス粒子を含む立体造形用材料(以下、「第一の立体造形用液体材料」とも称することがある)を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、レーザーや電子線を用いた従来の方法では、色味の再現のために造形後に歯科技工士が築盛をする必要があり、前記CAD/CAMに対して大幅な優位性があるとは言い難いという知見に基づくものである。
また、色味の再現のために造形後に歯科技工士が築盛するものである場合、歯の噛合せの調節のために造形物を削ると、表面に塗布した色が剥げ落ちてしまい、ジルコニアの白色が露出してしまうという問題があるという知見に基づくものである。
さらに、本発明の立体造形物の製造方法は、従来の金属種をイオンや錯体化させた液体では、CAD/CAMなどにより所望形状に切削された歯科用補綴物に対して、手作業により筆などで液体を塗り着色させるものであるため、人の差が大きく、安定した着色ができないという知見に基づくものである。
本発明の立体造形材料セットは、セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、前記立体造形用材料を硬化する成分を含有する硬化用材料と、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、を有し、更に必要に応じて、その他の材料を有してなる。
また、立体造形用材料中に含有されるセラミックス粒子は、体積平均粒径を小さくしないと粒子間隙が多く残存するために焼結が困難になることや、強度の低下が起こる。しかしながら小粒径化すると、粒子間力が強く働くことで流動性が悪化してしまい、層形成が難しくなる場合がある。したがって、強度の向上、及び流動性の向上を両立するために、前記立体造形用材料は溶媒を含むことが好ましい。
前記セラミックス着色用インクとしては、前記セラミックス粒子を発色させる性質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、金属及び/又は金属イオンが錯化剤により安定化され、各種成分を含む水系媒体中に溶解した着色溶液をセラミックス着色用インクとして扱ったり、又は、前記有機化合物Bとセラミックス着色用インクが反応性を示して沈降性を示す場合は、前記有機化合物Bが除かれた着色溶液をセラミックス着色用インクとして扱うことも可能である。また、必要に応じて、複数のセラミックス着色用インクを使用してもよく、この場合、多様な色を再現することができる。
前記希土類元素金属には、例えば、ランタノイドなどが挙げられる。
前記ランタノイドとしては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。
前記遷移金属としては、例えば、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB族の金属などが挙げられる。
前記セラミックス粒子にジルコニアを用いた場合は、Mn、Er及びPrが特に有効である。
前記遷移金属及び/又はイオンは、溶液中に0.00001mol/L以上0.05mol/L以下の量で存在することが好ましい。
前記セラミックス着色用インクに使用できる着色剤としては、例えば、Er、Mn及びPrの酢酸塩、炭酸塩及び塩化物などが挙げられる。
前記錯化剤としては、着色剤の金属イオンと錯体を形成して、選択された溶媒に着色剤が溶解するのを助け、且つ、保存時に着色剤が溶液から沈殿するのを防ぎ、これによってより良好な保存安定組成物を得るのを助けることができる。
前記形状としては、通常、金属に結合している配位子数に依存し、結合の数は金属イオンのサイズ、電荷、及び電子配置に依存するが、殆どの金属イオンは1を超える配位数を有することができ、配位数から様々な配位子構造配置が得られる。大半の形状は、以下に列挙されるが、例えば、異なる種の配位子の使用(不規則的な結合距離を生じ、配位原子は球上点パターンに従わない)により、配位子のサイズにより、又は電子効果により、規則的形状から逸脱する多くの場合がある。
2配位のための直線
3配位のための三方平面
4配位のための四面体又は平面四角形
5配位のための三方両錘又は四方錘
6配位のための八面体(直交)又は三角柱
7配位のための五方両錐
8配位のための四方逆プリズム
9配位のための三冠三角柱(三側錐三角柱)
配位子が完全に置換されるためには中心原子に対する全ての結合を破断する必要があるため、分離分子の数を増やすためにより多くのエネルギーを必要とする。キレートがいくつかの単座配位子(水又はアンモニアなど)により置換される場合には分子の総数は減少するが、一方で、いくつかの単座配位子がキレートにより置換される場合には遊離分子の数は増加する。従って、この効果は、より多くの部位がより少ない配位子に使用される点でエントロピー的であり、これにより多くの未結合分子が残される。少なくとも2、3、4、5又は6個の配位している配位子を有する錯化剤においては良好な結果が得られる。
前記五座配位子(Y=5)としては、例えば、15−クラウン−5;シクロ−ペンタジエンなどが挙げられる。
前記四座配位子(Y=4)としては、例えば、NTA(ニトリロトリアセテート)、12−クラウン−4;トリエチレンテトラミン、ポルフィン2−、フタロシアニン2−、ビス(サリチレート)エチレンビス(イミン)サレン2−などが挙げられる。
前記三座配位子(Y=3)としては、例えば、C3H5O(COO)3 3−などが挙げられる。
前記二座配位子(Y=2)としては、例えば、HC6H5O7 2−、サリチレート、グリシネート、ラクテート、アセチルアセトネート、プロピレンジアミン、アスコルベートC6H6O6 2−、C3H5O(COOH)(COO)2 2−などが挙げられる。
前記溶媒の有用な混合物としては、例えば、水、エタノール、アルコール及び/又はケトンと水との混合物などが挙げられる。これらの溶媒は極性錯体に関して特に有用である。
前記非極性錯体としては、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、THF等)又は炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等;そのn−、sec−、tert−異性体等)などが挙げられる。
前記立体造形用材料(第一の立体造形用液体材料、又は第一の積層造形用液体材料)は、セラミックス粒子を含み、有機化合物A及び/又はモノマー等の紫外線硬化性を示す化合物を含むことが好ましく、更に必要に応じて、溶媒、重合開始剤、光増感剤、その他の成分を含有してなる。
