JP2018158564A - 立体造形物の製造方法、立体造形材料セット、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形物の製造方法、立体造形材料セット、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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政樹 渡邉
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政樹 渡邉
山口 剛男
Takeo Yamaguchi
剛男 山口
輝樹 草原
Teruki Kusahara
輝樹 草原
櫻井 陽一
Yoichi Sakurai
陽一 櫻井
滉一郎 田中
Koichiro Tanaka
滉一郎 田中
新美 達也
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達也 新美
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Abstract

【課題】高融点かつ高硬度材料を用いた複雑な立体形状の立体造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる立体造形物の製造方法の提供。【解決手段】セラミックス粒子を含む立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形する立体造形物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形物の製造方法、立体造形材料セット、及び立体造形物の製造装置に関する。
従来、歯科用補綴物(人工歯)は、コバルトクロム合金等の金属材料、ジルコニア等のセラミックス材料、フィラーを複合したハイブリッドレジン等の有機材料などから作製されている。
このような歯科用補綴物は、機能不全の咬合機能を代行するものであるが、前記歯科用補綴物の材料の多くは、磨耗や腐食等の経時変化を起こすのみならず、天然歯に比べて白味が強く、審美性の観点でも問題がある。この問題を解消することが期待されている材料として、例えば、ジルコニアが知られている。前記ジルコニアは透明性を有しており、色のグラデーションを付加すれば天然歯と並べても違和感の無い人工歯の作製が可能である。
近年では、グラデーション付きのCAD/CAM用ジルコニアディスクが提案されており、隣接歯とより近い色味の再現ができてきている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年では、粉末積層造形等の三次元(3D)プリンタが提案されており、これらの方式によれば内部構造を有した繊細な立体造形が可能であると期待され、レーザーや電子線を用いた方法が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
インクジェットを用いた三次元(3D)プリンタにおいては、インク中に着色剤を含有させることができると期待され、造形のタイミングで築盛に近い作業が自動化されるため、前記CAD/CAMに対して優位性があると考えられる。ただし、ジルコニアに対して着色させるためには、1,500℃程度の焼成温度に耐えられる着色剤である必然性があり、そのような着色剤としては無機物しかない。通常、無機物は比重が重いため、インク中に分散させる場合は、無機着色剤が沈降することを前提にインクジェットヘッド内で循環させたりするなどの工夫が必要である(例えば、特許文献4及び5参照)。
一方、近年、歯科業界においては金属種をイオンや錯体化させ、一定期間放置しても沈降しない液体が販売されている(例えば、特許文献6参照)。
本発明は、高融点かつ高硬度材料を用いた複雑な立体形状の立体造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造方法は、セラミックス粒子を含む立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形する。
本発明によると、高融点かつ高硬度材料を用いた複雑な立体形状の立体造形物を、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す概略図である。 図3は、歯科用補綴物の縦方向断面におけるL値、a値、及びb値の測定位置を示す模式図である。
(立体造形物(積層造形物)の製造方法、立体造形物(積層造形物)の製造装置、歯科用補綴物の製造方法、歯科用補綴物の製造装置、及び立体造形材料セット)
本発明の立体造形物の製造方法は、セラミックス粒子を含む立体造形用材料(以下、「第一の立体造形用液体材料」とも称することがある)を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、レーザーや電子線を用いた従来の方法では、色味の再現のために造形後に歯科技工士が築盛をする必要があり、前記CAD/CAMに対して大幅な優位性があるとは言い難いという知見に基づくものである。
また、色味の再現のために造形後に歯科技工士が築盛するものである場合、歯の噛合せの調節のために造形物を削ると、表面に塗布した色が剥げ落ちてしまい、ジルコニアの白色が露出してしまうという問題があるという知見に基づくものである。
さらに、本発明の立体造形物の製造方法は、従来の金属種をイオンや錯体化させた液体では、CAD/CAMなどにより所望形状に切削された歯科用補綴物に対して、手作業により筆などで液体を塗り着色させるものであるため、人の差が大きく、安定した着色ができないという知見に基づくものである。
一方、前記立体造形用材料は、溶媒が揮発することにより、前記有機化合物Aと前記セラミックス粒子とからなる乾固体になり、特に前記有機化合物Aがバインダーとしての機能を示す場合は、硬く強度のある乾固体になる。したがって、前記硬化用材料中の有機化合物Bが前記有機化合物Aと反応して硬化(領域Aとする)しても、硬化用材料が付与されていない乾固化した未反応領域(領域Bとする)が周囲に存在することにより、前記領域Aと領域Bの強度差が小さくなり、最終的に必要とする領域Aのみを取り出すことが困難となる。
しかし、前記領域Bは、前記有機化合物Aが未反応な状態にて存在しているため、前記有機化合物Aに対して溶解性を示す材料を全体に付与すれば、領域Aの形状は保持したまま、領域Bのみを崩壊することが可能となる。この前記有機化合物Aを溶解する液体材料、即ち、前記領域Bのみを崩壊する液体材料が前記第三の立体造形用液体材料である。
ここで、本発明の立体造形物の製造方法に用いることができる本発明の立体造形材料セットについて説明する。
<立体造形材料セット>
本発明の立体造形材料セットは、セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、前記立体造形用材料を硬化する成分を含有する硬化用材料と、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、を有し、更に必要に応じて、その他の材料を有してなる。
また、本発明の立体造形材料セットは、セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、硬化用材料と、前記セラミックス粒子を発色させるセラミックス着色用インクと、を有し、前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含み、更に必要に応じてその他の材料を有してなる。
本発明においては、セラミックス着色用インクを積層造型時に造形物内部にも付与することができるため、表面のみを着色した場合と異なり、造形物を削ったとしても造形物内部まで着色することが可能であるため、ジルコニアの白色が露出しないという効果が得られる。更に本発明では、高強度の造形物を簡便な方法で提供できるという優れた効果が得られる。
なお、本発明において用いられるセラミックス着色用インクは、インク中に溶解している金属イオン又は金属錯体を含有しているため、顔料を含有する着色用インクに比べて、インク中の色材分散安定性やインクの保存安定性、吐出安定性において優れた効果が得られる。また、セラミックス粒子を用いて造形した造形物は、最終的に焼結することが必要であるが、金属イオンや金属錯体は耐高温性があるため、セラミックス粒子の着色に対して好適に用いることができる。
また、立体造形用材料中に含有されるセラミックス粒子は、体積平均粒径を小さくしないと粒子間隙が多く残存するために焼結が困難になることや、強度の低下が起こる。しかしながら小粒径化すると、粒子間力が強く働くことで流動性が悪化してしまい、層形成が難しくなる場合がある。したがって、強度の向上、及び流動性の向上を両立するために、前記立体造形用材料は溶媒を含むことが好ましい。
<セラミックス着色用インク>
前記セラミックス着色用インクとしては、前記セラミックス粒子を発色させる性質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、金属及び/又は金属イオンが錯化剤により安定化され、各種成分を含む水系媒体中に溶解した着色溶液をセラミックス着色用インクとして扱ったり、又は、前記有機化合物Bとセラミックス着色用インクが反応性を示して沈降性を示す場合は、前記有機化合物Bが除かれた着色溶液をセラミックス着色用インクとして扱うことも可能である。また、必要に応じて、複数のセラミックス着色用インクを使用してもよく、この場合、多様な色を再現することができる。
前記錯化剤としては、H、N、O、Cなどのような元素のみを含有する純粋有機物質が好ましく、焼成中に有害残留物を残さないで完全燃焼できる物質が好ましい。
前記セラミックス着色用インクに含有される着色剤としては、互いに、少なくとも2つの異なる種の原子又はイオン半径を有する異なる金属及び/又は金属イオンの混合物を含むことが好ましく、これらの金属及び/又は金属イオンは一定の量で存在する。
前記金属及び/又は金属イオンにおける金属としては、例えば、希土類元素金属、遷移金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記希土類元素金属には、例えば、ランタノイドなどが挙げられる。
前記ランタノイドとしては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。
前記遷移金属としては、例えば、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB族の金属などが挙げられる。
前記セラミックス粒子にジルコニアを用いた場合は、Mn、Er及びPrが特に有効である。
前記金属イオン又は金属錯体における金属としては、例えば、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、ハフニウムなどが挙げられる。
前記着色剤としては、少なくとも2つの異なる種の希土類元素金属及び/又はイオンと、少なくとも1種の遷移金属及び/又はイオンとを含むことが好ましい。前記希土類元素金属及び/又はイオンは、前記遷移金属及び/又はイオンの原子又はイオン半径よりも大きな原子又はイオン半径を有する。典型的には、希土類元素金属イオンのイオン半径は約0.9Åを超え、一方で、遷移金属イオンのイオン半径は約0.9Åを下回るか約0.8Åを下回ることが好ましい。イオン半径のサイズは通常、イオンの電荷及び配位数に依存する。
前記セラミックス着色用インク中に含有される金属イオン又は金属錯体の含有量としては、錯体として安定性を示すのであれば特に制限されないが、焼成後の立体造形物に適切な着色を実現することを考慮すると、十分量存在していることが好ましく、前記セラミックス着色用インク全量に対して、30質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上30質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以上20質量%以下が特に好ましく、1質量%以上15質量%以下が最も好ましい。前記含有量が、前記範囲内に存在することにより、所望の色再現が実現できるのみならず、着色剤の沈降によるインクジェットノズルの詰まりを抑制できるため、より精度よく着色造形が可能となる。
前記希土類元素金属及び/又はイオンの含有量としては、前記セラミックス着色用インク中に、0.05mol/L以上1mol/L以下が好ましい。
前記遷移金属及び/又はイオンは、溶液中に0.00001mol/L以上0.05mol/L以下の量で存在することが好ましい。
通常、着色剤は、カチオン及びアニオンを含むことが好ましい。有用な前記アニオンとしては、Cl(Y=1)、OAc(Y=1)、NO (Y=1)、NO (Y=1)、CO 2−(Y=1)、HCO (Y=1)、ONC(Y=1)、SCN(Y=1)、SO 2−(Y=1)、SO 2−(Y=1)、グルタレート(Y=2)、ラクテート(Y=1)、グルコネート(Y=1)、プロピオネート(Y=1)、ブチラート(Y=1)、グルクロネート(Y=1)、ベンゾエート(Y=1)、フェノラート(Y=1)、シトレート(Y=3)などが挙げられる(ここで、Yは、中心金属に対して配位可能な配位原子の数を示す)。
前記セラミックス着色用インクに使用できる着色剤としては、例えば、Er、Mn及びPrの酢酸塩、炭酸塩及び塩化物などが挙げられる。
前記セラミックス着色用インクとしては、錯化剤を含むことが好ましい。
前記錯化剤としては、着色剤の金属イオンと錯体を形成して、選択された溶媒に着色剤が溶解するのを助け、且つ、保存時に着色剤が溶液から沈殿するのを防ぎ、これによってより良好な保存安定組成物を得るのを助けることができる。
前記着色剤の金属と錯体を形成できる錯化剤としては、様々な形状、構造を有することができる。
前記形状としては、通常、金属に結合している配位子数に依存し、結合の数は金属イオンのサイズ、電荷、及び電子配置に依存するが、殆どの金属イオンは1を超える配位数を有することができ、配位数から様々な配位子構造配置が得られる。大半の形状は、以下に列挙されるが、例えば、異なる種の配位子の使用(不規則的な結合距離を生じ、配位原子は球上点パターンに従わない)により、配位子のサイズにより、又は電子効果により、規則的形状から逸脱する多くの場合がある。
2配位のための直線
3配位のための三方平面
4配位のための四面体又は平面四角形
5配位のための三方両錘又は四方錘
6配位のための八面体(直交)又は三角柱
7配位のための五方両錐
8配位のための四方逆プリズム
9配位のための三冠三角柱(三側錐三角柱)
前記錯化剤としては、キレート化剤(又は多座配位子)としても用いることができ、中心原子上の1つを超える配位部位に結合できる。前記キレート化剤の増加した安定性は、キレート効果とも呼ばれる。
配位子が完全に置換されるためには中心原子に対する全ての結合を破断する必要があるため、分離分子の数を増やすためにより多くのエネルギーを必要とする。キレートがいくつかの単座配位子(水又はアンモニアなど)により置換される場合には分子の総数は減少するが、一方で、いくつかの単座配位子がキレートにより置換される場合には遊離分子の数は増加する。従って、この効果は、より多くの部位がより少ない配位子に使用される点でエントロピー的であり、これにより多くの未結合分子が残される。少なくとも2、3、4、5又は6個の配位している配位子を有する錯化剤においては良好な結果が得られる。
前記キレート剤としては、例えば、六座配位子(Y=6)、五座配位子(Y=5)、四座配位子(Y=4)、三座配位子(Y=3)、二座配位子(Y=2)などに分類することができる。
前記六座配位子(Y=6)としては、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、18−クラウン−6;2,2,2−クリプタンド、ポリアクリレートやポリアスパラゲートのようなポリマー性配位子などが挙げられる。
前記五座配位子(Y=5)としては、例えば、15−クラウン−5;シクロ−ペンタジエンなどが挙げられる。
前記四座配位子(Y=4)としては、例えば、NTA(ニトリロトリアセテート)、12−クラウン−4;トリエチレンテトラミン、ポルフィン2−、フタロシアニン2−、ビス(サリチレート)エチレンビス(イミン)サレン2−などが挙げられる。
前記三座配位子(Y=3)としては、例えば、CO(COO) 3−などが挙げられる。
前記二座配位子(Y=2)としては、例えば、HC 2−、サリチレート、グリシネート、ラクテート、アセチルアセトネート、プロピレンジアミン、アスコルベートC 2−、CO(COOH)(COO) 2−などが挙げられる。
一般に、水系では錯化配位子として、非電荷錯化配位子、カチオン性配位子、及びアニオン性官能基を有する錯化剤を用いることができるが、安定性の向上が得られるためアニオン性官能基を有する錯化剤が好ましい。
前記錯化剤の含有量としては、溶媒中に着色剤を溶解するのに十分な量で存在することが好ましく、例えば、前記セラミックス着色用インク全量に対して、2質量%以上60質量%以下が好ましい。有用な含有量としては、式:(X1/X2)×Yが5を超えるか等しい(ただし、X1は錯化剤の[mol]での量であり、X2は着色剤中に存在する金属イオンの[mol]での量であり、Yは使用される錯化剤の配位している配位子の数である)式を満たすことが好ましい。その際、セラミックス着色用インクは、着色剤の部分として少なくとも2つの異なる金属を含有するため、存在する金属イオンのそれぞれの量を加算しなければならない。例えば、着色剤が1molのMnClと2molのErAcとを含有する場合には、X2は3となる。セラミックス着色用インクが一定量の特定の錯化剤、及び着色剤を含有する場合には、着色剤中に存在する金属イオンについての対イオンは錯化剤として作用することができ、それゆえに、錯化剤の量と着色剤のアニオンの量もまた加算しなければならない。例えば、1molのEDTAが1molのシトレートとともに使用される場合には、X1は2となる。
前記セラミックス着色用インクに適する溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール;アセトン、エチルアセトン等のケトンのような極性非プロトン性液、並びにアルコール及び/又はケトンと水との混合物、非極性錯体などが挙げられる。これらの中でも、水、アルコールが好ましい。
前記溶媒の有用な混合物としては、例えば、水、エタノール、アルコール及び/又はケトンと水との混合物などが挙げられる。これらの溶媒は極性錯体に関して特に有用である。
前記非極性錯体としては、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、THF等)又は炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等;そのn−、sec−、tert−異性体等)などが挙げられる。
前記セラミックス着色用インクの粘度としては、3mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。また、前記表面張力としては、40mN以下が好ましく、30mN以下がより好ましい。前記粘度及び前記表面張力が上記範囲内にあると、安定した吐出性を確保することができる。
以上より、前記セラミックス着色用インクとしては、例えば、有機エルビウム塩(例えば、酢酸エルビウム等)、有機プラセオジム塩(例えば、酢酸プラセオジム等)、微量の有機マンガン塩(例えば、酢酸マンガン(II)等)、錯化剤(例えば、EDTA等)及び溶媒(例えば、水)を含むことなどが挙げられる。また、前記セラミックス着色用インクは、特に、ZrO及び/又はAlを含むか、またはこれらから本質的に構成される種々の組成物の予備焼結されたセラミック体に適用することができる。さらに、無機物着色インクは、後述する有機化合物Bを含有していてもよい。
<立体造形用材料(第一の立体造形用液体材料、又は第一の積層造形用液体材料)>
前記立体造形用材料(第一の立体造形用液体材料、又は第一の積層造形用液体材料)は、セラミックス粒子を含み、有機化合物A及び/又はモノマー等の紫外線硬化性を示す化合物を含むことが好ましく、更に必要に応じて、溶媒、重合開始剤、光増感剤、その他の成分を含有してなる。
<<セラミックス粒子>>
前記セラミックス粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子、二ケイ酸リチウム粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジルコニア粒子が好ましい。前記セラミックス粒子としてジルコニア粒子を用いる場合は、安定化剤としてのイットリアやセリア等を含有してもよい。
前記セラミックス粒子の体積平均粒径としては、前記立体造形用材料中において、1μm未満が好ましく、0.5μm未満がより好ましい。前記体積平均粒径が1μm未満であると、グリンシート又はグリン体の密度が低くなることを防止し、良好に焼結することができ、力学的強度を向上できる。前記セラミックス粒子の体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。なお、前記グリンシート又はグリン体は、スラリーとバインダーの混錬物であるコンパウンドを射出成型したシート又は成型体である。
前記ジルコニア粒子は、極めて高い融点を持つことから、体積平均粒径を小さくしないと焼結できない。理想とする体積平均粒径は数十nmオーダーであり、1μm以上になると粒子間隙が多く残存するため、焼結することが困難となる。通常の積層造形を行う上では、ジルコニア粒子を含む材料を供給槽から造形槽へ搬送する必要があるが、前記材料を構成する粒子のサイズが小さいと、粒子間力が強く働き、流動性が著しく悪化してしまう傾向にある。したがって、焼結性を保持しつつ流動性を向上させるためには、体積平均粒径を数百nmオーダー以下で維持しながらスラリー化し、ハンドリングできるようにすることが好ましい。
前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤(イットリア、セリア等)の含有量としては、前記立体造形用材料全量に対して、2質量%以上6質量%以下が好ましく、3質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、2質量%以上6質量%以下であると、安定化剤としての機能が十分に発揮され、焼成時にクラックが生じることが少なくなる。
前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法により測定することができる。
前記セラミックス粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱分解法、共沈法、加水分解法などが挙げられる。これらの中でも、ジルコニア粒子においては熱分解法、共沈法が好ましい。
前記熱分解法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を所定量混合し、塩化ナトリウム(又は塩化カリウム)をオキシ塩化ジルコニウム全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下添加し、混合する方法などが挙げられる。この混合液を噴霧乾燥法等の瞬間乾燥を行い、乾燥粉末が得られる。
前記瞬間乾燥とは、10秒間以内に乾燥できる手法であり、乾燥温度は200℃以上の加熱空気中で行うことが好ましい。次に、前記乾燥粉末を空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で熱分解させることにより、酸化物仮焼粉末が得られる。前記酸化物仮焼粉末を湿式粉砕法で粉砕径を2μm以下になるように粉砕し、水洗する。
前記水洗の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メンブレンフィルターを使用した連続式洗浄ろ過法が好ましい。前記水洗により、セラミックス粒子中のナトリウム(又はカリウム)濃度が酸化物に換算した量として10ppm以上100ppm以下の範囲になるように十分に水洗する。前記水洗後のスラリーを乾燥させることにより、セラミックス粒子(ジルコニア粉末)が得られる。
前記共沈法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を混合する方法などが挙げられる。ここで特にオキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウムからのそれぞれの水和物が析出するpHを一定にするように金属錯体を形成させるため、硫酸ナトリウム(又は硫酸カリウム)をジルコニアに対しモル比が好ましくは0.3以上0.7以下となるように添加し、50℃以上100℃以下の温度で数時間以上反応させる。この混合液に水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、水溶液のpHを8以上10以下とする。得られた共沈水和物微粒子を十分水洗し、酸化物に換算したときのナトリウム(又はカリウム)が10ppm以上100ppm以下の範囲となっていることを確認する。水洗後の水和物微粒子を脱水及び乾燥させ、空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で焼成することで酸化物仮焼粉末を得る。得られた酸化物仮焼粉末を2μm以下まで湿式粉砕し、乾燥することによりセラミックス粒子(ジルコニア粉末)が得られる。