前記セラミックス粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子、二ケイ酸リチウム粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジルコニア粒子が好ましい。前記セラミックス粒子としてジルコニア粒子を用いる場合は、安定化剤としてのイットリアやセリア等を含有してもよい。
前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法により測定することができる。
前記瞬間乾燥とは、10秒間以内に乾燥できる手法であり、乾燥温度は200℃以上の加熱空気中で行うことが好ましい。次に、前記乾燥粉末を空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で熱分解させることにより、酸化物仮焼粉末が得られる。前記酸化物仮焼粉末を湿式粉砕法で粉砕径を2μm以下になるように粉砕し、水洗する。
前記水洗の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メンブレンフィルターを使用した連続式洗浄ろ過法が好ましい。前記水洗により、セラミックス粒子中のナトリウム(又はカリウム)濃度が酸化物に換算した量として10ppm以上100ppm以下の範囲になるように十分に水洗する。前記水洗後のスラリーを乾燥させることにより、セラミックス粒子(ジルコニア粉末)が得られる。
前記有機化合物Aとしては、両親媒性樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。
前記溶媒としては、前記有機化合物Aを溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール(アルコール系媒体)、トルエン(沸点:110.6℃)等の極性溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリンシート又はグリン体造形の生産性を向上の点から、沸点が低い有機溶剤が好ましく、沸点が80℃以下である有機溶剤がより好ましい。
前記沸点が80℃以下である有機溶剤としては、例えば、エタノール(沸点:78.37℃)、メタノール(沸点:64.7℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、アセトン(沸点:56℃)、塩化メチレン(沸点:39.6℃)などが挙げられる。
前記モノマーとしては、例えば、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物などが挙げられる。
前記不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物としては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光(特に波長域220nm以上400nm以下の紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記蛍光増白剤(増感剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレンなどが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、可塑剤、焼結助剤、重合開始剤、光増感剤などが挙げられる。前記立体造形用材料が、前記分散剤を含むと、前記セラミックス粒子の分散性を改善し、静止時の沈降を抑制することができる点で好ましく、グリンシート又はグリン体を造形する際にセラミックス粒子が連続して存在しやすくなる。また、前記可塑剤を含むと、前記立体造形用材料からなるグリンシート又はグリン体前駆体が乾燥した際に亀裂が入りにくくなる点で好ましい。前記焼結助剤を含むと、得られた積層造形物につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
前記硬化用材料(以下、「第二の立体造形用液体材料」、又は「第二の積層造形用液体材料」と称することがある)は、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物B及び/又はモノマー等の紫外線硬化性を示す化合物を含み、更に必要に応じて、水性媒体、重合開始剤、光増感剤、その他の成分を含有してなる。
とができる。
前記重合開始剤としては、前記立体造形用材料における重合開始剤と同様のものを用い
ることができる。
前記光増感剤としては、前記立体造形用材料における光増感剤と同様のものを用いるこ
とができる。
前記有機化合物Bとしては、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記塩基性官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基などが挙げられる。
前記アミノ基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基などが挙げられる。
前記アミノ基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミンなどが挙げられる。
前記ポリエチレンイミンとしては、分岐型であることが好ましい。
前記アミド基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリウレタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機化合物Bの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記水性媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、重合開始剤などが挙げられる。