前記セラミックス粒子の含有量としては、前記立体造形用材料(スラリー)100質量部に対して、20質量部以上70質量部以下が好ましい。前記含有量が、20質量部以上であると、揮発する溶媒量が相対的に少なくでき、グリンシート又はグリン体の密度を高くすることができ、70質量部以下であると、スラリーとしての流動性を向上でき、ドクターブレード等によるスラリー搬送を良好に行うことができる。
<<有機化合物A>>
前記有機化合物Aとしては、両親媒性樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記有機化合物Aとしては、塩基性官能基と反応性を有する酸性官能基を有することが好ましい。
前記酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。
前記酸性官能基を有する有機化合物Aとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、及び、それらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、塩基性官能基との反応性が高い点から、ポリアクリル酸、及び/又はポリアクリル酸誘導体が好ましい。
前記ポリアクリル酸、及び/又はポリアクリル酸誘導体の重量平均分子量(Mw)としては、400,000以上が好ましく、400,000以上2,000,000以下がより好ましく、800,000以上150,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、400,000以上であると、塩基性官能基を有する前記硬化用材料中の有機化合物Bとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、2,000,000以下であると、スラリーの粘度が適切であり、得られるスラリー中でのセラミックス粒子のバラツキが生じない傾向にある。前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、単離したポリアクリル酸の分子量分布を求めて、これを基に重量平均分子量を算出することができる。
前記有機化合物Aの含有量としては、前記セラミックス粒子100質量部に対して、5質量部以上110質量部以下が好ましい。前記含有量が、5質量部以上であると、結着効果を十分に得ることができ、スラリー中でのセラミックス粒子の分散状態が良好になり、分散安定性を向上できる。一方、前記含有量が、110質量部以下であると、スラリーの粘度を低くでき、ドクターブレード等によるスラリーの搬送を良好に行うことができる。前記有機化合物Aの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
<<溶媒>>
前記溶媒としては、前記有機化合物Aを溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール(アルコール系媒体)、トルエン(沸点:110.6℃)等の極性溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリンシート又はグリン体造形の生産性を向上の点から、沸点が低い有機溶剤が好ましく、沸点が80℃以下である有機溶剤がより好ましい。
前記沸点が80℃以下である有機溶剤としては、例えば、エタノール(沸点:78.37℃)、メタノール(沸点:64.7℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、アセトン(沸点:56℃)、塩化メチレン(沸点:39.6℃)などが挙げられる。
−モノマー−
前記モノマーとしては、例えば、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物などが挙げられる。
前記不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物としては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
前記単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、その他の単官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、又はN,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、N−イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
前記その他の単官能モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン(ACMO)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単官能モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーが得られる。
前記アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、血管モデルの強度を保つために有利な構成成分である。
前記単官能モノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、立体造形用材料全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記多官能モノマーとしては、例えば、2官能モノマー、3官能モノマー、4官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記4官能以上のモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−重合開始剤−−
前記重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光(特に波長域220nm以上400nm以下の紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記蛍光増白剤(増感剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレンなどが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、可塑剤、焼結助剤、重合開始剤、光増感剤などが挙げられる。前記立体造形用材料が、前記分散剤を含むと、前記セラミックス粒子の分散性を改善し、静止時の沈降を抑制することができる点で好ましく、グリンシート又はグリン体を造形する際にセラミックス粒子が連続して存在しやすくなる。また、前記可塑剤を含むと、前記立体造形用材料からなるグリンシート又はグリン体前駆体が乾燥した際に亀裂が入りにくくなる点で好ましい。前記焼結助剤を含むと、得られた積層造形物につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
前記光増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレンなどが挙げられる。
<硬化用材料(第二の立体造形用液体材料、又は第二の積層造形用液体材料)>
前記硬化用材料(以下、「第二の立体造形用液体材料」、又は「第二の積層造形用液体材料」と称することがある)は、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物B及び/又はモノマー等の紫外線硬化性を示す化合物を含み、更に必要に応じて、水性媒体、重合開始剤、光増感剤、その他の成分を含有してなる。
前記モノマーとしては、前記立体造形用材料におけるモノマーと同様のものを用いるこ
とができる。
前記重合開始剤としては、前記立体造形用材料における重合開始剤と同様のものを用い
ることができる。
前記光増感剤としては、前記立体造形用材料における光増感剤と同様のものを用いるこ
とができる。
前記硬化用材料のアミン価としては、100mgKOH/g以上が好ましく、100mgKOH/g以上1,000mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以上300mgKOH/g以下が特に好ましい。前記アミン価が、100mgKOH/g以上であると、塩基性を示す部位が多いため、酸性官能基を持つ前記立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記アミン価が、1,000mgKOH/g以下であると、硬化用材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記アミン価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の滴定装置を選択することができ、例えば、自動滴定装置COM−1500(平沼産業株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
<<有機化合物B>>
前記有機化合物Bとしては、前記有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。前記水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
前記有機化合物Bとしては、酸性官能基と反応性を有する塩基性官能基を有することが好ましい。
前記塩基性官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基などが挙げられる。
前記アミノ基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基などが挙げられる。
前記アミノ基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミンなどが挙げられる。
前記ポリエチレンイミンとしては、分岐型であることが好ましい。
前記アミド基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリウレタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)としては、1,800以上が好ましく、1,800以上70,000以下がより好ましく、3,000以上20,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,800以上であると、酸性官能基を持つ前記立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、70,000以下であると、硬化用材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。
前記ポリアリルアミンの重量平均分子量(Mw)としては、1,600以上が好ましく、1,600以上50,000以下がより好ましく、1,600以上25,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,600以上であると、酸性官能基を持つ前記立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、50,000以下であると、硬化用材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。
前記有機化合物Bの含有量としては、前記硬化用材料100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下が好ましい。前記含有量が、3質量部以上であると、前記立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造を十分に構築でき、得られるグリンシート又はグリン体の強度を向上できる。一方、前記含有量が、20質量部以下であると、硬化用材料の粘度を低くでき、吐出安定性を向上できる。
前記有機化合物Bの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記有機化合物Bのアミン価としては、300mgKOH/g以上1,500mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以上1,200mgKOH/g以下がより好ましく、400mgKOH/g以上1,200mgKOH/g以下が特に好ましい。前記アミン価が、300mgKOH/g以上であると、塩基性を示す部位が多いため、酸性官能基を持つ前記立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、立体造形物の硬化時間が適切である。一方、前記アミン価が、1,500mgKOH/g以下であると、硬化用材料の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。前記アミン価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の滴定装置を選択することができ、例えば、自動滴定装置COM−1500(平沼産業株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
<<水性媒体>>
前記水性媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、重合開始剤などが挙げられる。
前記硬化用材料は、各種の積層造形物、構造体の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置に特に好適に用いることができる。
<第三の立体造形用液体材料(第三の積層造形用液体材料)>
前記第三の立体造形用液体材料は、前記有機化合物Aを溶解する有機溶媒を含み、更に必要に応じて、水性媒体、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
<<有機溶媒>>
前記有機溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記有機溶媒は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤としては、前記有機化合物Aに対して反応性を示さなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、ジスルホン酸塩、コール酸塩、デオキシコール酸塩などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤などが挙げられる。
[立体造形物の焼結後密度]
前記立体造形物の焼結後密度としては、93%以上が好ましい。前記立体造形物の焼結後密度は、JIS−R−1634に基づいて、株式会社エー・アンド・デイ製のAD−1653を用いて測定することができる。
[立体造形物の焼結後の曲げ強度]
前記立体造形物の焼結後の曲げ強度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ジルコニア粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、500MPa以上が好ましく、800MPa以上がより好ましい。
前記アルミナ粒子を用いた立体造形物の場合の焼結後の曲げ強度としては、500MPa以上が好ましく、600MPa以上がより好ましい。
前記曲げ強度は、ISO−6871に基づいて、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いて測定することができ、前記耐力は、JIS−T6123に基づいて、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いて測定することができる。
<立体造形物の製造方法、立体造形物(積層造形物)の製造方法、立体造形物(積層造形物)の製造装置、歯科用補綴物の製造方法、及び歯科用補綴物の製造装置>
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造方法は、層形成工程、吐出工程(以下、「液体材料付与工程」とも称することがある)を含み、層乾燥工程、硬化工程、未反応領域の除去工程、及び焼結工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造装置は、立体造形用材料層保持手段、層形成手段、及び吐出手段を有し、層乾燥手段、硬化手段、未反応領域の除去手段、及び焼結手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の立体造形物(積層造形物)の製造方法は、本発明の立体造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記吐出工程は、前記吐出手段により好適に実施することができ、前記硬化工程は、前記硬化手段により好適に実施することができ、前記未反応領域の除去工程は、前記未反応領域の除去手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
前記歯科用補綴物の製造方法は、前記歯科用補綴物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記吐出工程は、前記吐出手段により好適に実施することができ、前記未反応領域の除去工程は、前記未反応領域の除去手段により好適に実施することができ、前記焼結工程は、前記焼結手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
<層形成工程及び層形成手段>
前記層形成工程は、本発明の前記立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する工程である。
前記層形成手段は、本発明の前記立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する手段である。
−立体造形用材料層保持手段(支持体又は液体材料層保持手段)−
前記立体造形用材料層保持手段(以下、「支持体」、又は「液体材料層保持手段」と称することがある)としては、前記立体造形用材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記立体造形用材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記立体造形用材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
−立体造形用材料層の形成−
前記立体造形用材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、立体造形用材料(スラリー材料)を薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記スラリー材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記スラリー材料層の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記カウンター回転機構(カウンターローラ)、前記ブラシ乃至ブレード、前記押圧部材などを用いて、前記支持体上に前記スラリー材料を載置させるには、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称されることもある)内に、前記外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された前記支持体上に前記スラリー材料を、前記カウンター回転機構(カウンターローラ)、前記ブラシ、ローラ又はブレード、前記押圧部材などを用いて載置させる。このとき、前記支持体として、前記外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、前記支持体を前記外枠の上端開口部よりも少しだけ下方の位置に配し、即ち、前記立体造形用材料層(スラリー材料層)の厚み分だけ下方に位置させておき、前記支持体上に前記スラリー材料を載置させる。以上により、前記スラリー材料を前記支持体上に薄層に載置させることができる。
なお、このようにして薄層に載置させた前記スラリー材料に対し、レーザーや電子線、或いは、硬化用材料を作用させると硬化が生ずる。ここで得られた薄層の硬化物上に、上記と同様にして、前記スラリー材料を薄層に載置させ、この薄層に載置された前記スラリー材料(層)に対し、前記レーザーや電子線、或いは硬化用材料を作用させると硬化が生ずる。このときの硬化は、前記薄層に載置された前記スラリー材料(層)においてのみならず、その下に存在する、先に硬化して得られた前記薄層の硬化物との間でも生ずる。その結果、前記薄層に載置された前記スラリー材料(層)の約2層分の厚みを有する硬化物(立体造形物)が得られる。
また、前記スラリー材料を前記支持体上に薄層に載置させるには、前記公知の粉末積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。前記粉末積層造形装置は、一般に、前記スラリー材料を積層するためのリコーターと、前記スラリー材料を前記支持体上に供給するための可動式供給槽と、前記粉末材料を薄層に載置し、積層するための可動式成形槽とを備える。前記粉末積層造形装置においては、前記供給槽を上昇させるか、前記成形槽を下降させるか、又はその両方によって、常に前記供給槽の表面は前記成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができ、前記供給槽側から前記リコーターを用いて前記粉末材料を薄層に配置させることができ、前記リコーターを繰り返し移動させることにより、薄層の前記スラリー材料を積層させることができる。この粉末積層造形装置をそのままスラリー積層用に置き換えてもよいし、リコーター部分をシート成形用のドクターブレードに変えてもよい。
前記スラリー材料層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一層当たりの平均厚みで、1μm以上200μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましく、1μm以上80μm以下がさらに好ましく、5μm以上50μm以下が特に好ましい。また、前記平均厚みが、40μm以下であると、より高解像度のグラデーションが可能であり、30μm以下がより好ましい。高解像度のグラデーションを得る場合は、平均厚みは薄い方が好ましく、例えば、256μm厚の造形物で256階調のグラデーションを得る場合は、層厚は1μmにすればよいし、低解像度のグラデーションでよければ、一層当たりの平均厚みを厚くすればよい。また、前記平均厚みが、1μm以上であると、立体造形物が得られるまでの時間が適正であり、焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない。一方、前記平均厚みが、80μm以下であると、適正な階調数を有する立体造形物を得ることができるのみならず、層の内部に存在する溶媒が十分に揮発でき、所望の力学的強度を有する立体造形物を得ることができる。
前記スラリー材料層から溶媒が揮発した後の表面粗さ(Ra)としては、0.1μm以上10μm以下が好ましい。前記表面粗さ(Ra)が、0.1μm以上であると、適度に表面が荒れることでインクの浸透性を促すことができ、10μm以下であると、硬化用材料の量が積層面に対して均一に付与することができる。また、前記スラリー材料層の表面粗さ(Ra)が上記範囲であると、造形で得られたグリン体における層間の接着力を十分に得ることができる。
また、スラリーが乾燥工程を経て乾燥して安定になった状態での表面粗さが0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。スラリーの状態が安定であると、積層時ごとのばらつきを小さくすることができる。
前記表面粗さ(Ra)の測定は、以下のようにして行うことができる。前記スラリー材料層は、立体造形用材料(スラリー)を敷き、必要に応じて溶剤の除去などを施し、硬化用材料を付与する前の状態にする。このときの第一の立体造形用材料の層について、レーザー顕微鏡(装置名:VK−X250、株式会社キーエンス製)を用いて層表面の5箇所を任意に選択して測定する。対物レンズは20倍を用い、得られた測定値から平均値を求め、表面粗さ(Ra)とする。