前記第三の立体造形用液体材料は、前記有機化合物Aを溶解する有機溶媒を含み、更に必要に応じて、水性媒体、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記有機溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記有機溶媒は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、前記有機化合物Aに対して反応性を示さなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、ジスルホン酸塩、コール酸塩、デオキシコール酸塩などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記その他の成分としては、例えば、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記立体造形物の焼結後密度としては、93%以上が好ましい。前記立体造形物の焼結後密度は、JIS−R−1634に基づいて、株式会社エー・アンド・デイ製のAD−1653を用いて測定することができる。
前記立体造形物の焼結後の曲げ強度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ジルコニア粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、500MPa以上が好ましく、800MPa以上がより好ましい。
前記アルミナ粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、500MPa以上が好ましく、600MPa以上がより好ましい。
前記曲げ強度は、ISO−6871に基づいて、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いて測定することができ、前記耐力は、JIS−T6123に基づいて、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いて測定することができる。
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造方法は、層形成工程、吐出工程(以下、「液体材料付与工程」とも称することがある)を含み、層乾燥工程、硬化工程、未反応領域の除去工程、及び焼結工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造装置は、立体造形用材料層保持手段、層形成手段、及び吐出手段を有し、層乾燥手段、硬化手段、未反応領域の除去手段、及び焼結手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造方法は、本発明の立体造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記吐出工程は、前記吐出手段により好適に実施することができ、前記硬化工程は、前記硬化手段により好適に実施することができ、前記未反応領域の除去工程は、前記未反応領域の除去手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
前記歯科用補綴物の製造方法は、前記歯科用補綴物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記吐出工程は、前記吐出手段により好適に実施することができ、前記未反応領域の除去工程は、前記未反応領域の除去手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
前記層形成工程は、本発明の前記立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する工程である。
前記層形成手段は、本発明の前記立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する手段である。
前記立体造形用材料層保持手段(以下、「支持体」、又は「液体材料層保持手段」と称することがある)としては、前記立体造形用材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記立体造形用材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記立体造形用材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
前記立体造形用材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、立体造形用材料(スラリー材料)を薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記スラリー材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記スラリー材料層の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
また、スラリーが乾燥工程を経て乾燥して安定になった状態での表面粗さが0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。スラリーの状態が安定であると、積層時ごとのばらつきを小さくすることができる。
前記表面粗さ(Ra)の測定は、以下のようにして行うことができる。前記スラリー材料層は、立体造形用材料(スラリー)を敷き、必要に応じて溶剤の除去などを施し、硬化用材料を付与する前の状態にする。このときの第一の立体造形用材料の層について、レーザー顕微鏡(装置名:VK−X250、株式会社キーエンス製)を用いて層表面の5箇所を任意に選択して測定する。対物レンズは20倍を用い、得られた測定値から平均値を求め、表面粗さ(Ra)とする。
前記層乾燥工程は、前記層形成工程後、前記液体材料付与工程前において、前記立体造形用材料における水系媒体及びアルコール系媒体の少なくともいずれかを揮発させる層乾燥工程であり、層乾燥手段により行われる。もちろん自然乾燥を行ってもよい。前記層乾燥工程において、前記スラリー層中に含まれる水分(溶媒)を揮発させることができる。なお、前記層乾燥工程としては、スラリー層から溶媒をすべて除去せず、半乾燥状態とすることが好ましい。前記層乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
前記吐出工程(液体材料付与工程)は、前記スラリー材料層に、水性媒体を含むセラミックス着色用インクを前記立体造形用材料層の所定領域に付与する工程である。
前記吐出手段(液体材料付与手段)は、前記スラリー材料層に、水性媒体を含むセラミックス着色用インクを前記立体造形用材料層の所定領域に付与する手段である。