本発明の立体造形物の製造方法は、前記層形成工程の後に、さらにスラリー層を乾燥させる層乾燥工程を含有することが好ましく、スラリー中の溶媒を十分に乾燥させてから前記硬化工程、及び/又は前記吐出(着色)工程を施すことが好ましい。層乾燥が不十分であると、前記硬化工程における硬化部位のバラつきが発生したり、着色工程における着色部位の染み出しが発生し、寸法精度や色再現性が悪化する。また、層中に溶媒が残存しながら積層してしまうため、立体造形物中に存在する残存溶媒が焼結工程等で空隙として残存してしまい、力学的強度を著しく低下させてしまうことがある。
<層乾燥工程及び層乾燥手段>
前記層乾燥工程は、前記層形成工程後、前記液体材料付与工程前において、前記立体造形用材料における水系媒体及びアルコール系媒体の少なくともいずれかを揮発させる層乾燥工程であり、層乾燥手段により行われる。もちろん自然乾燥を行ってもよい。前記層乾燥工程において、前記スラリー層中に含まれる水分(溶媒)を揮発させることができる。なお、前記層乾燥工程としては、スラリー層から溶媒をすべて除去せず、半乾燥状態とすることが好ましい。前記層乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
前記層乾燥工程における乾燥時間は適宜変更することができる。前記乾燥時間を長くすれば、前記層乾燥工程後の液体材料付与工程で付与される液体材料の横方向への染み出しが抑制され、造形精度が向上するが、層間の接着力が弱くなる傾向にある。一方、前記乾燥時間を短くすれば、層間での粒子移動が起こり、層間の接着力が強くなるが、前記層乾燥工程後の液体材料付与工程で付与される液体材料の横方向への染み出しが発生し、造形精度が悪化する傾向にある。これは用いる材料種によって適宜選択すればよい。
<吐出工程(液体材料付与工程)及び吐出手段(液体材料付与手段)>
前記吐出工程(液体材料付与工程)は、前記スラリー材料層に、水性媒体を含むセラミックス着色用インクを前記立体造形用材料層の所定領域に付与する工程である。
前記吐出手段(液体材料付与手段)は、前記スラリー材料層に、水性媒体を含むセラミックス着色用インクを前記立体造形用材料層の所定領域に付与する手段である。
前記吐出工程は、異なる着色剤をそれぞれ含む複数のセラミックス着色用インクを前記スラリー層に付与することが好ましく、所望の色再現範囲によって適宜セラミックス着色用インクの数を変更することが可能である。例えば、二次元プリンタのようにブラックインクタンク、シアンインクタンク、マゼンタインクタンク、イエローインクタンクからなる4つのインクタンクを保持させてもよいし、着色剤が含まれない透明用のインクタンクを別途用意してもよい。複数のセラミックス着色用インクを使用することにより、単色では表現できないグラデーションなどをつけることが可能になり、所望の色をより良く再現することが可能となる。
前記セラミックス着色用インクの前記スラリー材料層への付与の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などで用いられている液体吐出手段などが挙げられる。本発明においては、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で、前記インクジェット方式で用いられる液体吐出手段(圧電アクチュエーター等の振動素子を用い、複数ノズルから液滴を吐出するもの)が好ましい。
前記セラミックス着色用インクの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の色を発色させたい場合は、インクタンク及びインクジェットヘッドを複数用意すればよい。具体的には、イエローとシアンとマゼンタを着色したい場合は、それぞれの色のインクタンクを用意すればよい。その際、前記硬化用材料とは別のインクタンクであることが好ましい。
なお、本発明の立体造形物の製造方法においては、一層ごとに色を変えていく必要はなく、また、一層の厚みも固定である必要はない。例えば、1つの立体造形物の中で高解像度であるべき部位と、低解像度で問題ない部位が共存している場合は、目的に応じて適宜、層厚を変えることができる。すなわち、高解像度が要求される部位においては、一層当たりの平均厚みを小さく、低解像度で問題ない部位においては、一層当たりの平均厚みを大きくすることができる。これにより、立体造形物を得るまでの時間が適正となり、生産効率を向上することができる。前記平均厚みを制御することにより、高解像度に着色した立体造形物を、生産効率を落とすことなく造型することできる。また、前記平均厚みを制御することにより、着色だけでなく、層数を減らすことによる層間の強度低下や、より形状としての細部を表現することを、生産性を低下することなく造型することができる。
<硬化工程及び硬化手段>
前記硬化工程は、前記スラリー材料層の所定領域を硬化する工程である。前記硬化工程としては、硬化用材料(積層造形用材料)を付与する付与工程、活性エネルギー線照射工程を用いることができる。
前記硬化手段は、前記スラリー材料層の所定領域を硬化する手段である。前記硬化工程としては、硬化用材料(積層造形用材料)を付与する付与手段、活性エネルギー線照射手段を用いることができる。
前記硬化工程としては、硬化用材料(積層造形用材料)を付与する付与工程を含むことが好ましく、光硬化樹脂からなる硬化用材料を付与する場合は、前記吐出工程の後に紫外線照射工程を含むことが好ましい。
前記硬化用材料は、前記着色剤を含むセラミックス着色用インクとは分けることが好ましい。これにより、硬化用材料中の成分が影響し、着色剤が凝集したりゲル化したりすることによる、セラミックス着色用インクの経時安定性の低下を防ぐことができる。
前記活性エネルギー線照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザー、電子線などが挙げられる。
前記レーザーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、COレーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。これらの中でも、COレーザーが好ましい。
前記レーザーを照射する条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小型レーザーを用いる場合、前記粉末材料を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mmにより接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、COレーザーを用いることが好ましい。
前記電子線としては、前記立体造形用組成物中の粒子が溶融するエネルギーの電子線を照射するが、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記立体造形用組成物は真空環境下で扱われることが好ましい。前記電子線を照射する条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
前記吐出(着色)工程、及び硬化工程の順は、所望の特性に応じて適宜選択することができるが、吐出工程が先であることが好ましい。前記吐出工程が、先にあることにより、前記スラリー層中に着色剤が十分に浸透し、所望の色再現性を得ることができる。また、前記吐出工程が、前記硬化工程と同時であってもよいが、硬化速度が著しく速い場合は、硬化時に生じる硬い部分が着色剤の浸透を阻害することがあるため、層間で十分に着色しない領域が生じることがある。
<除去工程及び除去手段>
前記除去工程は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物を前記第三の立体造形用液体材料に浸漬して未反応のスラリー材料を除去する工程である。なお、前記除去手段としては、例えば、静置による崩壊、超音波照射による崩壊、液体撹拌による崩壊などが挙げられる。
前記除去工程における除去時間は適宜変更することができる。前記除去時間を長くすれば、前記有機化合物Aと前記有機化合物Bとの反応物中に含まれる微小の酸性基が反応し水溶性となるため、前記液体材料付与工程で得られた硬化物が崩壊する傾向にある。一方、前記除去時間を短くすれば、前記未反応のスラリー層中に含まれる酸性基が十分に反応しないため、除去が不十分になる傾向にある。これは用いる材料種によって適宜選択すればよい。
<焼結工程及び焼結手段>
前記焼結工程は、前記層形成工程と前記液体材料付与工程とを順次繰り返して形成した立体造形物(積層造形物)を焼結する工程であり、焼結手段により行われる。前記焼結工程を行うことにより、前記硬化物を一体化された成形体(焼結体)とすることができる。
前記焼結手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
前記焼結工程としては、前記のように硬化物を得てから焼結する方法以外にも、立体造形用材料を積層する段階で焼結する方法がある。前記立体造形用材料を積層する段階で焼結する方法は、前記立体造形用材料層にレーザー照射及び電子線照射のいずれかを行い前記立体造形用材料層を焼結する方法である。
−レーザー照射−
前記レーザー照射におけるレーザーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、COレーザー、Nd−YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどが挙げられる。前記レーザー照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、小型レーザーを用いる場合、前記粉末材料を溶融することができないため、併用する接着剤(例えば、ポリエステル系接着剤)を混在させて、レーザー照射により接着剤を溶融させて造形することが好ましい。その場合、COレーザーを用いることが好ましい。照射条件としては、例えば、レーザー出力15W、波長10.6μm、ビーム径0.4mm程度が好ましい。
−電子線照射−
前記電子線照射としては、前記立体造形用材料中のセラミックス粒子が溶融するエネルギーの電子線を照射すること以外の制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。電子線を照射する際には、前記立体造形用材料は真空環境下で扱われる必要がある。前記電子線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、出力1,500W、ビーム径0.1mm、真空度1.0×10−5mbar程度が好ましい。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、表面保護工程、塗装工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、表面保護手段、塗装手段などが挙げられる。
−表面保護工程及び表面保護手段−
前記表面保護工程は、前記液体材料付与工程、又は前記焼結工程において形成した立体造形物に保護層を形成する工程である。前記表面保護工程を行うことにより、前記立体造形物を、例えば、そのまま使用等することができる耐久性等を前記立体造形物の表面に与えることができる。
前記保護層としては、例えば、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。
前記表面保護手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
−塗装工程及び塗装手段−
前記塗装工程は、前記立体造形物に塗装を行う工程である。この塗装工程を行うことにより、前記立体造形物に所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
ここで、図1に本発明で用いられる立体造形物の製造装置の一例を示す。この図1の立体造形物の製造装置は、造形側スラリー貯留槽1と供給側スラリー貯留槽2とを有し、これらのスラリー貯留槽は、それぞれ上下に移動可能なステージ3を有し、該ステージ上にスラリー材料からなる層を形成する。
造形側スラリー貯留槽1の上には、該スラリー貯留槽内の立体造形用材料(スラリー材料)に向けて硬化用材料4を吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給側スラリー貯留槽2から造形側スラリー貯留槽1にスラリー材料を供給すると共に、造形側スラリー貯留槽1のスラリー材料層表面を均す、均し機構6(以下、リコーターということがある)を有する。
造形側スラリー貯留槽1のスラリー材料上にインクジェットヘッド5から硬化用材料4を滴下する。このとき、硬化用材料4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
一層分の描画が終了した後、供給側スラリー貯留槽2のステージ3を上げ、造形側スラリー貯留槽1のステージ3を下げる。その差分のスラリー材料を、前記均し機構6によって、造形側スラリー貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画したスラリー材料層面上に、新たなスラリー材料層が一層形成される。このときのスラリー材料層一層の厚みは、1μm以上100μm以下程度である。前記新たに形成されたスラリー材料層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して立体造形物を得、図示しない加熱手段で加熱乾燥させることで造形物が得られる。
図2に、本発明で用いられるスラリー積層造形装置の他の一例を示す。図2の立体造形物の製造方法は、原理的には図1と同じものであるが、立体造形用材料(スラリー材料)の供給機構が異なる。即ち、供給側スラリー貯留槽2は、造形側スラリー貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形側スラリー貯留槽1のステージ3が所定量降下し、供給側スラリー貯留槽2が移動しながら、所定量のスラリー材料を造形側スラリー貯留槽1に落下させ、新たなスラリー材料層を形成する。その後、均し機構6で、立体造形用材料(スラリー材料)層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、スラリー材料層の高さを均一に均す。
図2に示す構成の立体造形物の製造装置によれば、2つのスラリー貯留槽を平面的に並べる図1の構成に比べて、装置をコンパクトにできる。
<立体造形物(積層造形物)>
前記立体造形物(積層造形物)は、本発明の立体造形物の製造方法により製造される。
前記立体造形物としては、口腔内の咀嚼力に長期間耐えることができ、審美性を有している点から、人工歯であることが好ましい。
前記人工歯は、う蝕、外傷、歯周病などにより失った天然歯の代わりに、その機能を回復するために作られた人工の歯であり、ブリッジ、クラウン等の歯科用補綴物も含まれる。
本発明の立体造形物の製造方法及び本発明の立体造形物の製造装置によれば、複雑な立体形状の造形物を、本発明の立体造形材料セットを用いて、簡便かつ効率良く、焼結等の前に型崩れが生ずることなく、寸法精度良く着色させながら製造することができる。こうして得られた立体造形物(硬化物)は、細胞毒性がなく、充分な強度を有し、寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面、色味なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、各種用途に好適に使用される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、立体造形(積層造形)を用い、型を用いないで積層造形物を製造した例を示したが、これらに制限されるものではない。
(セラミックス着色用インクの調製例1)
<セラミックス着色用インク1の調製>
酢酸プラセオジム(Pr)0.02質量%、酢酸エルビウム(Er)0.42質量%を水89.02質量%に溶解させた後、錯化剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)のジアンモニウム塩0.04質量%加え、ホモミキサーを用いて10分間撹拌した。次いで、湿潤剤としてプロピレングリコール10質量部、界面活性剤としてTween20を0.5質量部加え、所望の粘度及び表面張力に調整することでセラミックス着色用インク1を得た。
得られたセラミックス着色用インク1の粘度は、東機産業株式会社製TVB−10MのB型回転粘度計を用いて、25℃で測定した。
得られたセラミックス着色用インク1の表面張力(mN/m)は、協和界面科学株式会社製DY−300を用い、20℃にてWilhelmy法(Ptプレート)にて測定した。
(セラミックス着色用インクの調製例2〜12)
セラミックス着色用インクの調製例1において、下記表1の組成に変更した以外は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして、セラミックス着色用インク2〜12を得た。また、前記セラミックス着色用インク2〜12の粘度、及び表面張力は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして測定した。なお、セラミックス着色用インク9及び10は前記プロピレングリコールの量を変えることで粘度を調整し、セラミックス着色用インク11は前記Tween20の量を減らすことで調整した。
前記セラミックス着色用インク1〜12の組成、粘度、及び表面張力を下記表1に示す。
なお、前記表1において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・Pr:和光純薬工業株式会社製
・Fe:和光純薬工業株式会社製
・Nd:和光純薬工業株式会社製
・Er:和光純薬工業株式会社製
・Cr:和光純薬工業株式会社製
・Mn:和光純薬工業株式会社製
・EDTAのジアンモニウム塩:和光純薬工業株式会社製
(立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1)
<立体造形用材料(スラリー材料)1の調製>
ジルコニア粒子(東ソー株式会社製、TZ−3Y−E)30.0質量部、重量平均分子量(Mw)が800,000であるポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、AS−58)13.0質量部、可塑剤としてのフタル酸ベンジルブチル(和光純薬工業株式会社製)10.0質量部、セラミックス分散剤(マリアリム、日油株式会社製、AKM−0531)1.5質量部、及びエタノール60.0質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することにより立体造形用材料(スラリー材料)1を得た。
得られた立体造形用材料(スラリー材料)1中のセラミックス粒子の体積平均粒径について、以下のように測定した。
−セラミックス粒子の体積平均粒径−
前記立体造形用材料(スラリー材料)1中における前記セラミックス粒子の体積平均粒径は、装置名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver.3.32)(株式会社堀場製作所製)を用いて解析を行った。具体的にはクロロホルムにて光軸調整した後、バックグラウンドを測定した。その後、循環を開始し前記立体造形用材料(スラリー材料)を滴下した。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射した。照射した後に透過率の値が70%以上95%以下の範囲となる条件で体積平均粒径を測定した。体積平均粒径の測定再現性の点から、前記LA−920の透過率の値が70%以上95%以下となる条件で測定した。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行った。前記透過率の値を得るために前記立体造形用材料(スラリー材料)の滴下量を調節した。なお、測定及び解析条件は、以下のように設定した。
[測定及び解析条件]
・データ取り込み回数:15回
・相対屈折率:1.20
・循環:5
・超音波強度:7
(立体造形用材料(スラリー材料)の調製例2〜8)
<立体造形用材料(スラリー材料)2〜8の調製>
立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1において、下記表2の組成に変更した以外は、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして、立体造形用材料(スラリー材料)2〜8を得た。また、前記セラミックス粒子の体積平均粒径を、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして測定した。なお、立体造形用材料(スラリー材料)7と8においては、直径3mmのジルコニアビーズにてそれぞれ0.5時間、0.4時間ビーズミル分散することにより立体造形用材料(スラリー材料)を得た。
前記立体造形用材料(スラリー材料)1〜8の組成、及びセラミックス粒子の体積平均粒径を下記表2に示す。
なお、前記表2において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・ジルコニア粒子:東ソー株式会社製、商品名:TZ−3Y−E
・アルミナ粒子:西村陶業株式会社製、商品名:N−9000NS
・重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA):株式会社日本触媒製、商品名:AS−58
・重量平均分子量(Mw)が300,000のポリアクリル酸B(PAA):重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解することで得た。
・重量平均分子量(Mw)が400,000のポリアクリル酸C(PAA):重量平均分子量(Mw)が800,000のポリアクリル酸A(PAA、株式会社日本触媒製、商品名:AS−58)を、超音波装置で分解することで得た。
・重量平均分子量(Mw)が1,200,000であるポリアクリル酸誘導体:株式会社日油製、開発品
(立体造形用材料(スラリー材料)の調製例9)
<立体造形用材料(スラリー材料)9の調製>
ジルコニア粒子30質量部、ポリエチレンオキサイド(粘度平均分子量:150,000〜400,000、明成化学工業株式会社製)13質量部と、及び水60質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することで立体造形用材料(スラリー材料)9を得た。
(硬化用材料の調製例1)
<硬化用材料1の調製>
水88.0質量部と、重量平均分子量(Mw)が10,000であるポリエチレンイミンA(PEI、株式会社日本触媒製、SP−200)12.0質量部と、界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)0.5質量部とを、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、硬化用材料1を調製した。
(硬化用材料の調製例2〜4)
<硬化用材料2〜4の調製>
硬化用材料の調製例1において、下記表3の組成に変更した以外は、硬化用材料の調製例1と同様にして、硬化用材料2〜4を得た。
前記硬化用材料1〜4の組成を下記表3に示す。
なお、前記表3において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・重量平均分子量(Mw)が10,000であるポリエチレンイミンA(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP−200、アミン価:1,103mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,800であるポリエチレンイミンB(PEI):株式会社日本触媒製、商品名:SP018、アミン価:1,316mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,500であるポリビニルピロリドン(PVP):株式会社日本触媒製、商品名:K−30、アミン価:306mgKOH/g
・重量平均分子量(Mw)が1,600のポリアリルアミン(PAA):株式会社ニットーボーメディカル製、商品名:PAA−01、アミン価:1,238mgKOH/g
(硬化用材料の調製例5)
<硬化用材料5の調製>
以下の組成を混合し、硬化用材料5を得た。
<紫外線硬化樹脂>
・フェノキシエチルアクリレート(東京化成工業社製):40.8質量%
・ジエチレングリコールジアクリレート(東京化成工業社製):5質量%
<水溶性モノマー>