前記硬化工程は、前記スラリー材料層の所定領域を硬化する工程である。前記硬化工程としては、硬化用材料(積層造形用材料)を付与する付与工程、活性エネルギー線照射工程を用いることができる。
前記硬化手段は、前記スラリー材料層の所定領域を硬化する手段である。前記硬化工程としては、硬化用材料(積層造形用材料)を付与する付与手段、活性エネルギー線照射手段を用いることができる。
前記硬化用材料は、前記着色剤を含むセラミックス着色用インクとは分けることが好ましい。これにより、硬化用材料中の成分が影響し、着色剤が凝集したりゲル化したりすることによる、セラミックス着色用インクの経時安定性の低下を防ぐことができる。
前記レーザーを照射する条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小型レーザーを用いる場合、前記粉末材料を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mmにより接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、CO2レーザーを用いることが好ましい。
前記除去工程は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物を前記第三の立体造形用液体材料に浸漬して未反応のスラリー材料を除去する工程である。なお、前記除去手段としては、例えば、静置による崩壊、超音波照射による崩壊、液体撹拌による崩壊などが挙げられる。
前記焼結工程は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物(積層造形物)を焼結する工程であり、焼結手段により行われる。前記焼結工程を行うことにより、前記硬化物を一体化された成形体(焼結体)とすることができる。
前記焼結手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
前記レーザー照射におけるレーザーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CO2レーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。前記レーザー照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、小型レーザーを用いる場合、前記粉末材料を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、レーザー照射により接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、CO2レーザーを用いることが好ましい。照射条件としては、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mm程度が好ましい。
前記電子線照射としては、前記立体造形用材料中のセラミックス粒子が溶融するエネルギーの電子線を照射すること以外の制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記立体造形用材料は真空環境下で扱われる必要がある。前記電子線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
前記その他の工程としては、例えば、表面保護工程、塗装工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、表面保護手段、塗装手段などが挙げられる。
前記表面保護工程は、前記液体材料付与工程、又は前記焼結工程において形成した立体造形物に保護層を形成する工程である。前記表面保護工程を行うことにより、前記立体造形物を、例えば、そのまま使用等することができる耐久性等を前記立体造形物の表面に与えることができる。
前記保護層としては、例えば、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。
前記表面保護手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
前記塗装工程は、前記立体造形物に塗装を行う工程である。この塗装工程を行うことにより、前記立体造形物に所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
造形側スラリー貯留槽1の上には、該スラリー貯留槽内の立体造形用材料(スラリー材料)に向けて硬化用材料4を吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給側スラリー貯留槽2から造形側スラリー貯留槽1にスラリー材料を供給すると共に、造形側スラリー貯留槽1のスラリー材料層表面を均す、均し機構6(以下、リコーターということがある)を有する。
一層分の描画が終了した後、供給側スラリー貯留槽2のステージ3を上げ、造形側スラリー貯留槽1のステージ3を下げる。その差分のスラリー材料を、前記均し機構6によって、造形側スラリー貯留槽1へと移動させる。
図2に示す構成の立体造形物の製造装置によれば、2つのスラリー貯留槽を平面的に並べる図1の構成に比べて、装置をコンパクトにできる。
前記立体造形物(積層造形物)は、本発明の立体造形物の製造方法により製造される。
前記立体造形物としては、口腔内の咀嚼力に長期間耐えることができ、審美性を有している点から、人工歯であることが好ましい。
前記人工歯は、う蝕、外傷、歯周病などにより失った天然歯の代わりに、その機能を回復するために作られた人工の歯であり、ブリッジ、クラウン等の歯科用補綴物も含まれる。
以下の実施例及び比較例では、立体造形(積層造形)を用い、型を用いないで積層造形物を製造した例を示したが、これらに制限されるものではない。
<セラミックス着色用インク1の調製>
酢酸プラセオジム(Pr)0.02質量%、酢酸エルビウム(Er)0.42質量%を水89.02質量%に溶解させた後、錯化剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)のジアンモニウム塩0.04質量%加え、ホモミキサーを用いて10分間撹拌した。次いで、湿潤剤としてプロピレングリコール10質量部、界面活性剤としてTween20を0.5質量部加え、所望の粘度及び表面張力に調整することでセラミックス着色用インク1を得た。