・4−ヒドロキシブチルアクリレート(東京化成工業社製):50質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(東京化成工業社製):1質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(東京化成工業社製):2質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン(東京化成工業社製):0.2質量%
<界面活性剤>
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK302、BYK社製):1質量%
(第三の立体造形用液体材料の調製例1)
<第三の立体造形用液体材料の調製>
エタノール89.0質量部と、イソプロピルアルコール10.0質量部と、界面活性剤としてノニオシドB−15(第一工業製薬株式会社製)1.0質量部とを、ホモミキサーを用いて30分間分散させて、第三の立体造形用液体材料を調製した。
(実施例1)
得られた立体造形用材料(スラリー材料)1と、得られた硬化用材料1と、得られたセラミックス着色用インク1を用いて立体造形材料セット1とし、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、立体造形物(積層造形物)1を以下(1)〜(3)のようにして作製した。
(1)まず、図1に示したような立体造形物の製造装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記スラリー材料1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmのスラリー材料1からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成したスラリー材料1からなる薄層の表面に、前記セラミックス着色用インク1と硬化用材料1を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いて別々のノズルから付与(吐出)し、前記スラリー材料1を着色及び硬化させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、着色及び硬化した前記スラリー材料1からなる薄層を順次積層して硬化物を得た。得られた硬化物を常温放置にて乾燥し、溶媒を揮発させて、立体造形物1を製造した。得られた立体造形物1を第三の立体造形用液体材料1中に浸漬することにより、硬化していないスラリー材料成分を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。
(実施例2〜22、及び比較例1)
実施例1において、下記表4に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせて立体造形材料セット2〜23とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜22の立体造形物2〜22、及び比較例1の立体造形物23をそれぞれ作製した。なお、比較例1は、着色又は造形することができなかった。
(実施例23)
得られた立体造形用材料(スラリー材料)9と、得られた硬化用材料5と、得られたセラミックス着色用インク1を用いて立体造形材料セット24とし、立体造形物(積層造形物)23を以下(1)〜(3)のようにして作製した。
(1)まず、図1に示したような立体造形物の製造装置を用いて、供給側粉末貯留槽から造形側粉末貯留槽に前記スラリー材料9を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmのスラリー材料9からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成したスラリー材料1からなる薄層の表面に、前記セラミックス着色用インク1と硬化用材料5を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いて別々のノズルから付与(吐出)し、紫外線照射を行うことで硬化用材料を硬化し、前記スラリー材料9を着色及び硬化させた。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、着色及び硬化した前記スラリー材料9からなる薄層を順次積層して硬化物を得た。得られた硬化物を常温放置にて乾燥し、溶媒を揮発させて、立体造形物24を製造した。得られた立体造形物24を第三の立体造形用液体材料1中に浸漬することにより、硬化していないスラリー材料成分を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。
得られた立体造形物を用いて、以下のようにして、「明度L」、「彩度a」、「色相b」、及び「寸法精度」を評価した。結果を下記表4に示す。
(明度L、彩度a、及び色相bの測定)
得られた立体造形物の明度L、彩度a、及び色相bは、立体造形物(歯科用補綴物)の形状に造形したテストピースを用い、ウルトラミクロトームで切断した歯科用補綴物の縦方向断面を測色計(装置名:クリスタルアイ、オリンパス株式会社製)を用いて測定した。具体的には、図3の縦方向断面の模式図に示すように、歯科用補綴物100の歯茎部端102から切端101の真ん中に位置するA1、歯茎部端102から前記A1の真ん中に位置するA2、切端101から前記A1の真ん中に位置するA3、左側壁端103から前記A1の真ん中に位置するB1、右側壁端104から前記A1の真ん中に位置するB2をそれぞれ測色した。なお、実施例1〜23、及び比較例1は、前記5点とも同一の値であるため、A1の値のみを示す。
(寸法精度)
次に、得られた立体造形物について、目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「寸法精度」を評価した。
[評価基準]
○:得られた立体造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
△:得られた立体造形物の表面に若干の歪みと僅かに反りが生じている状態
×:得られた立体造形物の表面に歪みが生じており、激しく反りが生じている状態
前記(3)で得られた立体造形物について、前記寸法精度を評価した後、以下(4)のようにして焼結処理を行い、焼結後の立体造形物の焼結体を作製した。
(4)セラミックス粒子としてジルコニア粒子を用いた実施例における立体造形物は、焼結炉内で空気環境下、1,500℃での焼結処理を行った。
セラミックス粒子としてアルミナ粒子を用いた実施例における立体造形物は、空気環境下、1,600℃での焼結処理を行った。
これらの立体造形物の焼結体は完全に一体化された構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
(焼結後の曲げ強度、焼結後密度、及び焼結性)
次に、得られた焼結後の立体造形物の焼結体について、以下のようにして、「焼結後の曲げ強度」、「焼結後密度」、及び「焼結性」を評価した。結果を下記表4に示す。
<焼結後の曲げ強度>
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、アルミナ粒子)を用いた立体造形物の曲げ強度は、ISO−6871に基づいて測定した。なお、前記測定は、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いた。
また、前記焼結後の曲げ強度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、立体造形物の「焼結性」を評価した。
[ジルコニア粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、800MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上800MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
[アルミナ粒子を用いた場合の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、600MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上600MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
<焼結性>
セラミックス粒子(ジルコニア粒子、アルミナ粒子)を用いた立体造形物の焼結後密度は、JIS−R−1634に基づいて、「密度」を測定した。前記焼結後密度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、立体造形物の焼結性を評価した。なお、前記測定は、株式会社エー・アンド・デイ製のAD−1653を用いた。
[評価基準]
○:焼結後密度が、98%以上
△:焼結後密度が、93%以上98%未満
×:焼結後密度が、93%未満
(セラミックス着色用インクの調製例13〜17)
セラミックス着色用インクの調製例1において、下記表5の組成に変更した以外は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして、セラミックス着色用インク13〜17を得た。また、前記セラミックス着色用インク13〜17の粘度、及び表面張力は、セラミックス着色用インクの調製例1と同様にして測定した。
なお、前記表5において、成分の商品名、及び製造会社名は、前記表1と同一である。
(立体造形用材料(スラリー材料)の調製例10〜12)
<立体造形用材料(スラリー材料)10〜12の調製>
立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1において、下記表6の組成に変更した以外は、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして、立体造形用材料(スラリー材料)10〜12を得た。また、前記セラミックス粒子の体積平均粒径を、立体造形用材料(スラリー材料)の調製例1と同様にして測定した。
なお、前記表6において、成分の商品名、及び製造会社名は、前記表2と同一であり、異なる成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・ポリビニルアルコール:日本合成化学工業株式会社製、商品名:OKS−8125
・メチルメタクリレート:東京化成工業株式会社製
(硬化用材料の調製例6〜8)
<硬化用材料6〜8の調製>
硬化用材料の調製例1において、下記表7の組成に変更した以外は、硬化用材料の調製例1と同様にして、硬化用材料6〜8を得た。
なお、前記表7において、成分の商品名、及び製造会社名は、前記表3と同一であり、異なる成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・メチルメタクリレート(MMA):東京化成工業株式会社製
(実施例24)
実施例1において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更し、吐出工程と硬化工程との順として、それぞれ別々のヘッドに充填したインクジェット着色用インク(吐出工程)を先に吐出し、その後に、硬化用材料を吐出したこと、及び下記表8に示す層厚に変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物を得た。
<生産性>
実施例24の製造過程における(3)で得られた立体造形物について、以下の基準により生産性を評価した。結果を下記表9に示す。
[評価基準]
○:立体造形物を得るまでの時間が、6時間以下である
△:立体造形物を得るまでの時間が、6時間超8時間未満である
×:立体造形物を得るまでの時間が、8時間超である
(実施例25)
実施例24において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更し、硬化工程としてUV照射機(装置名:Aicure UD40、パナソニック株式会社製)を用いてUV(紫外線)照射して硬化させた以外は、実施例24と同様にして、立体造形物を得た。
(実施例26、及び比較例3〜4)
実施例25において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更した以外は、実施例25と同様にして、立体造形物を得た。
(実施例27〜36、比較例2、及び参考例1〜2)