セラミックス着色用インクの調製例1において、下記表1の組成に変更した以外は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして、セラミックス着色用インク2〜12を得た。また、前記セラミックス着色用インク2〜12の粘度、及び表面張力は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして測定した。なお、セラミックス着色用インク9及び10は前記プロピレングリコールの量を変えることで粘度を調整し、セラミックス着色用インク11は前記Tween20の量を減らすことで調整した。
・Pr:和光純薬工業株式会社製
・Fe:和光純薬工業株式会社製
・Nd:和光純薬工業株式会社製
・Er:和光純薬工業株式会社製
・Cr:和光純薬工業株式会社製
・Mn:和光純薬工業株式会社製
・EDTAのジアンモニウム塩:和光純薬工業株式会社製
<立体造形用材料(スラリー材料)1の調製>
ジルコニア粒子(東ソー株式会社製、TZ−3Y−E)30.0質量部、重量平均分子量(Mw)が800,000であるポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、AS−58)13.0質量部、可塑剤としてのフタル酸ベンジルブチル(和光純薬工業株式会社製)10.0質量部、セラミックス分散剤(マリアリム、日油株式会社製、AKM−0531)1.5質量部、及びエタノール60.0質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することにより立体造形用材料(スラリー材料)1を得た。
−セラミックス粒子の体積平均粒径−
前記立体造形用材料(スラリー材料)1中における前記セラミックス粒子の体積平均粒径は、装置名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver.3.32)(株式会社堀場製作所製)を用いて解析を行った。具体的にはクロロホルムにて光軸調整した後、バックグラウンドを測定した。その後、循環を開始し前記立体造形用材料(スラリー材料)を滴下した。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射した。照射した後に透過率の値が70%以上95%以下の範囲となる条件で体積平均粒径を測定した。体積平均粒径の測定再現性の点から、前記LA−920の透過率の値が70%以上95%以下となる条件で測定した。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行った。前記透過率の値を得るために前記立体造形用材料(スラリー材料)の滴下量を調節した。なお、測定及び解析条件は、以下のように設定した。
[測定及び解析条件]
・データ取り込み回数:15回
・相対屈折率:1.20
・循環:5
・超音波強度:7
<立体造形用材料(スラリー材料)2〜8の調製>
立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1において、下記表2の組成に変更した以外は、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして、立体造形用材料(スラリー材料)2〜8を得た。また、前記セラミックス粒子の体積平均粒径を、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして測定した。なお、立体造形用材料(スラリー材料)7と8においては、直径3mmのジルコニアビーズにてそれぞれ0.5時間、0.4時間ビーズミル分散することにより立体造形用材料(スラリー材料)を得た。
・ジルコニア粒子:東ソー株式会社製、商品名:TZ−3Y−E
・アルミナ粒子:西村陶業株式会社製、商品名:N−9000NS
・重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA):株式会社日本触媒製、商品名:AS−58
・重量平均分子量(Mw)が300,000のポリアクリル酸B(PAA):重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解することで得た。
・重量平均分子量(Mw)が400,000のポリアクリル酸C(PAA):重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解することで得た。
・重量平均分子量(Mw)が1,200,000であるポリアクリル酸誘導体:株式会社日油製、開発品
<立体造形用材料(スラリー材料)9の調製>
ジルコニア粒子30質量部、ポリエチレンオキサイド(粘度平均分子量:150,000〜400,000、明成化学工業株式会社製)13質量部と、及び水60質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することで立体造形用材料(スラリー材料)9を得た。
<硬化用材料1の調製>
水88.0質量部と、重量平均分子量(Mw)が10,000であるポリエチレンイミンA(PEI、株式会社日本触媒製、SP−200)12.0質量部と、界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)0.5質量部とを、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、硬化用材料1を調製した。
<硬化用材料2〜4の調製>
硬化用材料の調製例1において、下記表3の組成に変更した以外は、硬化用材料の調製例1と同様にして、硬化用材料2〜4を得た。
・重量平均分子量(Mw)が10,000であるポリエチレンイミンA(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP−200、アミン価:1,103mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,800であるポリエチレンイミンB(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP018、アミン価:1,316mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,500であるポリビニルピロリドン(PVP):株式会社日本触媒製、商品名:K−30、アミン価:306mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,600のポリアリルアミン(PAA):株式会社ニットーボーメディカル製、商品名:PAA−01、アミン価:1,238mgKOH/g