実施例24において、下記表8に示すようにセラミックス着色用インクと立体造形用材料と硬化用材料とを組み合わせた立体造形材料セットに変更した以外は、実施例24と同様にして、立体造形物を得た。
実施例25〜36、比較例2〜4、及び参考例1〜2において、実施例24と同様にして、「生産性」を評価した。結果を下記表9に示す。
なお、前記表8中、セラミックス着色用インクにおける( )内の色は、造型後の立体造形物を焼結した後に示す色である。
得られた立体造形物を用いて、実施例1と同様にして、「寸法精度」、「焼結後曲げ強度」、及び「焼結性」を評価した。また、以下のようにして、「Z方向階調数」、及び「色再現性」を評価した。結果を下記表9に示す。
(Z方向階調数の測定)
得られた立体造形物のZ方向の階調数は、層ごとに色味が大きく異なるテストピースを造形し、ウルトラミクロトームで切断した立体造形物の縦方向断面を光学顕微鏡(装置名:Axio Observer、カール・ツァイス社製)により観察することで測定した。具体的には、層ごとに赤、青、透明(白)で着色させ、Z方向に対して1mm当たりの着色層の数を数えることで階調数を測定した。
(色再現性)
次に、得られた立体造形物の色再現性は、実際の歯科用補綴物を参考に、歯茎部から切端部に向かってグラデーションを作り、目視により、Vitaシェードガイドと比較し、下記評価基準に基づいて、立体造形物(歯科用補綴物)の「色再現性」を評価した。
[評価基準]
○:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションが再現できており、比較するVitaシェードガイドと全く違いが分からないレベルである
△:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションが再現できているが、比較するVitaシェードガイドとは若干の差異が分かるレベルである
×:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションなどが再現できていない
<1> セラミックス粒子を含む立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、
前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド、及び遷移金属の少なくともいずれかを含む前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムのいずれかを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記セラミックス粒子の体積平均粒径が、1μm未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記立体造形用材料が、溶媒を含むスラリーである前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6>前記立体造形用材料中の前記セラミックス粒子が、ジルコニア、及びアルミナの少なくともいずれかを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 前記層形成工程後、前記吐出工程前に、前記立体造形用材料層を乾燥する層乾燥工程を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 造形後に、除去用液体材料により未硬化の前記立体造形用材料を除去する除去工程をさらに含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 造形後に、造形物を焼結する焼結工程をさらに含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記セラミックス着色用インクが、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記セラミックス着色用インクが、水系媒体である前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記層形成後に、前記立体造形用材料層の所定領域を硬化する硬化工程をさらに含む前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含み、
前記付与工程の後に、前記立体造形用材料層の所定領域に、活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程をさらに含む前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 前記吐出工程において、異なる金属イオン又は異なる金属錯体をそれぞれ含有する複数のセラミックス着色用インクを吐出する前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<16> セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
前記立体造形用材料を硬化する成分を含有する硬化用材料と、
金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、を有することを特徴とする立体造形材料セットである。
<17> 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む前記<16>に記載の立体造形材料セットである。
<18> 前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含む前記<16>から<17>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<19> 前記立体造形用材料が、水系媒体、及びアルコール系媒体の少なくともいずれかである前記<16>から<18>のいずれかに記載の立体造形材料セットである。
<20> セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、
立体造形用材料層を保持するための立体造形用材料層保持手段と、
前記立体造形用材料層保持手段の上に前記立体造形用材料を用いて前記立体造形用材料層を形成する層形成手段と、
前記立体造形用材料層保持手段上に形成された前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて前記セラミックス着色用インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<21> 前記<20>に記載の立体造形物の製造方法により製造されたことを特徴とする歯科用補綴物である。
前記<1>から<15>のいずれかに記載の立体造形の製造方法、前記<16>から<19>のいずれかに記載の立体造形材料セット、前記<20>に記載の立体造形物の製造装置、及び前記<21>に記載の歯科用補綴物は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2014−218418号公報 特表2003−531034号公報 特開2011−21218号公報 特開平9−25589号公報 国際公開第2011046151号パンフレット 特許第3962214号公報
4 硬化用材料

Claims (17)

  1. セラミックス粒子を含む立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、
    前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて、金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクを吐出する吐出工程と、を複数回繰り返して立体造形物を造形することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド、及び遷移金属の少なくともいずれかを含む請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムのいずれかを含む請求項2に記載の立体造形物の製造方法。
  4. 前記セラミックス粒子の体積平均粒径が、1μm未満である請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記立体造形用材料が、溶媒を含むスラリーである請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  6. 前記層形成工程後、前記吐出工程前に、前記立体造形用材料層を乾燥する層乾燥工程を含む請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  7. 造形後に、除去用液体材料により未硬化の前記立体造形用材料を除去する除去工程をさらに含む請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  8. 造形後に、造形物を焼結する焼結工程をさらに含む請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  9. 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
    前記セラミックス着色用インクが、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  10. 前記層形成後に、前記立体造形用材料層の所定領域を硬化する硬化工程をさらに含む請求項1から9のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  11. 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
    前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
    前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む請求項10に記載の立体造形物の製造方法。
  12. 前記硬化工程が、前記立体造形用材料層の所定領域に硬化用材料を付与する付与工程を含み、
    前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含み、
    前記付与工程の後に、前記立体造形用材料層の所定領域に、活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程をさらに含む請求項10に記載の立体造形物の製造方法。
  13. 前記吐出工程において、異なる金属イオン又は異なる金属錯体をそれぞれ含有する複数のセラミックス着色用インクを吐出する請求項1から12のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  14. セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
    前記立体造形用材料を硬化する成分を含有する硬化用材料と、
    金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、を有することを特徴とする立体造形材料セット。
  15. 前記立体造形用材料が、溶媒と、有機化合物Aと、をさらに含み、
    前記硬化用材料が、前記有機化合物Aに反応性を示す有機化合物Bを含む請求項14に記載の立体造形材料セット。
  16. 前記立体造形用材料、及び前記硬化用材料の少なくともいずれかが、モノマーを含む請求項14から15のいずれかに記載の立体造形材料セット。
  17. セラミックス粒子を含む立体造形用材料と、
    金属イオン又は金属錯体を含有するセラミックス着色用インクと、
    立体造形用材料層を保持するための立体造形用材料層保持手段と、
    前記立体造形用材料層保持手段の上に前記立体造形用材料を用いて前記立体造形用材料層を形成する層形成手段と、
    前記立体造形用材料層保持手段上に形成された前記立体造形用材料層の所定領域に対して、インクジェットヘッドを用いて前記セラミックス着色用インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。

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