<硬化用材料5の調製>
以下の組成を混合し、硬化用材料5を得た。
<紫外線硬化樹脂>
・フェノキシエチルアクリレート(東京化成工業社製):40.8質量%
・ジエチレングリコールジアクリレート(東京化成工業社製):5質量%
<水溶性モノマー>
・4−ヒドロキシブチルアクリレート(東京化成工業社製):50質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(東京化成工業社製):1質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(東京化成工業社製):2質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン(東京化成工業社製):0.2質量%
<界面活性剤>
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK302、BYK社製):1質量%
<第三の立体造形用液体材料の調製>
エタノール89.0質量部と、イソプロピルアルコール10.0質量部と、界面活性剤としてノニオシドB−15(第一工業製薬株式会社製)1.0質量部とを、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、第三の立体造形用液体材料を調製した。
得られた立体造形用材料(スラリー材料)1と、得られた硬化用材料1と、得られたセラミックス着色用インク1を用いて立体造形材料セット1とし、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、立体造形物(積層造形物)1を以下(1)〜(3)のようにして作製した。
実施例1において、下記表4に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせて立体造形材料セット2〜23とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜22の立体造形物2〜22、及び比較例1の立体造形物23をそれぞれ作製した。なお、比較例1は、着色又は造形することができなかった。
得られた立体造形用材料(スラリー材料)9と、得られた硬化用材料5と、得られたセラミックス着色用インク1を用いて立体造形材料セット24とし、立体造形物(積層造形物)23を以下(1)〜(3)のようにして作製した。
得られた立体造形物の明度L*、彩度a*、及び色相b*は、立体造形物(歯科用補綴物)の形状に造形したテストピースを用い、ウルトラミクロトームで切断した歯科用補綴物の縦方向断面を測色計(装置名:クリスタルアイ、オリンパス株式会社製)を用いて測定した。具体的には、図3の縦方向断面の模式図に示すように、歯科用補綴物100の歯茎部端102から切端101の真ん中に位置するA1、歯茎部端102から前記A1の真ん中に位置するA2、切端101から前記A1の真ん中に位置するA3、左側壁端103から前記A1の真ん中に位置するB1、右側壁端104から前記A1の真ん中に位置するB2をそれぞれ測色した。なお、実施例1〜23、及び比較例1は、前記5点とも同一の値であるため、A1の値のみを示す。
次に、得られた立体造形物について、目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「寸法精度」を評価した。
[評価基準]
○:得られた立体造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
△:得られた立体造形物の表面に若干の歪みと僅かに反りが生じている状態
×:得られた立体造形物の表面に歪みが生じており、激しく反りが生じている状態
(4)セラミックス粒子としてジルコニア粒子を用いた実施例における立体造形物は、焼結炉内で空気環境下、1,500℃での焼結処理を行った。
セラミックス粒子としてアルミナ粒子を用いた実施例における立体造形物は、空気環境下、1,600℃での焼結処理を行った。
これらの立体造形物の焼結体は完全に一体化された構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
次に、得られた焼結後の立体造形物の焼結体について、以下のようにして、「焼結後の曲げ強度」、「焼結後密度」、及び「焼結性」を評価した。結果を下記表4に示す。
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、アルミナ粒子)を用いた立体造形物の曲げ強度は、ISO−6871に基づいて測定した。なお、前記測定は、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いた。
[ジルコニア粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、800MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上800MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
[アルミナ粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、600MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上600MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、アルミナ粒子)を用いた立体造形物の焼結後密度は、JIS−R−1634に基づいて、「密度」を測定した。前記焼結後密度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、立体造形物の焼結性を評価した。なお、前記測定は、株式会社エー・アンド・デイ製のAD−1653を用いた。
○:焼結後密度が、98%以上
△:焼結後密度が、93%以上98%未満
×:焼結後密度が、93%未満
セラミックス着色用インクの調製例1において、下記表5の組成に変更した以外は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして、セラミックス着色用インク13〜17を得た。また、前記セラミックス着色用インク13〜17の粘度、及び表面張力は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして測定した。
<立体造形用材料(スラリー材料)10〜12の調製>
立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1において、下記表6の組成に変更した以外は、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして、立体造形用材料(スラリー材料)10〜12を得た。また、前記セラミックス粒子の体積平均粒径を、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして測定した。
・ポリビニルアルコール:日本合成化学工業株式会社製、商品名:OKS−8125
・メチルメタクリレート:東京化成工業株式会社製
<硬化用材料6〜8の調製>
硬化用材料の調製例1において、下記表7の組成に変更した以外は、硬化用材料の調製例1と同様にして、硬化用材料6〜8を得た。
・メチルメタクリレート(MMA):東京化成工業株式会社製
実施例1において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更し、吐出工程と硬化工程との順として、それぞれ別々のヘッドに充填したインクジェット着色用インク(吐出工程)を先に吐出し、その後に、硬化用材料を吐出したこと、及び下記表8に示す層厚に変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物を得た。
実施例24の製造過程における(3)で得られた立体造形物について、以下の基準により生産性を評価した。結果を下記表9に示す。
[評価基準]
○:立体造形物を得るまでの時間が、6時間以下である
△:立体造形物を得るまでの時間が、6時間超8時間未満である
×:立体造形物を得るまでの時間が、8時間超である
実施例24において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更し、硬化工程としてUV照射機(装置名:Aicure UD40、パナソニック株式会社製)を用いてUV(紫外線)照射して硬化させた以外は、実施例24と同様にして、立体造形物を得た。
実施例25において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更した以外は、実施例25と同様にして、立体造形物を得た。
実施例24において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更した以外は、実施例24と同様にして、立体造形物を得た。
得られた立体造形物のZ方向の階調数は、層ごとに色味が大きく異なるテストピースを造形し、ウルトラミクロトームで切断した立体造形物の縦方向断面を光学顕微鏡(装置名:Axio Observer、カール・ツァイス社製)により観察することで測定した。具体的には、層ごとに赤、青、透明(白)で着色させ、Z方向に対して1mm当たりの着色層の数を数えることで階調数を測定した。
次に、得られた立体造形物の色再現性は、実際の歯科用補綴物を参考に、歯茎部から切端部に向かってグラデーションを作り、目視により、Vitaシェードガイドと比較し、下記評価基準に基づいて、立体造形物(歯科用補綴物)の「色再現性」を評価した。
[評価基準]
○:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションが再現できており、比較するVitaシェードガイドと全く違いが分からないレベルである
△:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションが再現できているが、比較するVitaシェードガイドとは若干の差異が分かるレベルである
×:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションなどが再現できていない
前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド、及び遷移金属の少なくともいずれかを含む前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムのいずれかを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記セラミックス粒子の体積平均粒径が、1μm未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記立体造形用材料が、溶媒を含むスラリーである前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6>前記立体造形用材料中の前記セラミックス粒子が、ジルコニア、及びアルミナの少なくともいずれかを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 前記層形成工程後、前記吐出工程前に、前記立体造形用材料層を乾燥する層乾燥工程を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 造形後に、除去用液体材料により未硬化の前記立体造形用材料を除去する除去工程をさらに含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 造形後に、造形物を焼結する焼結工程をさらに含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記セラミックス着色用インクが、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記セラミックス着色用インクが、水系媒体である前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記層形成後に、前記立体造形用材料層の所定領域を硬化する硬化工程をさらに含む前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含み、
前記付与工程の後に、前記立体造形用材料層の所定領域に、活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程をさらに含む前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 前記吐出工程において、異なる金属イオン又は異なる金属錯体をそれぞれ含有する複数のセラミックス着色用インクを吐出する前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<16> セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
前記立体造形用材料を硬化する成分を含有する硬化用材料と、
金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、を有することを特徴とする立体造形材料セットである。
<17> 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む前記<16>に記載の立体造形材料セットである。
<18> 前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含む前記<16>から<17>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<19> 前記立体造形用材料が、水系媒体、及びアルコール系媒体の少なくともいずれかである前記<16>から<18>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<20> セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、
立体造形用材料層を保持するための立体造形用材料層保持手段と、
前記立体造形用材料層保持手段の上に前記立体造形用材料を用いて前記立体造形用材料層を形成する層形成手段と、
前記立体造形用材料層保持手段上に形成された前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて前記セラミックス着色用インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<21> 前記<20>に記載の立体造形物の製造方法により製造されたことを特徴とする歯科用補綴物である。
Claims (17)
- セラミックス粒子を含む立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、
前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形することを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド、及び遷移金属の少なくともいずれかを含む請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムのいずれかを含む請求項2に記載の立体造形物の製造方法。
- 前記セラミックス粒子の体積平均粒径が、1μm未満である請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記立体造形用材料が、溶媒を含むスラリーである請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記層形成工程後、前記吐出工程前に、前記立体造形用材料層を乾燥する層乾燥工程を含む請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 造形後に、除去用液体材料により未硬化の前記立体造形用材料を除去する除去工程をさらに含む請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 造形後に、造形物を焼結する焼結工程をさらに含む請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記セラミックス着色用インクが、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。 - 前記層形成後に、前記立体造形用材料層の所定領域を硬化する硬化工程をさらに含む請求項1から9のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む請求項10に記載の立体造形物の製造方法。 - 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含み、
前記付与工程の後に、前記立体造形用材料層の所定領域に、活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程をさらに含む請求項10に記載の立体造形物の製造方法。 - 前記吐出工程において、異なる金属イオン又は異なる金属錯体をそれぞれ含有する複数のセラミックス着色用インクを吐出する請求項1から12のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
- セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
前記立体造形用材料を硬化する成分を含有する硬化用材料と、
金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、を有することを特徴とする立体造形材料セット。 - 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む請求項14に記載の立体造形材料セット。 - 前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含む請求項14から15のいずれかに記載の立体造形材料セット。
- セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、
立体造形用材料層を保持するための立体造形用材料層保持手段と、
前記立体造形用材料層保持手段の上に前記立体造形用材料を用いて前記立体造形用材料層を形成する層形成手段と、
前記立体造形用材料層保持手段上に形成された前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて前記セラミックス着色用インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
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